JPH10225999A - シールリングの製造方法 - Google Patents

シールリングの製造方法

Info

Publication number
JPH10225999A
JPH10225999A JP4293797A JP4293797A JPH10225999A JP H10225999 A JPH10225999 A JP H10225999A JP 4293797 A JP4293797 A JP 4293797A JP 4293797 A JP4293797 A JP 4293797A JP H10225999 A JPH10225999 A JP H10225999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
inner peripheral
seal ring
cut
sealing ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4293797A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3582280B2 (ja
Inventor
Yoshiyuki Abe
良行 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Original Assignee
Nok Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp filed Critical Nok Corp
Priority to JP04293797A priority Critical patent/JP3582280B2/ja
Publication of JPH10225999A publication Critical patent/JPH10225999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3582280B2 publication Critical patent/JP3582280B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シールリングを拡張した後のカット部の開き
具合により特定される戻り性の良いシールリングを製造
する方法を開示し、シールリングによる組み立て性の低
下を防止し得るシールリングを提供する。 【解決手段】 基材となる樹脂材料を押型により筒状
に圧縮予備成形し、これを加熱・冷却して焼成させる工
程を経て焼成された円筒形素材M3を製作し、この円筒
形素材M3の内周側領域R1をシールリング1として利
用するように切り出すことを特徴とするシールリングの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一旦拡張した後の
戻り性の向上したシールリングの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図5は、油圧シリンダ100の組み立て
工程の一部を説明する図である。シリンダ101に挿入
されるピストン102には、シリンダ101内周面とピ
ストン102外周面の環状隙間をシールするピストンリ
ング103を予めピストン102の外周面に周方向に形
成された溝102aに嵌挿する。
【0003】ピストンリング103は、PTFE等の樹
脂材料により加工されたもので、カット部103aを一
箇所備え、矢印A101のように溝102aに挿嵌する
時に、カット部103aを拡げることで内周寸法がピス
トン102の外周寸法よりも大きくなるように一旦拡張
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、図6(a)
から図6(b)の変化のように、このように一旦拡張さ
れたピストンリング103には、拡張する際に加わった
応力がピストンリング103の内部に残留応力として残
り、拡張した後は、初期状態よりもカット部103aが
開いた状態となってしまう(図6(b)の状態)。尚、
バネ性の強いピストンリングでは、一旦拡張した後も図
6(c)のようにカット部103a’はほとんど拡がら
ない。
【0005】そして、図6(b)の状態となってしまう
ピストンリング103においては、ピストン102の溝
102aに挿嵌されている状態で、図7(a)のように
ピストン102の外周面から大きくはみ出してしまう。
この状態のままピストン102挿入するために矢印A1
02の方向に移動すると(図7(b))、ピストンリン
グ103とシリンダ101の端面が干渉してかじりが発
生し、油圧シリンダ100の組み立て性が低下してしま
う。
【0006】本発明は上記従来技術の問題を解決するた
めになされたもので、その目的とするところは、シール
リングを拡張した後のカット部の開き具合により特定さ
れる戻り性の良いシールリングを製造する方法を開示
し、シールリングによる組み立て性の低下を防止するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、基材となる樹脂材料を押型により
内周壁面部を備える筒状に圧縮予備成形し、これを加熱
・冷却して焼成させる工程を経て筒状素材を製作し、前
記筒状素材の内周側領域をシールリングとして利用する
ように切り出すことを特徴とする。
【0008】この方法により、製作されたシールリング
は、加熱・冷却による焼成工程において、内周壁面部に
より筒状素材の内部よりも筒状素材の内周側領域が冷却
速度が大きく、収縮率が異なることから内周側領域に引
っ張り応力が蓄積された状態となり、シールリングを拡
張した後のカット部の開き具合は小さくなり、戻り性が
向上する。
【0009】また、前記素材から切り出したシールリン
グに、カット部を形成することを特徴とする。
【0010】このカット部によりシールリングを容易に
拡張することができる。
【0011】また、前記基材となる樹脂材料は、フッ素
系樹脂材料であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の実施の形態
に基づいて説明する。
【0013】(実施の形態1)図1は、本発明を適用し
た第1の実施の形態のシールリングの製造方法の焼成工
程までの概略工程を説明する図である。この図1では、
PTFE等のフッ素系の樹脂粉末と、その他の微量な添
加物等を配合して基材M1を調合し(図1(a))、圧
縮成形機の下型K1のキャビィティ内に基材M1を充填
して押圧型K2(上型)により圧縮して粉末状態の基材
M1を固化する。下型K1と押圧型K2により形成され
る形状は内周壁面部を備える筒状であることが要求され
るが、この実施の形態では円筒形状としている(図1
(b))。
【0014】図1(c)は型から圧縮成形された円筒形
素材M2を取り出した状態であり、その後、図1(d)
のように焼成炉HCにより、融点以上の温度まで加熱し
た後に所定の降温速度で冷却して燒結させ、焼成した円
筒形素材M3とする。
【0015】このような工程を経た、焼成した円筒形素
材M3は、素材内部よりも円筒形素材の内周側領域R1
が冷却速度が大きく、収縮率が異なることから内周側領
