JPH10226650A - グリチルリチン経口投与製剤 - Google Patents

グリチルリチン経口投与製剤

Info

Publication number
JPH10226650A
JPH10226650A JP4982497A JP4982497A JPH10226650A JP H10226650 A JPH10226650 A JP H10226650A JP 4982497 A JP4982497 A JP 4982497A JP 4982497 A JP4982497 A JP 4982497A JP H10226650 A JPH10226650 A JP H10226650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycyrrhizin
salt
preparation
oral preparation
oral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4982497A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanobu Yamamoto
政信 山本
Junji Kin
淳二 金
Hiroshi Terajima
宏 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ono Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Ono Pharmaceutical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ono Pharmaceutical Co Ltd filed Critical Ono Pharmaceutical Co Ltd
Priority to JP4982497A priority Critical patent/JPH10226650A/ja
Publication of JPH10226650A publication Critical patent/JPH10226650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸収性に優れたグリチルリチン経口投与製剤
を提供する。 【構成】 グリチルリチンまたはその塩と吸収促進剤と
して中鎖脂肪酸およびその塩類の少なくとも1つとを含
有させ、必要に応じてpH調節剤を加え、可溶化剤によ
り可溶化し、さらに、これを腸溶性被膜で被覆し、経口
製剤化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グリチルリチンお
よびその塩の血中への移行性を高めた経口製剤に関す
る。
【0002】
【従来技術およびその課題】グリチルリチンおよびその
誘導体、またはそれらの塩は、単独で、またはアミノ酸
等と配合され、各種の薬理作用、例えば抗コルチゾン作
用、脱コレステロール作用、抗アレルギー作用、抗炎症
作用、解毒作用、胃潰瘍修復作用等を有することが知ら
れている。また最近では、慢性肝疾患に対するグリチル
リチンまたはその塩(以下、グリチルリチン類と略すこ
とがある。)の静脈注射による大量投与の有用性が報告
されたことにより、グリチルリチン製剤は肝疾患治療用
製剤、特に注射剤として用いられることが多い。しか
し、一般に、肝疾患は比較的長期にわたって薬剤を連投
することが必要とされていることから、グリチルリチン
製剤の静脈注射による投与方法は、投与時に患者に疼痛
を与えるばかりでなく、投与が連日かつ長期にわたるた
め、注射部位の組織に肥厚を生じさせるという問題もあ
った。
【0003】そこで、グリチルリチンを経口製剤とする
ことがこれらの問題点を解決する最もよい方法となる
が、現在市販されている全身作用期待のグルチルリチン
経口製剤は消化管内での酵素等による分解や肝臓での初
回通過効果による代謝のため、血中への移行性に問題が
あることが報告されている。また、消化管内での酵素等
によって産生される分解物は、偽アルドステロン症等の
副作用を引き起こす可能性がある等、現在市販されてい
るグルチルリチン経口製剤はかなりの問題点を含んでい
る。
【0004】そのため、グリチルリチンを消化管内での
分解なしに静脈投与以外の方法で、血中へ移行させる製
剤化の検討が数多く行われている。例えば、グリチルリ
チン経口製剤に代わる剤形として、坐剤に関しては以下
のものが報告されている。 (1)グルチルリチンを直腸投与すると直腸から吸収さ
れ血中へ移行することから、坐剤の可能性が報告されて
いる(特開平3-2122号参照)。 (2)グリチルリチンを親油性の基剤(例えば、ウイテ
