JPH10223154A - 偏向ヨーク - Google Patents

偏向ヨーク

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JPH10223154A
JPH10223154A JP2351697A JP2351697A JPH10223154A JP H10223154 A JPH10223154 A JP H10223154A JP 2351697 A JP2351697 A JP 2351697A JP 2351697 A JP2351697 A JP 2351697A JP H10223154 A JPH10223154 A JP H10223154A
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coil
winding
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horizontal plane
axis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水平偏向コイル3及び垂直偏向コイル4にス
リット巻きを採用した偏向ヨークにおいて、偏向電力を
節減する。 【解決手段】 水平偏向コイル3を巻装すべきボビン1
には、X軸に近い内側の巻線領域に、第1巻線32、第2
巻線33、第3巻線36及び第4巻線37が施されると共に、
X軸から遠い外側の巻線領域に、第1巻線31、第2巻線
34、第3巻線35及び第4巻線38が施され、外側及び内側
の第1巻線31、32によって上の第1コイル部L1が形成
され、内側及び外側の第2巻線33、34によって上の第2
コイル部L2が形成され、外側及び内側の第3巻線35、
36によって下の第1コイル部L3が形成され、内側及び
外側の第4巻線37、38によって下の第2コイル部L4が
形成される。そして、第1コイル部L1、L3と第2コ
イル部L2、L4は互いに並列に接続され、両コイル部
には可飽和リアクターが接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インライン型電子
銃を具えたカラー受像管に装備される偏向ヨークに関
し、特にセルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、モニター用のカラー受像管におい
ては、偏向ヨークの水平偏向コイル及び垂直偏向コイル
を共に鞍型に巻線することが行なわれている。鞍型コイ
ルの巻線方法としては、金型のギャップ部に銅線を巻き
込んだ後、治具によって銅線をギャップ部に押し込んで
成形し、所定の形状を得る金型巻き方式と、ボビンに形
成した溝(スリット)に銅線を巻き付けて所定の形状を得
るスリット巻き方式が知られている。
【0003】金型巻き方式によれば、コイルの形状が金
型によって決まるため、コイルの内面形状を受像管の外
周面に隙間なく沿わせる様に成形することが出来、これ
によって、水平偏向コイル及び垂直偏向コイル、更には
これらのコイルの周囲に配置されるフェライトコアの外
径を最小化する設計が可能である。この結果、比較的小
さな電力で電子ビームを偏向することが可能となり、偏
向電力が低減される。
【0004】一方、スリット巻き方式によれば、ボビン
の溝に銅線を巻き付けるため、巻線工程にて銅線に乱れ
が生じることがなく、所定の巻線分布を正確に実現する
ことが出来る。この結果、電子ビームの偏向に際して所
定の磁場が形成され、高品位の画質が得られることにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特にモニタ
ー用のカラー受像管においては、画質に対する要求が厳
しいため、偏向ヨークには、スリット巻き方式の採用が
望ましい。しかしながら、スリット巻き方式において
は、隣接する巻線溝間で銅線が移動することのない様、
巻線溝の両側に充分な高さの仕切り壁を形成する必要が
あるため、その分だけボビンの外径が大きくなり、これ
に伴ってフェライトコアが大径化して、偏向電力が増大
