JPH10218359A - 物品搬送装置及び物品搬送設備 - Google Patents

物品搬送装置及び物品搬送設備

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JPH10218359A
JPH10218359A JP2113297A JP2113297A JPH10218359A JP H10218359 A JPH10218359 A JP H10218359A JP 2113297 A JP2113297 A JP 2113297A JP 2113297 A JP2113297 A JP 2113297A JP H10218359 A JPH10218359 A JP H10218359A
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Hiroaki Shigemitsu
裕昭 重光
Yukio Tanaka
幸雄 田中
Noboru Ida
登 井田
Yoshio Nishimura
芳雄 西村
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠隔作業によって物品の落下を防止する措置
を施し、物品の受け渡しを安全に行って搬送する。 【解決手段】 保管装置12の保管把持部42、受け渡
し装置14の受け渡し把持部58及び物品搬送装置15
の嵌合部材36をそれぞれ物品11の切り欠き部に対し
て挿入及び挿入解除すると共に、保管把持部42、受け
渡し把持部58及び嵌合部材36の安全ピンをピン穴に
対して係合及び係合解除して物品11の受け渡しを行な
い、保管装置12と適用装置17との間で物品11を搬
送し、重量物である物品11を安全に搬送する。また、
安全ピンのピン穴に対する係合及び係合解除を、それぞ
れ3個のセンサからなる距離センサによって遠隔で検出
すると共に、受け渡す側の安全ピンのピン穴に対する嵌
合解除を条件として受け渡される側の動作を開始し、受
け渡し時に物品11を落下させる虞がなく、重量物であ
る物品11の受け渡しを安全に行って搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大型精密機械装置
等の重量物の物品を搬送する物品搬送装置及び物品搬送
装置を備えた物品搬送設備に関する。
【0002】
【従来の技術】大型精密機械装置等の重量物の物品を搬
送する装置としては、揚重設備として天井走行クレーン
や大型のハンドリングロボット(マニピュレータ)を用
いている。この場合、物品の落下等を防止するため、ワ
イヤーロープ等で物品を固縛したり、ボルト等の締結部
材で物品を固定するようにしている。図16乃至図18
に基づいて従来の物品搬送装置を説明する。図16には
物品を搬送している状態の側面視、図17には物品を搬
送している状態の正面視、図18には物品を搬送してい
る状態の平面視を示してある。
【0003】重量物の物品1は搬送治具2に固定され、
搬送治具2が天井走行クレーン等の揚重設備に吊り下げ
られることにより物品1が搬送される。物品1に設けら
れた切り欠き部3にはコ字型の支持板4が挿入され、支
持板4の四隅にはポール5が固定されている。ポール5
の上端にはX型のプレート6が固定され、プレート6の
上面の4箇所には吊り金物7が設けられている。各吊り
金物7の上端は一つの吊り輪8に固定され、吊り輪8に
は天井走行クレーンのフック9が引っ掛けられるように
なっている。各吊り金物7はターンバックル等で個々に
長さが調節可能となり、物品1の傾きが補正できるよう
になっている。コ字型の支持板4の開口部にはワイヤロ
ープ10がボルト等によって固定され、ワイヤロープ1
0によって物品1が支持板4に固定されて落下が防止さ
れている。
【0004】従来の物品搬送装置では、天井走行クレー
ン等のフック9を吊り輪8に引っ掛け、搬送治具2に固
定された物品1を天井走行クレーンの走行によって所定
の場所に搬送する。この時、物品1はワイヤロープ10
によって支持板4に固定されており、搬送時の落下が防
止されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の物品搬送装置で
は、物品1の落下を防止して安全に搬送するために、ワ
イヤロープ10によって物品1が支持板4に固定されて
いる。この落下防止措置を講ずるには、物品1の受け渡
しの都度ワイヤロープ10の取り付け及び取り外しの作
