JPH10227694A - 発光現象識別装置 - Google Patents

発光現象識別装置

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JPH10227694A
JPH10227694A JP3051797A JP3051797A JPH10227694A JP H10227694 A JPH10227694 A JP H10227694A JP 3051797 A JP3051797 A JP 3051797A JP 3051797 A JP3051797 A JP 3051797A JP H10227694 A JPH10227694 A JP H10227694A
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JP
Japan
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light
light emission
optical system
image
photodetector
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Application number
JP3051797A
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English (en)
Inventor
Hisanobu Takamoto
尚宜 高本
Shinji Osuga
慎二 大須賀
Hiroyuki Matsumoto
浩幸 松本
Sachiko Kadouchi
幸子 門内
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Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定視野内において離散的に生じている発光
現象を短時間に識別することができる小型の発光現象識
別装置を提供する。 【解決手段】 蛍光顕微鏡装置20内において励起光が
試料に照射されて離散的に生じた蛍光は、サイドポート
21から出射されて、発光現象識別装置10に入射す
る。その蛍光は、第1レンズ11により略平行光束とさ
れ、分散プリズム12により一方向に分光され、第2レ
ンズ13により結像され、光検出器14により撮像され
る。画像処理部15により、光検出器14により撮像さ
れた光の像が解析されて、発光現象により生じた光のス
ペクトルが求められ、このスペクトルに基づいて発光現
象が識別される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一定視野内におい
て離散的に生じている発光現象を識別する技術に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、顕微鏡視野内において2次元
的に分布する発光現象を識別する装置として、幾つかの
装置が知られている。例えば、顕微鏡により得られた像
をカラーカメラを用いて撮像し、その撮像により得られ
た画像の各画素ごとの色バランスを評価することによ
り、2次元的に分布する発光現象を識別することができ
る。あるいは、顕微鏡により得られた像に対して数種類
のバンドパスフィルタを用いて任意の波長成分を選択
し、その選択された波長成分ごとにモノクロカメラで撮
像することによっても、同様に、2次元的に分布する発
光現象を識別することができる。
【0003】また、厳密に発光現象の識別を行うための
装置として、特開平8−193884号公報に、画像分
光装置が開示されている。この画像分光装置は、多色光
束の光路上に第1結像レンズ、スリット板、第1コリメ
ータレンズ、分光手段、第2コリメータレンズ、マイク
ロプリズムアレイ、第2結像レンズおよび2次元アレイ
センサを順次配置し、分光手段により分光された光束の
うち所定波長成分をマイクロプリズムアレイにより屈曲
して所定の方向に出射し、これを2次元アレイセンサの
所定のセンサにより検出するものである。本装置は、こ
のようにして、分光された各画像を同時に取得してい
る。
【0004】また、発光スペクトルのプロファイルを取
得する装置として、USP4455087に開示されて
いるMonochromatic imaging apparatus や、既に販売さ
