JPH10226687A - イミダゾピリジン誘導体およびその製造法 - Google Patents

イミダゾピリジン誘導体およびその製造法

Info

Publication number
JPH10226687A
JPH10226687A JP34008097A JP34008097A JPH10226687A JP H10226687 A JPH10226687 A JP H10226687A JP 34008097 A JP34008097 A JP 34008097A JP 34008097 A JP34008097 A JP 34008097A JP H10226687 A JPH10226687 A JP H10226687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
ring
optionally substituted
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34008097A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoki Ikemoto
朋己 池本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP34008097A priority Critical patent/JPH10226687A/ja
Publication of JPH10226687A publication Critical patent/JPH10226687A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen And Oxygen Or Sulfur-Condensed Heterocyclic Ring Systems (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高脂血症治療薬等として有用な5−チア−1,
8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボン酸誘導体を
製造する原料化合物であるイミダゾピリジン誘導体およ
びそれを製造する原料化合物として有用な3−ホルミル
イミダゾピリジン誘導体を製造する方法、および該3−
ホルミルイミダゾピリジン誘導体を提供する。 【解決手段】イミダゾピリジン誘導体およびその合成中
間体を、次の製造ルートによって、簡便にしかも高収率
で製造することができる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イミダゾピリジン
誘導体およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イミダゾピリジン環の3位のホル
ミル化は、例えば、塩化ホスホリル−N,N−ジメチル
ホルムアミド、塩化オキサリル−N,N−ジメチルホル
ムアミド等の強酸性条件下での反応、あるいは、例え
ば、n−ブチルリチウム−N,N−ジメチルホルムアミ
ド等の塩基性条件下での反応が報告されている[ジャー
ナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Me
dicinal Chemistry), 13, 1048 (1970)、特開昭58−
189180号公報、ジャーナル・オブ・オーガニック
・ケミストリー(Journal of Organic Chemistry), 33,
1638 (1968)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
反応においては、反応を制御するのが困難であり、工業
的大量生産には不向きである。5−チア−1,8b−ジ
アザアセナフチレン−4−カルボン酸誘導体は、優れた
低密度リポタンパク(LDL)受容体増加作用、血中脂
質低下作用、血糖低下作用および/または糖尿病合併症
改善作用などを有し、この5−チア−1,8b−ジアザ
アセナフチレン−4−カルボン酸誘導体の簡便かつ収率
の高い工業的製造法の確立が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、イミダゾピ
リジン誘導体にヘキサメチレンテトラミンを反応させる
ことにより、簡便な方法でしかも高収率でイミダゾピリ
ジン環の3位をホルミル化でき、あるいは縮合型イミダ
ゾピリジン誘導体を製造できることを見いだし、これら
に基づき種々の研究を行った結果、本発明を完成するに
至った。
【0005】本発明は、(1)一般式
【化10】 〔式中、Q環は置換されていてもよいピリジン環を、R
1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい水
酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基を
それぞれ示す。〕で表される化合物又はその塩とヘキサ
メチレンテトラミンとを反応させることを特徴とする一
般式
【化11】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物又はその塩の製造法、(2)R1が水素原子である
上記(1)項記載の製造法、(3)一般式
【化12】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
はその塩とヘキサメチレンテトラミンとを反応させ、一
般式
【化13】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物又はその塩を製造する上記(1)記載の製造法、
(4)Q'環が無置換で、R1が水素原子である上記
(3)項記載の製造法、(5)Xがハロゲン原子である
上記(3)項記載の製造法、(6)Q'環が無置換で、
1が水素原子で、Xがハロゲン原子である上記(3)
項記載の製造法、(7)一般式
【化14】 [式中、Q''環は置換されていてもよいピリジン環を、
1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
を、R2は保護されていてもよいカルボキシル基をそれ
ぞれ示す。〕で表される化合物又はその塩とヘキサメチ
レンテトラミンとを反応させることを特徴とする、一般
【化15】 〔式中の各記号は前記と同意義をそれぞれ示す。〕で表
される化合物又はその塩の製造法、(8)Q''環が無置
換で、R1が水素原子である上記(7)項記載の製造
法、
【0006】(9)一般式
【化16】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
はその塩、(10)Q'環が無置換で、R1が水素原子で
ある上記(9)項記載の化合物又はその塩、(11)X
がハロゲン原子である上記(9)項記載の化合物又はそ
の塩、(12)Q'環が無置換で、R1が水素原子で、X
がハロゲン原子である上記(9)項記載の化合物又はそ
の塩、(13)一般式
【化17】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
はその塩と一般式 HS−CH2−R2 (V) (式中、R2は保護されていてもよいカルボキシル基を
それぞれ示す。)で表される化合物又はその塩とを反応
させることを特徴とする、一般式
【化18】 〔式中、Q''環は置換されていてもよいピリジン環を、
その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
合物又はその塩の製造法、(14)Q'環およびQ''環
が無置換で、R1が水素原子である上記(13)項記載
