JPH10219429A - 耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材 - Google Patents

耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材

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JPH10219429A
JPH10219429A JP2154997A JP2154997A JPH10219429A JP H10219429 A JPH10219429 A JP H10219429A JP 2154997 A JP2154997 A JP 2154997A JP 2154997 A JP2154997 A JP 2154997A JP H10219429 A JPH10219429 A JP H10219429A
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龍哉 安永
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保之 山田
Yusuke Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆
部材を提供する。 【解決手段】 異なる硬質皮膜を2層以上被覆した硬質
皮膜被覆部材であって、硬質皮膜被覆面の荷重50gfでの
押し込み硬度が2000kgf/mm2 以上であると共に、該硬度
よりも荷重5gfでの押し込み硬度が100kgf/mm2以上小さ
いことを特徴とするもの、及び、N、C、B、CN、BN、
BC又はCBN をQと表示したとき、硬質皮膜層の中の基材
表面の近傍〔2μm 以内〕に(Ti1-(x+y)Hfx Aly ) Qの
組成〔但し、0<x≦0.8 、0≦y≦0.8 、x+y<
1〕の硬質皮膜層を有し、硬質皮膜被覆層表面の近傍
〔2μm 以内〕に(Ti1-ZAlZ )Qの組成〔但し、0<z
≦0.8 〕の硬質皮膜層を有することを特徴とするもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性及び耐欠
損性に優れた硬質皮膜被覆部材に関する技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】超硬合金(WC-Co 系焼結合金)や高速度
工具鋼(ハイス)等の工具や機械部品の耐摩耗性をより
優れたものとすることを目的として、それらの表面に4
a族金属の窒化物や炭化物よりなる硬質皮膜を被覆(コ
ーティング)することが行われている。
【0003】このとき、一般に耐摩耗性の改善効果は被
覆層が硬いほどよく、超硬合金や高速度工具鋼等よりも
硬度が高いTiN 、TiC 、TiCN、或いは、AlTiN 皮膜をコ
ーティングすることにより耐摩耗性を向上させることが
主流になっている。
【0004】一方、更に過酷な摩耗環境に対応するた
め、さらに硬度が高いTi-Hf の複合窒化物等のTi-Hf 系
皮膜を付与する方法が、特開昭55-58364号公報、特開昭
62-207858 号公報、特開平04-17662号公報に開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記Ti-Hf の複合窒化
物等のTi-Hf 系皮膜は硬度が2500〜3000kgf/mm2 程度と
高く、超硬合金等にコーティングした場合は平坦部の摺
動に限れば耐摩耗性を向上させることができる。
【0006】しかし、切削工具の刃先のような鋭利な部
分は、摩耗とともに欠損の問題が生じ、特に硬質皮膜を
付与した場合は、皮膜硬度が高いほど硬質皮膜及び基材
の欠損が顕著になる。
【0007】一般に材料の硬さと靱性は相反する特性で
あり、Ti-Hf の複合窒化物等のTi-Hf系皮膜のような硬
度が2500kgf/mm2 以上の皮膜は、硬度が2000kgf/mm2
度のTiN やTiC 皮膜よりも靱性が低く、割れやすい。こ
のため、皮膜硬度が高いと、表面にひびが入りやすく、
このひびが起点となって基材に割れが伝搬するため、基
材の欠損が顕著になると考えられる。
【0008】このように、皮膜表面を硬くすると耐摩耗
性は向上するものの、基材の耐欠損性は悪化してしま
う。又、耐欠損性を向上させるために皮膜表面を軟らか
くすると充分な耐摩耗性を得ることができない。従っ
て、前記従来の硬質皮膜では部材の耐摩耗性と耐欠損性
とを同時に向上させることは困難である。
【0009】本発明はかかる事情に着目してなされたも
のであって、その目的は前記従来の硬質皮膜を被覆した
部材での問題点を解消し、耐摩耗性及び耐欠損性に優れ
