JPH10221480A - 気水分離装置、原子力発電プラント及びボイラー装置 - Google Patents

気水分離装置、原子力発電プラント及びボイラー装置

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JPH10221480A
JPH10221480A JP9288238A JP28823897A JPH10221480A JP H10221480 A JPH10221480 A JP H10221480A JP 9288238 A JP9288238 A JP 9288238A JP 28823897 A JP28823897 A JP 28823897A JP H10221480 A JPH10221480 A JP H10221480A
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flow
diffuser
liquid
phase flow
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JP9288238A
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Sunao Narabayashi
直 奈良林
Yoshiyuki Akiba
美幸 秋葉
Shinichi Morooka
慎一 師岡
Mikihide Nakamaru
幹英 中丸
Makoto Yasuoka
誠 安岡
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来必要であった原子炉再循環系の動的機器
に代えて、入口圧力より出口圧力が高いセパレータイン
ジェクタを導入して、気水分離と炉心の強制循環を同時
に達成する。 【解決手段】 原子炉圧力容器5のダウンカマ部6下部
にジェットポンプ14及び再循環流量制御弁7を具備す
る。シュラウドヘッドを二重構造10a,10bとし、下段
10b下部から流入する気液二相流を、セパレータインジ
ェクタ1の加速ノズルで加速し、気液分離したのちディ
フューザで液相を昇圧させて二重シュラウドヘッド10
a,10bのなす間隙を介してジェットポンプ14へ導く。
あるいはこのセパレータインジェクタ1に代えて、スタ
ンドパイプの上方に、蒸気ノズル及びディフューザを円
管の内壁近傍に螺旋状に設置してなる円管状のセパレー
タインジェクタを配置してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気液混合状態の気
液二相流を内部に導入し加速する二相流加速ノズルと、
加速された気液二相流のうち主に液相を捕捉する液相捕
捉手段と、この液相を昇圧し再循環駆動力を与える手段
とを有するセパレータインジェクタを具備する気水分離
装置及びこれを搭載した原子力発電プラント及びボイラ
ー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の原子力発電プラントについて、沸
騰水型原子炉を例に図を参照して説明する。図27に示す
ように、沸騰水型原子炉(BWR)の原子炉格納容器10
6 は、炉心101 を内蔵する原子炉圧力容器102 と、この
原子炉圧力容器102 を格納するドライウェル103 と、圧
力抑制プール104 を有するウェットウェル105 とで構成
される。この他、原子力発電プラントは、タービン107
と、このタービン107 に蒸気を送る主蒸気管108 、主復
水管109 、復水ポンプ110 と原子炉圧力容器101内に給
水する給水ポンプ111 、給水加熱器112 、給水管113 と
炉心の冷却材の再循環流量を変化させる原子炉再循環系
114 と、出力を制御する制御棒駆動系115と、原子炉を
バルブにより隔離した場合に作動する隔離時冷却系116
と、原子炉停止後の残留熱を除去する残留熱除去系と、
事故時に作用する非常用炉心冷却系(ECCS)等によ
り構成されている。
【0003】現行のBWRは、原子炉再循環系114 によ
って炉心に冷却材を送る強制再循環方式をとっている。
この原子炉再循環系114 は再循環ポンプ117 とジェット
ポンプ118 により構成されている。事故時には再循環ポ
ンプ117 が慣性力があるものの約5秒間ほどで停止する
ため、炉心冷却は冷却効率がやや低い自然循環に頼るこ
とになる。
【0004】ECCSは高圧炉心スプレイ系119 と、残
留熱除去系と共用の低圧炉心スプレイ系120 とで構成さ
れる。これは格納容器スプレイ121 とも共用となってい
る。非常用炉心冷却系は復水貯蔵タンク122 または圧力
抑制プール104 を水源とし、非常用ディーゼル発電機12
3 から供給される動力により遠心ポンプを回転させて炉
心101 に注水したり、原子炉格納容器106 にスプレイし
たりする。
【0005】また、事故時には原子炉の底部に設けられ
たほう酸水毒物注入系(SLC)タンク124 からSLC
ポンプ125 によりほう酸水を注入する。またこのBWR
を改良した改良型沸騰水型原子炉(ABWR)は、上述
のBWRにおける原子炉再循環系の外部再循環配管を削
除し、それに代えてジェットポンプより小型のインター
ナルポンプを設置して炉心の再循環を行っている。イン
ターナルポンプの採用により、BWRに比べて原子炉冷
却材流動に対する圧力損失が減少する等の効果をもつ。
【0006】図28はこのABWRの系統の概略を示す断
面図である。原子炉圧力容器51の中央部よりやや下部に
多数体の燃料集合体を具備する炉心52が配置されてい
る。この炉心52の下方には多数の制御棒案内管53が設け
られ、炉心52を形成するシュラウド54の上端開口はシュ
ラウドヘッド55で閉塞されている。シュラウドヘッド5
5には気水分離器56のスタンドパイプ57が立設され、
気水分離器56上には矩形平型の蒸気乾燥器58が配設され
ている。
【0007】原子炉圧力容器51の下部には制御棒案内管
53の内面をガイドとして炉心52内の十字型の制御棒を駆
動する制御棒駆動機構59が設けられている。原子炉圧力
容器51の内側とシュラウド54の外側との間の底部には複
数台のインターナルポンプ60が設置されている。
【0008】炉心52は多数体の燃料集合体の下部が炉心
支持板61により、上部が上部格子板62によりそれぞれ支
持され、全体がシュラウド54により包囲されている。原
子炉圧力容器1の内側とシュラウド54の外側との間の底
部には、蒸気乾燥器58で乾燥された蒸気をタービンへと
送る主蒸気管108 が接続している。また給水管113 によ
り原子炉圧力容器1内に流入した冷却材はインターナル
ポンプ60により強制循環される。
【0009】原子炉圧力容器1は支持スカート63を介し
てペデスタルに載置固定される。また原子炉圧力容器1
の上端開口は上蓋64により気密に閉塞されている。図29
は原子炉圧力容器51内に設置される気水分離器56の断面
図である。気水分離器56は、スタンドパイプ57の上方に
設けられ気液二相流に旋回作用を与える旋回羽根41と、
この旋回羽根の上方に設けられ気液二相流の気水分離を
行う気水分離手段として軸方向に通常は3段に連なる気
水分離ステージ42a,42b,42cとからなる。各気水分
離ステージ42a,42b,42cは旋回筒43a,43b,43c
とその外側に位置する外筒44a,44b,44cの二重筒構
造であり、各外筒44a,44b,44cの上部には、鉤状に
成型されたピックオフリング45a,45b,45cがある。
【0010】次にこの気水分離器56の作用について説明
する。核分裂反応の熱により沸騰した冷却材は通常水と
空気の混合した気液二相流となって、通常200 〜300 体
配置される気水分離器56に流量配分されて、スタンドパ
イプ57を上昇する。図9に示すように、スタンドパイプ
57内で冷却材は環状流と呼ばれる流動状態になってい
る。すなわち、スタンドパイプ57の内壁面を液膜48が覆
い、この液膜48の内部は液滴49と蒸気50が混合した流れ
になっている。
【0011】スタンドパイプ57を上昇した気液二相流
は、スタンドパイプ57直上に配置された旋回羽根41によ
って強制的に遠心力を付与されて旋回流となる。このと
き沸騰水型原子炉の通常運転下で冷却材の気液密度比は
およそ1:21であるから、旋回作用を受ける気液二相流
の気相と液相にかかる遠心力には有為な差が生じる。
【0012】よって低密度の蒸気は最下段の気水分離ス
テージ42aの中心側に位置し、また高密度の液体はこの
気水分離ステージ42aの旋回筒43aの内壁面に沿って液
膜48を形成し、ともに旋回しながら上昇する。この液膜
48は自重に抗して中心側の高速旋回流のせん断力で旋回
筒43a内面を上方に輸送され、ほぼその液膜48の厚みに
等しく設計されたスリット幅をもつスリットとしてのピ
ックオフリング45aで捕捉され、二重円筒43a,44aで
挟まれる狭いアニュラス部を重力により流下する。この
流路の途中には多量の気泡の混入を防止するオリフィス
としてのブレイクダウンリング47が設けられており、緩
速度にて炉心上部のダウンカマ部へ放出され、周囲の液
体に混入する。
【0013】一方、最下段の気水分離ステージ42aにお
いて捕捉されなかった液相は、大半がその上段の気水分
離ステージ42b,42cにおいてピックオフリング45b,
45cにより捕捉される。
【0014】なお、この気水分離器56を通過する蒸気中
から気水分離器56によって取り除かれる湿分のうち約9
割が最下段の気水分離ステージ42aにおいて除去される
ように、かつ気水分離器56の出口においては気液二相流
のうち水の質量分率を10%以下に抑えるように設計され
ている。また気水分離器56を通過した蒸気は、気水分離
器56の上方に設置された蒸気乾燥器58により、さらに湿
分が除去される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】近年、従来の回転ポン
プに代わる静止型噴流ポンプとして蒸気インジェクタが
注目されている。蒸気インジェクタはコンパクトな構成
で動力用の電源を必要とせず、また吐出圧力を入口の蒸
気圧力よりも大きくすることができる。本発明は、この
特徴を生かし蒸気インジェクタを気水分離装置に適用す
ることで、上述の従来の気水分離器と略同等の気水分離
効果を得ると同時に、吐出圧の高い気水分離装置を提供
することを目的とする。
【0016】また、BWR及びABWRにおける現行の
再循環方式は、大型の回転機械であるポンプとこれを制
御する大容量インバータ電源等を必要とし、製造コス
ト、物量、定検時のメンテナンス等多くの面で、プラン
トのコスト増や回転機械に伴う故障の原因となってい
た。これに対し、近年、ジェットポンプやインターナル
ポンプを配置せずに炉心を自然循環方式に変更した単純
型BWRを実現しようとする動きもみられるが、プラン
トの大きさの割に電気出力が小さいため、建設コストや
発電単価を増大させる傾向がある。
【0017】また同様にPWR(加圧水型原子炉)やF
BR(高速増殖炉)においても、蒸気発生器内の自然循
環力を増強させることにより設備の小型化・簡素化を図
ることが可能になる。さらに、原子炉に限らず蒸気中に
含まれる液相の分離を行う工程を有する設備として、例
えばボイラー装置においてもこうした設備の小型化・簡
素化の要求は大きい。
【0018】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、従来の気水分離器に代えてインジェクタ方式の
気水分離装置を用いることにより、吐出圧力が入口の蒸
気圧力よりも大きい気水分離装置を実現することを目的
とする。
【0019】また本発明は、インジェクタ方式の気水分
離装置すなわちセパレータインジェクタを原子力発電プ
ラントに適用することにより、炉心出口の気液二相流の
気水分離の高性能化と、炉心の強制循環の推進を同時に
達成することにより、原子炉の炉心まわりの機器の大幅
な簡素化を実現することを目的とする。
【0020】また本発明は、インジェクタ方式の気水分
離装置をボイラー装置に適用することにより、熱交換器
を自然循環から強制循環とすることで、ボイラー装置に
付属の再循環ポンプの流量を低減し、装置全体の簡素化
を実現することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、気液二相流の発生源に開口して
設けられ、この気液二相流を内部に導入しかつ加速する
二相流加速ノズルと、この二相流加速ノズルに隣接して
設けられ内部を流通する流体を昇圧するディフューザ
と、二相流加速ノズルの出口及びディフューザの入口に
外接して設けられ二相流加速ノズルの出口から排出され
る気液二相流のうち主に液相を捕捉しディフューザの入
口に導入する液相捕捉手段とからなるセパレータインジ
ェクタを具備し、気液二相流の流路となる液相捕捉手段
の壁面は滑らかな曲面で構成されることを特徴とする気
水分離装置を提供する。
【0022】この構成により、蒸気と水の気液二相流が
二相流加速ノズルによって加速され、強い遠心力を受け
て気液が分離される。すなわち、高密度の水は液相捕捉
手段のなす流路に沿ってほぼ一定速度で流れ、低密度の
蒸気は流路から離れて気相空間に放出されてセパレータ
インジェクタの上方に移動する。一方、流路に沿って流
れた水(液相)はディフューザに流入し、ディフューザ
内の流路断面積の増加とともに減速し(ベルヌーイの定
理)、ディフューザ出口からセパレータインジェクタの
外部に排出される。この際の吐出水はこのディフューザ
により加圧されるから、セパレータインジェクタの出口
圧力を入口圧力より高くすることができる。
【0023】さらに、セパレータインジェクタの立設す
る基礎部は上板及び下板からなる二重板により構成さ
れ、二相流加速ノズルの入口は下板の下方に位置する空
間と連絡し、かつディフューザの出口は二重板のなす間
隙と連絡するよう設定する。これによりセパレータイン
ジェクタに流入する二相流とセパレータインジェクタか
らの吐出水とを完全に分離する。
【0024】さらに、液相捕捉手段の壁面は二相流加速
ノズルの出口及びディフューザの入口に外接してアーチ
状に成形され、かつ壁面の断面形状の少なくとも一部は
