JPH10226759A - 導電性繊維及びその製造方法 - Google Patents

導電性繊維及びその製造方法

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JPH10226759A
JPH10226759A JP3214497A JP3214497A JPH10226759A JP H10226759 A JPH10226759 A JP H10226759A JP 3214497 A JP3214497 A JP 3214497A JP 3214497 A JP3214497 A JP 3214497A JP H10226759 A JPH10226759 A JP H10226759A
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fiber
conductive
titanate
metal
titanate fiber
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JP3214497A
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Hiroki Murata
宏樹 村田
Yukiya Haruyama
幸哉 晴山
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性及び補強性に優れ、遊離アルカリ成分
が少なく、優れた導電性を示す導電性繊維を得る。 【解決手段】 式A1 V2 W1 X2 YTi8-Z16(式
中、A1 はアルカリ金属より選ばれる少なくとも一種
を、A2 はBaを、M1 はMg、Co、Ni、Zn、C
u及びMnより選ばれる少なくとも一種を、M2 はA
l、Sc、Cr、Fe及びGaより選ばれる少なくとも
一種を、それぞれ示す。V、W、X、Y及びZは、0.
5≦2X+Y≦2.5、2X+Y=V+2W、Z=X+
Yを、満足する実数である。但し、W及びXが共に0で
あり、A1 がKであり且つM2 がAlである場合を除
く。)で示される組成を有するチタン酸塩繊維を、カー
ボン導電層で被覆したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性が付与され
たチタン酸塩繊維、その製造方法及びそれを用いた導電
性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】技術の
発達とニーズの多様化に伴い、高性能、多機能素材の開
発が活発に行われ、プラスチック業界にあっても導電性
高分子材料の開発についての研究が種々試みられてい
る。例えば、粒子状導電性充填剤としては、カーボン粒
子、又は銅、銀、金等の金属粉が使用されている。また
繊維状導電性充填剤としては、カーボン繊維等が用いら
れており、導電性を付加するとともに添加して高分子マ
トリックス中において補強材として働き、機械的特性の
向上をもたらすものである。
【0003】しかしながら、金属粉を充填剤に用いた場
合、金属独自の色調を有することから、その用途に制約
がある。またカーボン繊維は、繊維長を均一に揃えるの
が困難であり、アスペクト比が不揃いとなるため、成型
加工性が悪く、また成型品の表面平滑性及び研磨性に劣
る。
【0004】特開昭58−135129号公報には、チ
タン酸アルカリと炭素物質からなる混合物を還元又は不
活性雰囲気中で昇温し、加熱焼成することにより、導電
性を有する還元チタン酸アルカリを製造する方法が提案
されている。また、特開昭63−12759号公報に
は、チタン酸アルカリの表面にカーボン被覆を施すこと
により、繊維長の揃った繊維状導電性充填剤を製造する
ことが提案されている。
【0005】しかしながら、これらの繊維状導電性充填
剤の製造において必要とされる高温での加熱工程におい
て、チタン酸アルカリは、800℃以上になると、その
表面でアルカリ成分の析出を生じ、冷却後に遊離アルカ
リ成分として繊維中に混入するため、アルカリ成分が不
純物として働き障害の原因となる虞があった。このよう
な問題は、特に電気電子材料に用いた場合に深刻であ
る。またチタン酸アルカリを800℃付近以上に加熱す
ると、繊維形状の劣化が起こり、アスペクト比が低下し
て、補強性能が低下するという欠点を有していた。
【0006】一方、特開平7−41316号公報におい
ては、ホウ酸アルミニウムの表面を炭素質の導電層で被
覆することにより、ホウ酸アルミニウムに導電性を付与
する技術が提案されている。ホウ酸アルミニウムの組織
の中でも、特に9Al2 3・2B2 3 は高い融点を
有しているが、このものも1200℃程度の温度域とも
なると、ホウ酸成分の分解及び脱離を生じるため良好な
導電性樹脂組成物を得ることができなかった。
【0007】本発明の目的は、上述のような従来の問題
点を解決し、耐熱性及び補強性に優れ、遊離成分が少な
く、優れた導電性を示す導電性繊維、その製造方法及び
それを用いた導電性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、式A1 V2 W
1 X2 YTi8-Z16(式中、A1 はアルカリ金属より選
ばれる少なくとも一種を、A2 はBaを、M1 はMg、
Co、Ni、Zn、Cu及びMnより選ばれる少なくと
も一種を、M2 はAl、Sc、Cr、Fe及びGaより
選ばれる少なくとも一種を、それぞれ示す。V、W、
X、Y及びZは、0.5≦2X+Y≦2.5、2X+Y
=V+2W、Z=X+Yを、満足する実数である。但
し、W及びXが共に0であり、A1 がKであり且つM2
がAlである場合を除く。)で示される組成を有するチ
タン酸塩繊維(以下、単にチタン酸塩繊維という)を、
カーボン導電層で被覆したことを特徴とする導電性繊維
に係る。
【0009】また本発明は、チタン酸塩繊維が繊維内部
に70体積%未満の気孔を有するチタン酸繊維である前
記導電性繊維に係る。また本発明は、チタン酸塩繊維
を、炭化水素雰囲気又は炭化水素と還元性ガス及び/又
は不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成すること
により、前記チタン酸繊維の表面にカーボン導電層を形
成することを特徴とする導電性繊維の製造法に係る。
【0010】更にまた本発明は、樹脂に前記導電性繊維
又は前記製造法により得られた導電性繊維を配合してな
る樹脂組成物に係る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の導電性繊維において、カ
ーボン導電層の被覆量は、全体の0.1〜50重量%と
するが好ましく、さらに好ましくは0.2〜25重量%
とするのがよい。カーボン導電層の被覆量が少なすぎる
と、十分な導電層を付与することができず、カーボン導
電層の被覆量が過剰に多くなっても、被覆量に比例した
