JP3739566B2 - 連続鋳造用タンディシュストッパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は連続鋳造用タンディシュストッパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
連続鋳造において、タンディシュから浸漬ノズルを通してモールドへ注入される溶鋼の流量制御は、半球状叉は紡錘状に尖ったストッパーヘッド部を先端部に設けたタンディシュストッパーを使い、ストッパーヘッド部と浸漬ノズルの内孔の上端との間隔を上下に調整して行われる。
一般に、この種のストッパーの本体材質には、Al2O3−C質、ZrO2−C質、MgO−C質等のカーボン含有耐火物を使用するとともに、ストッパー本体の含有カーボンが空気酸化して材質劣化するのを防止するため700℃〜1200℃の温度域で予熱したとき、あるいはさらに高温の鋳造時に溶融してストッパー本体の表面が空気と接触するのを妨げる作用を呈する酸化防止剤をストッパー本体の表面に塗布している。この酸化防止剤としては例えば、SiO2−Al2O3を主骨材として珪酸カリなどをバインダーにしたシリカ系ガラスが実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにタンディシュストッパーの表面には酸化防止剤が塗布されているので、タンディシュストッパーを浸漬ノズル内孔に対して心出しするため上下に動かして内孔の上端部に当接したとき、予熱により溶融した酸化防止剤が内孔上端部に溶着して冷却固化し、そのためタンディシュストッパーが浸漬ノズルから離れなくなることがある。
また、本体材質に使用されるカーボン含有耐火物はカーボン自体の硬度が低いため、耐摩耗性が低いうえ、溶鋼中のCa等の成分との化学反応により組織が脆弱化して損耗を生じ易い。
本発明はかかる点に鑑みタンディシュストッパーの先端部が浸漬ノズル等に溶着するのを防止することを目的とする。
また、耐摩耗性と耐久性に優れたタンディシュストッパーを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、カーボン含有耐火材料からなるストッパー本体の表面に酸化防止剤を塗布した連続鋳造用タンディシュストッパーにおいて、ストッパーヘッド部の表面と前記酸化防止剤層の間にジルコニア質の被膜を形成し、かつ前記ストッパーヘッド部の酸化防止剤層をアルミナ質の被膜で被覆したことを特徴とする。
【0005】
【発明の作用・効果】
請求項1に記載の発明によれば、融点の高いアルミナ質被膜でストッパーヘッド部の酸化防止剤を被覆したので、予熱して酸化防止剤を溶融させても、外側のアルミナ質被膜は溶融しない。従って、タンディシュストッパーの心出し操作時にストッパーヘッド部を浸漬ノズル等に当接しても溶融した酸化防止剤が直接浸漬ノズル等に接触しないので、溶融した酸化防止剤が冷却固化してタンディシュストッパーが浸漬ノズル等に溶着して離れなくなることを防止できる。
そして、硬度が高く、かつ溶鋼に含まれているCaに対して化学的安定性の高いジルコニア質の被膜でストッパーヘッド部を被覆したので、ストッパーヘッド部の耐摩耗性が向上するとともに、Caとの化学反応によってストッパーヘッド部の組織が脆弱化して損耗するのを防止できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に基づき説明するに、図1には本発明の一実施形態に係るタンディシュストッパー10が示されている。当該タンディシュストッパー10はタンディシュ20の底部に取り付けた浸漬ノズル21の内孔22の上端に対向して配置され、上下に動かして半球状に形成したストッパーヘッド部11と内孔22との間隔を調整することによりタンディシュ20から浸漬ノズル21を通ってモールドに流入する溶鋼の流量を制御する。
【0007】
タンディシュストッパー10の本体は5〜30重量%のカーボンを含有するAl2O3−C質から成る。本体材質のカーボン含有量を5重量%以上としたのは、これ以下では耐スポール性が不十分であるからである。また30重量%以下としたのはこれ以上では強度が不足するからである。
ストッパーヘッド部11の表面にはCaO含有量が10重量%以下のジルコニア質被膜12が100〜1000ミクロンの厚みでプラズマ溶射法によって形成されている。プラズマ溶射法では、ジルコニア質のセラミックスを1500〜2000℃の超高温フレームトーチで溶融してストッパーヘッド部11に溶着するので、液相状のセラミックスがストッパーヘッド部11表面の微小凹凸に食い込んで強固に接着できる。
ジルコニア質被膜12のCaO含有量を10重量%以下としたのは、CaO含有によりZrO2の熱膨張性が安定し高耐スポール性を得られるからであり、また10重量%以上では溶鋼中のCaとの反応性が高くなり、耐食性が不十分となるからである。