域R1に引っ張り応力が蓄積された状態となっている。
【0016】従って、図2(a)に示されるように、焼
成した円筒形素材M3の内周側領域R1(斜線で示され
る部分)をシールリング1として利用するように切削加
工により切り出すことで、初期から引っ張り応力を備え
たシールリングを製作することが可能となり、組み立て
時等に一旦拡張しても元の状態に戻り易く、戻り性に優
れたシールリングが得られる。
【0017】尚、シールリング1には、図2(b)のよ
うにカット部1aを形成することも適宜行われる。この
カット部の形状は、図2(b)のようなラジアル方向に
直線的なものの他に、斜めにカットされるバイアスカッ
トや重なり部を持つステップカット等を使用目的に応じ
て採用することも可能である。
【0018】また、通常のシールリングにおいては外周
側と同様に内周側も切削加工を施しているが、引っ張り
応力による戻り性の効果が最も発揮されるのは、焼成し
た円筒形素材M3の内周壁面部を加工せずに残したまま
シールリングを使用する場合である。
【0019】従ってこの場合では、切削加工した場合に
比べて内周側の寸法精度が低下するが、内周面を非摺動
面とするシールリングでは、内周側の寸法精度や面粗度
は多少悪くても問題ないことが多く、内周面側を加工不
要とすることも可能となり、コスト低減にも寄与する。
【0020】また、図2(c)のように、シールリング
1’の一部分を内周側領域R1に位置させ、反対側が内
周側領域R1から離れるように偏心させた状態で切削加
工を行うことで、内周側領域R1に位置した部分を高応
力領域1’aとし、内周側領域R1から離れた部分が低
応力領域1’bとすることが可能となる。そして、この
低応力領域1’bにカット部を形成することで、カット
部を形成した時に解放される引っ張り応力による変形
(主としてカット部の端部の内側への倒れ)を抑え、か
つ、一旦拡張した後に元の形態に戻ろうとする復元性は
高応力領域1’aにより維持されるので、カット部の端
部の内側方向の倒れによる変形が少なく、シールリング
を装着する際の組み立て性の低下が防止される。
【0021】尚、従来においては、図3の焼成した円筒
形素材M103の内周面と外周面の間の略中央部を切削
により切り出してシールリング103としているので、
この実施の形態で利用した引っ張り応力の高い内周側領
域R1を備えるものではなく、図6(b)のように一旦
拡張するとカット部が大きく開いたままとなってしま
う。
【0022】(実施の形態2)図4(a)は、第2の実
施の形態を説明する図である。この実施の形態は、図1
と同様の工程により製作された焼成した筒状素材M3の
内周側領域R2をシールリング2として利用するように
切削加工により切り出している。
【0023】但し、筒状素材M3の内周壁面部3は波形
形状を呈しており、第1の実施の形態よりも大きな表面
積を備えている。従って、焼成工程における内周側領域
R2の冷却速度をより大きくすることができ、外周側領
域との収縮率の差により発生する引っ張り応力をより大
きくすることができる。
【0024】また、切り出されたシールリング2は、図
4(b)に示されるように、ミクロ的な観察を行うと円
周方向に、高応力領域2aと低応力領域2bが交互に現
れることになるが、シールリング2全体としては、一旦
拡張した後に元の形態に戻ろうとする復元性は維持され
る。
【0025】図4(c)の筒状素材M4は図4(b)で
説明された低応力領域6bをシールリング6のカット部
7(外形の切削加工が終了した後にカットされる位置)
側に位置させ、またカット部7の反対側には高応力領域
6aが位置するように内周壁面部5を偏心させている。
【0026】従って、カット部7を形成した時に解放さ
れる引っ張り応力による変形(カット部7の端部の内側
への倒れ)を抑え、かつ、一旦拡張した後に元の形態に
戻ろうとする復元性は高応力領域6aにより維持され
る。
【0027】
【発明の効果】上記のように説明された本発明にあって
は、筒状素材の内周側領域を使用することで引っ張り応
力が蓄積された状態のシールリングを製造することが可
能となり、シールリングを拡張した後のカット部の開き
具合は小さくなり、戻り性が向上する。
【0028】従って、シールリングを一旦拡張しても形
状は元の状態に戻り、組み立て性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態におけるシー
ルリングの製造方法の焼成工程までの概略工程を説明す
る図。
【図2】図2は円筒形素材の内周側領域を利用するシー
ルリングの図。
【図3】図3は従来のシールリングの切り取り部分を説
明する図。
【図4】図4は本発明の第2の実施の形態におけるシー
ルリングの図。
【図5】図5は従来の油圧シリンダの断面構成説明図。
【図6】図6は従来のシールリング。
【図7】図7は従来のシールリングを利用した組み立て
時の問題を説明する図。
【符号の説明】
1 シールリング 1a カット部 K1 下型 K2 押圧型 M1 基材 M2 圧縮成形された円筒形素材 M3 焼成された円筒形素材 R1 内周側領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材となる樹脂材料を押型により内周壁
    面部を備える筒状に圧縮予備成形し、これを加熱・冷却
    して焼成させる工程を経て筒状素材を製作し、 前記筒状素材の内周側領域をシールリングとして利用す
    るように切り出すことを特徴とするシールリングの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記素材から切り出したシールリング
    に、カット部を形成することを特徴とする請求項1に記
    載のシールリングの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基材となる樹脂材料は、フッ素系樹
    脂材料であることを特徴とする請求項1または2のいず
    れかに記載のシールリングの製造方法。
JP04293797A 1997-02-12 1997-02-12 シールリングの製造方法 Expired - Fee Related JP3582280B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04293797A JP3582280B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 シールリングの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04293797A JP3582280B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 シールリングの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10225999A true JPH10225999A (ja) 1998-08-25
JP3582280B2 JP3582280B2 (ja) 2004-10-27

