JP3783147B2 - 分配型燃料噴射ポンプ及び動力伝達装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、機関に燃料を供給する分配型燃料噴射ポンプ、特に機関と同期して回転するロータにプランジャを径方向に摺動自在に設け、このプランジャをカムリングのカム面を移動させることによって往復動させることでロータに形成された圧縮室の容積を変化させる形式の分配型燃料噴射ポンプ(内面カム式燃料噴射ポンプ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
内面カム式の分配型燃料噴射ポンプは、例えば、特開昭59−119056号公報、特開昭60−79152号公報、特開平3−175143号公報等に示されているように、燃料分配回転部材4(ロータ)の周囲に同心状のインナカム1(カムリング)を配置し、このインナカム1の内側に形成されたカム面に転動体等を介して圧送プランジャ21、22をあてがい、圧送プランジャ21、22を燃料分配回転部材4の径方向に往復動するようにしている。燃料分配回転部材4には、圧送プランジャ21、22により容積が変化するポンプ室2(圧縮室)と、吸入工程時にポンプ室2へ燃料を吸入する吸入孔51乃至54、圧送工程時にポンプ室2で加圧された燃料を送出する分配ポート6、および燃料送出をカットオフする溢流ポート71乃至74が形成されている。また、燃料分配回転部材4には、溢流ポート71乃至74を覆うようにリング状部材7(コントロールスリーブ)が外嵌されており、このリング状部材7を軸方向へ動かすことで、圧送工程時のカットオフ時期を変更し噴射量を可変できるようになっている。
【0003】
このような噴射ポンプの回転部材に回転動力を供給する動力伝達系としては、機関のクランクシャフト、吸排気弁用カムシャフト、噴射ポンプの駆動シャフトのそれぞれに装着されたドライブプーリをタイミングベルトで連結し、このタイミングベルトに所定のテンションをかけて機関の駆動力を確実に噴射ポンプの駆動シャフトに供給すると共に、機関のピストンと吸排気弁との動作タイミングを最適な状態で維持するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、噴射ポンプにあっては、噴射性能を高めるために、回転部材とこれに摺接する部材とのクリアランスに微妙な調整が必要とされる。このような摺接部分の潤滑は、圧縮するための燃料そのものを潤滑油として使用するため、十分に不純物を取り除いた燃料が用いられる。その管理は十分に行われるものであるが、仮に微細な異物が噴射ポンプ内に流入されてこれが回転部材の摺接部分に侵入すると、回動部材の摺接面を傷つけ、円滑な摺接が損なわれて回動部材がこれと摺接する部材に焼き付き、回動部材の回転運動を拘束してしまう恐れがある。
【0005】
また、何らかの原因で回転部材やこれと摺接する部材が変形した場合にも、予め設定された摺接部分のクリアランスが保たれなくなり、同様にスティックの可能性がある。
【0006】
このような回動部材のスティックは、通常起こるものではないが、万が一生じた場合には、機関への燃料噴射が停止されてしまうので機関も停止するが、噴射ポンプの回転軸の焼き付き(スティック)と同時に機関が即座に停止するわけではないので、噴射ポンプの駆動シャフトがロックして停止しているにもかかわらず、クランクシャフトからタイミングベルトに無理やり駆動力がかかり、タイミングベルトの歯飛びが生じてしまう。これによりクランクシャフトと吸排気弁用カムシャフトとの位相がずれ、機関のピストンと吸排気弁との動作タイミングがずれてこれらが干渉し、機関に大きな損傷を与える可能性がある。万が一にもこのような事態が生ずれば、噴射ポンプのみならず、機関そのものの大修理を余儀なくされる結果となる。
【0007】
