JPH10218813A - 反応表現方法、反応データベースおよび反応情報記憶媒体 - Google Patents

反応表現方法、反応データベースおよび反応情報記憶媒体

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JPH10218813A
JPH10218813A JP2064497A JP2064497A JPH10218813A JP H10218813 A JPH10218813 A JP H10218813A JP 2064497 A JP2064497 A JP 2064497A JP 2064497 A JP2064497 A JP 2064497A JP H10218813 A JPH10218813 A JP H10218813A
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JP
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atom
reaction
atoms
pair
molecular structure
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JP2064497A
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English (en)
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Atsushi Tomonaga
惇 朝永
Kenji Kasai
健二 笠井
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学反応を表現するために複数の物質の分子
構造についてのデータが必要であり、これらのデータの
管理が煩雑であった。 【解決手段】 出発物質と生成物質とからなる化学反応
を表現する方法であって、出発物質を構成する原子と生
成物質を構成する原子とで対応関係を有する原子の対の
中から、化学反応の前後で化学的環境が変化する原子の
対を反応中心原子対とし、反応中心原子対の原子間を仮
想的に結合することにより、化学反応を出発物質の分子
構造と生成物質の分子構造とが一体となった仮想分子構
造として表現することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出発物質と生成物
質とからなる化学反応を表現する反応表現方法、この表
現方法による化学反応のデータが登録された反応データ
ベースおよびこの表現方法による化学反応のデータが記
憶された反応情報記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、化学反応は、反応に関与する出発
物質の分子構造に関するデータと生成物質の分子構造に
関するデータとを用いて、それらの組合せとして表現さ
れていた。即ち、出発物質と生成物質とを独立したデー
タとして別々に取り扱っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の反応表現方法で
は、化学反応を表現するために複数の物質の分子構造に
ついてのデータが必要であり、これらのデータの管理が
煩雑であった。また、反応データベースにアクセスして
所望の化学反応のデータを検索する場合には、化学反応
に関与するすべての物質のそれぞれについてデータの一
致(データベース中のデータと検索データとの一致)を
調べなければならず、検索効率が悪かった。さらに、化
学反応のデータを読み出す場合には、複数のデータにア
クセスしなければならず、迅速な処理を行うことができ
なかった。
【0004】本発明は、このような問題を解決し、デー
タの管理が容易で且つ検索を効率よく行うことのできる
化学反応の表現方法を提供することを目的とする。ま
た、本発明は、データの管理が容易で且つ検索を効率よ
く行うことのできる反応データベースを提供することを
目的とする。さらに、本発明は、データ管理が容易で且
つ読み出しを迅速に行うことのできる化学反応のデータ
が記憶された反応情報記憶媒体を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の反応表現方法は、出発物質と生成物質とか
