JP3114004B2 - ノズルおよび連続鋳造法 - Google Patents

ノズルおよび連続鋳造法

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JP3114004B2
JP3114004B2 JP07107075A JP10707595A JP3114004B2 JP 3114004 B2 JP3114004 B2 JP 3114004B2 JP 07107075 A JP07107075 A JP 07107075A JP 10707595 A JP10707595 A JP 10707595A JP 3114004 B2 JP3114004 B2 JP 3114004B2
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continuous casting
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carbon
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正 池本
泰次郎 松井
和男 浜井
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Nippon Steel Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば溶鋼の連続鋳造
の際に、取鍋やタンディッシュなどに装着するノズルお
よびそれを用いた連続鋳造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば溶鋼の連続鋳造用ノズルとして
は、現在アルミナ−黒鉛質あるいはジルコニア−黒鉛質
の材料が使用されている。これらの材料には、耐スポー
リング性を向上させるために、一般に5〜30重量%の
カーボンおよび20重量%程度のシリカが添加されてい
る。
【0003】このような従来のノズルは耐スポーリング
性や耐食性には優れているが、カーボンやシリカが溶鋼
中のアルミニュームを酸化してアルミナを生成し、内孔
壁面に付着するという問題があった。
【0004】この問題を解決するために、特開平3−2
43258号公報に内孔壁面をアルミナ,マグネシアも
しくはジルコニア質のカーボンレス耐火物としたノズル
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記のカーボ
ンレス耐火物からなるノズルは、カーボンによる溶鋼中
アルミニュームの酸化は防止できるものの、シリカ含有
量が5重量%を越えない範囲と規定しているため、数%
含まれているフリーのシリカがノズル内孔壁面で溶鋼中
アルミニュームを酸化し、アルミナを生成して内孔壁面
に付着するため、前記の問題は完全には解決されていな
い。
【0006】本発明は、溶鋼中のアルミニュームを酸化
する原因となっているカーボンおよびフリーのシリカの
両方を含まない材質でもってノズルの内孔壁面を形成
し、溶鋼中のアルミニュームの酸化によるアルミナの生
成,付着およびタンディッシュから流入する脱酸アルミ
ナの付着を防止して、安定した操業を可能とし、品質の
優れた鋳片を得ることが可能なノズルおよびこのノズル
を用いた連続鋳造法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のノズルは、カー
ボン含有量が1重量%未満で、かつフリーのシリカ含有
量が1重量%未満のカルシウムジルコネート,酸化カル
シウムを固溶したジルコニア,ジルコン質耐火物,も
くはマグネシア−ジルコン質耐火物のうちのいずれかの
材料で内孔壁面を形成したことを特徴とするノズルであ
る。
【0008】また本発明の方法は、上記ノズルを使用し
て、これを取鍋および/またはタンディッシュに装着し
て行うことを特徴とする連続鋳造法である。
【0009】また上記連続鋳造法において、装着したノ
ズルを1000℃以上に予熱した後、連続鋳造を開始す
ることを特徴とするものである。
【0010】なお本発明における内孔とは、例えば図1
の符号2に示す、いわゆる湯道としての内孔,吐出孔,
および底面の全体を意味するものである。
【0011】
【作用】以下本発明を、作用とともに詳細に説明する。
【0012】本発明のノズルの内孔壁面には、カルシウ
ムジルコネート,もしくは酸化カルシウムを固溶したジ
ルコニア、もしくはジルコン質耐火物を使用する。ジル
コニアは高耐食性を示すが、800℃から900℃の間
で単斜晶から正方晶へと結晶転移し、それに伴って約3
%の体積収縮を起こして亀裂を発生する。
【0013】そこでカルシウムジルコネート,もしくは
酸化カルシウムを固溶したジルコニアを使用し、ジルコ
ニアの持つ高耐食性を活かしながら、さらに酸化カルシ
ウムを化合物もしくは固溶の形で含有させて体積収縮を
生じないようにする。それによって、未安定ジルコニア
の場合に起こるような亀裂の発生を防止することが可能
となる。同時に、酸化カルシウムによって内孔壁面に付
着する脱酸アルミナを低融点化させる効果も持つ。なお
酸化カルシウムを固溶したジルコニアを使用する場合、
酸化カルシウムの固溶量は4重量%以上が望ましい。4
重量%未満では亀裂発生防止効果が見られないからであ
る。
【0014】またジルコンを用いることができる理由
は、ジルコンの耐食性がジルコニアに近く、しかも結晶
転移がないので、ジルコニアのように亀裂を発生する可
能性がないからである。また、ジルコン中のシリカはジ
ルコニアと化合物を形成しており、フリーではないた
め、溶鋼中のアルミニュームを酸化することはない。
【0015】本発明のノズルの内孔壁面には、マグネシ
ア−ジルコン質耐火物を用いることもできる
【0016】グネシア−ジルコン質耐火物の場合に
は、マグネシアの持つ高い耐食性を活かしながら、ジル
コンとの複合体にすることによってマグネシアの膨張を
