JP2000234655A - 自動変速装置 - Google Patents

自動変速装置

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JP2000234655A
JP2000234655A JP11038562A JP3856299A JP2000234655A JP 2000234655 A JP2000234655 A JP 2000234655A JP 11038562 A JP11038562 A JP 11038562A JP 3856299 A JP3856299 A JP 3856299A JP 2000234655 A JP2000234655 A JP 2000234655A
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JP
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gear
planetary gear
ring gear
carrier
ring
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JP11038562A
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English (en)
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Masahiro Okubo
正博 大窪
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Original Assignee
Exedy Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H2200/00Transmissions for multiple ratios
    • F16H2200/0082Transmissions for multiple ratios characterised by the number of reverse speeds
    • F16H2200/0086Transmissions for multiple ratios characterised by the number of reverse speeds the gear ratios comprising two reverse speeds

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  • Structure Of Transmissions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ないクラッチ装置によって多段化を可能に
する。 【解決手段】 この装置は、トルクコンバータ本体と、
3つの遊星歯車列と、2つのクラッチ装置と、3つのブ
レーキ装置とを備えている。第1遊星歯車列21の第1
リングギアR1がタービン14に連結され、第1キャリ
アCA1が第2遊星歯車列22の第2リングギアR2に
連結されている。そして、第2キャリアCA2が第3リ
ングギアR3に連結され、第3遊星歯車列23の第3キ
ャリアCA3が出力軸25に連結されている。第1及び
第2クラッチ装置C1,C2は、トルクコンバータ本体
からの動力を第2及び第3遊星歯車列に伝達及び遮断す
る。第1及び第2ブレーキ装置B1,B2は第2及び第
3サンギアS2,S3及び第2キャリアCA2の回転を
制動する。第3ブレーキ装置B3は、第1サンギアS3
の回転を制動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体継手部(トル
クコンバータ)と変速機(トランスミッション)とを組
み合わせた自動変速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動変速装置として、乗用車用と
しては前進3段又は4段が用いられ、トラックやバス等
の商用車用として前進3段〜6段のものが用いられてい
る。また、最近は、乗用車用として5段、商用車用とし
て6段の多段変速タイプの自動変速装置が求められてい
る。このような多段変速構造を得る場合、従来の3段又
は4段の装置に、クラッチ装置及びブレーキ装置によっ
て制御される1列の遊星歯車機構を有する2段変速式の
副変速機を付加することが知られている。
【0003】一方、副変速機を用いずに多段化する方法
として、3列の遊星歯車機構を設けるとともに、この遊
星歯車機構を3個のクラッチ及び3個のブレーキにより
制御して5段又は6段を得るようにした変速装置が知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】副変速機を用いて多段
化する前者の場合、2段×(3段又は4段)の変速段数
を得ることができるが、実際的には変速比が重複する部
分があり、理想的な変速比を得ることができない。ま
た、副変速機と主変速機の両方を変速しなければならな
い変速段があり、変速時のフィーリングが悪化するとい
う問題がある。このため、このような方式の変速装置で
は、前進4段の主変速機に副変速機を付加して前進5段
の自動変速装置を実現しているのが現状である。
【0005】しかし、このような従来の装置では、4個
のクラッチと3個のブレーキとが必要となり、構造が複
雑になる。また、高速側の変速段の変速比をクロス化す
ることが困難である。すなわち、自動変速装置におい
て、変速時のエンジン回転数の変化を小さくして駆動力
の変化を小さくし、より滑らかな走りを実現するために
は、手動変速装置のように、特に高速側の変速段におい
てギア比がクロス化されていることが望ましい。しか
し、副変速機を用いた従来の装置では、高速側の変速段
の変速比がワイド化されてしまい、滑らかな走りの実現
が困難である。
【0006】また、副変速機を用いずに多段化する後者