らなる化学反応を表現する方法であって、出発物質を構
成する原子と生成物質を構成する原子とで対応関係を有
する原子の対の中から、化学反応の前後で化学的環境が
変化する原子の対を反応中心原子対とし、反応中心原子
対の原子間を仮想的に結合することにより、化学反応を
出発物質の分子構造と生成物質の分子構造とが一体とな
った仮想分子構造として表現することを特徴とする。
【0006】このように、出発物質の分子構造と生成物
質の分子構造とからなる一連の化学反応を仮想分子構造
といった単一の構造で表現できるため、データ管理が容
易になる。また、反応データベースにアクセスして所望
の化学反応のデータを検索する場合には、仮想分子構造
同士を比較すればよく、出発物質の分子構造と生成物質
の分子構造とについて別途に比較し、データの一致を調
べる場合に比べて検索効率がよい。
【0007】ここで、出発物質及び生成物質を構成する
1の原子についての化学的環境は、1の原子に結合して
いる原子の数、1の原子に結合している原子の種類、1
の原子に結合している原子との間の結合の種類および1
の原子の荷電状態であり、原子の対において原子の化学
的環境を調べて、該化学的環境の少なくとも1つが変化
している原子の対を反応中心原子対としていることが好
ましい。
【0008】また、仮想分子構造は、反応中心原子対を
構成する原子以外の原子を削除した構造であることが好
ましい。
【0009】次に、本発明の反応データベースは、出発
物質と生成物質とからなる化学反応のデータが登録され
たデータベースであって、化学反応のデータは、出発物
質を構成する原子と生成物質を構成する原子とで対応関
係を有する原子の対の中から、化学反応の前後で化学的
環境が変化する原子の対を反応中心原子対とし、反応中
心原子対の原子間を仮想的に結合することにより、出発
物質の分子構造と生成物質の分子構造とが一体となった
仮想分子構造として表現されたデータであることを特徴
とする。
【0010】このように、反応データベースに登録され
た化学反応のデータは、仮想分子構造として表現された
単一のデータであるため、データ管理が容易になる。ま
た、反応データベースにアクセスして所望の化学反応の
データを検索する場合には、仮想分子構造同士を比較す
ればよく、出発物質の分子構造と生成物質の分子構造と
について別途に比較し、データの一致を調べる場合に比
べて検索効率がよい。
【0011】ここで、出発物質及び生成物質を構成する
1の原子についての化学的環境は、1の原子に結合して
いる原子の数、1の原子に結合している原子の種類、1
の原子に結合している原子との間の結合の種類および1
の原子の荷電状態であり、原子の対において原子の化学
的環境を調べて、該化学的環境の少なくとも1つが変化
している原子の対を反応中心原子対としていることが好
ましい。
【0012】また、仮想分子構造は、反応中心原子対を
構成する原子以外の原子を削除した構造であることが好
ましい。
【0013】次に、本発明の反応情報記憶媒体は、出発
物質と生成物質とからなる化学反応のデータが記憶さ
れ、情報処理装置を用いて化学反応のデータを読み出す
ことのできる記憶媒体であって、化学反応のデータは、
出発物質を構成する原子と生成物質を構成する原子とで
対応関係を有する原子の対の中から、化学反応の前後で
化学的環境が変化する原子の対を反応中心原子対とし、
反応中心原子対の原子間を仮想的に結合することによ
り、出発物質の分子構造と生成物質の分子構造とが一体
となった仮想分子構造として表現されたデータであるこ
とを特徴とする。
【0014】このように化学反応のデータは、仮想分子
構造として表現された単一のデータであるため、データ
管理が容易になる。また、情報処理装置に本発明の反応
情報記憶媒体を収容して、この反応情報記憶媒体から化
学反応のデータを読み出す場合には、仮想分子構造に基
づいてサーチすればよく、出発物質の分子構造と生成物
質の分子構造とについて別途にサーチする場合に比べ
て、処理を迅速に行うことができる。
【0015】ここで、出発物質及び生成物質を構成する
1の原子についての化学的環境は、1の原子に結合して
いる原子の数、1の原子に結合している原子の種類、1
の原子に結合している原子との間の結合の種類および1
の原子の荷電状態であり、原子の対において原子の化学
