JPH10217609A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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Publication number
JPH10217609A
JPH10217609A JP9023074A JP2307497A JPH10217609A JP H10217609 A JPH10217609 A JP H10217609A JP 9023074 A JP9023074 A JP 9023074A JP 2307497 A JP2307497 A JP 2307497A JP H10217609 A JPH10217609 A JP H10217609A
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JP
Japan
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coating
developer
dye precursor
methyl
paper
Prior art date
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Pending
Application number
JP9023074A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonobu Omura
知伸 大村
Takashi Ueno
隆 上野
Tomoaki Nagai
共章 永井
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Priority to JP9023074A priority Critical patent/JPH10217609A/ja
Publication of JPH10217609A publication Critical patent/JPH10217609A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャストコート法により製造された、表面に
高光沢を有する感熱記録体を提供すること。 【解決手段】 基材上に染料前駆体及び顕色剤を含有す
る塗工層を設けた感熱記録紙体において、該塗工層を形
成する際にキャストコート法を用いる。本発明の感熱記
録体は、表面の75゜光沢度が75%以上であり、また、静
的発色開始点が110℃以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録面に高光沢が付
与された感熱記録体に関し、特に従来不可能であったキ
ャストコート法を用いて製造された感熱記録体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】感熱記録体は、通常無色ないしは淡色の
染料前駆体とフェノール性化合物等の顕色剤をそれぞれ
微細粒子にまで磨砕分散した後、両者を結着剤、顔料分
散液、及び必要に応じた各種助剤と混合して得られる塗
工液を上質紙、コート紙、合成紙、プラスチックフィル
ム等の基材に塗工し、乾燥して得られる。本記録体にサ
ーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、及びレーザー
光等で加熱することにより、瞬時に染料前駆体と顕色剤
の反応が起こり、可視光領域の吸収を有する染料が生成
するという発色機構により記録画像が得られる。
【0003】感熱記録体は、プリンター、ファクシミリ
等色々な記録装置により広範囲の分野で応用されてい
る。これらの装置の多様化、高性能化に伴い、感熱記録
体に対する品質要求もより高度なものになってきてい
る。例えば耐候性、耐熱性、耐水性、耐油性、耐可塑剤
性といった保存性に関する品質が求められていると同時
に、高速記録に対応すべく極短時間の加熱に対する鋭敏
な応答も要求されている。更に、近年では情報用紙の分
野でも、感熱記録方式のフルカラープリンターが上市さ
れ、感熱記録体の用途は益々拡大されてきている。
【0004】このような流れの一つとして、高光沢を有
する記録面を持った感熱記録体は、感熱記録ラベル、各
種チケット等で活用されており、高級感を醸し出す高光
沢を有する感熱記録体への要望が高まっている。しか
し、感熱記録体に高光沢を付与することは、合成紙やプ
ラスチックフィルム等高価な基材を選択した場合、比較
的容易に達成できるが、コスト面から明らかに不利であ
り実用性に乏しかった。
【0005】また、基材として、一般によく用いられて
いる紙を使用した場合は、例えば感熱発色層塗工液が基
材の不均一な構造に浸透するため、塗工層表面はマット
調となり、塗工層表面にスーパーカレンダー処理等の平
滑化処理を施しても十分な光沢度は得られない。また、
マット調の塗工層上に、ニス引き、若しくはラミネート
処理を施すなどの方法により光沢度を確保する試みがな
されているが、これらの場合も製造工程が増加し生産性
に劣るという問題があった。
【0006】一方、キャストコート法は、既に印刷用
紙、情報用紙、包装材料等の製造に応用されている。キ
ャストコート法の特徴は、湿潤状態、若しくは可塑性を
有している状態の塗工層を加熱された仕上げ面(以下キ
ャストドラムという)に圧着し、湿潤塗工層の乾燥と同
時に前記仕上げ面を写し取ることにより高光沢面が得ら
れることにあり、安価な紙、若しくはコート紙を基材と
して、比較的単純な工程で高光沢を付与することができ
る。
【0007】ところが、キャストコート法で感熱記録体
を製造しようと試みた場合、キャストドラムの表面温度
は方法によって多少差はあるものの通常100℃前後から1
