JP2015517419A - 射出成形装置及び方法 - Google Patents

射出成形装置及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015517419A
JP2015517419A JP2015512671A JP2015512671A JP2015517419A JP 2015517419 A JP2015517419 A JP 2015517419A JP 2015512671 A JP2015512671 A JP 2015512671A JP 2015512671 A JP2015512671 A JP 2015512671A JP 2015517419 A JP2015517419 A JP 2015517419A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat sink
heat transfer
load bearing
molding
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015512671A
Other languages
English (en)
Inventor
ケー.ステンスバッド カール
ケー.ステンスバッド カール
レンドン スタンリー
レンドン スタンリー
エー.マーティンソン ポール
エー.マーティンソン ポール
キダン サミュエル
キダン サミュエル
ハードトル トーマス
ハードトル トーマス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2015517419A publication Critical patent/JP2015517419A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C2045/7393Heating or cooling of the mould alternately heating and cooling

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

射出成形に使用されるヒートシンクであって、後方セグメントを有する少なくとも1つの荷重支持経路を有し、ヒートシンクの少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンは、荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットされて、ヒートシンク。

Description

射出成形は、通常、プラスチック部品の作製に実施されている。そのような成形は、一般に、2つ以上の金型部品を使用し、これらは互いに組み合わされて(例えば、プラテン上で)成形キャビティを形成する。可能な場合、そのような金型部品は、概して静温度に維持され、その温度は、樹脂が急速に固化するように、キャビティ内に注入された融解樹脂を効率的に冷却する。複雑な部品の成形には、注入段階中、最適なフィーチャ複製を確実にするために高いキャビティ表面温度が必要であり得る。この必要性に対処するために、金型部品の一方又は両方は、時折、溶融樹脂をキャビティ内に注入する前に加熱され、そのため樹脂を注入した後、樹脂を十分固化させるように、金型部品の一方又は両方を冷却する必要があり得る。そのようなバリオサーム(variothermal)射出成形プロセスは、多くの場合、溶融樹脂自体から熱エネルギーを除去することに加えて、(加熱された)金型部品中に貯蔵された熱エネルギーを除去する必要があるため、サイクル時間が長くなる可能性がある。
本明細書の様々な態様では、射出成形に使用されるヒートシンクが開示され、そのヒートシンクは、後方セグメントを有する少なくとも1つの荷重支持経路を有し、ヒートシンクの少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分は、荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットされている。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下の詳細な説明により明らかになるであろう。しかしながら、そのような主題が、出願当初の願書にて請求項の中で提示されたか、補正後の請求項の中で提示されたか、又はさもなければ特許審査中に提示されたかには関係なく、如何なる場合にも、上記要約を請求可能な主題に対する制限として解釈すべきではない。
ヒートシンク支持体及び他の部品を伴う、本明細書に開示した代表的なヒートシンクの前方/側方部分分解斜視図である。 本明細書に開示した代表的なヒートシンクの前方/側方分解斜視図である。 本明細書に開示した代表的なヒートシンクの後方/側方分解斜視図である。 図3のヒートシンクの後方平面図である。 上部にキャビティインサートが位置するヒートシンク前側の側方概略断面図である。
様々な図面における類似参照番号は類似要素を表す。要素によっては、同じ又は同等のものが複数個存在するものがあり、その場合、1つ又は複数の代表的な要素のみが参照符合によって示されている場合があるが、こうした参照符合はすべてのこのような同じ要素に適用されるものであることは理解されるであろう。詳細には、一部の実施形態では、特定の部品が、互換可能なかつ/又は同じ複数物(例えば、対)として存在し得る。これらの部品について、「第1の」及び「第2の」という表記は、本明細書に記載されるように、使用の順序に適用してもよい(これを使用することは、どの部品が最初に使用されると選択されるかに無関係である)。
特に指定されない限り、本文献における全ての図面及び図は、一定の縮尺ではなく、本発明の異なる実施形態を例示する目的で選択される。特に、様々な部品の寸法は、指示のない限り、例示的な表現としてのみ記述され、様々な部品の寸法間の関係は、図面から推測されるべきではない。同一の、等しい、均一の、一定のなどの用語は、定量化可能な特性又は特質に適用されたとき、本明細書で別に定義しない限り、+/−5%以内を意味する特性又は特質に対する修飾語句として本明細書で使用するとき、用語「概ね」は、本明細書で別に定義しない限り、絶対的な精度又は完璧な一致を求めるものではないが、特性又は特質が当業者により容易に理解できるであろうことを表し(例えば、定量化可能な特性に関して+/−20%以内)、用語「実質的に」は、重ねて絶対的な精度又は完璧な一致を求めるものではないが、高度な近似を表す(例えば、定量化可能な特性に関して+/−10%以内)。
本明細書には、例えば射出成形に有用であり得るヒートシンクを開示する。ヒートシンクとは、射出成形システムの少なくとも1つの成形面に熱的に結合されることができ(またいくつかの実施形態では、その成形面を提供することができ)、また急速に加熱及び/又は冷却されて、ヒートシンクが結合されている成形面によって部分的に画定される少なくとも1つの成形キャビティ内へ及びそのキャビティから外へ熱エネルギーを移動することができるデバイスを意味する。代表的なヒートシンク1は、図1では前方/側方斜視図に示され、フレーム100がキャビティインサート200をヒートシンク1の前側10上に保持し、また図2では前方/側方斜視図に示され、フレーム100及びキャビティインサート200がヒートシンク1から分解されている。代表的なヒートシンク1は、更に図3では後方/側方斜視図に示され、封鎖プレート400がヒートシンク1から分解され、また図4では後方平面図に示され、ここでは封鎖プレート400が省略されている。
ヒートシンク1は、前側10及び後側40を含み、例えば図1〜5に示すように、前後軸「F−R」を含む。本明細書で使用されるとき、前部、前方(frontward)、前方に(frontwardly)、前部を向いた(front−facing)、最前部、前方(forward)、前方に(forwardly)、最も前方、前方を向いた(forward−facing)などの用語は、本明細書にて後述するように、ヒートシンクが第2のプラテンと組み合わされて、そのような成形キャビティを形成する際、成形キャビティに向かった方向を示す。そのような方向は、例えば図1〜3及び5の左側に向かう。後部、後方、後方に、最後部、後方に向いたなどの用語は、そのような成形キャビティから離れる方向を指す(例えば、図1〜3及び5の右側に向かう)。それ故、前後軸「F−R」は、例えば図1〜5に示すように、ヒートシンクを概ね前方−後方の方向に通過する軸を示す。
ヒートシンク1は更に横軸「L」を含み、横軸「L」は、広くは、概ねヒートシンク1の前側10と後側40との領域内に横たわる特定の方向に沿ってヒートシンク1の任意の部分を通って延びる任意の軸(線)を含むと定義される。そのような横軸は、例えばヒートシンク1の側方中心部(図2の代表的な実施形態では、中心貫通孔77で占められる)からヒートシンク1の側方縁部(図4の代表的な実施形態では、径方向の最も外側の側壁15により提供される)に向かって径方向外側に延びていてもよい。そのような横軸は、必ずしもヒートシンク1の側方中心部を通過する必要はない(例えば、ヒートシンク1の側方中心部を通過することなく、ヒートシンク1の一部分を側方に通過する弦であってもよい)。そのような横軸は、必ずしも直線でなくても差し支えない(即ち、そのような横軸は、弓形の経路、例えば周方向に延びる経路を含んでもよい)。そのような横軸は、多くの場合、ヒートシンク1の前後軸「F−R」に対して略直交し得るが、前後軸「F−R」に対して厳密に直交する必要はない。様々な例示的な横軸「L」を、図1〜4に示す。
横軸及び方向の用語は、後に導入される所定の概念(例えば、他の1つのフィーチャから「側方にオフセットしている」、又は他のフィーチャにより「側方を包囲されている」などのフィーチャの概念)がより容易に認識されるように提供される。本明細書に示す代表的な実施形態では、ヒートシンク1は略円形形状を有するが、そうでなくてもよいことが理解されるであろう。即ち、ヒートシンク1、その主本体16、ヒートシンク1の外側表面、及び/又はヒートシンク1上に位置決めされてた部品は、楕円形、矩形、正方形、不規則な形などを含む任意の都合のよい形状で提供され又はその形状に位置決めされててもよい。それ故、径方向、径方向外側、及び径方向内側などの用語、並びに環状、周方向に、などの用語は、記載の利便性のために使用され、厳密に円形形状である必要はない。しかしながら、いくつかの特定の実施形態では、ヒートシンク1、ヒートシンク1の部品、及び/又はヒートシンク1と共に使用されるデバイスは、明細書図面に代表的な図で示されるように概ね、又は実質的に、円形構成で提供され得る。
上記したように、ヒートシンクは、射出成形システムの少なくとも1つの成形キャビティ内に及びそのキャビティから外へ熱エネルギーを移動するように加熱及び/又は冷却され得る。本明細書に開示するように、そのようなヒートシンクは、例えば低い熱質量、及び高い熱伝導率を有し、かつ、射出成形システムの他の部品から少なくとも幾分、熱的に隔離されるように構成され得る。そのような特性は組み合わされて、特に溶融樹脂がいずれの位置でも約500マイクロメートルよりも互いに接近した概ね反対に向いた成形キャビティ表面に近接して(例えば、成形キャビティ表面の間に)流れ得る任意の状況において、射出成形の性能を大いに向上させ得る。(この文脈において、概ね反対に向いた、は、平面状の及び/又は互いに厳密に平行な金型表面に限定されず、例えば、そのような表面は、例えば互いに90度未満の任意の角度にあってもよい)。記載の便宜上、そのような状況は、本明細書で総じて「マイクロフロー」成形と称される。後により詳細に記載するように、そのようなマイクロフロー成形は、いくつかの場合に生じ得る。マイクロフロー成形では、本明細書にて後述するように、概ね反対に向いた成形キャビティ表面は、必ずしも異なる金型部品によって(例えば、射出成形プレスの所謂A側の部品及び所謂B側の部品から)供給されず、多くの場合、単一の金型部品の表面によって供給され得ることが留意される。
当技術分野にて実施されているマイクロフロー成形は、所望の射出成形の実践からの逸脱を必要とする場合が多いことが見出されている。従来、成形においては、注入された溶融樹脂が可能な限り急速に冷却及び固化され得るように、金型部品の一方又は両方を、内部の成形キャビティ(1つ又は複数)の十分な充填を達成する、可能な限り低い(概ね一定の)温度に維持することが望ましい。当技術分野のマイクロフロー成形では、溶融樹脂の注入前及び注入中に、金型部品の一方又は両方を高温に維持する必要があることが度々見出されている。これは、溶融樹脂が互いに接近している成形キャビティ表面の付近(例えば、間)を通過することによって、それぞれの(冷たい)成形キャビティ表面が近接している結果として溶融樹脂中に形成され得る凝固した外皮が、溶融樹脂の流れを妨げるためである。十分な金型充填を達成するためにこの金型部品の一方又は両方を加熱する必要性があり、次いで成形部品が完全に固化及び脱型され得るように、金型部品の一方又は両方を冷却する必要があり得る。それ故、マイクロフロー成形は、高い熱質量を有する比較的大きい金型部品を加熱及び冷却することを伴う可能性があるため、長い成形サイクル時間がもたらされる。
本明細書に開示したヒートシンクの使用はそのような欠点を緩和することができる。例えばヒートシンクを、射出成形システムの他の部品から(例えば、図1に示したヒートシンク支持体500から、また、上部にヒートシンク支持体が設置され得る金型基部及び/又はプラテンから)少なくとも幾分、熱的に隔離することができる、低い熱質量で高い熱伝導率の装置として設けることによりそれができる。このことは、本質的に、ヒートシンク(及び、勿論、ヒートシンクにより提供される少なくとも1つの成形面)のみが、許容可能な成形を確実にするために必要とされる全温度範囲に亘って加熱及び冷却する必要性を実現することができる。そのようなプロセスは、例えば数十キログラムの重量を有し得る従来の金属金型部品により提供され得るような従来の射出成形キャビティの、広い温度範囲に亘る加熱及び冷却よりも遙かに急速に実施することができる。
更なる実施形態では、本明細書に開示したマイクロフロー成形は、任意の位置において互いに約250、100、50、又は25マイクロメートルよりも接近した、概ね対面する成形キャビティ表面を含むことができる。
例えばマイクロフロー成形には高圧(例えば、200メガパスカル以上もの)が関与する可能性があるため、本明細書に開示したヒートシンクは、1つ又は複数の荷重支持経路を備える。ヒートシンクのそのような荷重支持経路は、ヒートシンクが射出成形システム内に使用された際に形成される成形キャビティを交差するように構成することができる。「交差する」とは、荷重支持経路がヒートシンクから前方へ延長された際、成形キャビティの画定を助けるヒートシンクの表面の少なくとも一部分を通過することを意味する(そのような表面が例えばヒートシンクの主本体の表面、又は、ヒートシンクの主本体の前側に位置決めされてる、本明細書にて後述するキャビティインサートなどの部品の表面のいずれであっても)。そのような荷重支持経路を提供することによって、ヒートシンクの他の部品(例えば、脆弱であり得る動的伝熱構造)の、そのような強い力に対する暴露を最小限にすると共に、強い力を成形キャビティの局所領域内に伝達するのにヒートシンクを使用することができるようにする(したがって、例えば、溶融樹脂を、その樹脂がキャビティから漏洩することなく、高圧でキャビティ内に注入することができる)。様々な実施形態において、荷重支持経路(1つ又は複数)は、ヒートシンクの前後軸に略平行して(ヒートシンクの前後軸に対する厳密な平行の約30度以内を意味する)延びてもよい。特定の実施形態において、荷重支持経路(1つ又は複数)は、ヒートシンクの前後軸に対して厳密に平行に配向されてもよい(前後軸「F−R」に対して厳密に平行に配向される図5の代表的な荷重支持経路「L−B」に示すように)。本明細書に開示するように、そのような荷重支持経路(1つ又は複数)は、ヒートシンクの熱隔離を最大に維持し又は向上させる方法で提供することができる。
上述したように比較的高い射出圧力の使用を可能にするために、荷重支持経路は、キャビティの略対向面上の成形キャビティ表面(即ち、ヒートシンクにより提供される成形キャビティ表面と、本明細書にて後述する金型部品の「B」側により提供される成形キャビティ表面)の相対的な動きを最小限にするように設計されてもよい。当業者は、分割線を形成する金型部品の接触表面が、金型部品を互いにクランプするプロセス中に「予備荷重」され得るため、続いて溶融樹脂を注入する圧力が予備荷重を超えないことを認識するであろう(予備荷重を超えると、接触表面間に間隙が形成され得るため、間隙内への溶融樹脂の許容不可能なフラッシングが生じる可能性がある)。これを達成するために、荷重経路は、ピーク射出圧力を乗じた成形キャビティの投影面積よりも大きい圧縮(予備)荷重に耐え抜くことできる必要性がある。本明細書に記載したヒートシンクは、例えば20000psi以上(137.90MPa)のピーク樹脂射出圧力(成形キャビティ内で測定して)が関与する(それ故、そのような射出圧力で使用するのにふさわしい予備荷重が関与する)射出成形操作に使用されることが望ましい可能性がある。それ故、様々な実施形態では、本明細書に記載したヒートシンクは、少なくとも15000、20000、25000、又は30000psi(少なくとも103.42MPa、137.90MPa、172.37MPa、又は206.84MPa)の射出圧力(荷重経路により支持された成形キャビティ内で測定して)に耐え得る1つ又は複数の荷重経路を備えるように構成することができる。ヒートシンクの(例えば、比較的脆弱な)動的伝熱構造体が荷重経路(1つ又は複数)から実質的に隔離され得る、本明細書に提示した設計は、これを達成することが可能であり得ることを認識するであろう。
溶融樹脂に接触するヒートシンクの全部分が荷重支持経路と必ずしも交差し得ないことを認識するべきである。例えばヒートシンク内にランナーなどが設けられた場合、例えばランナーを含むヒートシンクの領域は、必ずしも荷重支持経路により支持されない場合がある。しかしながら、いくつかの実施形態にて所望される場合、本明細書にて後述するように、例えばランナーのために第2の荷重支持経路が設けられてもよい。
更に詳細には、ヒートシンク1は、基部部分30を有する主本体16を含んでもよく、基部部分30は、側方に連続し、例えば厚さ約1〜約15mmであってもよい。主本体16は、ヒートシンク1の前側10の前部主表面11の少なくともいくらかの部分を提供する前方を向いた表面を含んでもよい(例えば図2に示すように)。ヒートシンク1は、図2に示すように、例えばヒートシンク1の主本体16の径方向に最も外側の側壁15により提供されるような、径方向に最も外側の側壁を有することができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク1及びその主本体16は、ヒートシンク1及びその主本体16の最大の前後方寸法よりも大きい(例えば、2、4、又は8の係数により)最大側方寸法を有することができる。
ヒートシンク1の前側10は、少なくとも1つの(例えば複数の)荷重支持領域を含んでもよく、その領域は、いくつかの実施形態では図2に示すように、都合よくは前方に突出したボス12の形態を有してもよい。様々な実施形態では、そのようなボスは、少なくとも0.1、0.2、0.4、又は1.0mm、前方に突出してもよい。更なる実施形態では、そのようなボスは、最大10、5、2、又は1.0mm、前方に突出してもよい。そのようなボスは、任意の都合のよい側方形状を有してもよい(図2の代表的な実施形態には、円形形状が示されている)。いくつかの実施形態では、例えば基部30、外側側壁15、及びボス12(並びに後述する様々な動的伝熱フィン)を含む主本体16は、一体型の主本体であってもよく、即ち、主本体及び上記に列挙した部品は、後に互いに取り付けられる別々に作製された部品を含むのではなく、同一の材料片で作製されている。いくつかの実施形態では、ヒートシンク1の主本体16と共に使用され得る(便宜上、組み立てられたヒートシンク1の部品と称され得る)キャビティインサート、荷重支持部材、フレーム、ねじなどの他の部品は、必ずしも主本体16と一体的でなくてもよく、例えば主本体16に直接又は間接的に取り付けられ得る、別々に作製された部品であってもよい。
