JPH10226879A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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Publication number
JPH10226879A
JPH10226879A JP3065997A JP3065997A JPH10226879A JP H10226879 A JPH10226879 A JP H10226879A JP 3065997 A JP3065997 A JP 3065997A JP 3065997 A JP3065997 A JP 3065997A JP H10226879 A JPH10226879 A JP H10226879A
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JP
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target
sputtering
substrate
electrode
sputtering electrode
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JP3065997A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Yamanishi
斉 山西
Isamu Aokura
勇 青倉
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 矩形平板ターゲットを有する単純な磁石構成
による小型スパッタリング電極で、大型の基板に薄膜を
形成できるとともにその薄膜の膜厚及び膜質の均一性を
向上でき、さらにターゲットの高い利用効率を実現でき
るスパッタリング装置を提供する。 【解決手段】 ターゲット1の両側縁に沿うように配置
した複数個の磁石24を有し、かつこれら磁石24は相
隣合うもの同士の極性が逆になるとともに、ターゲット
1を挟んで対向する磁石間の極性が逆になるように配設
して成るスパッタリング電極31を用い、このスパッタ
リング電極31に対向させて配置する基板をスパッタリ
ング電極31の中心軸を中心点として回転させるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単純な磁石構成に
よる小型のスパッタリング電極で、大型基板に薄膜を形
成できるスパッタリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スパッタリング法は、真空蒸着に比べ、
高融点材料や化合物の薄膜が容易に形成できる薄膜形成
技術であることから、現在広く半導体や電子部品等の工
業分野で普及している。特に、永久磁石や電磁石を磁気
回路として用いるマグネトロンスパッタリング法は薄膜
の形成速度が真空蒸着に比べ約1桁遅いというスパッタ
リング法の欠点を解決し、スパッタリング法による薄膜
形成の量産化を可能にした。
【0003】以下、従来のマグネトロンスパッタリング
電極を備えたスパッタリング装置について図10〜図1
2を参照して説明する。
【0004】図10、図11に従来の矩形平板ターゲッ
トを有するマグネトロンスパッタリング電極12を示
す。1は矩形平板ターゲットであり、インジウム等のハ
ンダ剤によりバッキングプレート2に接着され、真空シ
ール用のOリング3を介して電極本体4に設置されてい
る。ターゲット1の裏側にはマグネトロン放電用の磁気
回路5が、閉じた磁力線6を形成しかつ少なくとも磁力
線6の一部がターゲット1表面で平行になるように配置
されている。そのため、ターゲット1表面には、図11
に示すようにトロイダル型の閉じたトンネル状の磁場7
が形成される。
【0005】以上の構成のマグネトロンスパッタリング
電極12の動作原理を説明する。図12に上述のスパッ
タリング電極12を設置したスパッタリング装置を示
す。スパッタリング電極12は真空チャンバー9に絶縁
材10を介して設置されている。薄膜形成を行うには、
真空チャンバー9を真空ポンプ13により高真空(〜1
-7Torr程度)まで排気し、Ar等の放電ガス14
を流量調整器15を通して導入し、圧力調整バルブ16
を調整してチャンバー9内を10-3〜10-2Torr程
度の圧力に保つ。ターゲット1を取付けたスパッタリン
グ電極12に直流あるいは交流のスパッタリング用電源