の場合、3個のクラッチ装置が必要になるが、クラッチ
装置はブレーキ装置と異なり回転するので、クラッチ装
置の作動油が遠心力を受け、作動油の遠心力による諸問
題を解消するための工夫が必要になる。また、クラッチ
装置の場合は、作動油の供給部に回転シールが必要とな
り、スペース、コストの面でブレーキ装置に比較して不
利になる。本発明の課題は、少ないクラッチ装置によっ
て多段化を可能にし、構造を簡単にすることにある。
【0007】本発明の別の課題は、特に高速側の変速段
の変速比をクロス化することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る自動変速
装置は、エンジンからの動力を変速して出力軸に出力す
る装置であって、流体継手部と、第1遊星歯車列と、第
2遊星歯車列と、第3遊星歯車列と、第1クラッチ装置
及び第2クラッチ装置と、第1ブレーキ装置及び第2ブ
レーキ装置と、第3ブレーキ装置とを備えている。流体
継手部は、エンジンからの動力が入力されるインペラ
と、インペラに対向して配置されたタービンと、インペ
ラとタービンとの間に配置されたステータとを有してい
る。
【0009】第1遊星歯車列は、第1リングギアと、第
1リングギアに噛み合う第1遊星ギアと、第1遊星ギア
を支持する第1キャリアと、第1遊星ギアに噛み合う第
1サンギアとからなる。第2遊星歯車列は、第2リング
ギアと、第2リングギアに噛み合う第2遊星ギアと、第
2遊星ギアを支持する第2キャリアと、第2遊星ギアに
噛み合う第2サンギアとからなる。
【0010】第3遊星歯車列は、第2キャリアに連結さ
れた第3リングギアと、第3リングギアに噛み合う第3
遊星ギアと、第3遊星ギアを支持するとともに出力軸に
連結された第3キャリアと、第3遊星ギアに噛み合うと
ともに第2サンギアと同期して回転するように連結され
た第3サンギアとからなる。そして、第1遊星歯車列の
第1リングギア及び第1サンギアのいずれか一方がター
ビンに連結され、第1キャリア及び第1リングギアのい
ずれか一方が第2遊星歯車列の第2リングギアに連結さ
れている。
【0011】また、第1クラッチ装置は流体継手部から
の動力を第2キャリア及び第3リングギアに伝達及び遮
断する。第2クラッチ装置は流体継手部からの動力を第
1キャリア及び第1リングギアのいずれか一方と第2リ
ングギアに伝達及び遮断する。第1ブレーキ装置は第2
サンギア及び第3サンギアの回転を制動する。第2ブレ
ーキ装置は第2キャリア及び第3リングギアの回転を制
動する。第3ブレーキ装置は第1遊星歯車列の第1リン
グギア、第1キャリア及び第1サンギアのうちのいずれ
かの回転を制動する。
【0012】この装置では、流体継手部からの動力は、
第1遊星歯車列に直接入力され、ここで減速されてある
いはそのまま出力される。第1遊星歯車列の出力は第2
遊星歯車列に入力される。そして、この第2遊星歯車列
及び第3遊星歯車列で変速制御されて出力される。この
とき、締結要素である第1ブレーキ装置、第2ブレーキ
装置、第3ブレーキ装置、第1クラッチ装置及び第2ク
ラッチ装置のオン、オフを制御することによって、前進
5段、後進2段の変速を行うことができる。
【0013】ここでは、主変速機に対して単純に副変速
機を追加するのではなく、第2及び第3遊星歯車列で構
成される変速機部分に対して、第1遊星歯車列で減速さ
れた動力あるいは直結の動力を入力するような構成とし
ているので、特に高速側の変速段の変速比をクロス化す
ることができ、手動変速装置のような滑らかな牽引特性
を実現できる。また、2つのクラッチ装置と3つのブレ
ーキ装置によって多段化を実現しているので、従来の3
又は4つのクラッチ装置と3つのブレーキ装置を用いた
この種の自動変速装置に比較して構造が簡単になる。
【0014】請求項2に係る自動変速装置は、請求項1
の装置において、第2リングギアの回転を制動するため
の第4ブレーキ装置をさらに備えている。この場合は、
締結要素としての第4ブレーキ装置をさらに追加するこ
とによって前進6段の変速が可能になり、簡単な構成の
追加でさらなる多段化が実現できる。請求項3に係る自
動変速装置は、請求項1又は2の装置において、第1遊
星歯車装置においては、第1リングギア及び第1サンギ
アのうちの第1リングギアがタービンに連結されてお
り、第1キャリア及び第1リングギアのうちの第1キャ
リアが第2リングギアに連結されている。また、第3ブ
レーキ装置は第1サンギアの回転を制動するものであ
る。
【0015】ここでは、タービンからの動力はそのまま
第1リングギアに伝達される。そして、第1サンギアの
回転を第1ブレーキ装置によって制御することにより変
速が可能となる。この場合は、小さな減速動力が第2サ
ンギアに出力される。その結果、クロス化された変速比
が得られ、特に高速側の変速フィーリングを良好にでき
る。請求項4に係る自動変速装置は、請求項1又は2の
装置において、第1遊星ギアは互いに噛み合う2つのピ
ニオンギアを含み、第1キャリアは2つのピニオンギア
を支持するものである。また、第1遊星歯車装置におい
ては、第1リングギア及び第1サンギアのうちの第1サ
ンギアがタービンに連結されており、第1キャリア及び
第1リングギアのうちの第1リングギアが第2リングギ
アに連結されている。さらに、第3ブレーキ装置は第1
キャリアの回転を制動するものである。
【0016】ここでは、タービンからの動力は第1サン
ギアに伝達され、第1キャリアの回転を第3ブレーキ装
置によって制動することにより変速が可能となる。請求
項5に係る自動変速装置は、請求項1又は2の装置にお
いて、第1遊星歯車装置においては、第1リングギア及
び第1サンギアのうちの第1サンギアがタービンに連結
されており、第1キャリア及び第1リングギアのうちの
第1キャリアが前記第2リングギアに連結されている。
また、第3ブレーキ装置は第1リングギアの回転を制動
するものである。
【0017】ここでは、タービンからの動力はそのまま
第1サンギアに伝達される。そして、第1リングギアの