抑制することができる。
【0017】これらの耐火物は、いずれもカーボン含有
量およびフリーのシリカ含有量のいずれも1重量%未満
とする。カーボン含有量あるいはフリーのシリカ含有量
が1重量%以上になると、溶鋼中のアルミニュームを酸
化して反応アルミナを生成してしまう
【0018】内孔壁面は、プレキャストのスリーブ,流
し込みによる成形,もしくはクリンカーを水系溶媒ある
いはアルコールのような非水系溶媒に分散させて塗布な
いし噴霧する方法で形成される。またこの内孔壁面の厚
みは1mm以上あればよい。1mm未満の厚みでは、ア
ルミナ付着防止効果が得られないからである。
【0019】なおノズル本体の材質は、従来と同様のア
ルミナ−黒鉛質,ジルコニア−黒鉛質でよい。
【0020】本発明の連続鋳造法は、上記のカーボンレ
スかつシリカレスノズルを使用して実施される。この場
合には、ノズルを1000℃以上に予熱したのち、連続
鋳造を開始することが望ましい。1000℃未満の予熱
では、ノズルがスポーリングを起こす可能性があるから
である。
【0021】なお、鋳造に使用するフラックスには特に
制限はなく、一般的な組成のものから選ぶことができ
る。
【0022】
【実施例】図1はタンディッシュに装着する浸漬ノズル
に、また図2および図3は取鍋に装着するロングノズル
に本発明を適用した場合のノズル断面を示す。ここで、
1はカーボン含有質のノズル本体であり、2が本発明の
特徴であるカーボンレスかつ、シリカレスの内孔壁面を
示す。
【0023】表1には、浸漬ノズルに本発明のノズルを
適用し、1100℃に予熱した後、低炭アルミニューム
・キルド鋼を6チャージ(350トン/チャージ)、連
続鋳造した結果を示す。
【0024】鋳造終了後、各ノズルを回収して内孔壁面
に付着している付着層の厚みを測定した。なお比較例
は、従来のように、内孔壁面を含むノズル全体が、カー
ボンおよび/またはフリーのシリカを1重量%以上含有
する耐火物からなるノズルを用いて連続鋳造した結果を
示す。
【0025】表1から明らかなように、従来の全体がカ
ーボンおよびシリカを同時に、あるいは片方を含有する
材質からなるノズルでは、アルミナが付着している。こ
れに対し本発明のカーボンおよびフリーのシリカの両方
を同時に含んでいない材質によって内孔壁面を形成した
ノズルを使用した操業では、ほとんどアルミナの付着が
なく、安定して鋳造することが可能であった。
【0026】また表2に、本発明をロングノズルに適用
し、900℃および1100℃で予熱した場合と予熱な
しの場合とでそれぞれ連続鋳造した結果を示す。この表
2から明らかなように、900℃の予熱および予熱なし
の場合には、ノズルにスポーリングが発生したが、11
00℃で予熱した場合にはノズルにスポーリングは発生
しなかった。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のノズルお
よびこれを使用した連続鋳造法によれば、反応アルミナ
の生成,脱酸アルミナの付着の両方を同時に防止するこ
とができるとともに耐スポーリング性にも優れ、安定し
た操業が可能となり、品質の優れた鋳片を得ることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を浸漬ノズルに適用した場合のノズル断
面図である。
【図2】本発明をストレートタイプのロングノズルに適
用した場合のノズル断面図である。
【図3】本発明をラッパタイプのロングノズルに適用し
た場合のノズル断面図である。
【符号の説明】
1 カーボン含有質のノズル本体 2 カーボンレス,シリカレスの内孔壁面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤野 清志 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社 技術開発本部内 (56)参考文献 特開 平3−243258(JP,A) 特開 昭61−103655(JP,A) 特開 昭60−152362(JP,A) 特開 平3−197353(JP,A) 特開 平4−127954(JP,A) 特開 平8−155601(JP,A) 特開 平5−329592(JP,A) 特開 平6−55249(JP,A) 特開 平5−285612(JP,A) 実開 平3−68962(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 41/54 B22D 11/10 320 B22D 11/10 330 C04B 35/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン含有量が1重量%未満で、かつ
    フリーのシリカ含有量が1重量%未満のカルシウムジル
    コネート,酸化カルシウムを固溶したジルコニア,ジル
    コン質耐火物,もしくはマグネシア−ジルコン質耐火物
    のうちのいずれかの材料で内孔壁面を形成したことを特
    徴とするノズル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のノズルを取鍋および/
    またはタンディッシュに装着して行うことを特徴とする
    連続鋳造法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、装着したノズルを1
    000℃以上に予熱した後、連続鋳造を開始することを
    特徴とする連続鋳造法。
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JP4644044B2 (ja) * 2004-10-04 2011-03-02 黒崎播磨株式会社 連続鋳造用ロングノズル
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