JPH10226662A - オレフィン性化合物のヒドロホルミル化方法 - Google Patents

オレフィン性化合物のヒドロホルミル化方法

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JPH10226662A
JPH10226662A JP9049864A JP4986497A JPH10226662A JP H10226662 A JPH10226662 A JP H10226662A JP 9049864 A JP9049864 A JP 9049864A JP 4986497 A JP4986497 A JP 4986497A JP H10226662 A JPH10226662 A JP H10226662A
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JP9049864A
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Toshihiro Omatsu
俊宏 尾松
Takashi Onishi
孝志 大西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロジウム触媒を使用した末端が不飽和のオレ
フィン性化合物のヒドロホルミル化反応において、反応
の容積効率を損なうことなく、直鎖状アルデヒドへの選
択率を向上させることのできる方法を提供する。 【解決手段】 a)ロジウム化合物、 b)下記の式(1) P(X1)(X2)(X3−SO3M) (1) (上記式中、X1およびX2はそれぞれ炭素数が1〜18
の1価の炭化水素基を表し、X3は炭素数が1〜18の
2価の炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で
示される第3級有機リン化合物、 c)有機極性化合物、および d)炭素数が2以上のカルボン酸 の存在下に末端が不飽和のオレフィン性化合物のヒドロ
ホルミル化反応を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオレフィン性化合物
のヒドロホルミル化方法、より詳しくは、末端に炭素−
炭素二重結合を有するオレフィン性化合物のヒドロホル
ミル化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性化合物を、ロジウム化合物
を触媒として水素および一酸化炭素と反応させてアルデ
ヒドを製造する方法は、ヒドロホルミル化反応あるいは
オキソ反応とよばれており、工業的に有用な合成法であ
る。ロジウム化合物を触媒として使用するヒドロホルミ
ル化反応においては、第3級ホスフィンなどの有機リン
化合物が助触媒として一般に使用されている。近年で
は、有機リン化合物として水溶性の第3級ホスフィンを
使用することによって触媒を水溶性とし、水抽出によっ
て反応生成物と触媒を分離する技術が開発されている
(例えば、米国特許第5180854号明細書、特開平
7−267890号公報などを参照)。かかる技術は、
熱的負荷を受けることなく触媒を回収、再使用すること
ができるというメリットを有しており、工業的に実施す
る上で有利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、水溶性
の第3級ホスフィンを使用するヒドロホルミル化方法を
適用して、7−オクテン−1−アールなどの末端に炭素
−炭素二重結合を有するオレフィン性化合物のヒドロホ
ルミル化反応を実施したところ直鎖状のアルデヒドとメ
チル分岐を有するアルデヒドの混合物を得た。末端が不
飽和のオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反応にお
いては、触媒として使用するロジウム化合物に対して第
3級ホスフィンを大過剰に存在させると直鎖状アルデヒ
ドへの選択率が高められるということが従来の研究から
明らかになっているので、本発明者らは、水溶性の第3
級ホスフィンの使用量を増加させることによって、上記
のヒドロホルミル化反応において直鎖状のアルデヒドへ
の選択率を高めることを試みた。その結果、水溶性第3
級ホスフィンの濃度が反応混合物に対して100ミリモ
ル/リットルを越えると、それ以上の水溶性第3級ホス
フィンを添加しても直鎖状アルデヒドへの選択率はほと
んど増加しなくなることを認めた。
【0004】このように、水溶性の第3級ホスフィンの
使用量を増加させることによる直鎖状アルデヒドへの選
択率の向上には限界がある。また、水溶性の第3級ホス
フィンを反応系に多量に溶解させるためには、N−メチ
ルピロリドンやポリエチレングリコールなどの有機極性
化合物を可溶化剤として多量に必要とし、反応の容積効
率が損なわれる。しかして、本発明は、水溶性の第3級
ホスフィンを使用して末端が不飽和のオレフィン性化合
物のヒドロホルミル化を行うに際し、反応の容積効率を
損なうことなく、直鎖状アルデヒドへの選択率を向上さ
せることのできる方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、水溶性の第3級ホスフ
ィンを使用した末端が不飽和のオレフィン性化合物のヒ
ドロホルミル化においては、反応系にある種のカルボン
酸を添加することにより、直鎖状アルデヒドへの選択率
