JPH10225937A - インサート保持具を備えた成形機 - Google Patents

インサート保持具を備えた成形機

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JPH10225937A
JPH10225937A JP4691897A JP4691897A JPH10225937A JP H10225937 A JPH10225937 A JP H10225937A JP 4691897 A JP4691897 A JP 4691897A JP 4691897 A JP4691897 A JP 4691897A JP H10225937 A JPH10225937 A JP H10225937A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可塑性物質の硬化と共に一体化されるインサ
ートを成形型に対して磁力によって着脱可能に保持する
インサート保持具を備え、型枠に備えた加熱手段等によ
って可塑性物質を硬化させる成形機を提供する。 【解決手段】 成形型1に注入された可塑性樹脂が硬化
するときに可塑性物質と一体化されるインサート9は、
ホルダ10に係合される。ホルダ10は、成形型1に形
成された中空穴8に嵌入され、ホルダ10の先端側に設
けられた磁石29が成形型1に固定された筒状の常磁性
体から成る保持部材12に対して吸着保持ことにより、
成形型1に取付けられる。エア通路42を通じて供給さ
れたエアの圧力に基づいて、ホルダ10は成形型1から
離型される。型枠48に設けられた加熱手段49から発
生した熱は、成形型1を通して可塑性樹脂を硬化させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インサートを成
形型に保持するインサート保持具を備えた成形機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】注型機等の成形機においては、予め作製
された物品、即ち、インサートを可塑性物質に埋設した
状態で可塑性物質を硬化し、インサートを可塑性物質と
一体化した成形品を成形することがある。図3は、従来
の注型機50を模式的に描いた断面図である。注型機5
0は、一対の支持フレーム52,53を機台51に対向
して配設したものであり、図示の例の場合、支持フレー
ム52が、支持フレーム53に対して相対的に接近又は
離反する方向に移動できるように機台51に設置されて
いる。支持フレーム52,53は、成形型としての注型
54,55を互いに対向するように支持している。
【0003】注型54,55は、互いに接合して組み合
わされたときに、可塑状の物質が注入される注入孔56
と、注入孔56に連通するキャビティ57を形成してい
る。注型54,55に形成されたキャビティ57内にイ
ンサート58,59を配置した状態でインサート58,
59を注型54,55に取り付けておき、その後、キャ
ビティ57内に可塑性物質を注入し、注入した可塑性物
質を硬化することによって、可塑性物質とインサート5
8,59とが一体的に成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な成形品の製造に際しては、成形前にインサート58,
59を注型54,55に取付ける作業及び成形後にイン
サート58,59を注型54,55から取り外す作業が
極めて煩雑であり、長い作業時間を必要とし、結果的に
成形品の製造コストを上昇させている。即ち、一体化す
べきインサート58,59の注型54,55への取付け
及び取外しは、例えばボルト60を外部から注型54,
55を貫通してインサート58,59にねじ込む又はね
じ戻すことにより行われるが、この作業は、ボルト60
毎に行うため作業性が非常に悪い。
【0005】また、注型54,55を連続して使用する
場合には、注型54,55自体を支持フレーム52,5
3から取り外すと作業効率が悪くなるので、作業員が支
持フレーム52,53と注型54,55との間の空間6
2,63に工具を差し入れ、且つその工具を操作するこ
とにより取付けボルト60を注型54,55から外す作
業を行う。空間62,63を大きく採ると注型機が大型
化し、空間62,63を狭くすると取付けボルト60の
取外し作業の作業性が悪化する。
【0006】図3の状態でキャビティ57に注入された
可塑性物質が硬化してインサート58,59と一体化し
たとき、成形品を注型54,55から取り出すに際して
は、まず、取付けボルト60をインサート58から取り
外す。このとき、成形品は、注型54から取り出されて