れている2次元画像分光システムSD−200(島津製
作所)がある。これらの装置は、局所的な発光現象のス
ペクトル・プロファイルを取得することが可能であり、
そのスペクトル・プロファイルに基づいて発光現象を識
別することができる。
【0005】さらに、カメラ等の撮像手段を用いない方
式(例えば、レーザ顕微鏡等)もあり、この方式によっ
ても、上述のカメラを用いた場合と同様に、発光現象の
スペクトルに基づいて発光現象を識別することができ
る。ただし、この方式の場合には、カメラを用いた場合
と比較して、発光現象の識別に長時間を要するので、2
次元的な発光現象の識別には用いられていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術それぞれは、顕微鏡視野内の発光現象が離散的に
分布していて、その発光現象が極微弱である場合に、そ
の発光現象を識別するに際して以下のような問題点があ
る。
【0007】すなわち、カラーカメラを用いる手法で
は、装着されるフィルタを発光現象のスペクトルに応じ
て変更する必要があり、また、カメラを高感度化する必
要があることから、結果的に、複数台の高感度カメラを
組み合わせて用いることとなり、システムが大型になる
という問題点があり、また、発光現象を識別するには長
時間を要するという問題点もある。
【0008】また、複数のバンドパスフィルタとモノク
ロカメラとを組合せて用いる手法や、USP44550
87に開示されている装置は、各波長成分ごとに1回の
測定が必要であることから、分光情報を取得するには、
光の利用効率が犠牲になり、発光現象の識別に長時間を
要するという問題点がある。
【0009】また、特開平8−193884号公報に記
載された画像分光装置は、原理的に短時間に発光現象を
識別することができるものの、装置構成が複雑であり、
光の利用効率が悪く、S/N比良く発光現象を識別する
には長時間を要するという問題点がある。
【0010】さらに、2次元画像分光システムSD−2
00は、干渉を利用するものであるため、複数枚の干渉
画像を撮像する必要があり、したがって、これも、発光
現象を識別するには長時間を要するという問題点があ
る。
【0011】以上のように、何れの従来技術も、発光現
象を識別するには長時間を要するという問題点がある。
したがって、蛍光発光現象を識別しようとする場合に
は、励起光を長時間照射せざるを得ず、褪色の問題が生
する。また、短時間しか反応しない化学発光現象を識別
しようとする場合には、2次元的な識別が不可能とな
る。このような蛍光発光現象や化学発光現象を確実に識
別するためには、複数台の高感度の冷却CCDを使用す
ることも考えられるが、ダイクロイックミラーやバンド
パスフィルタ等を使用して光学系を適切に設計する必要
があることから、装置が大型・複雑となり、また、高価
なものとなる。
【0012】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、一定視野内において離散的に生じてい
る発光現象を短時間に識別することができる小型の発光
現象識別装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る発光現象識
別装置は、一定視野内において離散的に生じている発光
現象を識別する発光現象識別装置であって、(1) 発光現
象により生じた光を略平行光束にする平行光束形成光学
系と、(2) 平行光束形成光学系により略平行光束とされ
た光を一方向に分光する分光光学系と、(3) 分光光学系
により分光された光を結像する結像光学系と、(4) 結像
光学系により結像された光の像を撮像する光検出器と、
(5) 光検出器により撮像された光の像を解析し、発光現
象により生じた光のスペクトルを求め、このスペクトル
に基づいて発光現象を識別する画像処理部と、を備える
ことを特徴とする。
【0014】この発光現象識別装置によれば、一定視野
内において離散的に生じている発光現象により生じた光
は、平行光束形成光学系により略平行光束とされ、分光
光学系により一方向に分光され、結像光学系により結像
され、光検出器により撮像される。そして、画像処理部
により、光検出器により撮像された光の像が解析され
て、発光現象により生じた光のスペクトルが求められ、