業が必要であり、複数の物品搬送装置で物品1の受け渡
しを行う時にはその都度作業者が搬送治具2に接近して
ワイヤロープ10の取り付け及び取り外しの作業を行う
必要があった。このため、従来の物品搬送装置では、落
下防止措置を講ずるために時間と手間がかかり、コスト
増及び所要時間増の問題があった。
【0006】また、物品1が大型の重量物である場合に
はワイヤロープ10の取り付け及び取り外し場所が接近
し難い例えば高い場所等では、足場等の確保が必要であ
り作業が非常に困難となっていた。このため、付帯設備
が必要でコスト増及び高所作業に伴う危険性の増大等の
問題があった。また、ワイヤロープ10の取り付け及び
取り外しを遠隔操作で実現しようとした場合、そのため
の設備ないしは装置が必要となる等、費用増大の要因が
生じることになっていた。
【0007】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、遠隔作業によって物品の落下を防止する措置を施す
ことができる物品搬送装置及び物品搬送設備を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の物品搬送装置の構成は、自走自在な走行フレー
ムに移動自在に支持される移動フレームと、前記移動フ
レームに伸縮自在に支持される伸縮フレームと、回転機
構を介して前記伸縮フレームに支持され物品を把持する
把持部と、前記把持部に設けられ物品側に嵌合する嵌合
部材と、前記把持部による前記部品の把持及び前記嵌合
部材の前記物品への嵌合を検出する検出手段とを備えた
ことを特徴とする。
【0009】また、上記目的を達成するための本発明の
物品搬送設備は、複数の物品を保管する保管装置と、前
記保管装置と物品搬送部位との間で前記物品の搬送を行
う物品搬送装置と、前記保管装置と前記物品搬送装置と
の間で前記物品の受け渡しを行う受け渡し装置と、前記
物品搬送装置及び前記保管装置及び前記受け渡し装置の
動作を制御する制御装置とからなり、前記物品搬送装置
には、自走自在な走行フレームに移動自在に支持される
移動フレームと、前記移動フレームに伸縮自在に支持さ
れる伸縮フレームと、回転機構を介して前記伸縮フレー
ムに支持され物品を把持する把持部と、前記把持部に設
けられ物品側に嵌合する嵌合部材と、前記把持部による
前記部品の把持及び前記嵌合部材の前記物品への嵌合を
検出する検出手段とが備えられ、前記保管装置には、前
記物品が把持される保管把持部が放射状に複数配置され
る把持装置と、前記把持装置を割り出し回転する回転駆
動手段と、前記保管把持部に設けられ前記物品側に嵌合
する保管嵌合部材と、前記保管把持部による前記物品の
把持及び前記保管嵌合部材の前記物品への嵌合を検出す
る保管検出手段とが備えられ、前記受け渡し装置には、
往復移動する下スライドフレームと、前記下スライドフ
レームに旋回自在の設けられる旋回フレームと、前記旋
回フレームに往復移動自在に設けられる上スライドフレ
ームと、前記上スライドフレームの一端に昇降機構を介
して昇降自在に設けられ前記物品を把持する受け渡し把
持部と、前記受け渡し把持部に設けられ前記物品側に嵌
合する受け渡し嵌合部材と、前記受け渡し把持部による
前記物品の把持及び前記受け渡し嵌合部材の前記物品側
への嵌合を検出する受け渡し検出手段とが備えられ、前
記制御装置には、前記検出手段及び前記保管検出手段及
び前記受け渡し検出手段の検出情報が入力され、前記制
御装置は、前記把持部と前記保管把持部との間で前記物
品の受け渡しを行う際に受け取る側の前記嵌合部材もし
くは前記保管嵌合部材が前記物品側に嵌合されるまでは
受け渡す側の前記保管嵌合部材もしくは前記嵌合部材の
前記物品側への嵌合を解除しない機能と、前記保管把持
部と前記受け渡し把持部との間で前記物品の受け渡しを
行なう際に受け取る側の前記保管嵌合部材もしくは前記
受け渡し嵌合部材が前記物品側に嵌合されるまでは受け
渡す側の前記受け渡し嵌合部材もしくは前記保管嵌合部
材の前記物品側への嵌合を解除しない機能とを備えてい
ることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】図1には本発明の一実施形態例に
係る物品搬送設備の全体斜視、図2には本発明の一実施
形態例に係る物品搬送装置の全体斜視、図3には図2中
の把持部における嵌合部材の詳細状況、図4には図1中
の保管装置及び受け渡し装置の全体状況、図5には図4
中の保管装置における保管把持部の詳細状況、図6には