の製造法、(15)Xがハロゲン原子である上記(1
3)項記載の製造法、および(16)Q'環およびQ''
環が無置換で、R1が水素原子で、Xがハロゲン原子で
ある上記(13)項記載の製造法である。
【0007】Q環、Q'環およびQ''環の「置換基」と
しては、例えば(i)ニトロ基、(ii)ヒドロキシル
基、(iii)シアノ基、(iv)カルバモイル基、(v)モ
ノ−またはジ−C1-4アルキル−カルバモイル基(例え
ば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイ
ル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカ
ルバモイルなど)、(vi)カルボキシル基、(vii)C
1-4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニルなど)、(viii)スルホ基、
(ix)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、(x)C1-4アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)、
(xi)フェノキシ基、ナフトキシ基、ベンジルオキシ
基、(xii)ハロゲノフェノキシ基(例えば、o−,m
−またはp−クロロフェノキシ、o−,m−またはp−
ブロモフェノキシなど)、(xiii)C1-4アルキルチオ
基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなど)、(xi
v)メルカプト基、(xv)フェニルチオ基、(xvi)ピリ
ジルチオ基、(xvii)C1-4アルキルスルフィニル基
(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニルな
ど)、フェニルスルフィニル基、(xviii)C1-4アルキ
ルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルス
ルホニルなど)、フェニルスルホニル基、(xix)アミ
ノ基、(xx)C1-3アシルアミノ基(例えば、アセチル
アミノ、プロピオニルアミノなど)、(xxi)モノ−ま
たはジ−C1-4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミ
ノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノな
ど)、(xxii)C1-4アルキル基(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピルなど)、(xxiii)C1-4
ハロゲノアルキル基(例えば、トリフルオロメチル、ト
リクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルな
ど)、(xxiv)脱離基などが用いられる。該脱離基とし
ては、例えば、ハロゲン(例、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素など)、スルホニルオキシ基(例、メタンスルホニ
ルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基等)などが挙げられ
る。Q環、Q'環およびQ''環は、これらの置換基を置
換可能な位置に1ないし3個有していてもよい。
【0008】本明細書中で用いられる「ハロゲン原子」
とは、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などを示す。
本明細書中で用いられる「置換されていてもよい水酸
基」における置換基としては、例えばそれぞれ置換基を
有していてもよい(i)C1-6アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−
ブチルなど)、(ii)フェニル、(iii)C7-10アラルキル(例
えば、ベンジルなど)、(iv)ホルミル、(v)C1-6
ルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エチ
ルカルボニルなど)、(vi)フェニルオキシカルボニル
(例えば、ベンズオキシカルボニルなど)、(vii)C
7-10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジルオキシ
カルボニルなど)、(viii)ピラニル、(ix)フラニ
ル、(x)シリルなどが用いられる。これらが有してい
てもよい置換基としては、例えばハロゲン原子(例え
ば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、C1-6アルキ
ル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
など)、フェニル、C7-10アラルキル(例えば、ベンジ
ルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基の数は1な
いし4個程度である。
【0009】本明細書中で用いられる「置換されていて
もよい炭化水素基」における「炭化水素基」とは、例え
ばアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール
基などを示す。該「アルキル基」としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシ
ル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシルなどの
「直鎖状または分枝状のC1-15アルキル基」および、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなど
の「C3-8シクロアルキル基」などが用いられる。該
「直鎖状または分枝状のC1-15アルキル基」及び「C
3-8シクロアルキル基」が有していてもよい置換基とし
ては、例えば(i)ニトロ基、(ii)ヒドロキシル基、
(iii)シアノ基、(iv)カルバモイル基、(v)モノ−
またはジ−C1-4アルキル−カルバモイル基(例えば、
N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、
N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバ
モイルなど)、(vi)カルボキシル基、(vii)C1-4
ルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソ
プロポキシカルボニルなど)、(viii)スルホ基、(i
x)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素など)、(x)C1-4アルコキシ基(例えば、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシなど)、
(xi)フェノキシ基、(xii)ハロゲノフェノキシ基
(例えば、o−,m−またはp−クロロフェノキシ、o
−,m−またはp−ブロモフェノキシなど)、(xiii)
1-4アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチ
オ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチル
チオなど)、(xiv)メルカプト基、(xv)フェニルチ
オ基、(xvi)ピリジルチオ基、(xvii)C1-4アルキル
スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチル
スルフィニルなど)、(xviii)C1-4アルキルスルホニ
ル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニルな
ど)、(xix)アミノ基、(xx)C1-3アルカノイルアミ
ノ基(例えば、アセチルアミノ、プロピオニルアミノな
ど)、(xxi)モノ−またはジ−C1-4アルキルアミノ基
(例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなど)、(xxii)4ないし6員環状
アミノ基(例えば、1−アゼチジニル、1−ピロリジニ
ル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、1−ピ
ペラジニルなど)、(xxiii)C1-3アルカノイル基(例
えば、ホルミル、アセチルなど)、(xxiv)ベンゾイル
基および(xxv)5ないし10員複素環基(例えば、2
−または3−チエニル、2−または3−フリル、3−,
4−または5−ピラゾリル、2−,4−または5−チア
ゾリル、3−,4−または5−イソチアゾリル、2−,
4−または5−オキサゾリル、1,2,3−または1,2,
4−トリアゾリル、1H−または2H−テトラゾリル、
2−,3−または4−ピリジル、2−,4−または5−
ピリミジル、3−または4−ピリダジニル、キノリル、
イソキノリルインドリルなど)などが用いられる。該
「アルキル基」は、置換可能な位置に、これらの置換基
を1ないし5個(好ましくは1ないし3個)有していて
もよい。
【0010】該「アルキル基」の好ましいものとして
は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシルなどの直鎖状または分枝状のC1-6
ルキル基が挙げられ、該「C1-6アルキル基」が有して
いてもよい置換基としては、例えば前記のようなハロゲ
ン原子、C1-4アルコキシ基、ヒドロキシル基、C1-4
ルコキシ−カルボニル基、カルボキシル基、カルバモイ
ル基、モノ−またはジ−C1-4アルキルカルバモイル
基、ピリジルチオ基などの置換基が1ないし3個用いら
れる。該「アルケニル基」としては、例えばビニル、ア
リル、イソプロペニル、3−ブテニル、3−オクテニ
ル、9−オクタデセニルなどの「C2-18アルケニル基」
などが用いられる。該「アルケニル基」が有していても
よい置換基としては、前記「アルキル基」が有していて
もよい置換基と同様の置換基が1ないし3個用いられ
る。該「アルケニル基」の好ましいものとしては、例え
ばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニルなどの
2-6アルケニル基などが挙げられる。該「C2-6アルケ
ニル基」が有していていてもよい置換基としては、例え
ば前記「C1-6アルキル基」が有していてもよい置換基
と同様の置換基が1ないし3個用いられる。該「アラル
キル基」としては、例えばC7-16アラルキル基などが用
いられ、具体的には、例えばベンジル、フェネチル、3
−フェニルプロピル、4−フェニルブチルなどのフェニ
ル−C1-6アルキル基および、例えば(1−ナフチル)
メチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフ
チル)エチルなどのナフチル−C1-6アルキル基などが
挙げられる。
【0011】該「アラルキル基」が有していてもよい置
換基としては、例えば(i)ハロゲン原子(例えば、フ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、(ii)C1-4アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチルなど)、(iii)C2-6アルケニル基(例え
ば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニルな
ど)、(iv)C1-3アルカノイル基(例えば、ホルミ
ル、アセチルなど)、(v)C1-4アルコキシ基(例え
ば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ
など)、(vi)ニトロ基、(vii)シアノ基、(viii)
ヒドロキシル基、(ix)C1-4アルコキシ−カルボニル
基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル
など)、(x)カルバモイル基、(xi)モノ−またはジ
−C1-4アルキル−カルバモイル基(例えば、N−メチ
ルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N,N−ジ
メチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイルな
ど)、(xii)モノ−またはジ−C2-4アルケニル−カル
バモイル基(例えば、N−ビニルカルバモイルなど)な
どが挙げられ、該「アラルキル基」は置換可能な位置
に、これらの置換基を1ないし4個(好ましくは1ない
し3個)有していてもよい。
【0012】該「アリール基」としては、例えばフェニ
ル、1−ナフチル、2−ナフチル、フェナントリル、ア
ントリル(anthryl)などの芳香族単環式、2環式また
は3環式のC6-14アリール基などが用いられる。好まし
くは、フェニル基などが汎用される。該「アリール基」
が有していてもよい置換基としては、例えば(i)ハロ
ゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
ど)、(ii)C1-4アルキル基(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチルなど)、(iii)
1-4ハロゲノアルキル基(例えば、トリフルオロメチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル、トリクロロメチ
ルなど)、(iv)C1-4ハロゲノアルコキシ基(例え
ば、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、2,
2,2−トリフルオロエトキシなど)、(v)C1-4アル
コキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシなど)、(vi)C1-4アルキルチオ基
(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イ
ソプロピルチオ、ブチルチオなど)(vii)ヒドロキシ
ル基、(viii)カルボキシル基、(ix)シアノ基、
(x)ニトロ基、(xi)アミノ基、(xii)モノ−または
ジ−C1-4アルキルアミノ基(例えば、メチルアミノ、
エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノな
ど)、(xiii)ホルミル基、(xiv)メルカプト基、(x
v)C1-6アルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイルなど)、(xv
i)C1-4アルコキシ−カルボニル基(例えば、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニ
ル、イソプロポキシカルボニルなど)、(xvii)スルホ
基、(xviii)C1-4アルキルスルホニル基(例えば、メ
チルスルホニル、エチルスルホニルなど)、(xix)カ
ルバモイル基、(xx)モノ−またはジ−C1-4アルキル