プゾール、ミグリオール等)に分散して直腸投与する方
法により、グリチルリチンの血中への移行が促進される
ことが報告されている(特開平3-123731号参照)。 (3)グリチルリチンと、吸収促進剤として非イオン系
界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエー
テル等)および中鎖脂肪酸塩(カプリン酸またはカプロ
ン酸等の中鎖の脂肪酸のアルカリ金属塩)の少なくとも
1つとを配合することにより、優れた吸収性を示す坐剤
が得られることが報告されている(特開平4-261117号参
照)。
【0005】(4)グリチルリチンと吸収促進剤として
非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル等)、更に必要に応じて水溶性カルボン
酸(カプリン酸、マロン酸等)およびその塩とを配合す
ることにより、優れた吸収性を示す坐剤が得られること
が報告されている(特開平5-97680号参照)。 (5)グリチルリチンに吸収促進剤(例えば、カプリン
酸ナトリウム等)とpH調整剤(例えば、水酸化ナトリ
ウム)を、あるいはウルソデソキシコール酸を配合する
ことにより、優れた吸収性を示す坐剤が得られることが
報告されている(特開平7-82155号参照)。
【0006】しかし、坐剤の長期投与も注射剤ほどでは
ないにしても、不満を訴える患者が多く、やはり長期投
与においては経口製剤が望まれている。そこで、グリチ
ルリチンを経口製剤とすることに関しては以下のような
製剤化の検討が報告されている。 (6)グリチルリチンと脂肪酸グリセリド(例えば、ス
テアリン酸またはカプリル酸等の中鎖の脂肪酸のモノ、
ジまたはトリグルセリド)とを配合し、腸溶性被膜で被
覆して製剤化し、優れた吸収性を示す経口製剤が得られ
ることが報告されている(特開平3-255037号参照)。
【0007】(7)グリチルリチンを脂肪乳剤または複
合脂質混合体とし、吸収促進剤(非イオン系界面活性
剤、中鎖脂肪酸(例えば、カプリン酸)、その塩類およ
びそのグリセリド)等を配合し、乾燥粉末とする。更に
成形し、腸溶性被膜で被覆して製剤化し、小腸上部にお
いて優れた吸収性を示す経口製剤が得られることが報告
されている(特開平6-192107号参照)。しかし、これら
の製剤は、効果が確定している注射剤の血中濃度に比
べ、まだまだ体内への十分な吸収を示してはいない。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
グリチルリチン類の経口投与における体内への吸収性を
改善する製剤方法について鋭意検討した結果、グリチル
リチンまたはその塩と、吸収促進剤として中鎖脂肪酸お
よびその塩類の少なくとも1つとを含有させ、必要に応
じてpH調節剤を加え、可溶化剤により可溶化し、さら
に、これを腸溶性被膜で被覆し、経口製剤化すること、
すなわち、主薬および吸収促進剤の製剤からの放出を、
可溶化した状態で消化管下部(特に大腸)において行う
ことにより、従来の経口製剤より極めて優れた吸収性を
示すことを見い出した。
【0009】一般に吸収促進剤としての中鎖脂肪酸およ
びその塩類の吸収促進効果は、消化管の中で大腸が最も
大きいことが報告されており(医薬品の開発「薬物送達
法」,13,50-73(1988)参照)、大腸に薬物を送達する方
法が開発されてきた(特開平3-7718号参照)。しかし、
大腸は水分を吸収する部位であるため、消化管上部のよ
うに十分に水分が供給されず、正常な大腸内では水分が
非常に少ない。そのために固体の薬物や吸収促進剤を単
純に大腸に送達するだけでは、十分な吸収の改善は認め
られなかった。そこで、本発明の可溶化剤は固体の薬物
や吸収促進剤を可溶化することにより、この問題点を解
決したものである。
【0010】グリチルリチン類と吸収促進剤として中鎖
脂肪酸およびその塩類とを可溶化することは、従来技術
(7)では脂肪乳剤または複合脂質混合体としているこ
とから見ても分かるとおりに非常に困難であったと考え
られる。しかし、本発明者らは本発明の可溶化剤を用い
ることによって可溶化することに成功した。すなわち、
グリチルリチンおよびその塩と吸収促進剤としての中鎖
脂肪酸およびその塩類を本発明の可溶化剤で可溶化し、
経口製剤化することは、本発明者らによって初めて成し
遂げられたものである。
【0011】
【発明の構成】本発明は、(1)グリチルリチンおよび
その塩から選択される少なくとも1種の主薬と吸収促進
剤とを可溶化剤により可溶化し、腸溶性被膜で被覆する
ことを特徴とするグリチルリチン経口投与製剤、(2)
吸収促進剤として中鎖脂肪酸およびその塩類の少なくと
も1つを含有させることを特徴とする前記(1)記載の