た硬質皮膜被覆部材、即ち、前記TiN 、TiC 、TiCN、或
いは、AlTiN 皮膜を被覆した部材よりも耐摩耗性に優
れ、かつ、前記Ti-Hf の複合窒化物等のTi-Hf 系皮膜を
被覆した部材よりも耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材
を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る硬質皮膜被覆部材は請求項1〜3記載
の硬質皮膜被覆部材としており、それは次のような構成
としたものである。
【0011】即ち、請求項1記載の硬質皮膜被覆部材
は、異なる硬質皮膜を2層以上被覆した硬質皮膜被覆部
材であって、硬度測定用圧子により荷重50gfで測定した
硬質皮膜被覆面の押し込み硬度が2000kgf/mm2 以上であ
ると共に、硬度測定用圧子により荷重5gfで測定した硬
質皮膜被覆面の押し込み硬度が前記荷重50gfで測定した
押し込み硬度よりも100kgf/mm2以上小さいことを特徴と
する耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材で
ある(第1発明)。
【0012】請求項2記載の硬質皮膜被覆部材は、異な
る硬質皮膜を2層以上被覆した硬質皮膜被覆部材であっ
て、基材表面から硬質皮膜被覆層の表面方向へ厚さ2μ
m 以内の個所までの領域に、少なくとも、TiとHfとAlの
複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化
物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物、複合炭窒ホウ化
物の1種以上と不可避的不純物とを含み、そのTiとHfと
Alの組成が下記式で示される組成からなる硬質皮膜層
を有し、且つ、硬質皮膜被覆層の表面から基材方向へ厚
さ2μm 以内の個所までの領域に、少なくとも、TiとAl
の複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化物、複合炭窒化
物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物、複合炭窒ホウ化
物の1種以上と不可避的不純物とを含み、そのTiとAlの
組成が下記式で示される組成からなる硬質皮膜層を有
することを特徴とする耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬
質皮膜被覆部材である(第2発明)。 Ti1-(x+y) Hfx Aly ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8、0≦y≦
0.8、x+y<1である。 Ti1-Z AlZ ----- 式 但し、上記式において、0<z≦0.8である。
【0013】請求項3記載の硬質皮膜被覆部材は、基材
が高速度工具鋼、超硬合金または硬質セラミックスであ
る請求項1又は2記載の耐摩耗性及び耐欠損性に優れた
硬質皮膜被覆部材である(第3発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る硬質皮膜被覆部材
は、例えばアークイオンプレーティング法やスパッタリ
ング法等により、基材表面に異なる硬質皮膜を2層以上
被覆することにより得られる。この硬質皮膜被覆層は、
前記の如き硬度を有し、そのため、耐摩耗性及び耐欠損
性に優れている。
【0015】この詳細を以下説明する。
【0016】本発明者らは、硬質皮膜被覆部材の損傷形
態を詳細に調べ、その損傷を防止する手段を鋭意検討し
てきた。その結果、基材の欠損の起点は硬質皮膜被覆層
の表面から基材方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域
の硬質皮膜被覆層最表層部のみの割れ特性に依存してお
り、この硬質皮膜被覆層最表層部の割れを抑制すれば基
材の欠損を防止することができることをつきとめた。さ
らに、部材全体の耐摩耗性は硬質皮膜被覆層の表面から
基材方向へ厚さ4μm 以上の個所までの領域の硬質皮膜
被覆層と基材を合わせたマクロ硬度に依存しており、こ
の領域の平均硬度が高ければ部材の摩耗を低減すること
ができることをつきとめた。
【0017】本発明は、かかる知見に基づき更に検討を
重ねた結果、なされたものであり、第1発明に係る硬質
皮膜被覆部材は、前記の如く、異なる硬質皮膜を2層以
上被覆した硬質皮膜被覆部材であって、硬度測定用圧子
により荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬
度が2000kgf/mm2 以上であると共に、硬度測定用圧子に
より荷重5gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度
が前記荷重50gfで測定した押し込み硬度よりも100kgf/m
m2以上小さいことを特徴とするものとしており、この硬
質皮膜被覆部材によれば、耐摩耗性と耐欠損性を高度な
レベルで同時に充たすことができる。
【0018】即ち、荷重50gfにおいて、硬質皮膜被覆面
の押し込み硬度:2000kgf/mm2 程度の場合は硬度測定用
圧子の押し込み深さは約1μm であり、硬度測定用圧子
による変形の影響領域は硬質皮膜被覆層の表面から深さ
方向(硬質皮膜被覆層の厚さ方向)に約4μm 以上の個
所までになる。このような領域の硬質皮膜被覆層と基材
を合わせたマクロ硬度(平均硬度)が高ければ、前記の
如く、部材の摩耗を低減することができる。そして、か
かる平均硬度が少なくとも2000kgf/mm2 以上、好ましく
は2200kgf/mm2 以上であれば、充分に優れた耐摩耗性を
有することが確認された。
【0019】第1発明に係る硬質皮膜被覆部材は、前記
の如く、荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み
硬度が2000kgf/mm2 以上である。
【0020】故に、第1発明に係る硬質皮膜被覆部材
は、硬質皮膜被覆層の表面から深さ方向(硬質皮膜被覆
層の厚さ方向)に厚さ4μm 以上の個所までの領域の硬
質皮膜被覆層の平均硬度が2000kgf/mm2 以上であり、そ
のため耐摩耗性に優れ、高度なレベルの耐摩耗性を有す
る。
【0021】一方、荷重5gfにおいて、硬質皮膜被覆面
の押し込み硬度:2000kgf/mm2 程度の場合は硬度測定用
圧子の押し込み深さは約0.3 μm であり、硬度測定用圧
子による変形の影響領域は硬質皮膜被覆層の表面から深
さ方向(硬質皮膜被覆層の厚さ方向)に約2μm 程度に
なる。かかる硬質皮膜被覆層の表面から厚さ(深さ)2
μm 以内の個所までの領域の割れを抑制すれば、前記の
如く、基材の欠損を防止することができる。
【0022】材料の硬度が高いほど、靱性が低下し、耐
割れ性が低下する傾向があり、硬度が低くなると耐割れ
性が向上する。そこで、前記硬質皮膜被覆層の表面から
深さ(厚さ)2μm 以内の個所までの領域の硬度と耐割
れ性及び基材の耐欠損性との関係について調べたとこ
ろ、その領域の硬質皮膜被覆層の硬度が硬質皮膜被覆層
の表面から厚さ4μm 以上の個所までの領域の硬質皮膜
被覆層と基材を合わせた平均硬度(即ち、荷重50gfで測
定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度)よりも100kgf/m
m2以上低ければ、充分に優れた耐欠損性を有することが
確認された。
【0023】第1発明に係る硬質皮膜被覆部材は、前記
の如く、荷重5gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み
硬度が前記荷重50gfで測定した押し込み硬度よりも100k
gf/mm2以上小さい。
【0024】故に、第1発明に係る硬質皮膜被覆部材
は、硬質皮膜被覆層の表面から基材方向へ厚さ2μm 以
内の個所までの領域の硬質皮膜被覆層の硬度(即ち、荷
重5gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度)が、
硬質皮膜被覆層の表面から基材方向へ厚さ4μm 以上の
個所までの領域の硬質皮膜被覆層と基材を合わせた平均
硬度(即ち、荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し
込み硬度)よりも100kgf/mm2以上低く、そのため高度な
レベルの耐欠損性を有する。
【0025】以上より、第1発明に係る硬質皮膜被覆部
材によれば、耐摩耗性と耐欠損性を高度なレベルで同時
に充たすことができることがわかる。
【0026】尚、第1発明に係る硬質皮膜被覆部材にお
いて、硬度測定用圧子としては特に限定されるものでは
なく、硬質皮膜被覆面の押し込み硬度:2000kgf/mm2
度の場合に、荷重50gfで硬度測定用圧子の押し込み深
さ:約1μm 、硬度測定用圧子による変形の影響領域:
約4μm 以上になり、荷重5gfで硬度測定用圧子の押し
込み深さ:約0.3 μm 、硬度測定用圧子による変形の影
響領域:約2μm 程度になるものであればよい。かかる
硬度測定用圧子としては、例えばビッカース硬度測定用
圧子を挙げることができる。荷重50gfの場合と荷重5gf
の場合とで、硬度測定用圧子は同一でなくてもよい。
【0027】硬質皮膜被覆面の押し込み硬度とは、硬質
皮膜被覆部材の硬質皮膜被覆層の表面側から硬度測定用
圧子により測定される硬度のことである。
【0028】荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し
込み硬度は、2000kgf/mm2 以上であればよく、その範囲
内で特に制限されないが、耐摩耗性向上の点から、2200
kgf/mm2 以上であることが望ましく、更には、切削工具
等への適用の点から、2400kgf/mm2 以上であることが望
ましい。
【0029】荷重5gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し
込み硬度は、前記荷重50gfで測定した押し込み硬度より
も100kgf/mm2以上小さければよく、その範囲内で特に制
限されないが、高速度鋼基板のような欠損しやすい基材
への適用の点から、150kgf/mm2以上小さいことが望まし
く、更には、もっと欠損しやすい超硬への適用の点か
ら、200kgf/mm2以上小さいことが望ましい。
【0030】第2発明に係る硬質皮膜被覆部材は、前述
のように、異なる硬質皮膜を2層以上被覆した硬質皮膜
被覆部材であって、基材表面から硬質皮膜被覆層の表面
方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域に、少なくと
も、TiとHfとAlの複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ化
物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化物、
複合炭窒ホウ化物の1種以上と不可避的不純物とを含
み、そのTiとHfとAlの組成がTi1-(x+y) Hfx Aly (但
し、0<x≦0.8、0≦y≦0.8、x+y<1)で
示される組成からなる硬質皮膜層〔以下、硬質皮膜層A
(下層)という〕を有し、且つ、硬質皮膜被覆層の表面
から基材方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域に、少
なくとも、TiとAlの複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ
化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化
物、複合炭窒ホウ化物の1種以上と不可避的不純物とを
含み、そのTiとAlの組成がTi1-Z AlZ (但し、0<z≦
0.8)で示される組成からなる硬質皮膜層〔以下、硬
質皮膜層B(上層)という〕を有することを特徴とする
ものとしており、この硬質皮膜被覆部材によれば、前記
第1発明に係る硬質皮膜被覆部材での特徴的構成要件で
あるところの「荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押
し込み硬度が2000kgf/mm2 以上であると共に、荷重5gf
で測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度が前記荷重50
gfで測定した押し込み硬度よりも100kgf/mm2以上小さ
い」という点を充たすことができ、そのため、耐摩耗性
と耐欠損性を高度なレベルで同時に充たすことができ
る。
【0031】即ち、上記硬質皮膜層A(下層)は硬度が
高く、例えばHv3500以上であり、上記硬質皮膜層B(上
層)は比較的硬度が低く、例えばHv2600程度であり、上
記硬質皮膜層A(下層)よりも硬度が低いという特性が
ある。このような高硬度の硬質皮膜層A(下層)が基材
表面から厚さ2μm 以内の個所までの領域に有し、それ
よりも低硬度の硬質皮膜層B(上層)が硬質皮膜被覆層
の表面から厚さ2μm以内の個所までの領域に有する
と、これらを有する硬質皮膜被覆層は全体として硬く、
荷重50gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度(即
ち、硬質皮膜被覆層の表面から厚さ4μm 以上の個所ま
での領域の硬質皮膜被覆層の平均硬度)が2000kgf/mm2
以上となると共に、硬質皮膜被覆層の上層部の硬度が低
く、荷重5gfで測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度
(即ち、硬質皮膜被覆層の表面から厚さ2μm 以内の個
所までの領域の硬質皮膜被覆層の硬度)が前記荷重50gf
で測定した押し込み硬度よりも100kgf/mm2以上小さくな
る。従って、第2発明に係る硬質皮膜被覆部材は、前記
第1発明に係る硬質皮膜被覆部材での特徴的構成要件を
充たすことができ、そのため、耐摩耗性と耐欠損性を高
度なレベルで同時に充たすことができる。
【0032】なお、第2発明に係る硬質皮膜被覆部材に
おいて、硬質皮膜層A(下層)は、(Ti1-(x+y)Hfx A
