JPH10220321A - 高圧燃料ポンプユニット及び高圧燃料ポンプアセンブリー - Google Patents

高圧燃料ポンプユニット及び高圧燃料ポンプアセンブリー

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JPH10220321A
JPH10220321A JP10016169A JP1616998A JPH10220321A JP H10220321 A JPH10220321 A JP H10220321A JP 10016169 A JP10016169 A JP 10016169A JP 1616998 A JP1616998 A JP 1616998A JP H10220321 A JPH10220321 A JP H10220321A
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pump
plunger
high pressure
pressure fuel
fuel pump
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンププランジャーに作用する側荷重を効果
的に減少すること。 【解決手段】 高圧燃料ポンプユニット10は、プラン
ジャー122に働く側荷重を最小にすると共にプランジ
ャー122へ軸方向荷重を伝達するためにタペットアセ
ンブリー124とプランジャー122との間に位置され
る力伝達装置144を含む。力伝達装置144は、延長
部材146を含み、延長部材146とプランジャー12
2とは連結解除力伝達境界面169を介して当接されて
いる。従って、プランジャー122と延長部材146と
は相対的に横移動可能となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作動中のプランジャ
ーへの側荷重(サイドロード)を効果的に最小にするポ
ンププランジャーを含む、高圧燃料ポンプアセンブリー
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エンジンの燃料システムは、しばしば性
能やコストに最も影響するエンジン部品である。それゆ
え、内燃エンジン用の燃料システムには内燃エンジンの
開発に費された全労力のうちのかなりの部分を受けてい
る。この理由のため、今日のエンジン設計者は、既知の
燃料システム概念において非常に多種の選択肢と変更の
可能性を持っている。設計努力は典型的には、コスト、
サイズ、信頼性、性能、製造の容易さ、及び既存のエン
ジン設計との後ろ向きの互換性の間の非常に複雑で希薄
な妥協点を含んでいる。
【0003】今日のエンジン設計者にとって、挑戦すべ
き課題は、燃料効率の維持や改善と共に政府からの強制
的なエミッション削減基準値に対応するために、非常に
増大している。これらの基準を満たすために、より高い
噴射圧を達成することができる燃料システムを作ること
が必要である。非常に高い噴射圧を作ることができるひ
とつのシステムがPCT特許出願公開WO94/270
41で、本発明の譲受人に譲られている、タイトルがC
ompact High Performance F
uel System with Accumulat
orにおいて開示されている。この、アキュムレーター
ポンプタイプの燃料噴射システムは、別々の輸送管によ
り燃料パルスを各噴射装置に分配するために高圧アキュ
ムレーターの下流に配置された分配装置、即ち、ロータ
リーディストリビューターと、噴射のタイミングや調整
の決定のために、アキュムレーターと分配装置との間の
燃料回路にそって配置されたタイミング及び調量(メー
タリング)装置を含んでいる。高圧燃料ポンプは燃料を
エンジンに噴射するために、アキュムレーターの中の燃
料を非常に高圧に保つ働きをする。高圧ポンプは2つの
ポンプユニットを持ち、それぞれは、アキュムレーター
に接続されたポンプバレルの中に形作られたボアに往復
運動するようにマウントされたポンププランジャーによ
り構成されている。ポンププランジャーは、カムシャフ
ト、及びプランジャーとカムの間に配置されたそれぞれ
のタペットアセンブリーによって作動される。タペット
アセンブリーは、ポンプハウジングに、往復運動用にマ
ウントされている。タペットが往復運動するときにタペ
ットハウジングとポンプハウジングの間のスムーズな滑
り接触を保持するために、タペットガイド表面はポンプ
ケースの中に機械加工される。タペットガイド面とプラ
ンジャーボアは異なった部品に作られるために、製造や
部品の組み立てにおける固有の公差や調整の差が必然的
に、プランジャーとタペットアセンブリーのそれぞれの
往復運動の軸間のある程度のミスアラインメントを生じ
る。その結果、往復運動の間、プランジャーとタペット