そこで、この発明においては、生じ得る上記事態に備え、万が一噴射ポンプの回転系部材が焼き付いた場合には、噴射ポンプ側のみの破損にとどめ、機関の破損の恐れを大幅に低減することができる分配型燃料噴射ポンプとこれに動力を伝達する動力伝達装置とを提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために本願発明にかかる分配型燃料噴射ポンプは、機関からの動力を受けて回転し、ハウジングの内部で回転自在に支持される回転系部材と、前記回転系部材の径方向に摺動自在に設けられ、前記回転系部材に形成された圧縮室の容積を可変するプランジャと、前記回転系部材の周囲に同心状に設けられ、前記回転系部材の回転に伴って前記プランジャを前記回転系部材の径方向へ往復動させるカムリングとを備え、前記回転系部材に強度が相対的に弱い脆弱部を設け、この脆弱部は、前記回転系部材との摺接部分を動力供給側と反対側に残す位置に形成されると共に前記摺接部分の最も駆動軸寄りの位置に形成され、前記回転系部材の前記動力供給側と反対側の部分で回転が阻害された場合に前記動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに破断されるものであることを特徴としている(請求項1)。また、本願発明にかかる分配型燃料噴射ポンプは、機関からの動力を受けて回転し、ハウジングの内部で回転自在に支持される回転系部材と、前記回転系部材の径方向に摺動自在に設けられ、前記回転系部材に形成された圧縮室の容積を可変するプランジャと、前記回転系部材の周囲に同心状に設けられ、前記回転系部材の回転に伴って前記プランジャを前記回転系部材の径方向へ往復動させるカムリングと、前記回転系部材に摺接可能に外嵌されて軸方向の相対位置を調節することによって噴射量を制御するコントロールスリーブとを備え、前記回転系部材に強度が相対的に弱い脆弱部を設け、この脆弱部は、前記回転系部材との摺接部分を動力供給側と反対側に残す位置に形成されると共に前記摺接部分の最も駆動軸寄りの位置に形成され、前記回転系部材の前記動力供給側と反対側の部分で回転が阻害された場合に前記動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに破断されるものであることを特徴としている(請求項2)。
【0009】
このような分配型燃料噴射ポンプに動力を伝達する動力伝達装置は、上述の分配型噴射ポンプの回転系部材にドライブプーリを設け、このドライブプーリと機関のクランクシャフトに装着されたドライブプーリとを伝達部材によって連結し、機関の動力を伝達部材を介して分配型噴射ポンプの回転系部材に伝達するものであり(請求項4)、伝達部材としては、各ドライブプーリに噛み合う歯付きベルト(タイミングベルト)や歯車等が用いられる。
【0010】
したがって、噴射ポンプの回転系部材には、動力が供給される側と反対側に摺接部分を残して脆弱部が形成されているので、脆弱部から見て動力が供給される側と反対側の摺接部分が回転系部材の回転中に何らかの原因で焼き付き、回転が拘束された場合には、回転系部材全体に回転を拘束する力がかかり、機関からの動力の伝達が阻害されようとするが、動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに脆弱部が破断され、回転系部材の全体がロックしてしまう事態が回避される。よって噴射ポンプは回転系部材の破損で燃料の噴射機能が損なわれるが、回転系部材の全体がロックして伝達部材が破損し、結果として機関の故障を誘発するような事態を避けることができる。
【0011】
ここで、噴射ポンプの回転系部材は、機関の動力が伝達される駆動シャフトと、この駆動シャフトに連結されて前記コントロールスリーブが摺接可能に外嵌されるロータとによって構成される場合が多いが、この場合には、前記脆弱部を、ロータに形成されたくびれによって構成し、ロータと摺接する全ての部分を前記動力供給側と反対側に残すような位置に形成すると共に前記ロータと摺接する全ての部分の最も駆動軸寄りの位置に形成するとよい(請求項3)。ロータに形成されるくびれは、ロータ表面を切削して形成された環状溝などによって構成すればよい。
【0012】