20℃以上と高温であることから、加熱されたキャストド
ラムに圧着される乾燥工程において染料前駆体と顕色剤
とが反応してしまい、白紙である部分が発色するいわゆ
る地色発色が生じるおそれがあるため、乾燥温度(キャ
ストコート法においてはキャストドラムの表面温度)を
極めて低温に設定しなければならない。
【0008】キャストコート法の場合、湿潤塗工層に含
まれる水分は基材を通して非塗工面側から蒸発する必要
があり、塗工層表面或いは紙匹の両面から水分が蒸発し
得る一般の塗工方法と比較して、乾燥温度低下のコータ
ー運転速度に及ぼす影響は大きい。即ち、キャストドラ
ム表面が高温であれば乾燥時間は短縮されるので通常の
キャストコート法ではコーター運転速度が速いのに対
し、地色発色を起こさない程度にキャストドラム表面温
度を低く設定した場合、速いコーター運転速度では塗工
層が十分に乾燥されないまま次の工程に進むことにな
る。その結果、キャストドラムからの剥離性が低下した
り、塗工層の一部がキャストドラムに取られるいわゆる
ドラムピックが発生し、品質が著しく損なわれるととも
に、キャストドラム表面の汚れにより連続使用ができな
くなるなど生産性も低下する。
【0009】このように、キャストコート法によって感
熱記録体を製造するためには、キャストドラム表面温度
は低くかつコーター運転速度は遅く設定する必要があ
り、キャストコート法の特性を活すことができないゆえ
に高光沢度の獲得も実現されず、キャストコート法によ
る感熱記録体の製造は事実上不可能であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
面に高光沢が付与された感熱記録体をキャストコート法
にて製造し提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、基材の少な
くとも一方の面に、染料前駆体及び加熱時に該染料前駆
体と反応して発色せしめる顕色剤を含有する塗工層を設
けた感熱記録体において、該塗工層を形成する際にキャ
ストコート法を用い、また、表面の75゜光沢度が75%以
上である感熱記録体とすることによって達成された。
【0012】また、本発明者等の鋭意検討によれば、11
0℃加熱条件下で発色が認められない感熱記録体となる
ように塗工液を調製した場合、キャストコート法にて容
易に感熱記録体が得られることが見出された。即ち、静
的発色開始点が110℃以上であれば、地色発色を引き起
こすことなく高光沢の付与が効率良く行われ、本発明の
目的がより良く達成される。
【0013】本発明における静的発色開始点とは次のよ
うに定義される。調製した塗工液を複合紙(日本製紙
(株)製:商品名オーパーSMW#130)上に、アプリケータ
ーを用いて、塗工量が10g/m2となるよう塗工し、直ちに
100℃に加熱された送風乾燥器内で3分間乾燥して得ら
れた紙匹をヒートシールテスター(テスター産業
(株):商品名TP-701S)に供する。即ち、紙匹をニップ
圧2kgf/cm2、ニップ幅10mmにて10秒間処理し、その後
ニップされた部分の発色の度合いを反射濃度計(マクベ
スRD-915)を用いブラック濃度として測定して得られた
数値が0.1である、ヒートシールテスターの温度を、静
的発色開始点とする。
【0014】本発明においては、キャストドラムとの接
触によって発色反応を引き起こさない程度の耐熱性を有
する顕色剤であれば特に制限されず使用することがで
き、特に110℃以上の静的発色開始点を与える顕色剤で
あればより望ましい。このような性質を有するものとし
ては従来、例えばフェノール系、尿素系、チオ尿素系等
の顕色剤が知られている。特に、下記一般式(1)で表
されるアミノベンゼンスルホンアミド誘導体は、耐熱性
の他耐油性等の保存安定性も良好であり本発明では有効
に用いられる。
【0015】
【化2】 (式中、Xは、酸素原子或いは硫黄原子を表し、Rは、
無置換或いは置換されたフェニル基、ナフチル基、アラ
ルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、シクロアル
キル基、或いは炭素数2〜6の低級アルケニル基を表
す。Zは、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電子吸
引基を表す。nは0〜4の整数、pは1〜5の整数を表
し、n+p≦5である。)
【0016】本発明において顕色剤として使用すること
ができる一般式(1)で表されるアミノベンゼンスルホ
ンアミド誘導体としては、(A−1)〜(A−54)、或
いは(Bー1〜B−18)が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体を製造するに
は、基材の少なくとも一方の面に、染料前駆体及び顕色
剤を含有する塗工液を塗布し、キャストコート法によっ
て塗工紙とすることで容易に得ることができる。具体的
に一例を述べると、染料前駆体、顕色剤をそれぞれボー
ルミル、アトライター、サンドグラインダー等の粉砕機
あるいは乳化機で微粒化し、顔料等の各種填料及び各種
添加剤を加え、結着剤とともに分散して塗工液とし、こ
れを感熱記録の分野で通常用いられる各種コーターで基
材上に塗布後、湿潤状態若しくは可塑性を有している状
態の塗工層を加熱されたキャストドラムに圧着し乾燥す
る。本発明でいう仕上げ面又はキャストドラムとは、通
常鏡面加工された金属製円筒外面を有するドラムであ
る。
【0026】本発明の感熱記録体は、種々のキャストコ
ート法の内、「コーティング」(1993年8月発行 紙パ
ルプ技術協会編 紙パルプ製造技術シリーズ)第9章
記載のウェットキャスト法、プレキャスト法、ゲル化キ
ャスト法、及びリウェットキャスト法の何れの方法も適
用される。これらの方法は、キャストドラム表面を写し
