JPH10225760A - 鋳ぐるみ鋳造品 - Google Patents

鋳ぐるみ鋳造品

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JPH10225760A
JPH10225760A JP3378997A JP3378997A JPH10225760A JP H10225760 A JPH10225760 A JP H10225760A JP 3378997 A JP3378997 A JP 3378997A JP 3378997 A JP3378997 A JP 3378997A JP H10225760 A JPH10225760 A JP H10225760A
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勇志 廣
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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/02Casting in, on, or around objects which form part of the product for making reinforced articles

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Abstract

(57)【要約】 【課題】外力が加わった際の鋳ぐるみ鋳造品の破断・分
断を抑制する。 【解決手段】補強材1と鋳造部材2の界面の全面に補強
材1と鋳造部材2との融着を規制する非融着層3を形成
した。鋳造部材2が破断した後に非融着層3の存在によ
り補強材1が鋳造部材2内を相対移動するため、補強部
材1の靱性の限界を超えるような外力が作用しても補強
材1が破断するのが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼材などを補強材
としてその周囲を鋳造金属で鋳ぐるみすることで一体的
に形成された鋳ぐるみ鋳造品に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鋳鉄から形成された鋳造品は、コ
ストや生産性の面からは好ましいものの、その金属的特
質から一般の鋼材に比べて脆く、機械的強度が低いとい
う欠点がある。そこで従来より、鋳造品の内部に補強材
を配置して靱性などの特性を向上させることが行われて
いる。
【0003】その代表的な手段として、鋳ぐるみ鋳造法
が広く利用されている。この鋳ぐるみ鋳造法は、鋼板な
どの補強材を鋳型内に配置しておき、補強材の周囲へ溶
湯を流し込むことにより鋳ぐるみして一体化する方法で
ある。この鋳ぐるみ鋳造法は、例えば鋳鉄製構造部材の
中空化や部分的な強度向上の手段として利用されてい
る。
【0004】ところで、例えば鋼材からなる補強材と鋳
鉄部材とからなる鋳ぐるみ鋳造品においては、鋳ぐるみ
時に鋳鉄部材と補強材の界面において少なくとも部分的
に融着が生じ、補強材と周囲の鋳鉄部材とは一体化して
いる。このような一体化は、好ましい場合もあるが用途
によっては好ましくない場合もある。例えば構造部材と
しての鋳ぐるみ鋳造品にきわめて大きな外力が加わった
場合には、補強材自体が必要十分な靱性を有していたと
しても、外力による破壊時には補強材が鋳造部材と同材
質であるかのように一体的に破断・分断されてしまうこ
とが実験で明らかとなっている。
【0005】つまり、補強材と鋳造品とが融着により一
体化していると、補強材の靱性が鋳ぐるみ鋳造品全体の
延び特性に与える効果のかなりの部分が消失するという
不具合があった。そこで、この不具合を回避するため
に、特開平7−284906号公報には、鋼材からなる
補強材の両端部のみを鋳鉄部材と一体的に融着させ、他
の部分は耐火材を介在させることにより非融着部とした
鋳ぐるみ鋳造品が開示されている。
【0006】この鋳ぐるみ鋳造品によれば、万一の衝撃
時に鋳鉄組織が破断したとしても、補強材は鋳鉄部材と
一体となって破断することなく、鋼材本来の延び特性を
発揮する。その結果、鋳鉄の弱点である延びの不足を補
強材で補うことができ、従来は適用が困難とされていた
分野にも鋳ぐるみ鋳造品を構造部材として用いることが
可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
開示の鋳ぐるみ鋳造品では、補強材の靱性の限界を超え
るような大きな外力が作用すると、鋳造品が補強材とと
もに破断・分断される場合があった。例えば図7に示す
ように、長尺状の鋳ぐるみ鋳造品に大きな曲げの外力F