図4中の受け渡し装置における受け渡し把持部の詳細状
況、図7には物品の形状説明、図8には図7中の要部説
明、図9には把持嵌合状況説明を示してある。
【0011】図1において、11は保管装置12の把持
装置13に把持された物品で、物品11は受け渡し装置
14によって物品搬送装置15の把持部16に受け渡さ
れた後、把持部16の移動により適用装置17の物品搬
送部位としての装着部18に搬送される。
【0012】図1、図2に基づいて物品搬送装置15を
説明する。図中矢印X方向に移動する天井走行クレーン
21には走行方向に直交する方向(図中矢印Y方向)に
ガータレール22が設けられ、ガータレール22には走
行フレーム23が支持されている。走行フレーム23に
はガータレール22に回転自在に支持される駆動車輪2
4が備えられ、駆動車輪24は駆動モータ25によって
駆動されて走行フレーム23がガータレール22に沿っ
て自走するようになっている。走行フレーム23には図
中矢印X方向に延びるリニアガイド26が設けられ、リ
ニアガイド26には移動テーブル27が移動自在に支持
されている。更に移動テーブル27には図中矢印Y方向
に延びるリニアガイド28が設けられ、リニアガイド2
8には移動フレーム29が移動自在に支持されている。
つまり、移動フレーム29は移動テーブル27を介して
走行フレーム23に対し移動自在に支持された状態にな
っている。
【0013】移動フレーム29には上下方向(Z軸方
向)に延びるガイドレール30が敷設されたベース柱3
1が設けられ、ベース柱31のガイドレール30にはコ
ラム32が上下方向に移動自在に支持されている。つま
り、ガイドレール30が敷設されたベース柱31及びコ
ラム32によって伸縮自在な伸縮フレームが構成されて
いる。コラム32の下端には回転機構33を介して円弧
状のアーム34が設けられ、アーム34には物品11を
把持する把持部としての把持フレーム35が固定されて
いる。把持フレーム35は回転機構33によってアーム
34を介して水平面内で半径方向にスライド(回転)す
るようになっている。把持フレーム35の3箇所には物
品11側に嵌合する嵌合部材36が設けられている。
【0014】図2、図3に基づいて嵌合部材36を説明
する。図3(a) には嵌合部材36の平面視状態、図3
(b) には嵌合部材36の側面視状態を示してある。図に
示すように、嵌合部材36にはスライド機構37を介し
て嵌合板38がアーム34の中心方向に出没動自在に設
けられ、嵌合板38は突出動することにより後述する物
品11の切り欠き部に嵌合するようになっている。各嵌
合板38には安全ピン39及び検出手段としての距離セ
ンサ40が設けられ、安全ピン39が後述する物品11
のピン穴に係合することによりアーム34で物品11を
把持した時の落下が防止される。安全ピン39の物品1
1のピン穴への係合及び係合解除状況は距離センサ40
によって検出され(詳細は後述)、距離センサ40の検
出情報は制御装置41(図1)に入力され、各駆動機構
は制御装置41の指令に応じて遠隔で駆動制御される。
【0015】図1、図4に基づいて保管装置12を説明
する。保管装置12の把持装置13には、開口部で物品
11が把持される保管把持部42が放射状に複数(図示
例では7個)設けられている。把持装置13は回転駆動
手段43を介して割り出し回転自在に支持部材48に支
持されている。保管把持部42の開口部の3箇所には物
品11側に嵌合する保管嵌合部材44が設けられてい
る。
【0016】図5に基づいて保管嵌合部材44を説明す
る。図5(a) には保管把持部42の平面視状態、図5
(b) には保管把持部42の断面状態を示してある。図に
示すように、保管把持部42の開口部の内側には保管嵌
合部材44が設けられ、保管把持部42で物品11を把
持する際に保管嵌合部材44は後述する物品11の切り
欠き部に嵌合するようになっている。開口部の奥の保管
嵌合部材44には安全ピン46及び保管検出手段として
の距離センサ47が設けられ、安全ピン46が後述する
物品11のピン穴に係合することにより保管把持部42
で物品11を把持した時の落下が防止される。安全ピン
46の物品11のピン穴への係合及び係合解除状況は距
離センサ47によって検出され(詳細は後述)、距離セ
ンサ47の検出情報は制御装置41に入力され、各駆動
機構は制御装置41の指令に応じて遠隔で駆動制御され
る。
【0017】図1、図4に基づいて受け渡し装置14を