ジルコニア質被膜12の厚みを100ミクロン以上としたのは、これ以下の厚みでは膜強度が不十分で機械的衝撃で剥離し易いからである。また、1000ミクロン以下としたのは、これ以上の厚みでは被膜自体の耐スポール性が低下し、熱衝撃に対して剥離し易くなるからである。
【0008】
ストッパーヘッド部11を除くタンディシュストッパー10の本体表面及びストッパーヘッド部11のジルコニア質被膜12には酸化防止剤13が塗布されている。この酸化防止剤13には、SiO2−Al2O3を主骨材として珪酸カリなどをバインダーにしたシリカ系ガラスを使用し、700℃〜1200℃の温度域で予熱したとき、あるいはさらに高温の鋳造時に溶融してストッパー本体の表面が空気と接触するのを妨げる作用を呈する。
とりわけ本実施態様に係るタンディシュストッパー10ではストッパーヘッド部11に塗布した酸化防止剤層13をアルミナ質の被膜14で被覆している。このアルミナ質被膜は200〜1000ミクロンの厚みで形成されている。アルミナ質の被膜の厚みを200ミクロン以上としたのはこれ以下では予熱時に浸漬ノズル表面の溶融した酸化防止剤と反応して液相化し、塗膜としての機能を果たさないからである。また、厚みを1000ミクロン以下としたのはこれ以上では被膜形成作業時、被膜に亀裂等の支障を来たし易いからである。
【0009】
本実施形態に係るタンディシュストッパー10の構造は以上の通りであって、融点の高いアルミナ質被膜14でストッパーヘッド部11の酸化防止剤層13を被覆したので、予熱により酸化防止剤13が溶融しても、外側のアルミナ質被膜14は溶融しない。そのため、タンディシュストッパー10の心出し操作時にストッパーヘッド部11を浸漬ノズル21の内孔22上端に当接しても溶融した酸化防止剤13が直接浸漬ノズル21に接触しないので、溶融した酸化防止剤13が冷却固化することでタンディシュストッパー10が浸漬ノズル21に溶着して離れなくなることを防止できる。
また、硬度が高く、かつ溶鋼に含まれているCaに対して化学的安定性の高いジルコニア質の被膜12でストッパーヘッド部11を被覆したので、ストッパーヘッド部11の耐摩耗性が向上するとともに、Caとの化学反応によってストッパーヘッド部11の組織が脆弱化して損耗するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るタンディシュストッパーをタンディシュに配設した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…タンディシュストッパー、11…ストッパーヘッド部、12…ジルコニア質被膜、13…酸化防止剤層、14…アルミナ質被膜。
Claims (1)
- カーボン含有耐火材料からなるストッパー本体の表面に酸化防止剤を塗布した連続鋳造用タンディシュストッパーにおいて、ストッパーヘッド部の表面と前記酸化防止剤層の間にジルコニア質の被膜を形成し、かつ前記ストッパーヘッド部の酸化防止剤層をアルミナ質の被膜で被覆したことを特徴とする連続鋳造用タンディシュストッパー。
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---|---|---|---|
JP08267498A JP3739566B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 連続鋳造用タンディシュストッパー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08267498A JP3739566B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 連続鋳造用タンディシュストッパー |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11254104A JPH11254104A (ja) | 1999-09-21 |
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Family
ID=13780977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP08267498A Expired - Fee Related JP3739566B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 連続鋳造用タンディシュストッパー |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3739566B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP08267498A patent/JP3739566B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11254104A (ja) | 1999-09-21 |
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