が加わった場合には、補強材100の靱性の限界までは
鋳造部材200が破断・分断しても補強材100が分断
された鋳造部材200を繋ぎ止める。しかし外力が補強
材100の靱性を超えると、補強材100の両端部が鋳
造部材200に融着しているために、点Pには鋳造部材
200を介して外力がそのまま作用し、補強材100が
点Pで破断・分断されてしまう。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、外力が加わった際の鋳ぐるみ鋳造品の破断
・分断をさらに抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の鋳ぐるみ鋳造品の特徴は、補強材と補強材
の周囲に形成された鋳造部材とよりなり、補強材の周囲
を鋳造金属にて鋳ぐるみし鋳造部材を形成してなる鋳ぐ
るみ鋳造品であって、補強材と鋳造部材の界面には、そ
の全面に補強材と鋳造部材との融着を規制する非融着層
をもつことにある。
【0010】また請求項2に記載の鋳ぐるみ鋳造品の特
徴は、補強材と補強材の周囲に形成された鋳造部材とよ
りなり、補強材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐるみし鋳造部
材を形成してなる鋳ぐるみ鋳造品であって、補強材は一
端部が鋳造部材と融着し、補強材の残部と鋳造部材の界
面には補強材と鋳造部材との融着を規制する非融着層を
もつことにある。
【0011】請求項3に記載の鋳ぐるみ鋳造品の特徴
は、補強材と補強材の周囲に形成された鋳造部材とより
なり、補強材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐるみし鋳造部材
を形成してなる鋳ぐるみ鋳造品であって、補強材は一端
部に鋳造部材と機械的に係合して鋳造部材との相対移動
を規制する係止部をもち、少なくとも補強材の残部と鋳
造部材の界面には補強材と鋳造部材との融着を規制する
非融着層をもつことにある。
【0012】さらに請求項4に記載の鋳ぐるみ鋳造品の
特徴は、補強材と、補強材が相対移動可能に嵌装された
管状部材と、管状部材の周囲に形成された鋳造部材とよ
りなり、管状部材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐるみし鋳造
部材を形成してなることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の鋳ぐるみ鋳造品
では、補強材と鋳造部材の界面には、その全面に補強材
と鋳造部材との融着を規制する非融着層が形成されてい
る。これにより大きな外力が作用して鋳造部材が破断し
ても、鋳造部材内を補強材が移動可能であるため、破断
した鋳造部材を介して補強材に応力が作用するのが抑制
される。
【0014】つまり補強材は鋳造部材内を移動可能であ
るため、補強材には曲げに必要な以上の引張力はかから
ず、かつ補強材の相対移動により外力の作用点と方向も
変化することにより補強材の曲げが円滑に行われるた
め、鋳造部材に補強部材の靱性の限界を超えるような外
力が作用した場合であっても補強材が破断するのが防止
され、鋳ぐるみ鋳造品の破断・分断が防止される。
【0015】また請求項2に記載の鋳ぐるみ鋳造品で
は、補強材は一端部が鋳造部材と融着し、補強材の残部
と鋳造部材の界面には補強材と鋳造部材との融着を規制
する非融着層が形成されている。これにより大きな外力
が作用して鋳造部材が破断しても、補強材の一端部は破
断した鋳造部材に引張られるものの、他端部を含む大部
分が鋳造部材内を移動可能であるため、破断した鋳造部
材を介して補強材に応力が作用するのが抑制される。
【0016】つまり補強材は鋳造部材内を移動可能であ
るため、補強材には曲げに必要な以上の引張力はかから
ず、かつ補強材の相対移動により外力の作用点と方向も
変化することにより補強材の曲げが円滑に行われるた
め、鋳造部材に補強部材の靱性の限界を超えるような外
力が作用した場合であっても補強材が破断するのが防止
され、鋳ぐるみ鋳造品の破断・分断が防止される。
【0017】請求項3に記載の鋳ぐるみ鋳造品では、補
強材は一端部に鋳造部材と機械的に係合して鋳造部材と
の相対移動を規制する係止部をもち、少なくとも補強材
の残部と鋳造部材の界面には補強材と鋳造部材との融着
を規制する非融着層が形成されている。これにより大き
な外力が作用して鋳造部材が破断しても、補強材の一端
部は破断した鋳造部材に引張られるものの、他端部を含
む大部分が鋳造部材内を移動可能であるため、破断した
鋳造部材を介して補強材に応力が作用するのが抑制され
る。
