JPH10220537A - 遊星歯車変速装置 - Google Patents

遊星歯車変速装置

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JPH10220537A
JPH10220537A JP9055385A JP5538597A JPH10220537A JP H10220537 A JPH10220537 A JP H10220537A JP 9055385 A JP9055385 A JP 9055385A JP 5538597 A JP5538597 A JP 5538597A JP H10220537 A JPH10220537 A JP H10220537A
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JP
Japan
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gear
carrier
speed
planetary gear
clutch
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JP9055385A
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Kazumi Hiraiwa
一美 平岩
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FINE MEC KK
Fine Mec KK
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FINE MEC KK
Fine Mec KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2組の遊星歯車組を用い、前進5段の自動変速
機に適した自由度の高い変速比を得る。 【解決手段】ダブルピニヨン型の第1遊星歯車組10と
シングルピニヨン型の第2遊星歯車組22を用い、第1
リングギヤ12および第2リングギヤ24を出力軸50
と連結可能とし、第2キャリア28および第2サンギヤ
26をケース44に固定可能にするとともに、入力軸3
2を第1キャリア16と連結した構成においては第1サ
ンギヤ14と第2キャリア28および第2サンギヤ26
とを選択的に連結可能にし、また、入力軸32を第1サ
ンギヤ14と連結した構成においては第1キャリア16
と第2キャリア28および第2サンギヤ26とを選択的
に連結可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の自動変速機
に用いられる遊星歯車変速装置に関し、特に2組の遊星
歯車組で構成されて前進5段の変速比を得る遊星歯車変
速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前進5段の変速比を有する遊星歯
車変速装置として実用化されているのは、3組の遊星歯
車組を用いたものが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の、3
組の遊星歯車組で構成された遊星歯車変速装置にあって
は、遊星歯車組を3組備えているため製造コストが高
く、大きく重くなるという問題があった。
【0004】一方、2組の遊星歯車組を用いて5段の変
速比を得る遊星歯車変速装置として、特開平8−121
552号公報に記載されているような例が提案されてい
る。図7にそのスケルトン図を示す。
【0005】この遊星歯車変速装置は2組のシングルピ
ニヨン型の遊星歯車組を用いており、入力軸1は第1ク
ラッチ2を介して第2リングギヤ3と連結可能であると
ともに、第2リングギヤは第2クラッチ4を介して第1
キャリア5とも連結可能である。また、入力軸1は第3
クラッチ6を介して第1サンギヤ7とも連結可能であ
る。
【0006】第1サンギヤ7は第1ブレーキ8によりケ
ース9に固定可能であり、第1キャリア5は第2ブレー
キ10によりケース9に固定可能であり、第1リングギ
ヤ11は第2サンギヤ12と常時連結されるとともに第
3ブレーキ13によりケース9に固定可能である。第2
キャリア14は出力軸15と常時連結している。
【0007】この遊星歯車変速装置にあっては第1速に