11にて負の電圧を印加することで、電場と磁気回路5
によるトロイダル型トンネル状の磁場7の周辺で、マグ
ネトロン放電が起こり、ターゲット1がスパッタされ、
スパッタ粒子が基板ホルダー17上に設置した基板18
に堆積され、薄膜が形成される。
【0006】しかし、従来のマグネトロンスパッタリン
グ電極12では、ターゲット面と平行に通る磁力線6の
最も強い部分でプラズマ密度が高くなるため、ターゲッ
ト1上にスパッタされる浸食領域8(図11参照)とス
パッタされた粒子が再付着する領域とができ、ターゲッ
ト1の浸食が不均一に進む。このため、ターゲット1に
対向して設置した基板18上に形成される薄膜の膜厚均
一性を確保するためには、ターゲット1の大きさや、磁
気回路5、あるいはターゲット1と基板18との距離を
十分に調整する必要がある。一般に、薄膜の膜厚均一性
を確保するためには、一辺が基板18の約2倍の大きさ
を有するターゲット1が必要とされている。
【0007】現在、液晶や半導体、光磁気ディスク等、
スパッタリング技術を必要とする分野では基板18の大
型化が進んでおり、それに伴うターゲット1の大型化や
スパッタリング電極12の構成の複雑化が余儀なくされ
ている。その結果、スパッタリング装置の大型化、ター
ゲット材料の高額化等による設備コストや設置面積の増
大が問題となってきている。
【0008】そこで、これらの問題を解決するため、小
型のスパッタリング電極12で大型の基板18への薄膜
形成を可能にする取組みが行われてきた。
【0009】その一例として、図13に示すように、複
数個の平板状のマグネトロンスパッタリング電極12を
基板18に対して傾斜配置する方法があり、大型の基板
18における膜厚均一性の確保に有効である。
【0010】また、図14に示すように、平板状の内周
ターゲット21aと傾斜角を持つ外周ターゲット21b
を組合せ、2種類のターゲットを独立に制御してスパッ
タすることができるスパッタリング電極20も提案され
ている。この装置では、内周電磁石コイル22aと外周
電磁石コイル22bの電流を磁石用電源23によりそれ
ぞれ独立に制御することで内周ターゲット21aと外周
ターゲット21bの磁場を最適化し、さらにそれぞれの
ターゲット21a、21bへのスパッタ電力もスパッタ
リング用電源11により独立して制御することで、大型
の基板18での膜厚均一性の確保が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図1
3、図14の構成のスパッタリング装置でもターゲット
1、21a、21bの浸食は一様でない。図15は図1
3のスパッタリング装置のターゲット1の浸食の様子を
ターゲット1の断面で示したものであり、斜線部分は侵
食された領域8を示す。浸食の初期の段階では図15
(a)に示す状態であり、ターゲット1が使用できなく
なる直前の段階では図15(b)に示す状態になる。こ
のように、ターゲット1の侵食は一様でなく、また場所
によっても大きく異なるため、ターゲット1にはまだス
パッタされていない部分が多く残っているにもかかわら
ず、ターゲット1の一部分が局所的に薄くなるので使用
できず、高価なターゲット1の利用効率が悪いという問
題がある。
【0012】また、浸食形状も相似形を成していないの
で、基板18に対するスパッタ粒子の入射角が大きく変
化する。このためターゲット1の初期段階と終了段階と
でターゲット1近傍の磁場や電極に印加する電力を同じ
にしていたのでは基板18に形成される薄膜の膜厚及び
膜質均一性が大きく損なわれるという問題がある。
【0013】さらに、ターゲット1を基板18に対して
傾ける必要があるため、スパッタリング装置のハード構
成が複雑になるという問題がある。
【0014】また、図14に示す構成の装置におけるタ
ーゲット21a、21bの浸食の様子を図16に示す。
上記と同様に斜線部分が浸食された領域8であり、図1
6(a)は侵食初期段階、図16(b)はターゲット2
1a、21bが使用できなくなる直前の状態を示してい
る。図14に示す構成を持つ装置でも、ターゲット21
a、21bの浸食の様子は初期段階と終了段階では著し
く異なるが、磁石用電源23によりコイル22a、22
bに流れる電流を調整することで、ターゲット21a、
21b近傍の磁場が調整できるので、膜厚均一性は保つ
ことができる。
【0015】しかし、この磁場の調整は微妙で複雑な制
御が要求されるという問題がある。