【0018】つまり補強材は鋳造部材内を移動可能であ
るため、補強材には曲げに必要な以上の引張力はかから
ず、かつ補強材の相対移動により外力の作用点と方向も
変化することにより補強材の曲げが円滑に行われるた
め、鋳造部材に補強部材の靱性の限界を超えるような外
力が作用した場合であっても補強材が破断するのが防止
され、鋳ぐるみ鋳造品の破断・分断が防止される。
【0019】そして請求項2〜3の鋳ぐるみ鋳造品で
は、一端部のみが鋳造部材に固定されているため、外力
の方向が特定できれば鋳造部材が破断した時の補強材の
移動方向を特定することができる。したがって補強材の
形状を最適な形状に設計することができ、補強材の形状
をより小さくすることが可能となる。さらに請求項4に
記載の鋳ぐるみ鋳造品では、補強材は管状部材に相対移
動可能に嵌装され、補強材と管状部材とが融着していな
い。これにより大きな外力が作用して鋳造部材及び管状
部材が破断しても、補強材が管状部材内を移動可能であ
るため、破断した鋳造部材及び管状部材を介して補強材
に応力が作用するのが抑制されている。
【0020】つまり補強材は鋳造部材内を移動可能であ
るため、補強材には曲げに必要な以上の引張力はかから
ず、かつ補強材の相対移動により外力の作用点と方向も
変化することにより補強材の曲げが円滑に行われるた
め、鋳造部材に補強部材の靱性の限界を超えるような外
力が作用した場合であっても補強材が破断するのが防止
され、鋳ぐるみ鋳造品の破断・分断が防止される。
【0021】請求項1〜4にいう鋳造部材の製造には、
鋳鉄に限らずアルミニウム、アルミニウム合金、マグネ
シウム、マグネシウム合金、銅、銅合金など鋳造可能な
各種金属を用いることができる。また補強材は、鋳造部
材よりも靱性が大きければその材質には特に制限されな
い。請求項1〜3にいう非融着層としては、鋳造時及び
鋳造後に補強材と鋳造部材の融着を規制して、外力が作
用した時に補強材の鋳造部材に対する相対移動を許容す
るものであれば特に制限されず、アルミナ、シリカなど
のセラミック層、酸化鉄などの酸化物層などが例示され
る。この非融着層は、鋳造部材に付着し補強材に付着し
ないものでもよいし、鋳造部材に付着せず補強材に付着
するものでもよい。また鋳造部材及び補強材の両方に付
着しても、外力により容易に凝集破壊して補強材の鋳造
部材に対する相対移動を許容するものも用いることがで
きる。
【0022】この非溶着層は、予め補強材表面にコート
しておき、それを鋳ぐるむことで補強材と鋳造部材の界
面に容易に介在させることができる。請求項3に記載の
係止部としては、補強材の一端部の鋳造部材に対する相
対移動を規制するものであり、長手方向の引き抜きを規
制する顎部、鍔部、突起、凹部、あるいは周方向の回動
を規制する突起、凹部などが例示される。この係止部と
鋳造部材との界面にも非溶着層を形成することができる
が、係止部が形成された一端部を除く残部と鋳造部材と
の界面には非溶着層が必須となる。
【0023】請求項4に記載の管状部材としては、鋳造
時及び鋳造後に補強材と鋳造部材の融着を規制して、外
力が作用した時に補強材の管状部材に対する相対移動を
許容するものであれば特に制限されず、アルミナ、シリ
カなどのセラミック筒、金属筒などが例示される。この
管状部材は、鋳造部材に融着するものでも、鋳造部材に
融着しないものでもよい。
【0024】なお、管状部材は補強材全体を覆う大きさ
とし、補強材の少なくとも一端部が管状部材から表出し
ないように構成することが必要である。もし両端部が管
状部材から表出していると、従来の技術と同様に補強材
の両端部が鋳造部材と融着するため、上記した破断防止
作用が奏されない。また管状部材は少なくとも一端の開
口が塞がれた有底筒状とすることが望ましい。これによ
り補強材の少なくとも一端面が鋳造部材に融着するのが
防止され、上記した破断防止作用を一層効果的に発現さ
せることができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)図1に本発明の一実施例の鋳ぐるみ鋳造品
の断面図を示す。この鋳ぐるみ鋳造品は、鋼材よりなる
丸棒状の補強材1と、補強材1周囲に鋳造された円柱状
の鋳鉄部材2と、補強材1と鋳鉄部材2の界面に形成さ
れ補強材1の全表面を覆うアルミナ層3とから構成され
ている。
【0026】この鋳ぐるみ鋳造品は以下のようにして製
造された。先ず補強材1をアルミナスラリーに浸漬し、
引き上げた後乾燥・焼成してアルミナ層3を形成した。
アルミナ層3の厚さは約100μmである。次にアルミ
ナ層3が形成された補強材1を鋳型内の所定位置に配置
し、鋳鉄溶湯を鋳込んで鋳ぐるみ鋳造を行い、冷却後鋳
型を破壊して鋳ぐるみ鋳造品を得た。