説明する。受け渡し装置14のベースフレーム51には
スライド機構52を介して下スライドフレーム53が往
復移動自在に設けられ、下スライドフレーム53の上に
は旋回フレーム54が旋回自在に設けられ、旋回フレー
ム54にはスライド機構55を介して上スライドフレー
ム56が往復移動自在に支持されている。上スライドフ
レーム56の一端には昇降機構57を介して開口部で物
品11が把持される受け渡し把持部58が昇降自在に支
持されている。受け渡し把持部58の開口部の3箇所に
は物品11側に嵌合する受け渡し嵌合部材59が設けら
れている。
【0018】図6に基づいて受け渡し嵌合部材59を説
明する。図6(a) には受け渡し把持部58の平面視状
態、図6(b) には受け渡し把持部58の断面状態を示し
てある。図に示すように、受け渡し把持部58の開口部
の内側には受け渡し嵌合部材59が設けられ、受け渡し
把持部58で物品11を把持する際に受け渡し嵌合部材
59は後述する物品11の切り欠き部に嵌合するように
なっている。開口部の奥の受け渡し嵌合部材59には安
全ピン60及び受け渡し検出手段としての距離センサ6
1が設けられ、安全ピン60が後述する物品11のピン
穴に係合することにより受け渡し把持部58で物品11
を把持した時の落下が防止される。安全ピン60の物品
11のピン穴への係合及び係合解除状況は距離センサ6
1によって検出され(詳細は後述)、距離センサ61の
検出情報は制御装置41に入力され、各駆動機構は制御
装置41の指令に応じて遠隔で駆動制御される。
【0019】図7、図8に基づいて物品11の形状を詳
細に説明する。図7(a) には物品11の全体状況、図7
(b) には図7(a) 中のb-b 線矢視、図7(c) には図7
(a) 中のc-c 線矢視、図8(a) には図7(a) 中のVIII方
向矢視、図8(b) には図8(a)中のB-B 線矢視を示して
ある。
【0020】図7に示すように、物品11には嵌合板3
8及び保管嵌合部材44及び受け渡し嵌合部材59が挿
入される切り欠き部71が設けられ、把持フレーム35
及び保管把持部42及び受け渡し把持部58の間で物品
11の受け渡しを可能にするため、切り欠き部71は上
下2段にそれぞれ3箇所に合計6箇所に設けられてい
る。各装置の安全ピン39、46、60の位置に対応す
る部位における切り欠き部71には、安全ピン39、4
6、60の外形より若干大きい径のピン穴72が設けら
れている。また、図8に示すように、ピン穴72が設け
られている部位の物品11の側面には2種類の切り欠き
73、74が上下に設けられている。
【0021】図9に基づいて2種類の切り欠き73、7
4と距離センサ40、47、61との関係を説明し、安
全ピン39、46、60のピン穴72への係合状況及び
係合解除状況を説明する。図9(a) には嵌合板38が接
近した状態、図9(b) には把持板38が挿入された状
態、図7(c) には安全ピン39がピン穴72に係合され
て把持板38が固定された状態を示してある。尚、嵌合
板38の安全ピン39及び距離センサ40の構成は、保
管嵌合部材44の安全ピン46及び距離センサ47、受
け渡し嵌合部材59の距離センサ61と略同一の構成と
なっている。従って、図9では2種類の切り欠き73、
74と嵌合板38の安全ピン39及び距離センサ40と
の関係を示し、保管嵌合部材44の安全ピン46及び距
離センサ47、受け渡し嵌合部材59の距離センサ61
との関係は省略してある。この場合、図9において、嵌
合板38が保管嵌合部材44及び受け渡し嵌合部材59
に、安全ピン39が安全ピン46、60に、距離センサ
40が距離センサ47、61のそれぞれ相当する。
【0022】距離センサ40は3個のセンサ40a,40b,40
c が並設されて構成されている。3個のセンサ40a,40b,
40c は、両側のセンサ40a,40c で同一の高さの位置が検
出され、中央のセンサ40b で両側のセンサ40a,40c より
も若干高い位置が検出され、3個のセンサ40a,40b,40c
は検出間隔がcとなっている。一方、図8に示すよう
に、前述した切り欠き73、74のうち下側に位置する
切り欠き73の幅はaとなり、上側に位置する切り欠き
74の幅はbとなっている。そして、3個のセンサ40a,
40b,40c の検出間隔cと切り欠き73、74の幅a,b
とは、以下の関係に設定されている。 a>c>b
【0023】嵌合板38が物品11の切り欠き部72に
