JPH10225524A - 赤外線治療装置 - Google Patents

赤外線治療装置

Info

Publication number
JPH10225524A
JPH10225524A JP2866397A JP2866397A JPH10225524A JP H10225524 A JPH10225524 A JP H10225524A JP 2866397 A JP2866397 A JP 2866397A JP 2866397 A JP2866397 A JP 2866397A JP H10225524 A JPH10225524 A JP H10225524A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
heater
infrared radiation
irradiating
affected part
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2866397A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiko Hazama
俊彦 間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
S N D KK
Original Assignee
S N D KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by S N D KK filed Critical S N D KK
Priority to JP2866397A priority Critical patent/JPH10225524A/ja
Publication of JPH10225524A publication Critical patent/JPH10225524A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 足裏などの患部に赤外線を照射し易いように
上向の赤外線放射面を構成でき、耐久性も充分に高い赤
外線治療装置を提供する。 【解決手段】 赤外線照射部10のプレート型ヒーター
11の表面にアルミニウム合金製の赤外線放射板13を
設け、その表面に陽極酸化膜14を形成する。陽極酸化
膜14は遠赤外線の放射効率が高く、さらに、高温の耐
久性も良い。従って、上向の赤外線放射層13にゴミや
塵が落ちて発火してもクラックや剥離などは発生せず、
上向きに赤外線を照射できる充分な耐久性を持った赤外
線治療装置を安価に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線を患部に照
射して治療効果が得られる赤外線治療装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図10に遠赤外線を中心とした赤外線を
患部に照射して治療を行う従来の赤外線治療装置の例を
示してある。この赤外線治療装置70は、平板状の電熱
ヒーター(プレートヒーター)74の表面にセラミック
系の耐熱塗料などの遠赤外線照射材が塗布された赤外線
照射部71を備えており、この赤外線照射部71がベー
ス72の上にポール状のネック73を用いて支持されて
いる。そして、ベース72の向きやネック73の角度を
変えて赤外線照射部71を患部81に向けて保持した
後、ベース72の内部に設置された制御装置を介してヒ
ーター74に電力を供給して加熱し、赤外線照射部71
から放射された赤外線を患部81に照射して温熱治療を
行えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような赤外線治療
装置は、小型で安価に提供することができるので家庭な
どにおいて手軽に温熱治療を行うことができる。近年、
さらに効果の高い赤外線治療を行うことができる幾つか
のタイプの赤外線治療装置の開発が進められている。そ
の1つは、足裏や腰などの治療効果の高いつぼの集まっ
た領域に遠赤外線を中心とした赤外線を照射して治療を
行うタイプの赤外線治療装置である。このような赤外線
治療は、特に冷え症などの症状に対して大きな効果を得
ることができるので用途の大きなものである。しかしな
がら、治療効果の高い足裏や腰に対して楽な姿勢で遠赤
外線を照射できるようにするには、これらの患部に対し
下側から赤外線を照射できるようにすることが望まし
く、従来のようなタイプの赤外線治療装置では対処でき
ない。このため、赤外線照射部を鉛直上向きにした赤外
線治療装置が開発されているが、高温となった赤外線を