【0027】この鋳ぐるみ鋳造品では、図2に示すよう
に外力Fにより鋳鉄部材2が破断しても、補強材1と鋳
造部材2の間にアルミナ層3が介在しているため、補強
材1が鋳鉄部材2とともに破断するのが防止される。そ
してさらに大きな外力が加わると、アルミナ層3の凝集
破壊により補強材1と鋳鉄部材2の間で滑りが生じ、図
3に示すように補強材1が鋳鉄部材2の内部でスライド
移動しながら変形する。
【0028】したがって鋳鉄部材2に補強材1の靱性の
限界以上の外力が加わったとしても、補強材1は鋳鉄部
材2内を移動可能であるため、補強材1には曲げに必要
な以上の引張力はかからず、かつ補強材1の相対移動に
より外力の作用点と方向も変化することにより補強材1
の曲げが円滑に行われるため、補強材1に加わる外力は
それより小さなものとなり、補強材1の破断・分断が防
止されている。これにより分断した鋳鉄部材2を補強材
1を介して相互に繋ぎ止めておくことができるので、鋳
ぐるみ鋳造品全体としては破断・分断が防止される。
【0029】(実施例2)本実施例の鋳ぐるみ鋳造品の
断面図を図4に示す。この鋳ぐるみ鋳造品は、補強材1
の一端部10と鋳鉄部材2との界面にアルミナ層3をも
たず、一端部10が鋳鉄部材2と融着していること以外
は実施例1と同様の構成である。本実施例の鋳ぐるみ鋳
造品では、補強材1は一端部10でのみ鋳鉄部材2と融
着されている。したがって図3のように大きな曲げの外
力が加わった場合には、一端部10側は鋳鉄部材2とと
もに移動するものの、反対側の端部は鋳鉄部材2内部を
スライド移動しながら補強材1が変形する。
【0030】したがって鋳鉄部材2に補強材1の靱性の
限界以上の外力が加わったとしても、補強材1は鋳鉄部
材2内を移動可能であるため、補強材1には曲げに必要
な以上の引張力はかからず、かつ補強材1の相対移動に
より外力の作用点と方向も変化することにより補強材1
の曲げが円滑に行われるため、補強材1に加わる外力は
それより小さなものとなり、補強材1の破断・分断が防
止されている。これにより分断した鋳鉄部材2を補強材
1を介して相互に繋ぎ止めておくことができるので、鋳
ぐるみ鋳造品全体としては破断・分断が防止される。
【0031】また外力の作用する位置及び方向が特定さ
れていれば、一端部10の位置を鋳鉄部材2内の最適な
位置とすることにより、補強材1の長さを実施例1より
短くしても実施例1と同等の破断強度とすることができ
るので、コストの低減を図ることができる。 (実施例3)本実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面図を図5
に示す。この鋳ぐるみ鋳造品は、補強材1の一端部10
が曲折されて顎部11が形成され、顎部11の表面には
アルミナ層3が形成されていないこと以外は実施例1と
同様の構成である。
【0032】本実施例の鋳ぐるみ鋳造品では、補強材1
は顎部11でのみ鋳鉄部材2と融着され、かつ顎部11
が鋳鉄部材2と機械的に係合している。したがって図3
のように大きな曲げの外力が加わった場合には、顎部1
1は金属的及び機械的に鋳鉄部材2と強固に接合されて
引き抜きが抑制されているため、補強材1の一端部10
側は鋳鉄部材2とともに移動するものの、反対側の端部
は鋳鉄部材2内部をスライド移動しながら補強部材1が
変形する。
【0033】したがって鋳鉄部材2に補強材1の靱性の
限界以上の外力が加わったとしても、補強材1は鋳鉄部
材2内を移動可能であるため、補強材1には曲げに必要
な以上の引張力はかからず、かつ補強材1の相対移動に
より外力の作用点と方向も変化することにより補強材1
の曲げが円滑に行われるため、補強材1に加わる外力は
それより小さなものとなり、補強材1の破断・分断が防
止されている。これにより分断した鋳鉄部材2を補強材
1を介して相互に繋ぎ止めておくことができるので、鋳
ぐるみ鋳造品全体としては破断・分断が防止される。
【0034】また外力の作用する位置及び方向が特定さ
れていれば、顎部11の位置を鋳鉄部材2内の最適な位
置とすることにより、補強材1の長さを実施例1より短
くしても実施例1と同等の破断強度とすることができる
ので、コストの低減を図ることができる。 (実施例4)本実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面図を図6
に示す。この鋳ぐるみ鋳造品は、鋼材よりなる丸棒状の
補強材1と、補強材1周囲に鋳造された円柱状の鋳鉄部
材2と、補強材1と鋳鉄部材2の界面に配置され補強材
1の周表面を覆う鋼製の管状部材4とから構成されてい
る。
【0035】この鋳ぐるみ鋳造品は以下のようにして製