挿入され、安全ピン46がピン穴72に係合される状況
を説明する。
【0024】図9(a) に示すように、嵌合板38が物品
11の切り欠き部72に接近すると、距離センサ40が
物品11の側面下側に位置する切り欠き73近傍との距
離を検出する。この時距離センサ40を構成する各セン
サ40a,40b,40c の検出距離はそれぞれL1,L2,L3となって
いる。安全ピン46の位置が幅方向で切り欠き73に一
致していれば、3個のセンサ40a,40b,40c の検出間隔c
が切り欠き73の幅aよりも狭くなっているので、セン
サ40a,40c の検出距離L1,L3 が等しくなる。また、中央
のセンサ40b では両側のセンサ40a,40c よりも若干高い
位置の切り欠き73から外れた位置を検出するので、嵌
合板38が挿入可能な位置であれば、L2<L1=L3となる。
このような検出距離となるように、嵌合板38の位置、
即ち、把持フレーム35の位置を合わせる。
【0025】図9(b) に示すように、嵌合板38の位置
合わせが完了したら、嵌合板38を切り欠き部72に挿
入していく。安全ピン46がピン穴72に嵌合可能とな
る位置は、センサ40a,40c の検出距離L1,L3 が所定距離
となることで確認できる。
【0026】図9(c) に示すように、安全ピン46の位
置合わせが完了したら、嵌合板38を上昇させてピン穴
72に安全ピン46を嵌合させる。更に嵌合板38を上
昇させると、嵌合板38の上面が切り欠き部72の下面
に接触する。この時の各センサ40a,40b,40c は、中央の
センサ40b が上側に位置する切り欠き74の位置を検出
し、両側のセンサ40a,40c はc>bの関係から切り欠き
74を外れた位置を検出する。そして、検出距離L1,L2,
L3の関係は、L1=L3<L2となる。各センサ40a,40b,40c の
検出距離がこの関係になったことで、嵌合板38の上面
が切り欠き部72の下面に接触して嵌合板38により物
品11が把持フレーム35に固定されたことが確認でき
る。
【0027】上述した嵌合板38の物品11の切り欠き
部72への挿入動作や安全ピン46のピン穴72への係
合動作は、制御装置41の指令に基づいて実行される。
そして、切り欠き部72は上下2段に設けられているた
め、各切り欠き部72を用いて保管装置12と受け渡し
装置14との間及び受け渡し装置14と物品搬送装置1
5との間で物品11の受け渡しが行われる。
【0028】この時、制御装置41の機能により、把持
フレーム35と保管把持部42との間で物品11の受け
渡しを行う際に、受け取る側の嵌合板38の安全ピン3
9もしくは保管嵌合部材44の安全ピン46が物品11
のピン穴72に嵌合されるまでは、受け渡す側の保管嵌
合部材44の安全ピン46もしくは嵌合板38の安全ピ
ン39のピン穴72への係合が解除されないようになっ
ている。また、保管把持部42と受け渡し把持部58と
の間で物品11の受け渡しを行う際に、受け取る側の保
管嵌合部材44の安全ピン46もしくは受け渡し嵌合部
材59の安全ピン60が物品11のピン穴72に嵌合さ
れるまでは、受け渡す側の受け渡し嵌合部材59の安全
ピン60もしくは保管嵌合部材44の安全ピン46のピ
ン穴72への係合が解除されないようになっている。
【0029】上記構成の物品搬送装置15を備えた物品
搬送設備により、物品11を保管装置12から適用装置
17の装着部18に搬送する作用を図10乃至図15に
基づいて説明する。
【0030】図10(a) に示すように、保管装置12の
回転駆動手段43を駆動して所望の物品11を受け渡し
装置14側に向ける。図10(b) に示すように、受け渡
し装置14の旋回フレーム54を旋回させ、受け渡し把
持部58を保管装置12側に向ける。この時、受け渡し
把持部58が保管装置12の保管把持部42に正対する
位置となるように、下スライドフレーム53をベースフ
レーム51に対して移動させておく。更に、受け渡し嵌
合部材59が保管装置12に搭載されている物品11の
切り欠き部71のうち保管把持部42の保管嵌合部材4
4が挿入されていない側の切り欠き部71の高さに合う
ように、昇降機構57により受け渡し把持部58の高さ
を位置決めする。この状態で、上スライドフレーム56
を前進させ、受け渡し把持部58を保管装置12側に突
出させる。前述したように(図9参照)、受け渡し嵌合
部材59の安全ピン60をピン穴72に係合させて距離
センサ61によって受け渡し把持部58に物品11が受