−カルバモイル基(例えば、N−メチルカルバモイル、
N−エチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイ
ル、N,N−ジエチルカルバモイルなど)、(xxi)オキ
ソ基などが挙げられ、該「アリール基」は置換可能な位
置に、これらの置換基を1ないし4個、好ましくは1ま
たは2個有していてもよい。オキソ基を有するアリール
基としては、例えばベンゾキノニル、ナフトキノリル、
アンスラキノニルなどが挙げられる。
【0013】本明細書中で用いられる「アシル基」とし
ては、例えばカルボン酸から導かれるアシル基などが用
いられ、例えばアルコキシ−カルボニル基、アルキル−
カルバモイル基、アルカノイル基などが用いられる。該
「アルコキシ−カルボニル基」としては、例えばメトキ
シカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボ
ニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニ
ル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニ
ル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボ
ニル、イソペンチルオキシカルボニル、ネオペンチルオ
キシカルボニル、tert−ペンチルオキシカルボニルなど
のC1-6アルコキシ−カルボニル基が用いられる。該
「アルキル−カルバモイル基」としては、例えばN−メ
チルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロ
ピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイルなどのモノ
−C1-6−N−アルキルカルバモイル基および、例えば
N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバ
モイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブ
チルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイ
ルなどのジ−C1-6−N,N−ジアルキル−カルバモイル
基およびジアルキル部が一緒になって形成される4ない
し6員環状カルバモイル基(例えば、1−アゼチジニル
カルボニル、モルホリノカルボニル、1−ピロリジニル
カルボニル、1−ピペリジノカルボニル、1−ピペラジ
ニルカルボニル、1−ピペラジニルカルボニルなど)が
用いられる。該「アルカノイル基」としては、例えばホ
ルミル基、C1-9アルキル−カルボニル基(例えば、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイルなど)
などのC1-10アルカノイル基が用いられる。該アシル基
は、例えば前記「C1-6アルキル基」が有していてもよ
い置換基と同様の置換基を1ないし3個有していてもよ
い。
【0014】本明細書中で用いられる「保護されていて
もよいカルボキシル基」の保護基としては、例えば置換
基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−
ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリルなどが用い
られる。置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ホルミル基、C1-6
ルキル−カルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリルなど)、ニトロ基などが用いられ、置換基
の数は1ないし3個程度である。
【0015】Q環、Q'環およびQ''環としては、それ
ぞれ無置換であるものが好ましい。基R1としては、水
素原子、あるいは、置換されていてもよい炭化水素基が
好ましい。置換されていてもよい炭化水素基の好ましい
ものとしては、なかでも例えば、C1-6アルキル基が挙
げられ、さらにC1-3アルキル基が好ましく、メチルが
最も好ましい。R2で示される保護されていてもよいカ
ルボキシル基としては、C1-6アルコキシ−カルボニル
基が好ましい。Xで示される脱離基としては、ハロゲン
原子が好ましい。
【0016】化合物(I)、(I')または(III)(以下、
「本化合物」と称することもある。)の塩としては、と
りわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この
ような塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン
酸、臭化水素酸、硫酸など)あるいは有機酸(例えば、
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との
塩などが挙げられる。さらに本化合物がカルボン酸など
の酸性基を有している場合、本化合物は、例えば無機塩
基(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグ
ネシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、
またはアンモニアなど)あるいは有機塩基(例えば、ト
リエチルアミンなどのトリ−C1-3アルキルアミンな
ど)と生理学的に許容される塩を形成していてもよい。
また、化合物(II)、(II')または(IV)(以下、「本方法
の原料化合物」と称することもある。)も、上記と同様
の塩が用いられるが、反応に支障のない限り特に限定さ
れない。本化合物および本方法の原料化合物は、分子内
に二重結合を有することもあるが、ZまたはEの2種類
の立体異性体が存在する場合、それらの各々またはそれ
らの混合物のいずれも本化合物および本方法に含まれ
る。本化合物および本方法の原料化合物は、オキソ基に
関して、そのエノ−ル型及びケト型の各々又はそれらの
混合物のいずれも本化合物および本方法の原料化合物に
含まれる。本化合物および本方法の原料化合物は、分子
内に不斉炭素を有することもあるが、R配位またはS配
位の2種類の立体異性体が存在する場合、それらの各々
またはそれらの混合物のいずれも本化合物および本方法
の原料化合物に含まれる。
【0017】本化合物(I)又はその塩は、以下に記載
される工程、方法で製造することができる。
【化19】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕 前記反応において、化合物(II)又はその塩に対して、
ヘキサメチレンテトラミンを1ないし大過剰、好ましく
は約1ないし10当量使用する。このとき使用する酸
は、例えば無機酸(例えば、塩酸、硫酸、ホウ酸等)、
有機酸(例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、メタ
ンスルホン酸等)であり、好ましくは酢酸、ホウ酸等を
使用する。該酸の使用量は、例えば1ないし大過剰、好
ましくは約1ないし50当量である。このときの反応温
度は、約0℃ないし200℃で、好ましくは約50℃な
いし150℃である。このとき使用される溶媒として
は、例えばハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ジクロロエタン等)、エーテル類
(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル
等)、プロトン性溶媒(例えば、メタノール、エタノー
