JP3980348B2 - 焼結製品、焼結製品の成形方法および成形用金型 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂インサートに適した焼結製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インサート品を装てんした金型内に樹脂を注入して、インサート品と溶融樹脂とを一体化した複合部品を製造するインサート工法が知られている。インサート工法では、樹脂と金属のように異なる性質を有する複数種の材質を一体に備える複合部品を作業性よく製造することができ、たとえばインサート品として焼結部品を樹脂部品と一体化することにより、無給油駆動が可能な複合部品を容易に得ることができる。
【0003】
樹脂部品と焼結部品とからなる複合部品には一般に、ラジアル荷重、スラスト荷重あるいはその両方が加えられるため、樹脂インサートされる焼結部品には、樹脂部品に対する回転を防止する回転止め形状や、埋め込まれた樹脂部品からの軸方向脱落を防止する抜け止め形状を設ける必要がある。
【0004】
焼結部品の樹脂部品に対する回転は、たとえば図5に示すような部品50の外周面51に、軸方向全長にわたる直線溝52を設けて、この直線溝52に樹脂を入り込ませることにより防止することができる。この直線溝52は、部品50を成形する金型の内周面に圧縮方向に延びる凸条を形成することにより、圧粉体を形成する圧縮成形時あるいは焼結後のサイジング(再圧縮)時に形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
また、焼結部品の樹脂部品からの軸方向脱落は、上述した部品50の外周面51に、たとえば図6に示すように周溝53を設けて、この周溝53に樹脂を入り込ませることにより防止することができる。しかしながら、この周溝53の形状はアンダーカット形状となるため、直線溝52のように金型で形成することができず、機械加工により形成しなければならない。このため、抜け止め形状と回転止め形状の両方を有する焼結部品の製造には、樹脂インサート成形の他にさらに機械加工を行うための装置、加工時間を要しており、加工性が悪く、製造コストがかさんでしまい、生産性が悪いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、樹脂インサートに好適な、抜け止め形状および回転止め形状を有する焼結部品を、容易にかつ低コストで提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る焼結製品は、材料粉末を圧縮成形して得られた圧粉体を焼結して形成された円筒状の焼結製品であって、少なくともその外周面に樹脂部品が一体化された複合部品を樹脂インサートにより製造するためのインサート品として用いられ、その外周面に軸方向に延びるとともに樹脂が入り込むための溝部と、周方向に延びる拡径部とを有し、前記溝部は前記拡径部の周方向の延びを分断していることを特徴としている。
この発明によれば、焼結製品に軸方向に延びる溝部と周方向に延びる拡径部とが設けられているので、この製品をインサート品として樹脂インサート成形した場合には、溝部と樹脂とが噛み合うように一体化されることにより焼結製品と樹脂部分との相対回転を抑止できるとともに、拡径部が樹脂部分に食い込むように一体化されることにより軸方向への相対移動すなわち抜けを抑止することができる。このような溝部および拡径部は、材料粉末の圧縮成形金型あるいは焼結体のサイジング(再圧縮用)の矯正金型により容易に形成することができるので、抜け止め形状および回転止め形状を有する焼結製品を、容易かつ低コストで提供することができる。
【0008】
請求項2の発明に係る焼結製品の成形方法は、材料粉末を圧縮成形して圧粉体を形成する圧縮工程と、該圧粉体を焼結した焼結体をサイジングするサイジング工程とを有する、円筒状の焼結製品の成形方法であって、前記圧縮工程において、外周面に軸方向に延びるとともに樹脂が入り込むための溝部を成形し、前記サイジング工程において、外周面にその周方向に延在し、かつこの延びが前記溝部により分断された拡径部を形成して、少なくともその外周面に樹脂部品が一体化された複合部品を樹脂インサートにより製造するためのインサート品として用いられる焼結製品を形成することを特徴としている。