高い導電層が得られず、経済的に不利となる。
【0012】本発明において、芯材となるチタン酸塩繊
維は、内部に気孔を有するものであってもよい。内部に
気孔を有するチタン酸塩繊維を用いる場合は、好ましく
は、10〜70体積%の気孔を有するチタン酸塩繊維を
用いることによりにより、より軽量な、例えば嵩比重
2.5以下の導電性繊維とすることができ、また低誘電
率、低誘電正接率の導電性繊維とすることができる。
【0013】本発明において、芯材として用いられるチ
タン酸塩繊維は、例えば以下のような方法で製造でき
る。チタン酸塩繊維の第一の製造法は、カリウム供給成
分及びチタン供給成分となるチタン酸カリウム繊維を、
金属M1 及びM2 供給成分(以下、金属M1 及びM 2
給成分をまとめて「金属M」という)及び必要に応じて
金属A1 及びA2 供給成分(以下、金属A1 及びA2
給成分をまとめて「金属A」という)の化合物で被覆
し、これを特定の溶融剤の存在下にて加熱し、更に冷却
することによりチタン酸塩繊維を得る方法である。この
方法によれば、各成分が最近接に存在した状態となるた
め、効率よく反応を進行させることができる。
【0014】この方法において、カリウム供給成分及び
チタン供給成分となるチタン酸カリウム繊維としては、
例えば、一般式aK2 O・TiO2 ・mH2 O(式中
a、mはそれぞれ0<a≦1、0≦m≦10の数を示
す)で示されるチタン酸カリウムウイスカが好適に使用
され得る。斯かるチタン酸カリウムウイスカの形状とし
ては、繊維径0.01〜5μm、繊維長3〜300μ
m、好ましくは繊維径0.1〜3μm、繊維長5〜20
0μmのものを用いることができる。繊維径または繊維
長が小さすぎると、凝集性が大きくなり、生成するチタ
ン酸塩繊維が単離の困難な凝集物となる傾向があり好ま
しくない。また繊維径または繊維長が大きすぎると、チ
タン酸カリウム繊維を原料とした場合に、表面活性が低
下し金属A成分または金属M供給成分の均一な被覆が困
難となり、その結果、目的物中に未反応の金属A及び金
属Mの酸化物やチタン酸カリウム繊維等が混入する虞を
生じるため好ましくない。
【0015】このようなチタン酸カリウム繊維として好
適に用いられる市販品としてはティスモD、ティスモN
(ともに商品名、大塚化学株式会社製)、トフィカY
(商品名、日本ウィスカー株式会社製)がある。
【0016】金属M化合物又は金属M化合物と金属A化
合物で表面が被覆されているチタン酸カリウムウィスカ
は、例えば、(イ)金属Mまたは金属MとBaの硫酸
塩、ハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物及びアルコラート
類からなる群から選ばれた少なくとも一種とチタン酸カ
リウムとを反応させる方法、(ロ)金属Mまたは金属M
とBaの硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩、水酸化物及び
アルコラート類からなる群より選ばれた少なくとも一種
とアルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、ア
ルカリ金属とM金属の複合酸化物塩、アンモニウムの炭
酸塩、アンモニウムの水酸化物及び炭酸ガスからなる群
より選ばれた少なくとも一種とを反応させてチタン酸カ
リウム繊維表面に沈着させる方法等により製造され得
る。
【0017】ここで金属M及びBaの硫酸塩としては、
例えば硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシ
ウム、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸ス
カンジウム、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸クロム、硫酸
ガリウム及び硫酸鉄等を挙げられる。金属M及びBaの
ハロゲン化物としては、例えば塩化バリウム、塩化アル
ミニウム、塩化マグネシウム、塩化コバルト、塩化ニッ
ケル、塩化亜鉛、塩化スカンジウム、塩化銅、塩化マン
ガン、塩化クロム、塩化ガリウム及び塩化鉄等を挙げら
れる。金属M及びBaの硝酸塩としては、例えば硝酸バ
リウム、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム、硝酸コ
バルト、硝酸ニッケル、硝酸亜鉛、硝酸スカンジウム、
硝酸銅、硝酸マンガン、硝酸クロム、硝酸ガリウム及び
硝酸鉄等を挙げられる。金属M及びBaの水酸化物とし
ては、例えば水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、
水酸化亜鉛、水酸化スカンジウム、水酸化銅、水酸化マ
ンガン、水酸化クロム、水酸化ガリウム及び水酸化鉄等
を挙げられる。金属M及びBaのアルコラート類として
は、例えばアルミニウムアルコラート等を挙げられる。
【0018】またアルカリ金属の水酸化物としては、例
えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウム等を挙げられ
る。アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム及
び炭酸セシウム等を挙げられる。アルカリ金属とM金属
の複合酸化物としては、例えばアルミン酸ナトリウム及
びアルミン酸カリウム等を挙げられる。アンモニウムの
炭酸塩としては、例えば炭酸アンモニウム及び重炭酸ア
ンモニウムを挙げられる。
【0019】チタン酸カリウムの表面を金属M化合物又
は金属M化合物及び金属A化合物で被覆するに際して
は、水中にチタン酸カリウムウィスカを分散させて反応
させる方法を採用するのが好ましい。その際、用いる金
属M化合物の量(金属M化合物及び金属A化合物(Ba
化合物及びアルカリ金属化合物)を用いる場合にはこれ
ら化合物の合計量)としてはチタン酸カリウムウィスカ
中のチタンに対するモル比として同様に、1:2〜1:
20の割合となるようにするのが好ましい。この被覆反
応は通常、5〜80℃、好ましくは10〜50℃にて1
〜5時間程度で進行させることができる。このようにし
て生成する金属M化合物又は金属M化合物と金属A化合
物で被覆されたチタン酸カリウムウィスカは必要に応じ
て水等で洗浄した後、乾燥して次の工程に供することが
できる。
【0020】本発明の第一の製造法に使用される溶融剤
としては、アルカリ金属の塩化物、硫酸塩及び臭化物よ
り選ばれた少なくとも一種である。アルカリ金属の塩化
物としては、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム等を
挙げられる。アルカリ金属の硫酸塩としては、例えば硫
酸カリウム、硫酸ナトリウムを挙げられる。アルカリ金
属の臭化物としては、例えば臭化カリウム、臭化ナトリ