経口投与製剤、および(3)吸収促進剤がカプリン酸お
よび/またはそのナトリウム塩である前記(2)記載の
経口投与製剤に関する。
【0012】本発明製剤における主薬のグリチルリチン
の塩としては、医薬として許容されるものであればよ
く、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の塩、ア
ルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、
アンモニウム塩、薬学的に許容される有機アミン(テト
ラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジル
アミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン、リジン、アルギニン、N−メチル
−D−グルカミン等)の塩等が挙げられる。特にグリチ
ルリチン・2ナトリウム塩、グリチルリチン・2カリウ
ム塩またはグリチルリチン・モノアンモニウム塩が好ま
しい。これらは単独で、または2種類を併用して用いる
ことができる。
【0013】本発明製剤における吸収促進剤の中鎖脂肪
酸およびその塩類としては、例えばカプリン酸、カプリ
ル酸やカプロン酸等およびそれらのアルカリ金属(カリ
ウム、ナトリウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシ
ウム、マグネシウム等)の塩等が挙げられる。これらの
中でも、特にカプリン酸またはカプリン酸ナトリウム塩
が好ましい。
【0014】本発明製剤における可溶化剤としては、ポ
リエチレングリコール[例えば、ポリエチレングリコー
ル400(登録商標、以下、PEG400)]、プロピレング
リコール、非イオン性界面活性剤[例えば、水素添加硬
化ひまし油(HCO−60)]、蒸留水等が挙げられ、
これらは単独または組み合わせて使用することができ
る。可溶化剤としては、特にPEG400とプロピレングリコ
ールと蒸留水の組み合わせまたはPEG400と蒸留水の組み
合わせが好ましい。
【0015】主薬のグリチルリチン類と吸収促進剤との
配合比は、吸収促進剤の種類によって異なるが、モル比
として20:1〜1:20であり、より好ましくは、
8:1〜1:8である。
【0016】可溶化剤として特に好ましいPEG400とプロ
ピレングリコールと蒸留水とを組み合わせる場合、それ
らの配合比は、重量比として6:1:1〜1:1:1で
あり、より好ましくは、4:1:1〜3:1:1であ
る。また、PEG400と蒸留水とを組み合わせる場合の配合
比は、重量比として6:1〜1:1であり、より好まし
くは、4:1〜3:1である。
【0017】主薬のグリチルリチン類と吸収促進剤とし
てのカプリン酸およびその塩と可溶化剤としてのPEG400
とプロピレングリコールと蒸留水とpH調節剤としての
水酸化ナトリウムの配合比は、主薬のグリチルリチンお
よびその塩が5〜30重量%、吸収促進剤としてのカプ
リン酸およびその塩が5〜30重量%、PEG400が20〜
50重量%、プロピレングリコールが0〜10重量%、
蒸留水が0〜10重量%、水酸化ナトリウムが0〜3重
量%の組成が好ましい(ただし、すべての組合せの合計
は100重量%である。)。
【0018】本発明製剤におけるpH調節剤としては、
アルカリ金属(カリウム、ナトリウム等)の水和物また
はアルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の
水和物が好ましい。特に、水酸化ナトリウムが好まし
い。
【0019】本発明製剤における腸溶性被膜の材料とし
ては、薬剤に通常用いられるものであればよく、例えば
カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテー
ト、メタアクリル酸系コポリマー、アゾポリマー等を使
用することができる。アゾポリマーとしては、一般に知
られているものを使用することができ、例えば、特開平
3-7718号に記載されたものが挙げられる。好ましくは、
特開平3-7718号で、次式A、B、CおよびD
【0020】
【化1】 で示される構造単位の組み合わせにより生ずるA−B、
A−CおよびA−D
【0021】
【化2】 の構造単位をセグメントとして有し、A−B、A−C、
A−Dのセグメントモル比x:y:zが0.01〜0.8:0〜
0.80:0〜0.99(ただし、x+y+z=1.0である)で、
平均分子量が1000〜100000である複数のセグメントから
なるアゾポリマー
【0022】[式中、R1が式(1)
【化3】 で示される基を表わし、A−B、A−CおよびA−Dの
各セグメント中の3つのR1は同じ基を表わし、aza