ヒートシンク1の前側10は、少なくとも1つの成形面205を含んでもよく、いくつかの実施形態では、複数の個別の成形面を含んでもよい(図1及び2の代表的な実施形態では、8個のそのような表面205が示されている。個別の成形面とは、互いに物理的に分離しているため、同一の完成部品の表面を成形しない成形面を意味する。そのような表面は、例えばボス12の前方に向いた位置上に都合よく提供することができる。いくつかの実施形態では、そのような成形面は、ボス12の前面に設置できる1つ又は複数のキャビティインサート200(例えば図1及び2に示す)により提供されてもよい。キャビティインサートは、図1及び2の代表的な実施形態に示すように、フレーム100によって定位置に保持することができる。
上述したボスは、キャビティインサートをヒートシンクの荷重支持経路内に設置することができる、都合のよい方法の単なる1つであることを認識するであろう。そのようなボス(1つ又は複数)は必ずしも必要なく、それ故、それらは、いくつかの実施形態では存在しなくてもよい、及び/又はいくつかの他の構造(例えば、内部にキャビティインサートが設置できる、ヒートシンク主本体の前方表面内の浅いキャビティ)で置き換えられてもよい。
ヒートシンク1は少なくとも1つの荷重支持経路を含み、その経路は、射出成形システムの成形キャビティ上に対する力を局所的に伝達するように使用することができる。図2の前方/側方図に示す例示的な例を参照すると、そのような荷重支持経路は、ヒートシンク1のキャビティインサート200を通過し、ヒートシンク1の主本体16のボス12を後方に通過し、ヒートシンク1の前後軸に沿ってボス12の下に存在する、ヒートシンク1の主本体16の基部30の領域を更に後方に通過する前方セグメントを含んでもよい。図3の後方/側方分解図を参照すると、そのような荷重支持経路は、(ボス12の下に存在する、主本体16の基部30の領域から後方へ継続するときに)後方セグメントを含んでもよく、その後方セグメントは、例えば、ヒートシンク1の後側40上に設けられた荷重支持部材90により提供されてもよい。いくつかの実施形態では、荷重支持部材90は、ヒートシンク1の主本体16と一体化されていてもよい。しかしながら、別の実施形態では、荷重支持部材90は、ヒートシンク1に(例えば、ヒートシンク1の主本体16の後側に)取り付け可能な、別個に作製された部材であってもよい。明かとなるように、別個に作製された取り付け可能な部材90の使用により、部材90を主本体16とは異なる材料で作製することができ、このことは少なくともいくつかの実施形態では著しい利点を提供し得る。
ヒートシンク1、例えばヒートシンク1の主本体16の後方側は、図3及び4に示すゾーン50により例示されるような、少なくとも1つの動的伝熱ゾーンを構成する。動的伝熱ゾーンとは、ゾーン50が動的(移動する)伝熱流体と熱エネルギーを交換するように構成されている複数の動的伝熱フィンを含むことを意味する。そのような流体は、気体(例えば、空気、窒素、蒸気など)又は液体(例えば、水、油など)であってもよい。用語、動的伝熱フィンは、本明細書ではヒートシンク1の基部30から(例えば略後方に)突出する任意の構造体を意味するとして広く定義され、その構造は、フィン高さ(基部30から後方に突出するフィンの平均距離を意味する)対フィン幅(フィンの最短軸に沿った、そのフィンを横切る平均距離を意味する)の高いアスペクト比(伝熱フィンの状況では、少なくとも2:1を意味する)を有し、その最短距離は、多くの場合、高さ軸に略直交する軸に沿っているであろう)。様々な実施形態において、そのようなフィンのアスペクト比は、少なくとも3:1又は5:1であってもよい。ヒートシンク1の様々な代表的なフィンは、本明細書にて更に詳細に後述する。
動的伝熱フィンは、定義によれば非荷重支持であり、非荷重支持とは、本明細書に開示したヒートシンクを含む射出成形システムの2つのプラテンが圧力下で互いに組み合わされた際、ヒートシンクを通過する全ての力の5%未満が、個々に又は集合的に動的伝熱フィンを通って伝わることを意味する。それ故、いくつかの実施形態では、ヒートシンク1を通過する力の本質的に全部(例えば、95%超)が上述した荷重支持経路(1つ又は複数)(例えば、荷重支持部材(1つ又は複数)90により提供される)を通って伝達される。ある場合には、成形キャビティ(1つ又は複数)に付与される荷重(1つ又は複数)に加えて、1つ又は複数の他の位置に荷重が付与され得ることに留意すべきである。例えば、例えば本明細書にて前述したようにランナーからのフラッシングを最小限にする目的で、成形キャビティを交差しない別個の、独立した荷重支持経路に沿って第2の荷重を提供してもよい。任意のそのような第2の荷重支持経路(1つ又は複数)は、同様に、ヒートシンク1を通過する全ての力の5%を超える任意の力が動的伝熱フィンを通過することをもたらさないであろう。
図3に示す一般的なタイプの代表的実施形態では、ヒートシンク1の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分は、ヒートシンクの成形キャビティを交差する少なくとも1つの荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットしていてもよい。図3の代表的な設計では、動的伝熱ゾーン50の少なくとも動的伝熱領域60及び70(領域60及び70は、本明細書にて後に詳細に記載する)が、荷重支持部材90により提供される荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットしていることが明かである。更なる実施形態では、動的伝熱ゾーンの全部分が、そのような荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットしていてもよい。
図3に示すタイプの特定の実施形態では、荷重支持経路の少なくとも後方セグメントは、別々の荷重支持経路の任意の他の荷重支持部材と直接接触していなくてもよい。そのような実施形態では、荷重支持経路の後方セグメントは、ヒートシンク1の後側40の非加重支持の動的伝熱ゾーン50の部分により側方を包囲されていてもよい。側方を包囲される、とは、そのセグメントが非加重支持の動的伝熱ゾーン50によって全側方側(例えば、そのセグメントから径方向内側、径方向外側、及び両方の周方向)が包囲されることを意味する。図3の代表的な設計では、荷重支持部材90により提供される荷重支持経路の後方セグメントの全部が非加重支持の動的伝熱ゾーン50によって側方を包囲されていることが明かである。
いくつかの実施形態では、多数の荷重支持経路が提供されてもよい。任意の上述したそのような荷重支持経路の前方セグメントは、多くの場合、主本体16の基部30の領域(例えば、特定の成形面/キャビティから直接後方に位置する基部30の領域)により提供され得ることが認識されるであろう。例えば図2に示すように、いくつかの実施形態では、基部30は、側方に連続していることができる。それ故、そのような設計では、多数の荷重支持経路が存在する場合、側方に連続する基部30の領域により提供される荷重支持経路の前方セグメントは、基部30の他の領域により提供される他の荷重支持経路の前方セグメントから必ずしも分離していない可能性がある。上述した基部30の荷重支持領域により提供され得るような、そのような荷重支持経路の非分離のセグメントは、本明細書に開示したように提供され得る個別の荷重支持経路セグメントと対比されてもよい。例えば、図3に示す代表的な実施形態では、ヒートシンク1の主本体16に取り付けられ、主本体16から後方に延びる多数の荷重支持部材90が提供されている。(図3では、明確さのために、そのような部材90の8個のうち2個のみが実際に示され、6個は省略されている)。各荷重支持部材90は、荷重支持経路の後方セグメントを提供し、いくつかの実施形態では、そのような後方セグメントのそれぞれは、隣の荷重支持経路のいずれの後方セグメントにも側方に接続されない場合がある。そのような後方セグメントのそれぞれは、図3の代表的な実施形態の場合のように、非加重支持の動的伝熱ゾーン50の一部分により、隣の荷重支持経路の後方セグメントから分離されていてもよい。そのような分離された荷重支持経路セグメントは、「個別の」荷重支持経路セグメントと称される。用語、個別の、は、各後方セグメントが隣の荷重支持経路の後方セグメントと直接接触しないことを意味するよう使用され、この用語は、後方セグメントが、例えば、それ自体の荷重支持経路の前方セグメントと直接接触しないという意味を含むものではないことが留意される。
個別の後方セグメントを有する任意の好適な数の荷重支持経路を使用することができる(例えば、2、3、4、5、6、8、又はそれ以上)。個別の後方セグメントを有するそのような荷重支持経路は、例えば、それぞれヒートシンク1の主本体16に取り付けられ、又は主本体16と一体化した複数の荷重支持部材90(用語「部材」は幅広く定義され、任意の特定の形状を必要としない)により提供され得る。取り付け可能な荷重支持部材90は、ヒートシンク1の主本体16に任意の好適な方法で直接又は間接的に取り付けられ得る。図1及び3に示す一般的なタイプの実施形態では、荷重支持部材90は、ヒートシンク主本体16のスリーブ82により画定されたレセプタクル84内に圧入(例えば、締まり嵌めを用いて)され得る。後述するように、例えばねじなどの機械的な締結具を使用して、そのような取り付けを実施するか又は増強してもよい。しかしながら、要約すれば、都合のよい任意の取り付け方法を使用することができる(例えば接着剤、溶接、締まりばめ、例えば1つ又は複数のねじを介した機械的締結、クリップ、クランプ、バンドなどを含む)。
荷重支持部材90が、高い圧縮強さ(部材が、機能しなくなる前に耐えることができる合計荷重の目安)、及び/又は高い弾性率(所定の応力に応答して部材が有するであろう、耐変形(歪み)性の目安)を有することが有利であり得ることを認識するであろう。好ましい材料は、高い圧縮強さ及び高い弾性率を所有し得る。荷重支持部材90の少なくとも幾分かの部分がヒートシンク1の主本体16の表面と直接接触し得る(例えば、荷重支持部材90の前方を向いた表面91がヒートシンク1の主本体16後方に向いた表面86と直接接触し得る)ことも認識するであろう。他の部分(例えば、荷重支持部材90の後方に向いた表面92)が射出成形システムの1つ又は複数の他の部品(例えば、本明細書にて後述するヒートシンク支持体500)と接触し得ることも更に認識するであろう。それ故、荷重支持部材90は、ヒートシンク1の熱的隔離を不必要に低減し得る潜在的な熱漏洩経路に相当する。それ故、(前述した高い圧縮強さ及び/又は高い弾性率に加えて)、荷重支持部材90が、例えばヒートシンク1の主本体16が作製されている材料と比較して、低い熱伝導率を有する材料から構成されることが有用であり得る。様々な実施形態において、ヒートシンク1の主本体16に取り付け可能な荷重支持部材は、ヒートシンク1の主本体16が作製されている材料の熱伝導率よりも、少なくとも30%、40%、50%、又は70%の係数にて低い熱伝導率を有する材料で作製される。上記の係数を考慮すると、様々な実施形態において、荷重支持部材90は、例えばセラミック材料、チタンなどの低熱伝導率金属から選択され得る(一方、ヒートシンク1の主本体16は、例えば銅又は銅合金で作製されてもよく、例えば少なくとも100、200、250以上ワット/メートル/℃の熱伝導率を含んでもよい)。
様々な実施形態において、取り付け可能な荷重支持部材90は、その荷重支持軸(その軸は、インサートプラグがヒートシンク1に取り付けられた際、ヒートシンク1の前後軸と略整列してもよい)に沿って少なくとも約2、4、8、又は12mmの長さを含んでもよい。更なる実施形態では、荷重支持部材90は、最大約60、30、又は10mmなどの長さを含んでもよい。特定の実施形態では、荷重支持部材90は、円筒(例えば図3に示すように)を構成してもよい。荷重支持部材90は中実であってもよく、又はそれを通って延びる(例えば、その荷重支持軸及び/又は前方/後方軸に沿って)貫通孔を含んで、上述したように、ヒートシンク1の主本体16に取り付けるのに使用し得るねじの軸部を収容してもよい。存在する場合、そのような貫通孔は、荷重支持部材90の圧縮強さを許容できない程落とすべきではない。
いくつかの実施形態では、荷重支持経路の後方セグメントの投影面積は、荷重支持経路が交差する成形面(ヒートシンクにより提供される)の領域の少なくとも60%であってもよい(またいくつかの実施形態では、その成形面に少なくとも60%重なってもよい)。そのような投影面積は、荷重支持経路の後方セグメントを提供する荷重支持部材に沿ったいずれかの場所で、荷重支持部材の断面荷重支持領域を選択することにより得られてもよい(そのような領域は、荷重支持経路に略垂直な面に沿って荷重支持部材を通して切り分けることにより生成されてもよい)。いくつかの実施形態では、投影面積は、荷重支持部材の前方−後方長さに沿った他の位置と比較して最小の断面積を有する、荷重支持部材の前方−後方長さに沿った位置から取られてもよい。次いで、選択された領域を、特定の荷重支持経路により支持されるヒートシンクの成形面の投影面積との比較のために前方に突出させて、2つの領域、及び/又は重なり合いの量の比を決定してもよい。比較のための都合のよい評価基準として、荷重支持部材の投影面積と、ヒートシンクの成形面の投影面積とを、ヒートシンクの成形表面支持部品と、成形キャビティの形成においてヒートシンク金型部品と合わせる部品(例えば、本明細書にて後述するB側金型部品)との間の分割線に対して突出(前方)させることができる。特定の例として、荷重支持経路の後方セグメントのそのような投影面積は、例えば、荷重支持経路に沿って前方に投影した(その経路の後方部分は、プラグ90により画定される)チタンプラグ90(図3に示すような)の後面92の領域であってもよい。成形面のそのような投影面積は、例えばキャビティインサート200の表面205の領域であってもよい(図1、2及び5に示すように)。両方の領域は、比較のために図5に示すように、キャビティインサート200と金型部品600との間の分割線へと前方に突き出ることができる。
更なる実施形態では、そのような荷重支持経路の投影面積は、成形面に交差する投影面積の少なくとも80%、90%、95%、又は100%、であってもよい(いくつかの実施形態では、重なってもよい)。特定の実施形態では、荷重支持経路のそのような投影面積は、荷重支持経路が交差する成形面を完全に取り囲んでもよい(例えば、例えばチタンプラグの領域が、そのプラグが支持する成形面の投影面積よりも大きい場合)。そのような実施形態では、荷重支持経路の後方セグメントの投影面積は、荷重支持経路が交差する成形面の投影面積の少なくとも例えば100%、110%、120%、又は140%であってもよい。(荷重支持部材が空所を含む(例えば、図3に示す代表的な荷重支持部材90のように、ねじ軸部を収容する貫通孔を含む)場合、その空所は、荷重支持部材の投影面積の計算に計上してよい。)
図1の代表的な実施形態に示すように、ヒートシンク1は、ヒートシンク支持体500により後部(即ち、ヒートシンク1の成形面から離れる方向)から支持されてもよい。ヒートシンク1は、そのような取り付けがヒートシンク1の熱的隔離を許容できない程犠牲にされない限り、任意の好適な方法でヒートシンク支持体500に取り付けられてもよい。
図1、3、及び4に示す一般的なタイプでは、そのような取り付けはねじ515により実施されてもよい。ねじ515は、それぞれ、ヒートシンク支持体500内に設けられた前方−後方貫通孔506を通過する軸部を含み、ねじ515は、貫通孔506を通過するには大きすぎるためにヒートシンク支持体500の後側502上に存在するように構成されている拡大ヘッドを含む。各ねじ515の軸部は、荷重支持部材90の貫通孔93を前方に通過し、ねじ山がついたねじの前方末端部は、ヒートシンク主本体16のスリーブ82により画定されるレセプタクル84の後方に向いた表面86内の、ねじ山がついた行き止まり(dead-end)孔85内に螺合される。それ故、ねじ515を締めることにより、荷重支持部材90がヒートシンク1の後側40の後面に向かって引寄せられる(詳細には、荷重支持部材90の前方を向いた表面91が、ヒートシンク1のレセプタクル84内のヒートシンク1の後方を向いた表面86に向かって引寄せられて、それらの間に荷重支持界面を提供する)。そのようなねじ締めはまた、荷重支持部材90の後方表面92を、ヒートシンク支持体500の前方を向いた表面504に向かって引寄せる。それ故、この代表的な方法では、ヒートシンク1は、ヒートシンク支持体500により支持され得るように、ヒートシンク支持体500に取り付けることができる。そのような取り付けは、ヒートシンクと共に使用される、射出成形システムのプラテンを閉鎖するプロセス中にそのヒートシンクに適用される圧縮力にヒートシンクが耐え抜く能力に必ずしも影響を与えないことがを認識されるであろう。しかしながら、そのような取り付けは、成形システムのプラテンが互いから離れるように移動して、金型を開放する際、ヒートシンク1が射出成形システムのプラテンの金型基部上の定位置に十分に残留することを確実にし得る。
上記の実施形態において、ヒートシンク支持体500に対するヒートシンク1の取り付け地点は、上記に開示したように荷重支持経路内に存在することが認識されるであろう。機械的な取り付け(例えば、ねじ)が上記に例示されたが、任意の好適な取り付け方法を使用することができることを認識するであろう(例えば、接着剤、溶接など)。いくつかの実施形態では、取り付け地点が上記に開示したように荷重支持経路内に存在する、ヒートシンク支持体500に対するヒートシンク1の取り付けが、ヒートシンク1がヒートシンク支持体500に取り付けられる唯一の方法であってもよい。別の実施形態では、1つ又は複数の追加の取り付けが提供されて、例えばヒートシンク支持体500に対するヒートシンク1の取り付けの安定性を向上させてもよい。例えば、図1の代表的な実施形態では、ヒートシンク1の径方向の最も外側の周辺部は、ヒートシンク支持体500の環状レッジ519に取り付けられている。図示した実施形態では、ヒートシンク1は、径方向外側に延びる突出部18を含み、その突出部18は貫通開口部19を含み、ねじ516が、その開口部19を通して延びてもよく、ヒートシンク支持体500の環状レッジ519内のねじ孔521にねじ込式に取り付けされてもよい。図示した実施形態では、ヒートシンク1の突出部18の後方に向いた表面と、ヒートシンク支持体500の環状レッジ519との間に、環状スペーサー300が提供され、それにより例えばスペーサー300の前面301がヒートシンク1と接して存在し、スペーサー300の後面302がヒートシンク支持体500のレッジ519と接して存在する。そのような配置は、ヒートシンク支持体500からのヒートシンク1の熱的隔離を向上させ得る。スペーサー300は、任意の好適な材料、例えば比較的低い熱伝導率(例えばヒートシンク1の主本体16が作製され得る銅などと比較して)を含む材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、スペーサー300は、鋼で作製されてもよい。作製される材料に係わらず、存在する単一の界面が、ヒートシンク支持体500と直接接触するヒートシンク1のみであることと比較して、熱エネルギーがそれをわたって伝導されなければならない2つの界面を提供することのみによって、スペーサー300はヒートシンク支持体500からのヒートシンク1の少なくとも幾分かの有益な熱的隔離を提供することができる。スペーサー300は、上述したねじ516を用いてスペーサー300が定位置に固定され得る貫通孔303を含んでもよく、又はスペーサー300は、任意の好適な方法でヒートシンク1とヒートシンク支持体500との間に挟まれてもよい(例えば、スペーサー300は、部分的に又は完全にヒートシンク1及び支持体500により適用される圧力により保持されてもよい)。
いくつかの実施形態では、ヒートシンク支持体500に対するヒートシンク1の取り付け地点のいくつか又は全部は、ヒートシンク1のいずれの荷重支持経路も取り付け地点を通過しないように、ヒートシンク1の荷重支持経路から側方に離れて(例えば、径方向内側に離れて、径方向外側に離れて、及び/又は周方向に離れて)位置してもよい。(即ち、そのような実施形態では、荷重支持部材90の後方を向いた表面92は、部材90が必ずしもヒートシンク支持体500に取り付けられずに、ヒートシンク支持体500の前方を向いた表面と接触してもよい)。
ヒートシンク支持体500は、ヒートシンク1を収容し、ヒートシンク1の効率的な機能を高める他のフィーチャを含んでもよい。図1に示す特定の実施形態では、ヒートシンク支持体500は開放端を有する、前方を向いたレセプタクル503を含み、レセプタクル503は、荷重支持部材90の最後部部分を受容するように構成されている(また、上述したように、レセプタクル503内にて荷重支持部材90の後方に向いた表面92が当接し得る前方を向いた表面504が提供されてもよい)。そのようなレセプタクル503は、荷重支持部材90を定位置に保持する安定性を向上させ得る。また図1に示すように、ヒートシンク支持体500の前側501は、ヒートシンク1の主本体16を受け入れるように構成されている、開放端を有する、前方に向いたキャビティ510を含むことができる。キャビティ510は、例えばヒートシンク支持体500の径方向内側に向いた表面が、ヒートシンク1の径方向に最も外側の側壁15を周方向に包囲するような形状及びサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、表面511と側壁15の外側表面とは、互いに密接に当接してもよい(例えば、4、2、1、又は更には0.5mm以内に)が、ヒートシンク1の熱的隔離を向上させるために、表面の殆ど又は全部が実際に互いに接触しないことが望ましい可能性がある。ヒートシンク支持体500は、1つ又は複数の貫通孔を含んでもよく、その貫通孔を通して、ヒートシンク1に動的加熱又は冷却流体を供給する管継手が挿入されてもよい(内部を管継手564が挿入され得る貫通孔518により例示されるように)。ヒートシンク支持体500は、1つ又は複数の貫通孔(例えば、513)も含んでもよく、その貫通孔を通して、例えば1つ又は複数の任意選択の静的加熱及び/又は冷却要素に電力を供給するのに使用される電線を通すことができる。尚、更に、ヒートシンク支持体500は、内部を射出成形ノズルが挿入され得る1つ又は複数の貫通孔(中心部が側方に置かれるオリフィス517により例示される)を含んでもよい。尚、更に、ヒートシンク支持体500は、1つ又は複数の入口及び出口(例えば、514)を含んでもよく、その入口及び出口により、加熱又は冷却流体がヒートシンク支持体500の中空の内部空間内へ、またチャネル内へなどに循環されてもよく、それによって、所望によりヒートシンク支持体500の温度を制御することができる。ヒートシンク支持体500は、射出成形操作中にヒートシンク1を支持するのに十分な機械的強度を有する任意の好適な材料で作製されてもよい。例えば、銅又は銅合金などの金属を使用してもよい。
ヒートシンク1の前側10は、ヒートシンク1が、本明細書に開示したように、射出成形システム内で使用された際、成形キャビティの少なくとも一部分を画定する少なくとも1つの成形面205を備える。いくつかの実施形態では、ヒートシンク1の前側10は、複数の個別の成形面205を備えてもよく、各成形面205は、ヒートシンク1の複数の荷重支持経路の別個の荷重支持経路を交差する。いくつかの実施形態では、各個別の成形面205は、ヒートシンク1の主本体16の前側10から前方に突出する複数の個別のボス12の中の1つの前方に向いた位置上に個々に提供されてもよい。
いくつかの実施形態では、そのような個別の成形面のそれぞれは、前方に突出したボス12の前面上に個々に位置決めされ得るキャビティインサート200(例えば図1、2及び5に示すように)により提供されてもよい。各キャビティインサート200は、成形面205を提供する前面201と、ヒートシンク1の主本体16の前面(例えば、ボス12の前面)と直接接触し得る後面202とを含んでもよい。この方法では、キャビティインサート200とヒートシンク1の主本体16との間に密接な熱的接触が確立されて、それらを互いに熱的に結合し得る。図5に示し、また本明細書にて後に更に詳細に述べるように、上部にキャビティインサート200を有するヒートシンク主本体16が第2の金型部品600と互いに組み合わされた際、各キャビティインサート200の成形面205は、第2の金型部品600の表面部分(例えば表面601)と組み合わされて、成形キャビティ604を提供し得る。
キャビティインサート200は、熱エネルギーが(例えばヒートシンク主本体16から)キャビティインサートを通してその成形面に十分に伝達されるように、十分な熱伝導率を有する必要がある。しかしながら、キャビティインサート200は必ずしもヒートシンク1の主本体16ほど高い熱伝導率を有する材料から作製される必要はないということが見出された。即ち、熱エネルギーが伝導する必要があり得る、キャビティインサート200の本体を通してキャビティインサート200の成形面205に到達する経路の長さ(図5に示すように、キャビティインサート200の後面202から成形面205までの距離により例示される)は、非常に短く、例えば0.5ミリメーター以下であってもよい。そのような短い経路長によって、キャビティインサート200の熱伝導率がヒートシンク1の主本体16の熱伝導率と同じくらい高いことが最重要ではない場合がある。またキャビティインサート200が、射出成形のプロセス中、キャビティインサート200に適用される非常に強い力に耐え抜くために、非常に硬く強い材料で作製されることが有利であり得る。それ故、ヒートシンク1の主本体16が例えば銅又は銅合金(例えば260ワット/メートル/℃の範囲内の熱伝導率を有する)である場合、キャビティインサート200は、非常に硬く強い、かつ銅よりも低い熱伝導率を有する材料で作製されてもよい。そのような材料としては、例えば工具鋼、ニッケル、又は更にはセラミック材料が挙げられる。
1つ又は複数のキャビティインサート200は、図1、2及び5の代表的な実施形態に示すように、フレーム100により定位置(例えば、ボス12上)に保持されてもよく、フレーム100は、ヒートシンク1の主本体16の前側11の前方に位置決めされててもよく、ヒートシンク1の主本体16に取り付けられて、各キャビティインサートを定位置に保持することができる。例えば、フレーム100は、例えば図2及び5に最も明確に示されるように、キャビティインサート200を受容するように構成されている貫通開口部103を含んでもよく、その貫通開口部103のそれぞれは、キャビティインサート200のリップ204と重なり合い及び当接するように構成されているフランジ104を有することができる。フレーム100は、例えば、フレーム100のねじ孔106を通過し、ヒートシンク1の主本体16のねじ山がついたレセプタクル17(図2に示す)に取り付けられるねじ(図1に示すが、付番されていない)によって、ヒートシンク1に取り付け可能であることができる。(図1の図では、ねじは定位置にあるため、フレーム100はヒートシンク1に取り付けられており、図2の図では、フレーム100はヒートシンク1から分解され、ねじは明確さのため省略されている)。
フレーム100は、前方を向いた表面101と後方に向いた表面102とを含んでもよく、少なくとも1つの貫通孔105(その貫通孔105は、フレーム100がヒートシンク1と一体化された際、ヒートシンク1の貫通孔77及び/又はヒートシンク支持体500の貫通孔517と整列でき、それにより例えば射出成形樹脂供給ノズルが内部に挿入され得る)を含むことができる。フレーム100はヒートシンク1の主本体16の主表面11の少なくとも幾分かの部分に直接当接してもよく、又は、フレーム100の少なくとも幾分かの領域内にて、フレーム100の表面と主本体16の表面との間にギャップ(例えば、エアギャップ)が存在してもよい。即ち、後者のタイプの実施形態では、フレーム100は、ヒートシンク1の主本体16と大幅に接触することなく、キャビティインサート200(及び場合により、静的加熱及び/又は冷却要素20)の表面と接触し得る。フレーム100の後方を向いた表面102とヒートシンク1の主本体16の前方を向いた表面11との間にエアギャップが設けられたそのような配置は、図5に示されている。いくつかの実施形態では、上述したように、断熱弾性層であってもよい弾性層が、フレーム100の幾分かの部分と、ヒートシンク1の主本体16との間(並びに/又はフレーム100の幾分かの部分と、場合による静的加熱及び/若しくは冷却要素20との間)に設けられてもよい。
フレーム100及びキャビティインサート200は、射出成形プロセスのプラテンが高圧で互いに組み合わされた際、キャビティインサート200の最も前方の表面100が、(ヒートシンク1の「F−R」軸に沿って)キャビティインサート200の最も前方の表面201とほぼ平らに、又は、その表面201から僅かに後方に位置決めされて得るように構成されてもよい(図5の代表的な設計に示すように)。そのような配置により、プラテンが互いに組み合わされた際、かなりの量の力がフレーム100内に伝達されるのではなく、強い力がキャビティインサート200内に優先的に伝達され、キャビティインサート200に適用され得る。
フレーム100は、フレーム100に適用される圧力及び温度に耐え得る任意の好適な材料(例えば、金属)で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、フレーム100は、ヒートシンク1の主本体16を作製している材料の比熱容量よりも少なくとも30%は低い比熱容量を有する材料で作製されてもよい。更なる実施形態では、フレーム100の材料は、主本体16の材料よりも少なくとも40%、又は50%は低い比熱容量を有してもよい。いくつかの実施形態では、フレーム100は、ヒートシンク1を作製している材料の熱伝導率よりも少なくとも30%は低い熱伝導率(即ち、熱伝達係数(thermal transmission coefficient))を有する金属で作製されてもよい。特定の実施形態では、ヒートシンク1の主本体16が銅又は銅合金で作製されている場合、フレーム100は、例えばステンレス鋼、チタン、又はセラミック材料で作製されてもよい。
ヒートシンク1の後側40は、本明細書で以前に言及し、例えば図3及び4に代表的な方法で示したように、少なくとも1つの動的伝熱ゾーン50を含む。多数の動的伝熱ゾーン(又は代替的に見れば、単一の動的伝熱ゾーンの領域、多数の伝熱ゾーンと多数の領域を有する単一の伝熱ゾーンとの間には確固たる境界線は必ずしも存在しない)が提供されてもよく、本明細書にて上述したように、荷重支持経路の後方セグメントから側方にオフセットしていてもよく、又はいくつかの実施形態では、その後方セグメントを集合的に側方を包囲していてもよい。特定の例として、図3及び4に示す代表的なヒートシンク1は、3つの(環状)動的伝熱領域60、70及び80を含む動的伝熱ゾーン50を有する。ヒートシンク1の荷重支持経路の後方セグメント(荷重支持部材90により提供される)は、間に伝熱領域70の領域を有する環状伝熱領域70の周囲に周方向に間隔を空けて配置されており、環状伝熱領域60は、後方荷重支持経路セグメントに径方向外側に隣接し、環状伝熱領域80は、荷重支持経路セグメントに径方向内側に隣接している。それ故、荷重支持経路の後方セグメントは、動的伝熱ゾーン50の部分により全側方方向(例えば、径方向内側、径方向外側、及び周方向)に包囲されている。図2及び3に示した実施形態では、複数(8個)の荷重支持経路が存在し、個別の荷重支持経路セグメントである荷重支持経路の各後方セグメントは、ヒートシンク1の動的伝熱ゾーン50の部分により(詳細には、ゾーン50の動的伝熱領域80の部分により)、隣接する個別の荷重支持経路セグメントから分離されていることを更に認識するであろう。
本明細書にて前述したように、動的伝熱ゾーン50は、移動する伝熱流体と熱エネルギーを交換するように構成され、少なくとも2:1のアスペクト比を有する複数の非加重支持の動的伝熱フィンを含む。様々な実施形態において、そのようなフィンのアスペクト比は、少なくとも3:1又は5:1であってもよい。
図3及び4の代表的な実施形態では、(複数の荷重支持経路から径方向外側に位置する)第1の、径方向最も外側の動的伝熱領域60は、複数のフィン61を備え、各フィン61は、ヒートシンク1の周囲にて略周方向に延びる長い軸を有し、そのフィンは径方向内側−外側に間隔を空けて位置決めされててそのフィンの間にフローチャネル63を提供し、そのフローチャネル63を通して移動伝熱流体が流れることができる。いくつかの実施形態では、図3に示すように、ヒートシンク1の最後部に非荷重支持封鎖プレート400を備えることができ(また、例えば溶接を含む任意の好適な方法によりヒートシンク1に取り付けられてもよく)、非荷重支持封鎖プレート400は前側401部分を含み、前側401部分の一部分は、伝熱領域60のフローチャネル63のための後方密閉部を提供することができる。図3及び4に示す特定の実施形態では、径方向最も外側の壁62(この設計ではヒートシンク1の径方向に最も外側の側壁15に対応する)と、主本体16の径方向最も内側の側壁72とは、フィン61を越えて僅かに後方に延び、そのため封鎖プレート400は、例えば壁62/15及び72のみと接触する(及び取り付けられる)ことができる。それ故、少なくともいくつかのフィン61の最後部面と、封鎖プレート400の前面401との間には、小間隙が存在し得る。それ故、封鎖プレート400は、下記に論じるように、個々のフローチャネル63間に完全な隔離を必ずしも提供しない場合があり、また封鎖プレート400は、第1の動的伝熱領域60と第2の動的伝熱領域70との間に完全な隔離を必ずしも提供しない場合がある。しかしながら、チャネル63及び他の動的伝熱領域のチャネルを通して十分な流体が流れることができる限り、そのような小間隙の存在は問題とはならず、第3の動的伝熱領域80を参照して下記に記載するように、利益さえもたらすよう使用することができる。
第1の動的伝熱領域60は、伝熱流体の入口64及び出口65を備えることができ、入口64及び出口65は封鎖プレート400のオリフィス403と位置合わせされて、流体−注入管継手564及び流体−排出管継手565(図1に示すような)を受容してもよく、それにより移動伝熱流体は伝熱領域60のチャネル63内に注入され得、それらのチャネルに沿って流れ得、次いでそれらのチャネルから排出され、ヒートシンク1から外に出ることができる。(図示した実施形態では、入口及び出口の指定は逆にされてもよいことに留意される)。いくつかの実施形態では、第1の動的伝熱領域60のフィン61及びチャネル63は、移動伝熱流体が、その移動伝熱流体が進入したヒートシンク1の略周方向反対側において第1の動的伝熱領域60から排出され得るように構成することができる(例えば、図3の代表的な設計のように)。しかしながら、任意の好適な配置が可能である。
図3及び4の代表的な実施形態では、第2の、(複数の荷重支持経路から径方向内側に位置する)径方向最も内側の動的伝熱領域70は、複数のフィン71を備え、各フィン71は、ヒートシンク1の周囲にて略周方向に延びる長い軸を有し、そのフィンは径方向内側−外側に間隔を空けて位置決めされていてそのフィンの間にフローチャネル73を提供し、そのフローチャネル73を通して移動伝熱流体が流れることができる。いくつかの実施形態では、ヒートシンク1の最後部位置に封鎖プレート400を備えることができ、封鎖プレート400の前側部分401は、第1の伝熱領域60に関して上述したものと同様の方法で、伝熱領域70のフローチャネル73のための後方密閉部を提供することができる。第2の動的伝熱領域70は、伝熱流体の入口74及び出口75を備えることができ、入口74及び出口75は封鎖プレート400のオリフィス404と位置合わせされて、流体−注入管継手574及び流体−排出管継手575(図1に示すような)を受容してもよく、それにより移動伝熱流体は伝熱領域70のチャネル73内に注入され得、それらのチャネルに沿って流れ得、次いでそれらのチャネルから排出され、ヒートシンク1から外に出ることができる。(図示した実施形態では、入口及び出口の指定は逆にされてもよいことに留意される)。しかしながら、図1に示す特定の実施形態では、第2の伝熱領域の管継手574及び575は、伝熱流体が第1の伝熱領域60のチャネル63を通して流れる方向とは略周方向反対の方向に、伝熱流体が第2の伝熱領域70のチャネル73を通して流れ得るように位置決めされてる。このことは、第1の動的伝熱領域60及び第2の動的伝熱領域70により集合的に供給される、ヒートシンク1の全体的な動的加熱/冷却の均一性を向上させ得る。第2の伝熱領域70のフィン71及びチャネル73は、移動伝熱流体が、その移動伝熱流体が進入したヒートシンクの略反対側において、ヒートシンク1の第2の伝熱領域70から排出され得るように構成することができる(例えば、図2の代表的な設計のように)。しかしながら、任意の好適な配置が可能である。
図3及び4の代表的な実施形態では、最も外側の第1の領域60と最も内側の第2の領域70との間にて径方向に挟まれた第3の動的伝熱領域80が提供されている。高いアスペクト比のリブの形態で提供されている、それらの領域のフィン61及び71とは対照的に、領域80の少なくともいくつかのフィン81は、高いアスペクト比の支柱の形態で提供されている。しかしながら、用語、フィンは、基部30の後方から突出して移動伝熱流体と接触することが可能な(ヒートシンク1を含む射出成形システムの操作中の任意の特定の時間に実際に移動しているか否かに係わらず)ヒートシンク1の任意の構造を示すように広く使用され、及びそのような支柱を含むことを重ねて言及する。第1及び第2の動的伝熱領域60及び70との更なる相違点は、いくつかの実施形態では、第3の動的伝熱領域80は、移動伝熱流体を必ずしも直接供給され得ないことである(例えば、他の2つの領域の流体−注入管継手564及び574と同様の方法で、領域80内に移動流体を直接供給するであろう流体−注入管継手を経由して)。正確に言えば、図1〜5に示す代表的なタイプの設計では、ある場合には、封鎖プレート400の前側401と、第1の伝熱領域60のフィン61の最後部表面との間に、及び/又は、封鎖プレート400の前側401と、第2の伝熱領域70のフィン71の最後部表面との間に、間隙を提供することにより、第3の伝熱領域80内に及びその領域80を通して、伝熱流体の十分な流れが提供され得ることが見出された。それ故、動的伝熱の概念は、流体が比較的ゆっくり及び/又は少量で、例えば第3の伝熱領域80を通して移動し得る場合を包含する。そのような流れは、例えば、第3の伝熱領域80に、細長いリブの形態ではなく、支柱の形態のフィン81を提供することにより向上させることができる。しかしながら、任意の好適なタイプのフィンを使用してもよい。更に、所望であれば、管継手を使用して、第1及び第2の伝熱領域に関して記載したものと同様の方法で、伝熱流体を第3の伝熱領域80内に及びその領域80から外へ直接注入及び/又は排出することができる。又は、実施例に詳述するように、伝熱流体を第1又は第2の伝熱領域の一方内に注入するのに使用した管継手は、少なくとも幾分かの伝熱流体を第3の伝熱領域内に注入するように、第3の伝熱領域内に部分的に共通していてもよい。