的環境を調べて、該化学的環境の少なくとも1つが変化
している原子の対を反応中心原子対としていることが好
ましい。
【0016】また、仮想分子構造は、反応中心原子対を
構成する原子以外の原子を削除した構造であることが好
ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて添付図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本実施形態である反応データベー
スを示すブロック図である。図1に示すように、化学反
応データベース1は、2種類の結合表ファイル10,1
1と、2種類の正準化データファイル12,13とを備
えている。また、化学反応データベース1にはデータベ
ース管理装置20が接続されている。このため、利用者
がデータベース管理装置20を操作することにより、反
応データベース1に登録された各データにアクセスする
ことができる。
【0019】化学反応データベース1は、出発物質の分
子構造と生成物質の分子構造とからなる化学反応を仮想
的な1つの分子構造(以下、仮想分子構造という)とし
てとらえ、この仮想分子構造を結合表と正準化データ
(カノニカルデータともいう)といった2種類のデータ
形式で登録したデータベースである。仮想分子構造に
は、出発物質および生成物質の全ての原子を含む反応構
造(以下、全反応構造ともいう)と、化学反応の前後で
化学的環境の変化する原子のみを含む反応中心構造とが
ある。そして、結合表ファイル10には全反応構造の結
合表が登録され、結合表ファイル11には反応中心構造
の結合表が登録されている。また、正準化データファイ
ル12には全反応構造の正準化データが登録され、正準
化データファイル13には反応中心構造の正準化データ
が登録されている。なお、化学反応データベース1は、
ファイル10〜13の他に、それぞれの化学反応に付随
する関連情報(例えば、収率、反応条件、文献)が格納
されたファイルを更に備えることも好ましい。
【0020】次に、図2に示す出発物質31,32(C
3-CH2-NH-CO-CH2-CO-CH3,C65-O
H)を反応させて、生成物質33,34(CH3-CH2-
NH2,C65-O-CO-CH2-CO-CH3)を生成させ
る化学反応(図の分子構造は水素原子を省略して図示さ
れている)を例にとり、仮想反応分子構造を詳細に説明
する。仮想反応分子構造は、まず、出発物質31,32
を構成する原子と生成物質33,34を構成する原子と
で対応関係を有する原子の対を決定又は抽出し、続いて
各原子の対における化学的環境を比較するという順で、
化学反応を構成する分子の分子構造から作成することが
できる。
【0021】ここで、対応関係を有する原子の対は、例
えば、反応機構に基づいて決定することができる。これ
を図2の例で説明すると、図の反応は、出発物質31の
アミド結合(原子2と原子3とからなる結合)が切断さ
れ、生成されるアシル基と出発物質32の酸素原子1と
が結合し、生成物質34が生成されると同時に、生成物
質33が出発物質31から生成されると考えることがで
きる。そして、この反応機構に従って原子の対を決定す
ると、(番号17,番号22)、(番号8,番号1
4)、(番号2,番号6)、(番号3,番号5)、(番
号10,番号13)、(番号9,番号12)、(番号1
8,番号21)、(番号26,番号30)、(番号2
5,番号29)、(番号23,番号28)、(番号3
1,番号32)、(番号24,番号27)、(番号1
6,番号19)、(番号7,番号11)、(番号15,
番号20)、(番号1,番号4)がそれぞれ原子の対と
なる。
【0022】なお、番号15と番号16の原子および番
号23と番号24の原子はそれぞれ等価であるので、原
子の対として(番号16,番号19)、(番号24,番
号27)、(番号15,番号20)及び(番号23,番
号28)の代わりに、(番号15,番号19)、(番号
23,番号27)、(番号16,番号20)及び(番号
24,番号28)の組合せを用いることもできる。いず
れの組合せを用いるにしても、以下の説明から明らかな
ように、得られる結果(仮想分子構造の正準化データ
等)は変わらない。
【0023】また、出発物質31,32及び生成物質3
3,34を構成する1の原子についての化学的環境は、
