JPH10225779A - アルミニウム材の超音波接合方法 - Google Patents
アルミニウム材の超音波接合方法Info
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Abstract
容器の製造にも適用しうるような高い気密性が得られる
接合を達成する。 【解決手段】 アンビル1 の加工面2 と超音波ホーン11
の加工面12との間に、複数のアルミニウム材21,22 を重
ねて配置して所定圧力で挟み付けるとともに、前記超音
波ホーン11により超音波振動を与えて前記アルミニウム
材21,22 を接合する超音波接合方法において、前記複数
のアルミニウム材21,22 は、合計厚さ(T)が0.03
〜2.0mmであり、前記アンビル1 の加工面2 および前
記超音波ホーン11の加工面12に、それぞれ、頂部4,14の
合計面積が各加工面2,12面積の25%以上100%未満
となる多数の突起3,13が形成され、かつ前記各突起3,13
の高さ(HA )(HH )は、前記アルミニウム材21,22
の厚さ方向において、接合時の加工面間2,12の最大対向
間隔(D)が前記合計厚さ(T)を超えないように形成
されている。
Description
ミニウム材の超音波接合方法に関する。
の語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で用い
る。
金属箔または金属板の接合方法の一つとして、振動子を
介して接合材に超音波振動を与えて圧接する超音波接合
方法があり、主として電子部品の導通等を目的とした接
合に広く適用されている。また、接合品質の向上ために
種々の提案がなされている。
おいては、リチウムイオン二次電池の集電体箔とリード
とを接続する技術が記載されている。この技術は、金属
箔と金属板とを重ね合わせ、金属箔側をアンビルで、金
属板側を超音波ホーンで挟んで接合する方法において、
アンビルの加工面を粗面化するとともに超音波ホーンの
加工面を一定のピッチで凹凸を形成したものを用いる、
というものである。このように、アンビルおよびホーン
の加工面を粗面あるいは凹凸面にすることにより、薄い
金属箔でも破れないように接合し、かつ高い接合強度を
得ようというものである。
の接合を対象としたものであり、アンビルおよびホーン
の加工面の形状は接合強度の向上を目指したものであっ
て、接合強度についてはある程度満足する結果が得られ
る。しかしながら、接合品の用途は電子部品に限定され
るものではなく、食品、化粧品、電子部品等の容器の製
造にも広く使用されている。そして、これらのような容
器の製造において、容器本体と蓋との接合に前述の接合
方法を適用すると、十分な気密性が得られないという問
題点があった。
されたものであって、容器の製造にも適用しうるような
高い気密性が得られるアルミニウム材の超音波接合方法
の提供を目的とする。
に、発明者らは鋭意研究の結果、アンビルと超音波ホー
ンの加工面の形状が接合部の気密性に大きく関与するこ
とに着目し、この発明の完成に至った。即ち、この発明
のアルミニウム材の超音波接合方法は、アンビル(1) の
加工面(2) と超音波ホーン(11)の加工面(12)との間に、
複数のアルミニウム材(21)(22)を重ねて配置して所定圧
力で挟み付けるとともに、前記超音波ホーン(11)により
超音波振動を与えて前記アルミニウム材(21)(22)を接合
する超音波接合方法において、前記複数のアルミニウム
材(21)(22)は、合計厚さ(T)が0.03〜2.0mmで
あり、前記アンビル(1) の加工面(2) および前記超音波
ホーン(11)の加工面(12)に、それぞれ、頂部(4)(14) の
合計面積が各加工面(2)(12) 面積の25%以上100%
未満となる多数の突起(3)(13) が形成され、かつ前記各
突起(3)(13) の高さ(HA )(HH )は、前記アルミニ
ウム材(21)(22)の厚さ方向において、接合時の加工面間
(2)(12) の最大対向間隔(D)が前記合計厚さ(T)を
超えないように形成されていることを要旨とする。
るアルミニウム材(21)(22)は、接合部の合計厚さ(T)
が0.03〜2.0mmのものである。合計厚さ(T)が
0.03mmより薄い箔では、箔強度が低く破れ易いため
に適さず、一方2.0mmを超える厚い板では超音波振動