いるが、なお注型55に対しては離型されていない状態
にある。注型55に対して成形品を離型するには、成形
品のインサート59から取付けボルト60を取り外し、
空間63に配設された型抜き具66を、注型55に形成
した孔61を通過させて、成形品を注型55から押し出
すことが行われている。型抜き具66を押し込むため
に、押し込み棒64とその駆動装置67を支持フーム5
3の外部に設けて、押し込み棒64を支持フレーム53
の孔65に貫通させて押し出す必要がある。
【0007】このように、インサート埋設形の成形品を
製造する成形機においては、作業性の観点からすると、
インサートの成形型への取付け作業やインサート埋設形
の成形品を成形型から取出す作業が煩雑であり、長い作
業時間を要している。また、成形機の構造の観点では、
支持フレーム52,53と注型54,55とに見られる
ように、成形型とフレームとの間にスペースを必要とし
たり、押し込み棒64とその駆動装置を必要としてお
り、必然的に成形機を大型化させている。
【0008】一般に、インサートと一体化しない可塑性
物質のみの成形を行う成形機においては、成形型を保持
する型枠に加熱手段又は冷却手段を設けておき、加熱又
は冷却される成形型を通じて可塑性物質を加熱又は冷却
して硬化させている。しかし、インサートと一体化して
成形する成形機においては、上記注型機に示したよう
に、注型54,55とフレーム52,53との間に空間
62,63が存在しているために、注型54,55とフ
レーム52,53とが直接的に接触する領域が狭くなっ
ているので、可塑性物質(熱硬化性樹脂)を加熱硬化さ
せる加熱手段をフレーム52,53に設けたとしても、
フレーム52,53から注型54,55を通しての充分
な熱を伝達することができず、可塑性物質を加熱するこ
とが事実上不可能である。したがって、注型54,55
の加熱は、注型54,55の内部に埋め込まれた電熱線
等の内部加熱手段68、又は注型54,55の表面に付
設された外部加熱手段69によって行われる。これらの
加熱手段68,69は、注型54,55毎に用意する必
要があり、また、注型54,55を交換する度に、加熱
手段を電源に接続する作業が必要となり、更に、加熱手
段の制御についても、用意される注型54,55毎に制
御内容を調節する等の煩雑な作業が必要であって、成形
品の製造コストを上昇させる要因となっている。熱可塑
性樹脂のような可塑性物質を硬化させるために樹脂を冷
却する場合も、冷媒を通す配管等の冷却手段を設けるに
際して、加熱手段と同様の問題点がある。
【0009】このように、従来のインサート埋設形の成
形品を製造する成形機については、インサート取付けの
作業性、スペース、及び可塑性物質の硬化のための加熱
又は冷却の観点でコスト上昇要因を抱えているので、イ
ンサート保持具を備えた成形機において、作業性を改善
し、成形型の加熱又は冷却が容易であって、全体の構造
を大型化させないようにする点について解決すべき課題
がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、インサートを磁石を利用
したホルダを用いて成形型に取り付けることにより、イ
ンサートを成形型に取り付ける作業性を改善し、成形機
としても小型化を可能とし、且つ可塑性物質を硬化させ
るために成形型に加熱手段や冷却手段を設けなくても、
成形型を支持する型枠に加熱又は冷却手段を設けた成形
機を用いて、可塑性物質を加熱又は冷却して硬化させる
ことを可能にするインサート保持具を備えた成形機を提
供することである。
【0011】この発明は、上記目的を達成するため、次
のように構成されている。即ち、この発明は、型枠に保
持された成形型、及び前記成形型に形成されたキャビテ
ィ内に注入されて成形される可塑性物質と一体化される
インサートを前記キャビティ内に配置した状態で前記成
形型に保持するインサート保持具を備え、前記インサー
ト保持具はインサートが取り付けられ且つ磁力によって
前記成形型に着脱可能に取り付けられるホルダから成る
ことを特徴とするインサート保持具を備えた成形機に関
する。
【0012】この発明によるインサート保持具を備えた
成形機によれば、インサートをホルダに取付け、更にホ
ルダを磁力によって成形型に取り付けることによって、
インサートが成形型に取り付けられる。可塑性物質が成
形型に形成されたキャビティ内に注入されて硬化すると
き、可塑性物質はインサートと一体化して成形される。
可塑性物質とインサートとが一体化された成形品は、ホ
ルダが成形型に対して着脱可能に取り付けられているの
で、ホルダと一緒に成形型から取り外すことが可能であ
る。成形型から取り外された成形品において、ホルダと