ly ) N、(Ti1-(x+y)Hfx Aly ) C、(Ti1-(x+y)Hfx Al
y ) B、(Ti1-(x+y)Hfx Aly ) CN、(Ti1-(x+y)Hfx A
ly )BN 、(Ti1-(x+y)Hfx Aly )BC 、又は、(Ti1-(x+y)H
fx Aly )CBNで示される組成(但し、0<x≦0.8 、0
<y≦0.8 、且つx+y<1)からなるものである。こ
こで、N、C、B、CN、BN、BC又はCBN をQとすると、
この硬質皮膜層A(下層)は(Ti1-(x+y)Hfx Aly ) Qで
示される組成(但し、0<x≦0.8 、0<y≦0.8 、且
つx+y<1)からなるものである。但し、(Ti1-(x+y)
Hfx Aly ) :Qは、1:1であるとは限らず、1:約1
の場合も含まれ、例えば、1:0.90や、1:1.10の場合
もある。
【0033】換言すれば、硬質皮膜層A(下層)は、(T
i1-(x+y)Hfx Aly ) Qよりなり、このTi、Hf及びAl中に
占めるHfの割合が80at%以下(0%を含まず)、Alの割
合が80at%以下(0%を含む)である硬質皮膜である。
【0034】ここで、Ti、Hf及びAl中に占めるHf及びAl
の割合をそれぞれ80at%以下、即ち(Ti1-(x+y)Hfx A
ly ) Qでのx及びyを0<x≦0.8 、且つ0<y≦0.8
としているのは、x及び/又はyを0.8 超とすると、
(Ti1-(x+y)Hfx Aly ) Qの硬度がTiN 並みのHv2000程度
に低下し、前記第1発明に係る硬質皮膜被覆部材での特
徴的構成要件を充たすことができず、その結果、硬質皮
膜被覆部材の耐摩耗性が低下して不充分となり、一方、
xを0とするとHfが含有されず、耐摩耗性が不充分とな
るからである。x+y<1としているのは、x+y≧1
とすると(Ti1-(x+y)Hfx Aly )Qの組成が成立しなくな
るからである。
【0035】硬質皮膜層B(上層)は、(Ti1-ZAlZ )
N、(Ti1-ZAlZ ) C、(Ti1-ZAlZ ) B、(Ti1-ZAlZ )CN
、(Ti1-ZAlZ )BN 、(Ti1-ZAlZ )BC 、又は、(Ti1-ZAl
Z )CBNで示される組成、即ち、(Ti1-ZAlZ ) Qで示され
る組成(但し、0<z≦0.8 )からなるものである。但
し、(Ti1-ZAlZ ) :Qは、1:1であるとは限らず、
1:約1の場合も含まれ、例えば、1:0.90や、1:1.
10の場合もある。
【0036】ここで、Ti及びAl中に占めるAlの割合を80
at%以下(0%を含まず)、即ち、(Ti1-ZAlZ ) Qでの
zを0<z≦0.8 としているのは、zを0.8 超とする
と、(Ti1-ZAlZ ) Qの硬度がTiN 並みのHv2000程度に低
下し、前記第1発明に係る硬質皮膜被覆部材での特徴的
構成要件を充たすことはできるものの、最表面がやわら
かすぎて摺動時に上層が摩滅してしまうおそれがあり、
一方、zを0とするとAlが含有されず、耐熱性が低下す
るからである。
【0037】第2発明において、硬質皮膜被覆部材の硬
質皮膜被覆層は、硬質皮膜層A(下層)及び硬質皮膜層
B(上層)を含む必要があるが、これら以外の硬質皮膜
層を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【0038】基材表面とは、硬質皮膜被覆部材の硬質皮
膜被覆層と基材との界面に該当する個所のことである。
基材表面から硬質皮膜被覆層の表面方向へ厚さ2μm 以
内の個所までの領域に、少なくとも、硬質皮膜層A(下
層)を有するとは、この領域に硬質皮膜層A(下層)が
含まれている必要があるが、その他の硬質皮膜層を含む
こともできるという意味である。硬質皮膜被覆層の表面
から基材方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域に、少
なくとも、硬質皮膜層B(上層)を有するとは、この領
域に硬質皮膜層B(上層)が含まれている必要がある
が、その他の硬質皮膜層を含むこともできるという意味
である。基材表面から硬質皮膜被覆層の表面方向へ厚さ
2μm (以内)の個所までの領域とは、基材表面から、
該表面から硬質皮膜被覆層の表面に向けて硬質皮膜被覆
層の厚さ方向に2μm (以内)の距離にある個所までに
わたる領域のことである。硬質皮膜被覆層の表面から基
材方向へ厚さ2μm (以内)の個所までの領域とは、硬
質皮膜被覆層の表面から、該表面から基材表面に向けて
硬質皮膜被覆層の厚さ方向に2μm (以内)の距離にあ
る個所までにわたる領域のことである。
【0039】本発明(第1発明、第2発明)において基
材としては、特に限定されるものではなく、用途や必要
