JPH10227230A - 蒸気冷却燃焼器の冷却壁構造 - Google Patents

蒸気冷却燃焼器の冷却壁構造

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JPH10227230A JP9027707A JP2770797A JPH10227230A JP H10227230 A JPH10227230 A JP H10227230A JP 9027707 A JP9027707 A JP 9027707A JP 2770797 A JP2770797 A JP 2770797A JP H10227230 A JPH10227230 A JP H10227230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービン燃焼器壁面を蒸気冷却するに際
し、冷却媒体としての蒸気を系外へ洩すことなく供給
し、かつ回収するようにしたものを提供する。 【解決手段】 複数条の冷却用蒸気の流路溝を１枚の板
に設け、この流路溝を設置した面に高温強度のある薄板
をロー付けし、前記流路溝の一端は冷却蒸気の供給マニ
ホールドへ、他端は回収マニホールドへ連通したもので
ガスタービン燃焼器の冷却壁を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は高温の燃焼ガスに晒
される燃焼器の壁面を蒸気冷却するガスタービン燃焼器
に関する。
【０００２】
【従来の技術】ガスタービンの熱効率向上のためには、
ガスタービン入口温度を上昇させるのが有効であり、そ
れに伴い燃焼器からのＮＯｘ排出の増加抑制やタービン
の耐熱性能の向上、冷却性能の向上が望まれる。
【０００３】また燃焼器は１５００〜２０００℃の高温
ガスに晒されるので、この部位は適切に冷却され、壁面
温度が許容値内でありまた応力も低いことが必要であ
る。
【０００４】そのため、一般に、ガスタービン燃焼器の
冷却は、燃焼器内面に燃焼に供する前の空気を流すとと
もに燃焼器の壁内にも空気を流して燃焼器の金属部分の
温度をガス温度より低く冷却する方法が行なわれてい
る。
【０００５】しかしこのような空気による冷却の場合に
は、冷却に供せられた空気及び冷却空気通路から洩れた
空気は主流ガス中に放出されるので、この空気のために
ガスタービンの性能向上とＮＯｘの低減化が阻害される
ことになる。
【０００６】そこで、冷却媒体として、前記した空気に
替えて蒸気を採用するものが提案されるに至っている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】前記したようにガスタ
ービン燃焼器の冷却媒体として、空気に替えて蒸気を採
用することが提案されるに至ったが、これは冷却媒体と
して蒸気を用いるという発想のレベルであり、実用化に
至ったものはない。
【０００８】即ち、燃焼器のような複雑な形状をした壁
面に蒸気の通過する溝を形成することは、従来の一般的
な加工技術であるレーザ、放電加工等では実際上困難で
あった。また、冷却媒体たる蒸気は高圧の蒸気を使用す
ることになるため、冷却通路の形成に当たっては十分な
強度を持たせる必要から、このような要求を満たすもの
を具体的に得るには至っていなかった。
【０００９】更に加えて、蒸気を供給及び回収する手段
を設けること、およびその場合において系外への洩れを
許さないことが重要であり、この要求も満たさねばなら
ず、実現性は困難を極めるものであった。
【００１０】なお、従来一般的な手法であった空冷燃焼
器の構成及び概念等がそのままではこの要求を満すこと
は出来ないことは勿論である。
【００１１】本発明はこのような背景下において、技術
の更なる進展のニーズに応えて、蒸気冷却を実現可能に
した好ましいものを提供することを課題とするものであ
る。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するべくなされたもので、蒸気冷却式ガスタービン燃焼
器において、燃焼ガスに晒される壁面を、複数条の冷却
用蒸気の流路溝を設けた一枚の板の溝設置面に高温強度
のある薄板をロー付けして形成し、各流路溝の端部は冷
却蒸気の供給マニホールド又は回収マニホールドに連通
した蒸気冷却燃焼器の冷却壁構造を提供し、一枚の板面
に冷却用蒸気の流路溝を複数条設けこの溝設置面に高温
強度のある薄板をロー付けし、更に各流路溝の端部は冷
却蒸気の供給マニホールド又は回収マニホールドに連通
させ、供給マニホールド、流路溝、そして回収マニホー
ルドと流れる冷却蒸気により燃焼器壁面を冷却するよう
にしたものである。