け渡されたことが確認される。
【0031】図11(a) に示すように、保管嵌合部材4
4の安全ピン46のピン穴72への係合が解除されたこ
とが距離センサ47により検出され、受け渡し装置14
に物品11が受け渡されたことが確認されると、スライ
ド機構55によって上スライドフレーム56を引き込
む。図11(b) に示すように、受け渡し装置14の旋回
フレーム54を旋回し、物品11を把持した受け渡し把
持部58を物品搬送装置15側に向ける。この時、物品
搬送装置15は、天井クレーン21の走行及び走行フレ
ーム23の走行及び走行フレーム23に対する移動フレ
ーム29の移動により、受け渡し装置14の物品11を
受取可能な位置に把持フレーム35を位置決めする。ま
た、コラム32の昇降及び回転機構33により、把持フ
レーム35の高さ及び向き(角度)を受け渡し装置14
の物品11を受取可能な位置に位置決めする。
【0032】図12(a) に示すように、受け渡し装置1
4のスライド機構55によって上スライドフレーム56
を前進させ、物品11を把持した受け渡し把持部58を
物品搬送装置15の把持フレーム35側に送り出す。位
置の確認は前述の通り(図9参照)に行う。即ち、受け
取り側の把持フレーム35では、3箇所の嵌合板38の
うちの中央の1個で嵌合板38と安全ピン39の挿入位
置を確認する。位置の修正は、左右方向(図1中X方
向)は物品搬送装置15の走行フレーム23に対する移
動テーブル27の移動で行ない、挿入方向(図1中Y方
向)は受け渡し装置14のスライド機構55によって上
スライドフレーム56を前後進させることで行う。この
時、把持フレーム35の中央の嵌合板38をスライド機
構37により所定の位置まで突出させておき、残りの2
箇所の嵌合板38は位置決めが完了した後に個々のスラ
イド機構37により挿入位置を確認しながら物品11の
切り欠き部71に挿入する。嵌合板38の安全ピン39
が全て切り欠き部71に挿入されるまでコラム32を上
昇させて受け渡し装置14の受け渡し把持部58から物
品11を把持フレーム35で受け取る。この時の確認は
距離センサ40によって実施される。
【0033】図12(b) に示すように、受け渡し装置1
4のスライド機構55によって上スライドフレーム56
を後退させ、受け渡し把持部58を引き込む。また、物
品搬送装置15のコラム32を上昇させ、物品11を把
持した把持フレーム35を所定の高さまで上昇させる。
【0034】図13(a) に示すように、天井走行クレー
ン21の走行及び走行フレーム23の走行及び移動フレ
ーム29の移動によりベース柱31をXY方向の所定の
位置に位置決めし、コラム32の昇降及びアーム34の
回動により把持フレーム35の高さ及び方向を位置決め
し、物品11を把持した把持フレーム35を適用装置1
7と干渉しない位置まで移動させる。
【0035】図13(b) に示した状態は、適用装置17
への干渉を回避して物品11を把持した把持フレーム3
5を装着部18へ搬送中の状態を示してある。図14
(a) に示した状態は、物品11を把持した把持フレーム
35が装着部18に接近した状態を示してある。また、
図14(b) に示した状態は、物品11を把持した把持フ
レーム35が装着部18の下方に位置決めされた状態を
示してあり、回転機構33により物品11と装着部18
の角度が合わせられる。
【0036】図15(a) に示すように、物品搬送装置1
5のコラム32を上昇させて物品11を下方から装着部
18に挿入していく。挿入高さは、所定位置でのコラム
32の上昇停止によるか、または、コラム32の昇降負
荷荷重を図示しない荷重計で計測することで確認でき
る。
【0037】図15(b) に示すように、装着部18に物
品11を挿入した後、図示しないクランプ機構によって
物品11を装着部18に保持する。保持完了の信号を確
認したらコラム32を僅かに下降させ、安全ピン39が
ピン穴72から抜けたことを距離センサ40により確認
し、スライド機構37により嵌合板38を物品11の切
り欠き部71から離す。次に、天井走行クレーン21の
走行及び走行フレーム23の走行及び移動フレーム29
の移動によりベース柱31をXY方向に移動させ、把持
フレーム35を物品11から離していく。把持フレーム
35が適用装置17に干渉しない位置で、コラム32を
上昇させて把持フレーム35を適用装置17の上方に移
動させ、天井走行クレーン21の走行及び走行フレーム
23の走行及び移動フレーム29の移動によりベース柱