照射する面が上向きになるので上方から落下したゴミや
塵が赤外線を照射する面に付着してケースが発生する。
これらのゴミや塵はごく小さな可燃性の物体であること
が多く、それ自体は赤外線照射部の熱によって発火して
炭化してしまうので治療や安全の面では問題がない。し
かしながら、発火時に高温を発生するためにセラミック
系の耐熱塗料などが塗布された赤外線照射部に微小なク
ラックが発生し易く、赤外線照射部が劣化する大きな要
因となる。
【0004】効果の高い治療を行える赤外線治療装置と
して、赤外線照射部から照射される遠赤外線の量を増加
できるように赤外線照射部を従来の平らな面から凹凸や
湾曲した面に変えて、赤外線を照射可能な表面積を増大
したタイプの赤外線治療装置が考えられている。しかし
ながら、凹凸や湾曲した赤外線照射部を成形し、そのよ
うな形状の表面にセラミック系の耐熱塗料などを均等に
塗布するには工数がかかるので高価となる。また、凹凸
や湾曲があると均等に塗料を塗布することは容易ではな
く、塗装の厚みに大きなばらつきがあると塗面が劣化す
る原因となったり、塗装の充分でない領域があると期待
どおりの赤外線照射量を得られないといった問題も発生
する。
【0005】そこで、本発明においては、上記のような
効果の高い赤外線治療を行うことができる赤外線治療装
置であって充分に耐久力が高く、安価に供給できる赤外
線治療装置を実現することを目的としている。すなわ
ち、凹凸や湾曲した赤外線照射部を安価に形成でき、さ
らに、その表面にほぼ均等な赤外線を照射する層を形成
した赤外線照射部を備えた赤外線治療装置を提供するこ
とを目的としている。また、赤外線照射面が上向きの赤
外線治療装置であってもゴミなどによる塗装膜の劣化が
なく、腰や足裏を楽な姿勢で温熱治療できる赤外線治療
装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の赤外
線治療装置においては、高温になってもクラックが発生
し難いアルミニウム合金の陽極酸化膜を赤外線発生源と
して採用し、ゴミなどに対する耐久性の高い赤外線治療
装置を実現している。この陽極酸化膜は、様々な形状に
加工されたアルミニウム合金板、あるいは成形された鉄
板などの表面に溶融メッキなどで形成したアルミニウム
合金層の表面に容易に形成することができ、さらに、陽
極酸化膜は遠赤外線の放射能力の高い酸化アルミニウム
であるので、赤外線放射量が大きく、治療効率の高い赤
外線治療装置を安価に提供することができる。すなわ
ち、本発明の赤外線治療装置は、前方に位置する患部に
向かって赤外線を照射可能な赤外線照射手段を有し、こ
の赤外線照射手段が、前方側の面が陽極酸化されたアル
ミニウム合金製の赤外線放射層と、この赤外線放射層を
後方側から電力を用いて加熱する加熱手段とを備えてい
ることを特徴としている。
【0007】上述したように、本発明の赤外線治療装置
に採用されている赤外線放射層は高温になってもクラッ
クなどが発生しにくく劣化しない。このため、ほぼ鉛直
上向きに赤外線を照射できるように赤外線照射手段の照
射方向を設定可能な手段を設け、足裏や腰などに下側か
ら赤外線を照射して治療するのに適した赤外線治療装置
を提供できる。本発明の赤外線治療装置においては、上
向きとなった赤外線放射層にゴミや塵などが赤外線放射
層に付着して発火することがあっても陽極酸化膜の形成
された赤外線放射層の劣化は殆どなく充分な製品寿命を
確保できる。このような足裏や腰を赤外線照射手段の上
方に置いて治療を行う赤外線治療装置には、患部を乗せ
て支持できる患部支持手段を設け、患部の下側から上向
きに赤外線を照射することによってユーザーが楽な姿勢
で治療を行うことができる。また、この患部支持手段の
上面に赤外線放射層を形成することによって患部支持手
段から患部に向かって2次放射された赤外線を照射する
ことが可能であり、さらに治療効果の高い赤外線治療装
置を提供できる。
【0008】また、本発明の赤外線治療装置において
は、陽極酸化によって赤外線放射層が形成されるので、
赤外線照射部の形状が平面でなくともほぼ均一な厚みの
赤外線放射層を安価に製造することができる。従って、
赤外線放射板の少なくとも1部に湾曲部あるいは凹凸部
の少なくともいずれかが形成された表面積が大きく、小
型で放射量の大きな治療効果の高い赤外線治療装置にも
好適であり、このような赤外線の放射効率の高い赤外線
治療装置を安価に提供することが可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施の形態〕以下に図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。図1に本発明に係る赤