インサートとを分離すれば、所望の成形品を得ることが
できる。
【0013】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記インサートは前記ホルダに対して着脱可能
に取り付けられている。成形品を大量生産する場合は、
ホルダは使い捨てではなく繰り返して使用することが必
要になる。インサートとホルダとを着脱可能に取り付け
ておけば、インサートとホルダとの取付けと取り外しと
により、ホルダの再度の利用を容易に行うことができ
る。着脱可能な取付け構造としては、ねじ等の任意の手
段を用いることができるが、インサートとホルダとの取
付けと取り外しとは、迅速且つ容易に行われるのが好ま
しい。
【0014】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記成形型にはキャビティに開口し且つホルダ
を挿入可能な中空穴が形成され、前記ホルダが中空穴内
に挿入された状態で、前記ホルダが前記成形型に対して
吸着保持される。ホルダは中空穴内に挿入された状態で
成形型に対して吸着保持されるので、ホルダの成形型に
対する位置決めが、安定し且つ確実になる。
【0015】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、インサート保持具である前記ホルダは、非磁性
材料から形成されたホルダ本体とホルダ本体の前記中空
穴への挿入先端部に設けられた磁石とを備えている。磁
石は、ホルダの挿入完了位置に向けてホルダを吸引する
ので、ホルダの成形型に対する位置決めが確実である。
ホルダ本体を構成する非磁性材料としては、黄銅、アル
ミニウム等の熱伝導性のよい非鉄金属材料が好ましい。
ホルダをこのように構成すると、可塑性物質が一般に加
熱又は冷却によって硬化する樹脂であるから、成形型に
おける熱伝導の一様性を確保し、且つ磁石の保護を図る
と共に、磁石の磁力がホルダ自身の中で発散することな
く、成形型への吸着に有効に利用することができる。
【0016】ホルダの挿入先端に設けられた磁石が対向
することになる中空穴の底部には、一端を前記磁石に対
向させた筒状の常磁性体からなる保持部材が設けられ
る。保持部材が筒状であるため、磁石の磁力線は発散す
ることなく保持部材をその長手方向に均一に且つ有効に
通過することになり、磁石による吸引力は、保持部材に
集中し、且つホルダの挿入方向に一致することになる。
【0017】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記ホルダは、保持部材の中空部を通じて供給
されたエアの圧力により成形型から取り外される。磁力
によって吸着されたホルダを成形型から取り外す力をホ
ルダの挿入側の端面に作用するエアの圧力に基づく力と
すると、エアの圧力はホルダの端面に効率よく作用して
離型をスムースに行うことができる。また、成形機にお
ける離型手段は、エア供給源と中空穴へエアを供給する
ための通路や配管系から構成されることになるので、離
型のための構造が簡素になり、前記通路や配管系は成形
機の他の構造と干渉することがないので、成形機全体と
しても省スペースになる。
【0018】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、成形機における離型を中空穴へのエアの供給に
よって行うこととした場合に、前記ホルダの表面又は前
記中空穴の壁面にエア溜まりを形成するのが好ましい。
エア溜まりを予め形成しておくと、外部のエア供給路か
ら中空穴に送られたエアは、エア溜まりに供給され易
く、ホルダの表面と中空穴の壁面との間の隙間に入り込
んで、成形型からのホルダの取外しが容易になる。
【0019】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記ホルダの周面と前記中空穴の壁面との間に
はシール材が配置されている。シール材は、キャビティ
からの可塑性物質の中空穴の底部方向への侵入を防止す
る。また、その一方で、前記シール材は、ホルダが中空
穴内に装填された場合に、中空穴の壁面に摩擦係合する
から、ホルダが中空穴に対して妄動するのを防止する。
したがって、ホルダの成形型に対する位置決めがより一
層確実になる。更に、ホルダを中空穴からエアによって
取り外す場合には、シール材はエアがキャビティ側に漏
れるのを防止する。シール材の一例として、Oリングが
挙げられる。
【0020】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記磁石は、複数枚の板状永久磁石を積層して