円弧または楕円弧とすることが好適である。また、液相
が流路脇からセパレータインジェクタ外部に流出しない
ように、液相捕捉手段の壁面の縁部を気液二相流の流路
側に曲折させることが好適である。
【0025】さらに、気液二相流が流通するセパレータ
インジェクタの内壁面のうち少なくとも一部に気液二相
流の流れ方向に平行にリブレット溝を設けることによ
り、内壁面近傍での流体の摩擦損失の低減を図る。
【0026】さらに、セパレータインジェクタは内管及
び外管からなる二重管を具備し、ディフューザは内管の
内壁に接して設置され、かつディフューザの出口は内管
の外側かつ外管の内側に設けられる間隙に連絡させるの
が好適である。この場合、二相流加速ノズルとディフュ
ーザは内管の内壁近傍に螺旋状に設置され、かつ二相流
加速ノズルから排出される気液二相流は内管の内壁に沿
って流通し主にその液相がディフューザの入口に導かれ
るよう設定する。この構成により、二相流加速ノズルか
ら排出される気液二相流は内管内壁面近傍の螺旋状流路
に沿って流れる際に遠心力を受け、高密度の水は内壁面
に押しつけられてディフューザに流入し、また低密度の
蒸気は内管の軸方向中心部へ分離され上昇する。こうし
て気液二相流が気水分離される。
【0027】また、本発明では、こうしたセパレータイ
ンジェクタを搭載した原子力発電システムを提供する。
すなわち、原子炉圧力容器と、この原子炉圧力容器の内
部に配置され複数の燃料集合体からなる炉心と、複数の
燃料集合体を包囲し炉心を形成するシュラウドと、この
シュラウドの上端を閉塞するシュラウドヘッドを具備す
る沸騰水型原子炉の原子力発電プラントにおいて、この
シュラウドヘッドの上端に立設され、内部を流通する流
体を加速する二相流加速ノズルと内部を流通する流体を
昇圧するディフューザ及び二相流加速ノズルの出口及び
ディフューザの入口に外接して設けられる液相捕捉手段
とを有するセパレータインジェクタを具備し、二相流加
速ノズルの入口はシュラウドと連絡しており、二相流加
速ノズルにより炉心で発生した冷却材気液二相流を加速
し、かつ液相捕捉手段により冷却材気液二相流のうち主
に液相を捕捉しディフューザの入口に導くことを特徴と
する。
【0028】このとき、ディフューザにより昇圧され排
出される冷却材を再びシュラウドに戻すことにより炉内
再循環を行う。また、冷却材の流路となる液相捕捉手段
の壁面は滑らかな曲面により構成するのが望ましい。こ
の構成により、気液二相流が二相流加速ノズルによって
加速され、強い遠心力を受けて気液が分離されるととも
に、水(液相)はディフューザに流入し、ディフューザ
内の流路断面積の増加とともに減速し(ベルヌーイの定
理)、かつ加圧されて再循環駆動力を生じる。
【0029】このシュラウドヘッドはシュラウドの上端
に二重に設けられ、この二重のシュラウドヘッドを貫通
して設けられ内部を冷却材気液二相流が上昇するスタン
ドパイプを具備し、スタンドパイプの上方に配置される
二相流加速ノズルの入口はスタンドパイプを介してシュ
ラウドと連絡し、かつディフューザの出口は二重のシュ
ラウドヘッドがなす間隙と連絡するように設定する。
【0030】さらに、シュラウドを包囲するダウンカマ
部の上方に設けられるジェットポンプ駆動ノズルと、ダ
ウンカマ部に設けられるジェットポンプとを具備し、デ
ィフューザから排出される冷却材は二重のシュラウドヘ
ッドがなす間隙及びジェットポンプ駆動ノズルを介して
ジェットポンプに導かれるよう設定するとよい。セパレ
ータインジェクタの吐出水の有する再循環駆動力によ
り、従来よりジェットポンプの台数を削減することがで
きる。
【0031】さらに、原子炉圧力容器と給水ポンプを連
絡する給水配管から分岐した配管をジェットポンプ駆動
ノズルに連絡させる。これにより、給水ポンプからジェ
ットポンプ駆動ノズルを介してジェットポンプに給水を
行うことができる。
【0032】さらに、必要に応じて、給水ポンプからジ
ェットポンプへ供給する給水の流量および吐出圧を増加
することにより、ダウンカマ部、下部プレナム、炉心、
上部プレナム、セパレータインジェクタの入口部、セパ
レータインジェクタ出口部の順に圧力を上昇させ、炉心
循環流量を増加せしめる。これにより原子炉の熱出力を
制御することができる。
【0033】さらに、プラントを起動する際に、給水ポ
ンプからジェットポンプへ供給される給水に残留熱除去
系及び原子炉冷却材浄化系のポンプのうち少なくとも一
方から供給される給水を合流させることによりジェット
ポンプを駆動するとしてもよい。
【0034】さらに、ジェットポンプの出口部あるいは
入口部に再循環流量制御弁を設け、発電機出力信号、主
蒸気流量信号、中性子束出力信号及びジェットポンプ差
圧信号のうち少なくとも1つの信号を入力信号として適
切な再循環流量及び再循環流量制御弁の弁開度を演算し
弁開度信号を出力する流量制御手段を具備することとす
る。これにより、原子力発電所が必要とする電気出力に
対応して適切な弁開度を設定し調整することによって炉
心の再循環流量を調整する。
【0035】さらに、原子炉圧力容器と給水ポンプを連
絡し流量調整弁を有する給水配管から分岐した配管をジ
ェットポンプ駆動ノズルに連絡し、給水ポンプからジェ
ットポンプ駆動ノズルを介してジェットポンプに給水を
行うとともに、流量制御手段は適切な流量調整弁の弁開
度を演算し流量調整弁に弁開度信号を出力するよう設定
する。こうして原子炉炉心水位を監視し制御すること
で、炉心水位をほぼ一定に保つことができる。あるい
は、流量制御手段は適切な給水流量を演算し給水ポンプ
に回転周波数信号を出力するよう設定する。これにより
原子炉給水流量を制御する。
【0036】さらに、ジェットポンプ駆動ノズルに隣接
しダウンカマ部の方向に開口するベルマウスを具備し、
ジェットポンプ駆動ノズルの下流側でかつベルマウスの
先端に接続する直管及びこの直管に接続するディフュー
ザを有するよう設定する。これにより、ダウンカマ部を
流通する冷却材に再循環駆動力を与える。
【0037】またABWRに対しては、シュラウドを包
囲するダウンカマ部に設けられたインターナルポンプ
と、ダウンカマ部のインターナルポンプの上方に設けら
れ二重のシュラウドヘッドのなす間隙部に開口したダウ
ンカマ管と、このダウンカマ管の下部に設けられインタ
ーナルポンプと接続するインペラーを具備し、ディフュ
ーザから排出される冷却材は二重のシュラウドヘッドが
なす間隙を介してダウンカマ部に導かれるとともに、セ
パレータインジェクタによって捕捉されなかった液相は
ダウンカマ管へ導入されるよう設定するのが好適であ
る。
【0038】さらに、発電機出力信号、主蒸気流量信
号、中性子束出力信号及び炉心支持板差圧信号のうち少
なくとも1つの信号を入力信号として適切な再循環流量
及びインペラーの適切な回転周波数を演算しかつインタ
ーナルポンプに対し適切な回転周波数信号を出力する再
循環流量制御手段を具備することとする。これにより、
原子力発電所が必要とする電気出力に対応して適切なポ
ンプ回転周波数を設定し調整することによって炉心の再
循環流量を調整する。
【0039】さらに、再循環流量制御手段には原子炉炉
心水位信号が入力され、この炉心水位信号に基づいて所
定水位との偏差に関して比例・積分・微分総合制御によ
る演算を行うこととする。これによりインターナルポン
プの回転周波数を制御することで炉心水位をほぼ一定に
保つことができる。
【0040】またこうした原子力発電システムにおい
て、炉心を構成する燃料集合体の内部に配置され内部を
冷却材が流通するウォーターロッドに孔を設け、かつシ
ュラウドの側方に設けられるシュラウド胴及びシュラウ
ドの下方に設けられる炉心支持板をともに二重に設け、
二重のシュラウドヘッドのなす間隙と二重のシュラウド
胴のなす間隙及び二重の炉心支持板のなす間隙を連絡さ
せることによりセパレータインジェクタから排出される
冷却材の流通する第1の冷却材循環流路を構成し、さら
にこの第1の冷却材循環流路とウォーターロッドとを連
絡する第1の冷却材案内管を具備し、この第1の冷却材
案内管によりセパレータインジェクタから排出される冷
却材をウォーターロッドに導入することとするのが好適
である。これにより、セパレータインジェクタからの高
圧の吐出水を燃料集合体内に導入することで炉心におけ
る気液二相流の液膜流量を増加させることができる。
【0041】さらに、第1の冷却材案内管とウォーター
ロッドとの接合部近傍では第1の冷却材案内管を構成す
る材料の熱膨張率はウォーターロッドを構成する材料の
熱膨張率と異なるように設定されるのが望ましい。これ
により、この接合部において外側に位置する管材料の熱
膨張率を内側に位置する管材料の熱膨張率より小さくす
ることにより、この接合部における間隙は原子炉冷温時
に比べて原子炉運転時には小さくなるから、原子炉運転
時の冷却材のリークを防止する。
【0042】あるいは、第1の冷却材案内管とウォータ
ーロッドとの接合部近傍では第1の冷却材案内管及びウ
ォーターロッドにラビリンス溝を設けることとしてもよ
い。これにより、リーク水流路の抵抗を大きくすること
で冷却材のリークを防止する。
【0043】さらに、炉心を構成する燃料集合体の下方
に位置する制御棒案内管内に設けられシュラウドの外部
に位置する冷却材を燃料集合体の下部タイプレート内に
導く第2の冷却材案内管を具備し、この第2の冷却材案
内管により構成される第2の冷却材循環流路に流路を局
所的に狭めるオリフィスを設けるのが好適である。これ
により、冷却材流路における圧力損失の増加を抑制す
る。
【0044】さらに、二重のシュラウド胴のうち内側の
シュラウド胴及び燃料集合体のチャンネルボックスの側
面に孔を設けてもよい。これにより、セパレータインジ
ェクタからの吐出水の一部をチャンネルボックスの側方
から内部に導入することで、燃料集合体内の冷却材密度
の平坦化に寄与することができる。
【0045】また、本発明においては、一次冷却材の出
入口を有し伝熱管からなる熱交換器を内包する下部胴と
この下部胴と接続して設けられ蒸気をタービンに供給す
る蒸気出口を有する上部胴とからなる蒸気発生器と、こ
の蒸気発生器と連絡し一次冷却材及び炉心を内包する原
子炉容器とを具備する加圧水型原子炉の原子力発電プラ
ントにおいて、伝熱管の上方に設けられ、熱交換器を流
通する一次冷却材の気液二相流を内部に導入し加速する
二相流加速ノズルと内部を流通する流体を昇圧するディ
フューザ及び二相流加速ノズルの出口及びディフューザ
の入口に外接して設けられる液相捕捉手段とを有するセ
パレータインジェクタを具備することを特徴とする。こ
のとき、熱交換器を内包する内胴を具備し、セパレータ
インジェクタからの吐出水を蒸気発生器内で内胴の外側
の間隙を介して熱交換器内に導くよう設定するのが好適
である。これにより、PWRにおける蒸気発生器内での
二次側の流動を強制循環とすることで伝熱特性を改善す
ることができる。
【0046】また、本発明においては、熱交換器を構成
する伝熱管及びこの伝熱管を加熱する燃焼器を内包する
圧力容器と、この容器内を流通する流体の再循環を行う
再循環ポンプとを具備するボイラー装置において、伝熱
管の上方に設けられ、熱交換器を流通する流体を内部に
導入し加速する二相流加速ノズルと内部を流通する流体
を昇圧するディフューザ及び二相流加速ノズルの出口及
びディフューザの入口に外接して設けられる液相捕捉手
段とを有するセパレータインジェクタを具備することを
特徴とする。このとき、熱交換器を内包する内胴を設
け、セパレータインジェクタからの吐出水を圧力容器内
で内胴の外側の間隙を介して熱交換器内に導くよう設定
するのが好適である。これにより、ボイラー装置内での
流体を強制循環とすることで再循環ポンプの流量を低減
させることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下本発明の第1の実施の形態に
ついて、図を参照して説明する。なお、上記従来の技術
と同様の発明については同一符号を付し詳細な説明を省
略する。本実施の形態にかかる気水分離装置は、加速ノ
ズル及びディフューザを有するセパレータインジェクタ
により構成される。図1はこの気水分離装置の斜視図で
ある。気水分離装置1は二重に設置された板10a,10b
に立設しており、気液二相流を二重壁の下側板10bの下
方から取込み、後述する作用により気液分離を行い、液
相のみを二重板10a,10bの間隙に排出する。
【0048】上昇する気液二相流を、二重板10a,10b
間に設けられたスタンドパイプ57を介して、スタンドパ
イプ57の直上に立設する二相流加速ノズル2内に導入す
る。二相流加速ノズル2は、流入口2aからの気液二相
流の上昇に従ってその流路面積が小さくなる先細の構造
をなし、その上端の吐出口2bからは加速された気液二
相流が噴出する。
【0049】またこの二相流加速ノズル2に隣接してデ
ィフューザ3が設置される。ディフューザ3はその上端
に位置する流入口3aから液相成分が流入すると、下降
に従ってその流路面積が大きくなる先太の構成をなし、
その下端の吐出口3bからは減速かつ昇圧された液相成
分が排出される。
【0050】さらに、この二相流加速ノズル2の吐出側
2bとディフューザ3の流入側3aとを、気液二相流の
液相を捕捉するために、内壁面が滑らかな曲面状に成型
された矩形板4で繋ぐ。この矩形板4は二相流加速ノズ
ル2とディフューザ3をその両端としてアーチ状に設置
され、二相流加速ノズル2の吐出口とディフューザ3の
流入口のそれぞれに外接する。すなわちこの板4の片側
に二相流加速ノズル2の吐出口2bとディフューザ3の
流入口3aが隣接して配置されている。これにより、ア
ーチ状板4の内壁面近傍が、二相流加速ノズル2から吐
出されディフューザ3へ吸引される気液二相流の流路を
なす。また後述するように、この板4は気液二相流の液
相捕捉手段として機能する。
【0051】さらにこの板4の両縁部分には、捕捉した
液相を確実にディフューザ3に送り込むために板4の側
面を覆う側板4aが設けられている。すなわち板4の縁
部は気液二相流の流路側に曲折しており、この曲折部4
aから外側に気液二相流の液相が放出されるのを防止す
る。
【0052】このセパレータインジェクタ1の特徴は、
二相流加速ノズル2及びディフューザ3の下部、すなわ
ち二相流加速ノズル2の流入口2a側とディフューザ3
の吐出口3a側が略円管状に成形されている点である。
またこの二相流加速ノズルの流入口2aとスタンドパイ
プ57とが一体に成形されている。ディフューザ3の吐出
口3bは上側壁10aに対し開口し接続している。
【0053】またもう一つの特徴として、板4の内壁が
滑らかな曲面で構成されている点が挙げられる。これに
より、この内壁面上を流れる気液二相流の液相の流路は
ある角度をもって急激に変更されることはない。
【0054】図2は本実施の形態に係るセパレータイン
ジェクタ1内部の気液二相流の流れを模式的に示した概
略断面図である。この図をもとに本実施の形態における
気液分離の作用について説明する。なお、この図におい
てアーチ状に形成される板4は断面が円弧状に成型され
たものとする。
【0055】図中記号Pで示した点は矩形板4の断面の
円弧状に成形された部分の円弧の中心点であり、図中記
号θは、二相流加速ノズル2の排出口のノズル排出口2
bの先端部と点Pを結ぶ直線と、ディフューザ3の流入
口3aの薄刃状に成形された先端部と点Pを結ぶ直線と
がなす角度である。この角度θは特に90度から180 度の
範囲とすることを想定しているが、図ではこの範囲にお
いて特に好適と思われる135 度の場合を示した。またこ
の図では二相流加速ノズル2とディフューザ3とを繋ぐ
板4の側板4aを破線で示している。
【0056】スタンドパイプ57内を上昇する気液二相流
は、二相流加速ノズル2に流入し内部を上昇する際に数
10m/s加速される。気液二相流のうち低密度の蒸気は
図中符号50aに示すように二相流加速ノズル2の軸方向
中心側に位置し、また高密度の液体は二相流加速ノズル
2の内壁面に沿って液膜48aを形成し、ともに上昇す
る。また液膜48a内には気泡50bが、蒸気50a中には液
滴49aが、それぞれ少量混在している。
【0057】二相流加速ノズル2の排出口2bより排出
される気液二相流は、この排出口2bに外接して設けら
れる板4の内壁面近傍へ導かれる。二相流加速ノズル2
を通過した気液二相流のうち液相は、図中実線矢印で示
されるように、液相捕捉手段としての板4に沿って液膜
48bを形成しながら板4の内壁面に沿って流れ、ディフ
ューザ3内へ流入する。この際、ディフューザ3の薄刃
状の先端部3aにより、液膜48bを形成する液相は確実
にディフューザ3内に流入する。液膜48a内の気泡50b
は、図中破線矢印で示すように、板4の内壁面に沿って
通過する間に下方へと落下し、板4の縁部の側板4aの
下を抜けてセパレータインジェクタ1の上方へ移動す
る。板4の断面は滑らかな曲面上に成型されており、こ
の板4の内壁面近傍を流れる液相の流路はある角度をも
って急激に変更されることなくその殆どはディフューザ
3内に導入される。こうして板4を経る際に、流路内の
気液二相流は強い遠心力を受けて旋回流となる。
【0058】板4によって、板4の内壁面上を流れる際
に気液二相流の液相のみをディフューザ3内に導入しか
つ気相のディフューザ3内への流入を防ぐことで、液相
のみを捕捉することができる。
【0059】また液膜48bはディフューザ3の流入口3
aの薄刃状先端部と接するため、ごく一部の液滴49bは
反射液滴としてディフューザ3外に排出される。例え
ば、流入する気液二相流の入口部圧力が、沸騰水型原子
炉の定格圧力である7MPa である場合を想定する。水の
密度ρW は740 kg/m3 、蒸気の密度ρは35.7k
g/m3 であるので、炉心の出口ボイド率(体積流量
率)βが70%であるとすると、気液二相流の平均密度ρ
AVは、 ρAV=(1−β)ρW +βρG = 0.3・740 + 0.7・35.7 = 247[kg/m3 ] となる。
【0060】二相流加速ノズル2において、ΔPAN
0.2MPa の差圧を用いて気液二相流を加速すると、速度
ANとの関係式ΔPAN=ρAV・uAN 2 /2により、
【数1】 すなわち、約40m/sの流速まで加速される。
【0061】こうして二相流加速ノズル2により加速さ
れ噴出された気液二相流のうち、高密度の水は、板4の
なすアーチ状の流路に沿って内壁面に押しつけられ、自
由液面を有する液膜となって流路内をほぼ一定の速度で
流れ、ディフューザ3内へ流入する。
【0062】約40m/sの流速で二相流加速ノズル2か
ら噴出された気液二相流のうち、気液分離後に液相のみ
が、液相の速度が保存されて液相捕捉手段である板4を
経てディフューザ3内に流入したと仮定する。ディフュ
ーザ損失をζD =0.15とすると、ディフューザ3で昇圧
される圧力上昇分ΔPD は、 ΔPD =(1−ζD )ρWW 2 /2 =(1−0.15)×740 ×402 /2 = 0.5 [MPa] となる。
【0063】一方、二相流の加速に用いた圧力損失は
ΔPAN= 0.2 MPaであるから、 ΔPD −ΔPAN= 0.3 MPa となる。すなわち、このセパレータインジェクタ1によ
って水頭で約30mの炉心再循環駆動力が得られることが
わかる。
【0064】実証結果として、図3にこのセパレータイ
ンジェクタ1における水−空気試験の結果を示すグラフ
を示す。体積流量率が0.5 から0.8 までの4つの場合に
ついて、セパレータインジェクタの二相流加速ノズルの
入口部2aにおける入口流量を様々に変化させたときの
入口圧力と、ディフューザ3の出口部3bにおける出口
流量及び出口圧力を測定し、セパレータインジェクタの
入口及び出口における圧力比(=出口圧力/入口圧力)
を縦軸に、流量比(=出口流量/入口流量)を横軸にと
り相関を示している。
【0065】これによれば、流量比が0.6 以下の場合に
は、何れの場合も圧力比が1を超えている。すなわち吐
出圧力は入口の蒸気圧力よりも大きい。さらに流量比が
0.2〜0.5 程度の場合には圧力比は1.2 〜1.6 程度とな
り、高い吐出圧力を確保できることが実証されている。
【0066】なお、本実施の形態においては、図1に示
すように、気液二相流が二重板の下側板10bの下方から
上昇し、また気相が分離された液相は二重板10a,10b
のなす間隙に流出するような構造とした。しかし、セパ
レータインジェクタ1に流入する気液二相流と流出する
液相とが干渉せずに両者の流路が完全に分離した構造で
あればこの図1に示した構造には限定されない。
【0067】さらに、本実施の形態において、セパレー
タインジェクタ1を構成する二相流加速ノズル2、ディ
フューザ3及び板4の内壁面に、流れ方向に平行にリブ
レット溝2h,3h,4hを設けた構成としてもよい。
この場合の図2におけるセパレータインジェクタ1のA
−A方向矢視断面図を図4(a)に示す。また液相捕捉
手段4の径方向断面図を図4(b)に示す。
【0068】この場合のリブレット溝の幅及び深さは、
流体の流れを特徴づける物理量であるレイノルズ数によ
り決定される、摩擦抵抗低減の効果が最大となる最適リ
ブレット溝幅、具体的には約150 μmとするのが好適で
ある。
【0069】このように流体の流れ方向に略平行に微細
なリブレット溝2h,3h,4hを設けることにより、
乱流底層内を規則渦で整流することができるから、従来
壁面表面近傍にランダムな方向に発生する渦により発生
していた摩擦損失を低減することができる。
【0070】また本実施の形態において、セパレータイ
ンジェクタ1の側方に補強のための板29を設け、またデ
ィフューザ3の排出口3bに接続し二重板10a,10bの
間隙部に位置する筒状の吐出エルボ30を設けた場合につ
いて、そのセパレータインジェクタの斜視図を図5に示
す。
【0071】図5に示したセパレータインジェクタ37
は、二相流加速ノズル2とディフューザ3の側方に補強
板29を設けたことにより、運転中の流体振動により二相
流加速ノズル2やディフューザ3の管及びこれらをつな
ぐ液相捕捉手段の板4にかかる荷重を低減した構造を有
する。また、吐出エルボ30の設置により、ディフューザ
3からの吐出水の二重板10a,10bの間隙における流れ
を滑らかにすることで、吐出水の圧力損失を低減するこ
とができる。
【0072】図6(a)は図1に示したセパレータイン
ジェクタ1における板(液相捕捉手段)4のなす壁面の
正面方向の拡大断面図である。ここでは側板4aは破線
で示してある。ここに示した矩形板4の断面は滑らかな
曲線であり、U字を天地逆にした形状をしている。この
矩形板4の断面形状はこの逆U字に限られることなく、
図6(b),(c),及び(d)に示したように、円弧
状のもの31、矩形のもの32及び楕円円弧状のもの33が考
えられる。いずれの形状によっても、二相流加速ノズル
16により加速された気液二相流の液相を捕捉し、ディフ
ューザ17に送り込むことができる。また図6(a),
(b),(d)に示したように板4の断面形状の少なく
とも一部が円弧または楕円弧であるような場合は、ある
角度をもって気液二相流の液相の流路が急激に変更され
ることがないため、流動損失が少なく、かつ運転中の流
体振動に対しても液相の流路を比較的安定したものとす
ることができる。
【0073】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる
気水分離装置は上記第1の実施の形態における気水分離
装置1を変形したものであり、セパレータインジェクタ
とその下方に二重に設けられる円筒によりなるものであ
る。図7はこの気水分離装置15の斜視図である。
【0074】二重に設けられた板10a,10bを貫通する
ようにスタンドパイプ57を設置する。このスタンドパイ
プ57上端開口部の直上に、気液二相流に加速作用を与え
る二相流加速ノズル16を配置し、スタンドパイプ57上方
開口部から流入する蒸気が二相流加速ノズル16内に流入
する構造とする。さらに二相流加速ノズル16と上側板10
aとの間では、スタンドパイプ57を内包する外筒12が設
置されており、二重筒構造となっている。
【0075】二相流加速ノズル16の二相流導入口16a
(図中斜線で示した。)は、スタンドパイプ57の上端に
対し開口し接続しており、スタンドパイプ57内を上昇す
る気液二相流は入口部16aから二相流加速ノズル16内へ
流入する。
【0076】また、スタンドパイプ57と外筒12の間隙部
分と、ディフューザ17の下端との連絡部分17bが開口し
接続している。スタンドパイプ57の先端はこれら開口部
16a及び17b以外の部分においては完全に閉塞してい
る。
【0077】一方、外筒12の下端は上側板10aに対し開
口しており、スタンドパイプ57の外側かつ外筒12の内側
に形成される間隙部分は二重板10a及び10bのなす間隙
部分と連絡している。
【0078】この構成によれば、気液二相流が上昇し二
相流加速ノズル16に流入するスタンドパイプ57の内部間
隙と、気液分離後のディフューザ17からの吐出水が下方
に流通するスタンドパイプ57の外側かつ外筒12の内側に
形成される間隙部分とは、直接連絡していない。これに
より、図1に示した場合と同様に、気水分離装置15を介
して気液二相流に対し気水分離を確実に行うよう設計さ
れている。
【0079】本実施の形態によれば、図1に示した気水
分離装置1と比較して筒を二重に設ける必要があるなど
構築にあたって若干の物量の増加を要するものの、気液
分離や吐出圧力に関しては図1の場合とほぼ同様の作用
効果を得ることができる。
【0080】(第3の実施の形態)以下、本発明の第3
の実施の形態について説明する。図8は本実施の形態に
かかる気水分離装置の斜視図である。なお、上記第1の
実施の形態と同様の構成部分には同一符号を付し詳細な
説明を省略する。
【0081】この気水分離装置は、二重に設けられた円
筒19,20、二相流加速ノズル21及びディフューザ22を有
し、気液二相流の流路を円筒の内壁に螺旋状に設けたセ
パレータインジェクタ18により構成される。
【0082】すなわち、スタンドパイプ57の直上に内筒
19を設け、その外側に外筒20を設ける。スタンドパイプ
57の上端開口部21aの直上に、気液二相流に加速作用を
与える二相流加速ノズル21を配置し、スタンドパイプ57
上方開口部から流入する気液二相流が二相流加速ノズル
21内に流入する構造とする。またこの二相流加速ノズル
21は上部ほど先が細くなり、かつ螺旋状に成形されてお
り、二相流加速ノズル21の上端開口部21bは内筒19の内
壁近傍に設けられている。なお図では、内筒19及び外
筒20の内部の構造を斜視図として示しており、二相流
加速ノズル21の導入口21a、排出口21b及びディフュー
ザ22の導入口22a、排出口22bを斜線で示している。
【0083】二相流加速ノズル21の上方には、内筒19の
内壁に接して螺旋状に成形されたディフューザ22が設け
られている。ディフューザ22の下端開口部22aは、内筒
19の内壁近傍でかつ二相流加速ノズル21から噴出する気
液二相流のうちおもに液相の流路となる部分(図中破線
23で示した。)の延長上にあり、この流路23を流れる液
相の多くを捕捉する構造となっている。すなわち、この
螺旋状流路23を構成する内筒19の内壁が、上記第1の実
施の形態において板4により構成される液相捕捉手段に
相当する。
【0084】またディフューザ22の上端の排出口22bは
内筒19と接しておりかつ内筒19に対し開口している。す
なわちディフューザ22の排出口22bは内筒19及び外筒20
がなす間隙と連絡しており、上端開口部22bを介してデ
ィフューザ22内の水は二重の筒19,20のなす間隙に排出
される。
【0085】以下この螺旋状流路を有するセパレータイ
ンジェクタ18の作用について説明する。スタンドパイプ
57から流入した冷却材の気液二相流は、スタンドパイプ
57上方の二相流加速ノズル21に流入し、数10m/s加速
される。二相流加速ノズル21から噴出される気液二相流
は加速作用を受け、二相流加速ノズル21出口から内筒19
の内壁面近傍の流路に沿って流れる。この二相流加速ノ
ズル21の螺旋構造によって、流路内の気液二相流は強い
遠心力を受けて旋回流となる。
【0086】この際、気液二相流のうち高密度の水は、