外線治療装置の概要を示してあり、図2に本例の赤外線
治療装置の概略構造を断面を用いて示してある。本例の
赤外線治療装置1は、円盤状の赤外線照射部10と、こ
の赤外線照射部10を収納した後方に凸状になったハウ
ジング20と、このハウジング20の前方に設置された
ガード部30とを備えており、これらガード部30およ
びハウジング20がパイプ状の2つのアーム35および
36で床9に対しほぼ鉛直上向きに支持されるようにな
っている。図2に詳しく示してあるように、本例の赤外
線照射部10も円盤状のプレート型ヒーター11が採用
されており、このヒーター11の周囲に後方に開いた凸
状の反射板19が設けられている。さらに、ヒーター1
1の裏面には断熱材18が設けられており、ハウジング
20の温度上昇を防止すると共にヒーター11の表面温
度を確保できるようにしている。また、ハウジング20
にはヒーター11の制御を行う制御パネル22が収納さ
れており、これによって家庭用電源24から供給される
電力を制御してヒーター11を遠赤外線を放射するのに
適した温度まで加熱できるようになっている。
【0010】本例の赤外線治療装置1のガード部30は
ハウジング20と同様にほぼ鉛直上向きに設定されてお
り、さらに、ガード部30には手足やその他の部位また
は可燃性の部材などがハウジング20の内部に入らない
ように横方向に複数のガードバー31が設置されてい
る。さらに、本例のガード部30は、その上に足8や腰
などの患部を楽に乗せることができるように適当な角度
で傾斜しており、これらの患部の重量を支持できる強度
を備えている。従って、ユーザーは足裏などの患部を患
部支持手段であるガード部30の上に乗せて上向きにな
った赤外線照射部10から照射された赤外線に晒すこと
が可能であり、楽な姿勢で治療効果の高い患部に赤外線
を照射することができる。
【0011】図3に、本例の赤外線治療装置1に採用さ
れている赤外線照射部10のヒーター11のさらに詳し
い構造を示してある。本例のヒーター11は、図3
(a)に示すように、内部にヒーター線が配置されたプ
レート状の発熱体12と、この発熱体12の前面側(矢
印A)に貼り付けられたアルミニウム合金製の赤外線照
射板13とを備えており、この赤外線照射板13の前面
側に陽極酸化膜14が形成されている。陽極酸化皮膜1
4は、例えば、アルミニウム合金の表面を硝酸溶液など
でデスマット処理を施したのち、硫酸水溶液を満たした
処理浴に浸し、適当な電流を印加することで形成するこ
とができる。例えば、1.5A/dm2 程度の電流密度
で処理を行うことにより、数μm〜数10μmの膜厚の
陽極酸化皮膜14を形成することができる。アルミニウ
ム合金の表面に形成される陽極酸化皮膜14の成分は、
主に遠赤外線照射効率の高い酸化アルミニウムであり、
この陽極酸化皮膜14が表面に形成されたアルミニウム
合金板を赤外線照射層13として利用することにより効
率良く遠赤外線を放射することができる。さらに、アル
ミニウム合金中に数パーセントのシリコンを含ませるこ
とにより、陽極酸化皮膜中に金属シリコンが分散して析
出するので、陽極酸化処理時におけるポア(細孔)が枝
別れ構造となりやすく、赤外線放射効率がさらに高く、
また、クラックが発生しにくく、さらにクラックが発生
してもその伝播を阻止する能力の高い陽極酸化皮膜を形
成できることが知られている。さらに、銅、マンガン、
ニッケル、チタンなどの1種または副数種類の金属を微
量に含有したアルミニウム合金に陽極酸化皮膜を形成す
ることにより剛性が高く、また、遠赤外線の放射効率が
さらに高い赤外線照射板13を形成できることが知られ
ている。
【0012】これに対し、図10に示したような従来の
赤外線治療装置70に採用されているヒーター74は図
3(b)に示すように、同様のプレート型ヒーター75
の前方にステンレススチールなどの放射板76が密着さ
れ、その表面(前方側、矢印A)に遠赤外線照射材とな
る酸化アルミニウムなどのセラミックが含有された耐熱
塗料77が塗布された構造となっている。このような従
来の赤外線照射用のヒーター74は、安価で赤外線の照
射効率の高いので、家庭などで手軽に使用できる小型で
安価な赤外線治療装置に適したヒーターであり、立脚し
たタイプの赤外線治療装置に多く採用されている。
【0013】しかしながら、このような従来のヒーター
74は、赤外線を照射する面77が塗装を施した面であ
る。このため、付着したゴミなどがヒーターの温度で発
火して局部的に高温になるとクラックや剥離が発生し、