おいで、第2クラッチ4の係合により第1キャリア5と
第2リングギヤ3とを連結し、第3クラッチ6の係合に
より入力軸1と第1サンギヤ7とを連結するとともに、
第3ブレーキ13により第1リングギヤ11と第2サン
ギヤ12とをケース9に固定する。また第5速におい
て、第1クラッチ2と第2クラッチ4との係合により入
力軸1と第1キャリア5および第2リングギヤ3とを連
結し、さらに第1ブレーキ8の係合により第1サンギヤ
7をケース9に固定する。
【0008】ここで、各遊星歯車組のサンギヤの歯数に
対するリングギヤの歯数の比をαとして、第1遊星歯車
組をα1、第2遊星歯車組をα2とした場合、第1速の
変速比は{(1+α1)(1+α2)}/α1になり、
第5速の変速比は(1+α2)/{α2(1+α1)+
1}になる。
【0009】一般に、乗用車の5段自動変速機において
第1速の変速比に対する第5速の変速比の比は4.5
(クロス変速比)乃至5(ワイド変速比)前後に設定す
るが、この遊星歯車変速装置にあっては例えばα1を
0.6に、α2を0.55にすると第1速の変速比は
4.133に第5速の変速比は0.824になり、両者
の比は5.013になるが、この場合の第1速の変速比
4.133はトルクコンバーターを用いる一般的な乗用
車用自動変速機の変速比としては大き過ぎる値になって
しまう。
【0010】すなわち、この遊星歯車変速装置にあって
は第5速の変速比がやや大きな値になってしまうため、
ワイド変速比にしようとすると第1速の変速比を大きく
せざるを得ず、乗用車の自動変速機に適した変速比を設
定するための自由度が低いという問題点があった。
【0011】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、2組の遊星歯車組によって構
成され、自動車用の自動変速機に適した5段の変速比を
得るための自由度を高くすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の遊星歯車変速装
置は、第1リングギヤと、第1サンギヤと、第1キャリ
アと、該第1キャリアに軸支され第1リングギヤと噛み
合う第1ピニヨンと、第1キャリアに軸支され第1サン
ギヤおよび第1ピニヨンと噛み合う第2ピニヨンとを有
する第1遊星歯車組と、第2リングギヤと、第2サンギ
ヤと、第2キャリアと、該第2キャリアに軸支され第2
リングギヤおよび第2サンギヤと噛み合う第3ピニヨン
とを有する第2遊星歯車組とを有し、第1リングギヤお
よび第2リングギヤが出力軸と連結されもしくは連結可
能であり、第2キャリアおよび第2サンギヤがそれぞれ
係合手段を介してケースに固定可能な遊星歯車変速装置
において、入力軸と第1キャリアが連結されもしくは係
合手段を介して連結可能であり、第1サンギヤが第2キ
ャリアおよび第2サンギヤとそれぞれ係合手段を介して
選択的に連結可能であることを特徴とする。
【0013】さらに本発明の遊星歯車変速装置は、第1
キャリアと第2キヤリアとを係合手段を介して連結可能
にするとともに、入力軸と第2サンギヤとを係合手段を
介して連結可能であることを特徴とする。
【0014】また本発明の遊星歯車変速装置は、第1リ
ングギヤと出力軸とを係合手段を介して連結可能にし、
入力軸と第1サンギヤとを係合手段を介して連結可能に
することもできる。
【0015】また本発明の遊星歯車変速装置は、第1リ
ングギヤと、第1サンギヤと、第1キャリアと、該第1
キャリアに軸支され第1リングギヤと噛み合う第1ピニ
ヨンと、第1キャリアに軸支され第1サンギヤおよび第
1ピニヨンと噛み合う第2ピニヨンとを有する第1遊星
歯車組と、第2リングギヤと、第2サンギヤと、第2キ
ャリアと、該第2キャリアに軸支され第2リングギヤお
よび第2サンギヤと噛み合う第3ピニヨンとを有する第
2遊星歯車組とを有し、第1リングギヤおよび第2リン
グギヤが出力軸と連結されもしくは連結可能であり、第
2キャリアおよび第2サンギヤがそれぞれ係合手段を介
してケースに固定可能な遊星歯車変速装置において、入
力軸と第1サンギヤが常時連結されもしくは係合手段を
介して連結可能であり、第1キャリアが第2キャリアお
よび第2サンギヤとそれぞれ係合手段を介して選択的に
連結可能にすることを特徴とする。
【0016】このような構成を備えた本発明の遊星歯車