ル等)、非プロトン性極性溶媒(例えば、アセトニトリ
ル等)等が挙げられる。この際、水が含まれていてもよ
い。好ましくは、酸と溶媒を兼ねた酢酸を使用する。反
応時間は、通常約10分ないし24時間、好ましくは約
1ないし15時間である。
【0018】本化合物(III)又はその塩は、以下に記
載される工程、方法で製造することができる。
【化20】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕 製造時の反応条件等は、上記のヘキサメチレンテトラミ
ンを用いる反応と同様にして行うことができる。
【0019】本化合物(III)又はその塩は、以下に記
載される工程、方法によっても、製造することができ
る。
【化21】 〔式中の記号は前記と同意義を示す。〕 化合物(II')から化合物(I')への反応は、上記のヘキサ
メチレンテトラミンを用いる化合物(II)から化合物(I)
への反応の一態様である。化合物(I')は、例えば、化合
物(III)を製造するための合成中間体として用いること
ができる。
【0020】化合物(I')から化合物(III)又はその塩
を製造するには、化合物(I')に一般式 HS−CH2−R2 (V) (式中の記号は前記と同意義を示す。)で表わされる化
合物(好ましくはチオグリコール酸エステル等)又はそ
の塩を反応させる。該反応においては、一般式:HS−
CH2−R2 (V)で表わされる化合物を1ないし大過
剰、好ましくは1ないし10当量使用する。このとき使
用する塩基としては、例えば無機塩基(例えば、炭酸カ
リウム、炭酸ナトリウム等)、有機塩基(例えば、トリ
エチルアミン、ピリジン、ジメチルアミン、1,8−ジ
アザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等)、アルコ
ラート類(例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウム
エチラート、tert−ブトキシカリウム等)、有機金属試
薬(例えば、n−ブチルリチウム等)、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムアミド等が挙げられる。該塩基の使用量
は、約1ないし大過剰、好ましくは約1ないし5当量使
用する。反応温度は、約−70℃〜200℃、好ましく
は約0℃〜200℃、さらに好ましくは約0℃〜100
℃である。使用する溶媒としては、例えばハロゲン化炭
化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロ
ロエタン等)、エーテル類(例えば、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン等)、エステル類(例えば、酢
酸メチル、酢酸エチル等)、プロトン性溶媒(例えば、
酢酸、メタノール、エタノール等)、非プロトン性極性
溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリル等)等が挙げられる。
反応時間は、通常約10分ないし24時間、好ましくは
約1ないし10時間である。
【0021】また、前記各反応において、原料化合物
は、置換基としてアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキ
シル基を有する場合、これらの基にペプチド化学などで
一般的に用いられるような保護基が導入されたものであ
ってもよく、反応後に必要に応じて保護基を除去するこ
とにより目的化合物を得ることができる。アミノ基の保
護基としては、例えば置換基を有していてもよいC1-6
アルキルカルボニル(例えば、ホルミル、メチルカルボ
ニル、エチルカルボニルなど)、フェニルカルボニル、
1-6アルキル−オキシカルボニル(例えば、メトキシ
カルボニル、エトキシカルボニルなど)、フェニルオキ
シカルボニル(例えば、ベンズオキシカルボニルな
ど)、C7-10アラルキル−カルボニル(例えば、ベンジ
ルオキシカルボニルなど)、トリチル、フタロイルなど
が用いられる。置換基としては、ハロゲン原子(例え
ば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6
アルキル−カルボニル(例えば、メチルカルボニル、エ
チルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基な
どが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度である。
【0022】カルボキシル基の保護基としては、例えば
置換基を有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert
−ブチルなど)、フェニル、トリチル、シリルなどが用
いられる。置換基としては、ハロゲン原子(例えば、フ
ルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなど)、C1-6アルキ
ルカルボニル(例えば、ホルミル、メチルカルボニル、
エチルカルボニル、ブチルカルボニルなど)、ニトロ基
などが用いられ、置換基の数は1ないし3個程度であ
る。ヒドロキシル基の保護基としては、例えば置換基を
有していてもよいC1-6アルキル(例えば、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル
など)、フェニル、C7-10アラルキル(例えば、ベンジ
ルなど)、C1-6アルキルカルボニル(例えば、ホルミ
ル、メチルカルボニル、エチルカルボニルなど)、フェ
ニルオキシカルボニル、C7-10アラルキルオキシ−カル
ボニル(例えば、ベンジルオキシカルボニルなど)、ピ
ラニル、フラニル、シリルなどが用いられる。置換基と
しては、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、クロロ、ブ
ロモ、ヨードなど)、C1-6アルキル、フェニル、C
7-10アラルキル、ニトロ基などが用いられ、置換基の数
は1ないし4個程度である。また、保護基の除去方法と
しては、それ自体公知またはそれに準じる方法が用いら
れるが、例えば酸、塩基、還元、紫外光、ヒドラジン、
フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナ
トリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸
パラジウムなどで処理する方法が用いられる。
【0023】以上の方法によって得られる化合物(III)
は、たとえば再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの
通常の分離手段により単離、精製することができる。か
くして得られる化合物(III)が遊離体で得られた場合に
は、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法(例え
ば、中和など)によって塩に変換することができ、逆に
塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準
じる方法により、遊離体または他の塩に変換することが
できる。さらに、化合物(III)が光学活性体である場合
は、通常の光学分割手段により、S体、R体に分離する
ことができる。化合物(III)又はその塩の製造原料は、
塩を形成していてもよく、その塩は反応が進行する限り
特に限定されない。このようにして得られる化合物(II
I)またはその塩は、例えば有用な医薬を製造するための