このような構成によれば、ロータとの摺接部分がロータを支持する部材やコントロールスリーブとの間に形成されるが、脆弱部から見てロータと摺接する全ての部分が動力供給側と反対側に設けられているので、摺接部分のどの部分で焼き付きが生じてもロータをくびれ部分で破断させることができ、動力供給側の回転が噴射ポンプの焼き付きで阻害されることがなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。図1及び図2において、内面カム式の分配型燃料噴射ポンプが示され、分配型燃料噴射ポンプ1は、ポンプハウジング2に駆動軸(ドライブシャフト)3が挿入され、ポンプハウジング2の外部に突出した駆動軸(ドライブシャフト)3の一端にドライブプーリ4が取り付けられている。このドライブプーリ4は、機関のクランクシャフト5に装着されたドライブプーリ6や吸排気弁用カムシャフト7に装着されたドライブプーリ8と共に歯付きベルト9によって連結されて動力伝達系を構成しており、この系は、歯付きベルト9にテンションをかけて、機関の動力を吸排気弁用カムシャフト7や駆動軸(ドライブシャフト)3に伝達すると共に各シャフトを所定の位相関係を維持しながら回転させるようにしている。
【0014】
噴射ポンプ1の駆動軸3にはポンプハウジング2の内側においてフィードポンプ10が外装され、このフィードポンプ10によりハウジング内に供給される燃料を幾分加圧した状態で燃料チャンバ11へ送るようになっている。ポンプハウジング2は、駆動軸3が挿通された第1のハウジング部材2aと、この第1のハウジング部材2aに組付けられ、送出弁12等が設けられたハウジング部材2bと、このハウジング部材2bの開口部を閉塞してロータ13の延長線上に設けられたハウジング部材2cとからなり、燃料チャンバ11は、ハウジング部材2bに挿嵌されたロータ支持部材14で囲まれた空間によって形成されており、この燃料チャンバ11はガバナハウジング15によって画成されるガバナ収納室と連通している。
【0015】
ロータ13は、ロータ支持部材14に形成された挿通孔16に油密よく且つ回転自在に支持されており、その基端部13aがカップリング(連結部)17を介して駆動軸3に連結され、駆動軸3の回動に伴って回転のみが許されるようになっている。このロータ13の基端部13aには、径方向(放射方向)にプランジャ18が摺動自在に挿入されている。このプランジャ18は、同一面上に180度(又は、90度)の間隔をおいて2つ(又は、4つ)設けられており、それぞれのプランジャ18の先端は、ロータ13の基端部中央に設けられた圧縮室19を閉塞するように臨み、該プランジャ18は、シュー20及びローラ21を介してカムリング22の内面を摺接するようになっている。このカムリング22は、ロータ13の周囲に同心状に設けられたリング状のもので、機関の気筒数に対応したカム面が内側に形成され、ロータ13が回転すると、各プランジャ18がロータ13の径方向(放射方向)に往復動し、圧縮室19の容積を可変するようになっている。
【0016】
即ち、カムリング22は、4気筒に対応して形成されているものであれば、カムリング22の内側に凸曲面が90度毎に形成されており、したがって、2つ(又は、4つ)のプランジャ18は、圧縮室19を挟み付けるように同時に移動し、またカムリング22の中心から同時に遠ざかるようになっている。
【0017】
ロータ13の基端部13aとロータ支持部材14との間にはワッシャ23が設けられ、ロータ13が直接ロータ支持部材14に摺接するのを避け、ワッシャ23の両面に摺接部分を形成することでロータ13の磨耗を低減するようにしている。また、ロータ13の基端部13aと駆動軸3との連結部17にはスプリング収納室25が形成され、このスプリング収納室25に弾装されたスプリング26によってロータ13を駆動軸3から遠ざける方向に常時付勢するようにしている。
【0018】
図示しない燃料流入口からハウジング内に流入される燃料は、ロータ支持部材14の周囲に形成される空間、カムリング22とロータ13との間に形成される空間、カップリング17の周囲等を介してフィードポンプ10の吸引側に導かれるようになっており、フィードポンプ10によって圧縮された燃料は、ポンプハウジング2とこれに組付られるガバナハウジング15とに形成される通路27を介してガバナ収納室に導かれるようになっている。
【0019】
ロータ13には、図3にも示されるように、その軸方向に形成されて圧縮室19に通じる縦孔28、この縦孔28に連通し、ロータ13の周面に開口する流出入ポート29、及び、一端が前記縦孔28に接続され他端がロータ支持部材14やハウジング部材2bに形成された燃料送出通路30と断続的に連通する分配ポート31が形成されている。
【0020】
ロータ13に形成された流出入ポート29は、気筒数に対応した数だけ等間隔に位相をずらして形成され、燃料チャンバ11に位置する部分でロータ13の表面に開口し、この開口部分がロータ13に油密よく外嵌されたコントロールスリーブ32によって覆われている。このコントロールスリーブ32には、上部表面の周方向に所定の角度範囲にわたって第1の係合溝33が形成され、この係合溝33には、エレクトリックガバナのシャフト34の先端に形成されている係合ボール35が係合されている。この係合ボール35は、シャフト34に対して偏心して設けられており、外部からの信号によってシャフト34が回転すると、コントロールスリーブ32がロータ13の軸方向に移動するようになっている。そしてこのコントロールスリーブ32には、流出入ポート29と連通可能な通孔が形成されている。
【0021】
また、コントロールスリーブ32には、軸方向に延びる第2の係合溝36が形成され、ロータ支持部材14に回動自在に支持された連結ロッド37に係止部材38を固装し、この係止部材38を第2の係合溝36に係止させている。連結ロッド37は、その径方向に延びるアーム部39がカムリング22に固定された連結片40に係止されており、したがって、コントロールスリーブ32は、カムリング22が回動すると所定の関係をもって回動するようになっている。
【0022】
尚、カムリング22の回動量はタイマ装置41によって制御されるようになっており、タイマ装置41は、ポンプハウジング2の下部に設けられたシリンダに摺動自在にタイマピストン42を収納し、このタイマピストン42をカムリングから延びるレバー43に連結し、タイマピストン42の動きをカムリング22の回動に変換するようになっている。即ち、タイマピストン42の一端には、チャンバ側の燃料が導入される高圧室が、また他端には、フィードポンプより上流側と連通する低圧室が形成されている。さらに、低圧室には、タイマスプリングが弾装され、このタイマスプリングによりタイマピストン42が常時高圧室側に付勢され、タイマピストン42がタイマスプリングのスプリング圧と高圧室内の燃料圧との釣り合った位置で停止するようになっている。そして、高圧室圧をタイミングコントロールバルブ(TCV)44で調節することでカムリング22の回動量、即ち、要求される進角量を形成するようになっている。
【0023】
このような噴射ポンプ1にあっては、ロータ13が回転すると、気筒数に対応した流出入ポート29がコントロールスリーブ32の通孔に順次連通し、プランジャ18がカムリング22の中心から遠ざかる方向へ移動する吸入工程にあっては、ロータ13の流出入ポート29とコントロールスリーブ32の通孔とが整合し、チャンバ11内の燃料が圧縮室19に吸入される。
【0024】
その後、プランジャ18がカムリング22の中心に向かって移動する圧送工程に入ると、流出入ポート29とコントロールスリーブ32の通孔との連通が断たれ、分配ポート31と燃料送出通路30の1つとが整合し、圧縮された燃料がこの燃料送出通路30を介して送出弁12へ送出されるようになる。尚、送出弁12から送出された燃料は、図示しない噴射管を介して噴射ノズルへ送られ、この噴射ノズルから機関の気筒内へ噴射するようになっている。
【0025】
そして、圧送工程の途中で、コントロールスリーブ32の通孔と次の流出入ポート29とが再び連通すると、圧縮された燃料がチャンバ11に流出し、噴射ノズルへの送出が停止されて噴射が終了する。そして、このような工程が順次繰り返され、ロータ6の1回転当たりに上記構成例では4サイクル行われる。
【0026】