この発明によれば、圧縮工程で軸方向に延びる溝部を有する圧粉体を形成した後、この圧粉体を焼結して得られた焼結体をサイジングするサイジング工程で、焼結体に周方向に延びる拡径部を形成するので、抜け止め用の溝を形成するための機械加工等の、焼結製品の製造に必ずしも必要ではない工程を行うことなく、抜け止めおよび回転止め形状を有する焼結製品を容易に成形することができる。
【0009】
請求項3の発明に係る成形用金型は、前述の焼結製品の成形方法において円筒状の焼結体をサイジングするのに用いられる成形用金型であって、焼結体の内側に嵌め込まれるコアロッドと、前記焼結体の外側を嵌め込む上第1パンチおよび下第1パンチと、前記コアロッドと前記上第1パンチとの間に位置して前記焼結体の上端面をその軸方向に押圧する上第2パンチと、前記コアロッドと前記下第1パンチとの間に位置して前記焼結体の下端面をその軸方向に押圧する下第2パンチとを備え、互いに当接される前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の内周面に、先端側が開放された凹部と、前記焼結体の外周面に形成された一方の端面から軸方向に沿って他方の端面まで延在する溝部に嵌め込まれる凸条部とが設けられており、圧縮成形時に、前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の前記凹部によって帯状の凹溝を形成し、前記焼結体の外周面が前記凹溝に入り込むように変形させて前記拡径部を形成することを特徴としている。
この発明によれば、上第1パンチおよび下第1パンチの先端部の内周面にそれぞれ凹部が形成されていることにより、これら上第1パンチおよび下第1パンチが当接されると各凹部が一体となった帯状の凹溝を有するキャビティが形成されるので、この凹溝の内周側に被成形体を配置して、上下から上第2パンチおよび下第2パンチにより被成形体の上下端面を圧縮することにより、キャビティ形状に従い拡径部を有する成形体を容易に形成することが可能となる。
【0010】
請求項4の発明に係る成形用金型は、前述の焼結製品の成形方法において円筒状の焼結体をサイジングするのに用いられる成形用金型であって、焼結体の内側に嵌め込まれるコアロッドと、前記焼結体の外側を嵌め込む上第1パンチおよび下第1パンチと、前記コアロッドと前記上第1パンチとの間に位置して前記焼結体の上端面をその軸方向に押圧する上第2パンチと、前記コアロッドと前記下第1パンチとの間に位置して前記焼結体の下端面をその軸方向に押圧する下第2パンチとを備え、前記上第2パンチと下第2パンチとによる前記焼結体上下端面の軸方向圧縮時に、前記上第1パンチと下第1パンチとが互いに当接しないように設けられるとともに、前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の内周面に、前記焼結体の外周面に形成された一方の端面から軸方向に沿って他方の端面まで延在する溝部に嵌め込まれる凸条部が設けられており、圧縮成形時に、前記焼結体の外周面が前記上第1パンチおよび下第1パンチとの間に入り込むように変形させて前記拡径部を形成することを特徴としている。
この発明によれば、上第1パンチと下第1パンチとが当接しないことにより、成形用金型には、被成形体外周面の軸方向中央部近傍を径方向に拘束しない部分が帯状に設けられることとなる。したがって、上下から圧縮された被成形体がこの部分に押し出されるように変形することにより、拡径部を有する成形体を容易に形成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図1および図2を参照して説明する。
図1に、本発明の一実施形態による成形体(焼結製品)10を示す。この成形体10は、材料粉末を圧縮成形して得られた圧粉体を焼結、サイジング(再圧縮)して形成されていて、外周面11に溝部(凹凸形状部)12が1本以上(本実施形態では等間隔に4本)、拡径部13が1本設けられている。
溝部12は、成形体10の一方の端面14から軸方向に沿って他方の端面14まで延びている。拡径部13は、周方向に延び、溝部12によって分断された凸条に形成されている。
【0012】
このような形状の成形体10は、インサート品として樹脂部品中にインサートされると、溝部12内に樹脂が入り込んで硬化することにより、樹脂部分との相対回転が抑止されるとともに、拡径部13が樹脂に食い込むようにインサートされることにより、樹脂部分の軸方向への相対移動すなわち抜けが抑止される。したがって、この溝部12および拡径部13を有する成形体10は、樹脂部品内でラジアル荷重あるいはスラスト荷重を受けても樹脂部品から脱落しにくく、安定して使用することができる。