回転を第3ブレーキ装置によって制動することにより変
速が可能となる。この場合は、大きな減速動力が第1キ
ャリアに出力される。その結果、低速側の変速比を大き
くすることが容易となり、特にオフロード用の車両に有
効な自動変速装置を実現できる。請求項6に係る自動変
速装置は、請求項1から5のいずれかの装置において、
第1クラッチ装置は流体継手部の出力部であるタービン
からの動力を第2キャリアに伝達及び遮断するためのも
のである。
【0018】請求項7に係る自動変速装置は、請求項1
から5のいずれかの装置において、第1クラッチ装置
は、流体継手部の入力部からの動力を流体継手部を介さ
ずに第2キャリアに伝達及び遮断するためのものであ
り、エンジンからの動力をタービンに伝達及び遮断する
ためのロックアップクラッチ装置を兼ねている。ここで
は、締結要素の1つである第1クラッチ装置を、ロック
アップクラッチ装置としても機能させている。したがっ
て、ロックアップクラッチ装置のオン、オフ制御によっ
て、ロックアップと変速制御とが行われる。この場合
は、変速機部分のクラッチ装置が1個となり、小型かつ
低コストを実現できる。また、前進3速時からのロック
アップが可能となる。
【0019】請求項8に係る自動変速装置は、請求項1
から5のいずれかの装置において、エンジンからの動力
をタービンに伝達及び遮断するためのロックアップクラ
ッチ装置をさらに備えている。そして、第1クラッチ装
置は、ロックアップクラッチ装置とは別に、流体継手部
の入力部からの動力を流体継手部を介さずに第2キャリ
アに伝達及び遮断するためのものである。ここでは、ロ
ックアップクラッチ装置によってロックアップ制御が行
われ、変速制御はロックアップクラッチ装置とは別に設
けられた第1クラッチ装置によって行われる。したがっ
て、ロックアップ制御と変速とを別々に行うことができ
る。
【0020】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]本発明の第1実
施形態による自動変速装置の概略模式図を図1に示す。
なお、図1では、装置の中心軸より一方側のみを示して
いるが、他方側は一方側と軸対称に構成されている。こ
の自動変速装置は、エンジンから動力が入力される流体
継手部としてのトルクコンバータ2と、トルクコンバー
タ2の出力側に設けられた変速機3とを有している。こ
れらのトルクコンバータ2と変速機3とはハウジング4
内に収納されている。
【0021】トルクコンバータ2は、トルクコンバータ
本体10と、エンジンからの動力を直接出力側に伝達す
るためのロックアップクラッチ装置11とを有してい
る。トルクコンバータ本体10は、エンジンの出力部に
連結されるフロントカバー12と、フロントカバー12
に連結されるインペラ13と、インペラ13に軸方向に
対向するタービン14と、それらの内周側部分の間に配
置されたステータ15とを有している。なお、ステータ
15は、ワンウェイクラッチ16を介してハウジング4
に固定されている。
【0022】変速機3は、第1、第2及び第3遊星歯車
列21,22,23を有している。第1遊星歯車列21
は、トルクコンバータ本体10のタービン14に連結さ
れた第1リングギアR1と、第1リングギアR1に噛み
合う第1遊星ギアP1と、第1遊星ギアP1を支持する
第1キャリアCA1と、第1遊星ギアP1に噛み合う第
1サンギアS1とを有している。第2遊星歯車列22
は、第1キャリアCA1に連結された第2リングギアR
2と、第2リングギアR2に噛み合う第2遊星ギアP2
と、第2遊星ギアP2を支持する第2キャリアCA2
と、第2遊星ギアP2に噛み合うと第2サンギアS2と
を有している。
【0023】また、第3遊星歯車列23は、第2キャリ
アCA2に連結された第3リングギアR3と、第3リン
グギアR3に噛み合う第3遊星ギアP3と、第3遊星ギ
アP3を支持する第3キャリアCA3と、第3遊星ギア
P3に噛み合うとともに第2サンギアS2と同期して回
転するように連結された第3サンギアS3とを有してい
る。そして、第3キャリアCA3が出力軸25に連結さ
れている。さらに変速機3は、締結要素としての第1及
び第2クラッチ装置C1,C2と、第1、第2及び第3
ブレーキ装置B1,B2,B3とを有している。
【0024】第1クラッチ装置C1は、タービン14か
らの動力を第2キャリアCA2及び第3リングギアに伝
達したりあるいは遮断するための装置である。第2クラ
ッチ装置C2は、タービン14からの動力を第1キャリ
アCA1及び第2リングギアR2に伝達したりあるいは
遮断するための装置である。第1ブレーキ装置B1は第
2サンギアS2及び第3サンギアS3の回転を制動する
ための装置であり、第2ブレーキ装置B2は第2キャリ
アCA2の回転を制動するための装置であり、第3ブレ
ーキ装置B3は第1サンギアS1の回転を制動するため
の装置である。なお、第1サンギアS1には、入力回転
方向とは逆方向にロックするワンウェイクラッチFが設
けられており、これにより、特に前進側の第1速と第2
速との間、及び後進側の第1速と第2速との間における
ショックを抑えて、スムーズな変速を可能にしている。
【0025】各遊星歯車列21,22,23は、サンギ
アとリングギアの歯数比(サンギア歯数/リングギア歯
数)ρ1,ρ2,ρ3が、図3に示すように、 ρ1=(S1歯数/R1歯数)=0.6 ρ2=(S2歯数/R2歯数)=0.5 ρ3=(S3歯数/R2歯数)=0.4 となるように構成されている。
【0026】次に図4及び図5を参照しながら動作につ
いて説明する。図4は各変速段における締結要素の制御
内容、変速比及び段間差を示しており、図5は速度線図
を示している。なお、図4及び図5では、後述する前進
6段の場合の実施形態(第2実施形態)についても併せ
て示している。図5の速度線図は、縦軸は回転数を示
し、横軸はパワートレインの各位置を示している。横軸
の位置は、各要素間の減速比によって決まるものであ
る。
【0027】<前進第1速>ここでは、図4に示すよう
に、第1ブレーキ装置B1及び第3ブレーキ装置B3を