はお互いに対して横運動(横移動)する傾向を持つこと
がある。このような相対的な横運動を許すためにプラン
ジャーの外端は、スライド可能境界面でタペットとスラ
イド可能に当接するボタンと当接するように位置され
る。スプリングリテイナーは、プランジャーをボタンに
当接するように付勢し、従って、ボタンをタペットに当
接するように付勢するバイアススプリングのスプリング
シートを形成すためにプランジャーの外端に留められ
る。スプリングリテイナーはタペットハウジングとは接
しない。この構成が、ボタンが、プランジャーとタペッ
トアセンブリーの往復運動中に当接しているタペット表
面上を横にスライドすることを許容する。しかしなが
ら、前記のポンプアセンブリーはそれぞれのバレルのボ
アの中でプランジャーが止まる傾向があるという結果と
なることがわかってきた。それに加えて、プランジャー
とボタンの間のスライド可能な境界面はプランジャーを
支えているバレルから不必要に大きな距離を置いて位置
されている。
【0004】エン他(Yen et al)に付与さ
れ、本出願の譲受人に譲渡されたUS特許No.5,4
04,855は、ローラータペットにつながれていない
高圧ポンププランジャーを変位させるためのカム駆動ロ
ーラータペットについて開示している。ポンププランジ
ャーは、ポンプチャンバー内の燃料圧だけでタペットに
当接するように付勢される。さらに、タペットバイアス
スプリングはローラータペットをカムと係合させるよう
に付勢するためポンププランジャーを囲む。しかしなが
ら、プランジャーとタペットアセンブリーとの当接は運
動サイクルの間、燃料圧によって保持されない。その
上、この参考資料は、ポンププランジャーとタペットバ
イアススプリングによる当接のためにポンププランジャ
ーとローラータペットの間に配置されたスプリングリテ
イナーの使用については開示していない。
【0005】ロング他(Long et al)に付与
され、本出願の譲受人に譲渡されたUS特許No.5,
072,709は、、インジェクターボディー内に往復
運動するようにマウントされたタイミングプランジャー
と圧縮力をタイミングプランジャーに伝達する連結部材
とを含むユニット型燃料噴射装置を開示している。タイ
ミングプランジャーはタイミングプランジャーに作用す
る油圧によって連結部材のフラットな面に当接状態に維
持されるフラットな外側面を含む。タイミングプランジ
ャーは機械的には連結部材とは連結されていない。タイ
ミングプランジャーの連結を解除することは、タイミン
グプランジャーに働くサイドロードを最小にし、そし
て、ロードからひきおこされるボア内のタイミングプラ
ンジャーの焼き付きやシージング(止まること)を防
ぐ。しかし、タイミングプランジャーと連結部材の間の
スライド可能境界面は、プランジャーを支えるバレルか
ら不必要に大きく離れて置かれれている。
【0006】英国特許出願2131873はポンププラ
ンジャー、カムフォロワ及びプランジャーをカムシャフ
トに向かって付勢するためのコイルスプリングを含むユ
ニット型燃料噴射機を開示している。英国特許出願20
79382は同様の燃料噴射ポンプアセンブリーの開示
に言及している。
【0007】結果として、ポンププランジャーの側荷重
を効果的に最小にする簡単で廉価な高圧燃料ポンプアセ
ンブリーの必要性がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既存
技術の不利な点を解消し、作動中のプランジャーに働く
側荷重を効果的に最小にするプランジャーを含む、高圧
燃料ポンプアセンブリーを提供することである。
【0009】本発明のもうひとつの目的は、燃料ポンプ
アセンブリーの使用のための、プランジャーの側荷重が
最小となる、交換可能な高圧燃料ポンプユニットの提供
である。
【0010】本発明のもうひとつの目的は、動作中のプ
ランジャーの焼付やシージングを減少する高圧燃料ポン
プアセンブリーの提供である。
【0011】本発明のさらなる目的とは、プランジャー
を駆動するメカニズムからプランジャーの連結を解除す
る高圧燃料ポンプアセンブリーの提供である。
【0012】本発明のさらなる目的は、バレル内に配置
されたプランジャーとプランジャーと駆動アセンブリー
との間で、横方向移動を許容する連結解除境界面とを有
し、連結解除境界面とプランジャーを支持するバレルの
外側端部の間の距離を最小とする高圧燃料ポンプアセン
ブリーの提供である。
【0013】本発明のさらにもうひとつの目的は、力伝
達装置によって作動されるプランジャーを有し、ポンプ
チャンバーに供給される加圧燃料がプランジャーを力伝
達装置との当接状態に維持する高圧燃料ポンプアセンブ
リーの提供である。
【0014】本発明のさらにもうひとつの目的は、プラ