による接合エネルギーが不足して十分な接合強度が得ら
れない。また、合計厚さ(T)が前記範囲内であれば、
2枚のみならず3枚あるいはそれ以上の数のアルミニウ
ム材を重ねて接合することができる。また、それぞれの
アルミニウム材(21)(22)の厚さ(TA )(TH )も限定
されない。前記範囲内でも、特に好適に接合できるアル
ミニウム材の合計厚さ(T)の下限値は0.1mmであ
り、上限値は0.8mmである。
積層させた複合材であっても、接合部分の異種材料を剥
してアルミニウムを露出させれば、この発明の方法によ
り接合が可能である。
ニウム材(21)(22)を挟む治具であるアンビル(1) および
超音波ホーン(11)の加工面(2)(12) に多数の突起(3)(1
3) を形成することにより、アルミニウム材(21)(22)に
対するグリップ力を確保するとともに、接合部に対して
接合エネルギーとなる超音波振動を均一かつ効率良く伝
達させるために、突起(3)(13) の形状を規定する。
おいて、アンビル(1) および超音波ホーン(11)に挟まれ
たアルミニウム材(21)(22)は、それぞれの加工面(2)(1
2) に形成された突起(3)(13) の頂部(4)(14) に接触す
る部分で厚さ方向に押し潰された状態となるため、突起
(3)(3)(13)(13)間の凹部(5)(15) に対応する部分でこの
凹部(5)(15) に入り込んだ状態となる。そのため、超音
波振動は突起(3)(13) の頂部(4)(14) からだけでなく凹
部(5)(15) からもアルミニウム材(21)(22)に伝導し、接
合部全体に均一に接合エネルギーが供給される。その結
果、突起(3)(13)に接触している部分のみならず接合部
(23)全体が十分に圧接され、接合部(23)の気密性が確保
される。
(3')(13') の高さ(HA )(HH )がアルミニウム材(2
1)(22)の合計厚さ(T)を超えて高い場合は、凹部(5')
(15') とアルミニウム材(21)(22)との間に隙間(24)がで
きる。隙間(24)が生じるとその隙間(24)に対応する部分
(25)で超音波振動が伝わりにくくなって、部分的に接合
エネルギーが不足して接合不良となり、接合部の気密性
を低下させる。このため、この発明においては、接合部
に対して均一に超音波振動を伝達するために、アンビル
(1) の加工面(2) および超音波ホーン(11)の加工面(12)
にそれぞれ形成される突起(3)(13) の高さ(HA )(H
H )を、複数のアルミニウム材(21)(22)を挟み付けた時
に、加工面(2)(12) 間の最大対向間隔(D)が前記合計
厚さ(T)を超えないように形成する必要がある。この
ような突起高さ(HA )(HH )を設定するために、例
えば図2(A)に示すように、両者の突起(3)(13) の高
さ(HA )(HH )の合計がアルミニウム材(21)(22)の
合計厚さ(T)を超えないように形成すれば、突起(3)
(13) どうしが対向位置にあっても前記最大対向間隔
(D)の条件を満たすことができる。また、図2(B)
に示すように、両者の突起(3)(13) の高さ(HA )(H
H )の合計がアルミニウム材(21)(22)の合計厚さ(T)
を超えて高い場合にも、一方の突起(3)(13) が他方の凹
部(15)(5) に対向するように組付けることによって前記
条件を満たすことができる。従って、この発明は、各突
起(3)(13) の高さ(HA )(HH )を単独で限定するも
のではない。特に、前記最大対向間隔(D)がアルミニ
ウム材(21)(22)の合計厚さ(T)の95%以下となるよ
うに、突起(3)(13) の高さ(HA )(HH )に形成する
ことが好ましい。
ルミニウム材(21)(22)の合計厚さ(T)を超えないよう
に、各突起(3)(13) の高さ(HA )(HH )が形成さ
れ、あるいはアンビル(1) および超音波ホーン(11)を組
付けた場合であっても、突起(3)(13) の頂部(4)(14) の
合計面積が小さい場合は、相対的に凹部(5)(15) 面積が
大きくなって超音波振動の伝達効率が低下する。これ
は、アルミニウム材(21)(22)と凹部(5)(15) との間に、
図5に示すような隙間(24)が生じなかったとしても、一
定の押圧力をもってアルミニウム材(21)(22)に接触する
突起(3)(13) 部分に比べると、凹部(5)(15) では超音波