このスペクトルに基づいて発光現象が識別される。
【0015】また、分光光学系は分散プリズムであるこ
とを特徴とする。この場合、平行光束形成光学系により
略平行光束とされた光は、分散プリズムの波長分散特性
に応じて分光される。また、分光光学系は回折格子であ
ることを特徴とする。この場合、平行光束形成光学系に
より略平行光束とされた光は、回折格子の波長分散特性
に応じて分光される。
【0016】また、光検出器は2次元CCDであること
を特徴とする。この場合、分光光学系により分光され結
像光学系により結像された光の像は、2次元CCDの各
画素上にスペクトルとして得られる。また、光検出器は
冷却CCDであることを特徴とする。この場合、結像光
学系により結像された光のスペクトル像は、高感度に得
られる。また、2次元CCDの画素配列の一方向が分光
光学系の分光方向と一致していることを特徴とする。こ
の場合、分光光学系により分光され結像光学系により結
像された光の像は、2次元CCDの1方向に配列された
各画素上にスペクトルとして得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0018】図1は、本実施形態に係る発光現象識別装
置の構成図である。なお、この図は、本実施形態に係る
発光現象識別装置10に加えて、蛍光顕微鏡装置20を
も示している。この発光現象識別装置10は、蛍光顕微
鏡装置20の視野内における離散的な蛍光発光現象を光
学的に処理した後に撮像し、その像を更に画像解析し
て、蛍光発光現象を識別するものである。
【0019】蛍光顕微鏡装置20は、例えば、ニコン社
製の万能倒立型顕微鏡装置TMD300が用いられる。
これに用いられる蛍光観察用カセットフィルタは、励起
波長に応じて適切に選択され、また、バリヤフィルタと
しては、長波長透過フィルタが用いられる。例えば、U
V励起において、フィルタカセットとしてUV−2A
(ニコン社製)を、励起フィルタとしてEX330−3
80(ニコン社製)を、ダイクロイックミラーとしてD
M400(ニコン社製)を、バリヤフィルタとしてBA
420(ニコン社製)を、それぞれ使用すると、波長3
30〜380nmの励起光の照射に対して、波長420
nm以上の蛍光を得ることができる。また、例えば、B
励起において、フィルタカセットとしてB−2A(ニコ
ン社製)を使用すると、波長450〜490nmの励起
光の照射に対して、波長520nm以上の蛍光を得るこ
とができる。
【0020】この蛍光顕微鏡装置20は、励起光源(図
示せず)、試料ステージ(図示せず)、対物レンズ(図
示せず)、サイドポート21等を有している。励起光源
から出射された励起光は、試料ステージに載置された試
料に照射され、この照射に伴い試料中の蛍光物質から発
生した蛍光は、対物レンズを経て、サイドポート21か
ら出射され、結像面P1上に結像される。この結像面P
1は、物理的な何等かの面が実際に存在するのではな
く、仮想的な面である。もし、カメラ(図示せず)の撮
像面がこの結像面P1に一致するようにカメラが配置さ
れると、そのカメラは、蛍光の像を撮像することができ
る。
【0021】一方、発光現象識別装置10は、第1レン
ズ(平行光束形成光学系)11、分散プリズム(分光光
学系)12、第2レンズ(結像光学系)13、光検出器
14、画像処理部15および表示部16を備えて構成さ
れ、蛍光顕微鏡装置20のサイドポート21から出射さ
れた蛍光を入力する。
【0022】第1レンズ11は、焦点距離f1の凸レン
ズであって、サイドポート21から出射された蛍光の光
軸と一致した光軸で、その蛍光が収斂する結像面P1か
ら焦点距離f1と同じ距離だけ隔てて配置される。
【0023】分散プリズム12は、第1レンズ11から
出力される蛍光の光軸上に配され、分光光学素子として
作用するものである。すなわち、分散プリズム12は、
その蛍光を入射して、頂角と入射角と屈折率とに応じた
偏角で蛍光を出射する。ここで、頂角は、分散プリズム
12の面のうち蛍光が入射する入射面と蛍光が出射する
出射面とがなす角度であり、入射角は、蛍光の入射方向
と入射面の法線とがなす角度であり、偏角は、蛍光の出
射方向と入射方向とがなす角度である。また、分散プリ
ズム12の屈折率は、波長に応じて異なる。
【0024】第2レンズ13は、分散プリズム12から
出力される蛍光を入力する焦点距離f2の凸レンズであ