Family

ID=12649935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04293797A Expired - Fee Related JP3582280B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 シールリングの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3582280B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083960A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Ntn Corp シールリングおよびその製造方法
JP2011094801A (ja) * 2010-12-14 2011-05-12 Ntn Corp シールリングを用いた密封装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006083960A (ja) * 2004-09-16 2006-03-30 Ntn Corp シールリングおよびその製造方法
JP2011094801A (ja) * 2010-12-14 2011-05-12 Ntn Corp シールリングを用いた密封装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3582280B2 (ja) 2004-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2003255499A1 (en) Powder-metallurgically produced piston body comprising support webs and method for the production thereof
JPS6035583B2 (ja) メカニカルシ−ルの製造方法
JPH09202905A (ja) 焼結によるシンクロナイザーリングの製造方法
JPH10225999A (ja) シールリングの製造方法
JPH0732971B2 (ja) ピストンリングの製造方法
JPH0272238A (ja) ねじり振動ダンパの製造方法
JP2503341B2 (ja) 液圧バルジ加工における端末シ―ル方法
JP3980348B2 (ja) 焼結製品、焼結製品の成形方法および成形用金型
JP2722877B2 (ja) 焼結用粉末成形品の加圧成形装置
JP3786864B2 (ja) 焼結製品の製造方法
KR20010101126A (ko) 피스톤 또는 플런저와 그 제작법
JP4154754B2 (ja) 複合金属部材の製造方法
US3811692A (en) Plastics filled piston ring
WO2021153488A1 (ja) インサート焼結部品及びその製造方法
US4182012A (en) Method of making a piston with a gudgeon pin
JP3362099B2 (ja) シールリングの製造方法及び樹脂材料により製作されるシールリング
JPH11132236A (ja) 軸受装置の製造方法と軸受装置及びこれを用いたモータ
JP2001121238A (ja) 外径側球面形状リングの製造方法
JPS60107322A (ja) 受口成形法
JP2004068824A (ja) 複合焼結軸受およびその製造方法
JPH10328896A (ja) 圧粉成形方法、圧粉成形装置および圧粉成形焼結部品
JP3410333B2 (ja) ディスク成形用金型
JPS6297724A (ja) 位置決め用凹凸形状の成形方法
JPH02236062A (ja) ピストン
JPS63260120A (ja) 異方性フェライト磁石の成形金型

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040202

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040419

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040706

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040719

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080806

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 5

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090806

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100806

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110806

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120806

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130806

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees