JPH10217273A - 繊維強化樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂複合体の製造方法

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JPH10217273A
JPH10217273A JP2254297A JP2254297A JPH10217273A JP H10217273 A JPH10217273 A JP H10217273A JP 2254297 A JP2254297 A JP 2254297A JP 2254297 A JP2254297 A JP 2254297A JP H10217273 A JPH10217273 A JP H10217273A
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resin
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fiber
clamping
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JP2254297A
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Inventor
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
Masanori Hirata
昌徳 平田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維強化樹脂複合体の製造方法であって、大
型成形品や箱形成形品を迅速かつ容易に製造することが
でき、強化用繊維が流されたり、あるいは成形品中に樹
脂充填の不充分な領域が生じたりすることがない方法を
提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂複合体の製造方法は、反応
射出成形を行なう型3 内に、マット状強化繊維11と、内
部に樹脂流通空間を有するマット状体12とを隣接して積
層せしめて得られるマット積層体を載置し、型締め後、
型3 内に樹脂8 を注入して成形する。マット状体12が型
締め時に厚み方向に圧縮され、型締めによる圧縮率が2
5%以上であり、型締め後の空隙率が50〜90%であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂成形品の製造方法とし
て、反応射出成形法(RIM成形法)が知られている。
この方法は、それぞれ別の容器に保管された2種類の反
応性液状原料樹脂を、高圧で衝突させるか、もしくは型
の吐出口部分に取り付けたミキサーにより混合した後、
混合樹脂を型内に射出することにより、成形を行なうも
のである。
【0003】この反応射出成形法は、熱硬化性樹脂の他
の成形方法と異なり、原料樹脂の反応性が高く、成形サ
イクルタイムの大幅な短縮化を図ることが可能であり、
また金型にかかる圧力が低く、大きな型締め力を必要と
しないので、設備コストを低く抑えることができるとい
う利点がある。
【0004】また反応射出成形法では、原料樹脂とし
て、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ジシクロペンタ
ジエン樹脂、ナイロン樹脂等が用いられ、とくにポリウ
レタンは、その靭性、および反応性の速さにより、自動
車部品を中心として幅広く用いられている。
【0005】ここで、原料樹脂の成分は、例えばポリウ
レタンの場合では、イソシアネートとポリオールであ
り、エポキシ樹脂の場合では、ビスフェノールA型の樹
脂と酸無水物(硬化剤)である。
【0006】反応射出成形法は、通常、樹脂のみを用い
て行なわれるが、成形品に高い強度が要求される場合に
は、補強のためにガラス繊維等の繊維材料が併用され
る。この場合の成形法として、マット状強化繊維、プリ
フォーム等の繊維材料を、予め開いた型内に載置してお
き、型締め後、反応性原料樹脂を型内に射出して、加熱
硬化させ、繊維強化樹脂複合体を製造する方法が知られ
ている(S−RIM成形法)。
【0007】そして、このSーRIM成形法において、
マット状強化繊維への原料樹脂の含浸を促進するための
方法が既に提案されている(例えば特公昭60−226
07号公報参照)。
【0008】この先提案の方法は、強化用繊維の布帛状
物と多孔性シートまたは網状物とを配置するSーRIM
成形法において、型締め後の多孔性シートまたは網状物
の空隙率が90%以上であるようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、S一RIM法では、型内に配置されたマット状強化
繊維が、樹脂の流れ方向に対して流動を阻害する要素と
なるため、注入口より離れた位置では充填性が不足する
という問題があり、このため、大型成形品、箱形成形品
の製造には、S一RIM法による成形は困難を極めると
いう問題があった。
【0010】上記の先提案の方法は、この問題の解決を
試みているが、射出された樹脂が、空隙率の高い多孔性
シートまたは網状物の内部を極めて高速で流動するた
め、強化用繊維が流されたり、脱気しきらないうちに樹
脂が出口に到達してしまい、エアートラップによる樹脂
充填の不充分な領域が生じるという問題があった。
【0011】本発明は、上記の実情に鑑みてなされたも
のであって、大型成形品や箱形成形品を迅速かつ容易に
製造することができ、強化用繊維が流されたり、あるい
は成形品中に樹脂充填の不充分な領域が生じたりするこ
とがない、繊維強化樹脂複合体の製造方法を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、反応射出成形を行なう型内に、マット