る。第2レンズ13の光軸は、その蛍光のうちの所定の
波長の光の光軸に一致している。また、光検出器14
は、第2レンズ13の光軸上に配され、その撮像面P2
上に結像された2次元の光像を撮像するものである。光
検出器14の撮像面P2は、第2レンズ13の光軸に垂
直であって、第2レンズ13から焦点距離f2と同じ距
離だけ隔てられている。なお、この光検出器14とし
て、2次元CCDが好適に用いられ、特に、液体窒素冷
却により暗電流を限界付近まで抑えた冷却CCDが更に
好適に用いられる。この冷却CCDによれば、その超低
ノイズ特性から、単位時間内に入射する光子の数が少な
い場合であっても、高感度な撮像が可能である。
【0025】ここで、以上にようにして構成される発光
現象識別装置10内の光学系(結像面P1から光検出器
14の撮像面P2に到るまでの光学系)の作用について
説明する。蛍光顕微鏡装置20のサイドポート21から
出射された蛍光は、結像面P1で一端収斂した後、第1
レンズ11により平行光束とされて、分散プリズム12
に入射する。分散プリズム12に入射した蛍光は、分散
プリズム12より偏向されて出射されるが、その出射さ
れる蛍光は、各波長成分ごとに見れば平行光束ではある
ものの、波長に応じて出射方向が異なる。分散プリズム
12から出射された蛍光は、第2レンズ13に入射し
て、第2レンズ13により撮像面P2上に結像される。
しかし、撮像面P2上の蛍光の結像位置は、蛍光の各波
長成分の第2レンズ13への入射方向に応じて異なる。
【0026】このように、蛍光顕微鏡装置20の試料ス
テージに載置された試料中の同一点で発生した蛍光であ
っても、光検出器14の撮像面P2上には、波長に応じ
て異なる位置に結像される。すなわち、試料中の同一点
で発生した蛍光は、撮像面P2上の所定の直線に沿っ
て、波長に応じて異なる位置に結像されて、スペクトル
を形成するが、その所定の直線とは、蛍光顕微鏡装置2
0の視野における当該同一点に対応したものであって、
分散プリズム12による蛍光分光の方向に平行なもので
ある。
【0027】光検出器14は、このように発光現象識別
装置10内の光学系により撮像面P2上に直線状に結像
された蛍光スペクトルを撮像する。したがって、光検出
器14が2次元CCDである場合には、その画素配列の
1方向を、蛍光スペクトルが結像される方向と一致させ
るのが好適である。
【0028】画像処理部15は、光検出器14により撮
像された像を入力し、その画像の各画素ごとの強度を求
める。もし、上述のように光検出器14である2次元C
CDの画素配列の1方向が、試料上の1点から発した蛍
光のスペクトルが結像される方向と一致していれば、画
像処理部15は、その画素配列の1方向について画素ご
とに強度を求めることで、試料上の1点から発した蛍光
のスペクトルを得ることができる。
【0029】表示部16は、光検出器14により撮像さ
れた画像そのものを表示し、あるいは、その画像処理部
15による画像処理の結果得られた画像や蛍光スペクト
ルを表示する。例えば、表示部16は、選択された試料
上の任意の1点から発した蛍光について、そのスペクト
ルを表示する。したがって、その蛍光スペクトルのプロ
ファイル形状に基づいて、その1点で生じた蛍光発光現
象を識別することができる。
【0030】次に、発光現象識別装置10内の光学系
(結像面P1から光検出器14の撮像面P2に到るまで
の光学系)の具体的な1例について説明する。図2は、
本実施形態に係る発光現象識別装置内の光学系の説明図
である。
【0031】例えば、この光学系を構成する第1レンズ
11および第2レンズ13それぞれとして共に、焦点距
離f1=f2=60mmのアクロマティックレンズが用
いられ、また、分散プリズム12として、頂角60度
で、材質が合成石英のものが用いられる。
【0032】この条件の下では、第1レンズ11は、第
1レンズ11の焦点距離f1と同じ距離60mmだけ、
結像面P1から隔てて配置される。また、分散プリズム
12は、その中心位置が、蛍光顕微鏡装置20の対物レ
ンズの瞳位置に対して、第1レンズ11に関して共役と
なる位置に配置される。さらに、この分散プリズム12
は、第1レンズ11の光軸に平行に入射するe線(波長
546.1nm)に対して、偏角が最小となるような方
位に配置される。すなわち、e線に対する最小偏角は3