【0016】さらに、ターゲット21a、21bの経時
変化に対する膜厚均一性は確保できても、化合物のスパ
ッタリングや反応性スパッタリングにおいては、基板1
8面内やロット間での膜組織や構造などの薄膜物性に不
均一性が生じるという問題がある。
【0017】本発明は、上記従来の問題点に鑑み、矩形
平板ターゲットを有する単純な磁石構成による小型のス
パッタリング電極で、大型基板に薄膜を形成できかつそ
の薄膜の膜厚及び膜質の均一性を向上でき、さらにター
ゲットの利用効率を向上できるスパッタリング装置を提
供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタリング
装置は、矩形ターゲットを用いてスパッタリングを行
い、基板に薄膜を形成するスパッタリング装置におい
て、ターゲットの両側縁に沿うように配置した複数個の
磁石を有し、かつこれら磁石は相隣合うもの同士の極性
が逆になるとともに、ターゲットを挟んで対向する磁石
間の極性が逆になるように配置したスパッタリング電極
と、スパッタリング電極に対向した位置で基板を保持す
るとともに、スパッタリング電極の中心軸を中心点とし
て基板を回転させる回転手段を有する基板ホルダーとを
備えたものであり、矩形ターゲットを用いた単純な磁石
構成による小型のスパッタリング電極で、大型基板に薄
膜を形成できるとともに、その薄膜の膜厚および膜質の
均一性を向上でき、さらにターゲットの利用効率も向上
することができる。
【0019】また、磁場と電場による電子の運動方向が
ターゲット縁部に配置された磁石に平行でかつスパッタ
リング電極の中心から外向きになるように磁石の極性を
設定することにより、大型基板に形成される薄膜の膜厚
及び膜質の均一性とターゲット利用効率をより一層向上
することができる。
【0020】さらに、スパッタリング電極を、複数の電
極ユニットをそれぞれのターゲット面が同一平面上に位
置するように配置して構成すると、メンテナンス及び製
造の容易な小さなターゲットを用いて大型基板に形成さ
れる薄膜及び膜質の均一性と、ターゲット利用効率を向
上できる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスパッタリング装
置の第1の実施形態について、図1〜図5を参照して説
明する。
【0022】まず、スパッタリング電極31について図
1、図2を参照して説明する。図1において、1は矩形
平板ターゲット、2はバッキングプレート、3は真空シ
ール用のOリング、4は電極本体である。24は磁場発
生用の磁気回路を構成する磁石、24aは左側磁気回
路、24bは右側磁気回路である。磁石24はターゲッ
ト1の表面の側縁に沿って左右2箇所にこのターゲット
1の長軸に平行に配置されている。左側磁気回路24a
及び対向する位置にある右側磁気回路24bは、それぞ
れ直方体の永久磁石24を2個配置して構成され、かつ
隣合う磁石24の極性が逆転するとともに、左右間でN
極からS極へと磁束27が通るように構成されている。
【0023】図2に、図1(a)のB−B’上におけ
る、ターゲット1の長軸方向に対して直角かつターゲッ
ト表面に平行な磁力線による磁場強度を示す。磁束密度
の符号は、図1の左側磁気回路24aから右側磁気回路
24bへと磁束27が通る時を正、逆に右側から左側へ
磁束27が通る時を負と定義している。また、ターゲッ
ト1の中心からの距離はターゲット中心線(A−A’)
上を0とし、B側を正、B’側を負としている。
【0024】以上の構成のスパッタリング電極31を用
いてスパッタリングを行うと、磁場と電場による電子の
螺旋運動の運動方向26はA−A’を中心に外側へと移
動することになる。
【0025】図3に上記スパッタリング電極31を用い
たスパッタリング装置を示す。スパッタリング電極31
は、絶縁材10を介して真空チャンバー9に設置され、
スパッタリング用電源11に接続されている。薄膜が形
成される基板18を保持する基板ホルダー17は、真空
チャンバー9内におけるスパッタリング電極31と対向
しかつ中心がスパッタリング電極31の中心軸(A−
A’とB−B’の交点)上となる位置に設置され、その
軸を中心に基板18を自転させることができるようにモ
ータ等の回転手段19が設けられている。
【0026】なお、図3において、図12を参照して説
明した従来例と同一のその他の構成要素については同一
参照番号を付して説明を省略する。また、その動作方法
も従来例と同様であるので、その説明は省略する。