取り高光沢を得る点では共通であるが、キャストドラム
圧着されるまでの工程の差異により区別される。以下に
それぞれの方法について若干詳細に説明する。
【0027】ウェットキャスト法とは、直接法ともいわ
れ、原紙に塗布された塗工液は湿潤状態のまま直ちにプ
レスロールによって加熱されたキャストドラムに圧着さ
れ、乾燥と同時にキャストドラム表面を写し取ることで
高光沢を得る方法である。
【0028】プレキャスト法とは、加熱されたキャスト
ドラム表面に塗工液を直接塗布し、乾燥させた後、該塗
工層を原紙に圧接転移させる方法である。
【0029】ゲル化キャスト法とは、凝固法ともいわ
れ、原紙に塗布された塗工液は凝固液で処理され、流動
性のない変形可能なゲル状態で加熱されたキャストドラ
ムに圧着され、ウェットキャスト法の場合と同様にして
高光沢を得る方法である。
【0030】リウェットキャスト法とは、再湿潤法若し
くは再湿法ともいわれ、原紙に塗布された塗工液は一旦
乾燥された後、再湿液で処理され、該塗工層は表層部分
が再湿潤可塑化された状態で加熱されたキャストドラム
に圧着され、ウェットキャスト法の場合と同様に高光沢
を得る方法である。
【0031】本発明の感熱記録体をゲル化キャスト法に
て得る場合には、凝固液に添加する凝固剤としては蟻
酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸、炭
酸、ほう酸等の酸、及びこれらとカルシウム、亜鉛、マ
グネシウム、ナトリウム、カリウム、バリウム、鉛、カ
ドミウム、アンモニウム等との各種塩の中から、発色能
の阻害や地色に悪影響を及ぼさない範囲で、適宜選択し
任意の濃度にて用いることができる。この場合、複数の
凝固剤を任意の比率にて併用しても良い。
【0032】また、リウェットキャスト法にて本発明の
感熱記録体を得る場合には、再湿液中にはアンモニア、
ポリアミド樹脂、ヘキサメタリン酸ナトリウム等のリン
化合物、アミド化合物、フッ化物、硫酸亜鉛、蟻酸カル
シウム、及びアルキルフェニルスルホンアミドカルボン
酸誘導体等の中から、発色能の阻害や地色に悪影響を及
ぼさない範囲で、適宜選択して任意の濃度にて添加する
ことができる。この場合複数種を任意の比率にて併用し
ても良い。
【0033】本発明において用いられる染料前駆体とし
ては、従来の感圧、感熱記録分野で公知のものは全て使
用可能で、単独、或いは任意の組み合わせでも使用可能
である。以下に具体例を示すが、これらに限定されるこ
とはない。
【0034】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
【0035】<フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン
【0036】<フルオレン系ロイコ染料> 3,3,6’−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3’−フタリド] 3,3,6’−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3’−フタリド]
【0037】<ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0038】<その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−
(3’−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−
(4’−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2’,2’,2”,2”−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2’,2’,2”,2”−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2’,2’,2”,2”−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2’,2’,2”,2”−テトラキス−(p−
ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン
酸ジメチルエステル
【0039】本発明において、一般式(1)で表される
アミノベンゼンスルホンアミド誘導体は、静的発色開始
点が110℃を下回らない範囲であれば、従来公知の顕色
剤と任意の比率で併用することができる。以下に具体例
を示すが、これらに限定されることはない。
【0040】<ビスフェノールA類> 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール P,P’−(1−メチル−n−ヘキシリデン)ジフェノ
ール 1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオ
キサヘプタン
【0041】<4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル
【0042】<4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル
【0043】<フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル
【0044】<ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチル−6−メチル
フェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピ
ルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジエチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−t−ブチルフェニ
ル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジフェニルフェニ
ル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−t−オクチル−5−メチ
ルフェニル)スルフィド
【0045】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ン類> 4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4’−プロポキシジフェニルスルホン 4−ヒドロキシ−4’−n−ブチルオキシジフェニルス
ルホン 4−ヒドロキシ−4’−n−プロポキシジフェニルスル
ホン
【0046】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ナート> 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナ
ート 4−ヒドロキシフェニル−p−t−ブチルベンゼンスル
ホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼン
スルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1’−ナフタリンスルホナー
ト 4−ヒドロキシフェニル−2’−ナフタリンスルホナー
【0047】<1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェ
ニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ヒドロキシフェニル)−2
−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン
【0048】<レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジ
ル)ベンゼン
【0049】<4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香
酸エステル類> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸t−ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェチネ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチ
【0050】<ビスフェノールスルホン類> ビス−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチル
フェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン 4−ヒドロキシフェニル−2’−エチル−4’−ヒドロ
キシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2’−イソプロピル−4’−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3’−イソプロピル−4’−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3’−secブチル−4’−
ヒドロキシフェニルスルホン 3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−3’−イソプロ
ピル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4’−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−アミノフェニル−4’−ヒドロキ
シフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル−4’−ヒ
ドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル−4’−ヒドロ
キシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3’−クロ
ロ−4’−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3’−メチ
ル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3’−イソ
プロピル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3’−エチ
ル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2’−メチ
ル−4’−ヒドロキシフェニルスルホン
【0051】<ビスフェノールスルホン類> 4,4’−スルホニルジフェノール 2,4’−スルホニルジフェノール 3,3’−ジクロロ−4,4’−スルホニルジフェノー
ル 3,3’−ジブロモ−4,4’−スルホニルジフェノー
ル 3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−スルホ
ニルジフェノール 3,3’−ジアミノ−4,4’−スルホニルジフェノー
【0052】<その他> p−t−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール
【0053】塗工液中の染料前駆体、及び顕色剤配合量
は要求品質に応じて変更可能で、特に限定されるもので