31をXY方向に移動させて物品搬送装置15を元の位
置に復帰させる。
【0038】適用装置17の装着部18から物品11を
取り外して保管装置12に戻す場合には、保管装置12
から物品11を受け取って適用装置17の装着部18に
搬送する前述した手順の概ね逆の手順によって実施され
る。
【0039】上述した物品搬送装置15は、スライド機
構37によって嵌合板38を物品11の切り欠き部71
に挿入し、安全ピン39をピン穴72に係合して把持フ
レーム35に物品11を把持するようにしたので、重量
物である物品11を確実に把持することができ、搬送時
の振動その他の外乱等で物品11がずれ落ちることがな
く安全に搬送することができる。また、安全ピン39の
ピン穴72に対する係合及び係合解除を3個のセンサ40
a,40b,40c からなる距離センサ40によって遠隔で検出
するようにしたので、高所等、作業者が物品11の近傍
に直接接近できない環境でも容易に落下防止措置を講ず
ることができる。
【0040】また、物品搬送装置15を備えた物品搬送
設備では、保管装置12の保管嵌合部材44、受け渡し
装置14の受け渡し嵌合部材59及び物品搬送装置15
の嵌合板38をそれぞれ物品11の切り欠き部71に対
して挿入及び挿入解除すると共に、安全ピン39、4
6、60をピン穴72に対して係合及び係合解除して物
品11の受け渡しを行ない、保管装置12と適用装置1
7との間で物品11を搬送するようにしたので、重量物
である物品11を安全に搬送することができる。また、
安全ピン39、46、60のピン穴72に対する係合及
び係合解除を、それぞれ3個のセンサからなる距離セン
サ40、47、61によって遠隔で検出すると共に、受
け渡す側の安全ピンのピン穴72に対する嵌合解除を条
件として受け渡される側の動作を開始するようにしたの
で、受け渡し時に物品11を落下させる虞がなく、重量
物である物品11の受け渡しを安全に行って搬送するこ
とができる。
【0041】上述した実施形態例では、部品11の把持
状態及び安全ピンのピン穴72に対する嵌合状態を検出
する検出手段として、距離センサ40、47、61を用
いた例を挙げて説明したが、検出手段として、カメラに
よって安全ピン39、46、60や嵌合板38、保管嵌
合部材44及び受け渡し嵌合部材59の状態を撮影して
目視確認する手段や、接触スイッチによって安全ピン3
9、46、60や嵌合板38、保管嵌合部材44及び受
け渡し嵌合部材59を直接検出する手段等を用いること
が可能である。また、嵌合部材としても、安全ピン3
9、46、60を備えた嵌合板38、保管嵌合部材44
及び受け渡し嵌合部材59に限定されず、物品11の形
状等に応じて種々の手段を用いることが可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明の物品搬送装置は、遠隔作業によ
って物品の落下を防止する措置を施すことができ、大型
精密機器等の物品を安全に搬送することが可能となる。
また、本発明の物品搬送設備は、遠隔作業によって物品
の落下を防止した状態で保管装置と物品搬送部位との間
で大型精密機器等の物品を安全に搬送することができる
と共に、受け渡す側の嵌合部材の嵌合解除を条件として
受け渡される側の動作を開始するようにしたので、受け
渡し時に物品を落下させる虞がなく、重量物である物品
の受け渡しを安全に行って搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る物品搬送設備の全
体斜視図。
【図2】本発明の一実施形態例に係る物品搬送装置の全
体斜視図。
【図3】図2中の把持部における嵌合部材の詳細状況説
明図。
【図4】図1中の保管装置及び受け渡し装置の全体状況
説明図。
【図5】図4中の保管装置における保管把持部の詳細状
況説明図。
【図6】図4中の受け渡し装置における受け渡し把持部
の詳細状況説明図。
【図7】物品の形状説明図。
【図8】図7中の要部説明図。
【図9】把持嵌合状況説明図。
【図10】物品搬送設備の動作説明図。
【図11】物品搬送設備の動作説明図。
【図12】物品搬送設備の動作説明図。
【図13】物品搬送設備の動作説明図。
【図14】物品搬送設備の動作説明図。
【図15】物品搬送設備の動作説明図。
【図16】従来の物品搬送装置で物品を搬送している状
態の側面図。
【図17】従来の物品搬送装置で物品を搬送している状
態の正面図。
【図18】従来の物品搬送装置で物品を搬送している状