ヒーターの性能が劣化してしまう。従来の立脚したタイ
プの赤外線治療装置では赤外線を照射する面77は水平
方向あるいは鉛直下向きになることが殆どであり、本例
の赤外線治療装置1のように患部に対し上向きに赤外線
を照射して治療を行うことは想定されておらず、また、
そのような位置で患部に対し赤外線を照射できるように
はなっていない。従って、ヒーター74の赤外線照射面
77にゴミなどが付着する恐れは殆どなく、クラックや
剥離といった性能が劣化する問題は発生していない。
【0014】これに対し、本例の赤外線治療装置1は、
足裏を治療対象とした赤外線治療装置であり、このた
め、足裏8を乗せられる患部支持部としての機能を備え
たガード部30を設け、さらに、ハウジング20および
赤外線照射部10を斜め上向きにしてある。従って、ヒ
ーター11の赤外線を照射する面も上向きになり、上か
ら落下したゴミや塵などが付着して発火し易い状況とな
る。このような状況下であっても、本例の赤外線治療装
置1は、赤外線放射層として高温における耐性の非常に
強い陽極酸化皮膜層14の形成されたアルミニウム合金
板13を採用しているのでゴミなどが付着して微小な発
火が発生しても、これによるクラックや剥離が生ずるこ
とはない。従って、本例の赤外線治療装置1は耐久性が
非常に高いので、上方に向いて赤外線照射部10を設定
した場合でも製品として充分に信頼性が高く、耐久力の
ある赤外線治療装置を提供することができる。さらに、
陽極酸化皮膜は、上記のような処理によって容易に形成
することができるので安価であり、製品コストの上昇も
防止することができる。
【0015】加えて、主に酸化アルミニウムで形成され
たアルミニウム合金の陽極酸化皮膜が赤外線の放射源と
なり、さらに、アルミニウム合金自体の熱伝達度も非常
に高い。従って、陽極酸化皮膜14が表面(前面側)に
形成されたアルミニウム合金の赤外線照射板13を後方
から電力で作動する発熱体12で加熱することにより、
発熱体12からの熱が赤外線放射源である陽極酸化皮膜
14に効率良く伝達され、本例の赤外線照射部10の赤
外線放射層13から従来と同様あるいはそれ以上の放射
効率で遠赤外線を放射できる。このため、赤外線照射部
10から上向きに大量の遠赤外線を足裏などの患部に対
し照射することができる。このような方法で赤外線治療
を行うのが適した代表的な患部は上述した足裏であり、
この足裏は身体の各部に関連する30箇所以上のつぼが
集中しており、遠赤外線を照射すると毛細血管が膨張
し、血液が患部に集中して、さらに、新陳代謝が促進さ
れるといった一般的な温熱効果が効果的に得られ、ま
た、冷え症などの各つぼに関連した症状に対しても大き
な効果が得られる。このため、足裏に遠赤外線を照射す
ると、指圧・マッサージ・針灸と同等の効果が得られ、
さらに、女性のハイヒールによる変形、炎症、外反母趾
などに対し、足裏に遠赤外線を照射することによって靭
帯の緩み、筋力低下の緩和ができることも分かってきて
いる。したがって、本例の赤外線治療装置1を用いて、
それらの赤外線治療を快適にリラックスした状態で行う
ことができ、ユーザーに対し多大な治療効果をもたらす
ことができる。同様に、背中や腰などのつぼの集中した
患部にも本例と同様の構成の赤外線治療装置によってテ
レビを見たり、読書をしながら楽な姿勢で治療を行うこ
とが可能である。
【0016】なお、本例ではアーム35および36によ
って、ガード部30およびハウジング20の角度が鉛直
上向きから若干水平方向に傾いた状態となるように一定
に保持しているが、このガード部30あるいはハウジン
グ20の角度を調整できるようにすることももちろん可
能であり、個々のユーザーが楽な姿勢で足裏や腰などの
患部に赤外線を照射できるようにすることも可能であ
る。
【0017】図4に、足裏の温熱治療に適した赤外線治
療装置1の異なった例を示してある。また、図5に、こ
の赤外線治療装置1の主な構成を断面図を用いて示して
ある。本例の赤外線治療装置1も後方に凸になったハウ
ジング20にヒーター11を備えた赤外線照射部10が
収納されており、ハウジング20の上に足裏8を乗せて
下側から赤外線を照射できるようになっている。ハウジ
ング20は、操作パネル22を備えたスタンド32の内
部で前後方向に旋回できるようになっており、足裏8の
乗せた角度に従ってハウジング20の向きを変えられる
ようになっている。また、本例の赤外線治療装置1は、
ハウジング20の上方にガードとしての機能を備えた患
部支持部30が一体で構成されており、ユーザーはハウ
ジング20に直に足を乗せて赤外線治療を行えるように