構成されている。積層する板状永久磁石の枚数を調節す
ることにより、ホルダと成形型との磁力による吸着力を
調整することができる。
【0021】上記のインサート保持具を備えた成形機に
おいて、前記型枠は、前記可塑性物質を硬化するための
加熱手段又は冷却手段を備えている。この発明による成
形機は、成形型と型枠との間に、インサートを保持又は
離型させる手段又はその操作のために空間を必要として
いないので、型枠に対向する成形型の表面全体を熱の伝
達に利用することができる。したがって、可塑性物質の
硬化のための加熱又は冷却は、型枠に設けた加熱又は冷
却手段による成形型の加熱又は冷却を通して行われる。
更に、成形型の交換を行っても、加熱又は冷却手段及び
その制御手段は、成形型とは別の部材である型枠に既に
備わっているので、加熱又は冷却手段及びその制御手段
を成形型毎に用意する必要がなく、加熱又は冷却手段を
成形型に設けた場合に必要となる加熱源又は冷却源との
接続作業も必要がない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明に
よるインサート保持具を備えた成形機の実施例を説明す
る。図1はこの発明によるインサート保持具を備えた成
形機の一実施例を示す断面図であり、図2は図1に示し
た成形機におけるインサート保持装置に用いられるホル
ダと保持部材とを示す断面図である。
【0023】図に示すインサート保持具を備えた成形機
においては、一対の成形型1が対向して配置されてい
る。各々の成形型1は、同様の構造を有していて、同じ
要素には同じ符号を付しているので、以下、特に言及し
ない限りは、片方の成形型1について説明する。成形型
1の対向部2には凹部3が形成されて、両方の成形型
1,1の凹部3,3によって、成形すべき製品の外形に
合わせたキャビティ4が形成されている。対向部2の凹
部3の周囲は、可塑性物質が漏洩しないように互いに密
着する対向面5となっている。対向面5の一部には、可
塑性物質を注入するため、成形型1の外部からキャビテ
ィ4に通じる注入路6が形成されている。注入路6に
は、可塑性物質を注入する注入機(図示せず)が接続さ
れている。成形型1は、成形機の構成要素である型枠4
8に対して全面で接触して取付けられている。型枠48
には電熱ヒータのような加熱手段49が設けられてい
て、成形型1を加熱することにより、可塑性物質が加熱
硬化される。
【0024】成形型1において、ホルダ10は保持部材
12に対して磁力によって保持される。成形型1の凹部
3の平らな底面7には、中空穴8が形成されている。中
空穴8には、インサート9を成形型1に取り付けるため
のホルダ10が挿入可能である。中空穴8とホルダ10
との間には、特にホルダ10の挿入先端側において、僅
かにエア溜まり43が残されている。また、成形型1の
対向面5とは反対側の端面11の中央部から、凹部3の
方向に向かって、中空穴8に通じる取付け孔13が形成
されている。取付け孔13には雌ねじ15が形成されて
おり、後述する保持部材12の雄ねじ14を雌ねじ15
にねじ込むことにより、保持部材12は成形型1に固定
される。
【0025】図2に示すように、ホルダ10は、全体と
して筒状の形状を有しており、主としてインサート9が
取り付けられる取付け部16と保持部材12に対して吸
着する磁石を備えた磁石部17とから構成されている。
取付け部16は、中央部18から一端側に延びて外周に
雄ねじ20が形成されたねじ軸部19と、中央部18か
ら他側に延びて、磁石部17に嵌入する嵌入軸部21と
を備えている。したがって、インサート9に雌ねじ41
を形成しておけば、ねじ軸部19の雄ねじ20が雌ねじ
41に螺合することができ、インサート9はホルダ10
に着脱自在となる。中央部18から嵌入軸部21への遷
移する部分は凸状段部22となっている。ねじ軸部19
の雄ねじ20は、インサート9に形成した雌ねじ15
(図1参照)に螺合可能とされている。嵌入軸部21の
先端部23は、後述する磁石29に当接している。
【0026】磁石部17は、取付け部16の凸状段部2
2と嵌まり合う凹状段部24、取付け部16の嵌入軸部
21が嵌入する中空孔26が形成された中空部25、及
び磁石29を収納するため中空部25の奥に中空孔26
と連通して形成された収納穴28を有する磁石収納部2
7とから成っている。取付け部16の凸状段部22と磁
石部17の凹状段部24との嵌合によって、取付け部1
6と磁石部17との互いに径方向への相対移動が防止さ
れている。また、最外側の凸状段部22と凹状段部24
との間には周溝33が形成されており、周溝33にシー
ル材としてのOリング34が嵌められている。嵌入軸部