ンジャーの側荷重、プランジャーのシージングの傾向を
減少させるための高価な燃料ポンプアセンブリーの再設
計をすることなく、ポンプヘッドとドライブシャフトを
含む既存の高圧燃料ポンプアセンブリーに後から改装可
能で交換可能な燃料ポンプユニットの提供である。
【0015】これらの、そして他の目的は、回転可能カ
ムシャフトにより作動されるタペットアセンブリーとこ
のタペットアセンブリーをカムシャフトへ係合するよう
に付勢するための内側放射状範囲(空間)を有する、燃
料ポンプアセンブリーに使用される交換可能な高圧燃料
ポンプユニットを提供することで達成される。この燃料
ポンプユニットはボアとこのボアの一部を形成する外端
を持つポンプバレルと、前進位置と後退位置との間の往
復運動のためにボアにマウントされたポンププランジャ
ーと、プランジャー上の側荷重を最小にすると共に、プ
ランジャーに軸方向荷重を伝えるためにタペットアセン
ブリーとプランジャーの間に配置された力伝達装置とを
含む。力伝達装置は、タペットアセンブリーからバイア
ススプリングの内側放射方向空間(範囲)に延出し、ポ
ンププランジャーの被駆動端に対して非連結当接状態に
位置されて連結解除力伝達境界面を形成する末梢支持端
を含んだ延長部材を含む。ポンププランジャーと延長部
材は、ポンププランジャーが前進位置にあるときに、ポ
ンプバレルの外端から空間的な軸方向距離を持つように
位置された連結解除力伝達境界面において、相対的に横
方向へ動くことができる。延長部材は、ポンプバレルの
外端と連結解除力伝達境界面との間の空間的軸方向距離
を最小にするために所定の軸方向長さを持って作られ
る。交換可能な高圧燃料ポンプユニットは、燃料ポンプ
アセンブリー上にポンプユニットを支持可能にマウント
するためにポンプバレルを囲むポンプリテイナーを含ん
でもよい。ポンプチャンバーは、プランジャーの被駆動
端を延長場材の末梢支持端と当接状態にに保持する加圧
燃料を受けるために、ボアの端部に形成される。延長部
材の末梢支持端は、プランジャーの外端と当接状態にお
いて単一ベアリング面に位置されたフラットな表面を含
むことができる。望ましくは、プランジャーが前進位置
まで動いたときに延長部材は全体的にベアリング面の一
方の側に位置し、バレルの外端と連結解除力伝達境界面
との間の空間的な軸方向距離を最小にすることを許容す
る。延長部材は、バイアススプリングによる当接のため
のシート表面と、バイアススプリングの横運動を抑える
ための環状の保持面とを含むことができる。延長部材
は、タペットアセンブリーへの潤滑油の出し入れのため
の潤滑油通路を含むであろう。潤滑油通路は、延長部材
に形成されたキャビティーと、延長部材を貫通して流体
的にキャビティーにつなぐための少なくとも1本の輸送
通路を含むことができる。輸送通路は延長部材の両側に
形成された2つの通路を含むであろう。さらに、延長部
材は末梢支持端の反対側に位置されたスプリング保持端
とスプリング保持端と末梢支持端とを結合する切頭円錐
(円錐台)形の中間部分を含んでもよい。そして、輸送
通路は中間部分に作られる。また、スプリング保持端
は、望ましくは、延長部材の横運動を防止するようにタ
ペットアセンブリー上にマウントされる。さらに加え
て、プランジャーは、バレルとほぼ同じ長さの軸方向の
長さを持つように設計されるであろう。そして、プラン
ジャーはセラミック材料で作られ、環状の溝のない外側
シリンダー状表面を含むであろう。
【0016】高圧燃料ポンプアセンブリーは、外側に開
いたポンプキャビティーを含むポンプハウジングと、ポ
ンプハウジングに回転可能にマウントされたカムシャフ
トと、外側に開いたポンプキャビティを閉じるようにポ
ンプハウジングにマウントされたポンプヘッドと、カム
シャフトの回転に応答してポンプキャビティー内での往
復運動用にマウントされたタペットアセンブリーと、タ
ペットアセンブリーをカムシャフトと当接するように付
勢するためのバイアススプリングと、の組合わされる前
述の交換可能な高圧燃料ポンプユニットを含む。
【0017】
【発明の実施の形態】図1と図2は、従来型の高圧燃料
ポンプアセンブリーに対する本発明による改良型の高圧
燃料ポンプアセンブリーの利点を明らかに示すために用
意されている。図1は、アキュムレーターポンプ型の燃
料噴射システムに組み込まれている従来型の高圧燃料ポ
ンプアセンブリーを示している。このようなシステムの
1つが、ここでは、参照として組み込まれている、名称
が「アキュムレーターを備えるコンパクトな高性能燃料
システム(Compact High Perform
ance Fuel System with Acc
omulator)」の、PCT特許出願公開WO94
/27041で開示されている。燃料ポンプアセンブリ
ー10は、外側に開いたキャビティー14、16を形成
するポンプハウジング12と、それぞれのキャビティー
14、16にマウントされた交換可能なポンプユニット
18、20とを含んでいる。燃料ポンプアセンブリー1
0は、外に開いたキャビティー14、16を閉じるため
に、ポンプハウジング12に固定マウントされているポ
ンプヘッド22をも含む。回転可能にマウントされたカ
ムシャフト24は、カム26、28を持ち、ポンプハウ
ジング12に延びており、タペットアセンブリー30、
32を介してポンプユニット18、20を作動する機能
を持っている。ポンプコントロールバルブ34、36
は、ポンプユニット18、20からそれぞれ送出された
高圧燃料の量を制御するためにポンプヘッド22にマウ
ントされている。その燃料は、たとえば、燃料噴射装置
を通して最終的ににはエンジンのシリンダーに送るため
のポンプヘッド22に作られた、例えばアキュムレータ
ーチャンバー(図示されていない)、に送られるもので
ある。
【0018】図2についてみると、燃料ポンプアセンブ
リー10の交換可能なポンプユニット18、20は、構
造的には同じである。それゆえ、ポンプユニット18の
みが以下において述べられるであろう。交換可能なポン
プユニット18は、ボア40を有するポンプバレル38
と、ポンプヘッド22にシール当接状態にバレル38を
固定するポンプリテイナー42と、ボア40内に往復運
動するようにマウントされたプランジャー44とを持
つ。プランジャー44の外端はボタン46を介してタペ
ットアセンブリー30によって往復運動駆動させる。プ
ランジャ44の外端は、球状に作られており、スプリン
グリテイナー50を通して、バイアススプリング48に
よりボタン46に作られた相補的な形状の表面と当接す
るように付勢されている。スプリングリテイナー50は
リテイニング(保持)リング52によってプランジャー
44の外端に連結されており、ボタン46とプランジャ
ー44の外端の回りにボタン46とリテイニングリング
52とを係合するように位置されている。タペットアセ
ンブリー30はタペットハウジング54を含み、スライ
ド可能力伝達境界面55を作るために、タペットハウジ
ング54はボタン46の外端に作られた相補的なフラッ
トベアリング面58による係合のためにフラットなベア
リング面56を持つ。このように、バイアススプリング
48は、連続的に軸方向力をプランジャー44の外端に
スプリングリテイナー50によって作用させる。それ
は、プランジャー44をボタン46と当接状態に保持
し、それにより、タペットアセンブリー30とプランジ
ャー44の往復運動中にタペットハウジング54にボタ
ン46を当接状態に保持するためである。
【0019】作動中、プランジャー44とタペットアセ
ンブリー30は、部品の製造や組立におけるの固有の公
差や位置合わせの差によって相互に横運動する傾向があ
るであろう。特に、タペットハウジング54は、タペッ
トアセンブリー30が往復運動するときにポンプハウジ
ング12に機械加工されたタペットガイド面によってガ
イドされる。タペットガイド面とバレル38のボア40
は、異なった部品で作られるために避けられないある程
度のミスアラインメントがプランジャー44とタペット
アセンブリー30のそれぞれの往復運動の軸の間に存在
する。そして、結果として、相対的にわずかな横方向の
運動を起こす。このような横運動は、スライド可能境界
面55により可能となり、ベアリング面58に対するベ
アリング面56の横運動を結果としてもたらす。スプリ
ングリテイナー50は、タペットハウジング54から軸
方向と横方向との両方に離間される。スプリングリテイ
ナー50は、タペットハウジング54と接触していない
ため、バイアススプリング48の外端、スプリングリテ
イナー50、ボタン46は、タペットハウジング54と
ベアリング面56に対してどんなミスアラインメントを
も補償するために横にシフトすることが許容される。
【0020】図1と図2の従来型燃料ポンプアセンブリ
ー10は、タペットハウジング54とプランジャー44
との間の横運動を許容するが、この従来の設計は、プラ
ンジャー44の過度の側荷重を結果として引き起こし、
その側荷重は、運転中に望ましくない、プランジャーの
焼付やシージングを引き起こす。プランジャー44にか
かる過度の側荷重は、少なくとも3つの設計特性から引
き起こされる。第一に、スプリングリテイナー50は、
プランジャー44に堅く連結されており、また、堅くボ
タン46に当接している、それゆえ、バイアススプリン
グ48及び/又は、スプリングリテイナー50によって
かかるあらゆる横方向力、即ち、スプリングダイナミク
ス(spring dynamics )がフランジ44の外端に直接伝
達され得る。第二に、バイアススプリング48、スプリ
ングリテイナー50、及びボタン46のプランジャー4