上記の考察を考慮すると、第1の動的伝熱ゾーン50の少なくとも一部分が位置する動的流体の流れ空間を少なくとも部分的に画定するように、非荷重支持封鎖プレート400を、例えばヒートシンク1の主本体16の最後部表面に取り付けできることが明かである。図示した実施形態では、封鎖プレート400は、ヒートシンク1の主本体16の径方向最も外側の側壁15及び径方向最も内側の側壁72と組み合わされて、内部に動的伝熱ゾーン50の第1の動的伝熱領域60、第2の動的伝熱領域70、及び第3の動的伝熱領域80が位置する動的流体の流れ空間を画定する役割を果たす。別の実施形態では、封鎖プレート400を省略してもよい。例えば、ヒートシンク1の最も外側の側壁15の最後部部分、及び/又は様々なフィン(例えば、61、71、及び/又は81)が金型支持体500の前方を向いた表面512の近くに(例えば、表面512から約1mm未満以内)誘導された場合、表面512は、封鎖プレート400の不在下で、そのような内部空間を画定するように有効に機能し得る。しかしながら、ヒートシンク1の例えば部品15、61、71、72、又は81のいずれかと実際に接触する表面512を有することは、ヒートシンク1の内外への不必要な熱漏洩をもたらし得るため、望ましくない可能性がある。
動的流体の流れ空間及び/又はその領域が、上述したように部分的に画定されている実施形態は、伝熱流体が気体、例えば空気の場合に、最適であり得ることに留意されるであろう。伝熱流体が液体(例えば、油)の場合、そのような空間及び/又は領域は、部分的に画定されるのではなく、完全に画定され、即ち密封(伝熱流体入口及び出口により提供されるようなアクセス地点を除いて)されることが有利であり得る。そのような場合、封鎖プレート400は、例えば様々な上述したフィン、側壁及び流体−進入及び退出管継手のいずれか又は全部に対して、並びに下記に述べるスリーブに対して、液密(例えば、漏れ止め)シールを形成するように設計することができる。
図2に示すように、第3の動的伝熱領域80はスリーブ82を含んでもよく、スリーブ82は、例えば上述したような取り付け可能な荷重支持部材90を受容するように構成されてもよい。スリーブ82は、荷重支持性であっても又はなくてもよく、また部材90と直接接触しても又はしなくてもよい。いくつかの実施形態では、スリーブ82は(動的伝熱フィンの特定の定義に適合するアスペクト比を有するか否かに係わらず)、ヒートシンク1の主本体16と、第3の動的伝熱領域80を通して移動する伝熱流体との間に少なくとも幾分かの量の伝熱を提供し得る。少なくともいくつかの実施形態では、スリーブ82の主な機能は、荷重支持部材90を受容し及び/又安定化させることであってもよい。したがって、スリーブ82は必ずしも、例えばフィン61、71又は81と同一の高さを有する(即ち、フィン61、71又は81と同じだけヒートシンク1の基部から後方に延びる)必要性はなくてもよい。それ故、いくつかの実施形態のスリーブ82は、高さが例えばフィン81の例えば20、40、又は60%低くてもよい。いずれの場合でも、一般に、任意の動的伝熱ゾーンは、そのゾーン内に動的伝熱フィンではない構造も含み得ることを理解するべきである。
上記の説明から、荷重支持経路の後方セグメント(荷重支持部材90により提供される)は、ヒートシンク1の後側40の動的伝熱ゾーン50の第3の伝熱領域80に沿って散在することができるが、そのような荷重支持経路は、動的伝熱ゾーン50の任意の伝熱領域80に任意の有意な荷重を必ずしも伝達しないことが理解される。即ち、任意のそのような荷重支持経路セグメントは、任意の有意な荷重を伝熱領域の任意の伝熱フィン内に伝達することなく、例えば荷重支持部材90自体を通過させてもよい(また、例えば、荷重支持部材90の後面92を出てヒートシンク支持体500内へ)。
ヒートシンク1の前側10は、場合により少なくとも1つの静的伝熱ゾーン13を含んでもよい。静的伝熱ゾーンとは、少なくとも1つの静的加熱及び/又は冷却要素20と密接に熱接触して設置されるように構成され、その結果熱エネルギーが静的加熱及び/又は冷却要素20とヒートシンクのゾーンとの間で交換できる少なくとも1つの伝熱表面を含むゾーンを意味する。静的伝熱とは、熱エネルギーが、密接に接触した2つの材料の非流体表面の間の伝導により移動し、材料表面の互いに対する任意の移動を有することなく移動する、ことを意味する。いくつかの実施形態では、ヒートシンク1の前側10の静的伝熱ゾーン13は、複数の個別のレセプタクル14を備えてもよく、レセプタクル14はそれぞれ、ヒートシンク1の主本体16の前側内へと後方に凹み、また、それぞれ、静的加熱及び/又は冷却要素と熱エネルギーを交換するように構成され、その要素は、ヒートシンク1の主本体16の表面と密接に熱接触した状態でレセプタクル内に位置決めされている。この文脈において、密接な熱接触とは、加熱及び/又は冷却要素の表面が、主本体16の表面の少なくとも一部分と直接、物理的に接触している状況を含み、また、加熱及び/又は冷却要素の表面が、主本体16の表面と直接接触していないが、十分に熱伝導性の材料(例えば、はんだの層、熱伝導性接着剤の層など)により主本体16の表面に結合している(例えば付着されている)状況を含む。
いくつかの実施形態では、複数の個別の静的伝熱レセプタクル14は、ヒートシンク1の複数の荷重支持経路により側方に散在していてもよい。これは、隣接する任意の2つの荷重支持経路が、その荷重支持経路の間にて側方に(例えば、径方向に、又は周方向に)提供された少なくとも1つの伝熱レセプタクル14を有することを意味する。そのような設計の代表的な実施形態を図2に詳細に示し、ここで伝熱ゾーン13及びそのレセプタクル14は、ヒートシンク1の任意の2つの(荷重支持)ボス12の間にて側方に散在していることが理解される。勿論、個々の静的伝熱ゾーン13の少なくとも一部分は互いに接近して近づいてもよく(例えば、図2の代表的な設計では、伝熱ゾーンの径方向の最も内側の位置で)、多数の個々の静的伝熱ゾーン13を有する設計と、多数の部分を有する単一の静的伝熱ゾーン13との間に確固たる境界線は存在しなくてもよいことが認識されるであろう。
例えば、ヒートシンク1の主本体16の基部30から前方に突出し得るボス12と、後方に凹んだレセプタクル14の存在を考慮すると、基部30の厚さ(ヒートシンク1の前後軸に沿った)は、基部30の側方の領域にわたって、所望により変動し得ることが認識されるであろう。即ち、基部30の厚さは、例えばヒートシンク1の側方側壁に向かって径方向外側に前進する方向に沿って、及び/又は、基部30の周りの周方向に沿って、変動してもよい。例えば、基部30は、ボス12の下にある領域内で、及び/又はレセプタクル14の下にある領域内で、他の領域よりも厚くてもよい。また、基部30は、ヒートシンク1の径方向中心部に向かった領域内で、径方向外側の領域(例えば、側壁15の付近の領域)内よりも厚くてもよく、この径方向外側の領域は、成形中、同じ強い力を受けないことができる。
図2の実施形態に示すように、レセプタクル14は、静的な非移動(ヒートシンク1に対して)加熱及び/又は冷却要素20を保持するように構成することができ、したがって要素はヒートシンク1の第1の主表面11の一部分と密接に熱接触し、そのため、それらの間で熱エネルギーを効率的に交換することができる。(表示の明確さのために、図2では単一の加熱及び/又は冷却要素20のみがレセプタクル14に代わって示されており、図1の図では、そのような加熱及び/又は冷却要素20の全部が定位置にて示され、またそれらの電気的接続も示されている)。図2の実施形態に示すように、レセプタクル14は、細長い、略直線状のキャビティを含み、そのキャビティは、ヒートシンク1の前側10に沿って、ヒートシンク1の径方向の最も外側の側壁/縁部15から、ボス12を通過して径方向内側へ延び、ヒートシンク1の側方中心部に近接して終結する。(この文脈において、用語、径方向は、便宜上本明細書では、ヒートシンク1の側方中心部(例えば、図1の実施形態では貫通開口部16により示される位置)に向かって内側方向へ、及びその中心部から外側方向へ、を記載する際に使用され、ヒートシンク1が厳密に円形形状を有することを暗示するものではないことを重ねて言及する)。加熱及び/又は冷却要素20は、レセプタクル14内で、加熱及び/又は冷却要素20の後方を向いた表面と、ヒートシンク1の前方を向いた表面11との間に密接な接触が確立できるように、例えばぴったりと嵌ることによりレセプタクル14内に密に適合するように設計(図4に示すように)されてもよい。勿論、密接な接触は、加熱及び/又は冷却要素20の短い方の縁部と、レセプタクル14の側壁との間にも確立することができ、このことはそれらの間での熱エネルギー交換を更に向上させ得る。
加熱及び/又は冷却要素20は、任意の好適な方法によってレセプタクル内の定位置に保持することができる。結合方法を使用する場合(特に、加熱/冷却要素20の後方に向いた表面と、ヒートシンク1の主本体16の前方に向いた表面11との間の界面に、結合剤又は層が存在する場合)、そのような結合剤は良好な熱伝導率を有することが有利であり得る(例えば、はんだ、熱伝導性接着剤などであってもよい)。いくつかの実施形態では(結合剤が使用されるか否かに係わらず)、加熱及び/又は冷却要素20は、加熱及び/又は冷却要素20の前面にかけられる圧力によって定位置に保持されてもよい。都合よくは、本明細書にて以前論じたように、キャビティインサート200を定位置に保持する役割を果たし得るフレーム100は加熱及び/又は冷却要素20にそのような圧力を適用する役割も果たし得る。所望であれば、弾性繊維ウェブ、発泡体、固体エラストマー材料などの弾性層をフレーム100と加熱及び/又は冷却要素20との間に備えて(各加熱及び/若しくは冷却要素20と当接する領域を有する単一の部品の形態、又は、各要素に提供される別個の、個々の部品の形態のいずれかで)、圧力をより均一に提供して要素20を定位置に保持してもよい。いくつかの実施形態では、そのような弾性層は、例えば繊維状、多孔質などであることにより、及び/又は非金属性部品から構成されることにより(例えば、それらの材料/繊維が、関与する温度に耐性であり得る限り、セラミック繊維などの無機繊維、又はシリコーンなどの有機高分子材料若しくは繊維)、比較的低い熱伝導率を有してもよい。そのような低い熱伝導率の弾性層は、例えばフレーム100をヒートシンク1から及び/又は加熱及び/又は冷却要素(1つ又は複数)20から可能な限り熱的に隔離することを所望する場合、特に有用であり得る。
任意の好適な静的加熱及び/又は冷却要素20を使用することができる。いくつかの実施形態では、要素20は、加熱及び冷却の両方が可能であってもよい(例えば、ペルティエ素子であることにより)。別の実施形態では、要素20は、冷却のみ可能であってもよい。別の実施形態では、要素20は、加熱のみ可能であってもよい。特定の実施形態では、要素20は、電気抵抗ヒーターであってもよい。別の実施形態では、要素20は、例えばヒートパイプ、又は、内部に循環する加熱若しくは冷却流体を有する任意の部材であってもよい(要素の表面が、上述したように非流体、非移動表面である限り)。所望であれば、フレーム100及びヒートシンク1の前方に、例えば静的加熱及び/又は冷却要素(1つ又は複数)20に電力を供給するワイヤを収容し又は保護し得る非荷重支持環状カバープレートを配置してもよい。そのようなプレートは、例えば、任意の好適な締結具(1つ又は複数)により、ヒートシンク支持体500の環状リム505に締結されてもよい。
上記の考察から、本明細書に開示したようなヒートシンクは、少なくとも1つの動的伝熱ゾーン(及び場合により少なくとも1つの静的伝熱ゾーン)を含むことにより、また、1つ又は複数の成形キャビティを交差する1つ又は複数の荷重支持経路を有し、また、動的伝熱ゾーンの任意の動的伝熱フィーチャ内に有意な荷重を伝達することなく、広い温度範囲にわたって迅速にサイクルされることが可能であることを理解するであろう。このことは、高いアスペクト比の動的伝熱部品(例えば、フィン)が脆弱な場合があり、そのような高いアスペクト比の部品が荷重支持経路内に存在する場合、例えば、例えば高いアスペクト比の部品に射出成形中に付与され得る高い荷重により損傷し得るので、有利である。ヒートシンク1の第1の側10の場合による静的伝熱ゾーン13は、必ずしも高いアスペクト比の部品を含む必要はないことが留意される。
ヒートシンク1の主本体16(例えば、基部30と、基部30から突出する例えば様々なボス、フィン及びスリーブとを含む)が高い熱伝導率を有する材料で作製されて、動的伝熱ゾーン50の移動伝熱流体により、また任意選択で、場合による静的伝熱ゾーン13の1つ又は複数の静的加熱及び/又は冷却要素20により、熱エネルギーが主本体16内に及び主本体16から効率的に伝達され得ることが有利であり得ることを認識するであろう。しかしながら、ヒートシンク1の主本体16の材料が低い比熱容量を有することが有利であり得ることも認識するであろう。そのような特性は、多くの場合、互いに相関することを前提として、これらの相反する必要条件を考慮に入れてもよい。更に、ヒートシンク1の主本体16は、荷重支持経路が主本体の少なくともいくつかの小さい領域を通過し得る(例えば、ボス12を通して、及び/又は基部30の一部分を通して)場合、その他の理由がなくても、少なくとも所定の強度と物理的一体性とを有する必要がある。これらの問題の全てを考慮すると、いくつかの実施形態では、ヒートシンク1の主本体16は、金属で作製されてもよい。特定の実施形態では、ヒートシンク1の主本体16は、銅又は銅合金を含む組成物で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような銅合金は、ベリリウム−銅合金であってもよい。別の実施形態では、そのような銅合金は、Performance Alloys,Germantown,WIから商品名MOLDSTARで入手可能な材料により代表される、高い熱伝導率のベリリウムフリー銅合金であってもよい。様々な実施形態において、ヒートシンク1の主本体16の材料は、少なくとも約100、200、又は250ワット/メートル/℃の熱伝導率を有してもよい。
ヒートシンク1の合計の熱容量を最小限にする上述した利点を考慮すると(合計の熱容量は、ヒートシンク1の質量で増減する示量変数である)、ヒートシンク1を、ヒートシンク1の合計の熱体積の観点から特徴付けることが可能であり、この合計の熱体積は、ヒートシンク1の合計の熱質量(即ち、ヒートシンク1の合計の熱容量)と直接相関することを理解するであろう。本明細書で使用されるとき、この合計の熱体積は、計算を容易にするために、ヒートシンク1の主本体16及びその一体的部品だけの体積とする。図示した実施形態では、これは、例えばボス12、フィン61、71、及び81、スリーブ82、側壁15及び72、並びに突出部18を含み、荷重支持部材90、封鎖プレート400、スペーサー300、キャビティインサート200、又はフレーム100などの他の部品の体積は含まない。これらの他の部品の多くは、主本体16よりも低い比熱容量の材料で作製され得るため、ヒートシンク1よりも有意に小さい体積を占めることができ、及び/又は、それらが本明細書の開示に従って構成された際に、ヒートシンク1から幾分、熱的に隔離され得るため、このことはヒートシンク1の主本体16のみに依存する熱特性評価を有意に損なうものではない。そのような合計の熱体積は、例えば測定、若しくはヒートシンクの既知の寸法を使用した計算により得ることができ、又は例えばヒートシンク主本体を秤量し、材料の比重を使用してヒートシンク主本体の体積を計算することにより得ることができる。
ヒートシンク1の動的伝熱能力を最大にする、上述した利点も考慮すると、ヒートシンク1をその合計の動的伝熱表面積(例えば、図示した実施形態では集合的に伝熱フィン61、71及び81により提供される)の観点から特徴付けることも可能である。そのような合計の動的伝熱表面積は、測定により又はヒートシンクの動的伝熱フィンの既知の寸法を使用して計算することにより得ることができる。伝熱流体に殆ど若しくは全く暴露されず、及び/又は、ヒートシンク主本体16と非常に僅かに接触する表面(例えば、側壁15の外側表面、存在する場合、封鎖プレート400の表面、貫通孔77の内側表面、及びスリーブ82の内部表面(移動流体に暴露されない限り)は無視してもよい。
ヒートシンク1の合計の動的伝熱表面積は、ヒートシンク1の合計の熱体積と比較されてもよい。詳細には、比率は、ヒートシンク1の合計の動的伝熱表面積に対するヒートシンク1の合計の熱体積により与えることができる。様々な実施形態において、ヒートシンク1の合計の動的伝熱表面積は、少なくとも500、1000、又は1500cmであってもよく、ヒートシンク1の合計の熱体積は、最大約100、200、又は300cmであってもよく、合計の動的伝熱表面積と合計の熱体積との比は、少なくとも約1、2、4、6、又は8cm/cmの動的伝熱表面積/合計の熱体積であってもよい。
上述したように、ヒートシンクの合計の動的伝熱表面積は、ヒートシンクの合計の荷重支持接触領域とも比較することができ、その合計の荷重支持接触領域は、荷重支持部材の後方に向いた表面、又は集合的な多数の荷重支持部材、により提供される。(そのような表面は、例えば、集合的に例えば金型支持体500に接触する、荷重支持部材90の表面92であってもよい。)様々な実施形態において、合計の動的伝熱表面積と合計の荷重支持接触領域との比は、少なくとも20、40、80、又は160cm/cmの動的伝熱表面積/合計の荷重支持接触領域であってもよい。
ヒートシンク1、及びヒートシンク1の様々な部品、及びヒートシンク1と共に提供される部品は、任意の好適な射出成形システムと共に使用することができる。ヒートシンク1は、本明細書に開示したようなヒートシンク支持体により支持される(例えば、その支持体に取り付けられる)ことが都合がよい可能性がある。都合よくは、そのようなヒートシンク支持体は、従来の金型基部(いずれの図にも示されない)に取り付けられ及びその金型基部により支持されてもよく、金型基部は、当業者に周知の方法で、射出成形システムのプラテンに取り付けられ及びそのプラテンにより支持されてもよい。(本明細書に開示したヒートシンク支持体500は、代表的な実例であり、任意の好適な装置を使用してヒートシンク1を射出成形システムに関連して支持できることを強調する必要がある。)それ故、ヒートシンクにより(例えば、本明細書にて前述したヒートシンク主本体に熱的に結合した1つ又は複数のキャビティインサートにより)提供される成形面は、射出成形システムの第1の金型部品(多くの場合、「A」側又は「A」プレートと称される)に集合的に対応し得る。そのような場合、ヒートシンクを支持するプラテンは、第1の、非移動プラテンであってもよい。
そのような射出成形システムは、第2の金型部品(例えば、図5の部分図に示す金型部品600)を支持する(例えば、第2の、従来の金型基部により)第2のプラテンを含んでもよく、第2の金型部品は、ヒートシンク1の前方に位置決めされて、かつヒートシンク1の前側10の方向に向いた表面を含み、第2の金型部品600の少なくとも一部分は成形面601を含み、成形面601は、第1のプラテン及び第2のプラテンが互いに組み合わされた際、ヒートシンク1により提供される成形面205と組み合わされて、少なくとも1つの成形キャビティ604を少なくとも部分的に画定する。いくつかの実施形態では、第2のプラテンは、第1のプラテンに向かって第1の位置へと可動であってもよく、第1の位置では、一体化した第1及び第2の金型部品によって少なくとも1つの成形キャビティが画定され、また第2のプラテンは、第1のプラテンから離れて第2の位置へと可動であってもよく、第2の位置では、成形キャビティから成形部品を取り出しすることができる(その場合、第2の金型部品は、多くの場合「B」側又はプレートと称されるタイプのものである)。別の実施形態では、ヒートシンク1は、可動のプラテンにより支持されてもよく、例えば射出成形システムの所謂B側上に存在してもよい。いくつかの実施形態では、射出成形システムのA及びB側の両方は、本明細書に開示したヒートシンクを含んでもよい。