オン(制動)する。これにより、第1サンギアS1、第
2サンギアS2及び第3サンギアS3の回転が停止させ
られる。また、それ以外の締結要素、すなわち、第1及
び第2クラッチ装置C1,C2と第2ブレーキ装置B2
とをオフ(動力遮断、ブレーキ開放)する。このような
各締結要素の制御によって、第1キャリアCA1(第1
遊星ギアP1;以下、各キャリアは遊星ギアとして表現
する)と、第2遊星ギアP2及び第3リングギアR2と
により動力が伝達される。
【0028】この場合の変速比は、図4に示すように、 (1+ρ1)(1+ρ2)(1+ρ3)=3.58 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係を、図5を参照して説明する。この第1速の状態で
は、図5に示すように、タービン14の回転がそのまま
入力回転(回転数N1)として第1遊星歯車列21の第
1リングギアR1に入力され、さらに第1遊星ギアP1
(第1キャリアCA1)の回転が第2遊星歯車列22に
入力される。このとき、前述のように第1サンギアS1
は第3ブレーキ装置B3によって回転が停止させられて
いるので、その回転数は「0」である。したがって、第
1遊星ギアP1の回転数は、第1リングギアR1の入力
回転数N1と第1サンギアS1の回転数N2(0)とを
結ぶ直線と第1遊星ギアP1の位置とが交差する点の回
転数N3となる。
【0029】そして、この第1遊星ギアP1の回転(回
転数N3)が第2リングギアR2に入力され、第2遊星
歯車列22及び第3遊星歯車列23により変速され、出
力軸25に出力される。具体的には、前述のように、第
3遊星歯車列23の第3サンギアS3は、第1ブレーキ
装置B1によって回転が停止させられているので、回転
数は「0」である。そして、この第3サンギアS3の回
転数N4(0)と第1遊星ギアP1及び第2リングギア
R2の回転数N3とを結ぶ直線と、出力軸25に連結さ
れている第3遊星ギアP3(第3キャリアCA3)の位
置とが交差する点の回転数N5が出力回転数となる。
【0030】<前進第2速>前進第2速の場合は、図4
に示すように、第2クラッチ装置C2及び第1ブレーキ
装置B1をオン(動力伝達、制動)する。これにより、
タービン14からの動力は第2リングギアR2に直接伝
達されることとなり、また第2サンギアS2及び第3サ
ンギアS3の回転が停止させられる。それ以外の締結要
素、すなわち、第1クラッチ装置C1と第2及び第3ブ
レーキ装置B2,B3とをオフする。この状態では、第
2遊星ギアP2及び第3リングギアR3により動力が伝
達される。また、第1リングギアR1と第1遊星ギアP
1及び第1サンギアS1には力が伝わらない。
【0031】この場合の変速比は、図4に示すように、 (1+ρ2)(1+ρ3)=2.17 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係を、図5を参照して説明する。この第2速の状態で
は、前記同様に、タービン14の回転数N1はそのまま
第1リングギアR1に入力されるとともに、第2クラッ
チ装置C2がオンであるので、第1遊星ギアP1及び第
2リングギアR2にもタービン14の回転数N1がその
まま入力される。すなわち、第2遊星歯車列22の第2
リングギアR2に回転数N1がそのまま入力される。な
お、第1リングギアR1及び第1遊星ギアP1がともに
同回転数で回転するので、当然第1サンギアS1も同回
転数で回転する。このことは、第5図の「2nd」で示
す直線によって示されており、R1,P1,S1におけ
る回転数はすべて同じである。但し、第1遊星歯車列2
1は動力を伝達しない。
【0032】したがって、タービン14の回転がそのま
ま第2遊星歯車列22に入力され、第2遊星歯車列22
及び第3遊星歯車列23で変速されて出力軸25に出力
される。このとき、第2及び第3遊星歯車列22,23
の第2及び第3サンギアS2,S3は、第1ブレーキ装
置B1によって回転が停止させられているので、回転数
は「0」である。そして、この第2及び第3サンギアS
2,S3の回転数N4(0)と第2リングギアR2(第
1遊星ギアP1と等しい)の回転数N1とを結ぶ直線
と、出力軸25に連結されている第3遊星ギアP3の位
置とが交差する点の回転数N6が出力回転数となる。
【0033】<前進第3速>前進第3速の場合は、図4
に示すように、第1クラッチ装置C1及び第1ブレーキ
装置B1をオンする。これにより、タービン14からの
動力は第2遊星ギアP2及び第3リングギアR3に直接
伝達されることとなり、第1リングギアR1と第2遊星
ギアP2には力が伝わらない。そして第2及び第3サン
ギアS2,S3の回転が停止させられる。また、第2ク
ラッチ装置C2と第2及び第3ブレーキ装置B2,B3
とをオフする。
【0034】この場合の変速比は、図4に示すように、 (1+ρ3)=1.4 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係は、以下の通りである。この第3速の状態では、前
記同様に、タービン14の回転数N1はそのまま第1リ
ングギアR1に入力されるとともに、第1クラッチ装置
C1がオンであるので、第2遊星ギアP2にもタービン
14の回転数N1がそのまま入力される。但し、第1遊
星歯車列21と第2遊星歯車列22は動力を伝達しな
い。
【0035】そして、図5に示すように、タービン14
の回転が第3リングギアR3に入力され、変速されて出
力軸25に出力される。このとき、第2及び第3遊星歯
車列22,23の第2及び第3サンギアS2,S3は、
第1ブレーキ装置B1によって回転が停止させられてい
るので、回転数は「0」である。そして、この第2及び
第3サンギアS2,S3の回転数N4(0)と第3リン
グギアR3の回転数N1とを結ぶ直線と、出力軸25に
連結されている第3遊星ギアP3の位置とが交差する点
の回転数N7が出力回転数となる。また、第1サンギア
S1及び第1遊星ギアP1は、第2リングギアR2が増