なお、図では拡径部13を成形体10の外周面11から大きく突出させているが、図に示すよりも小さな突出量であっても、十分な抜け止め効果を得ることができる。
【0013】
上述した溝部12および拡径部13は、材料粉末の圧縮成形時や、焼結後のサイジング(再圧縮)時に形成することができる。以下に、サイジング時に拡径部13を形成する場合について説明する。
【0014】
図2および図3に、材料粉末を圧縮成形して得られた圧粉体を焼結した円筒状の焼結体15に、本実施形態の成形体10の拡径部13を形成するための金型の概略を示す。この金型は、焼結体15を再圧縮して形状精度を向上させるためのサイジング(再圧縮)用の矯正金型20であって、軸方向に移動される下パンチ22、上パンチ27およびコアロッド26を備えている。下パンチ22、上パンチ27およびコアロッド26は、図3に示すように、ダイ21に形成された貫通孔21a内に配置されて、成形体10を成形するための円筒状のキャビティCを形成する。なお、図2は圧縮前、図3は圧縮時の金型を示しており、この矯正金型20によって再圧縮される前の焼結体15には、円筒外面に溝部12が形成されている。
【0015】
下パンチ22は、ダイ21の貫通孔21aに嵌挿された円筒状の下第1パンチ23と、この下第1パンチ23の内側に嵌挿された円筒状の下第2パンチ24とを備えている。下第1パンチ23の上端内周部分には、成形体10の外周面の下半分を形成する円筒状のブロック25が固定されている。
一方上パンチ27は、ダイ21の貫通孔21aに嵌挿される円筒状の上第1パンチ28と、この上第1パンチ28の内側に嵌挿された円筒状の上第2パンチ29とを備えている。上第1パンチ28の下端内周部分には、成形体10の外周面の上半分を形成する円筒状のブロック30が固定されている。
【0016】
ブロック25は、焼結体15の外径にほぼ等しい内径の内周面25aを有し、キャビティCの外周面下半分の形成面を形成している。この内周面25aの上端部(先端部)には、先端側が開放された凹部25bが設けられている。さらに内周面25aには、焼結体15の溝部12に嵌る凸条部(図示せず)が、軸方向に延設されている。
一方ブロック30は、焼結体15の外径にほぼ等しい内径の内周面30aを有し、キャビティCの外周面上半分の形成面を形成している。この内周面30aの下端部(先端部)には、先端側が開放された凹部30bが設けられている。さらに内周面30aには、焼結体15の溝部12に嵌る凸条部(図示せず)が、軸方向に延設されている。
【0017】
つぎに、以上のように構成された矯正金型20による拡径部13の形成について、図2および図3を参照して説明する。
まず、図2に示すように、上パンチ27(上第1パンチ28および上第2パンチ29)を上昇させ、下パンチ22の上面をダイ21上面に一致させておき、下第2パンチ24上に焼結体15を載置する。そして、上パンチ27を下降させて、焼結体15の両端面14を上第2パンチ29下面と下第2パンチ24上面とにより拘束するとともに、ブロック30およびブロック25を焼結体15の外側に嵌め、コアロッド26を焼結体15の内側に嵌め込む。
【0018】
さらに、図3に示すように、ダイ21内で上第1パンチ28(ブロック30)下面と下第1パンチ23(ブロック25)上面とが当接するまで上パンチ27と下パンチ22とを下降させて、凹部25bと凹部30bとが一体となった帯状の凹溝Bを有するキャビティCを形成する。このように上第1パンチ28と下第1パンチ23とを当接させた状態で、下第2パンチ24と上第2パンチ29とを互いに軸方向に押圧して焼結体15を圧縮することにより、焼結体15はキャビティCの形状に沿うように塑性変形される。すなわち、焼結体15は、矯正金型20により各部が精度の良好な形状に再圧縮成形されるとともに、外周面11が凹溝Bに入り込むように変形して、拡径部13が形成される。
【0019】
つぎに、本発明の他の実施形態について、図4を参照して説明する。
図4に示す成形用金型は、上記第1の実施形態と同様に、被成形体(焼結体)を再圧縮して形状精度を向上させるためのサイジング(再圧縮)用であって、軸方向に移動可能な下パンチ41、上パンチ44およびコアロッド47を、ダイ48に形成された貫通孔48a内に配置して被成形体を圧縮成形し、軸方向中央部近傍に周方向に延設された拡径部49aを有する成形体49を形成する矯正金型40である。