なっている。
【0018】ハウジング20に収納された本例の赤外線
照射部10は、上述した赤外線治療装置とほぼ同様の構
成であり、プレート型のヒーター11と、この後方に設
けられた断熱材の層18と、ヒーター11を囲うように
設置された反射板19を備えている。プレート型ヒータ
ー11の前面(図5では上方を向いた面)には、陽極酸
化皮膜を備えた赤外線放射層13が形成されており、ヒ
ーター11に電力を供給して加熱することによって上部
の患部に対し遠赤外線を中心とした赤外線を照射できる
ようになっている。赤外線放射層13は、上述した例の
ように、アルミニウム合金板を陽極酸化処理することに
よっても形成できるが、ステンレススチールなどによっ
て構成されたヒーター11の前面にアルミニウム合金の
層を溶融メッキあるいは溶射などによって形成し、その
表面に陽極酸化皮膜14を形成して赤外線放射層13と
することも可能である。このような方法によっても、酸
化アルミニウムを主な成分とした遠赤外線の放射効率が
良く、高温の耐久性の高い赤外線放射層14を形成する
ことができる。従って、本例によっても、上方に向けて
赤外線が照射できると共に耐久性が高く充分な製品寿命
を備えた安価な赤外線治療装置を提供することができ
る。
【0019】さらに、本例の赤外線治療装置1は、患部
支持部30にも表面が陽極酸化処理された支持部材を採
用している。すなわち、本例の患部支持部30は、ハウ
ジング20の上部の開口25に取り付けられたパンチン
グメタル製のカバー33と、このカバー33を支持する
ハニカム形状のサポート34を備えており、カバー33
を構成するパンチングメタルの表面にアルミニウム合金
が溶射され、さらに、陽極酸化処理が施されている。従
って、カバー33の表面は酸化アルミニウムによってセ
ラミックコートされた状態となるので、熱伝達率が低下
する。このため、ユーザーが患部をカバー33に乗せて
もそれほど熱く感じることはなく、カバーによって患部
を火傷するのも防止することができる。さらに、カバー
33の表面が遠赤外線の放射効率の高い酸化アルミニウ
ムで覆われているので、赤外線照射部10から放出され
た赤外線によってカバー33の温度が上昇するとカバー
33から遠赤外線が放出される。従って、赤外線照射部
10から放射された遠赤外線に加え、カバー33から発
生した2次放射の遠赤外線が患部に照射され、さらに効
率良く患部を温熱治療することができる。
【0020】これらの例で説明したように、本発明に係
る赤外線治療装置は、アルミニウム合金の陽極酸化され
た層を遠赤外線を中心とした赤外線を放射するソースと
して利用しており、非常に高温耐性の高い赤外線治療装
置を提供することができる。遠赤外線によって温熱治療
を行う赤外線治療装置としては赤外線を放射する部分の
温度をそれほど高くする必要がない。このため、従来の
赤外線治療装置はそれほどの高温耐性が必要ではなかっ
たのに対し、上述したような上向きで患部に赤外線を照
射して治療を行うような新しいタイプの赤外線治療装置
においてはゴミあるいは塵対策としてクラックや剥がれ
に強い赤外線放射層が必要であり、本発明のアルミニウ
ム合金の陽極酸化皮膜を赤外線の放射源として用いるこ
とによって充分な高温での耐久力を備えた赤外線治療装
置を提供することができる。
【0021】なお、上記では、2つの例を用いて本発明
を説明しているが、もちろん、この2タイプに限定され
ることはなく、鉛直上向きあるいは水平方向から上向き
に傾いた赤外線放射面を備えた赤外線治療装置であれば
ゴミ対策が不可欠であり、本発明を適用することによっ
てその問題を解決することができる。
【0022】〔第2の実施の形態〕図6に本発明の第2
の実施の形態に係る赤外線治療装置の概略構成を示し、
図7に赤外線照射部の構成をハウジングを一部欠いて示
してある。本例の赤外線治療装置51は、ベース52の
上にポール53によってハウジング55が支持され、そ
のハウジング55に赤外線照射部60が収納された立脚
タイプの赤外線治療装置であり、ハウジング55の向き
を変えて適当な角度で前方の患部に対し遠赤外線を中心
とした赤外線を照射できるようになっている。さらに、
本例の赤外線照射部60は、赤外線の放射密度を向上で
きるように赤外線放射板61の表面に微小な凹凸62を
連続して設けて赤外線を放射できる表面積を広げてあ
り、小型で治療効率の高い赤外線治療装置51を提供で
きるようにしている。
【0023】本例の赤外線放射部60は、図7に示すよ
うに、全体が円盤状になった赤外線放射板(ヒーター)
61の周囲に反射板69を設けてあり、赤外線放射板6