内筒19内壁近傍の流路に沿って内壁面に押しつけられ、
自由液面を有する液膜となって、図中破線23で示した流
路内をほぼ一定の速度で流れ、ディフューザ22の流入開
口部22aへ流入する。ディフューザ22によって減速昇圧
された水は、ディフューザ22の流出開口部22bから、外
筒20とスタンドパイプ57のなす間隙を経て下方へ排出さ
れる。
【0087】上記第1の実施の形態で説明したように、
ディフューザ22の出口圧力は、螺旋状セパレータインジ
ェクタ18の入口圧力よりも高くすることができる。よっ
て、本実施の形態によれば図1に示したセパレータイン
ジェクタ1と同様の気液分離の効果を得ることができ
る。
【0088】(第4の実施の形態)以下本発明の第4の
実施の形態について説明する。本実施の形態にかかる原
子力発電プラントは沸騰水型原子炉に関するものであ
り、気水分離器として図1に示したセパレータインジェ
クタ1を搭載したものであり、それに伴い従来の原子力
発電プラントに対しいくつかの特徴的な変更を施したも
のである。図9は本実施の形態にかかる原子力発電プラ
ントの主要部の概略系統図である。なお図9では簡単の
ため、図28に示した制御棒案内管53、制御棒駆動機構5
9、上部格子板62、支持スカート63の図示を省略してい
る。
【0089】炉心の上方に位置するシュラウドヘッドを
二重構造とし、この二重のシュラウドヘッド10a,10b
にスタンドパイプ57を複数本立設しその上方に上述した
セパレータインジェクタ1を配置する。また、インジェ
クタ3の下方開口部を、スタンドパイプ57と外筒12の間
隙を介して、二重のシュラウドヘッド10a,10bのなす
間隙内に開放する。
【0090】すなわち、下側シュラウドヘッド10bの下
方から上昇する冷却材の気液二相流をスタンドパイプ57
を介して二相流加速ノズル2内に導入する。加速された
気液二相流は旋回流となって液相捕捉手段としての板4
の壁面近傍を通り、気相分離された冷却水がディフュー
ザ3内に流入する。ディフューザ3からの吐出水は二重
シュラウドヘッド10a,10bの間隙に排出される。
【0091】シュラウドヘッド10a,10bの間隙部分
は、ジェットポンプ駆動ノズル13を介してダウンカマ6
下部に設置されたジェットポンプ14内に連絡しており、
セパレータインジェクタ1の吐出水はジェットポンプ14
に導かれる。
【0092】ジェットポンプ14の出口部あるいは入口部
に再循環流量制御弁7を設置する。図9では出口部に設
置した場合を示した。再循環流量制御弁7は電動または
ガスにより駆動するアクチュエータ8に接続されてい
る。またアクチュエータ8は再循環流量制御手段9aと
接続され、再循環流量制御手段9aからの弁開度信号の
入力により再循環流量制御弁7の弁開度を適切に調整す
る。
【0093】再循環流量制御手段9aには、タービン10
7 に接続するタービン発電機130 からの電気出力信号11
a、主蒸気管108 に設けられた主蒸気流量計131 からの
主蒸気流量信号11b、炉心52に設けられた中性子検出器
132 からの中性子束出力信号11c、及びジェットポンプ
14の上側及び下側の圧力を検出し両者の差圧を検知する
ジェットポンプ差圧計133 からのジェットポンプ差圧信
号11dが入力される。こうした電気信号11a,11b,11
c,11dを受けた再循環流量制御手段9aは、適切な流
量を演算し、流量調整のための適切な弁開度信号11eを
アクチュエータ8に送り、これにより流量調節弁7の弁
開度を調節し再循環流量を制御する。
【0094】すなわち、再循環流量制御手段9aにおい
てなされる演算及び制御により、電気出力信号11aによ
り計算される所定の電気出力と現在の電気出力との偏差
をもとに再循環流量を調節するとともに、主蒸気流量信
号11bによる主蒸気流量の変動を監視しつつ、ジェット
ポンプ差圧信号11dから計算によって求められる炉心流
量を制御する。また中性子束出力信号11cは、所定の設
定値以上で再循環流量制御弁7の開度を小さくし流量ト
リップを行うのに用いられる。
【0095】また、セパレータインジェクタ1の上方に
環状の蒸気乾燥器24を設ける。この蒸気乾燥器24として
は特開平5−232272号公報に開示された環状ドライヤを
用いることとする。この環状ドライヤ24は多孔板からな
る短冊状ドライヤエレメント24aが原子炉圧力容器5の
内面に沿って環状に配置され、ドライヤエレメント24a
の下部に水を排出するためのドレン受け容器24b及びド
レン管24cを備えたものである。
【0096】本実施の形態によれば、セパレータインジ
ェクタ1の液相捕捉手段の板4を介して気相が分離され
た後ディフューザ3によって減速昇圧された水は、ディ
フューザ3の下方開口部を抜けて、外筒12とスタンドパ
イプ57の間隙から二重シュラウドヘッド10a,10bのな
す間隙へ放出され、ダウンカマ部6内に設置されたジェ
ットポンプ駆動ノズル13からジェットポンプ14へ至る。
このセパレータインジェクタ1で得られる再循環吐出水
の流量を、ダウンカマ部6に配置された再循環流量制御
弁7により適切に調整する。
【0097】この際、ディフューザ3の出口圧力がセパ
レータインジェクタ1の入口圧力よりも高いので、ダウ
ンカマ部6及び炉心入口における冷却材の圧力を高める
ことで炉心の強制循環を行うことができる。
【0098】また気液二相流のうち低密度の蒸気は、液
相捕捉手段としての板4の壁面により形成される空間の
中央部へと分離、放出され、板4の壁面近傍の流路脇を
抜けて上昇し、セパレータインジェクタ1の上方に位置
する蒸気乾燥器24へ流入する。
【0099】以上のような構成からなる原子力発電シス
テムによって、従来の気水分離器とほぼ同程度の作用効
果を有しつつ、再循環流量を十分に確保しかつ適切に制
御することができる。また、吐出水の圧力を高めたこと
に伴い、従来の原子力発電システムにおける再循環ポン
プを削除あるいはその台数を減らすことができるから、
より簡素な構造とすることができる。
【0100】なお、本実施の形態においてセパレータイ
ンジェクタ1の代わりに、図5に示したセパレータイン
ジェクタ37を用いてもよい。この場合は、図5における
吐出エルボ30をダウンカマ部6の方向に設定することに
より、高圧の吐出水の二重シュラウド10a,10bの間隙
における流れを滑らかにし、圧力損失を低減することが
できる。
【0101】あるいは、本実施の形態においてセパレー
タインジェクタ1の代わりに、図7に示したセパレータ
インジェクタ15を用いてもよい。図10はセパレータイン
ジェクタ15を搭載した原子炉からなる原子力発電プラン
トの主要部の概略系統図である。この場合も、セパレー
タインジェクタ1を用いた場合と同様の作用効果を得る
ことができる。
【0102】また、図8に示した螺旋状流路を有するセ
パレータインジェクタ18を用いることとしてもよい。こ
の場合は、下側シュラウドヘッド10bの下方から上昇す
る気液二相流をスタンドパイプ57を介して二相流加速ノ
ズル19内に導入し、またディフューザ22からの吐出水は
外筒20とスタンドパイプ57のなす間隙をへて二重シュラ
ウドヘッド10a,10bの間隙に排出する構造とする。こ
の場合も、セパレータインジェクタ1を用いた場合と同
様の作用効果を得ることができる。
【0103】(第5の実施の形態)以下、本発明の第5
の実施の形態について説明する。なお、上記第4の実施
の形態と同様の構成部分については同一符号を付し詳細
な説明を省略する。図11及び図12は本実施の形態にかか
る原子力発電プラントの主要部の概略系統図である。図
11に示したシステムは図1に示したセパレータインジェ
クタ1を用いたものであり、図12に示したシステムは図
7に示したセパレータインジェクタ15を用いたものであ
る。
【0104】本実施の形態はABWRに関するものであ
り、図9あるいは図10に示した原子力発電プラントにお
ける原子炉圧力容器5のダウンカマ部6に配置された機
器と再循環流量制御に関する機器の一部を変更したもの
である。すなわち、図9におけるジェットポンプ駆動ノ
ズル13とジェットポンプ14に代えて、ダウンカマ部6に
上側シュラウドヘッド10aに開口するダウンカマ管25を
設け、このダウンカマ管25の下部にインターナルポンプ
27と接続するインペラー(羽根車)26を配置したもので
ある。
【0105】インターナルポンプ27は可変周波数電源装
置28と接続しており、以下詳述する方法によりインター
ナルポンプ27すなわちインペラー26の回転数を適切に制
御することで、再循環流量を確保しかつ制御する。この
可変周波数電源装置28は再循環流量制御手段9bと接続
されている。
【0106】図13は本実施の形態にかかる原子力発電プ
ラントの原子炉圧力容器上部の部分切欠鳥瞰図である。
この図は図12に示したシステムに対応するが、以下の説
明は図11に示したシステムについても共通である。ここ
では気液二相流の流れを説明するためにセパレータイン
ジェクタ15の周辺機器の概略を示している。
【0107】図中符号140 は原子炉圧力容器5のボルト
穴、符号141 はスタンドパイプ57と外筒12との間隙に設
けられた支持金具、符号142 は二重シュラウドヘッド10
a,10b間に設けられたガイド板、符号38は気液二相流
の気泡、符号39は水面、をそれぞれ示す。図中の実線矢
印はセパレータインジェクタ15に流入する気液二相流、
セパレータインジェクタ15からの吐出水、セパレータイ
ンジェクタ15の液相捕捉手段4におけるオーバーフロー
水あるいは環状ドライヤ24により蒸気から分離された水
の流れを示しており、また破線矢印は気液二相流の蒸気
の流れを示している。
【0108】セパレータインジェクタ15からのオーバー
フロー水及び環状ドライヤ24からの水は、上側シュラウ
ドヘッド10aの上方空間と連絡して設けられたダウンカ
マ管25を介してインペラー26へと到達する。これにより
炉心再循環が行われる。
【0109】一方セパレータインジェクタ15からの吐出
水は、二重シュラウドヘッド10a,10bの間隙を経てダ
ウンカマ部6へと移動する。上述したように、この吐出
水はセパレータインジェクタ15出口側で十分に昇圧され
ているため、インターナルポンプ27の作用によらずとも
再循環駆動力を有する。
【0110】再循環流量制御手段9bには、タービン10
7 に接続するタービン発電機130 からの電気出力信号11
a、主蒸気管108 に設けられた主蒸気流量計131 からの
主蒸気流量信号11b、炉心52に設けられた中性子検出器
132 からの中性子束出力信号11c、炉心支持板61の上側
及び下側の圧力を検出し両者の差圧を検知する炉心支持
板差圧計134 からの炉心支持板差圧信号11f、及び原子
炉圧力容器5に設けられた原子炉水位計135 からの原子
炉水位信号11gが入力される。こうした電気信号11a,
11b,11c,11f,11gを受けた再循環流量制御手段9
bは、適切な流量を演算し、流量調整のための適切な周
波数信号11hを可変周波数電源装置28に送り、これによ
りインターナルポンプ27すなわちインペラー26の回転数
を調節し再循環流量を制御する。
【0111】すなわち、再循環流量制御手段9bにおい
てなされる演算及び制御により、電気出力信号11aによ
り計算される所定の電気出力と現在の電気出力との偏差
をもとに再循環流量を調節するとともに、主蒸気流量信
号11cによる主蒸気流量の変動及び炉心支持板差圧信号
11fによる炉心支持板差圧の変動を監視しつつ、炉心流
量を制御する。また中性子束出力信号11cは、所定の設
定値以上で再循環流量制御弁7の開度を小さくし流量ト
リップを行うのに用いられる。
【0112】また原子炉水位信号11gにより原子炉水位
と所定水位目標値との偏差を随時観測することで、原子
炉水位を適切に制御する。この制御に際しては、比例制
御、積分制御、微分制御を組み合わせたPID制御(Pr
oportional Integral Differential Control;比例・積
分・微分総合制御)を用いる。比例制御とは偏差の大き
さに比例したフィードバックを与えるものである。積分
制御とは所定の時間間隔毎に偏差の積分値に対応してフ
ィードバックを与えるものであり、微分制御とは偏差の
時間変化微分の大きさに対応してフィードバックを与え
るものである。この三者によるフィードバック値に対し
て所定の重みを考慮した総合的な制御がPID制御であ
る。これにより、インターナルポンプの回転数を適切に
調節することで原子炉水位を制御することができる。
【0113】以上のような構成からなる原子力発電プラ
ントによれば、セパレータインジェクタにより性能良く
気水分離を行うとともに、再循環流量を確保しかつ適切
に制御することができる。さらに本実施の形態によれ
ば、インターナルポンプの定格容量を10%程度まで低減
することができるから、所内動力機器を削減しプラント
の簡素化を図ることができる。
【0114】(第6の実施の形態)以下、本発明の第6
の実施の形態について説明する。なお、上記第5の実施
の形態と同様の構成部分については同一符号を付し詳細
な説明を省略する。図14及び図15は本実施の形態に係る
原子力発電プラントの主要部の概略系統図である。図14
に示したシステムは図1に示したセパレータインジェク
タ1を用いたものであり、図15に示したシステムは図7
に示したセパレータインジェクタ15を用いたものであ
る。
【0115】本実施の形態は、図11あるいは図12に示し
た原子力発電プラントにおける原子炉圧力容器5のダウ
ンカマ部6に設置されるインターナルポンプ27、インペ
ラー26、ダウンカマ管25を削除し、これらに代えて、上
側シュラウドヘッド10aの上方に位置するセパレータイ
ンジェクタ1(または15)によって回収されなかったオ
ーバーフロー水を原子炉圧力容器5外へ排出する吸引配
管35aと、この吸引配管35aに接続して設けられ吸引配
管35aにより吸引されたオーバーフロー水を昇圧するオ
ーバーフロードレン回収ポンプ34と、このオーバーフロ
ードレン回収ポンプ34と接続し昇圧されたオーバーフロ
ー水を原子炉圧力容器5内のダウンカマ部6へ戻す吐出
配管35bを設けたものである。この吐出配管35bには、