装置によれば、特に第1速および第5速の変速比の設定
自由度が高いため、自動車用の自動変速機に適した変速
比を得やすくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は本発明の遊星歯車変速装置
を示すスケルトン図である。第1遊星歯車組10は第1
リングギヤ12と第1サンギヤ14と第1キャリア16
および、該第1キャリア16に軸支され第1リングギヤ
12と噛み合う第1ピニヨン18と、第1キャリア16
に軸支され第1サンギヤ14および第1ピニヨン18と
噛み合う第2ピニヨン20とを有した、いわゆるダブル
ピニヨン型遊星歯車組である。
【0018】第2遊星歯車組22は第2リングギヤ24
と第2サンギヤ26と第2キャリア28および、該第2
キャリア28に軸支され第2リングギヤ24および第2
サンギヤ26と噛み合う第3ピニヨン30とを有した、
いわゆるシングルピニヨン型遊星歯車組である。
【0019】入力軸32は、第1キャリア16と常時連
結されるとともに、第4クラッチ34を介して第2キャ
リア28と連結可能である。第1サンギヤ14は、第2
クラッチ36を介して第2サンギヤと、第3クラッチ3
8を介して第2キャリア28と、それぞれ選択的に連結
可能である。第2サンギヤ26は、第1クラッチ40を
介して入力軸32と連結可能であるとともに、第1ブレ
ーキ42を介してケース44に固定可能である。
【0020】第2キャリア28は、ワンウエイクラッチ
(OWC)46を介して一方の回転方向にのみケース4
4に常時固定されるとともに、第2ブレーキ48を介し
てケース44に固定可能である。すなわちワンウエイク
ラッチ46は入力軸32の回転方向(正転方向)と逆の
回転方向にのみ第2キャリア28をケース44に固定す
るよう構成されている。第1リングギヤ12と第2リン
グギヤ24とは、ともに出力軸50と常に連結されてい
る。
【0021】次に、図1の実施形態における遊星歯車変
速装置の作動を図2に示した作動表に基づいて説明す
る。図2は前進(DレンジおよびLレンジ)5段、後進
(Rレンジ)1段の各変速段における係合手段、すなわ
ち第1クラッチ40,第2クラッチ36,第3クラッチ
38,第4クラッチ34、および第1ブレーキ42,第
2ブルーキ48,ワンウエイクラッチ(OWC)46、
の係合状態の組み合わせと、変速比の計算式および変速
比の具体例を示す。
【0022】図2の作動表において、表中の『○』印は
各係合手段が係合(連結)した状態を表し、変速比の計
算式において、α1は第1遊星歯車組10の第1リング
ギヤ12の歯数に対する第1サンギヤ14の歯数の比を
表し、α2は第2遊星歯車組22の第2リングギヤ24
の歯数に対する第2サンギヤ26の歯数の比を表す。ま
た、変速比の具体例はα1,α2をそれぞれ0.45と
した場合の値を示す。
【0023】まず前進、Dレンジの第1速においては、
第2クラッチ36が係合して第1サンギヤ14と第2サ
ンギヤ26とが連結される。ここで、入力軸側から駆動
する場合の第1速では第2キャリア28に入力軸32と
逆の回転方向にトルクが作用するため、第2キャリア2
8はワンウエイクラッチ46の作用によりケース44に
固定される。
【0024】この係合状態において入力軸32と連結さ
れた第1キャリア16が、第1ピニヨン18および第2
ピニヨン20の作用により、第1リングギヤ12を減速
駆動するとともに、その反力で第1サンギヤ14が逆回
転して第2サンギヤ26を駆動する。その結果、第2キ
ャリア28がワンウエイクラッチ46でケース44に固
定されているので、第2リングギヤ24は正回転方向に
減速駆動される。
【0025】したがって第1リングギヤ12および第2
リングギヤ24とが減速駆動されたトルクが合わされて
出力軸50に伝達される。この場合に作動表に示す第1
速の変速比が得られる。前述のように第2キャリア28
はワンウエイクラッチ46によって一方の回転方向にの
みケース44に固定されているので、エンジブレーキ時
のように出力軸50側から駆動する動力伝達はできな
い。
【0026】次に第2速においては、前記第1速の第2
クラッチ36の係合に加えて、第1ブレーキ42の係合
により第1サンギヤ14がケース44に固定される。こ
の第2速以降の前進段において第2キャリア28は入力
軸と同じ方向に回転するので、ワンウエイクラッチ46
による第2キャリア28の固定は解除される。この係合
状態において入力軸32と連結された第1キャリア16
が、第1ピニヨン18および第2ピニヨン20の作用に
より、第1リングギヤ12を減速駆動し出力軸32に伝
達する。この場合に作動表に示す第2速の変速比が得ら
れる。
【0027】次に第3速においては、前記第2速での第
1ブレーキ42の係合状態を維持したまま、第2クラッ
チ36の係合を解除するとともに第3クラッチ38を係
合して第1サンギヤ14と第2キャリア28とを連結す
る。この係合状態において第2サンギヤ26が第1ブレ
ーキ42によりケース44に固定されているため、第2
キャリア28と連結された第1サンギヤ14が正転方向
に回転して、第2速より小さな減速比になって出力軸3
2に伝達される。この場合に作動表に示す第3速の変速
比が得られる。
【0028】次に第4速においては、前記第3速での第
3クラッチ38の係合状態を維持したまま、第1ブレー
キ42の係合を解除して第4クラッチ34を係合するこ
とにより、第1遊星歯車組10および第2遊星歯車組2
2の全体が一体になって回転するため、入力軸32と出
力軸50とが直結され、変速比は1となる。この際に第
2クラッチ36を係合することも可能であり、第2クラ
ッチ36を係合した場合は第4速から第2速へ変速する
際に第2クラッチ36を係合したままでよいことにな
る。
【0029】次に第5速においては、前記第4速での第
4クラッチ34の係合を維持したまま、第3クラッチ3
8および場合によって第2クラッチ36の係合を解除し
て、第1ブレーキ42の係合により第2サンギヤ26を
ケース44に固定する。この係合状態において入力軸3
2から駆動される第2キャリア28により、第2リング
ギヤ24を増速駆動することになり、作動表に示す第5
速の変速比が得られる。
【0030】次に後進、Rレンジにおいては、第1クラ
ッチ40を係合することで入力軸32と第2サンギヤ2
6とを連結し、第2ブレーキ48の係合により第2キャ
リア28をケース44に固定する。この係合状態におい
て入力軸32は第2サンギヤ26を駆動し、第2キャリ
ア28が固定されているので第2リングギヤ24は逆転
減速駆動され、作動表に示す後進の変速比が得られる。
【0031】前述のDレンジ第1速の説明は、入力軸3
2から駆動する場合の作動状態を示したが、自動車のエ
ンジンブレーキの場合のように出力軸50から逆駆動す
る場合の第1速は作動表のLレンジの第1速に示すよう
に、第2クラッチ36の係合と合わせて、第2ブレーキ
48の係合により第2キャリア28をケース44に固定
することで、逆駆動での動力伝達が可能になる。
【0032】図3は本発明の他の実施形態であり、図1
の実施形態との相違は、第1リングギヤ12と出力軸5
0とが常時連結されておらず第4クラッチ34によって
連結されることと、第1キャリア16と第2キャリア2
8とを連結する係合手段を持たないこと、さらに入力軸
32と第2サンギヤ26とを直接連結するための係合手
段がなく、第1クラッチ40は入力軸32と第1サンギ
ヤ26とを連結するように構成されていることである。
【0033】次に、図3の実施形態における遊星歯車変
速装置の作動を図4に示した作動表に基づいて説明す
る。図4は図2と同様の表示をしているが、変速比の計
算式が図1の実施形態と同じであるため省略した。
【0034】まず前進、Dレンジの第1速においては、
第4クラッチ34が係合して第1リングギヤ12と出力
軸50とが連結されるとともに、第2クラッチ36が係
合して第1サンギヤ14と第2サンギヤ26とが連結さ
れる。ワンウエイクラッチ46の作用は図1の実施形態
と同じである。この係合状態において連結関係は図1の
実施形態と同じになるので、同じ変速比が得られる。
【0035】次に第2速においては、前記第1速の第4
クラッチ34および第2クラッチ36の係合に加えて、
第1ブレーキ42の係合により第1サンギヤ14がケー
ス44に固定される。この係合状態においても連結関係
は図1の実施形態と同じになるので同じ変速比が得られ
る。
【0036】次に第3速においては、前記第2速での第
4クラッチ34および第1ブレーキ42の係合状態を維
持したまま、第2クラッチ36の係合を解除するととも
に第3クラッチ38を係合して第1サンギヤ14と第2
キャリア28とを連結する。この係合状態においても連