振動の伝達効率が悪いため、部分的な接合不良を起こし
易いからである。このため、この発明においては、アン
ビル(1) および超音波ホーン(11)がアルミニウム材(21)
(22)とが一定の押圧力をもって接触する突起(3)(13) の
頂部(4)(14) の合計面積を各治具(1)(11) の加工面(2)
(12) 全面積の25%以上とする。また、突起(3)(13)
頂部(4)(14) の合計面積の比率は、高くなるほど超音波
振動の伝達効率が向上するが、加工面(2)(12) を突起の
ないフラット面にすると、各治具(1)(11) とアルミニウ
ム材(21)(22)との間で滑りが生じ易くなって接合不良の
原因となる。そこで、この発明においては、突起(3)(1
3) の頂部(4)(14) の合計面積を加工面(2)(12) 全面積
の100%未満として、フラット面は除外する。加工面
(2)(12) 全面積における突起(3)(13) 頂部(4)(14) の合
計面積の好ましい下限値は25%であり、上限値は95
%である。
前記形状条件を満たし、かつアルミニウム材(21)(22)の
接合部に対して均一に形成されている限り特に限定され
ないが、適正なグリップ力を確保するために、0.2〜
2mm程度が好ましい。
前記超音波ホーン(11)の突起(13)形状とは、同一形状で
ある必要はなく、それぞれの寸法形状が前述の条件を満
たしていれば良い。また、上述したように、アンビル
(1) 、超音波ホーン(11)およびアルミニウム材(21)(22)
を組付けたとき、アンビル(1) の突起(3) と超音波ホー
ン(11)の突起(13)とがアルミニウム材(21)(22)を介して
対向位置に配置される必要もなく、ずれていても良い。
ム材(21)(22)の合計厚さ(T)、アンビル(1) および超
音波ホーン(11)の加工面(2)(12) の形状以外の条件につ
いては常法に従えば良い。例えば、アンビル−超音波ホ
ーン間の加圧力を8〜50kgf 、超音波の振幅8〜16
μm、周波数20〜40kHz に設定すれば良い。
合方法の具体的実施例について、図3および図4を参照
しつつ説明する。
よび蓋(32)からなる容器(33)を用いた。前記本体(31)
は、底面が60mm×100mmの長方形で深さが10mmの
浅箱型であり、上端開口部の全周に幅6mmのフランジ(3
4)が形成されている。また、前記蓋(32)は平板状であ
る。容器材料となるアルミニウム材の厚さは、一組の本
体(31)および蓋(32)で同一とし、後掲の表1に示す厚さ
の異なる4種類のものを用意した。なお、容器番号4に
おいては、アルミニウム基板の両面にポリプロピレンを
積層した三層のラミネート板を使用したが、接合に際し
ては両面のポリプロピレンを除去し、アルミニウム基板
を露出させた。
波ホーン(11)は、図4(A)(B)に示すように、それ
ぞれの加工面(2)(12) の全面に、縦断面台形の突起(3)
(13)とV字状の凹部(5(15)が交互に連続して多数形成さ
れたものであり、同一容器について、表1に示す前記突
起(3)(13) の頂部(4)(14) 面積の割合および高さを変え
たもので接合試験を行った。表1において、突起頂部面
積の割合は次式で表すものとし、突起(3)(13) の高さ
(HA )(HH )は凹部(5)(15) の底から突起(3)(13)
の頂部(4)(14) までの距離とした。
面積)/(加工面全面積)×100接合は、図3に示すよ
うに、前記容器(33)の本体(31)のフランジ(34)と蓋(32)
の周縁部とを重ね合わせ、アンビル(1) の加工面(2) 上
に接合部を置き、さらにその上に超音波ホーン(11)の加
工面(12)を押し当てるものとした。このとき、アンビル
(1) および超音波ホーン(11)の突起(3)(13) が容器(33)
の接合部を介して対向するように組付け、突起高さ(H
A )(HH )の合計が接合部の合計厚さを超えないもの
については、凹部間距離[(最大対向間隔(D)]が合
計厚さと等しくなるまで所定圧力(10〜50kgf )で
押しつけた。また、突起高さ(HA)(HH )の合計が
接合部の合計厚さを超えるものについては100kgf の
一定圧力で押しつけた。
の振幅15μm、周波数40kHz 、接合時間0.5秒で
行った。
により接合部の気密性を調べた。
体(31)の底部に孔(36)をあけた後、ラバーシート(37)を