オーバーフロー水の逆流を防止する逆止弁36が設けられ
ている。
【0116】オーバーフロードレン回収ポンプ34は原子
炉圧力容器5の外部に設置されかつ可変周波数制御装置
28と接続しており、上述の第5の実施の形態と同様の方
法により最循環流量を確保しかつ制御する。
【0117】オーバーフロー水は吸引配管35aでオーバ
ーフロードレン回収ポンプ34まで吸引されこのポンプ34
により昇圧されて、セパレータインジェクタ1または15
から排出されダウンカマ部6に導かれた気液二相流の液
相と合流する。オーバーフロー水自体は二重シュラウド
10a,10bの間隙を経てダウンカマ部6へ流入する水と
比べると少量であるため、このオーバーフロードレン回
収ポンプ34自体は従来のBWRのジェットポンプに比べ
て小型のものとすることができる。
【0118】この構成により、第5の実施の形態とほぼ
同様の作用効果を得ることができる。さらに、インター
ナルポンプに代えて原子炉圧力容器外に設置される小型
のポンプ34を用いることより、特に出力の比較的小さい
プラントにおいて設備規模の小型化・単純化に寄与する
ことができる。
【0119】また、これらのオーバーフロー水循環系と
インターナルポンプとを併用することも考えられる。こ
の場合、上記第5の実施の形態と比べてインターナルポ
ンプの台数を少なくすることが可能である。
【0120】(第7の実施の形態)以下、本発明の第7
の実施の形態について説明する。なお、上記第5の実施
の形態と同様の構成部分については同一符号を付し詳細
な説明を省略する。図16は本実施の形態にかかる原子力
発電プラントの主要部の概略系統図である。
【0121】本実施の形態は、図11に示した上記第5の
実施の形態における再循環流量制御手段9bにより再循
環流量の制御とあわせて原子炉給水流量の制御を行うも
のであり、給水系の一部を水位調整系に分岐し、流量調
節弁を介して原子炉に給水することにより、原子炉の水
位制御を行うことを特徴とする。
【0122】上側シュラウドヘッド10aのダウンカマ部
6側の外周部に接続してダウンカマ部6方向にバッフル
板145 を設ける。これにより、セパレータインジェクタ
1からの吐出水を、二重シュラウドヘッド10a,10bを
介して確実にダウンカマ部6に導く。またこのバッフル
板145 の側方に、給水ポンプ111 からダウンカマ部6方
向に水を供給するジェットポンプ駆動ノズル66を設置す
る。なお、図中符号39は原子炉水位を示す。
【0123】さらに、給水ポンプ111 と原子炉圧力容器
5とを連絡し水位制御弁142 を有する水位調整管65a
と、給水ポンプ111 とジェットポンプ駆動ノズル66とを
連絡するノズル給水管65bを設ける。この水位調整管65
a及びノズル給水管65bはともに給水系から分岐して設
けられる。
【0124】再循環流量制御手段9bは、電気出力信号
11a、主蒸気流量信号11b、中性子束出力信号11c、炉
心支持板差圧信号11f、原子炉水位信号11gの入力に伴
って適切な流量を演算し、流量調整のための適切な周波
数信号11hを可変周波数電源装置28に送る。これにより
可変周波数電源装置28から給水ポンプ111 に給水流量信
号11jが送られ、給水ポンプ111 の回転数を制御するこ
とで給水流量を制御する。また水位調整系制御信号11k
が流量調整弁142 に送られ、流量調整弁142 の開度を調
整して水位調整系への流量すなわち原子炉水位を制御す
る。
【0125】図17は、本実施の形態における原子力発電
プラントのジェットポンプ駆動ノズル66の周辺を拡大し
て示した概略系統図である。二重シュラウドヘッドのう
ち上部シュラウドヘッド10aの端部に、ジェットポンプ
駆動ノズル66の開口部位置にあわせて、ダウンカマ部6
方向に開口する鐘状に成型されたベルマウス143 aを設
置し、このベルマウス143 aの下端に直管143 bを設け
る。またこの直管143bに接続しダウンカマ部6方向に
開口するディフューザからなる給水駆動のジェットポン
プ67を設置する。すなわち、直管143 b及びジェットポ
ンプ67は、ジェットポンプ駆動ノズル66の下流側に設置
される。なお図中符号188 は給水流量計を示す。
【0126】給水ポンプ111 からジェットポンプ駆動ノ
ズル66を介してジェットポンプ67に供給する水の流量お
よび吐出圧を増加することにより、ダウンカマ部6、原
子炉下部プレナム、炉心52、原子炉上部プレナム、二相
流加速ノズル2内、ディフューザ3内の順に流体圧力を
上昇させる。これにより炉心循環流量を増加せしめ、原
子炉の熱出力を制御することができる。
【0127】また、原子力プラント起動時においては、
残留熱除去系(RHR系;ResidualHeat Removal Syste
m)あるいは原子炉冷却材浄化系(CUW系;Reactor W
ater Clean-up System )等の別の系統のポンプの吐出
水を、上記給水系に合流させることとする。図17ではR
HR系ポンプ146 を給水ポンプ111 からジェットポンプ
67への給水に合流させた場合を示しており、プラント起
動時に限ってこのRHR系ポンプ146 の吐出水をジェッ
トポンプ駆動ノズル66へ送ることとする。この構成によ
り、ジェットポンプの駆動水として自然循環力を助長す
ることが可能となり、大型の再循環ポンプを用いずとも
容易に原子力プラントを起動することが可能となる。
【0128】(第8の実施の形態)以下、本発明の第8
の実施の形態について説明する。なお、上記第7の実施
の形態と同様の構成部分については同一符号を付し詳細
な説明を省略する。図18は本実施の形態にかかる原子力
発電プラントの主要部の概略系統図、図19はこの一部を
拡大して示した断面図である。本実施の形態は、シュラ
ウド胴及び炉心支持板を二重構造とし、セパレータイン
ジェクタ1の吐出水を導入路を介して燃料集合体のウォ
ーターロッドに導くことを特徴とする。
【0129】すなわち、シュラウドの側方に外側シュラ
ウド胴54a、内側シュラウド胴54bからなる二重のシュ
ラウド胴を設置し、二重シュラウドヘッド10a,10bの
間隙部と二重シュラウド胴54a,54bの間隙部とを連絡
させる。また、下部プレナムにおける炉心支持板を下側
炉心支持板61aと上側炉心支持板61bとからなる二重構
造とし、炉心支持板61a,61bのなす間隙部と二重シュ
ラウド胴54a,54bの間隙部とを連絡させる。なお、炉
心支持における構造的な強度を確保するため、下側炉心
支持板61aと上側炉心支持板61bとの間に複数の補強リ
ブ148 を設けることとする。
【0130】また、炉心を構成する燃料集合体144 に
は、軸方向に複数の孔68aを有し内部を冷却材が流通す
るウォーターロッド68が設けられる。なお図19において
符号155 は下部タイプレート、符号156 は燃料支持金具
を示す。
【0131】制御棒案内管42内に、シュラウド部6と燃
料集合体144 の下部タイプレート155 内とを連絡する冷
却材案内管149 aを設け、シュラウド6から炉心52へ冷
却材を流通させる。なお、冷却材案内管149 aの冷却材
導入口には冷却材流路を局所的に狭めるオリフィス150
が設けられている。オリフィス150 の位置はこれに限定
されず、例えば燃料支持金具156 に設けることもでき
る。
【0132】オリフィス150 は表面が滑らかな曲面状に
成型されており、案内管149 a内を流通する冷却材の圧
力損失係数を低減する役割を果たす。圧力損失係数の減
少に伴い、流体の流量の増加に伴う圧力損失の増加割合
も小さくなる。
【0133】この構成によって、ジェットポンプ駆動ノ
ズル66により駆動される再循環流は、オリフィス150 を
有する冷却材案内管149 aを通して下部タイプレート47
内に導入される。この圧力損失係数を低減するオリフィ
ス150 を設置することで、圧力損失の悪化を伴うことな
く、炉心出力増加時の炉心流量を増加させて熱出力をさ
らに増大させることができる。
【0134】また、孔68aを有するウォーターロッド68
の下端に接続し、炉心支持板61a,61bのなす間隙部と
連絡する冷却材案内管149 bを設ける。この冷却材案内
管149 bにより、セパレータインジェクタ1から排出さ
れる圧力の高い吐出水は、二重シュラウドヘッド10a,
10b、二重シュラウド胴54a,54b及び炉心支持板61
a,61bによりそれぞれ形成される間隙部を通って、孔
68aを有するウォーターロッド68内へと導かれ、その一
部は孔68aを介して燃料集合体144 内に送られる。
【0135】こうして孔68aを介して燃料集合体144 内
で散水が行われることにより、冷却材気液二相流の液膜
流量を増加させることができるから、炉心の限界出力を
向上させることができる。
【0136】なお、ウォーターロッド68下方に位置し下
部タイプレート155 に接続するウォーターロッド下端部
155 aと、冷却材案内管149 bとの接合部の構造につい
て、図20を参照して説明する。図20は燃料集合体144 の
下部タイプレート155 の近傍を拡大して示した断面図で
ある。
【0137】両者の接合部においては、冷却材案内管14
9 bを形成する金属材料の熱膨張率を、冷却材案内管14
9 bの内側に位置するウォーターロッド下端部155 aを
形成する金属材料の熱膨張率より小さくなるように製作
する。つまり、原子炉停止時には両者に若干の間隙が生
じており、冷却材案内管149 bから下方へ若干量の冷却
水が漏洩するものの、原子炉通常運転時においては熱膨
張率の差により冷却材案内管149 bとウォーターロッド
下端部155 aとが接近し、冷却水漏洩量が大幅に低減さ
れる。よって、冷却材案内管とウォーターロッドとの密
着性すなわち冷却材のリーク低減性能を向上させること
ができる。
【0138】なお、図21(a)に示すように冷却材案内
管149 bの外側にウォーターロッド下端部155 aが位置
する場合には、逆に、冷却材案内管149 bを形成する金
属材料の熱膨張率を、ウォーターロッド下端部155 aを
形成する金属材料の熱膨張率より大きくなるように製作
することとする。
【0139】図20に示す構成とは別に、漏洩する冷却材
の流路における抵抗を高めることでリーク低減性能を高
めることもできる。この場合のウォーターロッド下端部
155aと、冷却材案内管149 bとの接合部の構造を、図2
1を参照して説明する。図21(a)は燃料集合体144 の
下部タイプレート155 の近傍を拡大して示した断面図、
図21(b)は(a)におけるB部の拡大図である。
【0140】ウォーターロッド下端部155 aと冷却材案
内管149 bにおいて、両者ともに略同じ高さ位置にラビ
リンス溝を設ける。これにより、漏洩する冷却材の流路
は、ある箇所で大幅に狭められ、また大幅に広げられ
る。よってこの漏洩流路は、流路面積を略一定とした場
合に比べて抵抗が著しく高くなるから、この流路を経て
漏洩する冷却水の量は大幅に低減される。よって原子炉
高温運転時の冷却材のリーク低減性能を向上させること
ができる。
【0141】次に、本実施の形態におけるウォーターロ
ッド68に設けられる孔68aの位置について説明する。ウ
ォーターロッド68の孔68aは軸方向に略均等に配置して
よいが、一方で孔68aの位置を非均等に配置することが
可能であることはいうまでもない。孔68aの非均等な配
置としては、例えば、燃料集合体144 に設けられた複数
のスペーサのうち最上位のスペーサ170 に隣接する位置
に局所的に多くの孔68aを配設することが考えられる。
この場合の燃料集合体の上部断面図を図22に示す。図中
符号171 は燃料棒、172 は上部タイプレートを示す。こ
の構成は、燃料集合体144 における冷却材密度は上方に
いくほど小さくなり沸騰遷移が発生しやすいことを考慮
してなされたものであり、最上位のスペーサの近傍にセ
パレータインジェクタ1から吐出される高圧の冷却材を
局所的に多量に供給することにより、燃料集合体の軸方
向における冷却材密度ひいては出力分布の平坦化に寄与
することができる。また同一の趣旨により、上から2番
目、3番目に位置するスペーサの隣接位置にも同様に多
くの孔68aを設けることとしてもよい。
【0142】次に、本実施の形態をABWRに適用した
場合について説明する。図23はこの場合の原子力発電プ
ラントの主要部の断面図である。この場合、図19におけ
る給水駆動ジェットポンプ67の代わりに、あるいはそれ
に加えて、インターナルポンプ27と接続するインペラー
(羽根車)26をダウンカマ部6に配置する。図23にはイ
ンターナルポンプ27とジェットポンプ67が併存する場合
を示している。
【0143】この場合、インターナルポンプ27の駆動力
により炉心出力が増大した場合の出力制御を安定に行う
ことができる。また、セパレータインジェクタ1からの
吐出水の圧力を高くすることが可能であるから、従来の
ABWRと同一の出力を、インターナルポンプの設置台
数をおよそ半数とした合理的で経済性の高い原子力発電
プラントによって実現することができる。
【0144】次に、本実施の形態において燃料集合体14
4 のチャンネルボックスに孔を設け冷却材流路を構成す
る場合について説明する。図24はこの場合の原子力発電
プラントの主要部の断面図である。内側シュラウド胴54
bに孔158 を設け、セパレータインジェクタ1からの高
圧吐出水の一部を内側シュラウド胴から炉心52内に導入
する。また、燃料集合体チャンネルボックス144 にも孔
144 aを設け、炉心52内に導入された冷却水の一部をチ
ャンネルボックス144 内に導入する。さらに、燃料集合
体144 の隣接領域の一部(例えば、制御棒挿入位置の上
方)で上部タイプレートに近い部位に上蓋157 を設置
し、チャンネルボックス144 内に導入された冷却材がこ
の燃料集合体隣接領域に放出されるのを防止する。
【0145】この構成によれば、セパレータインジェク
タ1からの吐出水の一部を、冷却材導入孔158 及び144
aによってチャンネルボックス144 の外周から内部に導
入することができる。よって、ウォーターロッド68から
離れた位置にある燃料棒に対しても、外側から冷却水を
導入することで、燃料集合体144 内の径方向における冷