が式(2)
【0023】
【化4】 で示される基を表わし、Z−R2−Zがポリエチレング
リコールの残基を表わし、R3が1,2−プロピレンを
表わす。]、さらに特開平3-7718号の実施例12および
12(a)に記載のアゾポリマーが好ましい。
【0024】本発明の経口製剤の剤形としては、カプセ
ル剤が好ましく、ソフトカプセルがさらに好ましい。製
剤化に際しては、必要に応じて安定剤、界面活性剤、希
釈剤、添加剤、潤滑剤、溶解補助剤、防腐剤を含有させ
てもよい。本発明におけるグリチルリチン含量は、薬効
が発現できる量であればとくに制限はなく、症状、年令
等によって異なるが、好ましくは1回量が1〜500mg
で、1日1〜数回投与することができる。
【0025】
【効果】グリチルリチンまたはその塩と吸収促進剤とし
て中鎖脂肪酸およびその塩類の少なくとも1つとを含有
させ、可溶化剤により可溶化し、さらに、これを腸溶性
被膜で被覆し、経口製剤化することにより、経口投与に
よって消化管下部(特に大腸)に薬剤が送達することに
なり、グリチルリチンあるいはその塩を高濃度で体内に
吸収させることが可能となる。また、静脈投与に匹敵す
る十分な薬理効果が得られる大量投与が、経口投与で可
能となる。
【0026】
【実施例】以下、製造例および実験例によって本発明を
詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。以下の例中、部は重量部を意味する。
【0027】製造例1:溶液処方 下記の成分配合でポリエチレングリコール400とプロ
ピレングリコールを混合し、グリチルリチン・アンモニ
ウム塩を錬合しながら徐々に加えた。得られた溶液にカ
プリン酸・ナトリウム塩粉末を加えて、澄明になるまで
撹拌混合して溶液を調製した。
【0028】
【表1】 成 分 配合量 グリチルリチン・アンモニウム塩 30部 カプリン酸・ナトリウム塩 12部 プロピレングリコール 5部 ポリエチレングリコール400 53部 計 100部
【0029】製造例2:溶液処方 下記の成分配合量でポリエチレングリコール400とプ
ロピレングリコールを混合し、グリチルリチン・2カリ
ウム塩を錬合しながら徐々に加えた。得られた溶液にカ
プリン酸・ナトリウム塩粉末を加えて、澄明になるまで
撹拌混合して溶液を調製した。
【0030】
【表2】 成 分 配合量 グリチルリチン・2カリウム塩 30部 カプリン酸・ナトリウム塩 12部 プロピレングリコール 5部 ポリエチレングリコール400 53部 計 100部
【0031】製造例3:溶液処方 下記の成分配合量でポリエチレングリコール400とプ
ロピレングリコールを混合し、グリチルリチン・2ナト
リウム塩を錬合しながら徐々に加えた。得られた溶液に
溶融させたカプリン酸を加えて、撹拌混合して溶液を調
製した。
【0032】
【表3】 成 分 配合量 グリチルリチン・2ナトリウム塩 30部 カプリン酸 12部 プロピレングリコール 10部 ポリエチレングリコール400 48部 計 100部
【0033】製造例4:溶液処方 下記の成分配合量で水に水酸化ナトリウムを溶解した溶
液にポリエチレングリコール400を混合し、グリチル
リチン・アンモニウム塩を錬合しながら徐々に加えた。
得られた溶液に溶融させたカプリン酸を加えて、撹拌混
合して溶液を調製した。
【0034】
【表4】 成 分 配合量 グリチルリチン・アンモニウム塩 30部 カプリン酸 15部 水 8.8部 水酸化ナトリウム 1.2部 ポリエチレングリコール400 45部 計 100部
【0035】製造例5:溶液処方 下記の成分配合量で水に水酸化ナトリウムを溶解した溶
液にポリエチレングリコール400を混合し、グリチル
リチン・アンモニウム塩を錬合しながら徐々に加えた。
得られた溶液に溶融させたカプリン酸を加えて、撹拌混
合して溶液を調製した。
【0036】
【表5】 成 分 配合量 グリチルリチン・アンモニウム塩 20部 カプリン酸 25部 水 8.3部 水酸化ナトリウム 1.7部 ポリエチレングリコール400 45部 計 100部
【0037】製造例6:溶液処方 下記の成分配合量で水に水酸化ナトリウムを溶解した溶
液にポリエチレングリコール400を混合し、グリチル
リチン・アンモニウム塩を錬合しながら徐々に加えた。
得られた溶液に溶融させたカプリン酸を加えて、撹拌混
合して溶液を調製した。
【0038】
【表6】 成 分 配合量 グリチルリチン・アンモニウム塩 15部 カプリン酸 30部 水 7.7部 水酸化ナトリウム 2.3部 ポリエチレングリコール400 45部 計 100部
【0039】製造例7−1:溶液処方の経口製剤 製造例1で製造したものを常法に従い、1カプセルあた