速されるため、その分だけ増速される。
【0036】<前進第4速>前進第4速の場合は、図4
に示すように、第1クラッチ装置C1及び第2クラッチ
装置C2の両クラッチ装置をオンする。これにより、タ
ービン14からの動力は、第2遊星ギアP2,第3リン
グギアR3及び第2リングギアR2に直接伝達され、第
3遊星ギアP3から出力されることとなる。この場合、
第1遊星歯車列21は動力を伝達しない。また、第1、
第2、第3ブレーキ装置B1,B2,B3のすべてのブ
レーキ装置をオフする。
【0037】このような各締結要素の制御によって、各
遊星歯車列21,22,23はそれぞれ一体となって回
転し、減速は行われない。すなわち、この場合の変速比
は、図4に示すように、「1」となる。また、この場合
の入力回転数と出力回転数との関係は、図5の「4t
h」に示すように、どの位置においても一定で、入力回
転数がそのまま出力回転数となる。
【0038】<前進第5速>前進第5速の場合は、図4
に示すように、第1クラッチ装置C1及び第3ブレーキ
装置B3をオンする。これにより、タービン14からの
動力は、第1リングギアR1だけでなく、第2遊星ギア
P2及び第3リングギアR3に直接伝達されることとな
り、また第1サンギアS1の回転が停止させられる。ま
た、第2クラッチ装置C2と第1及び第2ブレーキ装置
B1,B2とをオフする。
【0039】この場合の変速比は、図4に示すように、 ρ2(1+ρ1)(1+ρ3)/{ρ2(1+ρ3)+
ρ1(ρ2+ρ3+ρ2ρ3)}=0.83 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係は以下の通りである。この第5速の状態では、前記
同様に、タービン14の回転数N1はそのまま第1リン
グギアR1に入力されるとともに、第1クラッチ装置C
1がオンであるので、第2遊星ギアP2及び第3リング
ギアR3にもタービン14の回転数N1がそのまま入力
される。この場合の第1遊星歯車列21側の各部の回転
数は前進1速と同様である。
【0040】そして、タービン14の回転が第2遊星ギ
アP2に入力され、第2遊星歯車列22により変速され
て出力軸25に出力される。このとき、第1ブレーキ装
置B1及び第2ブレーキ装置B2がオフされており、し
かも第1サンギアS1の回転が第3ブレーキ装置B3に
より停止させられているので、図5に示すように、第1
遊星ギアP1と第2リングギアR2の回転数はN3とな
り、第2及び第3遊星歯車列22,23の第2及び第3
サンギアS2,S3の回転数は、回転数N3と回転数N
1とを結ぶ直線の延長線上に沿って回転数N8となる。
また、出力軸25の回転は、前記延長線と出力軸25に
連結されている第3遊星ギアP3の位置とが交差する点
の回転数N9が出力回転数となる。
【0041】<後進第1速>この場合は、図4に示すよ
うに、第2ブレーキ装置B2及び第3ブレーキ装置B3
をオンする。これにより、第1サンギアS1及び第2遊
星ギアP2の回転が停止させられる。また、第1及び第
2クラッチ装置C1,C2と第1ブレーキ装置B1とを
オフする。この場合の変速比は、図4に示すように、 ρ2(1+ρ1)(1+ρ3)/ρ3=3.18 となる。
【0042】また、この場合の入力回転数と出力回転数
との関係は以下の通りである。前記同様に、タービン1
4の回転がそのまま入力回転(回転数N1)として第1
リングギアR1に入力され、また第1遊星歯車列21に
おける各部の回転数は前進第1速の場合と同様である。
そして、第1遊星ギアP1の回転(回転数N3)が第2
リングギアR2に入力され、第2遊星歯車列22により
逆転され、第3遊星歯車列23により減速され、出力軸
25に出力される。具体的には、第2遊星ギアP2が第
2ブレーキ装置B2によってその回転が停止させられて
いるので、回転数は「0」である。したがって、図5に
示すように、この第2遊星ギアP2の回転数N10
(0)と第2リングギアR2の回転数N3とを結ぶ直線
の延長線と、出力軸25に連結されている第3遊星ギア
P3の位置とが交差する点の回転数N11が出力回転数
となる。
【0043】<後進第2速>後進第2速の場合は、図4
に示すように、第2クラッチ装置C2及び第2ブレーキ
装置B2をオンする。これにより、タービン14からの
動力は第2リングギアR2に直接伝達されることとな
り、また第2遊星ギアP2の回転が停止させられる。ま
た、第1クラッチ装置C1と第1及び第3ブレーキ装置
B1,B3とをオフする。
【0044】この場合の変速比は、図4に示すように、 ρ2(1+ρ3)/ρ3=1.93 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係は以下の通りである。この後進第2速の状態では、
前記同様に、タービン14の回転数N1はそのまま第1
リングギアR1に入力されるとともに、第2クラッチ装
置C2がオンであるので第2リングギアR2にもタービ
ン14の回転数N1がそのまま入力される。すなわち、
第1遊星歯車列21の各部における回転数は、前進第2
速の場合と同様である。但し第1遊星ギア列は動力を伝
達しない。
【0045】したがって、タービン14の回転がそのま
ま第2遊星歯車列22の第2リングギアR2に入力さ
れ、第2遊星歯車列22で逆転され、第3遊星歯車列2
3で減速されて出力軸25に出力される。このとき、後
進第1速の場合と同様に、第2遊星ギアP2は第2ブレ
ーキ装置B2によって回転が制動されているので、回転
数は「0」である。したがって、図5に示すように、第
2遊星ギアP2の回転数N10(0)と第2リングギア
R2の回転数N1とを結ぶ直線の延長線と、出力軸25
に連結されている第3遊星ギアP3の位置とが交差する
点の回転数N12が出力回転数となる。
【0046】このような実施形態の自動変速装置では、
従来の装置に比較してクラッチ装置が1つ少なくなり、
小型化が可能になるとともに製造コストが安価になる。
また、特に高速側の段間差が小さくなって変速比のクロ