【0020】
下パンチ41は、ダイ48の貫通孔48aに嵌挿された円筒状の下第1パンチ42と、この下第1パンチ42の内側に嵌挿された円筒状の下第2パンチ43とを備えている。一方上パンチ44は、ダイ48の貫通孔48aに嵌挿される円筒状の上第1パンチ45と、この上第1パンチ45の内側に嵌挿された円筒状の上第2パンチ46とを備えている。これら下第1パンチ42、下第2パンチ43、上第1パンチ45および上第2パンチ46の軸方向端面は、全て平坦に形成されている。
【0021】
この矯正金型40では、図4に示すように、圧縮成形時の下第1パンチ42と上第1パンチ45とが、互いに当接しないように設けられている。したがって、被成形体は、内周面49bをコアロッド47によって拘束され、間隔をおいて配置された下第1パンチ42および上第1パンチ45によって上下端寄りの外周面49c、49dをそれぞれ拘束された状態で、下第2パンチ43と上第2パンチ46とによって軸方向に圧縮されることにより、拘束されていない下第1パンチ42と上第1パンチ45との間に押し出されるように変形して、拡径部49aが形成されることになる。
【0022】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や組合せ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。前記実施形態では、拡径部をサイジング用の矯正金型により形成したが、図2および図3に示すような閉鎖したキャビティを形成する金型を用いて、圧粉成形の段階で溝部および拡径部を有する形状に形成することも可能である。この場合、下第2パンチ24、ブロック25およびコアロッド26の間に形成される空間に成形体の形成に必要な量の材料粉末を充填できるように、下第2パンチ24を大きく下降させて、この空間に材料粉末を充填して、図3に示すように下パンチ22および上パンチ27をダイ21内に下降させて圧縮成形すればよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る焼結製品によれば、焼結製品に軸方向に延びる凹凸形状部と周方向に延びる拡径部とが設けられているので、この製品をインサート品として樹脂インサート成形した場合には、凹凸形状部と樹脂とが噛み合うように一体化されることにより焼結製品と樹脂部分との相対回転を抑止できるとともに、拡径部が樹脂部分に食い込むように一体化されることにより軸方向への相対移動すなわち抜けを抑止することができる。このような凹凸形状部および拡径部は、材料粉末の圧縮成形金型あるいは焼結体のサイジング(再圧縮用)の矯正金型により容易に形成することができるので、抜け止め形状および回転止め形状を有する焼結製品を、容易かつ低コストで提供することができる。
【0024】
請求項2の発明に係る焼結製品の成形方法によれば、圧縮工程で軸方向に延びる凹凸形状部を有する圧粉体を形成した後、この圧粉体を焼結して得られた焼結体をサイジングするサイジング工程で、焼結体に周方向に延びる拡径部を形成するので、抜け止め用の溝を形成するための機械加工等の、焼結製品の製造に必ずしも必要ではない工程を行うことなく、抜け止めおよび回転止め形状を有する焼結製品を容易に成形することができる。
【0025】
請求項3の発明に係る成形用金型によれば、上第1パンチおよび下第1パンチが、先端部の内周面に凹部を有していることにより、これら上第1パンチおよび下第1パンチが当接されて各凹部が一体となった帯状の凹溝を有するキャビティが形成されるので、この凹溝の内周側に被成形体を配置して、上下から上第2パンチおよび下第2パンチにより被成形体を軸方向に圧縮することにより、キャビティ形状に従い拡径部を有する成形体を容易に形成することが可能となる。
【0026】
請求項4の発明に係る成形用金型によれば、上第1パンチと下第1パンチとが当接しないことにより、成形用金型には、被成形体外周面の軸方向中央部近傍を拘束しない凹溝が帯状に設けられるので、この凹溝の内側で被成形体が軸方向に圧縮されると、被成形体は凹溝に押し出されるように変形する。したがって、特殊な金型構造や、特殊な形状の金型を用いなくても、拡径部を有する成形体を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による焼結製品を示す斜視図である。