する問題があった。又、セルフコンバーゼンス、即ち、
他の補助装置を用いることなく、偏向ヨーク自体によ
り、3本の電子ビームをスクリーン上の全ての領域で1
点に集束させるためには、水平偏向コイルは、出来るだ
け大きな角度範囲に亘って巻線を施す必要があり、この
結果、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとが周方向に一
部重複して配置されていた(実開昭59-5867号、特開平1-
225045号参照)。この重複部分のために、偏向ヨークの
外径が大きくなり、偏向電力の増大を招いていた。
【0006】尚、水平偏向コイルと垂直偏向コイルを管
軸から略同一の半径位置に配置した偏向ヨークが提案さ
れているが(実開昭62-144053号)、該偏向ヨークにおい
ては、各コイルの巻線角度範囲が限定されるため、イン
ライン型電子銃を具えたカラー受像管に装備した場合、
セルフコンバーゼンスは実現出来ない。
【0007】本発明の目的は、スリット巻きを採用した
セルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークにおいて、スリ
ット巻きの欠点である偏向電力の増大を抑制することで
ある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る偏向ヨーク
は、水平偏向磁界を発する水平偏向コイル(3)と、垂直
偏向磁界を発する垂直偏向コイル(4)とを具えている。
水平偏向コイル(3)を巻装すべきボビン(1)には、管軸
を含む水平面の上下に夫々、前記水平面に近い左右の内
側巻線領域と、前記水平面から遠い左右の外側巻線領域
とが設けられ、左の内側巻線領域と右の外側巻線領域を
巡回させて巻線を施すことにより第1コイル部(L1、
L3)が形成されると共に、左の外側巻線領域と右の内
側巻線領域を巡回させて巻線を施すことにより第2コイ
ル部(L2、L4)が形成されている。そして、第1コイ
ル部(L1、L3)と第2コイル部(L2、L4)は互いに
並列に接続され、両コイル部には、両コイル部に流れる
電流を差動的に変化させるための電流制御手段が接続さ
れている。
【0009】具体的には、電流制御手段は、磁気バイア
スが付与された一対のコアに夫々コイルを巻装すると共
に、これらのコイルは、一方のコイルによる磁気方向が
コアの磁気バイアス方向と一致するとき、他方のコイル
による磁気方向がコアの磁気バイアス方向と逆になる様
に直列に接続されている可飽和リアクターであって、両
コイルの両端に第1コイル部(L1、L3)及び第2コイ
ル部(L2、L4)が接続され、両コイルの接続点から電
流入出力用の引出し線が伸びている。
【0010】上記本発明の偏向ヨークにおいては、例え
ばスクリーンの左方向へ電子ビームを偏向させる場合、
電流制御手段の作用によって、第1コイル部(L1、L
3)に流れる電流が減少すると共に、第2コイル部(L
2、L4)に流れる電流が増大する。ここで、第2コイ
ル部(L2、L4)は、左の外側巻線領域と右の内側巻線
領域に巻装されているので、左の外側巻線領域と右の内
側巻線領域の巻線数が実際の巻線数よりも増大した場合
と同等の磁場が形成されることとなり、これによって、
水平偏向コイルの巻線角度範囲が拡大して垂直偏向コイ
ルと一部重複した偏向ヨークと同等或いはそれ以上に良
好なコンバーゼンスを得ることが出来る。
【0011】逆に、スクリーンの右方向へ電子ビームを
偏向させる場合、電流制御手段の作用によって、第1コ
イル部(L1、L3)に流れる電流が増大すると共に、第
2コイル部(L2、L4)に流れる電流が減少する。ここ
で、第1コイル部(L1、L3)は、左の内側巻線領域と
右の外側巻線領域に巻装されているので、左の内側巻線
領域と右の外側巻線領域の巻線数が実際の巻線数よりも
増大した場合と同等の磁場が形成されることとなり、こ
れによって、水平偏向コイルの巻線角度範囲が拡大して
垂直偏向コイルと一部重複した偏向ヨークと同等或いは
それ以上に良好なコンバーゼンスを得ることが出来る。
【0012】従って、上記本発明の偏向ヨークにおいて
は、水平偏向コイル(3)と垂直偏向コイル(4)を、互い