の原子に結合している原子の数、1の原子に結合し
ている原子の種類、1の原子に結合している原子との
間の結合の種類、1の原子の荷電状態である。そし
て、上述した原子の対のそれぞれについて原子の化学的
環境を調べ、該化学的環境の少なくとも1つが変化して
いる原子の対を反応中心原子対とする。
【0024】具体的に説明すると、まず、番号17と番
号22との原子の対については、番号17の原子に結合
した番号8の原子の数と番号22の原子に結合した番号
14の原子の数とが共に1である。また、番号8の原子
と番号14の原子とは共に炭素である。更に、番号17
の原子と番号8の原子との結合は単結合であり、番号2
2の原子と番号14の原子との結合も単結合である。更
にまた、番号17の原子の電荷と番号22の原子の電荷
とは共に0である。このように、化学的環境が全て等し
いので、この原子の対は反応中心原子対でない。
【0025】また、番号2と番号6との原子の対につい
ては、番号2の原子に結合した番号8,3の原子の数が
2であるのに対して、番号6の原子に結合した番号14
の原子の数は1である。このように、化学的環境が変化
しているので、この原子の対は反応中心原子対である。
【0026】更に、番号3と番号5との原子の対につい
ては、番号3の原子に結合した番号2,9の原子の数と
番号5の原子に結合した番号4,12の原子の数とが共
に2で等しい。ところが、番号2,9の原子が窒素およ
び炭素であるのに対して、番号4,12の原子は酸素お
よび炭素である。このように、化学的環境が変化してい
るので、この原子の対は反応中心原子対である。
【0027】以上のような比較処理を全ての原子の対に
ついて行い、反応中心原子対を抽出する。その結果、番
号2と番号6との原子の対、番号3と番号5との原子の
対、番号1と番号4との原子の対が反応中心原子対とし
て抽出される。さらに、抽出された各反応中心原子対の
間を、例えば点線で仮想的に結合させることにより、図
3に示すように、出発物質31,32の分子構造と生成
物質33,34の分子構造とが一体となった単一の分子
構造(即ち、仮想分子構造)として、化学反応が表現さ
れる。
【0028】図3の仮想分子構造は、出発物質および生
成物質の全ての原子(番号1〜番号32)を含む全反応
構造である。この全反応構造の原子(番号1〜番号3
2)の中から、反応中心原子対を構成する原子(番号1
〜番号6)以外の原子を削除することによって、反応に
直接関係する要部だけからなる反応中心構造が得られ
る。この反応中心構造の例を図4に示す。同図に示すよ
うに、番号2の原子および番号3の原子と、番号4の原
子および番号5の原子とがそれぞれ単結合している。ま
た番号2の原子および番号6の原子と、番号3の原子お
よび番号5の原子と、番号1の原子および番号4の原子
とがそれぞれ仮想的に結合している。
【0029】以上のように、出発物質と生成物質とから
なる一連の化学反応を仮想分子構造として表現すること
により、化学反応の特定が容易になる。特に、反応中心
構造は反応に直接関係する要部だけの構造であるため、
反応中心構造が一致する化学反応を抽出することによ
り、同種の化学反応をグループ化することができる。ま
た、反応中心構造をキーにして化学反応を検索する場
合、全反応構造に比べて構造が単純であるために高速処
理が可能である。
【0030】ところで、仮想分子構造を化学反応データ
ベース1に登録するためには、この仮想分子構造を一意
的に特定できるバイナリのデータに置き換える必要があ
る。そこで、化学反応データベース1では、仮想分子構
造を結合表および正準化データといった2種類のデータ
形式で登録している。
【0031】ここで、結合表は、各原子についての固有
データが記録された原子テーブルと、原子間の結合対デ
ータが記録された原子対テーブルとを備えている。ま
た、正準化データは、所定のアルゴリズムで結合表を文
字、数字および記号に変換したデータ列である。そし
て、結合表と正準化データとは、双方向に変換すること
ができる。このように、化学反応データベース1には結
合表、正準化データといった2種類のデータが登録され
ているが、これらのデータは次のように使い分けること
ができる。即ち、結合表には各原子の情報、特に座標デ
ータが書き込まれており、この情報を用いれば仮想分子
構造を容易に作成することができる。従って、データベ