3.8度であり、このときの入射角は46.9度である
ので、分散プリズム13は、この条件を満たすように配
置される。
【0033】第2レンズ13は、分散プリズム12から
出射されるe線の光軸上に、分散プリズム12の中心位
置について第1レンズ11と対称となる位置に配され
る。また、光検出器14の撮像面P2は、第2レンズ1
3の焦点距離f2と同じ距離60mmだけ、第2レンズ
13から隔てて配置される。さらに、光検出器14は、
その画素配列の1方向が分散プリズム12による分光の
方向と一致するよう配置される。
【0034】このように光学系の各要素が配置される
と、試料上の或1点で生じ結像面P1上の点X1に一旦
結像された蛍光は、第1レンズ11、分散プリズム12
および第2レンズ13を経て、光検出器14の撮像面P
2上の点X2に到達する。また、試料上の他の或1点で
生じ結像面P1上の点Y1に一旦結像された蛍光は、光
検出器14の撮像面P2上の点Y2に到達する。
【0035】しかし、試料上の或1点で生じた蛍光であ
っても、撮像面P2上の対応する1点において、厳密に
結像されるのではない。すなわち、試料上の或1点で生
じた蛍光は、分散プリズム12の波長分散特性により、
波長に応じて撮像面P2上の異なる位置に到達して結像
される。すなわち、試料上の或1点で生じた蛍光は、撮
像面P2上の対応する点を含む直線上に、スペクトル分
解されて結像される。
【0036】図3は、試料における発光現象および光検
出器14により撮像されるスペクトル像の説明図であ
る。図3(a)は、蛍光顕微鏡装置20の対物レンズの
視野内における発光現象、すなわち、結像面P1におけ
る像を示すものである。また、図3(b)は、発光現象
識別装置10の光検出器14により撮像される像、すな
わち、撮像面P2における像を示すものである。
【0037】蛍光顕微鏡装置20の対物レンズの視野内
の試料において離散的な幾つかの点(図3(a)中の各
点)で生じた発光現象は、発光現象識別装置10の光検
出器14により、図3(b)に示すように、分散プリズ
ム12の分光方向に延びた線分の像(図3(b)中の各
線分)として撮像される。この光検出器14による像
(図3(b))中における各線分それぞれは、視野(図
3(a))内において発光が生じている各点それぞれの
位置が対応したものであり、また、その各点それぞれの
発光現象に対応したスペクトルを表すものである。
【0038】例えば、試料上の同一点から発したg線
(波長435.8nm)およびe線(546.1nm)
それぞれは、光検出器14の撮像面P2上の中央付近の
領域に到達すると、その撮像面P2上において互いに間
隔0.62mmだけ隔てて結像される。もし、光検出器
14が2次元CCDであって、その1画素当たりの寸法
が27μmである場合、撮像面P2上に結像された蛍光
スペクトルを光検出器14により撮像すれば、g線およ
びe線は互いに23画素分だけ隔てて検出される。
【0039】次に、本実施形態に係る発光現象識別装置
を用いた蛍光発光現象の解析例について説明する。
【0040】ここで用いた蛍光顕微鏡装置20は、既述
した万能倒立型顕微鏡装置TMD300であり、フィル
タカセットとしてUV励起用のUV−2Aを用いた。標
準試料として、互いに異なるスペクトル・プロファイル
を有する蛍光をそれぞれ発生する3種類の蛍光ビーズを
溶液中に混在させたものを用意した。また、その標準試
料における溶液中の蛍光ビーズの濃度は、倍率20倍の
対物レンズを用いて観察したときに、その視野内に蛍光
ビーズが10個程度となるような濃度とした。
【0041】このような標準試料に励起光を照射して発
生する蛍光を、対物レンズを経てサイドポート21に出
力し、発光現象識別装置10に入力して解析した。その
結果、光検出器14により撮像された画像は、分散プリ
ズム12による分光方向に平行な直線上にそれぞれ分光
された幾つかの蛍光スペクトル像であった。そして、こ
の蛍光スペクトル像それぞれのプロファイルを、画像処
理部15により求め、表示部16に表示した。
【0042】図4乃至図6それぞれは、標準試料に含ま
れる3種類の蛍光ビーズそれぞれから発生した蛍光のス
ペクトル・プロファイルであり、表示部16に表示され
たものをプロッタ(図示せず)により出力したものであ
る。なお、これらの図それぞれにおいて、横軸は、光検
出器14である2次元CCDの画素位置に対応するもの