に周方向に重複させることなく同一或いは略同一の半径
位置に配置した場合にも、上述のセルフコンバーゼンス
が実現され、この配置によって偏向ヨーク全体を小径化
することが出来る。この結果、偏向電力が減少すること
となる。
【0013】尚、前記水平面の上に配置された第1コイ
ル部(L1)及び第2コイル部(L2)と、前記水平面の下
に配置された第1コイル部(L3)及び第2コイル部(L
4)とを流れる電流の比を変えてコンバーゼンスを調整
する必要がある場合には、これらのコイル部を下記の如
く結線する。即ち、前記水平面の上に配置された第1コ
イル部(L1)と第2コイル部(L2)とは互いに並列に接
続され、両コイル部に第1の電流制御手段が接続される
と共に、前記水平面の下に配置された第1コイル部(L
3)と第2コイル部(L4)とは互いに並列に接続され、
両コイル部に第2の電流制御手段が接続される。そし
て、第1の電流制御手段と第2の電流制御手段の入出力
端にバランスコイルを接続する。
【0014】これに対し、前記バランスコイルによるコ
ンバーゼンスの調整が不要な場合には、前記水平面の上
下に配置された一対の第1コイル部(L1、L3)は互い
に直列に接続されると共に、前記水平面の上下に配置さ
れた一対の第2コイル部(L2、L4)は互いに直列に接
続され、第1コイル部(L1、L3)及び第2コイル部
(L2、L4)に1つの電流制御手段が接続される。
【0015】
【発明の効果】本発明に係る偏向ヨークにおいては、水
平偏向コイルの4つのコイル部(L1〜L4)を左右非対
称に巻線すると共に、これらのコイル部に流れる電流を
差動的に変化させることによって、セルフコンバーゼン
スを実現したので、水平偏向コイルと垂直偏向コイル
を、互いに周方向に重複させることなく同一或いは略同
一の半径位置に配置することが可能である。これによっ
て、偏向ヨーク全体を小径化して、偏向電力を低減させ
ることが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面に沿って具体的に説明する。本発明に係る偏向
ヨークは、図1に示す如く電子銃の管軸(Z軸)を中心と
して、左右に水平偏向コイル(3)、上下に垂直偏向コイ
ル(4)を配置している。水平偏向コイル(3)は水平偏向
コイル用ボビン(1)の巻線溝(図示省略)に巻装され、垂
直偏向コイル(4)は垂直偏向コイル用ボビン(2)の巻線
溝(図示省略)に巻装されて、夫々鞍型に形成されてい
る。又、水平偏向コイル用ボビン(1)及び垂直偏向コイ
ル用ボビン(2)の周囲には、フェライトコア(6)が配置
されている。ここで、水平偏向コイル(3)と垂直偏向コ
イル(4)とは、Z軸からの半径距離が略同一となる位置
に、互いに重複することなく配置されおり、インライン
型電子銃を具えたカラー受像管(図示省略)に装備された
状態では、両コイル(3)(4)の内周面が受像管の外周面
に可及的に接近して設置されることになる。
【0017】水平偏向コイル(3)は、水平に伸びるX軸
に対しては上下対称であるが、垂直に伸びるY軸に対し
ては左右非対称に巻線された4つのコイル部L1〜L4
から構成されている。第1コイル部L1は、Z軸の左方
に配置されると共にX軸に近い内側第1巻線(32)と、Z
軸の右方に配置されると共にX軸から遠い外側第1巻線
(31)とを有している。第2コイル部L2は、Z軸の左方
に配置されると共にX軸から遠い外側第2巻線(34)と、
Z軸の右方に配置されると共にX軸に近い内側第2巻線
(33)とを有している。第1コイル部L3は、Z軸の左方
に配置されると共にX軸に近い内側第3巻線(36)と、Z
軸の右方に配置されると共にX軸から遠い外側第3巻線
(35)とを有している。第2コイル部L4は、Z軸の左方
に配置されると共にX軸から遠い外側第4巻線(38)と、
Z軸の右方に配置されると共にX軸に近い内側第4巻線
(37)とを有している。
【0018】第1コイル部L1を構成する外側第1巻線
(31)及び内側第1巻線(32)は、外側第1巻線(31)のX軸
から遠い端部の引出し線(51)から巻線が開始されて、2
