JPH10219949A - ソーラーシステム装置を組み込んだ断熱屋根 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソーラーシステム装置が屋根材に一体的に組
み込まれ、強度および施工性に優れ、支持部材のピッチ
を大きくとることができ、しかも水密性や気密性を確保
しやすい断熱屋根を提供する。 【解決手段】 上下の金属板３，４間に断熱材５を充填
し、断熱屋根パネル２の本体部分を形成する。上部金属
板３の上面に設けた凹部６に、太陽電池７ａ等からなる
ソーラーシステム装置７を組み込む。断熱屋根パネル２
の一側を支持部材１に固定具８で固定する。固定具８で
固定された断熱屋根パネル２の一側に、断熱シーラー１
０を挟んで、接合する他方の断熱屋根パネル２の一側を
嵌め込む。上部金属板３の延長として形成された下部嵌
合用ハゼ部３ｂの上部に防水シーラー１１を取り付け、
上部嵌合用ハゼ部３ａを重ね合わせてハゼ締めを行い、
隣り合う断熱屋根パネル２どうしを接合する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、太陽電池パネル
等のソーラーシステム装置を組み込んだ断熱屋根パネル
により構成される断熱屋根の構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、ソーラーシステムを建家に設置す
る場合、図３に示すように既設の屋根２１の上に屋根材
とは別のソーラーパネルとして太陽電池パネル２２等を
設置するのが一般的である。

【０００３】また、図４に示すようにフレーム２３を組
んで太陽電池２４等を組み込み、これを屋根面に設置し
てソーラールーフを形成するものがある。そのような構
造のものとしては、例えば特開平６−１３６８９６号公
報や特開平６−２６４５７１号公報に記載されたものが
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来、上述のように、
建家にソーラーシステムを設置する場合、屋根の水密性
や気密性を確保するために、既成の屋根の上に別に設置
したり、フレームを組んでフレーム内にソーラーシステ
ムを組み込んだりしていたが、製品の精度が悪かった
り、施工精度が粗くなると、建物の振動（地震、風、ク
レーン等）に伴って接合部に隙間が生じるなどして、雨
漏れの原因となりやすい。

【０００５】本願発明は、このような課題を解決するた
めになされたものであり、その目的とするところは、ソ
ーラーシステム装置が屋根材に一体的に組み込まれ、強
度および施工性に優れ、支持部材のピッチを大きくとる
ことができ、しかも水密性や気密性を確保しやすい断熱
屋根を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本願発明の断熱屋根は、
上部金属板および下部金属板間に断熱材を挟み込んでな
る断熱屋根パネルによって構成されるものであり、断熱
屋根パネルはその上部金属板の上面に凹部が形成され、
その凹部内にソーラーシステム装置が設置されている。

【０００７】上記の断熱屋根パネルを、屋根の骨組を構
成する梁等の支持部材上に固定し、隣接する屋根パネル
の金属板どうしを接合することでソーラーシステム装置
を一体的に組み込んだ断熱屋根が形成される。

【０００８】金属板としては例えば鋼板やステンレス板
等が用いられるが、屋根材として必要な強度、耐久性等
を備えるものであれば特に限定されない。また、断熱材
としては例えば発泡性樹脂材料からなるものや繊維材料
からなるもの等を用いることができる。

【０００９】ソーラーシステム装置としては、太陽電池
パネルを構成要素とするもの等が一般的であるが、屋根
面で太陽光あるいは太陽熱をエネルギーに変換するもの
であれば特に限定されない。

【００１０】ソーラーシステム装置を組み込むための凹
部は必ずしも各パネル一箇所に限られず、断熱屋根パネ
ルおよびソーラーシステム装置の寸法等に応じ、複数設
けてもよい。

【００１１】屋根パネルどうしの接合は、一般の金属防
水屋根等における接合方法と同様の方法で接合すること
ができ、隣接する屋根パネルの金属板の端部どうしをハ
ゼ締め、シーム溶接等によって接合することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は本願発明の断熱屋根の第１
の実施形態を示したもので、上下の金属板３，４間に断
熱材５を充填し、断熱屋根パネル２の本体部分を形成し
ている。

【００１３】上部金属板３の上面には、あらかじめ太陽
電池７ａ等からなるソーラーシステム装置７を組み込む
ための凹部６が形成されており、凹部６部分に設置した
ソーラーシステム装置７をねじ等の固定具７ｆで固定す
ることにより、ソーラー断熱屋根パネル２が形成され
る。図中、７ｂは強化ガラス、７ｃはバックアップ材、
７ｄは集電ボックス、７ｅは取付用型材を示す。