却水密度ひいては出力分布の平坦化に寄与することがで
きる。
【0146】(第9の実施の形態)以下本発明の第9の
実施の形態について説明する。上述した第4乃至第8の
実施の形態はセパレータインジェクタを沸騰水型原子炉
に適用したものであるが、このセパレータインジェクタ
は、加圧水型原子炉や高速増殖炉等の原子炉に対しても
適用可能である。本実施の形態はセパレータインジェク
タをPWRに適用したものである。図25は本実施の形態
にかかる原子力発電プラントの主要部の概略系統図であ
る。
【0147】本実施の形態は、セパレータインジェクタ
1を用いて加圧水型原子炉の蒸気発生器内の自然循環力
を増強することを特徴とするものであり、セパレータイ
ンジェクタ自体の構造は上述した第4乃至第8の実施の
形態における原子力発電プラントとほぼ同様であるの
で、細部の説明は省略する。
【0148】図中符号159 ,160 及び161 はそれぞれ蒸
気発生器の下部胴、上部胴及び内胴を示し、163 は管
板、165 は仕切板を示す。蒸気発生器の内胴161 内には
インコネル製U字管162 を伝熱管とする熱交換器が配置
される。一次冷却材は下部胴159 に設けられた入口ノズ
ル168 から蒸気発生器内に流入し、気水分離されて、下
部胴159 に設けられた一次冷却材出口ノズル167 から排
出される。この際セパレータインジェクタ1及び環状ド
ライヤ24を介して湿分の除去された蒸気は、上部胴160
に設けられた蒸気出口ノズル168 から放出される。ま
た、一次冷却材入口ノズル168 及び出口ノズル169 は、
炉心を内包する原子炉容器(図示せず)と連絡してい
る。
【0149】本実施の形態の特徴は、蒸気発生器の内胴
161 と下部胴159 のなす間隙を下降流の流路とすること
により、セパレータインジェクタ1の吐出水と、給水ノ
ズル164 を介して供給される給水駆動ジェットポンプ67
の吐出水を供給する点にある。
【0150】この構成により、蒸気発生器内の二次側の
流動が従来の自然循環から強制循環に代わるので、伝熱
特性が改善され、蒸気発生器を従来より小型化すること
が可能となる。
【0151】また、小型化に伴い熱交換器の伝熱管を短
くすることにより、流力弾性振動のように二相流の気泡
により伝熱管が振動を受ける場合でも、伝熱管の支持が
より容易になり設備の健全性をさらに向上させることが
できる。
【0152】(第10の実施の形態)以下、本発明の第10
の実施の形態について説明する。上述したように、原子
力発電プラントにセパレータインジェクタを採用するこ
とにより、沸騰領域を有する熱交換器を自然循環から強
制循環とすることができる。この技術の適用範囲は極め
て広く、原子力発電プラントのみならず、例えば小型の
汎用ボイラー装置に対しても適用することができる。以
下このボイラー装置への適用例を説明する。図21は本実
施の形態におけるボイラー装置の概略系統図である。
【0153】このボイラー装置は、熱交換器を構成する
伝熱管201 を加熱する燃焼器207 及び熱交換器を内包す
る内胴206 を有する圧力容器200 と、この圧力容器200
と内胴206 のなす間隙に設けられた給水ノズル202 を介
して給水を行う給水ポンプ203 と、この圧力容器200 内
を流通する流体の再循環を行う再循環ポンプ205 と、圧
力容器200 と連絡して設けられる送風機208 及び排気筒
209 を具備する。
【0154】さらに、この伝熱管201 の上方に第1の実
施形態にかかるセパレータインジェクタ1を立設し、そ
の上方に環状ドライヤ24を設置する。環状ドライヤ24の
上方には湿分の分離された蒸気を排出する蒸気出口ノズ
ル210 が設けられる。また、セパレータインジェクタ1
のディフューザ3の出口は、内胴206 の上方に設けられ
た給水ヘッダー204 と内胴206 上端とがなす間隙に連絡
している。
【0155】この構成により、灯油や液化天然ガスなど
で作動する燃焼器207 により伝熱管201 を加熱する際に
発生する蒸気泡を含む気液二相流を、セパレータインジ
ェクタ1により気液分離する。セパレータインジェクタ
1の吐出水は高圧であり、これにより圧力容器200 内の
強制循環を行うことができる。
【0156】また、圧力容器200 外部に設けられた小型
の再循環ポンプ205 により、セパレータインジェクタ1
により回収されなかった微量の水やドライヤ24で分離し
た湿分を回収して、再び伝熱管201 に送水する。この場
合の流量はセパレータインジェクタ1により回収されな
かった水量のみであるから、再循環ポンプ205 の流量を
従来の40%以下とすることができる。
【0157】汎用ボイラーとしてはこの他に貫流型ボイ
ラーがあるが、この場合でも図21に示した場合と同様の
構成によって、二相流を気液分離して昇圧し、駆動力を
得ることが可能である。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の気液分離性能に加えて、入口圧力と比べて高い出口
圧力を得ることができるセパレータインジェクタを具備
する気水分離装置を実現することができる。
【0159】また、このセパレータインジェクタを原子
力発電プラントあるいはボイラー装置に搭載することに
より、従来のような複雑な構造を要さずとも気液二相流
の蒸気と水を分離しかつ炉心の強制循環を達成すること
ができる。よって、従来の再循環ポンプあるいはインタ
ーナルポンプ等の再循環系の動的機器の台数を削減する
ことが可能となるから、装置全体の機器や構成物量が大
幅に削減され、装置の合理化や簡素化、ひいては構築及
びメンテナンスに要する時間やコストの削減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる気水分離装
置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかる気水分離装
置の気液二相流の流れを模式的に示した概略断面図であ
る。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる気水分離装
置における水−空気試験の結果を示すグラフを示す。
【図4】(a)は図2におけるA−A方向矢視断面図、
(b)は図1に示したセパレータインジェクタの液相捕
捉手段の径方向断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態にかかる気水分離装
置に補強板及び吐出エルボを設けた場合の斜視図であ
る。
【図6】(a)は図1に示したセパレータインジェクタ
の液相捕捉手段のなす壁面の正面方向の断面図、
(b),(c),(d)はともに(a)に示す液相捕捉
手段の変形例にかかる断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態にかかる気水分離装
置の斜視図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態にかかる気水分離装
置の斜視図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態にかかる原子力発電
プラントの主要部の概略系統図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの原子炉圧力容器上部の部分切欠鳥瞰図であ
る。
【図14】本発明の第6の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図16】本発明の第7の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの一部を拡大して示した概略系統図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの一部を拡大して示した概略系統図である。
【図20】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの燃料集合体の一部を拡大して示した断面図
である。
【図21】(a)は本発明の第8の実施の形態にかかる
原子力発電プラントの燃料集合体の一部を拡大して示し
た断面図であり、(b)は(a)のB部の拡大図であ
る。
【図22】(a)は本発明の第8の実施の形態にかかる
原子力発電プラントの燃料集合体の一部を拡大して示し
た断面図である。
【図23】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図24】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントにおいて燃料集合体チャンネルボックスに孔
を設けた場合の主要部の概略系統図である。
【図25】本発明の第9の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの主要部の概略系統図である。
【図26】本発明の第10の実施の形態にかかるボイラー
装置の主要部の概略系統図である。
【図27】従来のBWR原子力発電プラントを一部ブロ
ックで示す配管系統図である。
【図28】従来のABWR(改良型沸騰水型原子炉)の
系統の概略を示す断面図である。
【図29】従来の原子炉圧力容器内に設置される気水分
離器の断面図である。
【符号の説明】
1,15,18,37…セパレータインジェクタ、2,16,21
…二相流加速ノズル、3,17,22…ディフューザ、4…
板(液相捕捉手段)、4a…側板、5,51,102 …原子
炉圧力容器、6…ダウンカマ部、7…再循環流量制御
弁、8…アクチュエータ、9a,9b…再循環流量制御
手段、10,10a,10b…シュラウドヘッド、11a…電気
出力信号、11b…主蒸気流量信号、11c…中性子束信
号、11d…ジェットポンプ差圧信号、11e…弁開度信
号、11f…炉心支持板差圧信号、11g…原子炉水位信
号、11h…周波数信号、11j…給水流量信号、11k…水
位調整系制御信号、12,20…外筒、13,66…ジェットポ
ンプ駆動ノズル、14,67…ジェットポンプ、19…内筒、
23…気液二相流液相流路、24,58…蒸気乾燥器、25…ダ
ウンカマ管、26…インペラー、27,60…インターナルポ
ンプ、28…可変周波数電源装置、29…補強板、30…吐出
エルボ、34…オーバーフロードレン回収ポンプ、35a…
吸引配管、35b…吐出配管、36…逆止弁、52…炉心、54
a,54b…シュラウド胴、56…気水分離器、57…スタン
ドパイプ、61,61a,61b…炉心支持板 65a…水位調整管、65b…ノズル給水管、68…ウォータ
ーロッド、68a,144 a…孔、107 …タービン、108 …
主蒸気管、111 ,203 …給水ポンプ、117 ,205 …再循
環ポンプ、130 …タービン発電機、131 …主蒸気流量
計、132 …中性子検出器、133 …ジェットポンプ差圧
計、134 …炉心支持板差圧計、135 …原子炉水位計、14
2 …流量調整弁 143 a…ベルマウス、143 b…直管、144 …燃料集合
体、145 …バッフル板、146 …RHR系ポンプ、149
a,149 b…冷却材案内管、150 …オリフィス、155 …
下部タイプレート、155 a…ウォーターロッド下端部、
157 …チャンネルボックス上蓋、158 …一次冷却材入口
ノズル、159 …一次冷却材出口ノズル、159 ,206 …内
胴、162 ,201 …伝熱管、164 ,202 …給水ノズル、16
8 ,210 …蒸気出口ノズル、170 …スペーサ、171 …燃
料棒、200 …ボイラー圧力容器、204 …給水ヘッダー、
207 …燃焼器、208 …送風機、209 …排気筒
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項20
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】炉心52は多数体の燃料集合体の下部が炉心
支持板61により、上部が上部格子板62によりそれぞれ支
持され、全体がシュラウド54により包囲されている。原
子炉圧力容器51には、蒸気乾燥器58で乾燥された蒸気を
タービンへと送る主蒸気管108 が接続している。また給
水管113 により原子炉圧力容器51内に流入した冷却材は
インターナルポンプ60により強制循環される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】原子炉圧力容器51は支持スカート63を介し
てペデスタルに載置固定される。また原子炉圧力容器51
の上端開口は上蓋64により気密に閉塞されている。図29
は原子炉圧力容器51内に設置される気水分離器56の断面
図である。気水分離器56は、スタンドパイプ57の上方に
設けられ気液二相流に旋回作用を与える旋回羽根41と、
この旋回羽根の上方に設けられ気液二相流の気水分離を
行う気水分離手段として軸方向に通常は3段に連なる気
水分離ステージ42a,42b,42cとからなる。各気水分
離ステージ42a,42b,42cは旋回筒43a,43b,43c
とその外側に位置する外筒44a,44b,44cの二重筒構
造であり、各外筒44a,44b,44cの上部には鉤状に成
型されたピックオフリング45a,45b,45cがある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】次にこの気水分離器56の作用について説明
する。核分裂反応の熱により沸騰した冷却材は通常水と
空気の混合した気液二相流となって、通常200 〜300 体
配置される気水分離器56に流量配分されて、スタンドパ
イプ57を上昇する。図29に示すように、スタンドパイプ
57内で冷却材は環状流と呼ばれる流動状態になってい
る。すなわち、スタンドパイプ57の内壁面を液膜48が覆
い、この液膜48の内部は液滴49と蒸気50が混合した流れ
になっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】さらに、シュラウドを包囲するダウンカマ
部の上方に設けられるジェットポンプ駆動ノズルと、
このジェットポンプ駆動ノズルの下方に設けられるジェ