【0027】本実施形態においてスパッタリングを行う
場合、まずスパッタリング電極31に着目すると、図1
において磁石24をターゲット1表面の前方両側の左右
2箇所にこのターゲット1の長軸に平行に配置している
ことにより、ターゲット1表面全域にわたり水平でかつ
長軸に垂直な磁束27が通る。しかも、ターゲット1表
面上で、ターゲット1の両側縁に配置した磁石24によ
り発生する磁束27がA−A’に対称な位置において逆
向きになるように、かつ磁場と電場による電子の運動方
向26が中心から外側に向かって移動するように磁石2
4の極性を設定しているため、A−A’を中心に対称に
外側に向かうほどプラズマ密度が高くなる。
【0028】つまり、ターゲット1の長軸方向であるB
−B’方向における基板18上での膜厚分布は、図4
(a)に示すように外側が厚くなる傾向となる。一方、
ターゲット1の短軸方向であるA−A’方向における基
板18上での膜厚分布は、図4(b)に示すようにター
ゲット1の幅が狭いために極端に中心部分が厚い山型に
なる傾向となる。
【0029】ここで、中心点(A−A’とB−B’の交
点)を軸に、基板ホルダー17上の基板18を回転手段
19にて自転させると、基板18上での膜厚分布は、ほ
ぼ図4(a)と図4(b)を足し合わせた図4(c)に
示すような形(実線で表示)となり、基板18面内での
膜厚均一性が向上する。
【0030】しかも、ターゲット1の浸食領域8は、図
5に示すように、浸食の初期段階(図5(a))から終
了段階(図5(b))まで、浸食前のターゲット面とほ
ぼ平行な平面状に進行していることがわかる。すなわ
ち、ターゲット1は全面でほぼ均一な浸食が起こり、し
かもターゲット1の初期と終わりで浸食面の形状に大幅
な変化がなく、膜厚分布の経時変化、膜組成や構造など
の薄膜物性の不均一化がほとんど生じない。
【0031】以上のように本実施形態によれば、ほぼ全
面均一に浸食が進むターゲット1を有するスパッタリン
グ電極31と、そのスパッタリング電極31に対向した
位置で、スパッタリング電極31の中心軸上を中心点と
して基板18を自転させる回転手段19を有する基板ホ
ルダー17とを備えることにより、小型のスパッタリン
グ装置でターゲット1の初期から終わりまで安定した膜
厚及び膜質を有する薄膜形成が可能となる。
【0032】次に、本発明のスパッタリング装置の第2
の実施形態について、図6〜図9を参照して説明する。
【0033】本実施形態では、そのスパッタリング電極
31を、複数のスパッタリング電極31と同様の構成の
短尺の電極ユニット32をその長手方向に直列状態に配
置して構成している。各電極ユニット32において、1
は矩形平板ターゲット、2はバッキングプレート、24
は磁場発生用の磁気回路を構成する磁石である。24a
は左側磁気回路、24bは右側磁気回路である。
【0034】2個のターゲット1はA−A’に対称でか
つターゲット1の長軸が一直線状になると同時にターゲ
ット面が同一平面になるように配置されている。磁石2
4はターゲット1の表面の側縁に沿って左右2箇所に、
各ターゲット1の長軸に平行に配置されている。左側磁
気回路24a及び対向する位置にある右側磁気回路24
bには直方体の永久磁石24を使用し、ターゲット面を
上にしてA−A’から外側を見たときに、右側磁気回路
24b(N極)から左側磁気回路24a(S極)へと磁
束27が通るように配置されている。
【0035】図7に図6のB−B’上において、ターゲ
ット1の長軸方向に対して直角かつターゲット表面に平
行な磁束27による磁場強度を示す。磁束密度の符号
は、図6において、ターゲット面を上にしてA−A’か
ら外側を見たときに、左側磁気回路24aから右側磁気
回路24bへと磁力線が通る時を正、右側磁気回路24
bから左側磁気回路24aへと磁力線が通る時を負とす
る。図7に示すようにスパッタリング電極31の長点方
向に磁束密度はほぼ一定となる。
【0036】以上により、本実施形態の複数の電極ユニ
ット32から成るスパッタリング電極31によりスパッ
タリングを行うと、第1の実施形態と同様に磁場と電場
による電子の運動方向26はA−A’を中心に外側へと
移動することになる。
【0037】図8は上記のような構成された複数の電極
ユニット32から成るスパッタリング電極31を用いた
スパッタリング装置を示す。2個の電極ユニット32が
それぞれ絶縁材10を介して真空チャンバー9に設置さ
れ、スパッタリング用電源11に接続されている。その