つの巻線領域を巡回させつつ、図中の矢印の方向に巻線
が進められ、内側第1巻線(32)のX軸から遠い端部の引
出し線(53)で巻線が終了している。第2コイル部L2を
構成する内側第2巻線(33)及び外側第2巻線(34)は、内
側第2巻線(33)のX軸から近い端部の引出し線(52)から
巻線が開始されて、2つの巻線領域を巡回させつつ、図
中の矢印の方向に巻線が進められ、外側第2巻線(34)の
X軸から近い端部の引出し線(54)で巻線が終了してい
る。又、第1コイル部L3を構成する外側第3巻線(35)
及び内側第3巻線(36)は、外側第3巻線(35)のX軸から
遠い端部の引出し線(56)から巻線が開始されて、2つの
巻線領域を巡回させつつ、図中の矢印の方向に巻線が進
められ、内側第3巻線(36)のX軸から遠い端部の引出し
線(58)で巻線が終了している。第2コイル部L4を構成
する内側第4巻線(37)及び外側第4巻線(38)は、内側第
4巻線(37)のX軸から近い端部の引出し線(55)から巻線
が開始されて、2つの巻線領域を巡回させつつ、図中の
矢印の方向に巻線が進められ、外側第4巻線(38)のX軸
から近い端部の引出し線(57)で巻線が終了している。
【0019】図2に示す如く、一方の電流入出力端子
(5)に対して4つのコイル部L1〜L4が並列に接続さ
れ、X軸の上に配置される第1コイル部L1と第2コイ
ル部L2は、第1の可飽和リアクター(71)の両端に接続
されると共に、X軸の下に配置される第1コイル部L3
と第2コイル部L4は、第2の可飽和リアクター(72)の
両端に接続されている。又、両可飽和リアクター(71)(7
2)の中点はバランスコイル(8)の両端に接続され、バラ
ンスコイル(8)の中点が他方の電流入出力端子(50)に接
続されている。
【0020】2つの可飽和リアクター(71)(72)は夫々、
接続された2つのコイル部に流れる電流を差動的に変化
させるための周知の構成を有し(実開昭59-5867、実開昭
61-70353参照)、例えば第1の可飽和リアクター(71)
は、図4に示す如く一方向に磁気バイアスされた2つの
コア部(70a)(70b)からなるフェライトコアに、コイル
(L5、L6)を巻装して構成される。可飽和リアクター
(72)も同じ構成である。
【0021】例えば2つのコア(70a)(70b)に矢印Bで示
す方向の磁気バイアスが付与されている場合において、
電子ビームを一方向(左方向或いは右方向)に偏向させる
べく、コイル(L5、L6)に矢印の方向へ電流が流れ
て、この電流によって矢印C1、C2で示す如く互いに
逆向きの磁場が形成されたとすると、一方のコア部(70
a)では、2つの磁場BとC1とが重畳して磁力が増大す
るのに対し、他方のコア部(70b)では、2つの磁場Bと
C2とが相殺して磁力が減少することになる。ここで、
可飽和リアクター(71)は、図5の如くバイアス磁力に対
して透磁率μappが勾配を有する領域Aで使用されるか
ら、前記一方のコア部(70a)では、透磁率μappが減少す
るのに対し、前記他方のコア部(70b)では、透磁率μapp
が増大することとなる。コイルの巻数が同じであって
も、透磁率が増大すると、インダクタンスも増大するの
で、前記一方のコア部(70a)はインダクタンスが減少
し、前記他方のコア部(70b)はインダクタンスが増大す
る。この結果、第1コイル部L1に流れる電流I1と第
2コイル部L2に流れる電流I2が差動的に変化し、上
記例の場合は、第1コイル部L1に流れる電流I1が増
大すると共に、第2コイル部L2に流れる電流I2が減
少することになる。
【0022】これに対し、電子ビームを逆方向(右方向
或いは左方向)に偏向させる場合には、コイル(L5、L
6)に矢印とは逆方向に電流が流れるため、一方のコア
部(70a)では、2つの磁場が相殺して磁力が減少するの
に対し、他方のコア部(70b)では、2つの磁場が重畳し
て磁力が増大する。この結果、第1コイル部L1に流れ
る電流I1と第2コイル部L2に流れる電流I2が差動
的に変化し、第1コイル部L1に流れる電流I1が減少
すると共に、第2コイル部L2に流れる電流I2が増大
するのである。