はないが、染料前駆体配合量が大きい場合には、発色性
が高くより低温で発色し、且つ記録濃度も高い反面、キ
ャストコート法における乾燥工程時に地色発色が起こり
やすいといった欠点がある。一方、染料前駆体配合量が
小さい場合には、乾燥工程時の地色発色は起こりにくく
なるものの、発色により高い温度を要する。顕色剤配合
量についても、染料前駆体の場合と同様である。染料前
駆体と顕色剤の固形分配合比は、通常、染料前駆体10重
量部に対して顕色剤が15〜50重量部であるが、要求品質
により変更可能で、特に限定されるものではない。
【0054】本発明において使用することができる顔料
としては、例えばカオリン、タルク、炭酸カルシウム、
二酸化チタン、クレー、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ、
水酸化アルミニウム、各種プラスチックピグメント等
を、単独、もしくは複数使用することができる。
【0055】本発明において使用することができる結着
剤としては、例えばスチレン−ブタジエンラテックス、
アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、澱粉、
ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル
樹脂、尿素樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹
脂、及びその誘導体等の内から適宜選択して使用するこ
とができる。その際、複数の結着剤を併用しても良い。
【0056】本発明においては、静的発色開始点が110
℃を下回らない範囲で、従来公知の増感剤を使用するこ
とができる。乾燥工程での地色発色を抑制するために
は、増感剤は使用しない方がよいが、顕色剤、染料前駆
体の種類と配合比によっては使用することができる。以
下に例示するが、これらに限定されるものではない。
【0057】脂肪酸アミド、又はその誘導体、モンタン
酸ワックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ(3−
メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、
β−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−
トリルエーテル、1,2−ジフェノキシエタン、シュウ
酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベンジル)、シ
ュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフタル酸ジベン
ジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ジ−p−
トリルカーボネート、フェニル−α−ナフチルカーボネ
ート、1,4−ジエトキシナフタレン、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−キシレリン−
ビス(フェニルエーテル)、m−ターフェニル−4−
(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニル等が挙げら
れ、これらの中から1種、若しくは複数種選択すること
ができる。
【0058】また、塗工液中には必要に応じて、分散
剤、保水剤、消泡剤、増粘剤、防腐剤、着色剤、耐水化
剤、湿潤剤、乾燥剤、導電剤、可塑剤、蛍光染料、紫外
線吸収剤、剥離剤、滑剤、酸化防止剤等を適宜添加して
も良い。
【0059】上述のように調製した塗工液は、ブレード
コーター、エアナイフコーター、ロールコーター、コン
マコーター、キスコーター、スクイズコーター、ブラッ
シュコーター、バーコーター、カーテンコーター、グラ
ビアコーター等、公知の塗工機を用いた方法の中から適
宜選択して基材に塗布される。そして、塗工液が湿潤状
態若しくは可塑性を有している状態にあるときに、塗布
面をキャストドラムに圧着し乾燥する。塗工層を基材の
両面に設けて、両面記録用紙としてもよい。
【0060】塗工量については、これが小さい場合に
は、塗工液の基材への浸透等により、ある程度均一な層
構造が形成されず、良好な光沢面が得られない場合があ
る。逆に塗工量が大きい場合には蒸発せしめる水分量が
大きくなるため、塗工速度を低くする必要が生じ生産性
が低下する。発色感度に関しては、これが大きい場合、
高い記録濃度を得やすいが、保存安定性は損なわれる傾
向にある。これらのことから、塗工量は10〜30g/m2の程
度が望ましいが、原紙のサイズ度、透気度、平滑度、及
び塗工液の組成、粘性、固形分濃度等の条件により、こ
の範囲外での製造も可能である。コスト面に注目する
と、塗工量がより小さい場合が有利であることは当然で
ある。
【0061】また、例えば、光沢度アップや更なる高品
質化を目的として、凝固液、又は再湿液中にコロイド状
態の顔料を添加するなど前述の成分に加えて特別な材料
を配合し、本発明の塗工層上に薄い層を設けることもで
きる。感熱記録体の場合、保存性を高める目的で、高分
子物質等のオーバーコート層をいわゆる感熱発色層上に
設けることが知られているが、材料の選択によりオーバ
ーコート層としての機能を付与することができる。
【0062】本発明で使用することができる基材として
は、キャストコート法の性質からある程度の通気性が要
求され、一般に上質紙等の非塗工紙、若しくは非塗工紙
の片面、或いは両面に何らかの塗工層を設けたコート紙
が用いられる。これらの坪量は50〜250g/m2が好まし
い。感熱記録体の場合、保存性及び発色感度を高める目
的で、有機填料又は無機填料を含有するアンダーコート
層を感熱発色層と基材との間に設けることが知られてい