造された。先ず補強材1を管状部材4内に挿入し、それ
を鋳型内の所定位置に配置し、管状部材4の外側に鋳鉄
溶湯を鋳込んで鋳ぐるみ鋳造を行い、冷却後鋳型を破壊
して鋳ぐるみ鋳造品を得た。管状部材4は鋳鉄部材2と
融着しているが、補強材1は管状部材4と融着されてお
らず、補強材1の両端面のみが鋳鉄部材2と融着してい
る。
【0036】この鋳ぐるみ鋳造品では、外力により鋳鉄
部材2が破断しても、補強材1と鋳鉄部材2の間に管状
部材4が介在しているため、補強材1が鋳鉄部材2とと
もに破断するのが防止される。そしてさらに大きな外力
が加わると、鋳鉄部材2と管状部材4は一体的に破断さ
れ、補強材1の両端面と鋳鉄部材2との融着は融着面積
が小さいため容易に破壊される。そして補強材1と管状
部材4の間で滑りが生じ、補強材1が管状部材4の内部
でスライド移動しながら変形する。
【0037】したがって鋳鉄部材2に補強材1の靱性の
限界以上の外力が加わったとしても、補強材1は鋳鉄部
材2内を移動可能であるため、補強材1には曲げに必要
な以上の引張力はかからず、かつ補強材1の相対移動に
より外力の作用点と方向も変化することにより補強材1
の曲げが円滑に行われるため、補強材1に加わる外力は
それより小さなものとなり、補強材1の破断・分断が防
止されている。これにより分断した鋳鉄部材2を補強材
1及び管状部材4を介して相互に繋ぎ止めておくことが
できるので、鋳ぐるみ鋳造品全体としては破断・分断が
防止される。
【0038】
【発明の効果】すなわち本発明の鋳ぐるみ鋳造品によれ
ば、補強材の靱性の限界以上の大きな外力が作用した場
合においても、鋳ぐるみ鋳造品の破断・分断を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面図で
ある。
【図2】本発明の一実施例の鋳ぐるみ鋳造品に外力が作
用した場合の初期状態の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の鋳ぐるみ鋳造品に外力が作
用した場合の末期状態の断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面
図である。
【図5】本発明の第3の実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面
図である。
【図6】本発明の第4の実施例の鋳ぐるみ鋳造品の断面
図である。
【図7】従来の鋳ぐるみ鋳造品の断面を示し、その破断
過程を示す説明図である。
【符号の説明】
1:補強材 2:鋳鉄部材(鋳造部材) 3:ア
ルミナ層(非融着層)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補強材と該補強材の周囲に形成された鋳
    造部材とよりなり、該補強材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐ
    るみし該鋳造部材を形成してなる鋳ぐるみ鋳造品であっ
    て、 該補強材と該鋳造部材の界面には、その全面に該補強材
    と該鋳造部材との融着を規制する非融着層をもつことを
    特徴とする鋳ぐるみ鋳造品。
  2. 【請求項2】 補強材と該補強材の周囲に形成された鋳
    造部材とよりなり、該補強材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐ
    るみし該鋳造部材を形成してなる鋳ぐるみ鋳造品であっ
    て、 該補強材は一端部が該鋳造部材と融着し、該補強材の残
    部と該鋳造部材の界面には該補強材と該鋳造部材との融
    着を規制する非融着層をもつことを特徴とする鋳ぐるみ
    鋳造品。
  3. 【請求項3】 補強材と該補強材の周囲に形成された鋳
    造部材とよりなり、該補強材の周囲を鋳造金属にて鋳ぐ
    るみし該鋳造部材を形成してなる鋳ぐるみ鋳造品であっ
    て、 該補強材は一端部に該鋳造部材と機械的に係合して該鋳
    造部材との相対移動を規制する係止部をもち、少なくと
    も該補強材の残部と該鋳造部材の界面には該補強材と該
    鋳造部材との融着を規制する非融着層をもつことを特徴
    とする鋳ぐるみ鋳造品。
  4. 【請求項4】 補強材と、該補強材が相対移動可能に嵌
    装された管状部材と、該管状部材の周囲に形成された鋳
    造部材とよりなり、該管状部材の周囲を鋳造金属にて鋳
    ぐるみし該鋳造部材を形成してなることを特徴とする鋳
    ぐるみ鋳造品。
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