ース管理装置20を用いて仮想分子構造をディスプレイ
に表示させる場合には、結合表が好ましく用いられる。
また、正準化データは文字及び記号列データであり、結
合表に比べて情報量が少ないため、分子構造の差異の比
較が容易であり検索に適している。従って、データベー
ス管理装置20を用いて仮想分子構造を検索する場合に
は、正準化データが好ましく用いられる。
【0032】次に、結合表の例を図5〜図7に示す。図
5,6は、全反応構造の結合表である。また、図7は、
反応中心構造の結合表である。図5および図7に示すよ
うに原子テーブルには、原子の番号、原子の三次元座標
(X座標、Y座標、Z座標)、元素名(一般に元素記号
が用いられるが、原子番号などの数字であってもよ
い)、質量、電荷および反応方向属性(例えば、反応中
心原子対の出発側の原子は−1、反応中心原子対の生成
側の原子は1、反応中心原子対でない原子は0)を書き
込む欄が設けられている。また、図6および図7に示す
ように、原子対テーブルには、結合原子対、結合種(例
えば、単結合は1、二重結合は2、仮想的な結合は7)
および構造を書き込む欄が設けられている。ここで、原
子の番号は、化合物を構成する各原子をコンピュータで
識別するための番号であり、図5〜図7の例では数字で
あるが、記号であってもよい。また、結合原子対は、原
子の番号の組合せとして表現されるのがよい。
【0033】具体的には、図3の反応構造における番号
1の原子については、原子デーブルのX座標の欄に“−
5.5983”がY座標の欄に“−4.0972”が書
き込まれている。また、元素名の欄に“O”が反応方向
属性の欄に“−1”が書き込まれている。更に、番号1
の原子は番号7の原子と単結合で結ばれているので、原
子対テーブルの結合原子対の欄に“7 1”が結合種の
欄に“1”が書き込まれている。そして、番号2〜番号
32の原子についても同様のデータが書き込まれてい
る。
【0034】次に、正準化データの例を示す。正準化デ
ータは本発明者が特願平8−125123号で提示した
アルゴリズムを用いることにより、結合表から一意的に
作成されるデータである。即ち、図5,6の反応構造の
結合表から正準化データを作成すると、正準化データは
例えば、“1−01<1−1=02−2<03−N3−
3=04−6%6%7−8<N8−9−11−11=0
12%13%14%14%15−16−17−17=0
20%22%23%24−29%/21%28/30%
32/”と表現される。また、図7の反応中心構造の結
合表から正準化データを作成すると、“1<1−N2−
03<N4<0/”と表現される。なお、これらの正準
化データでは、単結合に記号“−”を、二重結合に記号
“=”を、三重結合に記号“#”を、芳香結合に記号
“%”を、仮想的結合に記号“<”をそれぞれ用いてい
る。
【0035】以上のように、反応データベース1には、
仮想分子構造を一意的に特定できる結合表および正準化
データが登録されている。これらのデータは、出発物質
と生成物質との構造が一体的に表現された単一のデータ
であるため、データの管理が容易になる。また、反応デ
ータベース1にアクセスして所望の化学反応のデータを
検索する場合には、仮想分子構造である正準化データ同
士を比較すればよく、出発物質と生成物質とについて別
途に検索するのに比べて検索効率がよい。
【0036】また、全反応構造と反応中心構造との中間
の構造である中間反応構造を定義し、結合表又は正準化
データの形で化学反応データベースに登録することもで
きる。中間反応構造は、例えば、反応中心構造を構成す
る原子に、該原子から所定の数の結合で隔てられている
原子を含んで形成される部分構造とすることができ、こ
れにより、化学的に妥当な類似反応の検索が容易とな
る。
【0037】次に、本実施形態である反応情報記憶媒体
2について説明する。図8は、反応情報記憶媒体2のデ
ータ構成を示すブロック図である。反応情報記憶媒体2
は、全反応構造の結合表が記憶された結合表ファイル1
0と、反応中心構造の結合表が記憶された結合表ファイ
ル11と、全反応構造の正準化データが記憶された正準
化データファイル12と、反応中心構造の正準化データ
が記憶された正準化データファイル13とを備えてい
る。なお、各ファイル10〜13に記録された各データ
は上述した結合表および正準化データと同一であるた