が向上することを見出し、さらに検討した結果、本発明
を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、下記の式(1) CH2=CH−CH2−R (1) (上記式中、Rは水素原子、水酸基、置換基を有してい
てもよい脂肪族基、または置換基を有していてもよい芳
香族基を表す)で示されるオレフィン性化合物を水素お
よび一酸化炭素と反応させるに際し、 a)ロジウム化合物、 b)下記の式(2) P(X1)(X2)(X3−SO3M) (2) (上記式中、X1およびX2はそれぞれ炭素数が1〜18
の1価の炭化水素基を表し、X3は炭素数が1〜18の
2価の炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で
示される第3級有機リン化合物、 c)有機極性化合物、および d)炭素数が2以上のカルボン酸 の存在下に該反応を実施することを特徴とするオレフィ
ン性化合物のヒドロホルミル化方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のヒドロホルミル化方法に
おいて、ヒドロホルミル化の対象となるオレフィン性化
合物を表す上記の式(1)において、Rが表す脂肪族基
としては、例えば、メチル基、エチル基、オクチル基等
のアルキル基;ビニル基、アリル基、プロペニル基等の
アルケニル基などが挙げられる。これらは、ヒドロホル
ミル化反応に悪影響を及ぼさない限り、分子鎖中に酸素
原子などの異種原子を含有していてもよい。また、Rが
表す脂肪族基は、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等のシクロアルキル基;テトラヒドロフラニル基、テト
ラヒドロピラニル基等の環状エーテルから誘導される
基;デカリン、ステロイド等の複数の環からなる化合物
から誘導される基など、異種原子を包含していてもよい
環状のものであってもよい。
【0008】また、Rが表す芳香族基としては、例え
ば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等
のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキ
ル基などが挙げられる。Rが表す芳香族基は、例えば、
フラニル基など、異種原子を包含したものであってもよ
い。
【0009】上記の脂肪族基および芳香族基は、ヒドロ
ホルミル化反応を阻害しない限り、置換基を有していて
もよい。このような置換基としては、例えば、ホルミル
基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ
基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、t
−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
シアノ基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子などが
挙げられる。
【0010】ここで、式(1)で示されるオレフィン性
化合物の具体例を示せば、プロピレン、1−ブテン、4
−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテ
ン、1,7−オクタジエン、アリルシクロヘキサン、ア
リルベンゼン、アリルアルコール、7−オクテン−1−
オール、2,7−オクタジエン−1−オール、7−オク
テン−1−アール、7−オクテン−1−アールジメチル
アセタールなどが挙げられる。
【0011】また、本発明において用いるロジウム化合
物としては、ヒドロホルミル化触媒能を有するかまたは
ヒドロホルミル化反応条件下にヒドロホルミル化触媒能
を有するように変化する任意のロジウム化合物を使用す
ることができ、例えば、Rh4(CO)12、Rh6(C
O)16、Rh(acac)(CO)2、酸化ロジウム、
塩化ロジウム、ロジウムアセチルアセトナート、酢酸ロ
ジウムなどが挙げられる。ロジウム化合物は、通常ヒド
ロホルミル化反応液1リットル当たり、ロジウム原子換
算で0.05〜10ミリグラム原子となるような濃度範
囲で使用される。
【0012】次に、本発明で使用する式(2)で示され
る第3級有機リン化合物について説明する。第3級有機
リン化合物を表す上記の式(2)においてX1およびX2
が表す炭素数が1〜18の1価の炭化水素基としては、
例えば、n−ブチル基、オクチル基等のアルキル基;フ
ェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;シク
ロヘキシル基等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェ
ネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。また、X
3が表す炭素数が1〜18の2価の炭化水素基として
は、例えば、1,3−フェニレン基、テトラメチレン基
などが挙げられる。そして、Mが表すアルカリ金属は、
リチウム、ナトリウム、カリウムである。
【0013】ここで、式(2)で示される第3級有機リ
ン化合物の具体例を示せば、例えば、3−ジフェニルホ