りグリチルリチン・2ナトリウム塩を1カプセルあたり
約45mg含むソフトカプセルを製し、経口製剤とした。
【0040】製造例7−2〜7−6:溶液処方の経口製
製造例1で製造したものの代わりに製造例2〜6で製造
したものを用いて製造例7−1と同様の操作をすること
によって、経口製剤とした。
【0041】製造例8−1:溶液処方を腸溶性被膜でコ
ーティングした経口製剤 製造例7−1で製造したソフトカプセルをスプレーパン
コーティング機を用い常法に従い、カルボキシメチルエ
チルセルロースを10%コーティングし、経口製剤とし
た。
【0042】製造例8−2〜8−6:溶液処方を腸溶性
被膜でコーティングした経口製剤 製造例7−1で製造したものの代わりに製造例7−2〜
7−6で製造したものを用いて製造例8−1と同様の操
作をすることによって、経口製剤とした。
【0043】製造例9−1:溶液処方を腸溶性被膜でコ
ーティングした経口製剤 製造例7−1で製造したソフトカプセルをスプレーパン
コーティング機を用い常法に従い、カルボキシメチルエ
チルセルロースを15%コーティングし、経口製剤とし
た。
【0044】製造例9−2〜9−6:溶液処方を腸溶性
被膜でコーティングした経口製剤 製造例7−1で製造したものの代わりに製造例7−2〜
7−6で製造したものを用いて製造例8−1と同様の操
作をすることによって、経口製剤とした。
【0045】製造例10−1:溶液処方を腸溶性被膜で
コーティングした経口製剤 製造例8−1で製造した製剤をスプレーパンコーティン
グ機を用い常法に従い、アゾポリマー(特開平3-7718号
の実施例12)を5%コーティングし、経口製剤とし
た。
【0046】製造例10−2〜10−6:溶液処方を腸
溶性被膜でコーティングした経口製剤 製造例8−1で製造したものの代わりに製造例8−2〜
8−6で製造したものを用いて製造例10−1と同様の
操作をすることによって、経口製剤とした。
【0047】比較例1:粉末処方の経口製剤 核としてノンパレル(精製糖粒子、24−34メッシ
ュ)500gを用いて、下記粉末を造粒する遠心流動造
粒機で常法により、直径約1mmの顆粒を製し、経口製剤
とした。最終的に全製剤中グリチルリチン・2ナトリウ
ム塩は39.4%となり、カプリン酸・ナトリウム塩は約1
7%となった。
【0048】
【表7】 成 分 配合量 グリチルリチン・2ナトリウム塩 53部 カプリン酸・ナトリウム塩 25部 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L−HPC) 15部 微結晶性セルロース(アビセル) 7部 計 100部
【0049】比較例2:粉末処方を腸溶性被膜でコーテ
ィングした経口製剤 比較例1で製造した製剤をスプレーパンコーティング機
を用い常法に従い、カルボキシメチルエチルセルロース
で10%とアゾポリマー(特開平3-7718号の実施例1
2)で7%コーティングし、経口製剤とした。
【0050】実験例1 一晩絶食したビーグル犬に製造例7−1、8−1、9−
1、10−1、比較例1および比較例2の製剤ををグリ
チルリチン・2ナトリウム塩として50mg/kgで経口投
与し、また2mg/kgで静脈内投与し、経時的に前腕静脈
より採血し、常法により血漿を得た。この血漿中のグリ
チルリチンの濃度を高速液体クロマトグラフィーにより
測定し、得られた血漿中濃度から0時間から8時間まで
の曲線下面積(AUC,mg・min/ml)を求めた。静脈内投与
との比較で利用率を算出した。その結果を表1に示す。
また、製造例10−1(50mg/kg)および現在市販され
ているグリチルリチン経口製剤(100mg/kg)をビーグル
犬(3〜6匹)に経口投与し、経時的に血漿中における
グリチルリチンの濃度(平均値±偏差)推移を調べた結
果を図1に示す。
【0051】
【表8】 表 1 投与部位 投与量 AUC(mg・min/ml) 利用率 水溶液 静脈 2mg/kg 3408.0 100% 市販錠 経口 100mg/kg 310.2 0.2% 比較例1 経口 50mg/kg 653.4 0.8% 比較例2 経口 50mg/kg 1202.0 1.4% 製造例7−1 経口 50mg/kg 2010.0 2.4% 製造例8−1 経口 50mg/kg 3378.0 4.0% 製造例9−1 経口 50mg/kg 4656.2 5.5% 製造例10−1 経口 50mg/kg 5140.5 6.0%
【0052】考察:本発明の製剤は、上記の結果より市
販の経口製剤、粉末処方の経口製剤(比較例1)および
粉末処方を腸溶性被膜でコーティングした経口製剤(比
較例2)に比べ極めて優れた吸収性を示した。このこと
により、グリチルリチンおよびその塩の経口投与におけ