21と中空部25とにわたって径方向に一致するピン孔
35,36が形成されており、ピン孔35,36にわた
ってピン37を挿入することにより、取付け部16と磁
石部17との相対的な回転が防止されている。
【0027】磁石部17の磁石収納部27の外周には、
例えば、切削によって平面状に切り欠いた切欠き面38
が形成されている。また、切欠き面38は、スパナ等の
工具が係合可能な係合部となっている。即ち、雄ねじ2
0をインサート9の雌ねじ41にねじ込む又はねじ戻す
に際して、工具を切欠き面38に係合させると、工具の
操作によってホルダ10の回転を容易に行うことがで
き、インサート9のホルダ10への着脱作業性が良好と
なる。
【0028】磁石収納部27の最先端には小孔39が形
成されており、収納穴28と小孔39とに渡って常磁性
材料からなる端部プレート32が嵌合している。磁石2
9は、複数枚の板状磁石30を積層して構成されてお
り、磁石29の全体が収納穴28に収納されている。板
状磁石30と嵌入軸部21の先端部23との間には、シ
リコン樹脂で形成されたパッキン31が介装されてい
る。板状磁石30とパッキン31とが、嵌入軸部21の
先端部23と端部プレート32との間に挟持されてい
る。磁石29は、パッキン31の弾性によって収納穴2
8内にガタツキなく収納される。
【0029】保持部材12は、常磁性材料から形成され
る。保持部材12には、中心軸に沿った軸穴40が形成
される。保持部材12に軸穴40を形成することによっ
て、磁石29からの磁力線は筒状の保持部材12内を伸
びることになる。そのため、ホルダ10の磁石29が保
持部材12を吸着する磁力が安定する。また、軸穴40
は、成形時の可塑性物質のキャビティ4への充填に伴う
残留エアのエア排出のため、及び成形品を成形型1から
離型する圧力を与える圧縮空気の送り込みのために、エ
アの通路の一部として利用される。
【0030】成形型1にはエア通路42が形成されてお
り、エア通路42は取付孔13に開口している。保持部
材12の周面には溝46が形成されており、溝46と軸
穴40とは、貫通孔47によって連通している。成形型
1に固定された保持部材12に対して、エア通路42は
溝46に臨んでいる。可塑性物質をキャビティ4に注入
したときにキャビティ4内に存在していたエアは、ホル
ダ10と中空穴8とのエア溜まり43を通って保持部材
12の軸穴40に入り、エア通路42を通じて外部に排
出可能である。エア通路42は、また、成形後にホルダ
10を中空穴8から取り出すために、ホルダ10と中空
穴8との間の隙間にエアを送り込むのにも利用される。
エア通路42には、開閉制御されるバルブと圧縮空気源
(共に図示せず)が接続されている。
【0031】以下、インサート保持具を備えた成形機の
使用の態様について説明する。まず、成形型1の取付け
孔13の雌ねじ15に、保持部材12の雄ねじ14をね
じ込むことにより、保持部材12が成形型1に固定され
る。このとき、保持部材12の先端部44は、中空穴8
の底部と丁度面一になるか、極僅かの隙間を置いて中空
穴8に臨む位置を占める。次に、ホルダ10に対してイ
ンサート9が取付けられる。即ち、ホルダ10の取付け
部16のねじ軸部19をインサート9の雌ねじ41にね
じ込むことにより、インサート9がホルダ10に堅固に
固定される。このとき、スパナ等の工具をホルダ10の
切欠き面38に係合させると、ホルダ10をインサート
9に対して容易に取り付けることができる。
【0032】このようにして準備されたインサート9付
きのホルダ10が、成形型1の中空穴8に押し込まれ
る。ホルダ10が中空穴8の最深部にまで押し込まれた
状態で、ホルダ10の磁石収納部27に収納された磁石
29が、成形型1にねじ込まれて固定された保持部材1
2の先端部44に吸着し、小さな力ではホルダ10が成
形型1に対して移動しないように係合する。中空穴8内
に存在していたエアは、保持部材12の軸穴40からエ
ア通路42を通じて排出される。ホルダ10のOリング
34は、中空穴8の壁面とホルダ10の周面との間をシ
ールすると共に、Oリングの弾性によってホルダ10を
中空穴8内で妄動しないように保持する。なお、磁石2
9を構成する複数の板状磁石30は積層されているの
で、小型であっても磁力は強力であり、僅かな力ではイ
ンサート9が変位することはない。
【0033】なお、図示の例では、ホルダ10が保持部
材12に対して磁力で吸着されたときには、インサート
9は、凹部3の底面7に丁度当接して位置決めされてい
る。ホルダ10が成形型1に取り付けられてインサート
9が成形型1に保持され、一対の成形型1,1が突き合