スフィノ−1−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3−ジ
フェニルホスフィノ−1−ベンゼンスルホン酸リチウ
ム、3−ブチルフェニルホスフィノ−1−ベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、3−ブチルシクロヘキシルホスフィ
ノ−1−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3−ビス(1
−メチルエチル)ホスフィノ−1−ベンゼンスルホン酸
ナトリウム、3−ジシクロヘキシルホスフィノ−1−ベ
ンゼンスルホン酸リチウム、3−ジシクロヘキシルホス
フィノ−1−ベンゼンスルホン酸ナトリウム、3−ジシ
クロヘキシルホスフィノ−1−ベンゼンスルホン酸カリ
ウム、3−ヘキサデシルフェニルホスフィノ−1−ベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、3−ジシクロヘキシルホス
フィノ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−ジフ
ェニルホスフィノ−1−プロパンスルホン酸ナトリウ
ム、4−ジフェニルホスフィノ−1−ブタンスルホン酸
ナトリウム、4−(1,1−ジメチルエチル)(フェニ
ル)ホスフィノ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、3
−ジエチルホスフィノ−1−プロパンスルホン酸ナトリ
ウム、3−ジヘキシルホスフィノ−1−プロパンスルホ
ン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらの中でも、
3−ジフェニルホスフィノ−1−ベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、3−ジフェニルホスフィノ−1−ベンゼンス
ルホン酸リチウムが好ましい。
【0014】式(2)で表される第3級有機リン化合物
は、いずれも水溶性のホスフィン配位子である。式
(2)で表される第3級有機リン化合物は単独で使用し
てもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0015】式(2)で表される第3級有機リン化合物
の使用量は、通常、ヒドロホルミル化反応液1リットル
当たり5ミリモル以上、好ましくは20ミリモル以上、
より好ましくは50ミリモル以上の濃度範囲となる量で
あり、同時にロジウム1グラム原子に対して20モル以
上となるような量とすることが望ましい。なお、式
(2)で表される第3級有機リン化合物の使用量の上限
については特に制限はないが、反応の容積効率等の観点
から、ヒドロホルミル化反応液1リットル当たり、通常
200ミリモル以下である。
【0016】本発明で使用する有機極性化合物とは、式
(1)で示されるオレフィン性化合物のヒドロホルミル
化反応に対して不活性であるとともに、式(1)で示さ
れるオレフィン性化合物およびそのヒドロホルミル化生
成物に対しても不活性であって、式(1)で示されるオ
レフィン性化合物および該反応生成物と均一に混合し、
かつ該有機極性化合物を含有する反応混合物と水を混合
した時に水層と有機層の2層に分離し、しかも反応混合
物中の該有機極性化合物の少なくとも一部が水層に抽出
される性質を有している化合物のことをいう。有機極性
化合物は、式(2)で表される第3級有機リン化合物と
均一に混合する性質を有していることが好ましい。
【0017】かかる有機極性化合物としては、例えば、
ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン
等のスルホン類;エチレンカーボネート等のカーボネー
ト類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルム
アミド等のアミド類;アセトニトリル等のニトリル類;
エチレングリコール、ブタンジオール等のジオール類;
ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(数平
均分子量400)等のポリアルキレングリコール類;ポ
リエチレングリコールモノメチルエーテル(数平均分子
量400)等のポリアルキレングリコールモノメチルエ
ーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、
テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールジメチルエーテル(数平均分子量40
0)等のポリアルキレングリコールジメチルエーテル類
などが挙げられるが、これらの中でも、N−メチルピロ
リドンが好ましい。有機極性化合物は、単独で使用して
もよいし、2種以上を併用してもよい。
【0018】有機極性化合物は、ヒドロホルミル化反応
液中、通常2容積%以上50容積%以下の濃度範囲とな
る量で用いられるが、5容積%以上20容積%以下の濃
度範囲となる量で用いることが好ましい。
【0019】本発明では、ロジウム化合物、式(2)で
示される第3級有機リン化合物、有機極性化合物に加え
て、炭素数が2以上のカルボン酸を使用する。かかるカ
ルボン酸として25℃におけるpKa値が4〜5.3の
範囲内のものを使用すると、直鎖状アルデヒドへの選択