4の外端への取付は、慣性質量を作り出し、プランジャ
ー44上へのあらゆる横方向に導かれた力の悪影響を増
加させる傾向がある。第三に、スライド可能力伝達境界
面55は、プランジャー44を支えているバレル38の
外端から不必要に大きな距離を置いて位置されている。
結果として、プランジャー44の外端に作用する横力や
側荷重は、プランジャーの外端とバレルの外端との間の
不必要な距離、即ち、モーメントアーム、によってプラ
ンジャー/バレルの境界面に好ましくない大きな側荷重
をつくり出す。例えば、前進位置においては、バレル3
8の外端とスライド可能力伝達境界面55との間の距離
と同じ長さ(D1 と示される)のモーメントアームを通
して、側荷重が作用される。後退位置においては、プラ
ンジャー44の外側部分に作用する横力によって引き起
こされるバレル38に対するプランジャー上の側荷重
は、距離D2 と同じ長さのモーメントアームを通して作
用しうる。
【0021】図3に関していうと、前述の従来技術によ
る燃料ポンプアセンブリーの不利な点は、本発明による
改良型高圧燃料ポンプアセンブリーによって最小化され
る。図3は、交換可能な高圧燃料ポンプユニット102
と104を組み込んだ、改良型高圧燃料ポンプアセンブ
リー100を概略的に図示している。それぞれの交換可
能な高圧燃料ポンプ102、104は、ポンプユニット
凹部108に置かれた、ポンプリテイナー106を含
み、このポンプリテイナー106はポンプハウジング
(図示されていない)によって作られるキャビティ中に
外方へ延出している。図3には示されていないが、改良
型の高圧燃料ポンプアセンブリー100は、図1と図2
で開示されたと同様のポンプハウジングとカムシャフト
アレンジメント(構造)を含む。ポンプリテイナー10
6は、キャビティ110を形成するように、ほぼシリン
ダー状で、ポンプユニット108の内側面上に形成され
る相補的なねじと噛合するために、外側にねじ(雄ね
じ)を持つ上側部分112を含む。リテイナー106
は、ポンプキャビティに延出するより小さな直径部分1
14を含む。ポンプユニット102は、キャビティ11
0にマウントされた、リテイナー106が凹部108に
完全にねじこまれた時に、ポンプヘッド118に形成さ
れた環状の表面に対して圧縮当接関係に維持されるポン
プバレル116を含む。バレル116は、それを貫通す
るように延出する中心ボア120を含む。ポンプユニッ
ト102は、ポンプユニット102で示された前進位置
と、ポンプユニット104で示された後退位置との間の
運動のためにボア120に往復運動するようにマウント
されたプランジャー120を含む。
【0022】タペットアセンブリー124は、ポンプハ
ウジング(図示されていない)に形成されたタペットガ
イド面に沿って往復運動するのに適するタペットハウジ
ング126を含む。タペットアセンブリー124は、ボ
ア132を貫通し、このボア132の両側のタペットハ
ウジング126上に形成された孔134に延出するピン
130によりハウジンズ126に回転可能に取り付けら
れたカムローラー128を含む。タペットハウジング1
26は、内側支持面140を持つ凹部138を形成する
ようにポンプヘッド118方向に延出した環状のスカー
ト136を含む。コイルバイアススプリング142は、
リテイナー106に対して一端で当接するように置か
れ、タペットアセンブリー124を反対側においてそれ
ぞれのカムと当接するように付勢する。
【0023】高圧燃料ポンプユニット102はさらにタ
ペットアセンブリー124とプランジャー122との間
に置かれ、プランジャー上の側荷重を最小にすると共に
軸方向荷重をプランジャー122に伝えるための力伝達
装置144をも含む。力伝達装置144は、タペットハ
ウジング126の内側の支持面140と軸方向に当接す
るように位置されたスプリング保持端148を含む延長
部材146を含む。スプリング保持端148は延長部材
146の横方向運動を防ぐように環状スカート136の
内径に対応して大きさが決められる。スプリング保持端
148は、バイアススプリング142の外端を受け止め
るためのスプリングシート面150と横運動に対してバ
イアススプリング142を留めるような大きさの環状保
持面152とを含む。
【0024】延長部材146は、プランジャー122に
よる当接のための末梢支持端154と、スプリング保持
端148と末梢支持端154との間に延出する伸びる中
間部分156と、を含む。中間部分156は、より小さ
い末梢支持端154に向かって角度を付けて延出するよ
うにほぼ円錐台形(切頭円錐形)に形成されている。潤
滑油回路は、158で示されており、タペットアセンブ
リー124の構成部品に形成された様々な潤滑油通路1
59を含む。さらに、潤滑油回路158は、タペットハ
ウジング126内に形成されたオープニング(開口)1