であり、縦軸は、相対的な蛍光強度であり、スペクトル
・プロファイルのピーク値が値1になるように規格化さ
れている。
【0043】これら図4乃至図6それぞれに示されたス
ペクトル・プロファイルを比較すると、それぞれのピー
クの半値全幅は、図4では16.3画素、図5では2
2.4画素、図6では10.8画素である。したがっ
て、ピークの半値全幅に基づいて、3種類の蛍光ビーズ
の何れであるかを識別することができる。また、図5に
示すスペクトル・プロファイルのようにピークが複数認
められる場合には、ピークの数によっても、蛍光ビーズ
を識別することができる。また、ピーク値が規格化され
たスペクトル・プロファイルの面積等によっても、蛍光
ビーズを識別することができる。さらに、これらを複合
して判断することにより、3種類の蛍光ビーズの何れで
あるかを識別してもよい。このように、蛍光強度に依存
することなく、蛍光スペクトルのプロファイル形状のみ
に基づいて、蛍光発光現象を識別することができる。
【0044】なお、この発光現象識別装置10において
は、分散プリズム12の波長分散特性や第1レンズ11
および第2レンズ13それぞれの収差に起因して、光検
出器14により撮像される蛍光スペクトルの画素位置
は、実際の波長と線形関係にない。また、撮像される蛍
光スペクトルは、波長に関する基準を持たない。分散プ
リズム12の分光方向と垂直な方向については、試料上
の発光位置は正確に求められるが、分散プリズム12の
分光方向と平行な方向については、試料上の発光位置の
確度とスペクトルの解像度とはトレードオフの関係にあ
る。さらに、光検出器14の分光感度特性に起因して、
撮像される蛍光スペクトルの強度と実際の蛍光強度との
比は、波長によって異なる。したがって、光検出器14
により撮像される蛍光スペクトルのプロファイルは、試
料で発生した蛍光のスペクトル・プロファイルと厳密に
は一致していない。
【0045】しかし、光検出器14により撮像される蛍
光スペクトルのプロファイルは、試料で発生した蛍光の
スペクトル・プロファイルと1対1に対応するので、蛍
光発光現象を識別する上で何等支障がない。また、光検
出器14の撮像面P2上の中心付近と周辺とでは波長分
散特性が僅かに異なるものの、発光現象の識別を目的と
する場合には、何等支障はない。また、発光現象が既知
である場合、すなわち、発光のスペクトル・プロファイ
ルが既知である場合には、試料上の発光位置を求めるこ
とが可能である。
【0046】以上のように、本発明に係る発光現象識別
装置は、一定視野内において離散的に生じている発光現
象により生じた光を全て検出するので、発光現象を短時
間に識別することができる。また、構成要素となる光学
素子の種類も個数も少ないので、小型化が容易である。
【0047】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、蛍光顕微鏡
装置20において励起光源としてレーザ光源を用い、高
強度の単一波長レーザ光を励起光として試料に照射すれ
ば、発光現象識別装置10は、より高感度に蛍光スペク
トルを得ることができる。
【0048】また、上記実施形態では、発光現象識別装
置は、蛍光発光現象を識別することを目的として、蛍光
顕微鏡装置と組み合わされて用いられたが、これに限ら
れるものではない。例えば、化学発光現象を識別するに
は、適切に選択されたフィルタが挿入された顕微鏡装置
と組み合わせて用いればよい。また、発光現象を拡大す
ることなく観察し得る場合には、如何なる顕微鏡装置と
組み合わせることなく、図1に示した発光現象識別装置
10における結像面P1の位置に、発光現象を解析しよ
うとする被測定試料を置けばよい。
【0049】また、分散プリズムを用いて波長分光を行
ったが、他の分光光学系として、透過型または反射型の
回折格子を用いてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり本発明によ
れば、一定視野内において離散的に生じている発光現象
により生じた光は、平行光束形成光学系により略平行光
束とされ、分光光学系により一方向に分光され、結像光
学系により結像され、光検出器により撮像される。そし
て、画像処理部により、光検出器により撮像された光の
像が解析されて、発光現象により生じた光のスペクトル