め、その説明は省略する。また、反応情報記憶媒体2と
しては、フレキシブルディスク、CD−ROM、MD、
DVDなどの光学的又は磁気的に情報を記録することが
可能ないずれの記憶媒体であってもよい。
【0038】反応情報記憶媒体2に記憶された各ファイ
ル11〜14は、情報処理装置で読み出すことができ
る。この情報処理装置の例を図9に示す。図9に示すよ
うに、情報処理装置3は、反応情報記憶媒体2に記憶さ
れた各ファイル11〜14を読み出す記憶媒体読出装置
40と、オペレーティングシステム(OS)およびデー
タ読み出し用のアプリケーションが記憶されたメモリ装
置50と、読み出したデータを画面に表示するディスプ
レイ60と、データ読み出しの指示の入力を受け付ける
キーボード70と、データ読み出しを制御するCPU8
0とを備えている。
【0039】そして、記憶媒体読出装置40に反応情報
記憶媒体2が挿入されると、反応情報記憶媒体2に記憶
された各ファイルへのアクセスが可能になる。各ファイ
ルには、出発物質と生成物質との構造が一体的に表現さ
れた結合表および正準化データが記録されているため、
データの管理が容易になる。また、反応情報記憶媒体2
から所望の化学反応のデータを読み出す場合には、仮想
分子構造である正準化データをサーチすればよく、出発
物質と生成物質とについて別途にサーチする場合に比べ
て検索効率がよい。
【0040】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことなく、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内におい
て、例えば以下のように変更することも可能である。
【0041】反応データベース1は、4種類のファイル
10〜13を備えていたが、反応構造の結合表10およ
び正準化データファイル12だけを備えてもよい。ま
た、反応情報記憶媒体2は、4種類のファイル10〜1
3を備えていたが、反応構造の結合表10および正準化
データファイル12だけを備えてもよい。反応構造のフ
ァイルだけでもデータ検索等が可能だからである。
【0042】
【発明の効果】本発明による反応表現方法および反応デ
ータベースは、以上のように構成されているため、次の
ような効果を得ることができる。即ち、出発物質と生成
物質とからなる一連の化学反応を仮想分子構造といった
単一の構造で表現できるため、データ管理が容易にな
る。また、反応データベースにアクセスして所望の化学
反応のデータを検索する場合には、仮想分子構造同士を
比較すればよく、出発物質の分子構造と生成物質の分子
構造とについて別途に比較し、データの一致を調べる場
合に比べて検索効率がよい。
【0043】また、本発明による反応情報記憶媒体は、
以上のように構成されているため、次のような効果を得
ることができる。即ち、反応情報記憶媒体に記憶された
化学反応のデータは、仮想分子構造として表現された単
一のデータであるため、データ管理が容易になる。ま
た、情報処理装置に反応情報記憶媒体を収容して、この
反応情報記憶媒体から化学反応のデータを読み出す場合
には、仮想分子構造に基づいてサーチすればよく、出発
物質の構造と生成物質の構造とについて別途にサーチす
る場合に比べて、処理を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反応データベースの一実施形態を
示すブロック図である。
【図2】2つの化合物を反応させた化学式の例を示す図
である。
【図3】反応構造の例を示す図である。
【図4】反応中心構造の例を示す図である。
【図5】結合表の原子テーブルの例を示す図である。
【図6】結合表の原子対テーブルの例を示す図である。
【図7】結合表の原子テーブルおよび原子対テーブルの
例を示す図である。
【図8】反応情報記憶媒体のデータ構成を示すブロック
図である。
【図9】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…反応データベース、2…反応情報記憶媒体、3…情
報処理装置、10,11…結合表ファイル、12,13
…正準化データファイル、20…データベース管理装
置、40…記憶媒体読出装置、50…メモリ装置、60