率をより向上させることができるので好ましい。本発明
において使用可能なカルボン酸の具体例としては、酢
酸、プロピオン酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプリル酸、
カプロン酸、カプリン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼ
ライン酸、安息香酸などが挙げられる。これらのカルボ
ン酸は単独で使用してもよいし、2種以上を併用しても
よい。
【0020】カルボン酸の使用量は、特に制限されない
が、ヒドロホルミル化反応液1リットル当り1ミリグラ
ム当量以上0.1グラム当量以下となる濃度範囲で使用
することが望ましい。
【0021】ヒドロホルミル化反応は、通常40〜15
0℃、好ましくは70〜130℃の温度で実施される。
また、反応に用いられる水素/一酸化炭素混合ガスにお
いて水素と一酸化炭素のモル比は、入りガス組成とし
て、通常、水素/一酸化炭素=1/5〜5/1の範囲に
設定される。反応圧力は、一般に常圧〜30気圧、好ま
しくは1〜15気圧の範囲内から選ばれる。
【0022】ヒドロホルミル化反応は、攪拌型反応槽ま
たは気泡塔型反応槽などの公知の反応装置中で、連続方
式またはバッチ方式で行うことができる。
【0023】上記のヒドロホルミル化反応によって得ら
れる反応混合液に対し、公知の方法、例えば水による抽
出操作、を施すことにより、原料と反応生成物が非水溶
性の場合には、ロジウム化合物と式(2)で示される第
3級有機リン化合物からなる触媒成分、有機極性化合物
およびカルボン酸を、未反応原料および反応生成物から
分離することができる。この際、未反応原料として残存
した式(1)で示されるオレフィン性化合物およびその
ヒドロホルミル化生成物は有機層(抽残層)に分離さ
れ、また触媒成分と有機極性化合物ならびにカルボン酸
は水層(抽出層)に分離される。
【0024】上記で得られた有機層を蒸留などの公知の
手段を用いて精製することにより、目的とするヒドロホ
ルミル化生成物を取得することができる。
【0025】また、上記で得られた水層は、水を留去し
て濃縮液とした後、必要に応じてロジウム化合物、式
(2)で示される第3級有機リン化合物、有機極性化合
物やカルボン酸を添加して、式(1)で示されるオレフ
ィン性化合物のヒドロホルミル化反応に再使用すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例によって何等制限されるも
のではない。
【0027】実施例1 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積500
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム51.6mg(0.2ミリモ
ル)、3−ジフェニルホスフィノ−1−ベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム・2水和物(以下、これをTPPS−N
aと略記する)4.0g(10ミリモル)、N−メチル
ピロリドン100ml、酢酸120mg(2ミリモル)
および1−オクテン100ml(0.63モル)を空気
が混入しないようにして仕込み、オートクレーブ内を水
素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスで10気
圧(ゲージ圧)に保った。攪拌しながら内温を70℃に
上げ、この状態で1.5時間反応させた。室温まで冷却
した後、反応混合物を取り出し、ガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ、1−オクテンの転化率は74%、
ヒドロホルミル化選択率は99%であることが分かっ
た。また、生成したアルデヒドのうち直鎖状アルデヒド
であるノナナールは80%であり、分岐状のアルデヒド
である2−メチルオクタナールは20%であった。分岐
状のアルデヒドに対する直鎖状アルデヒドの比率(以
下、これをn/i比と略記する)は4である。
【0028】比較例1 実施例1において、酢酸を使用することなく1−オクテ
ンのヒドロホルミル化反応を実施した。反応混合物をガ
スクロマトグラフィーで分析したところ、1−オクテン
の転化率は66%、ヒドロホルミル化選択率は99%で
あることが分かった。生成したアルデヒドのうち直鎖状
アルデヒドであるノナナールは67%であり、分岐状の
アルデヒドである2−メチルオクタナールは33%であ
った。n/i比は2である。
【0029】実施例2 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積500
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム25.8mg(0.1ミリモ
ル)、3−ジフェニルホスフィノ−1−ベンゼンスルホ
ン酸リチウム7.0g(20ミリモル)、N−メチルピ
ロリドン40ml、酢酸120mgおよび7−オクテン
−1−アール(以下、これを7−OELと略記する)1
60ml(1.06モル)を空気が混入しないようにし
て仕込み、オートクレーブ内を水素/一酸化炭素=1/
1(モル比)の混合ガスで10気圧(ゲージ圧)に保っ
た。攪拌しながら内温を80℃に上げ、この状態で1.