【００１３】即ち、本発明の構成によれば、燃焼器壁面
は通常の板として取り扱えるため、燃焼器の複雑な形状
をプレス等で自由に形成できると共に、高温強度のある
板をロー付けすることにより同壁面は十分な強度を有
し、高圧蒸気の使用を可能としたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図１ない
し図４に基づいて説明する。図１は冷却壁構造の断面を
示し、図２は蒸気マニホールドの設置要領を示し、図３
は冷却壁全体の構成概要を斜視図として示し、そして図
４は冷却用蒸気の供給マニホールド部を更に詳細に示す
ものである。
【００１５】１枚の板面１には冷却用蒸気の流路溝２が
平行に複数条設けられていて、その流路溝２を設置した
面に高温強度を有する別の薄板３がロー付けされてい
る。そして流路溝２の両端部は、その一方が冷却蒸気の
供給マニホールド４にまた他方が回収マニホールド５に
それぞれ連通している。
【００１６】供給マニホールド４の詳細は図４に示すよ
うに、板面１上にチャンネル状の部材を固着して形成さ
れ、図示省略の冷却蒸気供給源から白抜きの矢印Ｘのよ
うに供給される冷却蒸気を、板面１上に設けられた孔６
を通して板面１と薄板３との間に形成される各流路溝２
に、実線矢印Ｙのように供給するものである。
【００１７】なお、回収マニホールド５については、特
に詳細説明はしないが、前記した供給マニホールド４に
おける蒸気の流れと逆方向に蒸気が流れればよいことは
容易に理解されよう。
【００１８】なおまた、この冷却壁構造を形成する板面
１と薄板３は高温強度に優れたハステロイＸ、トミロイ
（共に登録商標）を採用するのが好ましく、それぞれの
厚さは、板面１については3.0 〜5.0mm の厚さとし、こ
れにロー付けする薄板３については0.8 〜1.6mm の厚さ
とするとよい。
【００１９】本実施の形態は、このように燃焼器壁面が
密封構造の流路溝２を有する二重板（板面１と薄板３）
となっており、この流路溝２は蒸気の供給マニホールド
４及び回収マニホールド５と連通しているので、供給マ
ニホールド４から蒸気を供給すれば蒸気は壁面の流路の
溝２を通って壁面を冷却し、回収マニホールド５から回
収される。
【００２０】そのため冷却媒体として蒸気を採用する場
合の必須の要項である蒸気の供給と回収が完璧に出来る
ようになること及び蒸気を系外へ僅少なりとも洩さない
ことが可能になり冷却媒体として蒸気を採用した場合の
必須要項はクリアされる。
【００２１】この結果ガスタービンの性能が向上しＮＯ
ｘの低減化が可能となったものである。
【００２２】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
【００２３】
【発明の効果】以上、本発明によれば、冷却壁構造が実
質的に板として取り扱えるので、複雑な燃焼器の形状に
適用でき、また高温強度がよいことにより高圧の冷却媒
体として蒸気の採用が可能となり、然も蒸気を採用する
際の必要事項を全てクリアしてこの採用を可能としたこ
とでガスタービンの性能向上、低ＮＯｘ化及びそれに伴
うプラントの効率向上に寄与する効果は非常に大きいも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態に係る冷却壁構造の断面
図。
【図２】図１の冷却壁構造へ、冷却蒸気の供給、回収マ
ニホールドの設置要領を示す説明図。
【図３】図１及び図２を総合し、本発明の実施の一形態
の全貌を示す斜視図。
【図４】本実施の形態における供給マニホールドの詳細
を示す斜視図。
【符号の説明】
１ 板面 ２ 流路溝 ３ 薄板 ４ 供給マニホールド ５ 回収マニホールド ６ 孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤城 弘一 兵庫県高砂市荒井町新浜２丁目１番１号 三菱重工業株式会社高砂製作所内 (72)発明者 稲田 満 兵庫県高砂市荒井町新浜２丁目１番１号 三菱重工業株式会社高砂製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 蒸気冷却式ガスタービン燃焼器におい
    て、燃焼ガスに晒される壁面を、複数条の冷却用蒸気の
    流路溝を設けた一枚の板の溝設置面に高温強度のある薄
    板をロー付けして形成し、各流路溝の端部は冷却蒸気の
    供給マニホールド又は回収マニホールドに連通したこと
    を特徴とする蒸気冷却燃焼器の冷却壁構造。
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