合成中間体として用いることができる。たとえば、本発
明方法によって得られる5−チア−1,8b−ジアザア
セナフチレン−4−カルボン酸あるいはそのエステルか
ら、例えば、後述の参考例に示す方法またはそれに準じ
る方法によって、たとえばN−〔1−(3−フェニルプ
ロパン−1−イル)ピペリジン−4−イル〕−5−チア
−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カルボキサミ
ド(以下、化合物Aと略称することがある。)を製造す
ることができ、化合物A及びその塩は、優れたLDL受
容体増加作用、脂質低下作用および血糖低下作用を有
し、かつ低毒性である。よって、これらの化合物及びそ
の塩は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスタ
ー、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ヒツジ、サル、
ヒトなど)において、例えば動脈硬化性疾患予防治療
薬、高脂血症予防治療薬、糖尿病予防治療薬、糖尿病性
合併症予防治療薬、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、
糖尿病性網膜症、不整脈、末梢血管疾患、血栓症、膵障
害、心筋梗塞後遺症、心弁膜症などの治療または予防に
安全に用いることができる。
【0024】化合物A及びその塩はコレステロールおよ
びトリグリセリド低下作用を有している。それらの生物
学的性質を考えると、高脂血症、特に高トリグリセリド
血症、高リポタンパク血症および高コレステロール血症
並びにそれから生じるアテロ−ム性動脈硬化血管病変お
よびそれらの続発症、例えば、冠動脈疾患、脳虚血、動
脈瘤、脳動脈硬化、末梢動脈硬化症、間欠性跛行、壊疽
等の治療および予防に特に適している。また、化合物A
又はその塩は血糖低下作用を示し、肥満型糖尿病ラット
において血糖低下作用を示すことから、インスリン抵抗
性を改善する。それらの生物学的性質を考えると、高血
糖症およびそれから生じる続発症、例えば、糖尿病性腎
症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性血管
障害並びにインスリン抵抗性およびそれから生じる、例
えば高血圧症や耐糖能異常、さらにその続発症、例え
ば、心臓病、脳虚血、間欠性跛行、壊疽等の治療および
予防に特に適している。化合物Aの投与量は、投与経
路、症状、患者の年令あるいは体重などによってもこと
なるが、例えば、動脈硬化治療剤、血糖低下剤あるいは
糖尿病合併症治療剤として、成人患者に経口的に投与す
る場合、化合物Aまたはその塩として1日当たり0.2
〜50mg/kg、好ましくは0.5〜30mg/kg
を1〜数回に分けて投与するのが望ましい。投与経路は
経口、非経口のいずれでもよい。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明は、次の実施例および参考
例によってさらに詳しく説明されるが、本発明はこれら
に限定されるものではない。次の参考例、実施例中の
「室温」は0ないし+30°Cを示し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにて精製する際の溶媒の比率は体
積比(vol./vol.)であり、その他の定義は、次の意味を
示す。 s : シングレット(singlet) d : ダブレット(doublet) t : トリプレット(triplet) quint : クインテット(quintet) m : マルチプレット(multiplet) br : ブロード(broad) Hz : ヘルツ(Hertz) CDCl3 : 重クロロホルム DMSO-d6 : 重ジメチルスルホキシド
【0026】参考例1 イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸エチ
ルの製造:
【化22】 イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−チオール100.5
5g(669.4ミリモル)、トリエチルアミン112
ml(803ミリモル)のエタノール500ml溶液
に、室温でブロモ酢酸エチル81.7ml(736ミリ
モル)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液の溶媒を
減圧留去した後、酢酸エチルを加え、生じた沈殿(トリ
エチルアミン・塩酸塩)を濾過し、酢酸エチルで洗浄し
た。集めた濾液の溶媒を減圧留去し、得られた残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(ヘキ
サン/酢酸エチル=1/1〜酢酸エチル)、標記化合物
を得た。 褐色液体 収量132.34g(収率84%)1 H-NMR(CDCl3, 200MHz)δ:1.169(3H,t,7.1Hz), 3.678
(2H,s), 4.122(2H,q,7.1Hz), 7.066(1H,dd,1.5Hz,6.9H
z), 7.160(1H,dd,7.0Hz,8.8Hz), 7.642(1H,ddd,0.7Hz,
1.5Hz,8.8Hz), 7.724(1H,d,1.0Hz), 7.919(1H,d,0.6H
z); IR (neat) 3390, 2983, 1734, 1487, 1294, 1180, 114
7, 1026, 783, 739 cm-1
【0027】実施例1 5−クロロ−3−ホルミルイミダゾ[1,2−a]ピリジ
ンの製造:
【化23】 5−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン(997m
g)とヘキサメチレンテトラミン(1.8g)の酢酸
(10ml)溶液を90℃で5時間撹拌した。放冷後、
反応液に酢酸エチル/テトラヒドロフラン(4/1;2
00ml)を加えて、飽和食塩水で洗浄した。得られた
有機層を2N−水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥して、濃縮した。析出した
結晶をジエチルエーテルで洗浄後、標記化合物(440
mg、収率37%)を得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3)δ:7.20(d, J=7.4Hz, 1H),
7.44(dd, J=7.4, 8.9Hz,1H), 7.76(d, J=8.9Hz, 1H),
8.50(s, 1H), 10.71(s, 1H).
【0028】実施例2 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸エチルの製造:
【化24】 イミダゾ[1,2−a]ピリジン−5−イルチオ酢酸エチ
ル(11.8g)の酢酸(120ml)溶液にヘキサメ
チレンテトラミン(14.0g)を加え、90℃で10
時間反応させた。放冷後、これに酢酸エチル(360m
l)を加え、水洗した。得られた有機層を氷冷下、30
%水酸化ナトリウム水溶液で中和して、さらに水洗し
た。得られた有機層を濃縮して、析出した結晶にn−ヘ
キサン(100ml)を加え、室温で1時間撹拌した。
得られた結晶をろ取して、乾燥後、標記化合物(9.6
g、収率78%)を得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3)δ:1.30(t, J=7.1Hz, 3H),
4.22(q, J=7.1Hz, 2H), 5.70(m, 1H), 6.55-6.64(m, 2
H), 6.80(s, 1H), 7.01(s, 1H).