るが、本発明においてもアンダーコート層を設けること
がきできる。
【0063】また、基材としてのコート紙の製造と、染
料前駆体及び顕色剤を含有する塗工層の形成とを、単一
のラインで実施することは当然本発明の範疇に含まれ
る。
【0064】さらに、基材としてのコート紙の少なくと
も一層の塗工層中に染料前駆体、又は顕色剤、及びそれ
らの両方が予め含有されている場合も、本発明の感熱記
録体とすることができる。例えば、染料前駆体層が形成
されていれば顕色剤層を塗工する際に、また顕色剤層が
形成されていれば染料前駆体層を塗工する際に、塗工層
が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧着乾燥すれ
ばよい。また、染料前駆体層及び顕色剤層を有し、ある
いは感熱発色層を有して予め感熱記録体として作製され
ていれば、リウエット法などにより工程中で塗工層を再
湿潤させ、キャストドラムに圧着し乾燥することによっ
て、本発明の感熱記録体を得ることができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施
例及び比較例で行った試験、測定、及び評価基準、並び
に感熱記録体作製に用いた塗工液、凝固液は次の通り調
製した。文中の表記で「%」及び「部」は、特に記載が
ない限りそれぞれ「重量%」及び「重量部」を意味す
る。
【0066】[実施例1]染料前駆体として3-ジエチル
アミノ-6-メチル-7-アニリノフルオラン10部、顕色剤と
して化合物(A−10)40部、顔料としてカオリン(エン
ゲルハード・エムアンドシー(株)製:商品名UW-90)10
0部、結着剤としてカゼイン(ニュージーランド産)10
部、スチレン−ブタジエンラテックス(日本合成ゴム
(株)製、商品名:JSR-0617)15部、剥離剤としてステ
アリン酸カルシウム(サンノプコ(株)製、商品名:ノ
プコートSYC)5部、及び消泡剤0.5部から構成された固
形分濃度が45%の水性塗工液を調製した。次にコンマコ
ーターを用い、目標塗工量18g/m2で坪量110g/m2の上質
紙に塗工した後、塗工層が湿潤状態にあるうちに、100
℃に加熱されたキャストドラムに圧着し、乾燥して感熱
記録紙を得た。
【0067】[実施例2]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(A−12)としたこと以外は実施例1と全く同様
にして感熱記録紙を製造した。
【0068】[実施例3]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(A−19)としたこと以外は実施例1と全く同様
にして感熱記録紙を製造した。
【0069】[実施例4]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(A−40)としたこと以外は実施例1と全く同様
にして感熱記録紙を製造した。
【0070】[実施例5]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(B−14)としたこと以外は実施例1と全く同様
にして感熱記録紙を製造した。
【0071】[実施例6]実施例1で使用した染料前駆
体を3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチ
ルアニリノ)フルオランとしたこと以外は実施例1と全
く同様にして感熱記録紙を製造した。
【0072】[実施例7]実施例1で使用した染料前駆
体を3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニ
ル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−
イル)−4−アザフタリドとしたこと以外は実施例1と
全く同様にして感熱記録紙を製造した。
【0073】[実施例8]実施例1で使用した塗工液を
実施例1と同様に上質紙に塗布し、スキャッフドライヤ
ー内で140℃の熱風を当てて塗工層を一旦乾燥させた
後、下記の再湿液で再湿処理し、湿潤状態の塗工層を10
0度に加熱されたキャストドラムに圧着し、乾燥して感
熱記録紙を製造した。 再湿液の調製:硫酸亜鉛0.3%を含有する再湿液を調製
した。
【0074】[実施例9]実施例1で使用した塗工液を
実施例1と同様に上質紙に塗布し、塗工層が湿潤状態で
あるうちに下記の凝固液で凝固処理し、流動性を失った
ゲル状となった塗工層を100℃に加熱されたキャストド
ラムに圧着し、乾燥して感熱記録紙を得た。 凝固液の調製:蟻酸カルシウム10%を含有する凝固液を
調製した。
【0075】[実施例10]実施例1で使用した染料前駆
体、及び顕色剤配合量をそれぞれ15部、及び60部とした
こと以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を製造
した。
【0076】[実施例11]実施例1で使用した染料前駆
体、及び顕色剤配合量をそれぞれ5部、及び20部とした
こと以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を製造
した。
【0077】[実施例12]実施例1で使用した顔料を炭
酸カルシウム(奥多摩工業(株)製:商品名TP-121)とし
たこと以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙を製
造した。
【0078】[実施例13]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(A−10)37部、4−4’−イソプロピリデンジ
フェノール3部としたこと以外は実施例1と全く同様に
して感熱記録紙を製造した。