62との連絡用のキャビティ160を含む。潤滑油回路
158は、円錐台形の中間部分156上に互いに向かい
合うように形成された2つの通路164、166をも含
む。通路164、166はタペットアセンブリー124
と延長部材146が作動中に往復運動する時に、オープ
ニング162からキャビティー160を介する凹部13
8への潤滑油の流れと、凹部138からキャビティ16
0を介するオープニング162への潤滑油の逆の流れを
許容するような働きを持つ。このデザインは最適な潤滑
と冷却の効果を達成するための燃料ポンプアセンブリー
を通る潤滑油の最適な流れを結果としてもたらす。
【0025】延長部材146の末梢支持端154は、連
結解除力伝達境界面169を形成するために、プランジ
ャー122の被駆動端上に形成されたフラットな面と当
接するためのフラットな上面168を含む。ボア120
に形成されたポンプチャンバー170内の燃料圧による
プランジャーの内端に作用する燃料圧から生じる力によ
り、往復運動中、プランジャー122はフラット面16
8に対して当接状態に保持される。プランジャー122
の引込み(後退)ストローク中、ポンプチャンバー17
0に供給される燃料の圧力は、タペットアセンブリー1
24の引込み(後退)速度にかかわらず、すべてのエン
ジンスピードにおいて、フラット面168に対して当接
状態にプランジャー122を保持するに充分なレベルに
保たれる。
【0026】本発明の改良型高圧燃料ポンプアセンブリ
ー100は、既存技術の欠点をいろいろな方法で克服す
る。第一に、プランジャー122は、連結解除力伝達境
界面169を除いて、いかなる方法でも延長部材部14
6には連結されていない。連結解除力伝達境界面169
は、フラット面168とプランジャー122上に形成さ
れたフラット面との非連結当接により形成されるため、
連結解除力伝達境界面169は、プランジャー122
と、延長部材146との間の邪魔されない相対的な横運
動を許容し、例えば、位置合わせ差による往復運動中に
プランジャー122に伝達される側荷重を最小化する。
連結解除力伝達境界面169以外の残余部品例えばスプ
リングリテイナーとスプリングからのプランジャー12
2を連結解除することによって、振動のような他の横力
の伝達は最小化される。プランジャー122の残余部品
からの連結解除は、また、プランジャーの外端に結合さ
れた慣性質量を減少させ、それゆえ、側荷重を最小化さ
せる。本発明は、重要なことに、連結解除力伝達境界面
169とバレル116の外端との距離を、プランジャー
122が引込み位置と前進位置の両方にある時に、減少
しかつ最小化する。例えば、前進位置において距離
1 ’はプランジャー122を支えるバレル116の外
端と連結解除力伝達境界面169との間の最小の軸方向
距離を示す。ポンプユニット104に示されるように、
引込み位置において、距離D2 ’は図1及び図2の従来
のアセンブリーに比例して、連結解除力伝達境界面16
9とバレル116の外端との間の減少された距離を示
す。力伝達装置144は、前進位置の時においてタペッ
トハウジング126の内側支持面140とバレル116
の外側端との間の、全体の軸方向の距離を実質的に占め
るに充分な、所定の軸長さを延長部材146に提供する
ことでこの利点を達成する。結果として、プランジャー
122の外端上の側荷重により連結解除力伝達境界面1
69とバレル116の外端との距離に等しいモーメント
アームを通して作用するバレル116でのトルクの影響
は、トルクの影響をつくり出す距離即ち、モーメントア
ームを最小化することにより最小化されるであろう。例
えば、連結解除力伝達境界面169は、側荷重を最小化
するにもかかわらず、プランジャー122への最小側荷
重は、連結解除力伝達境界面169でのフラット面16
8とプランジャー122の外端との摩擦力によって起こ
りうる。こうして、これらの摩擦荷重によるトルクの影
響は、モーメントアーム、即ちD1 ’とD2 ’を最小化
することによりこうして最小化されるであろう。このよ
うに、本発明は、プランジャー122を残余部品との連
結から完全に解除すると共に連結解除力伝達境界面16
9を提供することによりプランジャー122の側荷重を
最小化し、非連結力伝達境界面169とバレル116の
外端との距離を最小化し、それゆえ、あらゆる側荷重の
てこの影響をも最小化し、プランジャーの往復運動中に
バレル116によるプランジャー122に与えられる支
持を最大化するように相互に作用をする。本発明アセン
ブリーは、既存のシステムのコストのかかる再設計をす
ることなく、プランジャーの側荷重の効果的な最小化を
許容するように、既存の燃料ポンプアセンブリーに後か
ら簡単に取り付けできうる簡単で低コストの装置として
働く。
【0027】本発明の高圧燃料ポンプユニットとアセン