が求められ、このスペクトルに基づいて発光現象が識別
される。
【0051】このように、本発明に係る発光現象識別装
置は、一定視野内において離散的に生じている発光現象
により生じた光を効率よく検出するので、微弱な発光現
象であっても短時間に識別することができる。したがっ
て、蛍光発光現象を識別しようとする場合には、試料に
励起光を長時間照射する必要がないので、褪色の問題を
低減することができる。短時間しか反応しない化学発光
現象を識別しようとする場合であっても、発光現象の2
次元的な識別が可能となる。また、構成要素となる光学
素子の種類も個数も少ないので、小型化が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る発光現象識別装置の構成図で
ある。
【図2】本実施形態に係る発光現象識別装置内の光学系
の説明図である。
【図3】本実施形態に係る発光現象識別装置における視
野内の発光現象および光検出器により撮像されるスペク
トル像の説明図である。
【図4】本実施形態に係る発光現象識別装置により観測
された第1の蛍光ビーズからの蛍光のスペクトル・プロ
ファイルである。
【図5】本実施形態に係る発光現象識別装置により観測
された第2の蛍光ビーズからの蛍光のスペクトル・プロ
ファイルである。
【図6】本実施形態に係る発光現象識別装置により観測
された第3の蛍光ビーズからの蛍光のスペクトル・プロ
ファイルである。
【符号の説明】
10…発光現象識別装置、11…第1レンズ、12…分
散プリズム、13…第2レンズ、14…光検出器、15
…画像処理部、16…表示部、20…蛍光顕微鏡装置、
21…サイドポート、P1…結像面、P2…撮像面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門内 幸子 静岡県浜北市平口5000番地 株式会社分子 バイオホトニクス研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定視野内において離散的に生じている
    発光現象を識別する発光現象識別装置であって、 前記発光現象により生じた光を略平行光束にする平行光
    束形成光学系と、 前記平行光束形成光学系により略平行光束とされた光を
    一方向に分光する分光光学系と、 前記分光光学系により分光された光を結像する結像光学
    系と、 前記結像光学系により結像された光の像を撮像する光検
    出器と、 前記光検出器により撮像された光の像を解析し、前記発
    光現象により生じた光のスペクトルを求め、このスペク
    トルに基づいて前記発光現象を識別する画像処理部と、 を備えることを特徴とする発光現象識別装置。
  2. 【請求項2】 前記分光光学系は分散プリズムである、
    ことを特徴とする請求項1記載の発光現象識別装置。
  3. 【請求項3】 前記分光光学系は回折格子である、こと
    を特徴とする請求項1記載の発光現象識別装置。
  4. 【請求項4】 前記光検出器は2次元CCDである、こ
    とを特徴とする請求項1記載の発光現象識別装置。
  5. 【請求項5】 前記光検出器は冷却CCDである、こと
    を特徴とする請求項4記載の発光現象識別装置。
  6. 【請求項6】 前記2次元CCDの画素配列の一方向が
    前記分光光学系の分光方向と一致している、ことを特徴
    とする請求項4記載の発光現象識別装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007501934A (ja) * 2003-08-12 2007-02-01 ライカ ミクロジュステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー 光ビームの光子検出装置
JP4821322B2 (ja) * 2003-10-09 2011-11-24 ソニー株式会社 画像処理システムおよび画像処理方法、画像表示装置および方法、並びに、画像処理装置
JP2015022070A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 独立行政法人理化学研究所 光学顕微鏡システム

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