結関係は図1の実施形態と同じになるので同じ変速比が
得られる。
【0037】次に第4速においては、前記第3速での第
4クラッチ34および第3クラッチ38の係合状態を維
持したまま、第1ブレーキ42の係合を解除して第1ク
ラッチ40を係合することにより、第1遊星歯車組10
および第2遊星歯車組22の全体が一体になって回転す
るため、図1の実施形態と同様に入力軸32と出力軸5
0とが直結され、変速比は1となる。この際に第2クラ
ッチ36を係合することも可能である。
【0038】次に第5速においては、前記第4速での第
1クラッチ40および第3クラッチ38の係合を維持し
たまま、第4クラッチ34および場合によって第2クラ
ッチ36の係合を解除して、第1ブレーキ42の係合に
より第2サンギヤ26をケース44に固定する。この係
合状態においては、第1リングギヤ12と出力軸50と
の連結は解除され、第1遊星歯車組10は入力軸32と
一体になるとともに第2キャリアと連結され、第2サン
ギヤ26が固定されているので、増速駆動される。変速
比は図1の実施形態と同じである。
【0039】次に後進、Rレンジにおいては、第1クラ
ッチ40および第2クラッチ36を係合して入力軸32
と第2サンギヤ26とを連結することで、第1遊星歯車
組10は入力軸32と一体になるとともに第2サンギヤ
26と連結し、第2ブレーキ48の係合により第2キャ
リア28をケース44に固定する。この係合状態におい
て入力軸32は第2サンギヤ26を駆動し、第2キャリ
ア28が固定されているので変速比は図1の実施形態と
同じである。
【0040】Lレンジの第1速においては、第2クラッ
チ36および第4クラッチ34の係合と合わせて、第2
ブレーキ48の係合により第2キャリア28をケース4
4に固定することで、図1の実施形態と同様に逆駆動で
の動力伝達が可能になる。
【0041】図3の実施形態においては、前進第5速お
よび後進において第1遊星歯車組10が入力軸32と一
体になるので、図1の実施形態に較べると前進第5速お
よび後進において第1ピニヨン18および第2ピニヨン
20の高速回転を回避することができる。
【0042】図2の作動表に示す通り、図1および図3
の実施形態において、第1速の変速比3.636に対す
る第5速の変速比0.690の比は5.270となり、
ワイド変速比に設定しても第1速の変速比は3.636
と、乗用車用の自動変速機に適した変速比にすることが
できる。むろん、α1およびα2を変更することで第1
速および第5速の変速比を広範囲に変更することができ
るので、自動変速機用の遊星歯車列として自由度の高い
変速比の設定ができる。
【0043】図5は本発明の他の実施形態であり、図1
および図3の実施形態との相違は、入力軸32と第1サ
ンギヤ14とが常に連結されているとともに、第1キャ
リア16が第2クラッチ36および第3クラッチ38に
よって、第2サンギヤ26および第2キャリア28とそ
れぞれ選択的に連結可能なことである。また、第1リン
グギヤ12と出力軸50とが第4クラッチ34によって
連結されることは図3の実施形態と同じである。
【0044】次に、図5の実施形態における遊星歯車変
速装置の作動を図6に示した作動表に基づいて説明す
る。図6は図2と同様の表示をしているが、変速比の具
体例はα1を0.55にα2を0.45にした場合の値
を示す。
【0045】まず前進、Dレンジの第1速においては、
第4クラッチ34の係合により第1リングギヤ12と出
力軸50を連結し、第2クラッチ36の係合によって第
1キャリア16と第2サンギヤ26とを連結するととも
に、ワンウエイクラッチ46の作用で第2キャリア28
を入力軸32と逆の回転方向にのみケース44に固定す
る。この係合状態において入力軸32と連結された第1
サンギヤ14が、第1ピニヨン18および第2ピニヨン
20の作用により、第1リングギヤ12を減速駆動する
とともに、その反力で第1キャリア16が逆回転して第
2サンギヤ26を駆動する。その結果、第2キャリア2
8がワンウエイクラッチ46でケース44に固定されて
いるので、第2リングギヤ24は正回転方向に減速駆動
される。したがって第1リングギヤ12および第2リン
グギヤ24とが減速駆動されたトルクが合わされて出力
軸50に伝達される。この場合に図6の作動表に示す第
1速の変速比が得られる。
