JPH10226690A - ビス(1、2−エタンジアミン)金クロライドの製法及びそれを用いた金めっき液 - Google Patents

ビス(1、2−エタンジアミン)金クロライドの製法及びそれを用いた金めっき液

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JPH10226690A
JPH10226690A JP3185397A JP3185397A JPH10226690A JP H10226690 A JPH10226690 A JP H10226690A JP 3185397 A JP3185397 A JP 3185397A JP 3185397 A JP3185397 A JP 3185397A JP H10226690 A JPH10226690 A JP H10226690A
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Japan
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gold
ethanediamine
bis
gold chloride
chloride
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Masatsugu Kida
勝継 来田
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EEJA Ltd
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Electroplating Engineers of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 収率が良く、反応時間が短く、安全な溶媒を
使用することができるビス(1、2−エタンジアミン)
金クロライドの製法及びそれを用いた金めっき液を提供
する。 【構成】 塩化金ナトリウムとエチレンジアミン(無
水)を溶媒で反応させることにより、ビス(1、2−エ
タンジアミン)金クロライドの高い収率が得られること
を知見した。また、この製法では、安全なアセトニトリ
ル、メタノール、エタノールを使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビス(1、2−エタ
ンジアミン)金クロライドの製法及びそれを用いた金め
っき液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金めっきは、古くから装飾用や洋食器等
に用いられるだけでなく、その優れた電気的特性から電
子工業分野においても広く利用されている。
【0003】そして、金めっき液としては、ほとんどが
有毒なシアン化金カリウムを含んだシアン浴であった
が、最近では作業安全上或いは排水処理上の問題、また
半導体部品のレジスト等をアタックする問題のため、非
シアン系の金めっき液の要求が高まっている。
【0004】例えば、非シアン系金めっき液としては、
J.Am,Chem,Soc.1951,vol.73,P4722にて報告されている
ように、金化合物としてビス(1、2−エタンジアミ
ン)金クロライドを用いたものがある。このビス(1、
2−エタンジアミン)金クロライドは、塩化金酸と、エ
チレンジアミン(1水和物)とを、溶媒(ジエチルエー
テル)を用いて、常温で反応させる製法により得られ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の製法はビス(1、2−エタンジアミン)金ク
ロライドの収率が高くても約73%程度であり、あまり
良くない。また、使用する溶媒がジエチルエーテルであ
り安全性の面で問題がある。
【0006】本発明はこのような従来の技術に着目して
なされたものであり、収率が良く、安全な溶媒を使用す
ることができるビス(1、2−エタンジアミン)金クロ
ライドの製法及びそれを用いた金めっき液を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者はより実用的なビ
ス(1、2−エタンジアミン)金クロライドの製法を開
発するために、種々の原料を検討した結果、塩化金ナト
リウムとエチレンジアミン(無水)を溶媒で反応させる
ことにより、高い収率が得られることを知見した。ま
た、この製法では、安全なアセトニトリル、メタノー
ル、エタノールを使用することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】塩化金ナトリウム(NaAuCl
4 )と、エチレンジアミン(無水)との反応は以下の通
りである。
【0009】NaAuCl4 +2en → Au(e
n)2 Cl3 +NaCl
【0010】反応温度は15〜60℃で、15℃未満だ
と反応が十分進行せず収率が低下し、60℃を超えると
金イオンの還元反応が起こり、金の微粒子が生成する。
【0011】この発明の製法によれば、約1時間で90
%の収率が得られる。これは合成系に水が少なく、エチ
レンジアミンが解離しないためである。
【0012】この製法で得られたビス(1、2−エタン
ジアミン)金クロライドを用いて、金めっき液を建浴す
ることができる。この金めっき液は、ビス(1、2−エ
タンジアミン)金クロライド及び臭化ナトリウムを必須
成分とし、且つpHが1〜8のものである。
【0013】この金めっき液中におけるビス(1、2−
エタンジアミン)金クロライドの含有量としては、0.