例えば、高分子樹脂を溶融し、往復スクリュー装置、スクリューオーバープランジャー(screw-over-plunger)装置など、任意の好適な装置を使用して、溶融樹脂を成形キャビティ(1つ又は複数)内に供給してもよい。都合よくは、ヒートシンク1の主本体16、ヒートシンク支持体500、封鎖プレート400、及びフレーム100のいずれか又は全部は貫通孔を含んでもく、その貫通孔内に及び/又はその貫通孔を通して、樹脂射出装置(例えば、樹脂溶融装置により供給されるノズル又はスプルー)が延びてもよい。そのような貫通孔は、例えばヒートシンク1、ヒートシンク支持体500、封鎖プレート400、及びフレーム100の側方中心部にて又はその中心部の付近で、互いに整列されてもよい(それぞれ図1〜4の例示的な実施形態にて貫通孔77、517、406、及び105により例示されるように)。いくつかの実施形態では、第2の(B側)金型部品600はランナー602(図5に示すような)を含んでもよく、ランナー602によって溶融樹脂(例えば、ヒートシンク1の側方中心部の付近の位置から供給される)は複数の個別の成形キャビティ内に分割及び分配され得る。いくつかの実施形態では、A側金型部品(例えば、キャビティインサート(1つ又は複数)及び/又はヒートシンク主本体など)はランナーを備えてもよく、又は、A及びB側の両方内のチャネルが組み合わされてランナーを提供してもよい。第2の金型部品600はまた1つ又は複数のエジェクタ部材603を備えてもよく、エジェクタ部材603は、第2の金型部品600が第1のプラテンから分離した第2の位置にある際に、成形部品が第2の金型部品600から排出され得るように移動して(金型部品600に対して)、脱型を容易にすることが可能である。そのようなエジェクタ部材は、任意の好適な部材(例えば、ピン、ブレード、バー、リングなど)を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、所謂ホットドロップ(hot-drop)射出装置を使用してもよい(単一の成形キャビティが使用され、又は複数の個別の成形キャビティが使用されるか否かに係わらず)。ホットドロップ成形は、ランナーなどの使用を回避し得ることを認識するであろう(溶融樹脂を1つ又は複数の個々の成形キャビティ内に直接注入することにより)。
様々な実施形態では、ランナーなどを除いた個々の成形キャビティ(例えば図5に示すキャビティにより例示される)の合計体積は、約100立方mm、50立方mm、10立方mm、又は1立方mm未満であってもよい。代替的な実施形態では、ランナーなどを除いた個々の成形キャビティ(例えば図5に示すキャビティにより例示される)の合計体積は、約100立方mm、1000立方mm、又は100立方cm超であってもよい。
ヒートシンク、ヒートシンクの部品、及びヒートシンクと共に提供される部品は、以下の一般的方法に従った射出成形操作に使用されてもよい。ヒートシンクを例えば第1のプラテンにより支持してもよく、少なくとも1つの成形面を提供する第1の(例えば、A側)金型部品を提供してもよい。ヒートシンクを加熱して(静的加熱及び/若しくは動的加熱、又は両方の方法の組み合わせにより)、少なくとも1つの成形面(その成形面は、例えばヒートシンク主本体が熱的に結合されるキャビティインサートにより供給され得る)を第1の高温に到達させる。第1のプラテン、及び第2のプラテンを、第1の位置へ互いに向かって移動してもよく(どちらのプラテンが移動されるかにかかわらないが、習慣的には第2の、B側プラテンが移動される)、ここで第1の金型部品により提供される少なくとも1つの成形面と、第2のプラテンにより支持される第2の(例えば、B側)金型部品により提供される少なくとも1つの成形面とが組み合わされて、少なくとも1つの成形キャビティを画定する。そのようなプラテン(1つ又は複数)の移動は、第1の高温に到達した後に、又はそのような温度に接近している間に実施されてもよい。次いで、少なくとも第1の部品の成形面(即ち、ヒートシンクにより提供される)が少なくとも第1の高温に到達した後、溶融樹脂を少なくとも1つの成形キャビティ内に注入することができる。(温度制御は必ずしも正確でなくてもよく、例えば幾分かの行き過ぎが生じる場合があり、また例えば適切な第1の高温に到達したことが成形プロセスの結果から明かであり得るため、成形面温度を実際に測定する必要はない可能性があることに留意される。)
所望の時間に(例えば成形キャビティが溶融樹脂で十分に充填された後)、ヒートシンクを冷却して(静的冷却により及び/若しくは動的冷却により、又は両方の方法の組み合わせにより)、第1の金型部品の少なくとも1つの成形面を、第1の高温よりも例えば少なくとも10℃低い第2の低温に到達させてもよい。(様々な実施形態において、第2の温度は、第1の温度よりも少なくとも20、40、又は80℃低い。)次いで、少なくとも1つの成形キャビティ内の樹脂を冷却及び固化させて、成形部品を形成することができる。樹脂が十分に固化した後、第1及び第2のプラテンを、成形部品が除去され得る、第2の位置へ互いから離れるように移動してもよい(多くの場合、そのようなプロセスは、成形部品が、例えばエジェクタ部材により可動プラテンのB側金型部品から排出されるまで、可動プラテンのB側金型部品と共に残留するように設計される)。上記の工程では、金型部品の実際の温度が監視されてもよく、又は、様々な工程に必要な時間の長さが実験により確かめられてもよく、次いで、温度の監視を用いることなく、時限工程を用いて成形プロセスを行ってもよいことに留意される。
これらの一般的な原理の領域内で、ヒートシンクの特徴及び特性により向上され得る特定の方法が実施され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の金型部品(即ち、その従来の成形面、そのランナー表面など)をヒートシンクと共に加熱及び冷却してもよい(が、必ずしも正確な同一の温度ではない)。別の実施形態では、第2の金型部品の温度は、ヒートシンクがその温度まで冷却される第2の低温よりも少なくとも10、20、30、又は50℃低くてもよい、比較的一定の公称設定点に制御され得る(本明細書の実施例のように)。(任意の金型部品表面の温度は、表面が溶融樹脂により接触された際、例えば公称設定点から瞬時に増大し得ることが理解されるであろう。)そのような方法が使用される場合、ヒートシンクは、2つのプラテンが第2の位置(2つのプラテンが互いから離れている)にある間、第1の高温に加熱され得る。この方法で、ヒートシンクは第2の金型部品への任意の(不必要な)熱漏洩を有することなく、加熱され得る。次いで、プラテンを互いに向かって移動して成形キャビティ(1つ又は複数)を形成し、そのキャビティ内に溶融樹脂を注入することができ、このプロセスは、多くの場合、数秒のみを要し得る。それ故、例えば数秒のみの時間が経過し、その間に「熱い」ヒートシンクから「冷たい」第2の金型部品への不必要な熱漏洩が生じる可能性がある。一旦冷却サイクルが開始したら、成形キャビティ内の樹脂と接触する、及び/又ヒートシンクの表面と(例えば、キャビティインサート、及び/又はキャビティインサートをヒートシンク上に保持するフレームの表面と)接触する、(ヒートシンクと比較して)より冷たい第2の金型部品表面を有していることが、ヒートシンク及び/又は樹脂の冷却を加速するためには、実際的には有利であり得ることを認識するであろう。
これらの因子を考慮すると、いくつかの状況では、上述したように、第2の金型部品(即ち、その少なくとも成形面)を比較的冷たい(名目上は)一定の設定点に偏らせることが有利であり得る。それ故、第2の金型部品により提供される成形面(及びランナーなど)は、ヒートシンクにより提供される成形面よりも有意に冷たい可能性があるが、このことは、そのような第2の金型部品表面が、少なくとも溶融樹脂が許容不可能に厚くなり又は固化して成形キャビティ(1つ又は複数)の充填を妨害しないよう十分暖かい限り、問題とならないことことを認識するであろう。特に、例えば高いアスペクト比のサブキャビティ、マイクロフィーチャ成形サブキャビティなど(本明細書で後述する)がヒートシンクにより提供される成形面内に存在する場合、ヒートシンクが提供するそのような成形面を高温に維持することは非常に重要であり得るが、第2の金型部品の表面をそのような高温に維持することは、それと同じくらいには重要ではない可能性がある。それ故、ヒートシンクが比較的幅広い温度サイクルを受ける場合であっても、第2の金型部品は名目上一定のより低い温度に保たれ得る(又は、例えば従来の加熱及び冷却により達成される相当限定された温度変化を受けることができる)単純かつ潜在的により速い操作モードを使用することができる。しかしながら、この操作モードは、いくつかの特定の状況にて有利であり得る、非限定的な代表的実施形態に過ぎないことが強調されるべきである。
様々な実施形態において、ヒートシンクの加熱は、動的加熱のみ、静的加熱のみ、又は動的及び静的加熱の組み合わせにより実施されてもよい。更なる実施形態では、ヒートシンクの冷却は、動的冷却のみ、静的冷却のみ、又は動的及び静的冷却の組み合わせにより実施されてもよい。いくつかの特定の実施形態では、ヒートシンクの加熱及び冷却の両方は、動的方法により(例えば、伝熱流体として油を使用して)実施されてもよい。そのような場合、実施される唯一の加熱は動的加熱であってもよく、又は静的加熱が任意選択的に使用されて動的加熱を補助してもよい。別の特定の実施形態では、ヒートシンクの加熱は静的加熱により実施され、ヒートシンクの冷却は動的冷却により実施されてもよい。例えば、静的加熱は、第1及び第2のプラテンがそれらの第2の、分離された位置にある間に実施されてもよく、その加熱は、例えばヒートシンク及び関連する部品の熱質量に応じて、また成形面が到達するのを所望される第1の高温に応じて、例えば数秒間から1分間以上を要してもよい。次いで、プラテンは、例えば成形面が所望の第1の高温に到達した際に、第1の位置へと組み合わすことができる。次いで、溶融樹脂を注入することができる(このプロセスは数秒間のみ要し得、このプロセス中、所望により静的加熱がオフにされてもよく、又はオンに保たれてもよい)。樹脂を注入した後、またプラテンが第1の位置に保たれている間、ヒートシンクは動的に冷却されてもよく、このプロセスは再度、例えば数秒間から1分間以上を要してもよい。成形樹脂が十分に冷却された際、プラテンはそれらの第2の位置に分離され、成形部品が除去されてもよい。次いで、ヒートシンクの静的加熱から開始して(このプロセスは、実際には、成形部品が第2の金型部品から取り出されている間であっても開始することができる)、サイクルを再開してもよい。
本明細書の作業実施例により明らかなように、およそ1.6kgの重量の、図1〜5に開示した代表的なタイプのヒートシンクの使用は、およそ20kgの重量の従来の銅成形ブロックを代替し、成形マイクロフィーチャを有する部品の製造に使用され(静的加熱及び動的冷却を用いて)、射出成形サイクル時間を約70秒から約45秒に短縮させる。このような短縮は、生産性の多大な改善及び低コスト化を提供することができる。
本明細書に開示したヒートシンクの特性は、更なる利点を提供できることも認識するであろう。例えば、静的加熱工程の終わり頃に(例えば、成形面が第1の高温に接近するとき)、静的加熱プロセスが継続している間であっても、動的冷却を開始できる成形サイクルを使用することができる。それ故、動的冷却は、前側の静的加熱が短時間更に継続する場合であっても、ヒートシンクの後側のフィンの冷却を開始することができる。ヒートシンクの後側の動的冷却が、続く冷却プロセスがより急速となり得る温度勾配を確立するにも係わらず、そのような操作は、成形面を十分に長い時間、十分に高い温度に維持して、許容可能な金型充填を促進することができる。そのような操作モードは、例えば数秒のみであっても、成形サイクル時間を短縮することができる(これはいくつかの操作では、有意であり得る)。
以前言及したように、本明細書に言及した方法及び装置は、マイクロフロー成形を含む任意の用途にその使用を見出すことができ、マイクロフロー成形は、任意の特定の位置において、約250マイクロメートルよりも互いに接近する概ね反対に向いた成形キャビティ表面に近接して(例えば、その表面の間を)溶融樹脂が流れ得る任意の状況を包含するとして定義された。これは様々な状況にて生じ得ることを認識するであろう。そのような状況の1つは、この文脈では、合計体積(ランナーなど内の固化樹脂を含まない)が約100立方ミリメートル未満の完成部品の成形を指すマイクロ成形にて生じ得る。この一例は、成形キャビティ604が約100立方ミリメートル未満の合計体積を有する(また少なくとも1つの位置において約250マイクロメートル(0.25mm)間隔を空けて位置決めされてている概ね反対に向いた表面601及び205を有する)場合、図5の代表的な図に描かれるような成形キャビティ604により成形される部品であろう。様々な実施形態において、本明細書に開示した装置及び方法は、約50、10、又は1立方ミリメートル未満の合計体積を有する完成部品のマイクロ成形に使用することができる。
マイクロフロー成形が生じ得る他の状況は、約100立方ミリメートルを超える合計体積を含むと共に、1つ又は複数の成形マイクロフィーチャを含む部品を成形する場合である。この文脈において、成形マイクロフィーチャは、(より大きい)成形部品と一体的に成形されるフィーチャであり、またそのマイクロフィーチャが、より大きい部品から突出し、約100立方ミリメートル未満の体積を含む(例えば、マイクロフィーチャと成形部品の他の部分との想像上の境界に関して測定して)。そのような成形マイクロフィーチャは、より大きい成形キャビティ内に1つ又は複数のマイクロ−サブキャビティを提供することにより達成することができる。この一例は、図5の成形キャビティ604のサブキャビティ206が約100立方ミリメートル未満の体積を含み(成形キャビティ604の合計サイズに係わらず)、サブキャビティ206の概ね反対に向いた表面が少なくとも1つの位置において約250マイクロメートル(0.25mm)間隔を空けて配置されている場合であろう。(この文脈では、サブキャビティの傾斜壁が概ね反対に向いた表面と見なされるであろうことに留意される。)様々な実施形態において、本明細書に開示した装置及び方法は、それぞれが約50、10、1、0.1、又は0.01立方ミリメートル未満の体積を有する1つ又は複数の成形マイクロフィーチャを含む完成部品の成形に使用することができる。
マイクロフロー成形は、特に高いアスペクト比の品目を成形する際に生じ得ることが認識される(そのような品目が完成部品、例えばマイクロ成形部品であるか、又は部品の一部分、例えばより大きい成形部品の成形マイクロフィーチャであるかに係わらず)。高いアスペクト比とは、品目が少なくとも約4:1の、最短寸法に対する最長寸法の比(例えば、円筒の長さの円筒の直径に対する比により例示される)を有することを意味する。(可変形状の場合には、例えば平均値の最短寸法は、最長寸法の長さにわたって使用することができる)。この例は、サブキャビティ206が、例えば25マイクロメートルの最小直径(平坦底部において)と、45マイクロメートルの最大直径(開放端において)と、200マイクロメートルの深さ(開放端から平坦底部まで)とを有する、傾斜壁を有する平底円筒形キャビティである場合、図5の成形キャビティ604のサブキャビティ206により成形される成形品目であろう。(この文脈では、図5の断面図が、当尺ではない代表的な図であることに留意される)。更なる実施形態では、そのような高いアスペクト比の成形品目のアスペクト比は、少なくとも6:1、8:1、又は10:1であってもよい。
要約すれば、マイクロフロー成形は、多数の状況、例えば、少なくとも一部分が十分薄い壁を有する任意の成形品目の製造において生じ得ることを理解するであろう。更に、上述した代表的な状況間で確固たる境界線は存在し得ないことを認識するであろう。例えば、マイクロ成形部品(合計体積中、約100マイクロリットル未満の)は、それ自体が、その部品から突出する1つ又は複数の成形マイクロフィーチャを含んでもよい。それ故、上記の考察は、例えば限定するカテゴリーを提供するのではなく、例示的な記載としての役割を果たす。
代表的な実施形態の一覧
1.射出成形において使用される装置であって、基部を有する主本体と、前側及び後側並びに前後軸及び横軸と、前記前後軸と略平行に延びて前記前側における成形面と交差するとともに少なくとも前方セグメント及び後方セグメントを備える少なくとも1つの荷重支持経路と、を有するヒートシンクを備え、前記ヒートシンクの前記後側の少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分が、前記荷重支持経路の前記後方セグメントから側方にオフセットされており、前記動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの主本体の前記基部から略後方に延びるとともに動的伝熱表面積を集合的に有する動的伝熱フィンを備え、前記ヒートシンクの前記主本体が、合計の熱体積を有し、前記合計の熱体積に対する前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも1cm/cmである、装置。
2.前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記ヒートシンクの前記後側の前記少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの部分によって側方を包囲されている、実施形態1に記載の装置。
3.前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路を有し、各荷重支持経路の各後方セグメントが、隣接する個別の荷重支持経路セグメントから前記ヒートシンクの前記動的伝熱ゾーンの部分によって分離されている個別の荷重支持経路セグメントである、実施形態1に記載の装置。
4.各荷重支持経路の個別の各後方セグメントが、前記ヒートシンクの主本体に取り付けられた荷重支持部材によって提供される、実施形態3に記載の装置。
5.各荷重支持部材が作製されている材料が、前記ヒートシンクの主本体が作製されている材料の熱伝導率よりも少なくとも30%低い熱伝導率を有する、実施形態4に記載の装置。
6.各荷重支持部材の少なくとも最前方の部分が、前記ヒートシンクの主本体から後方に突出するとともに前記ヒートシンクの主本体と一体をなす非荷重支持の中空スリーブによって少なくとも部分的に画定される、後方に開口したレセプタクル内側に位置決めされてている、実施形態4〜5のいずれかに記載の装置。
7.前記ヒートシンクの前記主本体の前記合計の熱体積に対する前記ヒートシンクの前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも4cm/cmである、実施形態1〜6のいずれかに記載の装置。
8.前記動的伝熱フィンのうちの少なくともいくつかが、少なくとも3:1の、高さ対厚さのアスペクト比を有する、実施形態1〜7のいずれかに記載の装置。
9.前記少なくとも1つの動的伝熱ゾーンが、前記複数の個別の荷重支持経路セグメントよりも半径方向の外側に位置する第1の動的伝熱領域と、前記複数の個別の荷重支持経路セグメントよりも半径方向の内側に位置する第2の動的伝熱領域と、前記第1及び第2の動的伝熱領域の間で半径方向に挟まれた第3の動的伝熱領域と、を有し、前記複数の個別の荷重支持経路セグメントが、前記第3の動的伝熱領域に沿って、周方向に間隔を空けて配置されている、実施形態3に記載の装置。
10.ヒートシンクの前記前側の前記成形面が投影面積を有し、前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記成形面の前記投影面積の少なくとも約80%である投影面積を有する、実施形態1〜9のいずれかに記載の装置。