【0029】実施例3 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸エチルの製造:
【化25】 5−クロロ−3−ホルミルイミダゾ[1,2−a]ピリジ
ン(448mg)、チオグリコール酸エチルエステル
(0.36ml)とナトリウムエチラート(210m
g)のエタノール(10ml)溶液を還流下、3時間撹
拌した。放冷後、これを濃縮した。残渣に酢酸エチル
(10ml)を加え、1N−塩酸水で抽出した。得られ
た水層を1N−水酸化ナトリウム水溶液で中和して、酢
酸エチルで抽出した。得られた有機層を水洗して、濃縮
した。析出した結晶をジイソプロピルエーテル(20m
l)で洗浄後、乾燥して、標記化合物(430mg、収
率65%)を得た。
【0030】参考例2 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸の製造:
【化26】 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸エチル(2.2g)のメタノール(6.6ml)懸
濁液に1N水酸化ナトリウム水溶液(13ml)を加
え、室温で2時間撹拌した。氷冷下1N塩酸水でpH5
に調整して、室温に戻して1時間撹拌した。析出した結
晶をろ取して、乾燥後、標記化合物(1.8g、収率9
4%)を得た。1 H-NMR(200MHz, DMSO-d6)δ:5.97(1H, dd, J=6.6,
1.2Hz), 6.57ー6.73(2H, m), 6.88(1H, s), 7.12(1H,
s).
【0031】参考例3 N−[1−(3−フェニルプロパン−1−イル)ピペリジ
ン−4−イル]−5−チア−1,8b−ジアザアセナフチ
レン−4−カルボキサミドの製造:
【化27】 (i)製造方法A 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸(1.2g)、4−アミノ−1−(3−フェニルプ
ロパン−1−イル)ピペリジン・2塩酸塩(1.5g)、
トリエチルアミン(1.5ml)、1−ヒドロキシ−1
H−ベンゾトリアゾール・1水和物(0.8g)と1−エ
チル−3−(3−ジエチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド・ハイドロクロライド(1.0g)のN,N−ジメチル
ホルムアミド(15ml)懸濁液を50℃で2時間撹拌
した。放冷後、水を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフ
ラン(4/1:90ml)で抽出した。得られた有機層
を1N水酸化ナトリウム水溶液(10ml)、水(30
ml)で洗浄して、濃縮した。析出した結晶をジイソプ
ロピルエーテル(20ml)で洗浄後、乾燥して標記化
合物(2.0g、収率95%)を得た。
【0032】(ii)製造方法B 5−チア−1,8b−ジアザアセナフチレン−4−カル
ボン酸(10g)とN,N−ジメチルホルムアミド(1.
8ml)のテトラヒドロフラン(100ml)懸濁液
に、氷冷下で塩化オキサリル(8ml)を滴下し、室温
に戻し、24時間撹拌した。反応液を濃縮して、これを
N,N−ジメチルホルムアミド(40ml)に溶解し
た。4−アミノ−1−(3−フェニルプロピル)ピペリジ
ン・2塩酸塩(13.4g)、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン(13.7ml)、トリエ
チルアミン(25.6ml)とN,N−ジメチルホルム
アミド(60ml)溶液に、先の溶液を氷冷下で10℃
を越えないようにして加え、さらに室温で1.5時間撹
拌した。これに水(400ml)を加え、酢酸エチル/
テトラヒドロフラン(4/1:200ml)で抽出し
た。得られた有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液(1
00ml)、水(300ml)で洗浄して濃縮した。析
出した結晶をジイソプロピルエーテル(20ml)で洗
浄後、乾燥して標記化合物(12.9g、収率67%)
を得た。1 H-NMR(300MHz, CDCl3)δ:1.45−1.53(2
H, m), 1.69−1.83(2H, m),
1.85−1.92(2H, m), 1.96−2.
08(2H, m), 2.33−2.38(2H,
m), 2.60−2.65(2H, m), 2.8
1−2.85(2H, m), 3.79−3.82
(1H, m), 5.53(1H, d, J=7.
8Hz), 5.78(1H, d, J=6.6H
z), 6.59−6.69(3H, m), 7.0
5(1H, s), 7.16−7.19(3H,
m), 7.25−7.30(2H, m).
