JP2003277262A - ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術 - Google Patents
ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術Info
- Publication number
- JP2003277262A JP2003277262A JP2002075138A JP2002075138A JP2003277262A JP 2003277262 A JP2003277262 A JP 2003277262A JP 2002075138 A JP2002075138 A JP 2002075138A JP 2002075138 A JP2002075138 A JP 2002075138A JP 2003277262 A JP2003277262 A JP 2003277262A
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- JP
- Japan
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- fatty acid
- lansoprazole
- ester
- lansoprasole
- macrogol
- Prior art date
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- Pending
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- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】ランソプラゾールの消化管内における溶解性・
吸収性を高め、治療に有効な血中薬物濃度を確実に得る
ための新規の経口製剤技術。 【構成】ランソプラゾールに「C6−18脂肪酸のグリ
セロールエステルとC6−18脂肪酸のマクロゴールエ
ステルとのエステル混合物」を配合することにより調製
した製剤が、上記の課題を解決した。
吸収性を高め、治療に有効な血中薬物濃度を確実に得る
ための新規の経口製剤技術。 【構成】ランソプラゾールに「C6−18脂肪酸のグリ
セロールエステルとC6−18脂肪酸のマクロゴールエ
ステルとのエステル混合物」を配合することにより調製
した製剤が、上記の課題を解決した。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 溶解性が悪いために経口投
与後の消化管からの吸収が患者間で著しい変動を示す薬
物の溶解性と吸収性を改善してバイオアベイラビリティ
を高めるための製剤技術。
与後の消化管からの吸収が患者間で著しい変動を示す薬
物の溶解性と吸収性を改善してバイオアベイラビリティ
を高めるための製剤技術。
【0002】
【従来の技術】 ランソプラゾールは経口投与後、胃の
中で不安定であるために腸溶性の顆粒剤として製剤化が
行われている。しかし、臨床においては、患者間での吸
収の著しい変動が認められている。そこで、安全性に富
みかつより強力にランソプラゾールのバイオアベイラビ
リティを改善する製剤技術が求められている。
中で不安定であるために腸溶性の顆粒剤として製剤化が
行われている。しかし、臨床においては、患者間での吸
収の著しい変動が認められている。そこで、安全性に富
みかつより強力にランソプラゾールのバイオアベイラビ
リティを改善する製剤技術が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 抗潰瘍薬ランソプラ
ゾールは、水にほとんど溶けず、アルカリ性とすること
により溶解性を改善することができる。しかし、アルカ
リ溶液として経口投与を可能とする製剤技術は存在しな
い。本発明者らは、上記のランソプラゾールの臨床的な
問題点を解決して、経口吸収を確実なものとする安全か
つより強力な溶解補助剤を見いだすことである。
ゾールは、水にほとんど溶けず、アルカリ性とすること
により溶解性を改善することができる。しかし、アルカ
リ溶液として経口投与を可能とする製剤技術は存在しな
い。本発明者らは、上記のランソプラゾールの臨床的な
問題点を解決して、経口吸収を確実なものとする安全か
つより強力な溶解補助剤を見いだすことである。
【0004】
【0005】本発明によれば、上記課題は、以下により
解決できる。すなわち、ランソプラゾールに対して、
「C6−18脂肪 酸のグリセロールエステルとC6−18脂肪酸のマクロ
ゴールエステルとのエステル混合物」とともに溶解させ
て消 化管に投与すると、ランソプラゾールの溶解を高め、ラ
ンソプラゾール経口投与後のバイオアベイラビリティを
著しく改善することができることを見いだし、本発明を
完成した。
解決できる。すなわち、ランソプラゾールに対して、
「C6−18脂肪 酸のグリセロールエステルとC6−18脂肪酸のマクロ
ゴールエステルとのエステル混合物」とともに溶解させ
て消 化管に投与すると、ランソプラゾールの溶解を高め、ラ
ンソプラゾール経口投与後のバイオアベイラビリティを
著しく改善することができることを見いだし、本発明を
完成した。
【0006】
【0007】C6−18脂肪酸のグリセロールエステル
はC6−18脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセロール
エステルの少なくとも1種を含むものであれば通常はそ
れらの混合物の形で使用する。C6−18脂肪酸は飽和
または不飽和の炭素数6〜18の脂肪酸であればよい
が、飽和脂肪酸、特に炭素数6−12の飽和脂肪酸、す
なわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウ
リル酸が好ましい。たとえばカプリロカプロイルマクロ
ゴールグリセライド(ヨーロッパ薬局方サプリメント20
00)あるいはラブラゾール(ガッテフォッセ社商品名)
も含まれる。
はC6−18脂肪酸のモノ、ジおよびトリグリセロール
エステルの少なくとも1種を含むものであれば通常はそ
れらの混合物の形で使用する。C6−18脂肪酸は飽和
または不飽和の炭素数6〜18の脂肪酸であればよい
が、飽和脂肪酸、特に炭素数6−12の飽和脂肪酸、す
なわちカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウ
リル酸が好ましい。たとえばカプリロカプロイルマクロ
ゴールグリセライド(ヨーロッパ薬局方サプリメント20
00)あるいはラブラゾール(ガッテフォッセ社商品名)
も含まれる。
【0008】C6−18脂肪酸のマクロゴールエステル
におけるマクロゴールとしては、通常分子量100〜8
00、好ましくは200〜600のポリエチレングリコ
ールがあげられ、そのエステルとしてはモノまたはジエ
ステル、またはモノ・ジ混合エステルのいずれであって
もよい。マクロゴールエステルを構成するC6−18脂
肪酸は前述のグリセロールエステルにおけるものと同様
である。グリセロールエステルとマクロゴールエステル
の混合物の重量混合比は、グリセロールエステル対マク
ロゴールエステルが通常1対0.1〜10,好ましくは
1対0.2〜5である。このグリセロールエステルとマ
クロゴールエステルの混合エステルは自己微小乳化型基
剤(Self-microemulsifying agent)として既知の製剤添
加物である。ヨーロッパ薬局方においては、カプリロカ
プロイルマクロゴールグリセリドcaprylocaproyl macro
golglyceridesとして記載され、ガッテフォッセ社(Gatt
efosse s.a.)よりラブラゾールLabrasol(商品名)とし
て市販されているものが便利に使用できる。
におけるマクロゴールとしては、通常分子量100〜8
00、好ましくは200〜600のポリエチレングリコ
ールがあげられ、そのエステルとしてはモノまたはジエ
ステル、またはモノ・ジ混合エステルのいずれであって
もよい。マクロゴールエステルを構成するC6−18脂
肪酸は前述のグリセロールエステルにおけるものと同様
である。グリセロールエステルとマクロゴールエステル
の混合物の重量混合比は、グリセロールエステル対マク
ロゴールエステルが通常1対0.1〜10,好ましくは
1対0.2〜5である。このグリセロールエステルとマ
クロゴールエステルの混合エステルは自己微小乳化型基
剤(Self-microemulsifying agent)として既知の製剤添
加物である。ヨーロッパ薬局方においては、カプリロカ
プロイルマクロゴールグリセリドcaprylocaproyl macro
golglyceridesとして記載され、ガッテフォッセ社(Gatt
efosse s.a.)よりラブラゾールLabrasol(商品名)とし
て市販されているものが便利に使用できる。
【0009】本発明の限定を意図しない以下の実施例に
よりさらに詳しく説明される。
よりさらに詳しく説明される。
【実施例】ランソプラゾール5mgを1mlのアセトンを加え
て溶解する。次にラブラゾール1mlを加え、混和する。
減圧下アセトンを蒸発させることにより、ランソプラゾ
ールのラブラゾール溶液を得る。
て溶解する。次にラブラゾール1mlを加え、混和する。
減圧下アセトンを蒸発させることにより、ランソプラゾ
ールのラブラゾール溶液を得る。
【0010】この調製液につき、下記の方法にて試験を
行った。
行った。
【0011】
【試験例】体重約350±25gのWistar系雄性ラット
にペントバルビタール麻酔下、開腹手術を施し、ブラン
ク血液を採取した後、実施例で調製したランソプラゾー
ルのラブラゾール溶液(5mg/ml)を5 mg/kgの投与量で十
二指腸内に注入する。対照としては、ランソプラゾール
5mgを0.5%CMCの1mlにて調製した縣濁液を同様に別の
ラットに投与する。投与後、30分, 1, 2, 3, 4, 5,
6時間後に頚静脈から採血を行い、血漿中のランソプ
ラゾール濃度を高速液体クロマトグラフィーHPLC法にて
測定した。
にペントバルビタール麻酔下、開腹手術を施し、ブラン
ク血液を採取した後、実施例で調製したランソプラゾー
ルのラブラゾール溶液(5mg/ml)を5 mg/kgの投与量で十
二指腸内に注入する。対照としては、ランソプラゾール
5mgを0.5%CMCの1mlにて調製した縣濁液を同様に別の
ラットに投与する。投与後、30分, 1, 2, 3, 4, 5,
6時間後に頚静脈から採血を行い、血漿中のランソプ
ラゾール濃度を高速液体クロマトグラフィーHPLC法にて
測定した。
【0012】実施例の製剤をラットに投与を行った後の
血漿中ランソプラゾール濃度(μg/ml)は次のようであ
った。 0.15±0.03(30分後)、0.21±0.05(1時間後)、0.