ットポンプとを具備し、ディフューザから排出される冷
却材は二重のシュラウドヘッドがなす間隙及びジェット
ポンプ駆動ノズルを介してジェットポンプに導かれるよ
う設定するとよい。セパレータインジェクタの吐出水の
有する再循環駆動力により、従来よりジェットポンプの
台数を削減することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】またABWRに対しては、シュラウドを包
囲するダウンカマ部に設けられたインターナルポンプ
と、ダウンカマ部のインターナルポンプの上方に設けら
二重のシュラウドヘッドのうち上方に位置するシュ
ラウドヘッドに対し開口しこの二重シュラウドヘッドの
上方空間と連絡するダウンカマ管と、このダウンカマ管
の下部に設けられインターナルポンプと接続するインペ
ラーを具備し、ディフューザから排出される冷却材は二
重のシュラウドヘッドがなす間隙を介してダウンカマ部
に導かれるとともに、セパレータインジェクタによって
捕捉されなかった液相はダウンカマ管へ導入されるよう
設定するのが好適である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】このセパレータインジェクタ1の特徴は、
二相流加速ノズル2及びディフューザ3の下部、すなわ
ち二相流加速ノズル2の流入口2a側とディフューザ3
の吐出口3側が略円管状に成形されている点である。
またこの二相流加速ノズルの流入口2aとスタンドパイ
プ57とが一体に成形されている。ディフューザ3の吐出
口3bは上側壁10aに対し開口し接続している。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】図中記号Pで示した点は矩形板4の断面の
円弧状に成形された部分の円弧の中心点であり、図中記
号θは、二相流加速ノズル2ノズル排出口2bの先端
部と点Pを結ぶ直線と、ディフューザ3の流入口3aの
薄刃状に成形された先端部と点Pを結ぶ直線とがなす角
度である。この角度θは特に90度から180 度の範囲とす
ることを想定しているが、図ではこの範囲において特に
好適と思われる135 度の場合を示した。またこの図では
二相流加速ノズル2とディフューザ3とを繋ぐ板4の側
板4aを破線で示している。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】図6(a)は図1に示したセパレータイン
ジェクタ1における板(液相捕捉手段)4のなす壁面の
正面方向の拡大断面図である。ここでは側板4aは破線
で示してある。ここに示した矩形板4の断面は滑らかな
曲線であり、U字を天地逆にした形状をしている。この
矩形板4の断面形状はこの逆U字に限られることなく、
図6(b),(c),及び(d)に示したように、円弧
状のもの31、矩形のもの32及び楕円円弧状のもの33が考
えられる。いずれの形状によっても、二相流加速ノズル
により加速された気液二相流の液相を捕捉し、ディフ
ューザに送り込むことができる。また図6(a),
(b),(d)に示したように板4の断面形状の少なく
とも一部が円弧または楕円弧であるような場合は、ある
角度をもって気液二相流の液相の流路が急激に変更され
ることがないため、流動損失が少なく、かつ運転中の流
体振動に対しても液相の流路を比較的安定したものとす
ることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0074
【補正方法】変更
【補正内容】
【0074】二重に設けられた板10a,10bを貫通する
ようにスタンドパイプ57を設置する。このスタンドパイ
プ57上端開口部の直上に、気液二相流に加速作用を与え
る二相流加速ノズル16を配置し、スタンドパイプ57上方
開口部から流入する気液二相流が二相流加速ノズル16内
に流入する構造とする。さらに二相流加速ノズル16と上
側板10aとの間では、スタンドパイプ57を内包する外筒
12が設置されており、二重筒構造となっている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0089
【補正方法】変更
【補正内容】
【0089】炉心の上方に位置するシュラウドヘッドを
二重構造とし、この二重のシュラウドヘッド10a,10b
にスタンドパイプ57を複数本立設しその上方に上述した
セパレータインジェクタ1を配置する。また、セパレー
インジェクタ1のディフューザ3の下端開口部を、ス
タンドパイプ57と外筒12の間隙を介して、二重のシュラ
ウドヘッド10a,10bのなす間隙内に開放する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】再循環流量制御手段9aには、タービン10
7 に接続するタービン発電機130 からの電気出力信号11
a、主蒸気管108 に設けられた主蒸気流量計131 からの
主蒸気流量信号11b、炉心52に設けられた中性子検出器
132 からの中性子束出力信号11c、及びジェットポンプ
14の上側及び下側の圧力を検出し両者の差圧を検知する
ジェットポンプ差圧計133 からのジェットポンプ差圧信
号11dが入力される。こうした電気信号11a,11b,11
c,11dを受けた再循環流量制御手段9aは、適切な流
量を演算し、流量調整のための適切な弁開度信号11eを
アクチュエータ8に送り、これにより再循環流量制御
7の弁開度を調節し再循環流量を制御する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】本実施の形態によれば、セパレータインジ
ェクタ1の液相捕捉手段の板4を介して気相が分離され
た後ディフューザ3によって減速昇圧された水は、ディ
フューザ3の下方開口部を抜けて、二重シュラウドヘッ
ド10a,10bのなす間隙へ放出され、ダウンカマ部6内
に設置されたジェットポンプ駆動ノズル13からジェット
ポンプ14へ至る。このセパレータインジェクタ1で得ら
れる再循環吐出水の流量を、ダウンカマ部6に配置され
た再循環流量制御弁7により適切に調整する。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0102
【補正方法】変更
【補正内容】
【0102】また、図8に示した螺旋状流路を有するセ
パレータインジェクタ18を用いることとしてもよい。こ
の場合は、下側シュラウドヘッド10bの下方から上昇す
る気液二相流をスタンドパイプ57を介して二相流加速ノ
ズル21内に導入し、またディフューザ22からの吐出水は
外筒20とスタンドパイプ57のなす間隙をへて二重シュラ
ウドヘッド10a,10bの間隙に排出する構造とする。こ
の場合も、セパレータインジェクタ1を用いた場合と同
様の作用効果を得ることができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正内容】
【0107】図中符号140 は原子炉圧力容器5のボルト
穴、符号141 aはスタンドパイプ57と外筒12との間隙に
設けられた支持金具、符号141 bは二重シュラウドヘッ
ド10a,10b間に設けられたガイド板、符号38は気液二
相流の気泡、符号39は水面、をそれぞれ示す。図中の実
線矢印はセパレータインジェクタ15に流入する気液二相
流、セパレータインジェクタ15からの吐出水、セパレー
タインジェクタ15の液相捕捉手段4におけるオーバーフ
ロー水あるいは環状ドライヤ24により蒸気から分離され
た水の流れを示しており、また破線矢印は気液二相流の
蒸気の流れを示している。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正内容】
【0116】オーバーフロードレン回収ポンプ34は原子
炉圧力容器5の外部に設置されかつ可変周波数電源装置
28と接続しており、上述の第5の実施の形態と同様の方
法により循環流量を確保しかつ制御する。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0123
【補正方法】変更
【補正内容】
【0123】さらに、給水ポンプ111 と原子炉圧力容器
5とを連絡し流量調整弁142 を有する水位調整管65a
と、給水ポンプ111 とジェットポンプ駆動ノズル66とを
連絡するノズル給水管65bを設ける。この水位調整管65
a及びノズル給水管65bはともに給水系から分岐して設
けられる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0131
【補正方法】変更
【補正内容】
【0131】制御棒案内管42内に、ダウンカマ部6と燃
料集合体144 の下部タイプレート155 内とを連絡する冷
却材案内管149 aを設け、ダウンカマ部6から炉心52へ
冷却材を流通させる。なお、冷却材案内管149 aの冷却
材導入口には冷却材流路を局所的に狭めるオリフィス15
0 が設けられている。オリフィス150 の位置はこれに限
定されず、例えば燃料支持金具156 に設けることもでき
る。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正内容】
【0133】この構成によって、ジェットポンプ駆動ノ
ズル66により駆動される再循環流は、オリフィス150 を
有する冷却材案内管149 aを通して燃料集合体の下部タ
イプレート155 内に導入される。この圧力損失係数を低
減するオリフィス150 を設置することで、圧力損失の悪
化を伴うことなく、炉心出力増加時の炉心流量を増加さ
せて熱出力をさらに増大させることができる。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正内容】
【0148】図中符号159 ,160 及び161 はそれぞれ蒸
気発生器の下部胴、上部胴及び内胴を示し、163 は管
板、165 は仕切板を示す。蒸気発生器の内胴161 内には
インコネル製U字管162 を伝熱管とする熱交換器が配置
される。一次冷却材は下部胴159 に設けられた入口ノズ
166 から蒸気発生器内に流入し、気水分離されて、下
部胴159 に設けられた一次冷却材出口ノズル167 から排
出される。この際セパレータインジェクタ1及び環状ド
ライヤ24を介して湿分の除去された蒸気は、上部胴160
に設けられた蒸気出口ノズル168 から放出される。ま
た、一次冷却材入口ノズル166 及び出口ノズル167 は、
炉心を内包する原子炉容器(図示せず)と連絡してい
る。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0152
【補正方法】変更
【補正内容】
【0152】(第10の実施の形態)以下、本発明の第10
の実施の形態について説明する。上述したように、原子
力発電プラントにセパレータインジェクタを採用するこ
とにより、沸騰領域を有する熱交換器を自然循環から強
制循環とすることができる。この技術の適用範囲は極め
て広く、原子力発電プラントのみならず、例えば小型の
汎用ボイラー装置に対しても適用することができる。以
下このボイラー装置への適用例を説明する。図26は本実
施の形態におけるボイラー装置の概略系統図である。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0157
【補正方法】変更
【補正内容】
【0157】汎用ボイラーとしてはこの他に貫流型ボイ
ラーがあるが、この場合でも図26に示した場合と同様の
構成によって、二相流を気液分離して昇圧し、駆動力を
得ることが可能である。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図22
【補正方法】変更
【補正内容】
【図22】本発明の第8の実施の形態にかかる原子力発
電プラントの燃料集合体の一部を拡大して示した断面図
である。
【手続補正25】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正26】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正27】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】
【手続補正28】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正29】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】
【手続補正30】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正31】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
【手続補正32】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
【手続補正33】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正34】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図23
【補正方法】変更
【補正内容】
【図23】
【手続補正35】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正内容】
【図24】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G21C 7/26 GDB G21D 3/00 GDBK G21D 3/00 GDB G21C 7/26 GDBA (72)発明者 中丸 幹英 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 安岡 誠 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気液二相流の発生源に開口して設けら
    れ、この気液二相流を内部に導入しかつ加速する二相流
    加速ノズルと、この二相流加速ノズルに隣接して設けら
    れ内部を流通する流体を昇圧するディフューザと、前記