1の後方に放熱を防止するための断熱材68が設けられ
ている。赤外線放射板61の前面側には、先に図3
(a)で説明したように赤外線放射層63となるアルミ
ニウム合金層が形成されており、その表面に赤外線の放
射源となる陽極酸化皮膜64が形成されている。本例の
赤外線放射板61は、表面積を増やすために前面側に滑
らかに連続した複数の凹凸62が形成されているが、上
述したように、硫酸水溶液などを満たした処理浴に浸し
て適当な電流を印加することによって赤外線放射板61
の表面にほぼ均等な厚さの陽極酸化皮膜64を形成する
ことができる。
【0024】これに対し、図3(b)に基づき説明した
従来のヒーター74を用いて表面に凹凸を備えた赤外線
放射板を形成することも可能である。しかしながら、従
来のヒーターでは、凹凸の形成された表面にセラミック
を含んだ耐熱塗料を塗布する必要があるので均等な膜厚
の赤外線放射層を形成することが難しい。すなわち、突
き出た領域が薄くなり、凹んだ領域が厚くなったり、凹
んだ領域に塗料が付かないなどの凹凸の大きさや形状に
よって様々な事態が発生しやすい。従って、表面積を増
やすために凹凸を単に設けただけでは期待通りの赤外線
放射量が得られず、また、ヒーターの前面に均一な塗装
が施されないために見栄えも悪いといった問題が起こ
る。さらに、塗装の膜厚が異なると放射効率などが場所
によって異なるのでヒーター表面の温度勾配が大きくな
り塗膜の劣化の要因となることもある。そして、このよ
うな問題を解決するために厚みが均等になるように塗布
するのは非常に手間がかかり熟練が必要となる作業なの
で製造コストが大幅に上昇してしまう。
【0025】本例の赤外線治療装置51は、凹凸のある
ヒーター(赤外線放射板)61の表面に陽極酸化皮膜6
4を形成することによって上記のような問題を解決する
ことが可能なものであり、極めて簡単に凹凸のある表面
に均等な厚みの陽極酸化皮膜64を形成することができ
る。そして、この陽極酸化皮膜64は、酸化アルミニウ
ムが主な成分なので遠赤外線の放射効率も高く、耐久性
も高い。従って、小型で遠赤外線の放射量の大きく、さ
らに、品質の安定した耐久性の高い赤外線治療装置51
を安価に提供することができる。
【0026】赤外線を照射する表面積を増やせるように
凹凸を設けたヒーター61は上記の例に限定されるもの
ではなく、例えば、図8に示したような形状を採用する
ことも可能である。図8(a)は複数の円柱状の突起6
5をヒーター61の表面に配置したものであり、図8
(b)はヒーター61の表面を波型66に加工したもの
である。また、図8(c)はヒーター61の表面にヒー
トシンクのようなリブ状の凹凸67を複数設けたもので
ある。これらの形状のヒーター61の表面にセラミック
を含んだ塗膜を均等に形成するのは非常に難しく高価に
なるのに対し、本例の赤外線治療装置51のようにヒー
ター61の表面を陽極酸化処理して赤外線の放射源とな
る陽極酸化皮膜64を形成することは非常に簡単であり
安価に提供することができる。さらに、製造工程を自動
化することも可能であり、赤外線治療装置51のの品質
もほぼ一定に保つことができる。従って、図7あるいは
図8に示したような凹凸の形成された表面積の大きな赤
外線照射用のヒーター61を安価に量産することが可能
であり、家庭などで手軽に効果の高い治療を行える小型
の赤外線治療装置を実現できる。
【0027】さらに、図9に示すようにヒーター61の
表面の一部または全体に湾曲部92を設けることによっ
ても表面積を増やし赤外線の放射量を増加することがで
きる。図9(a)はコーン型に加工されたヒーター61
の例であり、図9(b)は段差を持つようにコーン型に
加工されたヒータ61の例である。また、図9(c)は
球面状に加工されたヒーター61の例である。このよう
に従来の平面状のヒーターと異なり、全部または一部に
湾曲部92を設けることによってヒーター61の表面積
を増加することが可能であるが、この場合も塗装が困難
な部分が生じてしまう。従って、本発明の赤外線治療装
置51のように陽極酸化膜64を形成して赤外線の放射
源とすることによって湾曲したヒーター61の表面を赤
外線を照射する面として有効に活用し、遠赤外線の放射
量の大きな赤外線治療装置を実現することができる。
【0028】このように、赤外線照射体であるヒーター
61の表面に赤外線放射層63となるアルミニウム合金
層を形成し、その表面に陽極酸化皮膜64を形成するこ
とによって、表面が様々な形状に加工されたヒーターで
あってもその表面を赤外線照射面として極めて有効に利
用することができる。また、ほぼ厚みが一定した陽極酸