わされて成形機の準備が完了した段階で、注入路6から
可塑性物質、即ち、エポキシ樹脂のような熱硬化性の合
成樹脂が、キャビティ4内に注入される。インサート9
と凹部3の底面7との当接領域の最もキャビティ4寄り
の位置には、シール45が設けられていて、キャビティ
4から流出しようとする可塑性物質の通過を防止してい
る。また、可塑性物質がシール45から万一漏洩したと
しても、Oリング34が封止する。
【0034】成形機の型枠48に設けられている加熱手
段49によって成形型1,1を加熱すると、可塑性物質
は加熱された成形型1,1によって加熱硬化され、可塑
性物質とインサート9とが一体化される。キャビティ4
内の可塑性物質は硬化する際に収縮し、そのためインサ
ート9には可塑性物質内への引込み力が作用するが、そ
の力が、磁石29の磁力に打ち勝つ程の大きな力となる
と、インサート9がホルダ10と共に成形型1,1から
抜き出る方向に変位することができるので、インサート
と硬化した可塑性物質との界面には大きな内部応力が残
らない。その後、両成形型1,1を互いに分離させる
と、一方の成形型1からホルダ10が取り付けられたま
まの状態で成形品が分離する。このとき、エア通路42
及び保持部材12の軸穴40を通じて中空穴8に圧縮空
気を供給して、この一方の成形型1からの成形品の離型
を補助してもよい。まだ離型していない他方の成形型1
からの成形品の離型は、他方の成形型1に備わるエア通
路42及び保持部材12の軸穴40を通じて圧縮空気を
中空穴8に供給することにより行われる。ホルダ10は
中空穴8から押し出され、ホルダ10がインサート9に
取り付けられたままの状態で他方の成形型1から取り出
される。ホルダ10の切欠き面38にスパナ等の適宜の
工具を係合させ、ホルダ10のねじ軸部19の雄ねじ2
0をインサート9の雌ねじ41からねじ戻すことによっ
て、インサート9を一体化した成形品からホルダ10を
分離することができる。分離したホルダ10は、別のイ
ンサート9に取り付けられて、再度の成形に用いられ
る。
【0035】以上、本発明によるインサート保持具を備
えた成形機の実施例を説明したが、本発明は、上記実施
例に限定されるものではなく、種々の変更をなし得るも
のである。即ち、上記の実施例において、インサート9
とホルダ10の着脱自在な連結構造をねじを用いたもの
として説明したが、当該連結構造は、ねじに限らず適宜
の手段を用いることができる。また、ホルダ10は、成
形型1に形成した中空穴8と嵌合するものとして説明し
たが、磁石29を利用して着脱自在であれば、必ずしも
中空穴8と嵌合するものでなくてもよい。また、磁石2
9はホルダ10に設けた実施例について説明したが、磁
石29を成形型1に設け、ホルダ10には磁石29で吸
着される常磁性部材又は、磁石29と引き合う極性に設
定した強磁性体を設けてもよい。また、可塑性物質は、
冷却により硬化する熱可塑性樹脂でもよいことは明らか
である。
【0036】
【発明の効果】この発明によるインサート保持具を備え
た成形機は、上記に説明した構成を有しているので、次
のような効果を奏する。即ち、この発明によるインサー
ト保持具を備えた成形機においては、インサートの成形
型への取付けはホルダを介して磁力によって行われるの
で、インサートを取り付けたホルダを成形型に取り付け
る構造及び取り付ける作業が、従来の取付けボルトによ
るものと比較して格段に簡素化される。また、成形作業
中においては、ホルダとインサートとは磁力によって成
形型に保持され、僅かな力ではインサートが成形型に対
して意図しない動きをすることもなく、成形不良品を生
じることがない。更に、ホルダは成形型に対して着脱可
能に取り付けられているので、可塑性物質とインサート
とが一体化された成形品は、ホルダに対して磁力に打ち
勝つ力を作用させることでホルダと一緒に成形型から取
り外すことができる。成形型から取り外された成形品に
おいて、ホルダとインサートとを分離すれば、所望の成
形品を得ることができる。
【0037】したがって、この発明によるインサート保
持具を備えた成形機によれば、従来の取付けボルトによ
ってインサートを成形型に取付けている成形機と比較し
て、取付けボルト自体を必要とせず且つ取付けボルトの
締め付け及び取外し作業も不要であるため、インサート
の成形型へ取り付けるための構造とその着脱の作業性が
格段に簡素化される。また、押し込み棒のような外部装
置を設けたり、型抜き具を成形型に貫通させて成形品を
押し出すことによって離型させている従来の成形機の場
合と比較しても、例えば、エアの圧力を利用して離型さ
せれば、外部装置や型抜き具のためのスペースが不要と