ウム等を挙げられる。これらは一種又は二種以上を混合
して用いることができる。これらの溶融剤は予めジェッ
トミル等の粉砕機により粒度を細かくして用いてもよ
い。また溶融剤はチタン酸カリウムの繊維表面に被覆を
行う工程にて水中に溶解させておいてもよい。溶融剤の
使用量としては、金属M化合物もしくは金属M化合物と
金属A化合物で被覆されたチタン酸カリウムの合計量の
50〜90重量%となるように添加することが好まし
い。
【0021】金属M化合物もしくは金属M化合物と金属
A化合物で被覆されたチタン酸カリウムウィスカは、前
記溶融剤の存在下、900〜1300℃の温度範囲で、
通常10分〜10時間程度反応させることにより、プリ
デライト型チタン酸塩繊維とすることができる。この
際、加熱温度が900℃を下回ると、原料物質が未反応
のまま残ってしまい、プリデライト型チタン酸塩繊維の
単一相を得ることが難しくなるため不適当である。また
反応温度が長時間に亙って1300℃を上回ると、繊維
間の溶着やアスペクト比の低下もしくは結晶の粗大化及
び多結晶化が起こり易くなるため好ましくない。
【0022】また、結晶内に気孔を有するチタン酸塩繊
維を生成させる場合、所定の温度にて反応、育成した
後、10℃/分以上の冷却速度にて800℃付近まで炉
冷又は水冷等で急冷すればよい。この際、反応温度(冷
却開始温度)及び冷却速度を適宜調整することにより、
結晶内の気孔の占める体積率を制御することができる。
結晶内に気孔を有する繊維は、低比重の補強材として、
あるいは触媒担体等として有用性が大きい。他方、結晶
内に気孔を含まないチタン酸塩繊維を得るためには、所
定の温度にて反応、育成した後、10℃/分以下の冷却
速度にて800℃付近まで冷却すればよい。
【0023】本発明の第二の製造法は、チタン供給成分
及び金属M供給成分、更に必要に応じて金属A供給成分
を、硫酸カリウム及び硫酸ナトリウムの少なくとも一種
を必須成分として含有する溶融剤の存在下にて加熱し、
冷却することにより、チタン酸塩繊維を製造する方法で
ある。
【0024】第二の製造法においては、チタン供給成分
として一般式TiO2 ・nH2 O(nは0〜8の実数)
で示される粒子状または繊維形状物質を用いる。その具
体例としてはアナターゼ粒子、水和チタニア粒子、単斜
晶粒子又はこれらの繊維状物を例示できる。繊維状物を
原料とする場合には、直接湿式反応により作成した酸化
チタン系繊維状物、水酸化チタン系繊維状物及び該これ
ら繊維状物の加熱処理品等を好適に使用できる。
【0025】金属M供給成分としては加熱等により金属
M酸化物を発生し得るものであれば、従来公知のものを
広く使用でき、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化亜鉛、水
酸化スカンジウム、水酸化銅、水酸化マンガン、水酸化
クロム、水酸化ガリウム及び水酸化鉄等の水酸化物、ベ
ーマイト、ジアスポア、トーダイト用の含水酸化物の
他、金属Mの硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物、非水溶性
塩基性塩等の無機酸塩、アルカリ金属と金属Mの複合酸
化物塩等を例示することができる。金属Mの硫酸塩、硝
酸塩、ハロゲン化物としては、第一の製造法で例示した
もの及びその水和物を用いることができる。金属Mの非
水溶性塩基性塩としては、一般式M・(Q)a ・(O
H)b ・mH 2 O(式中QはSO4 またはClを、a、
b及びmはそれぞれ0.025≦a≦0.250、0.
257≦b≦3.00、0≦m≦2.0の数を表す。)
で表されるものを例示できる。アルカリ金属と金属Mの
複合酸化物塩としてはアルミン酸カリウム及びアルミン
酸ナトリウムを例示できる。
【0026】これらの金属M供給成分は、単独でもしく
は2種以上混合して用いられる。これらの金属M供給成
分は、加熱により分解して活性な酸化アルミニウムを発
生し得るものであり、直接金属M酸化物を用いる場合に
比べてより低い温度もしくは短時間で反応を進行させる
ことができる。また炭酸カリウムのように非常に高い溶
解性を有する溶融成分を必要としない。
【0027】第二の方法においては、金属A供給成分の
使用は必須でなく、必要に応じてチタン供給成分及び金
属M供給成分と共に使用される。金属A供給成分を使用
する場合は、例えばBaの水酸化物、Baの無機酸塩
(硫酸塩、ハロゲン化物、硝酸塩等)、アルカリ金属の
硫酸塩、塩化物及び臭化物の中から選ばれた少なくとも
一種を用いることができる。これらは、第一の製造法に
て例示したものに準じる。
【0028】溶融剤としてはKの硫酸塩及びNaの硫酸
塩の少なくとも一種を必須成分として含有するものを使
用する。Kの硫酸塩及びNaの硫酸塩として、具体的に
は硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム10
水和物、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム7水和
物、ピロ硫酸ナトリウム及びピロ亜硫酸ナトリウム等を
例示できる。第二の製造法においては、斯かる溶融剤
に、Kのハロゲン化物及びNaのハロゲン化物を併用し
てもよい。Kのハロゲン化物及びNaのハロゲン化物と
しては塩化カリウム、塩化ナトリウム、臭化カリウム及
び臭化ナトリウムを例示できる。
【0029】金属M化合物の量(金属M化合物及び金属
A化合物を用いる場合にはこれらの化合物の合計量)と
しては、チタン供給成分に含まれるチタンに対するモル
比として、1:2〜1:20の割合となるようにするの
が好ましい。但し、金属A化合物がK及びNaの硫酸
塩、塩化物又は臭化物に含まれる場合、該化合物はA供
給成分であると共に溶融剤としても作用するので、この
範囲に拘らず用いることができる。
【0030】溶融剤は金属A供給成分と溶融剤の合計量
が、全重量の30〜95重量%、好ましくは50〜80
重量%の範囲となるように用いるのが好ましい。また金
属A供給成分は金属AがK又はNaを含む場合を除き、
溶融剤との合計量において30重量%以下となるように
配合することが好ましい。
【0031】各原料成分の混合に際しては、混合後にお
いて各供給成分が微細に分散されている状態であるのが
好ましく、特に微細な分散の点からは、混合と粉砕を兼
ねた工程を有する方法により混合することが好ましい。
また、予め各原料を水中等に溶解分散させ、この溶液を
スプレードライ乾燥、棚段乾燥又はドラムドライヤー式
乾燥等の各種の乾燥方法で、水分等を蒸発乾固すること
により、各成分が均一に分散した原料としてもよい。
【0032】また、金属M供給成分として一般式M・
(Q)a ・(OH)b ・mH2 O(式中Q、a、b及び
mは前記に同じ。)で表される非水溶性塩基性塩をM供
給成分として用いる場合には、単に乾式混合で原料を混