01〜0.2Mが好適である。また、臭化ナトリウムの
含有量としては、0.01〜1Mが好適である。臭化ナ
トリウムはビス(1、2−エタンジアミン)金錯体の対
イオンであり、安定剤として機能するものである。pH
は前述のように1〜8の範囲でなければならず、この範
囲から外れると、めっき外観の悪化或いは安定性の低下
となる。
【0014】すなわち、上記のような条件下において、
下記のような反応が起こり、得られた金錯体〔Au(e
n)(en−H)Br〕により良好な外観が与えられ
る。また、めっき液の安定性も向上する。
【0015】Au(en)2 Cl3 +3NaBr →
Au(en)2 Br3 Au(en)2 Br3 → Au(en)(en−H)
Br
【0016】析出速度を高めるために、タリウム化合物
及び/又は鉛化合物を、メタルとして0.1〜50pp
m添加しても良い。添加されるタリウム化合物として
は、酢酸タリウム、蟻酸タリウム、硫酸タリウム、酸化
タリウム、マロン酸タリウム、塩化タリウムなどが好適
である。蟻酸タリウムは毒性が低いので扱い易い。鉛化
合物としては、クエン酸鉛、酢酸鉛、酸化鉛などが好適
である。
【0017】この発明の金めっき液を使用する場合にお
ける電流密度及び液温に関する制約はない。浸漬めっき
だけでなく、噴射めっきにも使用可能である。
【0018】
【実施例】まず、ビス(1、2−エタンジアミン)金ク
ロライドの合成方法について説明する。まず、実施例
(No.1〜3)として溶媒100mlに、NaAuC
4を50.8mmol加えて溶解させた。これにエチ
レンジアミン(無水)を107mmol徐々に加えて、
60℃で1時間攪拌して反応させた。そして、生じた沈
殿を濾過し、200mlのEtOHで洗浄した。これを
脱イオン水100mlに溶解した後、これにEtOHを
500ml加えて再沈させ、乾燥して目的物を得た。
尚、比較例(No.4〜6)として、HAuCl4 とエ
チレンジアミン(1水和物)を用いた合成も行った。溶
媒Et2 Oはジエチルエーテルである。
【0019】得られたビス(1、2−エタンジアミン)
金クロライドの収率は以下の表1の通りである。実施例
(No.1〜3)のNaAuCl4 の方が、比較例(N
o.4〜6)HAuCl4 よりも高い収率を示した。
【0020】
【表1】
【0021】合成したビス(1、2−エタンジアミン)
金クロライドを使用して、表2のような組成の金めっき
浴を建浴した。アノードにはPt/Tiを用いた。カソ
ードには銅パネルに電気ニッケルメッキを2μm施した
ものを用いた。
【0022】
【表2】
【0023】結果は、表2に示すように、どれも外観品
質に優れ、析出速度も十分であった。また、浴も安定し
ていた。
【0024】
【発明の効果】この発明の製法によれば、ビス(1、2
−エタンジアミン)金クロライドを高い収率で合成でき
ると共に、安全な溶媒を使用できる。また、得られたビ
ス(1、2−エタンジアミン)金クロライドを用いた金
めっき液により、レモンイエローの光沢外観を有するめ
っき被膜が得られる。更に、液の安定性に優れ、寿命が
長くなる。非シアン系のため、作業安全及び環境への影
響についても問題ない。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化金ナトリウムとエチレンジアミン
    (無水)を、溶媒を用いて、温度15〜60℃で反応さ
    せることを特徴とするビス(1、2−エタンジアミン)
    金クロライドの製法。
  2. 【請求項2】 溶媒が、アセトニトリル、メタノール、
    エタノールの少なくとも1種である請求項1記載のビス
    (1、2−エタンジアミン)金クロライドの製法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の製法にて得
    られたビス(1、2−エタンジアミン)金クロライド
    と、臭化ナトリウムを含有し、且つpHが1〜8である
    ことを特徴とする金めっき液。
  4. 【請求項4】 ビス(1、2−エタンジアミン)金クロ
    ライドの含有量が0.01〜0.2Mである請求項3記
    載の金めっき液。
  5. 【請求項5】 臭化ナトリウムの含有量が0.01〜1
    Mである請求項3又は請求項4記載の金めっき液。
  6. 【請求項6】 タリウム化合物及び/又は鉛化合物を
    0.1〜50ppm含有している請求項3〜5のいずれ
    か1項に記載の金めっき液。
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