【0046】次に第2速においては、前記第1速の第2
クラッチ36および第4クラッチ34の係合に加えて、
第1ブレーキ42の係合により第1キャリア16がケー
ス44に固定される。この第2速以降の前進段において
第2キャリア28は入力軸と同じ方向に回転するので、
ワンウエイクラッチ46による第2キャリア28の固定
は解除される。この係合状態において入力軸32と連結
された第1サンギヤ14が、第1ピニヨン18および第
2ピニヨン20の作用により、第1リングギヤ12を減
速駆動し出力軸32に伝達する。この場合に作動表に示
す第2速の変速比が得られる。
【0047】次に第3速においては、前記第2速での第
4クラッチ34および第1ブレーキ42の係合状態を維
持したまま、第2クラッチ36の係合を解除するととも
に第3クラッチ38を係合して第1キャリア16と第2
キャリア28とを連結する。この係合状態において第2
サンギヤ26が第1ブルーキ42によりケース44に固
定されているため、第2キャリア28と連結された第1
キャリア16が正転方向に回転して、第2速より小さな
減速比になって出力軸32に伝達される。この場合に作
動表に示す第3速の変速比が得られる。
【0048】次に第4速においては、前記第3速での第
3クラッチ38および第4クラッチ34の係合状態を維
持したまま、第1ブレーキ42の係合を解除して第1ク
ラッチ40を係合することにより、第1遊星歯車組10
および第2遊星歯車組22の全体が一体になって回転す
るため、入力軸32と出力軸50とが直結され、変速比
は1となる。この際に第2クラッチ36を係合すること
も可能である。
【0049】次に第5速においては、前記第4速での第
1クラッチ40および第3クラッチ38の係合を維持し
たまま、第4クラッチ34および場合によって第2クラ
ッチ36の係合を解除して、第1ブレーキ42の係合に
より第2サンギヤ26をケース44に固定する。この係
合状態において、第1リングギヤ12と出力軸50との
連結が解除されるとともに、第1遊星歯車組10は入力
軸32と一体になって第2キャリア28と連結される。
したがって入力軸32から駆動される第2キャリア28
により、第2リングギヤ24を増速駆動することにな
り、作動表に示す第5速の変速比が得られる。
【0050】次に後進、Rレンジにおいては、第1クラ
ッチ40および第2クラッチ36を係合することで入力
軸32と第1遊星歯車組10とが一体になるとともに第
2サンギヤ26と連結し、第2ブレーキ48の係合によ
り第2キャリア28をケース44に固定する。この係合
状態において入力軸32は第2サンギヤ26を駆動し、
第2キャリア28が固定されているので第2リングギヤ
24は逆転減速駆動され、作動表に示す後進の変速比が
得られる。
【0051】次にLレンジの第1速においては、第2ク
ラッチ36および第4クラッチ34の係合と合わせて、
第2ブレーキ48の係合により第2キャリア28をケー
ス44に固定することで、逆駆動での動力伝達が可能に
なる。
【0052】図5の実施形態においてもα1およびα2
の値を変化させることで、図6に例示した値よりワイド
な変速比を得ることが容易にできるので、トラック等の
重い車両用の自動変速機に適した変速比が得られる。
【0053】その他、特に例示はしないが、本発明の遊
星歯車変速装置は当業者の一般的な知識に基づいて、第
1ブレーキ42と並列にワンウエイクラッチを設けるな
ど、種々の変更、改良を加えた態様で実施することがで
きる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ダ
ブルピニヨン型の第1遊星歯車組と、シングルピニヨン
型の第2遊星歯車組とを備え、第1リングギヤおよび第
2リングギヤと出力軸とを連結可能とし、第2キャリア
および第2サンギヤをそれぞれ係合手段を介してケース
に固定可能にするとともに、入力軸を第1キャリアと連
結した構成においては第1サンギヤを第2キャリアおよ
び第2サンギヤとそれぞれ選択的に連結可能にし、入力
軸32を第1サンギヤ14と連結した構成においては第
1キャリアを第2キャリアおよび第2サンギヤとそれぞ
れ選択的に連結可能にしたことにより、2組の遊星歯車
組で構成しながら自動車用の自動変速機に適した変速比
を得るための自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊星歯車変速装置のスケルトン図;