合する以外に、その非水溶性を利用し、チタン供給成分
表面に金属M供給成分である塩基性塩を付着させたもの
を用いてもよい。このものはチタン供給成分の水中分散
液中で、例えば金属M金属の硫酸塩、ハロゲン化物、硝
酸塩、水酸化物及びアルコラート類からなる群より選ば
れる少なくとも一種とアルカリ金属の水酸化物、炭酸
塩、アルカリ金属と金属Mの複合酸化物塩、アンモニウ
ムの炭酸塩及び水酸化物よりなる群より選ばれる少なく
とも一種と反応させて、チタン供給成分上に金属Mの塩
基性塩を付着させる方法により得ることができる。この
方法により得られた原料は、必要に応じて反応時に副生
した塩類を水洗し、乾燥することができる。乾燥前に更
に金属A供給成分及び/又は溶融剤を添加してもよく、
乾燥後、乾式混合により金属A供給成分及び/又は溶融
剤を添加してもよい。ここで用いるチタン供給成分とし
ては比表面積の大きな微細な粒子形状物または繊維形状
物が微細混合の面から好ましい。
【0033】本発明の第二の製造法における加熱条件と
しては、900〜1300℃、好ましくは1000〜1
250℃で10分〜10時間程度、好ましくは30分〜
5時間程度加熱した後、室温まで冷却するのがよい。こ
の際、焼成温度が低すぎると、原料粉末が未反応のまま
残ってしまうため、目的物の単一相の繊維が得難くなり
好ましくない。また焼成温度が高すぎると繊維間の融
着、アスペクト比の低下、結晶の粗大化及び多結晶化の
虞があり、好ましくない。
【0034】以上に説明した本発明の第一の製造法及び
第二の製造法における原料の加熱焼成に際して、その原
料の状態、形状、焼成方法は特に限定されるものでない
が、例えば粉末状態でそのまま加熱焼成する方法、顆粒
化した後加熱焼成する方法、シート状で加熱焼成する方
法、ブロック状で加熱焼成する方法等の各種の方法が採
用できる。
【0035】所望の形状とした原料は、セラミック質等
の耐熱容器上に設置し、その耐熱容器と共にトンネル型
連続炉やバッチ式炉等を用いて加熱焼成できる。粉末の
まま、又は顆粒化した原料を用いる場合には、ロータリ
ーキルンや流動焼成法により焼成できる。シート状に成
形した原料を用いる場合には、セラミック質等の耐熱容
器もしくは耐熱板上等に設置して連続的に加熱焼成する
方法を採用することができる。
【0036】得られたチタン酸塩繊維を単離するには、
先ず熱水或いは1N程度の熱塩酸、熱硫酸、熱硝酸、1
N程度のアルカリ金属水酸化物(例えば水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム等)の熱水溶液等で処理して溶融
剤その他の水溶性成分を溶解、濾別、水洗、乾燥を行っ
た上、必要に応じて分級することにより水及び稀酸不溶
物が分離除去され、形状の整った微細なチタン酸塩繊維
を得ることができる。
【0037】斯くして得られるチタン酸塩繊維の中でも
繊維径0.1〜10μm、繊維長5〜300μm、アス
ペクト比10〜100のウィスカ形状の繊維は、高強
度、高弾性、高融点を有しているため本発明の導電性繊
維の芯材として好適に用い得る。特に繊維径0.3〜5
μm、繊維長10〜50μmのチタン酸塩繊維を芯材と
した場合、形状の微細な樹脂組成物成形体や高い平面平
滑性を有する樹脂組成物が得られるため特に好ましい。
また、毛玉等の凝集物がなく、十分に繊維が単離、解繊
されているチタン酸塩繊維が分散性の点で好適である。
【0038】本発明の導電性繊維の製造方法は、本発明
の導電性繊維を製造することができる方法であり、チタ
ン酸塩繊維を、炭化水素雰囲気又は炭化水素と還元性ガ
ス及び/又は不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼
成することにより、チタン酸塩繊維の表面にカーボン導
電層を形成することを特徴としている。
【0039】本発明の製造方法において使用される炭化
水素としては、脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素のい
ずれも使用することができる。脂肪族炭化水素として
は、炭素数1〜20の飽和炭化水素、エチレン系炭化水
素、アセチレン系炭化水素等を挙げられる。また芳香族
炭化水素としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン等とその同族体、ナフタレン、アントラセンなどの多
核芳香族炭化水素及び上記各種炭化水素のハロゲン化物
等を挙げられる。これらの炭化水素類は、一種単独で、
又は二種以上混合して使用することができる。
【0040】本発明の製造方法においては、上記炭化水
素の雰囲気、あるいは上記炭化水素と還元ガス及び/又
は不活性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成が行われ
る。還元ガスとしては、例えば水素ガス、一酸化水素ガ
ス、アンモニアガスなどが挙げられる。また不活性ガス
とすれば、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガ
ス、キセノンガス、炭酸ガスなどが挙げられる。本発明
の製造方法においては、これらの還元性ガス及び不活性
ガスを一種単独で使用してもよいし、二種以上混合して
使用してもよい。
【0041】炭化水素に還元性ガスを混合して用いる場
合には、還元性ガスと炭化水素の混合比率は、通常9
0:10〜10:90の範囲が好ましく、カーボン析出
量を考慮すれば50:50程度が好ましい。
【0042】加熱焼成の温度としては、使用する炭化水
素の分解、すなわちカーボン析出の温度以上で、130
0℃以下の範囲内の温度が好ましい。加熱焼成の温度が
低すぎると、カーボン導電層を繊維表面に形成すること
ができず、また加熱焼成温度が高すぎると、芯材として
のチタン酸塩繊維の形状が崩壊し、アスペクト比の低下
等を生じるおそれがある。
【0043】炭化水素の分解温度は、使用する炭化水素
により異なり、例えばメタンの場合のカーボンの析出温
度範囲は約900〜950℃であり、n−プロパンの場
合は約950〜1000℃である。ベンゼンの場合は温
度が低く、約750〜800℃でカーボンが析出する。
【0044】析出するカーボン導電層の導電性の点から
はできるだけ高い温度、例えば1150〜1300℃
で処理することが望ましい。なお、加熱焼成の雰囲気に
おいては、必ずしも還元ガスを必要とせず、例えば窒素
ガスなどの不活性ガスの気流下に約500〜1000℃
で炭化水素を導入し炭化水素を分解することにより、カ
ーボン層を析出させることもできる。
【0045】本発明の製造方法において、チタン酸塩繊
維の表面にカーボン導電層を析出した後は、室温までそ
の温度を降下させるが、未だ高温状態にある際に酸素又
は空気が混入すると、チタン酸塩繊維の表面に付着した
カーボン導電層の劣化、燃焼を生じる虞があるのでこの
温度降下の際も、不活性ガス、水素ガス又は炭化水素ガ