【0023】X軸の下に配置された第1コイル部L3と
第2コイル部L4についても、可飽和リアクター(72)の
同様の電流制御作用によって、第1コイル部L3に流れ
る電流と第2コイル部L4に流れる電流が差動的に変化
することになる。
【0024】例えば図6に示す様に、電子ビームを左方
へ偏向させる場合は、第2コイル部L2及びL4に流れ
る電流が増大すると共に、第1コイル部L1及びL3に
流れる電流が減少する。ここで、左端に位置する青色用
の電子ビームBについては、内側第1巻線(32)及び内側
第3巻線(36)から近いために、これらの巻線から受ける
X軸方向の作用力は比較的大きいが、外側第2巻線(34)
及び外側第4巻線(38)から受けるX軸方向の作用力は、
X軸と磁気吸引力Fb2の為す大きな角度によって、比較
的小さくなる。これに対し、右端に位置する赤色用の電
子ビームRについては、内側第1巻線(32)及び内側第3
巻線(36)から遠いために、これらの巻線から受けるX軸
方向の作用力は比較的小さいが、外側第2巻線(34)及び
外側第4巻線(38)から受けるX軸方向の作用力について
は、X軸と磁気吸引力Fr2の為す角度が小さく、然も外
側第2巻線(34)及び外側第4巻線(38)に流れる電流が上
述の如く差動的に増大するため、X軸方向の作用力は比
較的大きなものとなる。
【0025】又、Y軸の右側に配置された外側第1巻線
(31)、内側第2巻線(33)、内側第4巻線(37)及び外側第
3巻線(35)から受ける偏向力についても、内側第2巻線
(33)及び内側第4巻線(37)に流れる電流が差動的に増大
するため、これらの巻線から近い赤色用の電子ビームR
に対してより大きな偏向力が作用することになる。
【0026】この結果、左端に位置する青色用の電子ビ
ームBに作用する偏向力と、右端に位置する赤色用の電
子ビームRに作用する偏向力とがバランスして、良好な
コンバーゼンスが得られる。電子ビームを右方へ偏向さ
せる場合には、第1コイル部L1及びL3に流れる電流
が増大すると共に、第2コイル部L2及びL4に流れる
電流が減少する。この結果、上記とは逆向きの力が青色
用の電子ビームBと赤色用の電子ビームRに作用して、
両電子ビームに作用する偏向力がバランスし、良好なコ
ンバーゼンスが得られるのである。
【0027】尚、図2において、バランスコイル(8)
は、X軸の上に配置された第1コイル部L1及び第2コ
イル部L2と、X軸の下に配置された第1コイル部L3
及び第2コイル部L4とを流れる電流の比を変えてコン
バーゼンスを調整するためのものであるが、このコンバ
ーゼンス調整が不要な場合は、図3に示す如く、X軸の
上下に配置される一対の第1コイル部L1とL3を互い
に直列に接続すると共に、X軸の上下に配置される一対
の第2コイル部L2とL4を互いに直列に接続し、第1
コイル部L1、L3と第2コイル部L2、L4を可飽和
リアクター(7)の両端に接続する構成を採用することが
出来る。
【0028】図7乃至図11は、上記本発明の偏向ヨー
クを構成すべき水平偏向コイル用ボビン(1)と垂直偏向
コイル用ボビン(2)の具体的な形状を表わしている。図
7に示す如く、水平偏向コイル用ボビン(1)の周囲に垂
直偏向コイル用ボビン(2)が配置され、更に垂直偏向コ
イル用ボビン(2)の周囲にフェライトコア(6)が設置さ
れている。
【0029】水平偏向コイル用ボビン(1)は、図8及び
図9に示す如く、ボビン本体(11)の小径側端部に鍔片(1
2)を取り付けて構成され、ボビン本体(11)の大径側端部
に大径側渡り線溝(17)、小径側鍔片(12)に小径側渡り線
溝(18)が形成されている。ボビン本体(11)には、垂直偏
向コイルの位置に対応させて一対の凹部(19)(19)が形成
されており、該凹部に垂直偏向コイル用ボビン(2)が係
合される。又、ボビン本体(11)の内周面には、図11に
示す如く、前述の水平偏向コイル(3)を構成する外側第
1巻線(31)、内側第1巻線(32)、内側第2巻線(33)、及
び外側第2巻線(34)を施すための複数本の巻線溝、即
ち、2本の巻線溝(13a)(13b)からなる外側第1溝領域(1