26±0.03(2時間後)、0.22±0.06(3時間後)、0.16
±0.05(4時間後)、0.11±0.04(5時間後)、0.05±0.
02(6時間後)、 対照製剤をラットに投与を行った後の血漿中ゲンタマイ
シン濃度(μg/ml)は2時間後に0.05±0.01を示した。
他の血漿サンプル(30分、1,3,4,5,6時間後)
は全て検出限界(0.02μg/ml)以下の値であった。
血漿中ランソプラゾール濃度(μg/ml)は次のようであ
った。 0.15±0.03(30分後)、0.21±0.05(1時間後)、0.
26±0.03(2時間後)、0.22±0.06(3時間後)、0.16
±0.05(4時間後)、0.11±0.04(5時間後)、0.05±0.
02(6時間後)、 対照製剤をラットに投与を行った後の血漿中ゲンタマイ
シン濃度(μg/ml)は2時間後に0.05±0.01を示した。
他の血漿サンプル(30分、1,3,4,5,6時間後)
は全て検出限界(0.02μg/ml)以下の値であった。
【0013】
【発明の効果】ランソプラゾールに対して「C6−18
脂肪酸のグリセロールエステルとC6−18脂肪酸のマ
クロゴールエステルとのエステル混合物」を溶解剤とし
て配合することにより、ランソプラゾールの経口投与後
のバイオアベイラビリティを大幅に改善する方法を確立
した。
脂肪酸のグリセロールエステルとC6−18脂肪酸のマ
クロゴールエステルとのエステル混合物」を溶解剤とし
て配合することにより、ランソプラゾールの経口投与後
のバイオアベイラビリティを大幅に改善する方法を確立
した。
【主たる用途】胃潰瘍患者に対してランソプラゾールの
経口製剤による治療を行う場合に、確実な吸収性を得る
ことができる。
経口製剤による治療を行う場合に、確実な吸収性を得る
ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】ランソプラゾールに対して、「C6−18
脂肪酸のグリセロールエステルとC6−18脂肪酸のマ
クロゴールエステルとのエステル混合物」を添加するこ
とにより、経口投与後における消化管内におけるランソ
プラゾールの溶解・吸収を高め、循環血液中へのランソ
プラゾールの移行量を大幅に上昇させ、バイオアベイラ
ビリティを高め得る製剤。 - 【請求項2】C6−18脂肪酸が飽和脂肪酸である請求
項1記載の消化管吸収性を高めた製剤。 - 【請求項3】C6−18脂肪酸のグリセロールエステル
が例えばLabrasolである請求項1記載の消化管吸収性を
高めた製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002075138A JP2003277262A (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002075138A JP2003277262A (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003277262A true JP2003277262A (ja) | 2003-10-02 |
Family
ID=29227711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002075138A Pending JP2003277262A (ja) | 2002-03-18 | 2002-03-18 | ランソプラゾールのバイオアベイラビリティ改善技術 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003277262A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005077365A3 (en) * | 2004-02-12 | 2005-12-01 | Inst Superiore Di Sanita | Novel uses for proton pump inhibitors |
WO2010013582A1 (ja) | 2008-07-30 | 2010-02-04 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録方法 |
WO2010013529A1 (ja) | 2008-07-30 | 2010-02-04 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録方法 |
US9969780B1 (en) | 2004-03-11 | 2018-05-15 | Istituto Superiore Di Sanita | Tat complexes, and vaccines comprising them |
-
2002
- 2002-03-18 JP JP2002075138A patent/JP2003277262A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005077365A3 (en) * | 2004-02-12 | 2005-12-01 | Inst Superiore Di Sanita | Novel uses for proton pump inhibitors |
US9969780B1 (en) | 2004-03-11 | 2018-05-15 | Istituto Superiore Di Sanita | Tat complexes, and vaccines comprising them |
WO2010013582A1 (ja) | 2008-07-30 | 2010-02-04 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録方法 |
WO2010013529A1 (ja) | 2008-07-30 | 2010-02-04 | 富士フイルム株式会社 | インクジェット記録方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20040319 |