スあるいはこれらの混合ガスを流しながら温度を降下さ
せることが好ましい。
【0046】加熱焼成は、例えば、トンネルキルン、電
気炉、ロータリーキルン又は流動焼成法等を用いて行え
る。本発明の導電性樹脂組成物は、上記本発明の導電性
繊維又は上記本発明の製造方法で製造された導電性繊維
を樹脂に配合してなることを特徴としている。本明細書
において、樹脂とは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の
合成高分子化合物、天然樹脂及びその誘導体、カップリ
ング剤、無機質結合剤、有機高分子化合物のエマルジョ
ン等から選ばれる1種又は2種以上をいう。
【0047】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の汎用のプラスチ
ックの他、ポリアミド、ABS樹脂、熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニ
レンサルフェイド、ポリフェニレンエーテル、ポリサル
フォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン等のエンジニアリング
プラスチックを挙げられる。
【0048】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル、ビニルエステル、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート
ホモポリマー、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリア
ミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、及びポリウレタン等を
挙げられる。
【0049】これらの樹脂は単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて併用してもよい。更にいわゆるポリ
マーアロイとして、ポリカーボネートとABS樹脂、ポ
リフェニレンエーテルとポリスチレンなど、数種類の異
なった樹脂を予め複合化したものを用いてもよい。
【0050】天然樹脂としては、バルサムゴム樹脂等を
例示することができる。天然樹脂の誘導体としては、天
然樹脂変性フェノール樹脂等を例示することができる。
カップリング剤としては、シラン系、チタネート系、ア
ルミニウム系、ジルコニウム系、ジルコアルミニウム
系、クロム系、リン系、及びアミノ酸系カップリング剤
を例示できる。無機質結合剤としては、水ガラス、シリ
カゾル、アルミナ−シリカゾル等を例示できる。また有
機高分子化合物のエマルジョンとしては、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、酢酸ビニル共重合体エマルジョン、ア
クリル酸エステル共重合体エマルジョン、塩化ビニリデ
ン共重合体エマルジョン、ポリエチレンエマルジョン、
エポキシ樹脂エマルジョン等を例示できる。
【0051】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて他
の導電性フィラー、例えば金属系、金属複合系、カーボ
ン系及び導電性金属酸化物系等から適宜選択される導電
性フィラーを併用してもよい。金属系フィラーとしては
アルミニウム、亜鉛、鉄、銅、ニッケル、銀、ステンレ
ス及びパラジウム等が例示でき、形態は金属粉、金属フ
レーク、金属リボン及び金属繊維等が挙げられる。金属
複合系フィラーとしてはアルミニウムコート、ニッケル
コート及び銀コート等の金属化が行われた金属化ガラス
ビーズ、金属化ガラス繊維及び金属化マイカ等が例示で
きる。カーボン系フィラーとしてはアセチレンブラッ
ク、ケェチェンブラック等のカーボン粉及びPAN系カ
ーボン、ピッチ系カーボン等のカーボン繊維等が例示で
きる。導電性酸化物フィラーとしては、酸化スズ等が例
示できる。
【0052】また、本発明の導電性樹脂組成物には、必
要に応じて、タルク、マイカ、ワラストナイト、炭酸カ
ルシウム等の充填剤、ガラス繊維、カーボン繊維等の補
強剤、顔料、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、難燃剤等を
適宜添加してもよい。
【0053】これらの導電性フィラーは単独で用いても
よく、二種以上を組み合わせて併用してもよい。本発明
の導電性樹脂組成物の製造においては、通常の混合操
作、例えばバンバリーミキサー法、インターナルミキサ
ー法、押出造粒法等の混合方法を適宜採用することがで
きる。
【0054】本発明の導電性樹脂組成物における導電性
繊維の配合量は、求められる導電性の程度により設定さ
れるが、一般には、5〜95重量%であり、更に好まし
くは5〜60重量%、更に好ましくは10〜50重量%
とするのがよい。配合量が少なすぎると、導電性樹脂組
成物に十分な導電性を付与することができず、また配合
量が多すぎると、配合量に対する効果が低くなり経済的
に不利になり、また成型性においても不利になる。導電
性樹脂と導電性フィラーを併用する場合にはも、その合
計量が前記上記範囲重量%にとなるようにするのがよ
い。
【0055】本発明の導電性樹脂組成物は、ペレット、
フィルム、薄板等の形状で成形材料として保管、流通す
ることができ、又、射出成形、押出成形、ブロー成形、
カレンダー成形、プレス成形等により所望の形状に成形
することができる。
【0056】本発明の導電性繊維は、芯材としてチタン
酸塩繊維を用いているため、遊離物不純物としてのアル
カリ金属イオンがほとんど含まれず、アルカリ金属イオ
ンの溶出が少ないという特徴を有している。このため、
耐熱性及び耐薬品性に優れ、複合材料として用いた場合
のチタン酸塩繊維の補強性及び表面平滑性等の特徴を有
するものである。
【0057】本発明の導電性繊維は、帯電防止、静電気
除去、導電性材料等としての用途に適しており、特にプ
ラスチック成型品、シート、紙、布巾、フィルム等にお
ける導電性付与材料として有用なものである。その具体
的な用途としては、電気メッキ用複合材料、静電気帯電
防止用材料、導電性塗料、導電性インキ、電気メッキ用
材料、静電記録材料、電磁波シールド材料等の各種の導
電性若くは半導体複合材料に適用することができる。
【0058】
【実施例】以下に、チタン酸塩繊維の製造例を説明し、
得られたチタン酸塩繊維を用いて、実施例及び比較例に
より、本発明を具体的に説明する。なお、以下の実施例
により本発明の範囲が限定されるものではない。また、
以下において「%」は、重量%を示す。
【0059】(製造例1)6チタン酸カリウム繊維(商
品名:TISMO−N、大塚化学株式会社製、平均繊維
長20μm、平均繊維径0.3μm)100gを水2リ
ットルに分散した後、塩化マグネシウム6水和物30.