化皮膜64が形成されるのでヒーター表面の温度分布も
小さく、高温時の耐久力の大きな陽極酸化皮膜を採用し
ていることもあって非常に耐久性が良く、製品寿命が長
く安心して使用できる赤外線治療装置51を製造でき
る。従って、投影面積の小さな小型の赤外線照射板を使
用して大量の遠赤外線を患部に照射できる、小型で性能
の高い赤外線治療装置を安価に提供することが可能とな
る。
【0029】なお、本例においても、ヒーターの表面に
アルミニウム合金の陽極酸化膜を形成する方法は幾つか
可能であり、表面に凹凸などを形成したアルミニウム合
金に陽極酸化皮膜の形成した後に従来と同様のプレート
型ヒーターに密着させてヒーター(赤外線放射体)61
を形成することも可能である。アルミニウム合金の熱伝
達率は高いので、このようなヒーターでも放射量を大幅
に増加することができる。あるいは、凹凸や湾曲状に表
面が加工されたヒーターの表面に溶射や溶融メッキなど
によってアルミニウム合金層を形成し、その後、陽極酸
化処理して赤外線放射層を形成することも可能である。
【0030】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の赤外線
治療装置においては、アルミニウム合金層の表面に形成
した陽極酸化皮膜を赤外線の放射源として採用すること
によって高温での耐久性が高く、ゴミなどが赤外線の放
射面に付着して発火してもクラックや剥離が発生しにく
い赤外線治療装置を実現している。従って、足裏や腰あ
るいは背中といった治療効果の大きな患部に赤外線を照
射するのに好適な鉛直上向き方向に赤外線を照射できる
赤外線治療装置であって耐久性の高い治療装置を安価に
提供することが可能となる。このため、家庭などで手軽
に足裏や腰などの治療を快適に行える赤外線治療装置を
提供することができる。
【0031】また、本発明の赤外線の放射源である陽極
酸化皮膜は、複雑な表面形状の赤外線照射板に対しても
容易に施すことが可能である。このため、凹凸や湾曲な
どを設けて表面積を増やし、赤外線の放射量を増すこと
を目的とした赤外線治療装置に好適であり、本発明によ
り凹凸や湾曲などの形状に加工された放射面積を有効に
活用して実際に赤外線の照射量を増し、安定した性能を
発揮する赤外線治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る赤外線治療装
置を示す斜視図である。
【図2】図1に示す赤外線治療装置の概略構造を示す断
面図である。
【図3】赤外線を照射するヒーターの構造を詳しく示す
ための断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る赤外線治療装
置の異なった例を示す斜視図である。
【図5】図4に示す赤外線治療装置の概略構造を示す断
面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る赤外線治療装
置を示す斜視図である。
【図7】図6に示す赤外線治療装置の赤外線照射部の概
略構成をハウジングを一部欠いて示す図である。
【図8】表面に凹凸の形成されたヒーターの幾つかの異
なった例を示す図である。
【図9】表面が湾曲に形成されたヒーターの幾つかの異
なった例を示す図である。
【図10】従来の赤外線治療装置の概要を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1、51・・赤外線治療装置 10、60・・赤外線照射部 11、61・・プレート型ヒーター(赤外線放射体) 12・・発熱体 13、63・・赤外線照射層 14、64・・陽極酸化膜 18、68・・断熱材 19、69・・反射板 20、55・・ハウジング 22・・操作パネル 30・・ガード部(患部支持部) 32・・スタンド 33・・カバー 34・・サポート 35、36・・支持用のアーム 62、65、66、67・・凹凸部 92・・湾曲部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前方に位置する患部に向かって赤外線を
    照射可能な赤外線照射手段を有し、この赤外線照射手段
    が、前方側の面が陽極酸化されたアルミニウム合金製の
    赤外線放射層と、この赤外線放射層を後方側から電力を
    用いて加熱する加熱手段とを備えていることを特徴とす
    る赤外線治療装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ほぼ鉛直上向きに赤
    外線を照射できるように前記赤外線照射手段の照射方向
    を設定可能な手段を有することを特徴とする赤外線治療