…ディスプレイ、70…キーボード、80…CPU。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出発物質と生成物質とからなる化学反応
    を表現する方法であって、 前記出発物質を構成する原子と前記生成物質を構成する
    原子とで対応関係を有する原子の対の中から、化学反応
    の前後で化学的環境が変化する原子の対を反応中心原子
    対とし、前記反応中心原子対の原子間を仮想的に結合す
    ることにより、前記化学反応を前記出発物質の分子構造
    と前記生成物質の分子構造とが一体となった仮想分子構
    造として表現することを特徴とした反応表現方法。
  2. 【請求項2】 前記出発物質及び前記生成物質を構成す
    る1の原子についての前記化学的環境は、前記1の原子
    に結合している原子の数、前記1の原子に結合している
    原子の種類、前記1の原子に結合している原子との間の
    結合の種類および前記1の原子の荷電状態であり、 前記原子の対において原子の化学的環境を調べて、該化
    学的環境の少なくとも1つが変化している原子の対を反
    応中心原子対としている請求項1記載の反応表現方法。
  3. 【請求項3】 前記仮想分子構造は、前記反応中心原子
    対を構成する原子以外の原子を削除した構造である請求
    項1又は請求項2に記載の反応表現方法。
  4. 【請求項4】 出発物質と生成物質とからなる化学反応
    のデータが登録されたデータベースであって、 前記化学反応のデータは、前記出発物質を構成する原子
    と前記生成物質を構成する原子とで対応関係を有する原
    子の対の中から、化学反応の前後で化学的環境が変化す
    る原子の対を反応中心原子対とし、前記反応中心原子対
    の原子間を仮想的に結合することにより、前記出発物質
    の分子構造と前記生成物質の分子構造とが一体となった
    仮想分子構造として表現されたデータであることを特徴
    とした反応データベース。
  5. 【請求項5】 前記出発物質及び前記生成物質を構成す
    る1の原子についての前記化学的環境は、前記1の原子
    に結合している原子の数、前記1の原子に結合している
    原子の種類、前記1の原子に結合している原子との間の
    結合の種類および前記1の原子の荷電状態であり、 前記原子の対において原子の化学的環境を調べて、該化
    学的環境の少なくとも1つが変化している原子の対を反
    応中心原子対としている請求項4記載の反応データベー
    ス。
  6. 【請求項6】 前記仮想分子構造は、前記反応中心原子
    対を構成する原子以外の原子を削除した構造である請求
    項4又は請求項5に記載の反応データベース。
  7. 【請求項7】 出発物質と生成物質とからなる化学反応
    のデータが記憶され、情報処理装置を用いて前記化学反
    応のデータを読み出すことのできる記憶媒体であって、 前記化学反応のデータは、出発物質を構成する原子と生
    成物質を構成する原子とで対応関係を有する原子の対の
    中から、化学反応の前後で化学的環境が変化する原子の
    対を反応中心原子対とし、前記反応中心原子対の原子間
    を仮想的に結合することにより、前記出発物質の分子構
    造と前記生成物質の分子構造とが一体となった仮想分子
    構造として表現されたデータであることを特徴とした反
    応情報記憶媒体。
  8. 【請求項8】 前記出発物質及び前記生成物質を構成す
    る1の原子についての前記化学的環境は、前記1の原子
    に結合している原子の数、前記1の原子に結合している
    原子の種類、前記1の原子に結合している原子との間の
    結合の種類および前記1の原子の荷電状態であり、 前記原子の対において原子の化学的環境を調べて、該化
    学的環境の少なくとも1つが変化している原子の対を反
    応中心原子対としている請求項7記載の反応情報記憶媒
    体。
  9. 【請求項9】 前記仮想分子構造は、前記反応中心原子
    対を構成する原子以外の原子を削除した構造である請求
    項7又は請求項8に記載の反応情報記憶媒体。
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