11.前記ヒートシンクの前記前側の成形面が、投影面積を有し、前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記成形面の前記投影面積の100%に重なる投影面積を有する、実施形態1〜10のいずれかに記載の装置。
12.ヒートシンクの前記前側が、少なくとも1つの静的伝熱ゾーンを有する、実施形態1〜11のいずれかに記載の装置。
13.前記少なくとも1つの静的伝熱ゾーンが、複数の個別のレセプタクルを備え、前記複数のレセプタクルは、前記ヒートシンクの主本体の前側の内部に向かって後方に凹んでおり、かつ静的加熱及び/又は冷却要素と熱エネルギーを交換するようにそれぞれ構成されており、前記要素が、前記ヒートシンクの前記主本体の表面と密接に熱接触した状態で前記レセプタクル内に位置決めされている、実施形態12に記載の装置。
14.前記静的加熱及び/又は冷却要素が、電気抵抗加熱要素である、実施形態13に記載の装置。
15.前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路であり、前記ヒートシンクの前記前側が、複数の個別の成形面を有し、前記ヒートシンクの前記複数の荷重支持経路の個々の荷重支持経路が、前記複数の個別の成形面の各々と交差している、実施形態1〜14のいずれかに記載の装置。
16.前記個別の成形面の各々が、前記ヒートシンクの主本体の前側から前方に突出する複数の個別のボスのうちの1つのボスに個別に位置しており、前記複数の個別のボスの各々が、前記ヒートシンクの荷重支持経路の前方セグメントの一部である、実施形態15に記載の装置。
17.前記ヒートシンクの前記前側が複数の個別のレセプタクルを有する静的伝熱ゾーンを有し、前記複数の個別のレセプタクルが、前記ヒートシンクの前記主本体の前側の内部に向かって後方に凹んでおり、かつ前記ヒートシンクの前記主本体の表面と密接に熱接触した状態で前記レセプタクル内に位置決めされた静的加熱及び/又は冷却要素と熱エネルギーを交換するように構成されており、前記複数のレセプタクルのうちのレセプタクルは、前記複数の個別のボスのうちのボスと一緒に周方向に散在している、実施形態16に記載の装置。
18.前記個別の成形面の各々が、前記ヒートシンクの前記主本体の前記前側において個別に位置決めされてたキャビティインサートの前方を向いた成形面によって提供される、実施形態15〜17のいずれかに記載の装置。
19.前記ヒートシンクの前記前側の前方に位置決めされるとともに前記ヒートシンクに取り付けられて各キャビティインサートを定位置に保持するフレームを更に備える、実施形態18に記載の装置。
20.前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路であり、各荷重支持経路の各後方セグメントが、個別の荷重支持経路セグメントであり、前記装置は、ヒートシンク支持体をさらに備え、前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの前記後側の個別の後方を向いた表面であって、それぞれが前面ヒートシンクの後方の個別の荷重支持経路セグメントの一部をなす表面が、前記ヒートシンク支持体の前方を向いた表面とそれぞれ接触して両表面間に荷重支持界面を提供するように、前記ヒートシンク支持体に取り付けられている、実施形態1〜19のいずれかに記載の装置。
21.前記ヒートシンクの前記後側の個別の後方を向いた各表面が、荷重支持部材の後方を向いた表面によって提供され、前記荷重支持部材が、前記ヒートシンクの主本体の前記後側に取り付けられ、かつ前記ヒートシンクの前記主本体が作製されている材料の熱伝導率よりも少なくとも30%低い熱伝導率を有する材料で作製されている、実施形態20に記載の装置。
22.前記複数の荷重支持部材の前記後方を向いた表面が、前記ヒートシンク支持体との荷重支持接触領域を集合的に提供し、前記荷重支持部材の合計の荷重支持接触領域に対する前記ヒートシンクの前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも20である、実施形態21に記載の装置。
23.前記成形面が、少なくとも1つのマイクロフィーチャ成形のサブキャビティを有する、実施形態1〜22のいずれかに記載の装置。
24.前記成形面が、少なくとも約4:1のアスペクト比を有する少なくとも1つのサブキャビティを有する、実施形態1〜23のいずれかに記載の装置。
25.前記ヒートシンクが、第1のプラテンによって支持され、かつ少なくとも1つの第1の成形面を有する第1の金型部品を提供する、実施形態1に記載の装置であって、前記装置は、少なくとも1つの第2の成形面を有する第2の金型部品を備えて第2のプラテンを備えており、前記第1のプラテン及び第2のプラテンが重ね合わせられると、前記少なくとも1つの第2の成形面が、前記第1の金型部品の前記少なくとも1つの成形面と結合して、少なくとも1つの成形キャビティを少なくとも部分的に画定するようになっている、実施形態1〜24のいずれかに記載の装置。
26.前記第1のプラテンが固定式であり、前記第2のプラテンは、前記少なくとも1つの成形キャビティが画定される第1の位置まで前記第1のプラテンに向かって移動可能であり、かつ成形された部品が前記成形キャビティから取り出し可能になる第2の位置まで前記第1のプラテンから離れる方向に移動可能である、実施形態25に記載の装置。
27.前記少なくとも1つの成形キャビティが、複数の個別の金型キャビティであり、ヒートシンクは、溶融樹脂注入システムが溶融樹脂を注入することを可能にするように構成された少なくとも1つの貫通孔を有し、前記第2の金型部品はランナーを備え、注入された溶融樹脂は、前記ランナーを通って前記個別の成形キャビティ内に分割され分配されることができる、実施形態26に記載の装置。
28.射出成形方法であって、第1の金型部品を備える第1のプラテンを提供することを含み、前記第1の金型部品は、基部を有する主本体と、前側及び後側並びに前後軸及び横軸と、前記前後軸と略平行に延びて前記前側における少なくとも1つの第1の成形面と交差するとともに少なくとも前方セグメント及び後方セグメントを備える少なくとも1つの荷重支持経路と、を有するヒートシンクを備え、前記ヒートシンクの前記後側の少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分が、前記荷重支持経路の前記後方セグメントから側方にオフセットされており、前記動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの主本体の前記基部から略後方に延びるとともに動的伝熱表面積を集合的に有する動的伝熱フィンを備え、前記ヒートシンクの前記主本体が、合計の熱体積を有し、前記合計の熱体積に対する前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも1cm/cmであり、前記少なくとも1つの第1の成形面が第1の高温に到達するように前記ヒートシンクを加熱することと、第2のプラテンを前記第1のプラテンと重ね合わせて第1の位置に到達させることと、を含み、前記第1の位置では、前記第1の金型部品の前記少なくとも1つの第1の成形面と、前記第2のプラテンによって支持される第2の金型部品の少なくとも1つの第2の成形面と、が結合して、前記ヒートシンクの前記少なくとも1つの荷重支持経路と交差する少なくとも1つの成形キャビティを画定するようになっており、溶融樹脂を前記少なくとも1つの成形キャビティ内に注入することと、前記少なくとも1つの第1の成形面が前記第1の高温よりも少なくとも10℃低い第2の低温に到達するように前記ヒートシンクを動的に冷却することと、前記少なくとも1つの成形キャビティ内の溶融樹脂を冷却及び固化させて成形部品を形成することと、前記第1及び第2のプラテンを、前記成形部品が前記成形キャビティから取り出し可能になる第2の位置まで、互いに離れる方向に移動することと、を含む、射出成形方法。
29.前記ヒートシンクの前記前側が、少なくとも1つの静的伝熱ゾーンを有し、前記ヒートシンクを加熱するステップが、前記ヒートシンクと密接に熱接触した状態にある1つ又は複数の静的ヒーターによって実施される、実施形態28に記載の方法。
30.前記ヒートシンクの前記後側の前記少なくとも1つの非加重支持の動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの冷却のみに使用され、前記ヒートシンクの加熱には使用されない、実施形態28〜29のいずれかに記載の方法。
31.前記ヒートシンクを動的に冷却するステップが、前記少なくとも1つの静的ヒーターを使用して前記ヒートシンクを加熱するステップがまだ進行している間に開始される、実施形態28〜30のいずれかに記載の方法。
32.前記ヒートシンクの前記後側の少なくとも1つの非加重支持の動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの冷却及び加熱の両方に使用される、実施形態28、29及び31のいずれかに記載の方法。
33.前記第2のプラテンを前記第1のプラテンと重ね合わせて前記第1の位置に到達させることによって前記成形キャビティを形成するステップは、前記少なくとも1つの第1の成形面が少なくとも前記第1の高温に加熱された後に実施される、実施形態28〜32のいずれかに記載の方法。
34.前記第2の金型部品が、第1の金型部品の前記少なくとも第1の成形面の前記第2の低温よりも少なくとも10℃低い名目上一定の温度に制御される、実施形態28〜33のいずれかに記載の方法。
35.請求項1〜25のいずれかに記載のヒートシンクを使用する、実施形態28〜34のいずれかのいずれかに記載の方法。
装置
概ね図1〜4に示した設計のヒートシンク及びそのヒートシンクに関連する部品を製造した。(図面の要素に対する以下の全ての参照は、記載の利便性のためであり、記載した品目が、図面に参照された付番された品目と完全に一致することを暗示するものではない)。ヒートシンクの主本体は、概ね図2、3、及び4の品目40により例示した通りであり、Performance Alloys,Germantown,WIから商品名Moldstar 150で得た、高い熱伝導率(およそ260ワット/メートル/℃)のベリリウムフリー銅合金のブロックから機械加工された。ヒートシンクの主本体は、およそ14cm(周辺突出部18は含まない)の公称直径を含み、およそ21mmの前後公称厚さを有していた(最も外側の壁62の前面11から最後部表面まで測定して、ボス12の厚さは含まない)。主本体の前方側は、概ね図2の品目12により例示される8個の周方向に間隔を空けて配置されたボスを含み、各ボスは、主本体の前面からおよそ2mm前方に突出し、およそ18mmの直径を有した。主本体は、およそ5〜8mmの範囲内の平均厚さを有する基部部分を含んでいた。基部部分は、各ボスの下にある領域内と、各ボスから、隣接する各レセプタクルの径方向内側及び径方向外側の末端部まで、周方向に拡がる領域内と、各レセプタクルの下にある領域内とが、この厚さ範囲の上限に接近した(例えば8mmの全厚はセプタクル自体の深さを計上しないことに留意する)。基部部分は、各ボスから、ヒートシンク主本体の径方向最も外側の縁部まで、径方向外側に拡がる領域内で、この厚さ範囲の下限に接近した。主本体の背側は3つの動的伝熱環状領域を含み、その領域のうち2つは、概ね図3及び4の品目61及び71により例示される周方向に細長いフィンを含み、そのフィンは、主本体の基部部分から後方へ突出し、およそ1.5mm(径方向)の厚さを有し、流体の流れ経路を画定し、その経路は、それらの間におよそ2mmの径方向厚さを有した。第3の動的伝熱環状領域は、第1の2つの領域の間にて径方向に挟まれ、支柱形態のフィンを含み、この領域は、概ね図3及び4に示すように、環状領域の周囲にて周方向に間隔を空けて配置された8個のスリーブ(それぞれ、およそ14mmの内径を有する)も含んでいた。図3の品目400に例示したタイプの封鎖プレート(厚さおよそ1.5mmの銅プレート)を、ヒートシンクの背側に配置し、封鎖プレートの径方向最も外側の周辺縁部を、ヒートシンクの主本体の径方向最も外側の壁62の最も後方の表面に溶接した。封鎖プレートの径方向最も内側の縁部は、ヒートシンクの主本体の径方向最も内側の側壁72に溶接し、開口部405の周辺縁部は、ヒートシンクの主本体のスリーブ82の最後部表面に溶接した。
ヒートシンクの主本体は、本明細書にて前述したように計算して、およそ177立方センチメートルの合計の熱体積を有していた。ヒートシンクの主本体は、本明細書にて前述したように計算して、およそ832平方cmの合計の動的伝熱表面積を有していた。
図2の品目200に例示した一般的なタイプの8個のキャビティインサート(ニッケルの)を製造した。各キャビティインサートをボスの表面上に配置し、全部のキャビティインサートを、図1及び2の品目100に例示した一般的な設計のチタンフレームにより、その表面上に保持した。フレームの孔を通過し、ヒートシンクの主本体の孔内に螺合したねじによって、チタンフレームをヒートシンクの主本体に取り付けた。各キャビティインサートは、図5の代表的な図と概ね同様の方法で、(第2の金型部品の表面がキャビティインサートの前方を向いた側に接するように移動されて成形キャビティを画定した際)、直径およそ12.5cm(およそ1.26cmの投影面積を有する)及び厚さおよそ0.7mmの成形キャビティを提供するように設計され、成形キャビティは多数のマイクロフィーチャ成形のサブキャビティを含んでいた。
チタンフレームをヒートシンク主本体に取り付ける前に、St.Louis,MOのWatlowから商品名ULTRAMIC(登録商標)Advanced Ceramic Heatersで得た8個のセラミック電気抵抗ヒーター(図の品目20に例示したような)を、ヒートシンクの主本体の前側上の8個のレセプタクル(図2の品目14に例示したような)内に設置した。厚さおよそ1.5mmの高温安定、グラファイト含有ガスケット(Aurora,OHのMcMaster−Carrから得た)を各ヒーターの前方に設置し、厚さおよそ1.5mmの弾性シリコーンパッド(Aurora,OHのMcMaster−Carrから得た)を各グラファイト荷重ガスケットの前方に設置した。これらの層は、チタンフレームがヒートシンクの主本体に対して絞められた際、各ヒーターに圧力が適用されてそのヒーターをヒートシンクの主本体に当接してしっかりと保持し、チタンフレーム内への熱エネルギーの過剰な伝導漏洩を有することなく、ヒーターとヒートシンクとの間での熱エネルギーの伝導移動を最適にするようにした。
この方法で、主本体を含み、主本体の前側上にキャビティインサート及び電気抵抗加熱要素を有し、チタンフレームにより定位置に保持されたヒートシンクが提供され、次いでこのアセンブリはヒートシンク支持体内に挿入することができた。
図1の品目500に例示した一般的なタイプのヒートシンク支持体を製造した。ヒートシンク支持体は、銅で作製された主本体を含み、ヒートシンクを収容するように構成されている前方に向いた開放端を有するキャビティ510と、8個のチタンプラグ(図3の品目90に例示した一般的なタイプの、及びおよそ7W/m−Kの範囲内の熱伝導率を有する)を受容するように構成されている8個のレセプタクル503とを有し、プラグの前方部分は、ヒートシンクの主本体の後方側上のスリーブ82内に圧入され、プラグの後方部分は、ヒートシンク支持体503のレセプタクル内に納められた。各チタンプラグは、図3の品目93に例示したタイプの前方−後方貫通孔を備えていた。ねじは、ヒートシンク支持体の各レセプタクル内の貫通孔506を通して前方に挿入され、各チタンプラグの貫通孔を通過し、ヒートシンクの主本体内の受容孔85内に螺合された。これらのねじのヘッドは、ヒートシンク支持体のレセプタクル503の後方に位置し、したがってねじが絞められた際、それらはヒートシンク、チタンプラグ、及びヒートシンク支持体を一緒に引き、ヒートシンク及びプラグをヒートシンク支持体に対して定位置に固定した。
プラグの前方−後方長さの大部分を通した、各チタンプラグの面積は、およそ1.43cmであった。各プラグの前部及び後部末端部は僅かに面取りされていたため(いずれの図にも示さず)、各末端部における各プラグの面積は、およそ1.21cmであった。(8個のチタンプラグの後方に向いた表面により集合的に提供される合計の荷重支持接触面積(ヒートシンク支持体に対して)は、それ故、およそ11.5平方cmであった)。各成形キャビティの上記にて提示した投影面積域がおよそ1.26cmであることを考慮すると、各チタンプラグは、その前方−後方長さの殆どに沿って、成形キャビティの投影面積のおよそ114%である(かつ成形キャビティの投影面積に完全に重なる)投影面積を含んでいた。各チタンプラグは、プラグの最小断面積の地点で(即ち、プラグの面取りされた末端面で)、成形キャビティの投影面積のおよそ95%であり、成形キャビティの投影面積にこれと同じ量、重なる投影面積を含んでいた。
アルミニウムスペーサーリング(図1の品目330と概ね類似した)をヒートシンクの周辺部とヒートシンク支持体の前方に向いた環状レッジ519との間に設置し、図1に示したものと同様の方法で、ねじをヒートシンクの周辺突出部18内の孔に通過させ、環状レッジ内に提供された孔521内に通して、ヒートシンクの周辺をヒートシンク支持体に固定し、その周辺部とヒートシンク支持体との間にスペーサー300を有した。
ワイヤをヒートシンク支持体内の貫通孔(例えば、図1の品目513に例示したタイプの)に通し、8個の上述した電気抵抗ヒーターに接続した。非荷重支持環状アルミニウムカバープレートレート(いずれの図にも示さず)を、フレームの周辺部の前方に配置し、カバープレートレートは径方向外側に延びてワイヤを収容及び保護した。カバープレートレートを、ヒートシンク支持体の前部に向いた、最も外側の環状リム505内の孔内に螺合されたねじにより、ヒートシンク支持体に取り付けた。
図1の品目564、565、574及び575と類似したタイプの流体−注入管継手及び流体−排出管継手を使用して、伝熱流体をヒートシンクの様々な動的伝熱領域内へ向けさせ、かつその領域から排出した。この配置は、管継手がヒートシンクの背側封鎖プレート内に提供された開口部(図3の開口部403及び404と類似した)に溶接された管継手にねじ接続されていた点で、図1に示したものと僅かに異なっていた。溶接されたこれらの管継手はヒートシンクの伝熱流体入口及び出口(例えば、図3の品目64、65、74及び75に例示したタイプの)内に納められて、伝熱流体をヒートシンクの後側の様々な動的伝熱領域内へ向けさせ、かつその領域から排出することができた。入口管継手は伝熱流体(この場合は圧縮空気)供給物に接続され、出口管継手は使用済み流体を局所環境内に排出するように構成されていた。使用した特定の配置では、最も内側の動的伝熱ゾーンに空気を供給した管継手(例えば、封鎖プレート400の貫通孔(hold)404に溶接され、伝熱流体を最も内側の伝熱ゾーンの流体入口74内に向けさせた管継手)は、第3の、挟まれた動的伝熱ゾーンの一部分内に重なっていたため、少なくとも幾分かの伝熱流体はそのゾーンに直接挿入された。
記したような相違点を除いた、概ね図1に示したような装置全体は、射出成形システム(プレス)の第1のプラテンの従来の金型基部に取り付けられ、その基部により支持された。この第1のプラテンは非移動プラテンであった(それ故、キャビティインサートは、多くの場合射出成形システムの「A」側又は「A」プレートと称される、第1の金型部品に集合的に対応する)。射出成形システムは、ヒートシンクの前方に位置決めされた第2のプラテンを含み、第2のプラテンは、第2の金型部品(多くの場合、「B」側又はプレートと称される)を支持する金型基部を含み、第2のプラテンを第1のプラテンに向かって移動することによりキャビティインサートに接するように移動され得る表面を有する。第2の金型部品の表面はランナーを含み、そのランナーを通して溶融樹脂を(それぞれヒートシンク支持体及びヒートシンクの中心部貫通孔517及び77を通過する射出成形ノズルからの溶融樹脂が供給される中心部射出地点から)8個の成形キャビティに分配することができ、各成形キャビティは、第2の金型部品の表面の一部分と共にキャビティインサートの成形面により画定されている第2の金型部品は8対のエジェクタピンを含み、ピンの各対により、第2の金型部品の領域をブラッケット付けすることにより成形キャビティの表面が提供され、成形サイクルの終わりにおいて成形部品が第2の金型部品から排出できた。