5時間反応させた。室温まで冷却した後、反応混合物を
取り出し、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、
7−OELの転化率は34%、ヒドロホルミル化選択率
は99%であることが分かった。生成したアルデヒドに
おいて、分岐状のアルデヒドである2−メチル−1,8
−オクタンジアールに対する直鎖状アルデヒドである
1,9−ノナンジアールの比率、すなわちn/i比は
3.8であった。
【0030】比較例2 実施例2において、酢酸を使用することなく7−OEL
のヒドロホルミル化反応を実施した。反応混合物をガス
クロマトグラフィーで分析したところ、7−OELの転
化率は30%、ヒドロホルミル化選択率は99%である
ことが分かった。また、n/i比は3.3であった。
【0031】実施例3〜5 ガス導入口およびサンプリング口を備えた内容積500
mlの電磁攪拌式オートクレーブにジカルボニルアセチ
ルアセトナートロジウム25.8mg、TPPS−Na
の8.0g、N−メチルピロリドン20ml、下記の表
1に示すカルボン酸および7−OELの180mlを空
気が混入しないようにして仕込み、オートクレーブ内を
水素/一酸化炭素=1/1(モル比)の混合ガスで10
気圧(ゲージ圧)に保った。攪拌しながら内温を80℃
に上げ、この状態で1.5時間反応させた。室温まで冷
却した後、反応混合物を取り出し、ガスクロマトグラフ
ィーで分析した。結果を表1に併せて示す。
【0032】比較例3 実施例3において、カルボン酸を使用することなく7−
OELのヒドロホルミル化反応を実施し、得られた反応
混合物をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を表
1に併せて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、カルボン酸を添
加することにより、直鎖状アルデヒドへの選択率が向上
することがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、末端が不飽和のオレフ
ィン性化合物のヒドロホルミル化反応において、反応の
容積効率を損なうことなく、直鎖状アルデヒドへの選択
率を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 47/228 C07C 47/228 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1) CH2=CH−CH2−R (1) (上記式中、Rは水素原子、水酸基、置換基を有してい
    てもよい脂肪族基、または置換基を有していてもよい芳
    香族基を表す)で示されるオレフィン性化合物を水素お
    よび一酸化炭素と反応させるに際し、 a)ロジウム化合物、 b)下記の式(2) P(X1)(X2)(X3−SO3M) (2) (上記式中、X1およびX2はそれぞれ炭素数が1〜18
    の1価の炭化水素基を表し、X3は炭素数が1〜18の
    2価の炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で
    示される第3級有機リン化合物、 c)有機極性化合物、および d)炭素数が2以上のカルボン酸 の存在下に該反応を実施することを特徴とするオレフィ
    ン性化合物のヒドロホルミル化方法。
  2. 【請求項2】 有機極性化合物が、ジメチルスルホキシ
    ド、スルホラン、エチレンカーボネート、N−メチルピ
    ロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニト
    リル、エチレングリコール、ブタンジオール、ポリアル
    キレングリコール類、ポリアルキレングリコールモノメ
    チルエーテル類、ポリアルキレングリコールジメチルエ
    ーテル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
    物であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン
    性化合物のヒドロホルミル化方法。
  3. 【請求項3】 有機極性化合物がN−メチルピロリドン
    であり、式(2)で示される第3級有機リン化合物が3
    −ジフェニルホスフィノ−1−ベンゼンスルホン酸ナト
    リウムおよび/または3−ジフェニルホスフィノ−1−
    ベンゼンスルホン酸リチウムであることを特徴とする請
    求項1に記載のオレフィン性化合物のヒドロホルミル化
    方法。
  4. 【請求項4】 下記の式(1) CH2=CH−CH2−R (1) (上記式中、Rは水素原子、水酸基、置換基を有してい
    てもよい脂肪族基、または置換基を有していてもよい芳
    香族基を表す)で示されるオレフィン性化合物を、 a)ロジウム化合物、 b)下記の式(2) P(X1)(X2)(X3−SO3M) (2) (上記式中、X1およびX2はそれぞれ炭素数が1〜18
    の1価の炭化水素基を表し、X3は炭素数が1〜18の
    2価の炭化水素基を表し、Mはアルカリ金属を表す)で
    示される第3級有機リン化合物、 c)有機極性化合物、および d)炭素数が2以上のカルボン酸 の存在下に、水素および一酸化炭素と反応させることを
    特徴とするアルデヒド類の製造方法。
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JP2005536560A (ja) * 2002-08-31 2005-12-02 オクセノ オレフィンヒェミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 環状炭酸エステルの存在下でのオレフィン性不飽和化合物、特にオレフィンのヒドロホルミル化法

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JP2005536560A (ja) * 2002-08-31 2005-12-02 オクセノ オレフィンヒェミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 環状炭酸エステルの存在下でのオレフィン性不飽和化合物、特にオレフィンのヒドロホルミル化法
US7317130B2 (en) 2002-08-31 2008-01-08 Oxeno Olefinchemie Gmbh Method for the hydroformylation of olefinically unsaturated compounds, especially olefins, in the presence of cyclic carbonic acid esters

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