なり、成形機を格段に小型化することが可能となる。
【0038】また、この発明による成形機では、成形型
の内部又は表面に加熱手段や冷却手段を設ける必要がな
く、インサートを使用しない成形機と同様に、加熱手段
や冷却手段を設けた型枠によって成形型を加熱又は冷却
することができる。更に、取付けボルトによってインサ
ートを成形型に固定する従来のインサートの保持構造で
は、インサートが成形型に不動状態で固定されているた
め、インサートと硬化した可塑性物質との界面には可塑
性物質の収縮に起因して生じた内部応力が残存してしま
うが、この発明によるインサート保持具を備えた成形機
では、収縮する可塑性物質によってインサートを引き込
む力が磁石の磁力に打ち勝つ程の大きな力となると、イ
ンサートがホルダと共に成形型に対して変位するので、
成形品には大きな内部応力が残らない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるインサート保持具を備えた成形
機の一実施例における主要部を示す断面図である。
【図2】図1に示したインサート保持具を備えた成形機
に用いられるホルダと保持部材とを示す断面図である。
【図3】従来の注型機の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形型 4 キャビティ 8 中空穴 9 インサート 10 ホルダ 12 保持部材 29 磁石 34 Oリング 42 エア通路 43 エア溜まり 48 型枠 49 加熱手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型枠に保持された成形型、及び前記成形
    型に形成されたキャビティ内に注入されて成形される可
    塑性物質と一体化されるインサートを前記キャビティ内
    に配置した状態で前記成形型に保持するインサート保持
    具を備え、前記インサート保持具はインサートが取り付
    けられ且つ磁力によって前記成形型に着脱可能に取り付
    けられるホルダから成ることを特徴とするインサート保
    持具を備えた成形機。
  2. 【請求項2】 前記インサートは前記ホルダに対して着
    脱可能に取り付けらる請求項1に記載のインサート保持
    具を備えた成形機。
  3. 【請求項3】 前記成形型には前記キャビティに開口し
    且つ前記ホルダを挿入可能な中空穴が形成され、前記ホ
    ルダが前記中空穴内に挿入された状態で前記ホルダが前
    記成形型に対して吸着保持される請求項1又は2に記載
    のインサート保持具を備えた成形機。
  4. 【請求項4】 前記ホルダは非磁性材料から形成された
    ホルダ本体と前記ホルダ本体の挿入先端に設けられた磁
    石とを備えており、前記ホルダが前記中空穴内に挿入さ
    れた状態で前記磁石が前記中空穴の底壁部に対して吸着
    されることを特徴とする請求項3に記載のインサート保
    持具を備えた成形機。
  5. 【請求項5】 前記中空穴の底部には、一端を前記磁石
    に対向させ且つ内部に中空部を有する筒状の常磁性体か
    らなる保持部材が配置されている請求項4に記載のイン
    サート保持具を備えた成形機。
  6. 【請求項6】 前記ホルダは、前記保持部材の中空部を
    通じて供給されたエアの圧力により前記成形型から取り
    外される請求項5に記載のインサート保持具を備えた成
    形機。
  7. 【請求項7】 前記ホルダの表面又は前記中空穴の壁面
    には、エア溜まりが形成されている請求項6に記載のイ
    ンサート保持具を備えた成形機。
  8. 【請求項8】 前記ホルダの周面と前記中空穴の壁面と
    の間にはシール材が配置されている請求項3〜7のいず
    れか1項に記載のインサート保持具を備えた成形機。
  9. 【請求項9】 前記磁力は、複数枚の板状永久磁石が積
    層された磁石によって与えられている請求項2〜8のい
    ずれか1項に記載のインサート保持具を備えた成形機。
  10. 【請求項10】 前記型枠は、前記可塑性物質を硬化す
    るための加熱手段又は冷却手段を備えている請求項1〜
    9のいずれか1項に記載のインサート保持具を備えた成
    形機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102211371A (zh) * 2010-04-08 2011-10-12 三星电机株式会社 模具装置

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