【００１４】断熱屋根パネル２と支持部材１の接合は、
図１(b) に示すように断熱屋根パネル２の一側を屋根部
分の梁等の支持部材１にセルフドリリングスクリュー等
の固定具８で固定して行う。

【００１５】断熱屋根パネル２どうしの接合は、固定具
８で固定された断熱屋根パネル２の一側に断熱シーラー
１０を挟み込む形で、接合する他方の断熱屋根パネル２
の一側を嵌め込み、上部金属板３の延長として形成され
た下部嵌合用ハゼ部３ｂの上部に防水シーラー１１を取
り付け、上部嵌合用ハゼ部３ａを重ね合わせてハゼ締め
を行うこと等によって行う。このように構成すること
で、美感上優れるだけでなく、接合位置における水密性
や気密性を確保することができる。

【００１６】図２は本願発明の断熱屋根の第２の実施形
態を示したもので、上下の金属板３，４間に断熱材５を
充填して断熱屋根パネル２の本体部分を形成し、さらに
上部金属板３の上面にあらかじめ太陽電池７ａ等からな
るソーラーシステム装置７を組み込んでおくという基本
的な構成は、上述した第１の実施形態の場合と同様であ
る。

【００１７】この例では、支持部材１の上面に断面Ｌ字
形の吊り子取付部材１３を溶接等により固定しておき、
これに吊り子１２をボルト・ナット等の吊り子固定具１
４で固定してある。

【００１８】断熱屋根パネル２の接合は、断熱屋根パネ
ル２の上部金属板３の延長として形成された上部嵌合用
ハゼ部３ａと下部嵌合用ハゼ部３ｂを防水シーラー１１
を介して、吊り子とともにハゼ締めする等、通常の金属
屋根における防水工法と同様の方法によって行うことが
でき、美感上優れ、また接合位置における水密性や気密
性を確保することができる。

【００１９】

【発明の効果】 本願発明では強度を有する上下の金属板と断熱材から
なる断熱屋根パネルにソーラーシステム装置が一体的に
組み込まれており、断熱屋根パネル部分が強度を負担す
ることで支持部材のピッチを増大させることができ、施
工性に優れ、また屋根施工と同時に建材一体型のソーラ
ー断熱屋根が形成されるため、工期の短縮が図れる。

【００２０】従来の金属屋根における防水工法と同様
の方法で、容易に断熱性、水密性、気密性を確保するこ
とができる。

【００２１】断熱材に不燃材を使用することで、ソー
ラー断熱屋根パネル自体に耐火性を持たせることができ
る。

【００２２】金属板、断熱材およびソーラーシステム
装置が一体化されており、全て工場で加工できるため、
精度も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の第１の実施形態を示したもので、
(a) はソーラーシステム装置を組み込んだ断熱屋根パネ
ルの一枚分の断面図、(b) は支持部材上の断熱屋根パネ
ルどうしの接合部の断面図である。

【図２】本願発明の第２の実施形態を示したもので、
(a) はソーラーシステム装置を組み込んだ断熱屋根パネ
ルの一枚分の断面図、(b) は支持部材上の断熱屋根パネ
ルどうしの接合部の断面図である。

【図３】従来例として既設屋根上にソーラーパネルを設
置したものを示す斜視図である。

【図４】従来例としてフレーム内に太陽電池を組み込ん
だ例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１…支持部材、２…断熱屋根パネル、３…上部金属板、
３ａ…上部嵌合用ハゼ部、３ｂ…下部嵌合用ハゼ部、４
…下部金属板、５…断熱材、６…凹部、７…ソーラーシ
ステム装置、７ａ…太陽電池、７ｂ…強化ガラス、７ｃ
…バックアップ材、７ｄ…集電ボックス、７ｅ…取付用
型材、７ｆ…固定具、８…屋根パネル固定具、９…結露
防止材、１０…断熱シーラー、１１…防水シーラー、１
２…吊り子、１３…吊り子取付部材、１４…吊り子固定
具

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部金属板および下部金属板間に断熱材
   を挟み込んでなる断熱屋根パネルについて、前記上部金
   属板の上面に凹部を形成し、前記凹部内にソーラーシス
   テム装置を設置してなる断熱屋根パネルを、屋根の骨組
   を構成する支持部材上に固定し、隣接する屋根パネルの
   前記金属板どうしを接合してなることを特徴とするソー
   ラーシステム装置を組み込んだ断熱屋根。