る体内への吸収性を改善することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビーグル犬に経口投与した製造例10−1お
よび市販の経口製剤の血漿中グリチルリチン濃度の経時
的変化を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリチルリチンおよびその塩から選択さ
    れる少なくとも1種の主薬と吸収促進剤とを可溶化剤に
    より可溶化し、腸溶性被膜で被覆することを特徴とする
    グリチルリチン経口投与製剤。
  2. 【請求項2】 吸収促進剤として中鎖脂肪酸およびその
    塩類の少なくとも1つを含有させることを特徴とする請
    求項1項記載の経口投与製剤。
  3. 【請求項3】 吸収促進剤がカプリン酸および/または
    そのナトリウム塩である請求項2項記載の経口投与製
    剤。
JP4982497A 1997-02-18 1997-02-18 グリチルリチン経口投与製剤 Pending JPH10226650A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4982497A JPH10226650A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 グリチルリチン経口投与製剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4982497A JPH10226650A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 グリチルリチン経口投与製剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10226650A true JPH10226650A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12841859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4982497A Pending JPH10226650A (ja) 1997-02-18 1997-02-18 グリチルリチン経口投与製剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10226650A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000016784A1 (fr) * 1998-09-21 2000-03-30 Amato Pharmaceutical Products, Ltd. Systeme d'administration orale de medicament permettant d'ameliorer la biodisponibilite de la glycyrrhetine activee
EP1059091A1 (en) * 1998-03-02 2000-12-13 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Transmucous sorbefacients
EP1208844A1 (en) * 2000-11-24 2002-05-29 Kyoritsu Seiyaku Corporation Therapeutic agent for mastitis of livestock and method for treating mastitis using the same agent
EP1236472A4 (en) * 1999-07-16 2002-09-04 Amato Pharm Prod Ltd GLYCYRRHIZINE PREPARATIONS FOR TRANSMUCOSAL ABSORPTION
WO2014118997A1 (ja) * 2013-01-30 2014-08-07 宏輝システムズ株式会社 新規多価アルコール基剤ソフトカプセル製剤

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1059091A1 (en) * 1998-03-02 2000-12-13 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Transmucous sorbefacients
EP1059091A4 (en) * 1998-03-02 2005-12-21 Hisamitsu Pharmaceutical Co AGENTS PROMOTING ABSORPTION THROUGH MUCOUS MEMBRANES