【0033】
【発明の効果】本発明の製造法を用いることによって、
安全かつ簡便に3−ホルミルイミダゾピリジン誘導体を
製造することができ、特に、優れたLDL受容体増加作
用、血中脂質低下作用、血糖低下作用、糖尿病合併症改
善作用等を有し医薬品等として有用な5−チア−1,8
b−ジアザアセナフチレン誘導体又はその塩を製造する
ための中間体を高収率で製造することができる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中、Q環は置換されていてもよいピリジン環を、R
    1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい水
    酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基を
    それぞれ示す。〕で表される化合物又はその塩とヘキサ
    メチレンテトラミンとを反応させることを特徴とする一
    般式 【化2】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
    合物又はその塩の製造法。
  2. 【請求項2】R1が水素原子である請求項1記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】一般式 【化3】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
    1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
    水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
    を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
    はその塩とヘキサメチレンテトラミンとを反応させ、一
    般式 【化4】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
    合物又はその塩を製造する請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】Q'環が無置換で、R1が水素原子である請
    求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】Xがハロゲン原子である請求項3記載の製
    造法。
  6. 【請求項6】Q'環が無置換で、R1が水素原子で、Xが
    ハロゲン原子である請求項3記載の製造法。
  7. 【請求項7】一般式 【化5】 [式中、Q''環は置換されていてもよいピリジン環を、
    1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
    水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
    を、R2は保護されていてもよいカルボキシル基をそれ
    ぞれ示す。〕で表される化合物又はその塩とヘキサメチ
    レンテトラミンとを反応させることを特徴とする、一般
    式 【化6】 〔式中の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
    合物又はその塩の製造法。
  8. 【請求項8】Q''環が無置換で、R1が水素原子である
    請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】一般式 【化7】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
    1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
    水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
    を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
    はその塩。
  10. 【請求項10】Q'環が無置換で、R1が水素原子である
    請求項9記載の化合物又はその塩。
  11. 【請求項11】Xがハロゲン原子である請求項9記載の
    化合物又はその塩。
  12. 【請求項12】Q'環が無置換で、R1が水素原子で、X
    がハロゲン原子である請求項9記載の化合物又はその
    塩。
  13. 【請求項13】一般式 【化8】 〔式中、Q'環は置換されていてもよいピリジン環を、
    1は水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい
    水酸基、置換されていてもよい炭化水素基又はアシル基
    を、Xは脱離基をそれぞれ示す。〕で表される化合物又
    はその塩と一般式 HS−CH2−R2 (V) (式中、R2は保護されていてもよいカルボキシル基を
    それぞれ示す。)で表される化合物又はその塩とを反応
    させることを特徴とする、一般式 【化9】 〔式中、Q''環は置換されていてもよいピリジン環を、
    その他の各記号は前記と同意義を示す。〕で表される化
    合物又はその塩の製造法。
  14. 【請求項14】Q'環およびQ''環が無置換で、R1が水
    素原子である請求項13記載の製造法。
  15. 【請求項15】Xがハロゲン原子である請求項13記載
    の製造法。
  16. 【請求項16】Q'環およびQ''環が無置換で、R1が水
    素原子で、Xがハロゲン原子である請求項13記載の製
    造法。
JP34008097A 1996-12-11 1997-12-10 イミダゾピリジン誘導体およびその製造法 Withdrawn JPH10226687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34008097A JPH10226687A (ja) 1996-12-11 1997-12-10 イミダゾピリジン誘導体およびその製造法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-330802 1996-12-11
JP33080296 1996-12-11
JP34008097A JPH10226687A (ja) 1996-12-11 1997-12-10 イミダゾピリジン誘導体およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226687A true JPH10226687A (ja) 1998-08-25

Family

ID=26573637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34008097A Withdrawn JPH10226687A (ja) 1996-12-11 1997-12-10 イミダゾピリジン誘導体およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226687A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999020632A1 (fr) * 1997-10-23 1999-04-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Derives d'imidazopyridine condenses, leur procede de production et preparations les renfermant

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999020632A1 (fr) * 1997-10-23 1999-04-29 Takeda Chemical Industries, Ltd. Derives d'imidazopyridine condenses, leur procede de production et preparations les renfermant

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2008069242A1 (ja) 新規2環性複素環化合物
WO2022092310A1 (ja) 化合物、アルデヒドデヒドロゲナーゼ2活性化剤、医薬組成物、並びに治療及び/又は予防薬
Rewcastle et al. Potential antitumor agents. 63. Structure-activity relationships for side-chain analogs of the colon 38 active agent 9-oxo-9H-xanthene-4-acetic acid
JP2004269469A (ja) ピリミジン誘導体又はその塩
JPWO2007063839A1 (ja) シクロヘキサン誘導体
JP3111321B2 (ja) 縮合チアゾール化合物
JP2000198784A (ja) 光学活性ピペリジン誘導体の酸付加塩及びその製法
EP0351255A2 (fr) Dérivés de [(pipéridinyl-4)méthyl]-2 tétrahydro-1,2,3,4 isoquinoléine, leur préparation et leur application en thérapeutique
JP2019523256A (ja) ボルチオキサチン類似化合物、その用途及びその製造
JP4864009B2 (ja) ピリミジノン化合物とその調製法及び用途
JPH10226687A (ja) イミダゾピリジン誘導体およびその製造法
JP3776203B2 (ja) Icam−1産生阻害剤
EP0433064A1 (en) Naphthylsulfonylalkanoic acid compounds
WO2021219135A1 (zh) 一种肌醇衍生物及其用途
JP2709415B2 (ja) アズレン誘導体、トロンボキサンa▲下2▼及びプロスタグランジンエンドペルオキシド受容体拮抗剤並びにその製法
JP2022542613A (ja) ヒトatglの阻害剤
US7504519B2 (en) Derivatives of pyrazoline, procedure for obtaining them and use thereof as therapeutic agents
JP2003286266A (ja) イミダゾール化合物
CA2579230A1 (en) Fibrate compounds having ppar agonist activity
WO1998025926A1 (en) Imidazopyridine derivatives and their production
JP3213426B2 (ja) 6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタ〔d〕ピリミジン誘導体
JPH05201971A (ja) 環状アミン含有ベンゼンスルホンアミド誘導体
JPH05125038A (ja) フエノキシアルカン酸誘導体及びその製法
JPH09249666A (ja) 三環性化合物の製造法およびその中間体
JP2856020B2 (ja) トリアゾロピリダジン誘導体、その製造法、中間体および剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050301