【図2】図1の遊星歯車変速装置の作動表;
【図3】本発明の他の遊星歯車変速装置のスケルトン
図;
【図4】図3の遊星歯車変速装置の作動表;
【図5】本発明の他の遊星歯車変速装置のスケルトン
図;
【図6】図5の遊星歯車変速装置の作動表;
【図7】従来例を示すスケルトン図;
【符号の説明】
10:第1遊星歯車組 12:第1リングギヤ 14:第1サンギヤ 16:第1キャリア 18:第1ピニヨン 20:第2ピニヨン 22:第2遊星歯車組 24:第2リングギヤ 26:第2サンギヤ 28:第2キャリア 30:第3ピニヨン 32:入力軸 34:第4クラッチ 36:第2クラッチ 38:第3クラッチ 40:第1クラッチ 42:第1ブレーキ 44:ケース 46:ワンウエイクラッチ(OWC) 48:第2ブレーキ 50:出力軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1リングギヤと、第1サンギヤと、第1
    キャリアと、該第1キャリアに軸支され第1リングギヤ
    と噛み合う第1ピニヨンと、第1キャリアに軸支され第
    1サンギヤおよび第1ピニヨンと噛み合う第2ピニヨン
    とを有する第1遊星歯車組と、 第2リングギヤと、第2サンギヤと、第2キャリアと、
    該第2キャリアに軸支され第2リングギヤおよび第2サ
    ンギヤと噛み合う第3ピニヨンとを有する第2遊星歯車
    組とを有し、 第1リングギヤおよび第2リングギヤが出力軸と連結さ
    れもしくは連結可能であり、第2キャリアおよび第2サ
    ンギヤがそれぞれ係合手段を介してケースに固定可能な
    遊星歯車変速装置において、 入力軸と第1キャリアが連結されもしくは係合手段を介
    して連結可能であり、第1サンギヤが第2キャリアおよ
    び第2サンギヤとそれぞれ係合手段を介して選択的に連
    結可能であることを特徴とする遊星歯車変速装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の遊星歯車変速装置におい
    て、第1キャリアと第2キャリアとを係合手段を介して
    連結可能にするとともに、入力軸と第2サンギヤとを係
    合手段を介して連結可能にしたことを特徴とする遊星歯
    車変速装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の遊星歯車変速装置におい
    て、第1リングギヤと出力軸とを係合手段を介して連結
    可能にし、入力軸と第1サンギヤとを係合手段を介して
    連結可能にしたことを特徴とする遊星歯車変速装置。
  4. 【請求項4】第1リングギヤと、第1サンギヤと、第1
    キャリアと、該第1キャリアに軸支され第1リングギヤ
    と噛み合う第1ピニヨンと、第1キャリアに軸支され第
    1サンギヤおよび第1ピニヨンと噛み合う第2ピニヨン
    とを有する第1遊星歯車組と、 第2リングギヤと、第2サンギヤと、第2キャリアと、
    該第2キャリアに軸支され第2リングギヤおよび第2サ
    ンギヤと噛み合う第3ピニヨンとを有する第2遊星歯車
    組とを有し、 第1リングギヤおよび第2リングギヤが出力軸と連結さ
    れもしくは連結可能であり、第2キャリアおよび第2サ
    ンギヤがそれぞれ係合手段を介してケースに固定可能な
    遊星歯車変速装置において、 入力軸と第1サンギヤが常時連結されもしくは係合手段
    を介して連結可能であり、第1キャリアが第2キャリア
    および第2サンギヤとそれぞれ係合手段を介して選択的
    に連結可能であることを特徴とする遊星歯車変速装置。
JP9055385A 1997-02-03 1997-02-03 遊星歯車変速装置 Pending JPH10220537A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006194452A (ja) * 2006-04-21 2006-07-27 Toyota Motor Corp 2連遊星歯車装置型車輛用自動変速機

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