ス化が可能になり、変速フィーリングを向上できる。 [第2実施形態]図2は本発明の第2実施形態による自
動変速装置の概略模式図を示している。なお、この図2
においても、図1と同様に、装置の中心軸より一方側の
みを示しているが、他方側は一方側と軸対称に構成され
ている。
【0047】この変速装置は、変速機30の構成のみが
第1実施形態の構成と異なっており、その他の構成は全
く同様である。すなわち、この第2実施形態における変
速機30は、図1の変速機3の構成に加えて、第1遊星
ギアP1(第1キャリアCA1)及び第2リングギアR
2の回転を制動するための第4ブレーキ装置B4が設け
られている。このような構成によって、前進6段、後進
2段の自動変速装置を実現している。
【0048】前進側の第1速〜第5速及び後進側の各変
速段の変速比及び入力回転数と出力回転数との関係につ
いては、前記第1実施形態と同様である。 <前進第6速>前進第6速の場合は、図4に示すよう
に、第1クラッチ装置C1及び第4ブレーキ装置B4を
オンする。これにより、タービン14からの動力は第2
遊星ギアP2及び第3リングギアR3に直接伝達される
こととなり、また第1遊星ギアP1及び第2リングギア
R2の回転が停止させられる。また、第2クラッチ装置
C2と第1、第2及び第3ブレーキ装置B1,B2,B
3とをオフする。これにより、第1遊星歯車列21には
力が伝達されない。
【0049】この場合の変速比は、図4に示すように、 ρ2(1+ρ3)/(ρ2+ρ3+ρ2ρ3)=0.6
6 となる。また、この場合の入力回転数と出力回転数との
関係は以下の通りである。この第6速の状態では、前記
同様に、タービン14の回転数N1はそのまま第1リン
グギアR1に入力されるとともに、第1クラッチ装置C
1がオンであるので、第2遊星ギアP2及び第3リング
ギアR3にもタービン14の回転数N1がそのまま入力
される。但し第1遊星ギア列21は動力を伝達しない。
【0050】そして、タービン14の回転が第2遊星ギ
アP2及びに入力され、第2及び第3遊星歯車列22,
23により変速されて出力軸25に出力される。このと
き、第4ブレーキ装置B4によって第1遊星ギアP1及
び第2リングギアR2の回転は停止させられており、回
転数は「0」(図5ではN13)である。また、第2ブ
レーキ装置B2及び第3ブレーキ装置B3がオフされて
いるので、第2及び第3サンギアS2,S3の回転数
は、回転数N13と第2遊星ギアP2及び第3リングギ
アR3の回転数N1とを結ぶ延長線に沿って増速され
る。そして、この延長線と出力軸25に連結されている
第3遊星ギアP3の位置とが交差する点の回転数N14
が出力回転数となる。
【0051】このような実施形態では、1つのブレーキ
装置B4を追加するだけで前進6段の多段自動変速装置
を実現できる。 [第1、第2実施形態をベースにした変形例]図6、図
7及び図8に、前述の第1実施形態及び第2実施形態に
おける第1遊星歯車列の変形例及び第1遊星歯車列と第
2及び第3遊星歯車列との連結部分の変形例を簡単に示
す。
【0052】(1)図6に示す構成 図6(a)に示す構成は、第1及び第2実施形態におけ
る第1遊星歯車列21の部分のみを抽出して示してお
り、同図(b)はその速度線図(図5の一部を示したも
の)である。また、同図(c)は第1遊星歯車列21に
対して第2及び第3遊星歯車列22,23の影響をなく
すようにした例である。すなわち、前記各実施形態にお
いては、第1遊星歯車列の第1遊星キャリアCA1が第
2遊星歯車列22の第2リングギアR2に連結されてい
る。このため、変速段によっては第1遊星歯車列21が
出力側の影響を受け、第1サンギアS1が高回転になる
場合がある。
【0053】そこで、図6(c)に示す例では、第3ブ
レーキ装置B3を廃止して第1サンギアS1を常時固定
とし、第1遊星歯車列21の第1キャリアCA1と第2
遊星歯車列22の第2リングギアR2との間に第3クラ
ッチ装置C3を設けている。なお、他の構成は前記実施
形態と同様である。ここでは、第3クラッチ装置C3を
オンすることによって、各変速段における速度を図5で
示した速度線図で表わされるように制御することができ
る。また、第1遊星歯車列21と第2及び第3遊星歯車
列22,23との間で動力伝達を必要としない変速段に
おいて、第3クラッチ装置C3をオフする。この第3ク
ラッチ装置C3がオフの場合は、第1遊星歯車列21と
第2及び第3遊星歯車列22,23との間の連結が遮断
される。したがって、第1サンギアS1,第1遊星ギア
P1及び第1リングギアR1の回転は、すべての変速段
で同一の特性(図6(b))となる。すなわち、各構成
要素の回転数は常に入力回転数以下になる。
【0054】(2)図7に示す構成 図7(a)に示す構成は、第1及び第2実施形態におけ
る第1遊星歯車列21の部分の変形例を示している。こ
の例では、第1遊星歯車列21’の第1リングギアR1
が第2遊星歯車列22の第2リングギアR2に連結され
ている。また、第1遊星ギアP1は、第1リングギアR
1に噛み合う第1ピニオンギアP11と、第1ピニオン
ギアP11に噛み合う第2ピニオンギア12とから構成
されている。そして、各ピニオンギアP11,P12は
第1キャリアCA1に支持されており、この第1キャリ
アCA1が第3ブレーキ装置B3によって制動制御され
るようになっている。さらに、第1サンギアS1は、第
2ピニオンギアP12に噛み合うとともにタービン14
に連結されており、タービン14からの動力が直接入力
されるようになっている。
【0055】この場合は、各変速段における締結要素の
制御は前記各実施形態と同様に行われる。このときの、
第1遊星歯車列部分の速度線図を図7(b)に示してい
る。ここでは、第1遊星歯車列21’の入力回転数
「1」に対して、その出力回転数(第1リングギアR1
の回転数)は(1―ρ1)倍される。第2及び第3遊星
歯車列22,23における変速制御は前記各実施形態と
同様である。また、図7(c)は、図6(c)と同様
に、第1遊星歯車列21’に対して第2及び第3遊星歯