性に応じて種々の基材を使用できるが、硬度が高い基
材、例えば硬度800kgf/mm2以上の基材を用いた場合に本
発明が特に有効であり、かかる高硬度の基材としては高
速度工具鋼、超硬合金、硬質セラミックスを挙げること
ができる(第3発明)。即ち、基材として硬度800kgf/m
m2未満の基材を用いた硬質皮膜被覆部材では、損傷形態
が摩耗中心であり、基材の欠損はあまり問題とならない
ので、本発明の適用効果は比較的小さいが、高速度工具
鋼(ハイス)、超硬合金(WC-Co 系焼結合金)、硬質セ
ラミックス(サーメット、SiC 焼結体、Si 3N4 焼結体
等)の如く硬度が高く、硬度800kgf/mm2以上の基材を用
いた硬質皮膜被覆部材では、摩耗に加えて基材の欠損が
問題となるので、本発明の適用効果は大きい。
【0040】本発明に係る硬質皮膜被覆部材の種類、即
ち、用途としては、特に限定されるものではないが、耐
摩耗性及び耐欠損性を必要とする工具や機械部品に好適
に用いることができる。
【0041】
【実施例】
(実施例1)素材:SKD11 焼き入れ材、形状:外径50m
m、試験部直径44mm、厚さ8mmのピンオンディスク摺動
試験用ディスクを作製した。
【0042】一方、素材として、超硬合金(WC-12%Co焼
結材)、高速度工具鋼(ハイス)、サーメット、又は、
炭素鋼S45Cを用い、図2に示す如く一端を平坦状、他端
をエッジ状に加工し、基材を得た。この基材にアークイ
オンプレーティングにより下記構成の硬質皮膜〜を
被覆して、ピンオンディスク摺動試験用ピンを作製し
た。このとき、プレーティング処理時の反応ガス(B,
C,Nを含むガス)の圧力及び基材に印加するバイアス
電圧を変化させることにより、硬質皮膜の硬度を変化さ
せた。尚、下記〜において、QはN、C、B、CN、
BN、BC、又は、CBN である。
【0043】 組成:(Al0.6Ti0.4)Q、膜厚:4μm
の硬質皮膜を被覆したもの 組成:(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Q、膜厚:4μm の硬
質皮膜を被覆したもの 組成:(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Q、膜厚:2μm の硬
質皮膜を被覆し、その上に、組成:(Al0.6Ti0.4)Q、膜
厚:2μm の硬質皮膜を被覆したもの 組成:ZrQ、膜厚:2μm の硬質皮膜を被覆し、そ
の上に、組成:TiQ、膜厚:2μm の硬質皮膜を被覆し
たもの
【0044】上記のようにして作製されたピンの平坦部
について、ビッカース硬度測定用圧子により荷重50gf、
荷重5gfで硬質皮膜被覆面の押し込み硬度を測定した。
【0045】また、上記のようにして作製されたピンオ
ンディスク摺動試験用ディスクとピンとを組み合わせ、
ピンオンディスク摺動試験を行った。このとき、図1に
示す如くピンのエッジ部を摺動面とし、又、ピンの平坦
部を摺動面とした。ピンエッジ部を摺動面とする場合、
摺動試験条件は荷重:5N、速度(ディスクの回転周速
度):1m/秒、走行距離:1kmとし、そして、ピンエ
ッジ部の摺動による欠け損傷の発生の有無を観察し、耐
欠損性を調べた。ピン平坦部を摺動面とする場合、摺動
試験条件は荷重:400 N、速度:1m/秒、走行距離:
2kmとし、ピン平坦部の摺動による摩耗面積率を測定
し、耐摩耗性を調べた。ここで、摩耗面積率とは、ピン
平坦部の面積に対する摩耗部(摩耗を生じた部分)の面
積の割合のことである。
【0046】上記押し込み硬度の測定及びピンオンディ
スク摺動試験の結果を表1〜7に示す。表1はピンの基
材に被覆された硬質皮膜がQがNである場合、即ち、窒
化物である場合についてのものである。表2はQがC、
表3はQがB、表4はQがCN、表5はQがBN、表6はQ
がBC、表7はQがCBN である場合についてのものであ
る。これらの表1〜7より、Qの種類(N、C、B、C
N、BN、BC、CBN )にかかわらず、同様の傾向の挙動を
示すことがわかる。その詳細を以下説明する。
【0047】(1) ピンの基材が超硬合金の場合 前記の(Al0.6Ti0.4)Qを被覆したピンや、の(Ti
0.58Hf0.39Al0.03)Qを被覆したピンは、荷重50gfでの
押し込み硬度と荷重5gfでの押し込み硬度とがほぼ同等
である。
【0048】(Al0.6Ti0.4)Qを被覆したピンでは、硬度
が2000kgf/mm2 程度と低いが、この(Al0.6Ti0.4)Qの膜
靱性が優れているためにピン尖端部は欠けることなく摩
耗損傷となり、耐欠損性に優れている。しかし、硬度が
低いことからピン平坦部の摩耗面積率が90%と大きい
〔比較例〕。これに対し、(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Qを被
覆したピンでは、硬度が2800kgf/mm2 程度と大きいの
で、ピン平坦部の摩耗面積率は10%と小さいが、(Ti
0.58Hf0.39Al0.03)Qは割れやすい傾向があるので、基
材の超硬合金の欠けを誘発してピン尖端部に欠け損傷が
生じ、耐欠損性に劣っている〔比較例〕。
【0049】前記の(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Qを被覆
し、その上に(Al0.6Ti0.4)Qを被覆したピンについて
は、荷重50gfでの押し込み硬度が1800kgf/mm2 程度であ
る場合、荷重5gfでの押し込み硬度の如何にかかわら
ず、ピン尖端部は欠けることなく摩耗損傷となるが、ピ
ン平坦部の摩耗面積率が90%と大きい。
【0050】これに対し、荷重50gfでの押し込み硬度が
2000kgf/mm2 以上である場合には、ピン平坦部の摩耗面
積率は20%以下となり、耐摩耗性に優れている。このと
き、荷重5gfでの押し込み硬度が上記荷重50gfでの押し
込み硬度に近い場合には、ピン尖端部に欠け損傷が生
じ、耐欠損性が不充分であり、耐摩耗性及び耐欠損性を
両立することができないが、荷重5gfでの押し込み硬度
が上記荷重50gfでの押し込み硬度よりも100kgf/mm2以上
小さい場合には、ピン尖端部の欠け損傷が生じず、耐欠
損性に優れており、耐摩耗性及び耐欠損性を両立するこ
とができる〔本発明の実施例〕。
【0051】前記のZrQを被覆し、その上にTiQを被
覆したピンについては、荷重50gfでの押し込み硬度が20
00kgf/mm2 であり、荷重5gfでの押し込み硬度と上記荷
重50gfでの押し込み硬度との差が0又は50kgf/mm2 の場
合には、ピン尖端部に欠け損傷が生じているが、荷重5
gfでの押し込み硬度が上記荷重50gfでの押し込み硬度よ
りも100kgf/mm2以上小さい場合には、ピン尖端部の欠け
損傷の発生が抑制されている。しかし、ピン平坦部の摩
耗面積率が50%程度である。これに対し、前記の硬質
皮膜が被覆され、荷重50gfでの押し込み硬度が2000kgf/
mm2 、荷重5gfでの押し込み硬度が上記荷重50gfでの押
し込み硬度よりも100kgf/mm2以上小さいピンの場合の方
が、耐摩耗性に優れている(ピン平坦部の摩耗面積率:
20%)。これは、上層の(Al0.6Ti0.4)QがTiQよりも、
耐酸化性が優れていること等の化学的影響因子によるも
のと考えられる。
【0052】(2) ピンの基材が高速度鋼、サーメット、
炭素鋼の場合 基材として高速度鋼、サーメット、又は、炭素鋼を用い
た場合には、前記の(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Qを被覆
し、その上に(Al0.6Ti0.4)Qを被覆したピンを作製し、
試験を行った。このとき、前述のピン基材が超硬合金の
場合の試験結果に基づき、荷重50gfでの押し込み硬度が
2200kgf/mm2 程度、荷重5gfでの押し込み硬度が2050kg
f/mm2 程度になるようにした。尚、この両者の押し込み
硬度の差は、150kgf/mm2程度となる〔本発明の実施
例〕。
【0053】いずれの場合も、ピン尖端部の欠け損傷が
生じず、耐欠損性に優れている。しかし、ピン平坦部の
耐摩耗性は基材により異なり、基材が高速度鋼、サーメ
ットの場合にはピン平坦部の摩耗面積率は10%程度であ
り、耐摩耗性に優れているが、基材が炭素鋼の場合には
ピン平坦部の摩耗面積率は90%であり、耐摩耗性に劣っ
ている。
【0054】このように基材が炭素鋼の場合に耐摩耗性
が劣っているのは、炭素鋼のような硬度800kgf/mm2未満
の基材の場合には、元来(Ti0.58Hf0.39Al0.03)Q等の硬
質皮膜と基材との密着性が少し悪く、更には摺動時に基
材の変形が起こり、それらにより、硬質皮膜被覆層の基
材からの剥離が生じてしまうためと考えられる。但し、
基材として炭素鋼のような比較的低硬度で軟らかい材料
を用いる場合には、欠損はあまり問題とならず、摩耗が
問題となるので、本発明を適用する必要性はあまりない
といえる。
【0055】(実施例2)前記実施例1での硬質皮膜
〜に代えて下記構成の硬質皮膜A〜Aを被覆し
た。かかる点を除き、実施例1と同様のピンオンディス
ク摺動試験用ピンを作製し、実施例1と同様の押し込み
硬度の測定及びピンオンディスク摺動試験を行った。そ
の結果を表8に示す。
【0056】A -- 組成:(Al0.6Ti0.4)N+(Al0.6Ti
0.4)C、膜厚:4μm の硬質皮膜を被覆したもの A -- 組成:(Ti0.58Hf0.39Al0.03)N+(Ti0.58Hf
0.39Al0.03)C、膜厚:4μm の硬質皮膜を被覆したも
の A -- 組成:(Ti0.58Hf0.39Al0.03)N+(Ti0.58Hf
0.39Al0.03)C、膜厚:2μm の硬質皮膜を被覆し、そ
の上に、組成:(Al0.6Ti0.4)N+(Al0.6Ti0.4)C、膜
厚:2μm の硬質皮膜を被覆したもの A -- 組成:ZrN+ZrC、膜厚:2μm の硬質皮膜を
被覆し、その上に、組成:TiN+TiC、膜厚:2μm の
硬質皮膜を被覆したもの
【0057】尚、上記組成のX+Yという表示は、Xと
Yとの混合体よりなることを示すものである。例えば、
Aの場合、(Al0.6Ti0.4)Nと(Al0.6Ti0.4)Cとの混合
体よりなることを示すものである。
【0058】表8からわかるように、実施例2の場合
も、実施例1の場合と同様の傾向の挙動を示すことがわ
かる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【発明の効果】本発明に係る硬質皮膜被覆部材は、耐摩
耗性及び耐欠損性に優れ、耐摩耗性と耐欠損性を高度な
レベルで同時に充たすことができ、そのため、切削工具
の刃先のように耐摩耗性及び耐欠損性に優れていること
が必要な工具等の部材として好適に用いることができ、
それらの性能や寿命の向上が図れるようになるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るピンオンディスク摺動試験の状
況の概要を示す斜視図である。
【図2】 実施例に係るピンオンディスク摺動試験用ピ
ンの基材形状を示す図であり、その中の(イ)は側面
図、(ロ)は正面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安永 龍哉 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 山田 保之 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大地179番地 1 神鋼コベルコツール株式会社内 (72)発明者 田中 祐介 兵庫県明石市魚住町金ケ崎西大地179番地 1 神鋼コベルコツール株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる硬質皮膜を2層以上被覆した硬質
    皮膜被覆部材であって、硬度測定用圧子により荷重50gf
    で測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度が2000kgf/mm
    2 以上であると共に、硬度測定用圧子により荷重5gfで
    測定した硬質皮膜被覆面の押し込み硬度が前記荷重50gf
    で測定した押し込み硬度よりも100kgf/mm2以上小さいこ
    とを特徴とする耐摩耗性及び耐欠損性に優れた硬質皮膜
    被覆部材。
  2. 【請求項2】 異なる硬質皮膜を2層以上被覆した硬質
    皮膜被覆部材であって、基材表面から硬質皮膜被覆層の
    表面方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域に、少なく
    とも、TiとHfとAlの複合窒化物、複合炭化物、複合ホウ
    化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化
    物、複合炭窒ホウ化物の1種以上と不可避的不純物とを
    含み、そのTiとHfとAlの組成が下記式で示される組成
    からなる硬質皮膜層を有し、且つ、硬質皮膜被覆層の表
    面から基材方向へ厚さ2μm 以内の個所までの領域に、
    少なくとも、TiとAlの複合窒化物、複合炭化物、複合ホ
    ウ化物、複合炭窒化物、複合ホウ窒化物、複合炭ホウ化
    物、複合炭窒ホウ化物の1種以上と不可避的不純物とを
    含み、そのTiとAlの組成が下記式で示される組成から
    なる硬質皮膜層を有することを特徴とする耐摩耗性及び
    耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材。 Ti1-(x+y) Hfx Aly ----- 式 但し、上記式において、0<x≦0.8、0≦y≦
    0.8、x+y<1である。 Ti1-Z AlZ ----- 式 但し、上記式において、0<z≦0.8である。
  3. 【請求項3】 基材が高速度工具鋼、超硬合金または硬
    質セラミックスである請求項1又は2記載の耐摩耗性及
    び耐欠損性に優れた硬質皮膜被覆部材。
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