3)、2本の巻線溝(14a)(14b)からなる内側第1溝領域(1
4)、2本の巻線溝(15a)(15b)からなる内側第2溝領域(1
5)、及び2本の巻線溝(16a)(16b)からなる外側第2溝領
域(16)が、X軸の上下に対称に形成されている。
【0030】垂直偏向コイル用ボビン(2)は、図9及び
図10に示す如く、ボビン本体(21)の小径側端部に鍔片
(22)を取り付けて構成され、ボビン本体(21)の大径側端
部に大径側渡り線部(24)、小径側鍔片(22)に小径側渡り
線部(25)が形成されている。ボビン本体(21)には、水平
偏向コイルの位置に対応させて一対の窓(26)(26)が開設
されている。又、ボビン本体(21)の内周面には、図11
に示す如く、前述の垂直偏向コイル(4)を巻線するため
の複数本の巻線溝(23a)(23b)(23c)(23d)からなる溝領域
(23)(23)が、Z軸の上下に対称に形成されている。そし
て、水平偏向コイル(3)の巻線工程では、外側第1溝領
域(13)及び内側第1溝領域(14)に巻線を施して第1コイ
ル部L1、L3を形成すると共に、内側第2溝領域(15)
及び外側第2溝領域(16)に巻線を施して第2コイル部L
2、L4を形成する。
【0031】具体的には、水平偏向コイル(3)の第1コ
イル部L1は、先ず水平偏向コイル用ボビン(1)の小径
側から外側第1溝領域(13)の巻線溝(13a)に巻線した
後、大径側渡り線溝(17)を経由して、内側第1溝領域(1
4)の巻線溝(14a)に巻線し、次は小径側渡り線溝(18)を
経由して、外側第1溝領域(13)の巻線溝(13b)に巻線
し、更に大径側渡り線溝(17)を経由して、内側第1溝領
域(14)の巻線溝(14b)に巻線することによって形成され
る。又、水平偏向コイル(3)の第2コイル部L2は、先
ず水平偏向コイル用ボビン(1)の小径側から内側第2溝
領域(15)の巻線溝(15a)に巻線した後、大径側渡り線溝
(17)を経由して、外側第2溝領域(16)の巻線溝(16a)に
巻線し、次は小径側渡り線溝(18)を経由して、内側第2
溝領域(15)の巻線溝(15b)に巻線し、更に大径側渡り線
溝(17)を経由して、外側第2溝領域(16)の巻線溝(16b)
に巻線することによって形成される。垂直偏向コイル
(4)の巻線経路は従来と同じである。
【0032】上記偏向ヨークによれば、水平偏向コイル
(3)をY軸に対して左右非対称に巻線すると共に可飽和
リアクターを装備することによって良好なコンバーゼン
スが得られるので、図1の如く、水平偏向コイル(3)と
垂直偏向コイル(4)とを互いに重複することのない最小
限の巻線角度範囲に形成して、両コイルを同一の半径位
置に配置することが可能である。従って、水平偏向コイ
ル及び垂直偏向コイル、更にはこれらのコイルの周囲に
配置されるフェライトコアの外径を最小化する設計が可
能となる。この結果、比較的小さな電力で電子ビームを
偏向することが可能となり、偏向電力が低減される。
【0033】上記実施の形態の説明は、本発明を説明す
るためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を
限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。
又、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許
請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能で
あることは勿論である。例えば、水平偏向コイル用ボビ
ン(1)の小径側鍔片(12)には、必要に応じて、偏向特性
の微調整を目的とする補助コイル(図示省略)を巻装する
ことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏向ヨークの構成を表わす断面図
である。
【図2】該偏向ヨークの結線状態及び可飽和リアクター
の接続状態を表わす回路図である。
【図3】他の接続例を表わす同上の回路図である。
【図4】可飽和リアクターの作用を説明する図である。