4gを添加し、水酸化カリウム16.8gを水に溶解し
て100mlとした溶液を攪拌下、徐々に滴下し反応さ
せた。この間の反応温度を30〜40℃に保持して、3
時間反応させた。反応終了時のpHは10.8であっ
た。
【0060】次に得られた反応物を濾過し、水で洗浄し
て不純物を除去し80℃で乾燥した結果、反応生成物1
09gが得られた。このものは、電子顕微鏡によるエネ
ルギー分散型X線分析装置(EDS)による分析の結
果、6チタン酸カリウム繊維が塩基性マグネシウム塩
(酸化マグネシウム換算で5.5%、強熱減量として
2.0%を含む)により被覆されたものであった。
【0061】このものに、溶融剤として硫酸カリウム
(K2 SO4 )を重量比で1:4の割合で乳鉢にて十分
に粉砕混合した後、加圧成型し1150℃にて3時間焼
成した。
【0062】焼成後、800℃まで1℃/分の速度にて
冷却し、その後炉冷により室温まで冷却し焼成物を得
た。この焼成物を水中にて煮沸し、濾別、水洗、乾燥す
ることにより、黄淡色粉末を得た。このものは、X線分
析及び元素分析の結果、K2.0Mg1.0 Ti7.0 16
あり、平均繊維長60μm、平均繊維径3μmのチタン
酸塩繊維が得られた。
【0063】(製造例2)製造例1の焼成後の冷却工程
前に、炉から取出し、冷水中にて急冷した以外は同様の
方法で行い、黄淡色粉末を得た。このものは、X線回析
及び元素分析の結果からK2.0 Mg1.0 Ti7.0 16
あり、平均繊維長60μm、平均繊維径3μmであり、
結晶中全体積に対し約50体積%の気孔を有するチタン
酸塩繊維が得られた。
【0064】(製造例3)アナターゼ型二酸化チタン粉
末(平均粒径0.7μm)及び炭酸カリウム粉末(平均
粒径3μm)をモル比で4:1の割合で混合し、これに
溶融剤としてK2MoO4 をモル比で1:8の割合で加
え混合した。得られた混合物を白金ルツボ内に入れ、1
100℃で4時間焼成した後、4℃/時間の速度にて9
00℃まで徐冷し、その後、室温まで冷却し焼成物を得
た。得られた焼成物を水中にて解繊し、さらに濾別、洗
浄して不純物及び溶融剤を除去した後、乾燥し白色粉末
を得た。得られた繊維状物質をX線回析にて分析・同定
したところ、全てK2 Ti49 相であることを確認し
た。また、平均繊維長は20μm、平均繊維径は0.4
μmであった。この4チタン酸カリウム(K2 Ti4
9 )繊維を1規定の酢酸水溶液100mlに対して、5
gの割合にて添加し、約3時間攪拌しながらKイオン成
分の抽出を行った後、濾別、洗浄及び乾燥して、水和チ
タニア繊維を得た。得られた繊維状物をX線回析にて同
定したところ、全てH2 Ti4 9 であることを確認し
た。また、平均繊維長は18μm、平均繊維径は、0.