ブリーは、高圧燃料システムのためのあらゆる往復運動
型の高圧ポンプアセンブリーにおいてプランジャーの側
荷重を最小化するために使われるであろう。しかし、特
に既存の高圧燃料システムに後から取り付けるアセンブ
リーとして有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の高圧燃料ポンプアセンブリーの断面の一
部である。
【図2】交換可能なポンプユニットとタペットアセンブ
リーを含む、図1の従来の高圧燃料ポンプアセンブリー
の分解断面図である。
【図3】交換可能なポンプユニットとタペットアセンブ
リーを含む本発明の高圧燃料ポンプアセンブリーの一部
分の分解断面図である。
【符号の説明】
10、100 ポンプアセンブリー 18、20、102、104、108 高圧燃料ポン
プユニット
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 59/26 330 F02M 59/26 330J 59/44 59/44 J B

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交換可能な高圧燃料ポンプユニットで
    あって、 回転可能なカムシャフトにより作動されるタペットアセ
    ンブリーと、前記タペットアセンブリーを前記カムシャ
    フトと係合するように付勢するための内側放射方向空間
    を有するバイアススプリングとを備える燃料ポンプアセ
    ンブリーに使用される交換可能高圧燃料ポンプユニット
    であって、 ボアと前記ボアの一部を形成する外端を有するポンプバ
    レルを備え、 前進位置と引込位置との間を往復運動するために前記ボ
    ア内にマウントされたポンププランジャーを備え、前記
    ポンププランジャーは被駆動端を含み、 前記ポンププランジャーへの軸方向荷重を伝達すると共
    に前記ポンププランジャーへの側荷重を最小とするため
    に前記タペットアセンブリーと前記ポンププランジャー
    との間に位置される力伝達手段を備え、前記力伝達手段
    は、前記タペットアセンブリーから前記バイアススプリ
    ングの内側放射方向空間へ延出する延長部材を含み、前
    記延長部材は、前記ポンププランジャーの前記被駆動端
    に非連結状態に位置されて連結解除力伝達境界面を形成
    する末梢支持端を有し、前記ポンププランジャーと前記
    延長部材とは前記連結解除力伝達境界面において相対的
    に横運動可能であり、前記連結解除力伝達境界面は、前
    記ポンププランジャーが前記前進位置にある時に、前記
    ポンプバレルの前記外側端から離間された軸方向距離に
    位置し、前記延長部材は前記ポンプバレルの前記外側端
    と前記連結解除力伝達境界面との間の前記離間された軸
    方向距離を最小とするように所定の軸方向長さを備え
    る、交換可能高圧燃料ポンプユニット。
  2. 【請求項2】 さらに、燃料ポンプアセンブリー上に
    ポンプユニットを支持的にマウントするために、前記バ
    レルを囲むポンプリテイナーを含む、請求項1の交換可
    能高圧燃料ポンプユニット。
  3. 【請求項3】 加圧燃料を収容するために前記ボアの
    一端に形成されたポンプチャンバーを更に有し、この燃
    料の圧力は前記ポンププランジャーの前記被駆動端を前
    記延長部材の前記末梢支持端との当接状態に維持する、
    請求項1の交換可能高圧燃料ポンプユニット。
  4. 【請求項4】 前記延長部材の前記末梢支持端が前記
    プランジャーの前記外端との当接状態において単一ベア
    リング面に位置されたフラット面を含み、前記延長部材
    が前記ベアリング面の一方の側に全体的に位置されてい
    る請求項2の交換可能高圧燃料ポンプユニット。
  5. 【請求項5】 前記延長部材はバイアススプリングに
    よる当接のためのシート表面と、バイアススプリングの
    横方向移動を防ぐ環状保持表面とを有する、請求項4の
    交換可能高圧燃料ポンプユニット。
  6. 【請求項6】 前記延長部材は、潤滑油をタペットア
    センブリーへ及びタペットアセンブリーから送るための
    潤滑油通路を有する、請求項1の交換可能高圧燃料ポン
    プアセンブリー。
  7. 【請求項7】 前記延長部材は、前記末梢支持端とは
    反対側に位置されるスプリング保持端と、前記スプリン
    グ保持端と前記末梢支持端とを接続する円錐台形の中間
    部分とを有し、前記潤滑油通路は前記円錐台形中間部分
    に形成される、請求項6の交換可能高圧燃料ポンプアセ
    ンブリー。