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記赤外線照射手段
    のほぼ鉛直上方に前記患部を支持できる患部支持手段を
    有することを特徴とする赤外線治療装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記患部支持手段の
    上面に前記赤外線放射層が形成されていることを特徴と
    する赤外線治療装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、前記赤外線放射板の
    前面側の少なくとも1部に湾曲部あるいは凹凸部の少な
    くともいずれかが形成されていることを特徴とする赤外
    線治療装置。
JP2866397A 1997-02-13 1997-02-13 赤外線治療装置 Pending JPH10225524A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2866397A JPH10225524A (ja) 1997-02-13 1997-02-13 赤外線治療装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2866397A JPH10225524A (ja) 1997-02-13 1997-02-13 赤外線治療装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10225524A true JPH10225524A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12254755

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2866397A Pending JPH10225524A (ja) 1997-02-13 1997-02-13 赤外線治療装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10225524A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389703B1 (ko) * 1999-11-24 2003-06-27 오달환 피부 접촉식 알루미늄제 치료기
CN110975161A (zh) * 2019-12-11 2020-04-10 南通生命多奇健康科技有限公司 一种养生保健补光仪

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389703B1 (ko) * 1999-11-24 2003-06-27 오달환 피부 접촉식 알루미늄제 치료기
CN110975161A (zh) * 2019-12-11 2020-04-10 南通生命多奇健康科技有限公司 一种养生保健补光仪

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005501658A (ja) 加温装置
CN107396468B (zh) 一种远红外发热模块及光波理疗房加热装置
CA2300594A1 (en) Radiant heater for infant warmers
KR20150095468A (ko) 좌식 온열기
JPH10225524A (ja) 赤外線治療装置
KR200470536Y1 (ko) 온열패널을 구비한 좌욕 의자
JPS6314247Y2 (ja)
JPH0942685A (ja) 加熱調理装置
JPH0319890Y2 (ja)
JPH0561754B2 (ja)
JPH0319888Y2 (ja)
KR200217812Y1 (ko) 온열치료기
JPH0427455Y2 (ja)
JPH1133128A (ja) 赤外線治療器
JPH11128374A (ja) 赤外線治療装置
JPH036269Y2 (ja)
JP2528711Y2 (ja) 温熱治療具
KR200365515Y1 (ko) 개인용 온열 좌욕기
JPH0325795Y2 (ja)
JP3055069U (ja) トルマリン遠赤外線ヒーター
KR200177836Y1 (ko) 옥이 구비된 복사형 전기히터의 보빈
JPH02616Y2 (ja)
JPH0363422A (ja) 電気調理器
JPH04170947A (ja) 遠赤外線を利用した歯科印象材用の溶解・保温装置
JP2003151731A (ja) 遠赤外線放射体