前記ロータ13には、その基端部13aの近傍においてロータ13の周面を切削して形成された環状溝45が形成されている。このロータ13は、上述した構成によりロータ支持部材14との間に第1及び第2の2箇所の摺接部分46、47が形成され、さらにコントロールスリーブ32との間に第3の摺接部分48が形成され、全体として3箇所で摺接している。前記環状溝45は、第1の摺接部分46の最も駆動軸寄りの部分に形成されており、したがって、環状溝45から見て第1〜第3のいずれの摺接部分46、47、48も駆動軸側と反対側に形成されている。
【0027】
この環状溝45は、ロータ13の強度をこの部分で相対的に弱くするために設けられており、摺接面を研磨するためにロータ上に設けられる凹部とは異なり、摺接部分で焼き付きが生じた場合に、機関からの駆動トルクでねじ切れるような溝幅や溝の深さに設定されている。しかも、この溝幅や溝の深さは、通常の運転時において不必要にロータ13が破断されることのないように、予め実験を重ねて設定される必要がある。また、環状溝45の形成位置を第1の摺接部分46の最も駆動軸寄りの部分としているのも、環状溝45よりも駆動軸側に摺接部分が形成されないように配慮すると共に、基端部13aとロータ支持部材14との間に介在されるワッシャ23が環状溝45に嵌入しないようにする配慮からである。
【0028】
上記構成において、第1〜第3のいずれかの摺接部分46〜48で何らかの原因によりロータ13が焼き付きを起し、回転が拘束されると、ロータ13とこれに連結している駆動軸3までもが回転を拘束され、この駆動軸3に取り付けられるドライブプーリ4と機関のクランクシャフト5のドライブプーリ6とを連結するタイミングベルト9に制動方向に大きな負荷がかかる。この際、機関は即座に停止するわけではないので、噴射ポンプの駆動軸3には、ロータ13の回転が拘束されているにもかかわらずクランクシャフト5から駆動力が伝達される。この結果、駆動軸3にかかる駆動トルクによりロータ13の環状溝45はねじ切れ、このねじ切れた環状溝45よりも駆動軸側の部分は回転を阻害されることなく機関に同期して回転を続ける。よって、歯付きベルト9の歯飛びや、それに伴って生じうる機関の故障を防ぐことができ、噴射ポンプのみの破損で済ますことができる。
【0029】
尚、環状溝45を駆動軸3に形成し、万が一の場合には駆動軸3を破断させる構成も考えられるが、圧縮工程のようにプランジャ18がリフトする際には、連結部17や駆動軸3に回動方向の大きな負荷がかかるので、駆動軸3に環状溝を形成して強度の弱い部分を形成すると、ロータ13の焼き付きと関係なくこの部分が不必要に破断されてしまう可能性がある。また、ロータ13に環状溝45を形成する箇所は、第2の摺接部分47や第3の摺接部分48の最も駆動軸側に寄った部分、或いは、これら摺接部分から外れたチャンバ11に表出する部分に形成するようにしてもよいが、環状溝45から見て駆動軸側にも摺接部分46が残るので、ロータの焼き付きに伴う動力伝達系への影響を完全に除去することができない。よって、環状溝45の形成箇所は、ロータ13とするのが望ましく、しかも、上述のように第1の摺接部分46の最も駆動軸側に寄った箇所とするのが望ましい。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、噴射ポンプの回転系部材に強度が相対的に弱い脆弱部を設け、この脆弱部を摺接部分が動力供給側と反対側に残るような位置に形成し、脆弱部から見て動力供給側と反対側の部分で回転が阻害された場合に動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに脆弱部が破断されるようにしたので、万が一噴射ポンプの回転系部材に焼き付きが生じた場合には、噴射ポンプ側のみの破損にとどめ、機関の破損の恐れが大幅に低減される。
【0031】