第2の金型部品は、従来の方法で、第2の金型部品内のチャネルを通過し得る加熱及び冷却液体を用いて公称設定点温度に制御することができた。ヒートシンク支持体500は同様に、従来の方法で、ヒートシンク支持体内のチャネルを通過し得る加熱及び冷却液体を用いて(例えば、図1に示すように、流体−入口ポート514を通してヒートシンク支持体内に導入することにより)公称設定点に制御することができた。ヒートシンク主本体(及びその主本体に結合したキャビティインサート)の温度は、勿論、これらの公称設定点とは独立して制御することができた。
方法
射出成形システムは、Munchen,GermanyのKrauss Maffei Technologies GmbHから得た樹脂溶融及び射出装置(往復ねじ装置)を使用し、その装置は、高分子樹脂を溶融し、溶融樹脂を上述したランナー/成形キャビティ内に供給するように構成されていた。使用した樹脂は、Pittsfield,MAのSABIC Innovative Plasticsから商品名Lexan HPS1Rで得られるポリカーボネートであった。射出装置は、射出バレルにおいておよそ288℃の温度を有していた。
ヒートシンク支持体は、そのヒートシンク支持体の内部を通して循環された加熱/冷却水により、29〜32℃範囲内の概ね一定の公称温度に制御された第2の金型部品(B側)は、その部品を通して循環された加熱/冷却水により、およそ82℃の概ね一定の公称設定点に制御された。
各成形サイクルにおいて、ヒートシンク自体が最初におよそ163℃の公称設定点に加熱された。これは、第1及び第2のプラテン(及びそれらのそれぞれの第1及び第2の金型部品)が分離した(例えば、前回の成形サイクルの結末に)状態で実施された。加熱は前側電気抵抗ヒーターに電流を供給することにより実施された。
ヒートシンクが所望の公称温度に到達するのに好適な時間の終わりに、第2の(B側)金型部品を第1の(A側)金型部品に接するように移動して、8個の成形キャビティを形成した。前記部品は、溶融樹脂が注入された際のフラッシングを防止又は最小限にするのに十分な圧力で互いに組み合わされた(プレスは公称60トン定格であったことに留意する)。典型的には、金型が閉鎖された1〜2秒以内に、溶融樹脂が8個の全キャビティ内に(前述したランナーを通して)注入された。ほぼ同時に、電気抵抗ヒーターの電源を切り、圧縮空気(19℃の範囲内の推定温度の)をヒートシンクの背側の第1及び第2の動的伝熱領域内に導いた。径方向最も内側の伝熱領域のチャネルを通した気流の方向は、最も外側の伝熱領域に関する気流の方向の反対であった。また、入口管継手の少なくとも1つのノズルは、第3の(径方向に挟まれた)伝熱領域内に僅かに重なっていたため、伝熱流体が入口管継手を通して供給される際、少なくとも幾分かの伝熱流体がこの領域内に導かれた。使用済み空気は、局所環境内に排出された。
成形部品が十分に固化するのに好適な冷却時間の終わりに、第2のプラテンを第1のプラテンから離れるように移動して、第1及び第2の金型部品を分離し、成形部品は典型的には第2の金型部品と共に残留した(エジェクタピンにより第2の金型部品から排出されるまで)。次いで、サイクルを再び開始し得た。
このプロセスにより、およそ直径13mm、厚さ0.7mmのサイズ(ランナーなど内の固化材料を除く)の成形プラスチック部品が生産され、その部品の主表面上から多数(数ダース)の成形マイクロフィーチャが突出していた。マイクロフィーチャの成形の忠実度は卓越していた。
上述したヒートシンクは、およそ20kgの重量の銅のブロックを有する第1の(A側)金型部品に依存していた従来の射出成形装置を代替するように使用された。そのような従来装置について、高い熱質量に少なくとも部分的に起因して、成形サイクルの完了には、典型的にはおよそ70秒を要した。上述したヒートシンクを使用した際、それにより成形サイクルが短縮され、合計サイクル時間が典型的にはおよそ46秒に短縮し、そのうちのおよそ28秒が加熱であり、およそ18秒が冷却であった。
上述の試験及び試験結果は予測ではなく例示のみを意図したものであり、試験方法が変われば異なる結果が生じ得ると考えられる。実施例の項における定量的な値は全て、用いられる手順に伴う一般的に既知の許容誤差を考慮した近似的な値であるものと理解される。上記の詳細な説明及び実施例はあくまで理解を助ける明確さのために示したものである。これらによって不要な限定をするものと理解されるべきではない。
本明細書で開示された具体的な代表的構造、特徴、詳細、形態などは、改変することができ、及び/又は数多くの実施形態で組み合わせることができることが、当業者には明らかであろう。そのような変更及び組み合わせの全ては、代表的な説明の役割を果たす選択された代表的な設計のみではない、着想された本発明の領域内に含まれるとして本発明者により想定される。したがって、本発明の領域は、本明細書に記載される特定の例示的構造に限定されるべきではないが、むしろ少なくとも請求項の言語によって説明される構造、及びそれらの構造に相当する構造にまで拡大する。記載される本明細書と、参照により本明細書に組み込まれている全ての文書内の開示との間に不一致又は矛盾が存在する場合、記載される本明細書が優先する。

Claims (34)

  1. 射出成形において使用される装置であって、
    基部を有する主本体と、前側及び後側並びに前後軸及び横軸と、前記前後軸と略平行に延びて前記前側における成形面と交差するとともに少なくとも前方セグメント及び後方セグメントを備える少なくとも1つの荷重支持経路と、を有するヒートシンクを備え、
    前記ヒートシンクの前記後側の少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分が、前記荷重支持経路の前記後方セグメントから側方にオフセットされており、
    前記動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの主本体の前記基部から略後方に延びるとともに動的伝熱表面積を集合的に有する動的伝熱フィンを備え、
    前記ヒートシンクの前記主本体が、合計の熱体積を有し、
    前記合計の熱体積に対する前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも1cm/cmである、装置。
  2. 前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記ヒートシンクの前記後側の前記少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの部分によって側方を包囲されている、請求項1に記載の装置。
  3. 前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路を有し、
    各荷重支持経路の各後方セグメントが、隣接する個別の荷重支持経路セグメントから前記ヒートシンクの前記動的伝熱ゾーンの部分によって分離されている個別の荷重支持経路セグメントである、請求項1に記載の装置。
  4. 各荷重支持経路の個別の各後方セグメントが、前記ヒートシンクの主本体に取り付けられた荷重支持部材によって提供される、請求項3に記載の装置。
  5. 各荷重支持部材が作製されている材料が、前記ヒートシンクの前記主本体が作製されている材料の熱伝導率よりも少なくとも30%低い熱伝導率を有する、請求項4に記載の装置。
  6. 各荷重支持部材の少なくとも最前方の部分が、前記ヒートシンクの前記主本体から後方に突出するとともに前記ヒートシンクの前記主本体と一体をなす非荷重支持の中空スリーブによって少なくとも部分的に画定される、後方に開口したレセプタクルの内側に位置決めされている、請求項5に記載の装置。
  7. 前記ヒートシンクの前記主本体の前記合計の熱体積に対する前記ヒートシンクの前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも4cm/cmである、請求項1に記載の装置。
  8. 前記動的伝熱フィンのうちの少なくともいくつかが、少なくとも3:1の高さ対厚さのアスペクト比を有する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つの動的伝熱ゾーンが、前記複数の個別の荷重支持経路セグメントよりも半径方向の外側に位置する第1の動的伝熱領域と、前記複数の個別の荷重支持経路セグメントよりも半径方向の内側に位置する第2の動的伝熱領域と、前記第1及び第2の動的伝熱領域の間で半径方向に挟まれた第3の動的伝熱領域と、を有し、
    前記複数の個別の荷重支持経路セグメントが、前記第3の動的伝熱領域に沿って、周方向に間隔を空けて配置されている、請求項3に記載の装置。
  10. 前記ヒートシンクの前記前側の前記成形面が、投影面積を有し、
    前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記成形面の前記投影面積の少なくとも約80%である投影面積を有する、請求項1に記載の装置。
  11. 前記ヒートシンクの前記前側の前記成形面が、投影面積を有し、
    前記荷重支持経路の前記後方セグメントが、前記成形面の前記投影面積の100%に重なる投影面積を有する、請求項1に記載の装置。
  12. 前記ヒートシンクの前記前側が、少なくとも1つの静的伝熱ゾーンを有する、請求項1に記載の装置。
  13. 前記少なくとも1つの静的伝熱ゾーンが、複数の個別のレセプタクルを備え、
    前記複数の個別のレセプタクルは、前記ヒートシンクの主本体の前側の内部に向かって後方に凹んでおり、かつ静的加熱要素及び/又は静的冷却要素と熱エネルギーを交換するようにそれぞれ構成されており、
    前記要素が、前記ヒートシンクの前記主本体の表面と密接に熱接触した状態で前記レセプタクル内に位置決めされている、請求項12に記載の装置。
  14. 前記静的加熱要素及び/又は静的冷却要素が、電気抵抗加熱要素である、請求項13に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路であり、
    前記ヒートシンクの前記前側が、複数の個別の成形面を有し、
    前記ヒートシンクの前記複数の荷重支持経路の個々の荷重支持経路が、前記複数の個別の成形面の各々と交差している、請求項1に記載の装置。
  16. 前記個別の成形面の各々が、前記ヒートシンクの主本体の前側から前方に突出する複数の個別のボスのうちの1つボスに個別に位置しており、
    前記複数の個別のボスの各々が、前記ヒートシンクの荷重支持経路の前方セグメントの一部である、請求項15に記載の装置。
  17. 前記ヒートシンクの前記前側が複数の個別のレセプタクルを有する静的伝熱ゾーンを有し、
    前記複数の個別のレセプタクルが、前記ヒートシンクの前記主本体の前側の内部に向かって後方に凹んでおり、かつ前記ヒートシンクの前記主本体の表面と密接に熱接触した状態で前記レセプタクル内に位置決めされた静的加熱要素及び/又は静的冷却要素と熱エネルギーを交換するようにそれぞれ構成されており、
    前記複数のレセプタクルのうちのレセプタクルは、前記複数の個別のボスのうちのボスと一緒に周方向に散在している、請求項16に記載の装置。
  18. 前記個別の成形面の各々が、前記ヒートシンクの前記主本体の前記前側において個別に位置決めされたキャビティインサートの前方を向いた成形面によって提供される、請求項15に記載の装置。
  19. 前記ヒートシンクの前記前側の前方に位置決めされるとともに前記ヒートシンクに取り付けられて各キャビティインサートを定位置に保持するフレームを更に備える、請求項18に記載の装置。
  20. 前記少なくとも1つの荷重支持経路が、複数の荷重支持経路であり、
    各荷重支持経路の各後方セグメントが、個別の荷重支持経路セグメントであり、
    前記装置は、ヒートシンク支持体をさらに備え、
    前記ヒートシンクは、前記ヒートシンクの前記後側の個別の後方を向いた表面であって、それぞれが前記ヒートシンクの後方の個別の荷重支持経路セグメントの一部をなす表面が、前記ヒートシンク支持体の前方を向いた表面とそれぞれ接触して両表面間に荷重支持界面を提供するように、前記ヒートシンク支持体に取り付けられている、請求項1に記載の装置。
  21. 前記ヒートシンクの前記後側の個別の後方を向いた各表面が、荷重支持部材の後方を向いた表面によって提供され、
    前記荷重支持部材が、前記ヒートシンクの主本体の前記後側に取り付けられ、かつ前記ヒートシンクの前記主本体が作製されている材料の熱伝導率よりも少なくとも30%低い熱伝導率を有する材料で作製されている、請求項20に記載の装置。
  22. 前記複数の荷重支持部材の前記後方を向いた表面が、前記ヒートシンク支持体との荷重支持接触面積を集合的に提供し、
    前記荷重支持部材の合計の荷重支持接触面積に対する前記ヒートシンクの前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも20である、請求項21に記載の装置。
  23. 前記成形面が、少なくとも1つのマイクロフィーチャ成形のサブキャビティを有する、請求項1に記載の装置。
  24. 前記成形面が、少なくとも約4:1のアスペクト比を有する少なくとも1つのサブキャビティを有する、請求項1に記載の装置。
  25. 前記ヒートシンクが、第1のプラテンによって支持され、かつ少なくとも1つの第1の成形面を有する第1の金型部品を提供する、請求項1に記載の装置であって、
    前記装置は、少なくとも1つの第2の成形面を有する第2の金型部品を備えた第2のプラテンを備えており、
    前記第1のプラテン及び前記第2のプラテンが重ね合わせられると、前記少なくとも1つの第2の成形面が、前記第1の金型部品の前記少なくとも1つの成形面と結合して、少なくとも1つの成形キャビティを少なくとも部分的に画定するようになっている、装置。
  26. 前記第1のプラテンが固定式であり、
    前記第2のプラテンは、前記少なくとも1つの成形キャビティが画定される第1の位置まで前記第1のプラテンに向かって移動可能であり、かつ成形された部品が前記成形キャビティから取り出し可能になる第2の位置まで前記第1のプラテンから離れる方向に移動可能である、請求項25に記載の装置。
  27. 前記少なくとも1つの成形キャビティが、複数の個別の金型キャビティであり、
    ヒートシンクは、溶融樹脂注入システムが溶融樹脂を注入することを可能にするように構成された少なくとも1つの貫通孔を有し、
    前記第2の金型部品はランナーを備え、注入された溶融樹脂は、前記ランナーを通って前記個別の成形キャビティ内に分割され分配されることができる、請求項26に記載の装置。
  28. 射出成形方法であって、
    第1の金型部品を備える第1のプラテンを提供することを含み、
    前記第1の金型部品は、基部を有する主本体と、前側及び後側並びに前後軸及び横軸と、前記前後軸と略平行に延びて前記前側における少なくとも1つの第1の成形面と交差するとともに少なくとも前方セグメント及び後方セグメントを備える少なくとも1つの荷重支持経路と、を有するヒートシンクを備え、
    前記ヒートシンクの前記後側の少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンの少なくとも一部分が、前記荷重支持経路の前記後方セグメントから側方にオフセットされており、
    前記動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの主本体の前記基部から略後方に延びるとともに動的伝熱表面積を集合的に有する動的伝熱フィンを備え、
    前記ヒートシンクの前記主本体が、合計の熱体積を有し、
    前記合計の熱体積に対する前記動的伝熱表面積の比が、少なくとも1cm/cmであり、
    前記少なくとも1つの第1の成形面が第1の高温に到達するように前記ヒートシンクを加熱することと、
    第2のプラテンを前記第1のプラテンと重ね合わせて第1の位置に到達させることと、含み、
    前記第1の位置では、前記第1の金型部品の前記少なくとも1つの第1の成形面と、前記第2のプラテンによって支持される第2の金型部品の少なくとも1つの第2の成形面と、が結合して、前記ヒートシンクの前記少なくとも1つの荷重支持経路と交差する少なくとも1つの成形キャビティを画定するようになっており、
    溶融樹脂を前記少なくとも1つの成形キャビティ内に注入することと、
    前記少なくとも1つの第1の成形面が前記第1の高温よりも少なくとも10℃低い第2の低温に到達するように前記ヒートシンクを動的に冷却することと、
    前記少なくとも1つの成形キャビティ内の溶融樹脂を冷却及び固化させて成形部品を形成することと、
    前記第1及び第2のプラテンを、前記成形部品が前記成形キャビティから取り出し可能になる第2の位置まで、互いに離れる方向に移動することと、を含む、射出成形方法。
  29. 前記ヒートシンクの前記前側が、少なくとも1つの静的伝熱ゾーンを有し、
    前記ヒートシンクを加熱するステップが、前記ヒートシンクと密接に熱接触した状態にある1つ又は複数の静的ヒーターによって実施される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記ヒートシンクの前記後側の前記少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの冷却のみに使用され、前記ヒートシンクの加熱には使用されない、請求項29に記載の方法。
  31. 前記ヒートシンクを動的に冷却するステップが、前記少なくとも1つの静的ヒーターを使用して前記ヒートシンクを加熱するステップがまだ進行している間に開始される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ヒートシンクの前記後側の前記少なくとも1つの非荷重支持の動的伝熱ゾーンが、前記ヒートシンクの冷却及び加熱の両方に使用される、請求項28に記載の方法。
  33. 前記第2のプラテンを前記第1のプラテンと重ね合わせて前記第1の位置に到達させることによって前記成形キャビティを形成するステップは、前記少なくとも1つの第1の成形面が少なくとも前記第1の高温に加熱された後に実施される、請求項28に記載の方法。
  34. 前記第2の金型部品が、第1の金型部品の前記少なくとも第1の成形面の前記第2の低温より少なくとも10度℃低い名目上一定の温度に制御される、請求項28に記載の方法。
JP2015512671A 2012-05-18 2013-05-01 射出成形装置及び方法 Pending JP2015517419A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/474,938 2012-05-18
US13/474,938 US8663537B2 (en) 2012-05-18 2012-05-18 Injection molding apparatus and method
PCT/US2013/039073 WO2013173067A1 (en) 2012-05-18 2013-05-01 Injection molding apparatus and method