態の平面図。
【符号の説明】
11 物品 12 保管装置 13 把持装置 14 受け渡し装置 15 物品搬送装置 16 把持部 17 適用装置 18 装着部 21 天井走行クレーン 23 走行フレーム 27 移動テーブル 31 ベース柱 32 コラム 33 回転機構 34 アーム 35 把持フレーム 36 嵌合部材 38 嵌合板 39、46、60 安全ピン 40、47、61 距離センサ 41 制御装置 42 保管把持部 44 保管嵌合部材 51 ベースフレーム 53 下スライドフレーム 54 旋回フレーム 56 上スライドフレーム 58 受け渡し把持部 59 受け渡し嵌合部材 71 切り欠き部 72 ピン穴 73 切り欠き
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井田 登 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 西村 芳雄 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自走自在な走行フレームに移動自在に支
    持される移動フレームと、前記移動フレームに伸縮自在
    に支持される伸縮フレームと、回転機構を介して前記伸
    縮フレームに支持され物品を把持する把持部と、前記把
    持部に設けられ物品側に嵌合する嵌合部材と、前記把持
    部による前記部品の把持及び前記嵌合部材の前記物品へ
    の嵌合を検出する検出手段とを備えたことを特徴とする
    物品搬送装置。
  2. 【請求項2】 複数の物品を保管する保管装置と、前記
    保管装置と物品搬送部位との間で前記物品の搬送を行う
    物品搬送装置と、前記保管装置と前記物品搬送装置との
    間で前記物品の受け渡しを行う受け渡し装置と、前記物
    品搬送装置及び前記保管装置及び前記受け渡し装置の動
    作を制御する制御装置とからなり、 前記物品搬送装置には、自走自在な走行フレームに移動
    自在に支持される移動フレームと、前記移動フレームに
    伸縮自在に支持される伸縮フレームと、回転機構を介し
    て前記伸縮フレームに支持され物品を把持する把持部
    と、前記把持部に設けられ物品側に嵌合する嵌合部材
    と、前記把持部による前記部品の把持及び前記嵌合部材
    の前記物品への嵌合を検出する検出手段とが備えられ、 前記保管装置には、前記物品が把持される保管把持部が
    放射状に複数配置される把持装置と、前記把持装置を割
    り出し回転する回転駆動手段と、前記保管把持部に設け
    られ前記物品側に嵌合する保管嵌合部材と、前記保管把
    持部による前記物品の把持及び前記保管嵌合部材の前記
    物品への嵌合を検出する保管検出手段とが備えられ、 前記受け渡し装置には、往復移動する下スライドフレー
    ムと、前記下スライドフレームに旋回自在の設けられる
    旋回フレームと、前記旋回フレームに往復移動自在に設
    けられる上スライドフレームと、前記上スライドフレー
    ムの一端に昇降機構を介して昇降自在に設けられ前記物
    品を把持する受け渡し把持部と、前記受け渡し把持部に
    設けられ前記物品側に嵌合する受け渡し嵌合部材と、前
    記受け渡し把持部による前記物品の把持及び前記受け渡
    し嵌合部材の前記物品側への嵌合を検出する受け渡し検
    出手段とが備えられ、 前記制御装置には、前記検出手段及び前記保管検出手段
    及び前記受け渡し検出手段の検出情報が入力され、 前記制御装置は、前記把持部と前記保管把持部との間で
    前記物品の受け渡しを行う際に受け取る側の前記嵌合部
    材もしくは前記保管嵌合部材が前記物品側に嵌合される
    までは受け渡す側の前記保管嵌合部材もしくは前記嵌合
    部材の前記物品側への嵌合を解除しない機能と、前記保
    管把持部と前記受け渡し把持部との間で前記物品の受け
    渡しを行なう際に受け取る側の前記保管嵌合部材もしく
    は前記受け渡し嵌合部材が前記物品側に嵌合されるまで
    は受け渡す側の前記受け渡し嵌合部材もしくは前記保管
    嵌合部材の前記物品側への嵌合を解除しない機能とを備
    えていることを特徴とする物品搬送設備。
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