他の構成は第1の実施形態と同じであり、説明は省略す
る。
【0038】本実施形態においてスパッタリングを行う
場合、まずスパッタリング電極31に着目すると、図6
において磁石24をターゲット1表面の前方両側の左右
2箇所にこのターゲット1の長軸に平行に配置している
ことにより、ターゲット1表面全域にわたり水平でかつ
長軸に垂直な磁束27が通る。しかも、ターゲット1表
面上で、ターゲット1の両側縁に配置した磁石24によ
り発生する磁束27がA−A’に対称な位置において逆
向きになるように、かつ磁場と電場による螺旋状の電子
の運動方向26が中心から外側に向かって移動するよう
に磁石24を配置しているため、A−A’を中心に対称
に外側に向かうほどプラズマ密度が高くなる。
【0039】つまり、ターゲット1の長軸方向であるB
−B’方向における基板18上での膜厚分布は、図4
(a)に示すように外側が厚くなる傾向にある。一方、
ターゲット1の短軸方向であるA−A’方向における基
板18上での膜厚分布は、図4(b)に示すようにター
ゲット1の幅が狭いために極端に中心部分が厚い山型に
なる傾向にある。
【0040】ここで、中心点(A−A’とB−B’の交
点)を軸に、基板18を自転させると、基板18上での
膜厚分布は、ほぼ図4(a)と図4(b)を足し合わせ
た図4(c)に示すような形となり、基板面内での膜厚
均一性が向上する。
【0041】つまり、大型の基板18に対しても、外周
での膜厚を補正するために基板18に対してスパッタリ
ング電極を傾斜させて配置する等の複雑な構造を必要と
せずに膜厚分布が確保できる。
【0042】しかも、本実施形態においても、ターゲッ
ト1の浸食領域8は、図9に示すように、浸食の初期段
階(図9(a))から終了段階(図9(b))まで、浸
食前のターゲット面とほぼ平行な平面状に進行している
ことがわかる。すなわち、本実施形態におけるターゲッ
ト1でも、全面でほぼ均一な浸食が起こり、しかもター
ゲット1の初期と終わりで浸食面の形状に大幅な変化が
なく、膜厚分布の経時変化、膜組成や構造などの薄膜物
性の不均一化がほとんど生じない。
【0043】以上のように本実施形態においても、ほぼ
全面均一に浸食が進むターゲット1を2ユニット有する
スパッタリング電極31と、そのスパッタリング電極3
1に対向した位置でかつスパッタリング電極31の中心
軸上を中心点として基板18を自転させる回転手段19
を有する基板ホルダー17とを備えることにより、スパ
ッタリング電極31を基板18に対して傾けて配置する
ような複雑な構造を必要とせずに、小型のスパッタリン
グ装置でターゲット1の初期から終わりまで安定した膜
厚及び膜質を有する薄膜形成が可能となる。
【0044】本実施形態は第1の実施形態と比較して、
ターゲット1の交換等のメンテナンス作業性やターゲッ
ト1の製造上の問題で、あまり大型のターゲット1が使
用できないときに特に有効である。
【0045】なお、本実施形態ではスパッタリング電極
31を構成するターゲット1の数を2個としたが、スパ
ッタリング電極31の中心に対して対称で、磁場と電場
による電子の螺旋運動が中心から外側に向かって移動す
るように構成してあれば、ターゲット1の個数は幾らで
も良い。また、磁気回路24a、24bは永久磁石のほ
か電磁石で構成しても構わない。
【0046】さらに、本実施形態では2個の電極ユニッ
ト32に1つのスパッタリング用電源11を単純に接続
したが、各電極ユニット32毎に独立にスパッタリング
電源を接続したり、あるいは1つのスパッタリング用電
源で各ユニットへの電力比を制御するようにしても構わ
ない。
【0047】
【発明の効果】本発明のスパッタリング装置によれば、
以上の説明から明らかなように、ターゲットの両側縁に
沿うように配置した複数個の磁石を有し、かつこれら磁
石は相隣合うもの同士の極性が逆になるとともに、ター
ゲットを挟んで対向する磁石間の極性が逆になるように
配置したスパッタリング電極と、スパッタリング電極に
対向した位置で基板を保持するとともに、スパッタリン
グ電極の中心軸を中心点として基板を回転させる回転手
段を有する基板ホルダーとを備えているので、ターゲッ
トの浸食をほぼ一様にすることができて基板に形成され
る薄膜の膜厚及び膜質の均一性を向上することができ
る。したがって、矩形平板ターゲットを有する単純な磁
石構成による小型のスパッタリング電極を用いた小型の
スパッタリング装置によって複雑な制御なしで大型基板