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015517419A true JP2015517419A (ja) 2015-06-22

Family

ID=49580700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015512671A Pending JP2015517419A (ja) 2012-05-18 2013-05-01 射出成形装置及び方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US8663537B2 (ja)
EP (1) EP2849926A1 (ja)
JP (1) JP2015517419A (ja)
KR (1) KR20150010998A (ja)
CN (1) CN104302459A (ja)
BR (1) BR112014028555A2 (ja)
SG (1) SG11201407633PA (ja)
WO (1) WO2013173067A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103124625B (zh) * 2010-09-30 2016-07-13 旭化成株式会社 注射成形体
JP6236081B2 (ja) * 2012-07-31 2017-11-22 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 熱的に制御可能なアレイを備える型穴表面を備える射出成形装置及び方法
US9216532B2 (en) * 2014-02-14 2015-12-22 GM Global Technology Operations LLC Injection mold assembly
US10259152B2 (en) 2014-12-11 2019-04-16 Otto Männer Innovation GmbH Injection molding apparatus with heated mold cavities
GB2570926A (en) * 2018-02-12 2019-08-14 Surface Generation Ltd Mould tool, method of assembling a mould tool and method of manufacture using a mould tool

Family Cites Families (56)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0622838B2 (ja) 1987-07-22 1994-03-30 富士写真フイルム株式会社 射出成形用金型
IT1244146B (it) 1990-11-02 1994-07-08 Sviluppo Settori Impiego Srl Stampo a bassa inerzia termica e suo impiego nella nobilitazione superficiale di manufatti ottenuti per"blow molding"o termoformatura
GB9025015D0 (en) 1990-11-16 1991-01-02 Evans Rowland F Cyclic processor temperature control system
US5260014A (en) * 1991-06-13 1993-11-09 Automotive Plastic Technologies Method of making a multilayer injection mold
US6276656B1 (en) 1992-07-14 2001-08-21 Thermal Wave Molding Corp. Mold for optimizing cooling time to form molded article
DE4234961C2 (de) 1992-10-16 1996-07-25 Innova Zug Ag Verfahren zur Herstellung eines Formwerkzeuges für die Herstellung von Kunststofformteilen
US5775402A (en) 1995-10-31 1998-07-07 Massachusetts Institute Of Technology Enhancement of thermal properties of tooling made by solid free form fabrication techniques
US5376317A (en) 1992-12-08 1994-12-27 Galic Maus Ventures Precision surface-replicating thermoplastic injection molding method and apparatus, using a heating phase and a cooling phase in each molding cycle
US5423670A (en) * 1993-10-08 1995-06-13 Hamel; Julio E. Enhanced thermal transfer injection molding apparatus
FR2734756B1 (fr) 1995-05-30 1997-09-12 Atek Dev Ensemble d'injection pour un moule d'injection de matiere plastique ainsi qu'un procede de realisation d'un tel ensemble
JP3192921B2 (ja) * 1995-06-06 2001-07-30 積水化学工業株式会社 射出成形装置
DE19533045A1 (de) 1995-09-07 1997-03-13 Gerhard Dr Ing Betz Dauergießform für Kunststoff-, Metall- und Glasguß
US5653907A (en) 1996-02-15 1997-08-05 Ford Motor Company Lightweight thermally responsive mold for resin transfer molding
JP2835033B2 (ja) 1996-07-17 1998-12-14 株式会社名機製作所 射出成形機の加熱筒の温度制御方法および装置
US5830515A (en) * 1996-09-18 1998-11-03 Pleasant Precision, Inc. Mold insert
DE19704700C1 (de) 1997-02-07 1998-09-24 Fraunhofer Ges Forschung Definiert, feingliedrig und punktuell temperierbare Formen und Werkzeuge aus verschiedenen Materialien, insbesondere Metall, Kunststoff, Papier, Keramik und deren Mischungen, ihre Verwendung und Verfahren zur Temperierung von Formen und Werkzeugen
TW341171U (en) 1998-01-16 1998-09-21 Li-Li Chen A platform radial dissipation forming mold
JP2000280294A (ja) * 1999-03-30 2000-10-10 Hmy Ltd 射出成形用材料の保温方法
JP3977565B2 (ja) 1999-05-06 2007-09-19 小野産業株式会社 合成樹脂成形用金型並びに金型温度調整装置及び金型温度調整方法
US6290882B1 (en) 1999-06-07 2001-09-18 Galic Maus Ventures Llp Reduced-knitline thermoplastic injection molding using multi-gated non-sequential-fill method and apparatus, with a heating phase and a cooling phase in each molding cycle
US7027304B2 (en) 2001-02-15 2006-04-11 Integral Technologies, Inc. Low cost thermal management device or heat sink manufactured from conductive loaded resin-based materials
US20020162940A1 (en) 2001-05-01 2002-11-07 Brookfield Innovations Inc. System for regulating mold temperature
DE10221558B4 (de) 2002-05-15 2005-07-21 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Formenteil, Formwerkzeug und Verfahren zum Spritzgießen von Kunststoffartikeln
US6739858B2 (en) 2002-08-29 2004-05-25 Graham Packaging Company, L.P. Insulated apparatus for injecting and removing compressed air from a cooled mold cavity
CA2763061C (en) 2002-11-08 2013-09-17 The Concentrate Manufacturing Company Of Ireland Injection mold having a wear resistant portion and a high heat transfer portion
US7195223B2 (en) 2002-12-02 2007-03-27 Mark Manuel System and a method for cooling a tool
US7168942B1 (en) 2003-07-31 2007-01-30 Cito Products, Inc. Method and apparatus for mold temperature control using air
US20070191761A1 (en) 2004-02-23 2007-08-16 3M Innovative Properties Company Method of molding for microneedle arrays
JP2005324503A (ja) 2004-05-17 2005-11-24 Olympus Corp 金型の冷却方法、樹脂成形方法、樹脂成形装置、金型
KR100450641B1 (ko) 2004-05-28 2004-10-01 한국생산기술연구원 마이크로 금형용 공정온도 제어시스템이 구비된 금형장치
KR20050117939A (ko) 2004-06-11 2005-12-15 삼성전자주식회사 금형장치
CN101072668B (zh) 2004-12-07 2011-08-31 3M创新有限公司 模制微型针的方法
US20060145397A1 (en) 2005-01-05 2006-07-06 Steil Frederick G Method and tool for molding
US20070042075A1 (en) 2005-08-22 2007-02-22 Christopher Cavallaro Fast thermal response mold
MX2008002479A (es) 2005-08-30 2008-04-07 Advanced Plastics Technologies Metodos y sistemas por controlar temperaturas de molde.
JP4052600B2 (ja) 2005-10-25 2008-02-27 山下電気株式会社 合成樹脂成形用金型
JP4735367B2 (ja) 2006-03-28 2011-07-27 株式会社デンソー 射出成形装置
WO2007121934A1 (en) 2006-04-21 2007-11-01 Tecos, Slovenian Tool And Die Development Centre Mould for thermally processing polymeric moulding materials, temperature controlled mould system and polymer processing system
CN1944028A (zh) 2006-10-23 2007-04-11 山东大学 一种可实现塑料注射模具均匀加热和冷却的方法
KR20080043589A (ko) 2006-11-14 2008-05-19 삼성전자주식회사 금형의 온도 조절 장치 및 그를 이용한 사출성형 방법
JP2008149372A (ja) 2006-12-13 2008-07-03 Ie Solution Kk 材料成形用の型および材料成形法、材料成型装置
WO2008075328A1 (en) 2006-12-20 2008-06-26 Microflow Ltd. A method of fabricating heat sinks and heat exchangers
KR100923726B1 (ko) 2007-05-28 2009-10-27 이승욱 급속 가열 및 급속 냉각 금형 장치
CN101100106A (zh) 2007-07-26 2008-01-09 山东大学 一种塑料模具快速加热及冷却的温度控制装置
DE102007047617B3 (de) 2007-10-04 2009-04-30 Werkzeugbau Siegfried Hofmann Gmbh Spritzgießform zum Einsatz in einer Spritzgießvorrichtung
JP2009137014A (ja) * 2007-12-03 2009-06-25 Sumitomo Heavy Ind Ltd 金型装置、成形機及び成形方法
WO2009084762A1 (en) 2007-12-28 2009-07-09 Nam Wuk Heo Apparatus for quick heating and cooling a injection mold and method of controlling temperature of the injection mold
US20090169410A1 (en) 2007-12-31 2009-07-02 Slaton David S Method of forming a thermo pyrolytic graphite-embedded heatsink
CN100558536C (zh) 2008-02-26 2009-11-11 山东大学 高光无熔痕注塑工艺的多点模具温度控制系统
US20090226556A1 (en) 2008-03-10 2009-09-10 Chih-Cheng Lin Indirect cooling structure for mold
TW201012627A (en) 2008-09-30 2010-04-01 Mitac Prec Technology Kunshan Rapid heating and cooling molding system and extrusion mold thereof
CN101733914B (zh) 2008-11-12 2013-06-19 汉达精密电子(昆山)有限公司 快速加热冷却成形系统及其成形模具
CN101733915B (zh) 2008-11-12 2013-12-11 汉达精密电子(昆山)有限公司 快速射出成形系統
JP2010125662A (ja) 2008-11-26 2010-06-10 Olympus Corp 成形装置
DE202009001959U1 (de) 2009-03-11 2010-07-29 Kunststoffinstitut für die mittelständische Wirtschaft NRW GmbH Formwerkzeug
CN201357532Y (zh) 2009-03-13 2009-12-09 苏州红枫风电模具有限公司 模具电加热和空气冷却系统

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013173067A1 (en) 2013-11-21
BR112014028555A2 (pt) 2017-10-24
US8663537B2 (en) 2014-03-04
EP2849926A1 (en) 2015-03-25
SG11201407633PA (en) 2014-12-30
KR20150010998A (ko) 2015-01-29
US20130307189A1 (en) 2013-11-21
CN104302459A (zh) 2015-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015517419A (ja) 射出成形装置及び方法
US8202082B2 (en) Injection molding apparatus having an edge-gated runnerless nozzle including a bracing component and a securing component
US4599064A (en) Injection molding apparatus
EP2639036A1 (en) Edge-gated injection molding apparatus
JP2007537880A (ja) 成形システム及び/又はランナシステムにおける溶融物導管を連結するための方法及び装置
JP2005349646A (ja) 厚肉導光板の成形方法および成形用金型
WO2011047551A1 (zh) 一种可实现急冷急热的模具
KR101725334B1 (ko) 히팅부재가 구비된 다이캐스팅 금형
JP4113610B2 (ja) 冷却コアを有する射出成形装置
JP6741354B2 (ja) 成形用金型
KR102398651B1 (ko) 다이캐스팅 금형 냉각 장치
JP2008137022A (ja) 金型分流子及びその冷却構造
KR101372141B1 (ko) 열전 소자를 이용한 금형 온도 조절 장치 및 이를 포함하는 금형
JP2004237500A (ja) 樹脂成形品の製造方法
JP2013123900A (ja) 射出成形用金型
CN113715279A (zh) 一种液泵按头加工用注塑机及其注塑工艺
JP2007001062A (ja) 冷却プレート
JP2010052192A (ja) 注入ノズル
KR20140111457A (ko) 금형장치 및 이를 이용한 성형방법
JP2020147041A (ja) 熱可塑性樹脂射出成形金型内のネガティブ部を離型するための装置
JP2020078897A (ja) 金型、射出成形機、成形方法、並びに、樹脂成形品
JP2003291184A (ja) 多点ノズルゲート金型装置
CN211842987U (zh) 一种具有高效控温功能的注塑模具
CN102834255A (zh) 用于防止金属部件在制造工艺期间翘曲的系统和方法
JPH09254215A (ja) 射出成形金型装置