接着して孔(36)を塞いだ。そして、ラバーシート(37)部
分に注射針(38)を差し込んで水中に沈め、前記注射針(3
8)より容器(33)内にヘリウムガスを1kg/cm2 で導入
し、接合部からのもれの有無を調べた。表1に、もれの
なかったものを○、もれのあったものを×として、試験
結果を示す。
ーンの加工面の突起形状が本発明の範囲内に形成された
ものは、気密性の高い接合が行われたことを確認でき
た。
ニウム材の超音波接合方法は、アンビルの加工面と超音
波ホーンの加工面との間に、複数のアルミニウム材を重
ねて配置して所定圧力で挟み付けるとともに、前記超音
波ホーンにより超音波振動を与えて前記アルミニウム材
を接合する超音波接合方法において、前記複数のアルミ
ニウム材は、合計厚さ(T)が0.03〜2.0mmであ
り、前記アンビルの加工面および前記超音波ホーンの加
工面に、それぞれ、頂部の合計面積が各加工面面積の2
5%以上100%未満となる多数の突起が形成され、か
つ前記各突起の高さ(HA )(HH )は、前記アルミニ
ウム材の厚さ方向において、接合時の加工面間の最大対
向間隔(D)が前記合計厚さ(T)を超えないように形
成されているから、接合部の全面に均一に超音波振動を
伝達することができ、接合部は全面積で接合される。そ
のため、気密性の高い接合が達成でき、食品、化粧品、
電子部品等の高い気密性が要求される容器の製造にも適
用できる。
面図であり、(B)は(A)の部分拡大図である。
断面図であり、(A)はアンビルおよび超音波ホーンの
突起が対向位置にある場合、(B)は突起と凹部とが対
向位置にある場合である。
に気密性試験方法を示す縦断面図である。
波ホーンの加工面の正面図であり、(B)は(A)のII
IB−IIIB断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 アンビル(1) の加工面(2) と超音波ホー
ン(11)の加工面(12)との間に、複数のアルミニウム材(2
1)(22)を重ねて配置して所定圧力で挟み付けるととも
に、前記超音波ホーン(11)により超音波振動を与えて前
記アルミニウム材(21)(22)を接合する超音波接合方法に
おいて、 前記複数のアルミニウム材(21)(22)は、合計厚さ(T)
が0.03〜2.0mmであり、 前記アンビル(1) の加工面(2) および前記超音波ホーン
(11)の加工面(12)に、それぞれ、頂部(4)(14) の合計面
積が各加工面(2)(12) 面積の25%以上100%未満と
なる多数の突起(3)(13) が形成され、 かつ前記各突起(3)(13) の高さ(HA )(HH )は、前
記アルミニウム材(21)(22)の厚さ方向において、接合時
の加工面間(2)(12) の最大対向間隔(D)が前記合計厚
さ(T)を超えないように形成されていることを特徴と
するアルミニウム材の超音波接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9028675A JPH10225779A (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | アルミニウム材の超音波接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9028675A JPH10225779A (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | アルミニウム材の超音波接合方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10225779A true JPH10225779A (ja) | 1998-08-25 |
Family
ID=12255083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9028675A Pending JPH10225779A (ja) | 1997-02-13 | 1997-02-13 | アルミニウム材の超音波接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10225779A (ja) |
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