車列22,23の影響をなくすようにした例である。こ
の図7(c)に示す例では、第1キャリアCA1を常時
固定とし、第1遊星歯車列21’の第1リングギアR1
と第2遊星歯車列22の第2リングギアR2との間に第
3クラッチ装置C3を設けている。なお、他の構成は前
記実施形態と同様である。
【0056】ここでは、第3クラッチ装置C3をオンす
ることによって、各変速段における速度を図5及び図7
(b)で示した速度線図で表わされるように制御するこ
とができる。また、第1遊星歯車列21と第2及び第3
遊星歯車列22,23との間において動力伝達を必要と
しない変速段において第3クラッチ装置C3をオフす
る。これにより、第1サンギアS1,第1遊星ギアP1
及び第1リングギアR1の回転は、すべての変速段で同
一の特性(図7(b))となり、各構成要素の回転数は
常に入力回転数以下になる。
【0057】(3)図8に示す構成 図8(a)に示す構成は、第1及び第2実施形態におけ
る第1遊星歯車列21の部分の変形例を示している。こ
の例では、第1遊星歯車列21’’の第1リングギアR
1が第3ブレーキ装置B3によって制動制御されるよう
になっている。また、第1遊星ギアP1は、第1リング
ギアR1に噛み合うとともに、第2遊星歯車列22の第
2リングギアR2に連結されている。さらに、第1サン
ギアS1は、第1遊星ギアP1に噛み合うとともにター
ビン14に連結されており、タービン14からの動力が
直接入力されるようになっている。
【0058】この場合は、各変速段における締結要素の
制御は前記各実施形態と同様に行われる。このときの、
第1遊星歯車列部分の速度線図を図8(b)に示してい
る。ここでは、第1遊星歯車列21’’の入力回転数
「1」に対して、その出力回転数(第1キャリアCA1
の回転数)はρ1/(1+ρ1)倍される。第2及び第
3遊星歯車列22,23における変速制御は前記各実施
形態と同様である。また、図8(c)は、図6(c)と
同様に、第1遊星歯車列21’’に対して第2及び第3
遊星歯車列22,23の影響をなくすようにした例であ
る。この図8(c)に示す例では、第1リングギアR1
を常時固定とし、第1遊星歯車列21’の第1キャリア
CA1と第2遊星歯車列22の第2リングギアR2との
間に第3クラッチ装置C3を設けている。なお、他の構
成は前記実施形態と同様である。
【0059】ここでは、第3クラッチ装置C3をオンす
ることによって、各変速段における速度を図5及び図8
(b)で示した速度線図で表わされるように制御するこ
とができる。また、第1遊星歯車列21と第2及び第3
遊星歯車列22,23との間において動力伝達を必要と
しない変速段において第3クラッチ装置C3をオフす
る。これにより、第1サンギアS1,第1遊星ギアP1
及び第1リングギアR1の回転は、すべての変速段で同
一の特性(図8(b))となり、各構成要素の回転数は
常に入力回転数以下になる。
【0060】(4)なお、図6、図7及び図8に示す各
例に示す構成を、前記図2の構成に適用することができ
る。 [第3実施形態]図9に本発明の第3実施形態を示す。
この第3実施形態は、基本的には図1に示す第1実施形
態と同様であり、第1クラッチ装置C1に関連する構成
のみが異なる。
【0061】すなわち、この自動変速装置は、前記同様
に、トルクコンバータ2と変速機3とを有しており、こ
れらはハウジング4内に収納されている。トルクコンバ
ータ2は、トルクコンバータ本体10と、エンジンから
の動力を直接出力側に伝達するためのロックアップクラ
ッチ装置11とを有しており、このロックアップクラッ
チ装置11が、前記第1実施形態における第1クラッチ
装置C1としても機能している。すなわち、前記実施形
態と同様にエンジンからの動力がそのまま第1遊星歯車
列21の第1リングギアR1に入力されるとともに、ロ
ックアップクラッチ装置11(第1クラッチ装置C1)
がオンされることによって、第2遊星歯車列22の第2
遊星ギアP2と第3遊星歯車列23の第3リングギアR
3に入力されるようになっている。
【0062】その他の構成は第1実施形態と同様であ
る。この第3実施形態における動作及び変速比に関して
は、第1実施形態において示した図4及び図5と同様で
あるが、第1クラッチ装置C1をオンする変速段、すな
わち前進側の第3速、第4速及び第5速がエンジン側と
直結になり、トルクコンバータ本体は動力伝達に寄与し
ない。このような実施形態では、低速段のみしかトルク
コンバータを使用しない商用車等の重車両に有効に適用
できる。そして、クラッチ装置が2個のみであるばかり
か、そのうちの1つのクラッチ装置C1をトルクコンバ
ータ2の内部に設けているので、変速機3側のクラッチ
装置が1個となり、非常にコンパクトで簡素な構造とす
ることができる。
【0063】なお、このような構成は、第1実施形態だ
けではなく、他の実施形態にも同様に適用できる。 [第4実施形態]図10に本発明の第4実施形態を示
す。この第4実施形態は、前記各実施形態のそれぞれに
対して適用可能なものであり、変速機3の内部に設けら
れていた第1クラッチ装置C1あるいはロックアップ装
置11と兼用して設けられていた第1クラッチ装置C1
を、ロックアップクラッチ装置11とは別に、トルクコ
ンバータ2内部に設けたものである。
【0064】このような実施形態においても、前記同様
の作用効果を奏する。
【0065】
【発明の効果】以上のように本発明では、少ないクラッ
チ装置によって多段化が可能になり、構造が簡単にな
る。また、高速側の変速段の変速比をクロス化すること
ができ、手動変速に近い牽引特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の概略構成図。
【図2】本発明の第2実施形態の概略構成図。
【図3】各遊星歯車列の歯数比を示す図。
【図4】第1及び第2実施形態の各変速段における締結
要素の制御内容及び変速比を示す図。
【図5】第1及び第2実施形態の速度線図。
【図6】第1及び第2実施形態の変形例を示す図。