【0079】[実施例13]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(2)37部、4,4’−スルホニルジフェノール3
部としたこと以外は実施例1と全く同様にして感熱記録
紙を製造した。
【0080】[比較例1]実施例1で使用した顕色剤を
4−ヒドロキシ安息香酸ベンジルとしたこと以外は実施
例1と全く同様にして感熱記録紙を製造した。
【0081】[比較例2]実施例1で使用した顕色剤を
4,4’−スルホニルジフェノールとしたこと以外は実
施例1と全く同様にして感熱記録紙を製造した。
【0082】[比較例3]実施例1で使用した顕色剤を
化合物(2)20部、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル20部
としたこと以外は実施例1と全く同様にして感熱記録紙
を製造した。
【0083】[比較例4]実施例1で使用した塗工液を
コンマコーターを用い、目標塗工量18g/m2で坪量110g/m
2の上質紙に塗工した後、120℃に加熱された熱風ドライ
ヤーにて乾燥して感熱記録紙を得た。
【0084】実施例及び比較例で製造された感熱記録紙
に対し、下記の試験方法及び評価基準で評価した結果
は、表1に示した通りである。
【0085】
【表1】表1 品質性能試験結果
【0086】・記録面の光沢度 JIS P8142に準じて、いわゆる75゜光沢度を測定し、下
記の基準に従って評価した。 光沢度の値が85%以上 :○ 光沢度の値が75%以上85%未満:△ 光沢度の値が75%未満 :× 上記の評価基準に準じた場合、本発明における高光沢を
有するという条件を満たすためには△以上の評価が必要
である。
【0087】・静的発色開始点 調製した塗工液を複合紙(日本製紙(株)製:商品名オ
ーパーSMW#130)上に、アプリケーターを用いて、塗工量
が10g/m2となるよう塗工し、直ちに100℃に加熱された
送風乾燥器内で3分間乾燥して得られた紙匹をヒートシ
ールテスター(テスター産業(株):商品名TP-701S)に
供した。即ち、紙匹をニップ圧2kgf/cm2、ニップ幅10m
mにて10秒間処理した後、ニップされた部分の発色の度
合いを反射濃度計(マクベスRD-915)を用いブラック濃度
として測定し、下記の評価基準に従って評価した。ヒー
トシール温度を110℃とした場合、 ニップされた部分の濃度が0.1以下 :○ ニップされた部分の濃度が0.1より高い:× 上記評価基準に準じた場合、静的発色開始点が110℃以
上であるためには○である必要がある。
【0088】・地色発色 キャストコート法で得られた感熱記録紙の記録面のブラ
ック濃度を、反射濃度計(マクベスRD-915)を用いて測定
し、下記の評価基準に従って評価した。 ブラック濃度が0.1未満:○ ブラック濃度が0.1以上:× 上記評価基準に準じた場合、○では製造工程での地色発
色による品質低下はないに等しい。
【0089】・感熱記録方式に対する記録適性 ワードプロセッサー(ソニー(株)製:商品名プロデュ
ース1000)を用いて10.5ポイントの文字、及び罫線を記
録し、目視にてシャープさ、記録濃度、及び線幅に注目
して下記の評価基準に準じて評価した。 記録適性が非常に良好である。 :○ 記録適性が若干劣るが、総合的な記録品位は保たれている。:△ 記録適性が劣悪である。 :× 地色発色のため評価不能。 :− 上記評価基準に準じた場合、感熱記録紙としては△以上
の評価が必要である。
【0090】
【発明の効果】これまで感熱記録体は、乾燥工程におけ
る地色発色が想定されキャストコート法による製造は事
実上不可能であったが、本発明によれば、従来の一般キ
ャストコート法の特性を活かして高光沢を有する感熱記
録紙を製造することが可能であり、高級感を備えた付加
価値の高い感熱記録紙を得ることができる。また、従来
の高光沢を付与する方法と比較して、安価であり容易に
製造することができるため、生産性向上に極めて有利で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の少なくとも一方の面に、染料前駆
    体及び加熱時に該染料前駆体と反応して発色せしめる顕
    色剤を含有する塗工層を設けた感熱記録体において、該
    塗工層を形成する際にキャストコート法を用いることを
    特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】 感熱記録体表面の75゜光沢度が75%以上
    であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】 静的発色開始点が110℃以上であること
    を特徴とする請求項1または2記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】 顕色剤として下記一般式(1)で表され
    るアミノベンゼンスルホンアミド誘導体を含有すること
    を特徴とする請求項1、2、または3記載の感熱記録
    体。 【化1】 (式中、Xは、酸素原子或いは硫黄原子を表し、Rは、
    無置換或いは置換されたフェニル基、ナフチル基、アラ
    ルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、シクロアル
    キル基、或いは炭素数2〜6の低級アルケニル基を表
    す。Zは、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電子吸
    引基を表す。nは0〜4の整数、pは1〜5の整数を表
    し、n+p≦5である。)
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