WO2000016784A1 (fr) * 1998-09-21 2000-03-30 Amato Pharmaceutical Products, Ltd. Systeme d'administration orale de medicament permettant d'ameliorer la biodisponibilite de la glycyrrhetine activee
EP1236472A4 (en) * 1999-07-16 2002-09-04 Amato Pharm Prod Ltd GLYCYRRHIZINE PREPARATIONS FOR TRANSMUCOSAL ABSORPTION
EP1236472A1 (en) * 1999-07-16 2002-09-04 Amato Pharmaceutical Products, Ltd. Glycyrrhizin preparations for transmucosal absorption
EP1208844A1 (en) * 2000-11-24 2002-05-29 Kyoritsu Seiyaku Corporation Therapeutic agent for mastitis of livestock and method for treating mastitis using the same agent
WO2014118997A1 (ja) * 2013-01-30 2014-08-07 宏輝システムズ株式会社 新規多価アルコール基剤ソフトカプセル製剤
WO2014119614A1 (ja) * 2013-01-30 2014-08-07 宏輝システムズ株式会社 ソフト錠経口投与製剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2509044B2 (ja) 胆汁酸塩を含有する胃液耐性のある経口投与用製剤
JP2509045B2 (ja) 胆汁酸を含有する経口投与用の胃液耐性のある製剤
JP2008534586A (ja) フェノフィブレートの改良された製剤
JP2005515966A5 (ja)
JPH04234817A (ja) オメプラゾールの直腸投与組成物
US20030036568A1 (en) Permeation enhancers
JP2006507300A (ja) モダフィニル化合物を含んでなる薬剤溶液およびさまざまな疾患を処置するための薬剤の製造のためのそれらの使用
JP2008505934A (ja) メンソール又はpeg/ポロキサマーを含むフェノフィブレートの改良された製剤
JP2002529407A (ja) L−dopaエチルエステル含有分散性組成物
EP1324755B1 (en) Pharmaceutical solutions of modafinil compounds
KR20040063913A (ko) 2-(4-이소부틸페닐)프로피온산의 약학 조성물
JP2021520400A (ja) エダラボン医薬組成物
EP1684732A2 (en) Ibuprofen-containing soft gelatin capsules
US6890547B1 (en) Glycyrrhizin preparations for transmucosal absorption
KR980700872A (ko) 경점막 투여용 제제(transmucosal preparation)
KR890000182B1 (ko) 액상 윤활제-함유 약제학적 조성물 및 약제학적 제형의 용해도 개선방법
JPH06192107A (ja) グリチルリチン経口剤
JPH10226650A (ja) グリチルリチン経口投与製剤
JPH0840880A (ja) 軟ゼラチンカプセル剤中のケトプロフエン溶液に基づく医薬製剤およびその調製法
JPH04230223A (ja) ソマトスタチン吸収改善医薬組成物、その製法および用途
JPH03255037A (ja) グリチルリチン製剤
AU2004320488A1 (en) Pharmaceutical composition containing a stable and clear solution of anti-inflammatory drug in soft gelatin capsule and process for producing the same
JPH09202728A (ja) 固形製剤
KR100981377B1 (ko) 디클로페낙나트륨 경구제제
JP2003277262A (ja) ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術