4μmであった。
【0065】上記と同じ方法にて作製したH2 Ti4
9 繊維100gを水2リットルに分散した後、重炭酸ア
ンモニウム56.2gを添加し、塩化バリウム2水和物
43.4g及び塩化ニッケル6水和物40.1gを水に
溶解して300mlとした溶液を攪拌下、ゆっくりと滴
下し反応させた。
【0066】この間の反応温度を30〜40℃に保持し
て3時間反応を続けた。反応終了後、反応物を濾過し、
水で洗浄して不純物を除去し、80℃で乾燥すると、反
応乾燥物160.4gが得られた。この乾燥物を分析し
た結果、H2 Ti4 9 繊維が酸化ニッケル換算にて
8.3%、酸化バリウム換算にて16.8%、強熱減量
12.4%を含む塩基性炭酸バリウム及び塩基性炭酸ニ
ッケルにより被覆されていた。
【0067】このバリウム及びニッケルの塩基性塩によ
り被覆されたH2 Ti4 9 繊維に溶融剤成分として硫
酸カリウム(K2 SO4 )を重量比で1:4にて乳鉢で
十分に粉砕、混合した後、加圧成型し、1200℃で3
時間焼成した。焼成後、800℃まで1℃/分の速度に
て冷却し、その後炉冷により室温まで冷却し、焼成物を
得た。焼成物は水中にて煮沸し、水洗、濾別、乾燥する
ことにより明緑色粉末を得た。このものは、X線回析及
び元素分析から、Ba0.8 0.4 Ni1.0 Ti
7.0 16、平均繊維長80μm、平均繊維径3μmのチ
タン酸塩ウィスカーが得られた。
【0068】(製造例4)製造例3の冷却工程前に炉内
から取出し、冷水中にて急冷した以外は、同様の条件に
て行い、明緑色粉末を得た。このものは、X線回析及び
元素分析から、Ba0.8 0.4 Ni1.0 Ti7.0 16
あり、平均繊維長80μm、平均繊維径3μmで、結晶
中に全体積に対し約30体積%気孔を持つチタン酸塩ウ
ィスカーが得られた。
【0069】(製造例5〜13)アナターゼ型二酸化チ
タン粉末(平均粒子径0.7μm)55.9gに塩化カ
リウム(KCl)14.9g及び硫酸カリウム(K2
4 )224.4gを加え、さらに金属M供給成分とし
て塩化コバルト6水和物(CoCl2 ・6H2 O)、塩
化亜鉛(ZnCl2 )、塩化第二銅2水和物(CuCl
2 ・2H2 O)、塩化マンガン4水和物(MnCl2
4H2 O)、塩化アルミニウム6水和物(AlCl3
6H2 O)、三塩化スカンジウム6水和物(ScCl3
・6H2 O)、塩化第二鉄6水和物(FeCl3 ・6H
2 O)、塩化ガリウム(GaCl3)もしくは塩化アル
ミニウム6水和物(AlCl3 ・6H2 O)と塩化マグ
ネシウム6水和物(MgCl2 ・6H2 O)の混合物を
適宜加え、乳鉢にて十分に粉砕混合し、原料粉末とし
た。
【0070】上記、原料粉末を加圧成型した後、120
0℃にて3時間焼成を行った。焼成後、800℃まで、
1℃/分の速度にて冷却し、その後炉冷により室温まで
冷却し、各々の焼成生成物を得た。得られた粉末につい
て、X線分析及び元素分析の結果、及び平均繊維長、平
均繊維径を測定した結果を表1に示す。
【0071】なお、製造例の番号5〜13は、前述の成
分の記載順に対応している。また、本製造例5〜13に
よって得られた粉末は全て結晶中において空隙を含まな
いものであった。
【0072】
【表1】
【0073】実施例1 前述の製造例1で得られたチタン酸塩繊維(K2 MgT
7 16)5gを50mlの白金製ルツボに入れ、シリ
コニット製の管状電気炉内に設置し、窒素ガス置換を2
度繰り返した後、引続き窒素ガスを150ml/分の流
量で導入しながら室温から500℃まで昇温速度6℃/
分で加熱した。次いで、導入ガスをプロパンガスに切替
え、プロパンガスを流量120ml/分で導入しなが
ら、電気炉の温度を850℃、1100℃、1200℃
までそれぞれ昇温させ、各々の温度で30分間保持した
後、プロパンガスを止め、窒素ガスに切替え、少量流し
ながら室温まで炉冷し、その後炉外に取り出した。黒色
に帯色した導電性を有するチタン酸塩繊維が得られた。
得られたカーボン導電層で被覆されたチタン酸塩繊維は
5.5gであった。
【0074】実施例2 前述の製造例1で得られたチタン酸塩繊維(K2 MgT
7 16)5gを50mlの白金製ルツボに入れ、シリ
コニット製の管状電気炉内に設置し、窒素ガス置換を2
度繰り返し行った後、窒素ガスを150ml/分の流量
で導入しながら室温から500℃まで昇温速度6℃/分
で加熱した。次いで、導入するガスを水素ガスに切替
え、水素ガスを120ml/分の流量で導入しながら、
800℃まで昇温させた。次に、水素ガス導入管に予め
設けられた分岐管を介してベンゼンガス(ベンゼンを加
熱して気化させたもの)を50ml/分の割合で30分
間導入し、電気炉温度を850℃、1100℃、120
0℃までそれぞれ昇温させ、各々の温度で30分間保持
した後、ベンゼンガスを止め、窒素ガスに切替えて室温
まで冷却し炉外に取り出した。黒色に帯色した導電性を
有するチタン酸塩繊維が得られた。得られた導電性チタ
ン酸塩繊維は5.5gであった。
【0075】実施例3 前述の製造例2で得られたチタン酸塩繊維(K2 MgT
7 16)5gを上記実施例2と同様の条件で処理を行
い、黒色に帯色した導電性を有するチタン酸塩繊維が得
られた。
【0076】実施例4 前述の製造例3で得られたチタン酸塩繊維(Ba0.8
0.4 Ni1.0 Ti7.016)を5g用いて、上記実施例
2と同様の条件で処理を行い、黒色に帯色した導電性を
有するチタン酸塩繊維が得られた。
【0077】実施例5 前述の製造例4で得られたチタン酸塩繊維(Ba0.8
0.4 Ni1.0 Ti7.016)を5g用いて、上記実施例
2と同様の条件で処理を行い、黒色に帯色した導電性を
有するチタン酸塩繊維が得られた。
【0078】実施例6〜14 前述の製造例5〜13で得られた各々のチタン酸塩繊維
を5gづつ用いて、上記実施例2と同様の条件で処理を
行い、黒色に帯色した導電性を有するチタン酸塩繊維が
得られた。対応するのは、製造例5に対して実施例6、
製造例6に対して実施例7…の順で、最終、製造例13
に対して実施例14である。
【0079】比較例1 6チタン酸カリウム繊維(前述)5gを用いて、実施例
2と同様の条件で処理を行い、黒色に帯色した導電性を
有する6チタン酸カリウム物質を得た。
【0080】比較例2 ホウ酸アルミニウム繊維(商品名:アルボレックスY:
9Al2 3 ・2B23 四国化成工業株式会社製)5
gを用いて、実施例2と同様の条件で処理を行い、灰黒
色に帯色した導電性を有するホウ酸アルミニウム物質を
得た。
【0081】試験例1 各実施例、比較例で得られた各々の導電性物質を流動パ
ラフィンとともに乳鉢でよく混合した(導電性繊維90