  8. 【請求項8】 前記プランジャーが前記バレルとほぼ
    同じ長さである、請求項1の交換可能高圧燃料ポンプユ
    ニット。
  9. 【請求項9】 前記プランジャーがセラミック材料で
    形成されている、請求項1の交換可能ポンプユニット。
  10. 【請求項10】 前記プランジャーが環状溝のない外
    側シリンダー状面を含む、請求項9の交換可能高圧燃料
    ポンプユニット。
  11. 【請求項11】 高圧燃料ポンプアセンブリーであっ
    て、外側に開いたポンプキャビティー含むポンプハウジ
    ングを有し、 前記ポンプハウジング内に回転可能にマウントされたカ
    ムシャフトを有し、 前記外側に開いたポンプキャビティを閉じるようにポン
    プハウジングにマウントされたポンプヘッドを有し、 前記カムシャフトの回転に応答して、前記ポンプキャビ
    ティー内で往復運動するようにマウントされたタペット
    アセンブリーを有し、 前記ポンプヘッドにマウントされると共にボアを含むポ
    ンプバレルを有し、 前記ポンププランジャーは被駆動端を有し、 前記ボア内で往復運動するようにマウントされたポンプ
    プランジャーを有し、 前記プランジャーへ軸方向荷重を伝達すると共に前記プ
    ランジャーへの側荷重を最小とするために前記タペット
    アセンブリーと前記プランジャーとの間にマウントされ
    た力伝達手段を有し、前記力伝達手段は前記バイアスス
    プリングの内側放射方向空間内へ延出する延長部材を含
    み、前記延長部材は前記ポンププランジャーの前記被駆
    動端に非連結当接状態に位置されて連結解除力伝達境界
    面を形成する末梢支持端を含み、前記ポンププランジャ
    ーと前記延長部材とは前記連結解除力伝達境界面で相対
    的に横方向移動可能であり、 潤滑油フローを前記燃料ポンプアセンブリーに提供する
    ための潤滑油回路を有し、前記潤滑油回路は、前記延長
    部材に形成された少なくとも一つの通路を含む、高圧燃
    料ポンプアセンブリー。
  12. 【請求項12】 さらに、前記ポンプバレルを前記ポ
    ンプヘッド上に支持的にマウントするための前記バレル
    を囲むポンプリテイナーをふくむ、請求項11の高圧燃
    料ポンプアセンブリー。
  13. 【請求項13】 さらに、加圧燃料を収容するための
    ボアの一端に作られたポンプチャンバーをさらに含み、
    燃料圧が前記プランジャーの前記被駆動端を前記延長部
    材の前記末梢支持端と当接状態に保持する、請求項11
    の高圧燃料ポンプアセンブリー。
  14. 【請求項14】 前記延長部材の前記末梢支持端が前
    記プランジャーの前記外端との当接状態にある単一ベア
    リング面に位置されたフラット面を含み、前記延長部材
    が前記ベアリング面の一方の側に全体的に位置されてい
    る、請求項11の高圧燃料ポンプアセンブリー。
  15. 【請求項15】 前記延長部材が前記バイアススプリ
    ングによる当接のためのシート面と、前記バイアススプ
    リングの横運動を防止すめるための環状保持面を含む、
    請求項14の高圧燃料ポンプアセンブリー。
  16. 【請求項16】 前記プランジャーがセラミック材料
    で作られ、環状溝のない外側シリンダー状の面を含む、
    請求項11の高圧燃料ポンプアセンブリー。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つの通路が前記延
    長部材に形成されたキャビティと、前記延長部材を通り
    前記キャビティと流体的に結合するために延出している
    少なくとも一つの輸送通路と、を有する、請求項11の
    高圧燃料ポンプアセンブリー。
  18. 【請求項18】 前記少なくとも1つの輸送通路が前
    記延長部材の両側に作られた2つの通路を含む、請求項
    17の高圧燃料ポンプアセンブリー。
  19. 【請求項19】 前記延長部材が前記末梢支持端の反
    対側に位置されたスプリング保持端と前記スプリング保
    持端と前記末梢支持端とを接続する円錐台形の中間部分
    とを含み、前記少なくとも1つの輸送通路が前記中間部
    分に形成された、請求項17の高圧燃料ポンプアセンブ
    リー。
  20. 【請求項20】 前記シート面が、前記延長部材のス
    プリング保持端に形成され、スプリング保持端が前記延
    長部材の横方向移動を防ぐように前記タペットアセンブ
    リーに、マウントされる、請求項15の高圧燃料ポンプ
    アセンブリー。
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