【図2】 本発明の一実施形態による成形用金型の圧縮前の状態を示す断面図である。
【図3】 図2に示す成形用金型の圧縮時の状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の他の実施形態による成形用金型を示す断面図である。
【図5】 従来の回転止め形状を有する焼結製品を示す斜視図である。
【図6】 従来の回転止めおよび抜け止め形状を有する焼結製品を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、49 焼結製品(成形体)
11 外周面
12 凹凸形状部(溝部)
13、49a 拡径部
15 焼結体
20、40 成形用金型(矯正金型)
23、42 下第1パンチ
24、43 下第2パンチ
25a 内周面
25b 凹部
26、47 コアロッド
28、45 上第1パンチ
29、46 上第2パンチ
30a 内周面
30b 凹部
Claims (4)
- 材料粉末を圧縮成形して得られた圧粉体を焼結して形成された円筒状の焼結製品であって、
少なくともその外周面に樹脂部品が一体化された複合部品を樹脂インサートにより製造するためのインサート品として用いられ、その外周面に軸方向に延びるとともに樹脂が入り込むための溝部と、周方向に延びる拡径部とを有し、前記溝部は前記拡径部の周方向の延びを分断していることを特徴とする焼結製品。 - 材料粉末を圧縮成形して圧粉体を形成する圧縮工程と、該圧粉体を焼結した焼結体をサイジングするサイジング工程とを有する、円筒状の焼結製品の成形方法であって、
前記圧縮工程において、外周面に軸方向に延びるとともに樹脂が入り込むための溝部を成形し、
前記サイジング工程において、外周面にその周方向に延在し、かつこの延びが前記溝部により分断された拡径部を形成して、少なくともその外周面に樹脂部品が一体化された複合部品を樹脂インサートにより製造するためのインサート品として用いられる焼結製品を形成することを特徴とする焼結製品の成形方法。 - 請求項2に記載の焼結製品の成形方法において円筒状の焼結体をサイジングするのに用いられる成形用金型であって、
焼結体の内側に嵌め込まれるコアロッドと、前記焼結体の外側を嵌め込む上第1パンチおよび下第1パンチと、前記コアロッドと前記上第1パンチとの間に位置して前記焼結体の上端面をその軸方向に押圧する上第2パンチと、前記コアロッドと前記下第1パンチとの間に位置して前記焼結体の下端面をその軸方向に押圧する下第2パンチとを備え、
互いに当接される前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の内周面に、先端側が開放された凹部と、前記焼結体の外周面に形成された一方の端面から軸方向に沿って他方の端面まで延在する溝部に嵌め込まれる凸条部とが設けられており、圧縮成形時に、前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の前記凹部によって帯状の凹溝を形成し、前記焼結体の外周面が前記凹溝に入り込むように変形させて前記拡径部を形成することを特徴とする成形用金型。 - 請求項2に記載の焼結製品の成形方法において円筒状の焼結体をサイジングするのに用いられる成形用金型であって、
焼結体の内側に嵌め込まれるコアロッドと、前記焼結体の外側を嵌め込む上第1パンチおよび下第1パンチと、前記コアロッドと前記上第1パンチとの間に位置して前記焼結体の上端面をその軸方向に押圧する上第2パンチと、前記コアロッドと前記下第1パンチとの間に位置して前記焼結体の下端面をその軸方向に押圧する下第2パンチとを備え、
前記上第2パンチと下第2パンチとによる前記焼結体上下端面の軸方向圧縮時に、前記上第1パンチと下第1パンチとが互いに当接しないように設けられるとともに、前記上第1パンチおよび下第1パンチ先端部の内周面に、前記焼結体の外周面に形成された一方の端面から軸方向に沿って他方の端面まで延在する溝部に嵌め込まれる凸条部が設けられており、圧縮成形時に、前記焼結体の外周面が前記上第1パンチおよび下第1パンチとの間に入り込むように変形させて前記拡径部を形成することを特徴とする成形用金型。
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