に薄膜を形成できるとともにその薄膜の膜厚および膜質
の均一性を向上でき、さらにターゲットを十分に使い切
ることができて利用効率が向上する。
【0048】また、磁場と電場による電子の運動方向が
ターゲット縁部に配置された磁石に平行でかつスパッタ
リング電極の中心から外向きになるように磁石の極性を
設定することにより、大型基板に形成される薄膜の膜厚
及び膜質の均一性とターゲット利用効率をより一層向上
することができる。
【0049】さらに、スパッタリング電極を、複数の電
極ユニットをそれぞれのターゲット面が同一平面上に位
置するように配置して構成すると、メンテナンス及び製
造の容易な小さなターゲットを用いて大型基板に形成さ
れる薄膜及び膜質の均一性と、ターゲット利用効率を向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスパッタリング装置の第1の実施形態
におけるスパッタリング電極の構成を示し、(a)は平
面図、(b)は(a)のB−B’断面図である。
【図2】同実施形態のスパッタリング装置におけるター
ゲット表面上の磁束密度分布図である。
【図3】同実施形態のスパッタリング装置の概略構成図
である。
【図4】同実施形態における膜厚分布を示し、(a)は
図1のB−B’方向の膜厚分布図、(b)は図1のA−
A’方向の膜厚分布図、(c)は基板回転時の膜厚分布
図である。
【図5】同実施形態におけるターゲットの浸食状態を示
し、(a)は浸食初期段階の断面図、(b)は浸食終了
段階の断面図である。
【図6】本発明のスパッタリング装置の第2の実施形態
におけるスパッタリング電極の構成を示す平面図であ
る。
【図7】同実施形態のスパッタリング装置におけるター
ゲット表面上の磁束密度分布図である。
【図8】同実施形態のスパッタリング装置の概略構成図
である。
【図9】同実施形態におけるターゲットの浸食状態を示
し、(a)は浸食初期段階の断面図、(b)は浸食終了
段階の断面図である。
【図10】従来例のスパッタリング装置におけるスパッ
タリング電極の構成を示し、(a)は平面図、(b)は
(a)のA−A’断面図である。
【図11】同従来例におけるスパッタリング電極の斜視
図である。
【図12】同従来例のスパッタリング装置の概略構成図
である。
【図13】他の従来例のスパッタリング電極の配置構成
図である。
【図14】さらに別の従来例のスパッタリング電極の配
置構成図である。
【図15】図13の従来例におけるターゲットの浸食状
態を示し、(a)は浸食初期段階の断面図、(b)は浸
食終了段階の断面図である。
【図16】図14の従来例におけるターゲットの浸食状
態を示し、(a)は浸食初期段階の断面図、(b)は浸
食終了段階の断面図である。
【符号の説明】
1 ターゲット 17 基板ホルダー 18 基板 19 回転手段 24 磁石 26 電子の運動方向 27 磁束 31 スパッタリング電極 32 電極ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 矩形ターゲットを用いてスパッタリング
    を行い、基板に薄膜を形成するスパッタリング装置にお
    いて、ターゲットの両側縁に沿うように配置した複数個
    の磁石を有し、かつこれら磁石は相隣合うもの同士の極
    性が逆になるとともに、ターゲットを挟んで対向する磁
    石間の極性が逆になるように配置したスパッタリング電
    極と、スパッタリング電極に対向した位置で基板を保持
    するとともに、スパッタリング電極の中心軸を中心点と
    して基板を回転させる回転手段を有する基板ホルダーと
    を備えたことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 磁場と電場による電子の運動方向がター
    ゲット縁部に配置された磁石に平行でかつスパッタリン
    グ電極の中心から外向きになるように磁石の極性を設定
    したことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装
    置。
  3. 【請求項3】 スパッタリング電極を、複数の電極ユニ
    ットをそれぞれのターゲット面が同一平面上に位置する
    ように配置して構成したことを特徴とする請求項1又は
    2記載のスパッタリング装置。
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