【図5】可飽和リアクターにおける透磁率の変化を表わ
すグラフである。
【図6】水平偏向コイルの電子ビームに対する作用力を
説明する図である。
【図7】コイルを省略した偏向ヨークの組立状態を表わ
す側面図である。
【図8】水平偏向コイル用ボビンの小径側の端面形状を
表わす図である。
【図9】コイルを省略した偏向ヨークの分解状態を表わ
す側面図である
【図10】垂直偏向コイル用ボビン及びフェライトコア
の分解状態を表わす側面図である。
【図11】水平偏向コイル用ボビン及び垂直偏向コイル
用ボビンの小径側端面における複数本の巻線溝を表わす
拡大図である。
【符号の説明】
(1) 水平偏向コイル用ボビン (2) 垂直偏向コイル用ボビン (3) 水平偏向コイル (31) 外側第1巻線 (32) 内側第1巻線 (33) 内側第2巻線 (34) 外側第2巻線 (4) 垂直偏向コイル (6) フェライトコア (7) 可飽和リアクター (71) 可飽和リアクター (72) 可飽和リアクター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インライン型電子銃を具えたカラー受像
    管に装備される偏向ヨークにおいて、水平偏向磁界を発
    する水平偏向コイル(3)と、垂直偏向磁界を発する垂直
    偏向コイル(4)とを具え、水平偏向コイル(3)を巻装す
    べきボビン(1)には、管軸を含む水平面の上下に夫々、
    前記水平面に近い左右の内側巻線領域と、前記水平面か
    ら遠い左右の外側巻線領域とが設けられ、左の内側巻線
    領域と右の外側巻線領域を巡回させて巻線を施すことに
    より第1コイル部(L1、L3)が形成されると共に、左
    の外側巻線領域と右の内側巻線領域を巡回させて巻線を
    施すことにより第2コイル部(L2、L4)が形成され、
    第1コイル部(L1、L3)と第2コイル部(L2、L4)
    は互いに並列に接続され、両コイル部には、両コイル部
    に流れる電流を差動的に変化させるための電流制御手段
    が接続されていることを特徴とする偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 水平偏向コイル(3)と垂直偏向コイル
    (4)は、互いに周方向に重複することなく同一或いは略
    同一の半径位置に配置されている請求項1に記載の偏向
    ヨーク。
  3. 【請求項3】 電流制御手段は、磁気バイアスが付与さ
    れた一対のコアに夫々コイルを巻装すると共に、これら
    のコイルは、一方のコイルによる磁気方向がコアの磁気
    バイアス方向と一致するとき、他方のコイルによる磁気
    方向がコアの磁気バイアス方向と逆になる様に直列に接
    続されている可飽和リアクターであって、両コイルの両
    端に第1コイル部(L1、L3)及び第2コイル部(L
    2、L4)が接続され、両コイルの接続点から電流入出
    力用の引出し線が伸びている請求項1又は請求項2に記
    載の偏向ヨーク。
  4. 【請求項4】 前記水平面の上に配置された第1コイル
    部(L1)と第2コイル部(L2)とは互いに並列に接続さ
    れ、両コイル部に第1の電流制御手段が接続されると共
    に、前記水平面の下に配置された第1コイル部(L3)と
    第2コイル部(L4)とは互いに並列に接続され、両コイ
    ル部に第2の電流制御手段が接続されている請求項1乃
    至請求項3の何れかに記載の偏向ヨーク。
  5. 【請求項5】 前記水平面の上下に配置された一対の第
    1コイル部(L1、L3)は互いに直列に接続されると共
    に、前記水平面の上下に配置された一対の第2コイル部
    (L2、L4)は互いに直列に接続され、第1コイル部
    (L1、L3)及び第2コイル部(L2、L4)に1つの電
    流制御手段が接続されている請求項1乃至請求項3の何
    れかに記載の偏向ヨーク。
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