特に、噴射ポンプの回転系部材を機関からの動力が伝達される駆動シャフトとこの駆動シャフトに連結されてコントロールスリーブを外嵌するロータとによって構成し、脆弱部を、ロータに形成されたくびれをもって構成する場合には、ロータの加工も容易であり、簡易なロータ形状をもってフェイルセーフ機能を実現することが可能となる。また、ロータの全ての摺接部分をくびれよりも動力供給側と反対側に位置させることで、摺接部分のどの部分で焼き付きが生じてもロータを破断させることができ、動力伝達系の保護を強化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る分配型燃料噴射ポンプの断面図である。
【図2】図2は、図1に示すロータとその周辺の部材を示す拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の分配型燃料噴射ポンプに用いられるロータを示し、図3(a)は、その斜視図であり、図3(b)は、その断面図である。
【符号の説明】
1 噴射ポンプ
3 駆動軸
4、6、8 ドライブプーリ
5 クランクシャフト
7 吸排気弁用カムシャフト
9 歯付きベルト
13 ロータ
14 ロータ支持部材
18 プランジャ
19 圧縮室
22 カムリング
32 コントロールスリーブ
45 環状溝(くびれ)
46、47、48 摺接部分
Claims (4)
- 機関からの動力を受けて回転し、ハウジングの内部で回転自在に支持される回転系部材と、前記回転系部材の径方向に摺動自在に設けられ、前記回転系部材に形成された圧縮室の容積を可変するプランジャと、前記回転系部材の周囲に同心状に設けられ、前記回転系部材の回転に伴って前記プランジャを前記回転系部材の径方向へ往復動させるカムリングとを備え、前記回転系部材に強度が相対的に弱い脆弱部を設け、この脆弱部は、前記回転系部材との摺接部分を動力供給側と反対側に残す位置に形成されると共に前記摺接部分の最も駆動軸寄りの位置に形成され、前記回転系部材の前記動力供給側と反対側の部分で回転が阻害された場合に前記動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに破断されるものであることを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
- 機関からの動力を受けて回転し、ハウジングの内部で回転自在に支持される回転系部材と、前記回転系部材の径方向に摺動自在に設けられ、前記回転系部材に形成された圧縮室の容積を可変するプランジャと、前記回転系部材の周囲に同心状に設けられ、前記回転系部材の回転に伴って前記プランジャを前記回転系部材の径方向へ往復動させるカムリングと、前記回転系部材に摺接可能に外嵌されて軸方向の相対位置を調節することによって噴射量を制御するコントロールスリーブとを備え、前記回転系部材に強度が相対的に弱い脆弱部を設け、この脆弱部は、前記回転系部材との摺接部分を動力供給側と反対側に残す位置に形成されると共に前記摺接部分の最も駆動軸寄りの位置に形成され、前記回転系部材の前記動力供給側と反対側の部分で回転が阻害された場合に前記動力供給側の部分の回転が阻害されないうちに破断されるものであることを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
- 前記回転系部材は、機関の動力が伝達される駆動シャフトと、この駆動シャフトに連結されて前記コントロールスリーブが摺接可能に外嵌されるロータとによって構成され、前記脆弱部は、前記ロータに形成されたくびれによって構成され、前記ロータと摺接する全ての部分を前記動力供給側と反対側に残すような位置に形成されると共に前記ロータと摺接する全ての部分の最も駆動軸寄りの位置に形成される請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプ。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の分配型噴射ポンプの回転系部材にドライブプーリを設け、このドライブプーリと機関のクランクシャフトに装着されたドライブプーリとを伝達部材によって連結し、機関の動力を前記伝達部材を介して分配型噴射ポンプの回転系部材に伝達する動力伝達装置。
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