重量%、流動パラフィン10重量%)後、内径10m
m、長さ20mmの金型を用いて、50kg/cm2
圧力で10分間加圧成型した後、デジタルマルチメータ
ー(アドバンテスト株式会社製)を用いて、抵抗値を測
定し、体積抵抗率を下式に従って計算、算出した。この
結果を表2に示す。 体積抵抗率(Ω・cm) =測定抵抗値(Ω)×電極面積
(cm2)/電極間距離(cm)
【0082】試験例2 各実施例、比較例で得られた各々の導電性物質1gに6
0mlの蒸留水を加えて50℃で20分間攪拌した後、
濾紙(No.5C)で濾過し、その濾液を蒸留水にて1
00mlに希釈した。この希釈溶液を用いて、それぞれ
溶出したKイオンの量を原子吸光分析装置にて求めた。
この結果を表2に示す。
【0083】試験例3 各実施例、比較例で得られた各々の導電性物質を走査型
電子顕微鏡(SEM)にて、倍率3000倍にて写真撮
影し、写真上の導電性物質(繊維)の長さ、径または粒
子径をノギス(最小測定値:1/100mm)にて実測
した。実測した1000個の平均値を各々、その平均繊
維長さ、平均繊維径、または平均粒子径とした。この結
果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】試験例4 各実施例、比較例で得られた各々の導電性物質を各種結
合材に添加、混合してシート化し、その表面抵抗率を測
定した。表面抵抗率は次式により、測定、算出した。結
果を表3に示す。
【0086】 表面抵抗率(Ω)=π・(D+d)・Rs/(D−d) (ここで、π:円周率(≒3.14)、D:表面の環状
電極の内径(cm)、d:表面電極の内円の外径(c
m)、Rs:測定抵抗値(Ω))
【0087】
【表3】
【0088】また、上記各実施例、比較例で得られた各
々の導電性物質を各種結合材に添加、混練した後、JI
S法に準拠して試験片を作製し、引張強さ(JIS K
−7113)、曲げ強さ(JIS K−7203)につ
いて各々測定した。結果を表4に示す。
【0089】また、使用した樹脂(結合材)について
は、以下にまとめて示す。 ・シリコン樹脂:商品名「シリコーン・レジン」(東レ
・ダウコーニングシリコン株式会社製) ・ウレタン樹脂:商品名「Vトップ」(大日本塗料株式
会社製) ・フッ素樹脂:商品名「ネオフロン」(ダイキン工業株
式会社製) ・エポキシ樹脂:商品名「アラルダイト」(チバガイギ
ー株式会社製) ・ポリアセタール樹脂:商品名:「ジュラコン」(ポリ
プラスチック株式会社製) ・6−ナイロン樹脂:商品名「ウベナイロン」(宇部興
産株式会社製) ・PBT樹脂:商品名「ジュラネックス」(ポリプラス
チック株式会社製)
【0090】
【表4】
【0091】表2の結果から明らかなように、本発明の
導電性繊維は、比較例1及び比較例2と同等あるいはそ
れ以上の導電性を有しており、また1200℃の高い温
度で処理しても、ほとんどアスペクト比が低下しないこ
とがわかる。また比較例1に比べ、遊離のK成分が少な
いことがわかる。
【0092】表3から明らかなように、本発明の導電性
繊維は、各種結合剤に配合して、優れた導電性が得られ
ることがわかる。特に、1200℃の高い温度で処理し
たものが、優れた導電性を示している。
【0093】表4から明らかなように、本発明の導電性
繊維は、補強効果においても、各種エンジニアリングプ
ラスチックに配合して、高い引張強さ及び曲げ強さを与
えることがわかる。特に1200℃の高い温度で処理し
たものでも、アスペクト比の低下が少ないため、比較例
1及び比較例2の導電性繊維に比べ優れた補強効果を示
している。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式A1 V2 W1 X2 YTi8-Z16(式
    中、A1 はアルカリ金属より選ばれる少なくとも一種
    を、A2 はBaを、M1 はMg、Co、Ni、Zn、C
    u及びMnより選ばれる少なくとも一種を、M2 はA
    l、Sc、Cr、Fe及びGaより選ばれる少なくとも
    一種を、それぞれ示す。V、W、X、Y及びZは、0.
    5≦2X+Y≦2.5、2X+Y=V+2W、Z=X+
    Yを、満足する実数である。但し、W及びXが共に0で
    あり、A1 がKであり且つM2 がAlである場合を除
    く。)で示される組成を有するチタン酸塩繊維を、カー
    ボン導電層で被覆したことを特徴とする導電性繊維。
  2. 【請求項2】 チタン酸塩繊維が繊維内部に70体積%
    未満の気孔を有するチタン酸塩繊維である請求項1記載
    の導電性繊維。
  3. 【請求項3】 チタン酸塩繊維が繊維内部に10〜70
    体積%の気孔を有するチタン酸塩繊維である請求項1又
    は2記載の導電性繊維。
  4. 【請求項4】 式A1 V2 W1 X2 YTi8-Z16(式
    中、A1 はアルカリ金属より選ばれる少なくとも一種
    を、A2 はBaを、M1 はMg、Co、Ni、Zn、C
    u及びMnより選ばれる少なくとも一種を、M2 はA
    l、Sc、Cr、Fe及びGaより選ばれる少なくとも
    一種を、それぞれ示す。V、W、X、Y及びZは、0.
    5≦2X+Y≦2.5、2X+Y=V+2W、Z=X+
    Yを、満足する実数である。但し、W及びXが共に0で
    あり、A1 がKであり且つM2 がAlである場合を除
    く。)で示される組成を有するチタン酸塩繊維を、炭化
    水素雰囲気または炭化水素と還元性ガス及び/又は不活
    性ガスとの混合ガス雰囲気中で加熱焼成することによ
    り、前記チタン酸塩繊維の表面にカーボン導電層を形成
    することを特徴とする導電性繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 加熱焼成の温度が、1150℃以上13
    00℃以下の範囲である請求項4に記載の導電性繊維の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 チタン酸塩繊維として繊維内部に10〜
    70体積%の気孔を有するチタン酸塩繊維を用いる請求
    項4に記載の導電性繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂に請求項1〜3に記載の導電性繊維
    又は請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法により製
    造された導電性繊維を配合してなる導電性樹脂組成物。
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