    二相流加速ノズルの出口及び前記ディフューザの入口に
    外接して設けられ前記二相流加速ノズルの出口から排出
    される気液二相流のうち主に液相を捕捉し前記ディフュ
    ーザの入口に導入する液相捕捉手段とからなるセパレー
    タインジェクタを具備し、前記気液二相流の流路となる
    前記液相捕捉手段の壁面は滑らかな曲面で構成されるこ
    とを特徴とする気水分離装置。
  2. 【請求項2】 前記セパレータインジェクタの立設する
    基礎部は上板及び下板からなる二重板により構成され、
    前記二相流加速ノズルの入口は前記下板の下方に位置す
    る空間と連絡し、かつ前記ディフューザの出口は前記二
    重板のなす間隙と連絡することを特徴とする請求項1記
    載の気水分離装置。
  3. 【請求項3】 前記液相捕捉手段の壁面は前記二相流加
    速ノズルの出口及び前記ディフューザの入口に外接して
    アーチ状に成形され、かつ前記壁面の断面形状の少なく
    とも一部は円弧または楕円弧であることを特徴とする請
    求項1記載の気水分離装置。
  4. 【請求項4】 前記液相捕捉手段の壁面の縁部は前記気
    液二相流の流路側に曲折していることを特徴とする請求
    項1記載の気水分離装置。
  5. 【請求項5】 前記気液二相流が流通する前記セパレー
    タインジェクタの内壁面のうち少なくとも一部に前記気
    液二相流の流れ方向に平行にリブレット溝を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の気水分離装置。
  6. 【請求項6】 前記セパレータインジェクタは内管及び
    外管からなる二重管を具備し、前記ディフューザは前記
    内管の内壁に接して設置され、かつ前記ディフューザの
    出口は前記内管の外側かつ前記外管の内側に設けられる
    間隙に連絡することを特徴とする請求項1記載の気水分
    離装置。
  7. 【請求項7】 前記二相流加速ノズルと前記ディフュー
    ザは前記内管の内壁近傍に螺旋状に設置され、かつ前記
    二相流加速ノズルから排出される気液二相流は前記内管
    の内壁に沿って流通し主にその液相が前記ディフューザ
    の入口に導かれることを特徴とする請求項6記載の気水
    分離装置。
  8. 【請求項8】 原子炉圧力容器と、この原子炉圧力容器
    の内部に配置され複数の燃料集合体からなる炉心と、前
    記複数の燃料集合体を包囲し炉心を形成するシュラウド
    と、このシュラウドの上端を閉塞するシュラウドヘッド
    を具備する沸騰水型原子炉の原子力発電プラントにおい
    て、このシュラウドヘッドの上端に立設され、内部を流
    通する流体を加速する二相流加速ノズルと内部を流通す
    る流体を昇圧するディフューザ及び前記二相流加速ノズ
    ルの出口及び前記ディフューザの入口に外接して設けら
    れる液相捕捉手段とを有するセパレータインジェクタを
    具備し、前記二相流加速ノズルの入口は前記シュラウド
    と連絡しており、前記二相流加速ノズルにより前記炉心
    で発生した冷却材気液二相流を加速し、かつ前記液相捕
    捉手段により前記冷却材気液二相流のうち主に液相を捕
    捉し前記ディフューザの入口に導くことを特徴とする原
    子力発電プラント。
  9. 【請求項9】 前記ディフューザにより昇圧され排出さ
    れる冷却材を再び前記シュラウドに戻すことにより炉内
    再循環を行うことを特徴とする請求項8記載の原子力発
    電プラント。
  10. 【請求項10】 前記冷却材の流路となる前記液相捕捉
    手段の壁面は滑らかな曲面で構成されることを特徴とす
    る請求項8記載の原子力発電プラント。
  11. 【請求項11】 前記シュラウドヘッドは前記シュラウ
    ドの上端に二重に設けられ、この二重のシュラウドヘッ
    ドを貫通して設けられ内部を前記冷却材気液二相流が上
    昇するスタンドパイプを具備し、前記スタンドパイプの
    上方に配置される前記二相流加速ノズルの入口は前記ス
    タンドパイプを介して前記シュラウドと連絡し、かつ前
    記ディフューザの出口は前記二重のシュラウドヘッドが
    なす間隙と連絡することを特徴とする請求項8記載の原
    子力発電プラント。
  12. 【請求項12】 前記シュラウドを包囲するダウンカマ
    部の上方に設けられるジェットポンプ駆動ノズルと、前
    記ダウンカマ部に設けられるジェットポンプとを具備
    し、前記ディフューザから排出される冷却材は前記二重
    のシュラウドヘッドがなす間隙及び前記ジェットポンプ
    駆動ノズルを介して前記ジェットポンプに導かれること
    を特徴とする請求項8記載の原子力発電プラント。
  13. 【請求項13】 前記原子炉圧力容器と給水ポンプを連
    絡する給水配管から分岐した配管を前記ジェットポンプ
    駆動ノズルに連絡し、前記給水ポンプから前記ジェット
    ポンプ駆動ノズルを介して前記ジェットポンプに給水を
    行うことを特徴とする請求項12記載の原子力発電プラ
    ント。
  14. 【請求項14】 前記給水ポンプから前記ジェットポン
    プへ供給する給水の流量および吐出圧を増加することに
    より、前記ダウンカマ部、下部プレナム、前記炉心、上
    部プレナム、前記セパレータインジェクタの入口部、前
    記セパレータインジェクタ出口部の順に圧力を上昇さ
    せ、炉心循環流量を増加せしめ、原子炉の熱出力を制御
    することを特徴とする請求項13記載の原子力発電プラ
    ント。
  15. 【請求項15】 プラントを起動する際に、前記給水ポ
    ンプから前記ジェットポンプへ供給される給水に残留熱
    除去系及び原子炉冷却材浄化系のポンプのうち少なくと
    も一方から供給される給水を合流させることにより前記
    ジェットポンプを駆動することを特徴とする請求項13
    記載の原子力発電プラント。
  16. 【請求項16】 前記ジェットポンプの出口部あるいは
    入口部に再循環流量制御弁を設け、発電機出力信号、主
    蒸気流量信号、中性子束出力信号及びジェットポンプ差
    圧信号のうち少なくとも1つの信号を入力信号として適
    切な再循環流量及び前記再循環流量制御弁の弁開度を演
    算し弁開度信号を出力する流量制御手段を具備すること
    を特徴とする請求項12記載の原子力発電プラント。
  17. 【請求項17】 前記原子炉圧力容器と給水ポンプを連
    絡し流量調整弁を有する給水配管から分岐した配管を前
    記ジェットポンプ駆動ノズルに連絡し、前記給水ポンプ
    から前記ジェットポンプ駆動ノズルを介して前記ジェッ
    トポンプに給水を行うとともに、前記流量制御手段は適
    切な前記流量調整弁の弁開度を演算し前記流量調整弁に
    弁開度信号を出力することで原子炉の水位を制御するこ
    とを特徴とする請求項16記載の原子力発電プラント。
  18. 【請求項18】 前記原子炉圧力容器と給水ポンプを連
    絡し流量調整弁を有する給水配管から分岐した配管を前
    記ジェットポンプ駆動ノズルに連絡し、前記給水ポンプ
    から前記ジェットポンプ駆動ノズルを介して前記ジェッ
    トポンプに給水を行うとともに、前記流量制御手段は適
    切な給水流量を演算し前記給水ポンプに回転周波数信号
    を出力することで原子炉給水流量を制御することを特徴
    とする請求項16記載の原子力発電プラント。
  19. 【請求項19】 前記ジェットポンプ駆動ノズルに隣接
    し前記ダウンカマ部の方向に開口するベルマウスを具備
    し、前記ジェットポンプ駆動ノズルの下流側でかつ前記
    ベルマウスの先端に接続する直管及びこの直管に接続す
    るディフューザを有することを特徴とする請求項12記
    載の原子力発電プラント。
  20. 【請求項20】 前記シュラウドを包囲するダウンカマ
    部に設けられたインターナルポンプと、前記ダウンカマ
    部の前記インターナルポンプの上方に設けられ前記二重
    のシュラウドヘッドのなす間隙部に開口したダウンカマ
    管と、このダウンカマ管の下部に設けられ前記インター
    ナルポンプと接続するインペラーを具備し、前記ディフ
    ューザから排出される冷却材は前記二重のシュラウドヘ
    ッドがなす間隙を介して前記ダウンカマ部に導かれると
    ともに、前記セパレータインジェクタによって捕捉され
    なかった液相は前記ダウンカマ管へ導入されることを特
    徴とする請求項8記載の原子力発電プラント。
  21. 【請求項21】 発電機出力信号、主蒸気流量信号、中
    性子束出力信号及び炉心支持板差圧信号のうち少なくと
    も1つの信号を入力信号として適切な再循環流量及び前
    記インペラーの適切な回転周波数を演算しかつ前記イン
    ターナルポンプに対し適切な回転周波数信号を出力する
    再循環流量制御手段を具備することを特徴とする請求項
    20記載の原子力発電プラント。
  22. 【請求項22】 前記再循環流量制御手段には原子炉炉
    心水位信号が入力され、この炉心水位信号に基づいて所
    定水位との偏差に関して比例・積分・微分総合制御によ
    る演算を行い前記インターナルポンプの回転周波数を制
    御することを特徴とする請求項21記載の原子力発電プ
    ラント。
  23. 【請求項23】 前記炉心を構成する燃料集合体の内部
    に配置され内部を冷却材が流通するウォーターロッドに
    孔を設け、かつ前記シュラウドの側方に設けられるシュ
    ラウド胴及び前記シュラウドの下方に設けられる炉心支
    持板をともに二重に設け、前記二重のシュラウドヘッド
    のなす間隙と二重のシュラウド胴のなす間隙及び二重の
    炉心支持板のなす間隙を連絡させることにより前記セパ
    レータインジェクタから排出される冷却材の流通する第
    1の冷却材循環流路を構成し、さらにこの第1の冷却材
    循環流路と前記ウォーターロッドとを連絡する第1の冷
    却材案内管を具備し、この第1の冷却材案内管により前
    記セパレータインジェクタから排出される冷却材を前記
    ウォーターロッドに導入することを特徴とする請求項1
    1記載の原子力発電プラント。
  24. 【請求項24】 前記第1の冷却材案内管と前記ウォー
    ターロッドとの接合部近傍では前記第1の冷却材案内管
    を構成する材料の熱膨張率は前記ウォーターロッドを構
    成する材料の熱膨張率と異なるように設定されることを
    特徴とする請求項23記載の原子力発電プラント。
  25. 【請求項25】 前記第1の冷却材案内管と前記ウォー
    ターロッドとの接合部近傍では前記第1の冷却材案内管
    及び前記ウォーターロッドにラビリンス溝を設けること
    を特徴とする請求項23記載の原子力発電プラント。
  26. 【請求項26】 炉心を構成する燃料集合体の下方に位
    置する制御棒案内管内に設けられ前記シュラウドの外部
    に位置する冷却材を前記燃料集合体の下部タイプレート
    内に導く第2の冷却材案内管を具備し、この第2の冷却
    材案内管により構成される第2の冷却材循環流路に流路
    を局所的に狭めるオリフィスを設けることを特徴とする
    請求項23記載の原子力発電プラント。
  27. 【請求項27】 前記二重のシュラウド胴のうち内側の
    シュラウド胴及び前記燃料集合体のチャンネルボックス
    の側面に孔を設けたことを特徴とする請求項23記載の
    原子力発電プラント。
  28. 【請求項28】 一次冷却材の出入口を有し伝熱管から
    なる熱交換器を内包する下部胴とこの下部胴と接続して
    設けられ蒸気をタービンに供給する蒸気出口を有する上
    部胴とからなる蒸気発生器と、この蒸気発生器と連絡し
    前記一次冷却材及び炉心を内包する原子炉容器とを具備
    する加圧水型原子炉の原子力発電プラントにおいて、前
    記伝熱管の上方に設けられ、前記熱交換器を流通する一
    次冷却材の気液二相流を内部に導入し加速する二相流加
    速ノズルと内部を流通する流体を昇圧するディフューザ
    及び前記二相流加速ノズルの出口及び前記ディフューザ
    の入口に外接して設けられる液相捕捉手段とを有するセ
    パレータインジェクタを具備することを特徴とする原子
    力発電プラント。
  29. 【請求項29】 前記熱交換器を内包する内胴を具備
    し、前記セパレータインジェクタからの吐出水を前記蒸
    気発生器内で前記内胴の外側の間隙を介して前記熱交換
    器内に導くことを特徴とする請求項28記載の原子力発
    電プラント。
  30. 【請求項30】 熱交換器を構成する伝熱管及びこの伝
    熱管を加熱する燃焼器を内包する圧力容器と、この圧力
    容器内を流通する流体の再循環を行う再循環ポンプとを
    具備するボイラー装置において、前記伝熱管の上方に設
    けられ、前記熱交換器を流通する流体を内部に導入し加
    速する二相流加速ノズルと内部を流通する流体を昇圧す
    るディフューザ及び前記二相流加速ノズルの出口及び前
    記ディフューザの入口に外接して設けられる液相捕捉手
    段とを有するセパレータインジェクタを具備することを
    特徴とするボイラー装置。
  31. 【請求項31】 前記熱交換器を内包する内胴を設け、
    前記セパレータインジェクタからの吐出水を前記圧力容
    器内で前記内胴の外側の間隙を介して前記熱交換器内に
    導くことを特徴とする請求項30記載のボイラー装置。
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