【図7】第1及び第2実施形態の変形例を示す図。
【図8】第1及び第2実施形態の変形例を示す図。
【図9】第3実施形態の概略構成図。
【図10】第4実施形態の概略構成図。
【符号の説明】
2 トルクコンバータ 3,30,40 変速機 10 トルクコンバータ本体 11 ロックアップクラッチ装置 12 フロントカバー 21 第1遊星歯車列 22 第2遊星歯車列 23 第3遊星歯車列 25 出力軸 S1 第1サンギア P1 第1遊星ギア CA1 第1キャリア R1 第1リングギア S2 第2サンギア P2 第2遊星ギア CA2 第2キャリア R2 第2リングギア S3 第3サンギア P3 第3遊星ギア R3 第3リングギア C1 第1クラッチ装置 C2 第2クラッチ装置 C3 第3クラッチ装置 B1 第1ブレーキ装置 B2 第2ブレーキ装置 B3 第3ブレーキ装置 B4 第4ブレーキ装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンからの動力を変速して出力軸に出
    力する自動変速装置であって、 エンジンからの動力が入力されるインペラと、前記イン
    ペラに対向して配置されたタービンと、前記インペラと
    タービンとの間に配置されたステータとを有する流体継
    手部と、 第1リングギアと、前記第1リングギアに噛み合う第1
    遊星ギアと、前記第1遊星ギアを支持する第1キャリア
    と、前記第1遊星ギアに噛み合う第1サンギアとからな
    る第1遊星歯車列と、 第2リングギアと、前記第2リングギアに噛み合う第2
    遊星ギアと、前記第2遊星ギアを支持する第2キャリア
    と、前記第2遊星ギアに噛み合う第2サンギアとからな
    る第2遊星歯車列と、 前記第2キャリアに連結された第3リングギアと、前記
    第3リングギアに噛み合う第3遊星ギアと、前記第3遊
    星ギアを支持するとともに前記出力軸に連結された第3
    キャリアと、前記第3遊星ギアに噛み合うとともに前記
    第2サンギアと同期して回転するように連結された第3
    サンギアとからなる第3遊星歯車列とを備え、 前記第1遊星歯車列の第1リングギア及び第1サンギア
    のいずれか一方が前記タービンに連結され、前記第1キ
    ャリア及び第1リングギアのいずれか一方が前記第2遊
    星歯車列の第2リングギアに連結されており、 前記流体継手部からの動力を前記第2キャリア及び第3
    リングギアに伝達及び遮断するための第1クラッチ装置
    と、 前記流体継手部からの動力を前記第1キャリア及び第1
    リングギアのいずれか他方と第2リングギアに伝達及び
    遮断するための第2クラッチ装置と、 前記第2サンギア及び第3サンギアの回転を制動するた
    めの第1ブレーキ装置と、 前記第2キャリア及び第3リングギアの回転を制動する
    ための第2ブレーキ装置と、 前記第1遊星歯車列の第1リングギア、第1キャリア及
    び第1サンギアのうちのいずれかの回転を制動するため
    の第3ブレーキ装置とをさらに備えた、自動変速装置。
  2. 【請求項2】前記第2リングギアの回転を制動するため
    の第4ブレーキ装置をさらに備えた請求項1に記載の自
    動変速装置。
  3. 【請求項3】前記第1遊星歯車装置においては、前記第
    1リングギア及び第1サンギアのうちの第1リングギア
    が前記タービンに連結されており、前記第1キャリア及
    び第1リングギアのうちの第1キャリアが前記第2リン
    グギアに連結されており、 前記第3ブレーキ装置は前記第1サンギアの回転を制動
    するものである、請求項1又は2に記載の自動変速装
    置。
  4. 【請求項4】前記第1遊星ギアは互いに噛み合う2つの
    ピニオンギアを含み、前記第1キャリアは前記2つのピ
    ニオンギアを支持するものであり、 前記第1遊星歯車装置においては、前記第1リングギア
    及び第1サンギアのうちの第1サンギアが前記タービン
    に連結されており、前記第1キャリア及び第1リングギ
    アのうちの第1リングギアが前記第2リングギアに連結
    されており、 前記第3ブレーキ装置は前記第1キャリアの回転を制動
    するものである、請求項1又は2に記載の自動変速装
    置。
  5. 【請求項5】前記第1遊星歯車装置においては、前記第
    1リングギア及び第1サンギアのうちの第1サンギアが
    前記タービンに連結されており、前記第1キャリア及び
    第1リングギアのうちの第1キャリアが前記第2リング
    ギアに連結されており、 前記第3ブレーキ装置は前記第1リングギアの回転を制
    動するものである、請求項1又は2に記載の自動変速装
    置。
  6. 【請求項6】前記第1クラッチ装置は前記流体継手部の
    出力部である前記タービンからの動力を前記第2キャリ
    アに伝達及び遮断するためのものである、請求項1から
    5のいずれかに記載の自動変速装置。
  7. 【請求項7】前記第1クラッチ装置は、前記流体継手部
    の入力部からの動力を前記流体継手部を介さずに前記第
    2キャリアに伝達及び遮断するためのものであり、エン
    ジンからの動力を前記タービンに伝達及び遮断するため
    のロックアップクラッチ装置を兼ねている、請求項1か
    ら5のいずれかに記載の自動変速装置。
  8. 【請求項8】エンジンからの動力を前記タービンに伝達
    及び遮断するためのロックアップクラッチ装置をさらに
    備え、 前記第1クラッチ装置は、前記ロックアップクラッチ装
    置とは別に、前記流体継手部の入力部からの動力を前記
    流体継手部を介さずに前記第2キャリアに伝達及び遮断
    するためのものである、請求項1から5のいずれかに記
    載の自動変速装置。
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