状強化繊維と、内部に樹脂流通空間を有するマット状体
とを隣接して積層せしめて得られるマット積層体を載置
し、型締め後、型内に樹脂を注入して成形する繊維強化
樹脂複合体の製造方法であって、マット状体が型締め時
に厚み方向に圧縮され、型締めによる圧縮率が25%以
上であり、型締め後の空隙率が50〜90%であること
を特徴とするものである。
【0013】上記本発明の繊維強化樹脂複合体の製造方
法によれば、まず、反応射出成形を行なう型内に、マッ
ト状強化繊維とマット状体とを隣接して積層せしめて得
られる構成体(以下、マット積層体)を載置する。
【0014】型締め後、マット積層体内部に樹脂を注入
し、マット状体内部に存在する樹脂流通空間を通じて全
体に充填せしめ、続いて、隣接するマット状強化繊維に
含浸せしめ、マット積層体と樹脂とが一体化した成形品
を得る。
【0015】樹脂流通空間の効果は、定量的には空隙率
によって表される。本発明においては、型締め後の空隙
率が50〜90%であり、好ましくは70〜90%であ
る。型締め後の空隙率が過小である場合には、樹脂流通
空間の効果が少なく、樹脂の迅速な充填が期待できな
い。型締め後の空隙率が過大である場合には、樹脂がマ
ット状体内部を極めて高速に流動するため、隣接するマ
ット状強化繊維が流動、配向、流出したり、成形体の形
状によっては、脱気しきらないうちに樹脂が出口に到達
してしまい、樹脂の充填の不充分な領域ができるので、
好ましくない。
【0016】マツト状強化繊維としては、ガラス繊維、
炭素繊維、アラミト繊維等からなるチョプドストランド
マット、スワローマット、クロスなどが用いられる。こ
れらは単独で用いても、併用しても構わない。
【0017】またマット状強化繊維は、引張弾性率30
GPa以上を有するとともに、引張強度500MPa以
上を有するのが好ましい。
【0018】ここで、マット状強化繊維の引張弾性率お
よび引張強度が過小である場合には、成形品の繊維含有
率を上げても補強効果が現れないことがある。
【0019】また上記マット状体は、厚肉のマット状で
あって、内部に、厚み方向および長手方向に連続して樹
脂の流通が可能な空間(以下、樹脂流通空間と記す)が
形成され、型締めによって厚み方向に圧縮可能なもので
あり、厚み方向の圧縮弾性率が0.1kg/cm2 以上
のものである。
【0020】また、マット状体の型締めによる圧縮率は
25%以上である。ここで、圧縮率が過小である場合、
圧縮弾性率が過小である場合には、マット状体がマット
状強化繊維を成形面に押しつける作用が充分でなく、繊
維の流動、配向、流出が起こることがある。
【0021】上記マット状体としては、高発泡の樹脂を
マット状に成形したものや、熱可塑状態の樹脂をノズル
より糸状に押し出し、不規則あるいは規則的に絡ませ、
嵩高いマット状にしたものが用いられる。これらは単独
で用いても、併用しても構わない。
【0022】マット状体の作り方としては特に制限はな
いが、例えば図1に示すような装置を用いて、以下のよ
うな方法により製造することができる。
【0023】すなわち、同図において、押出機(21)の複
数のノズル(22)から溶融したポリプロピレン樹脂やナイ
ロン樹脂を線状体(23)に押し出し降下させ、その下方で
3枚の振動板(24)を、相互に異なるタイミングで押出し
方向に対して直角に振動させることにより、未硬化状態
の線状体(23)を屈曲させ、隣り合う線状体(23)同士の接
触部分を互いに融着させることによりマット状体(25)を
形成し、これを一対の引き取りロール(26)(26)により冷
却水槽(27)内に引き取って、マット状体(25)を製造する
ものである。
【0024】樹脂としては、常温で液状であり、2液の
混合、加熱等の手段によって硬化可能な樹脂であって、
例えぱ、ポリウレタン、工ポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル、ジシクロペンタジエ
ン樹脂等が用いられる。本発明では、樹脂の充填の速や
かなこと、含浸の良いこと、硬化時間の短いことが重要
であり、これらの中でも、ポリウレタン中に水等の発泡
剤を加えた発泡ポリウレタンが適している。
【0025】型締め後の空隙率、および圧縮率は、下式
1および2によって求めることができる。
【0026】
【式1】
【0027】
【式2】 なおここで、初期の空隙率は下式3により求めることが
できる。
【0028】
【式3】
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図2〜図
4を参照して説明する。
【0030】本発明の方法により、図2に示す箱状繊維
強化樹脂複合体(A)を、図4に示すプレス機すなわち
成形装置を用いて成形する。
【0031】箱状繊維強化樹脂複合体(A)は、上方が
開口した箱状形を有するものである。
【0032】本発明の方法は、例えば以下の順序で実施
する。
【0033】1.まずはじめに、金型(3) 内に、マット
状強化繊維(11)、およびマット状強化繊維(11)よりも樹
脂流通性の高いマット状体(12)を積層して収める。
【0034】図3においては、2枚のマット状強化繊維
(11)の間に、1枚のマット状体(12)が挾まれている。
【0035】なお、これらのマット状強化繊維(11)とマ
ット状体(12)の積層配置は、その他のものであっても良
い。
【0036】またこれらのマット状強化繊維(11)および
マット状体(12)よりなる強化材は、事前に積層しても、
金型(3) 内で積層しても良い。
【0037】2.つぎに、金型(3) を型締めするが、こ
のとき、マット状体(12)およびマット状強化繊維(11)
は、型締めによって厚み方向に圧縮される。
【0038】ここで、反応射出成形用金型(3) は、図4
に示すように、例えばアルミニウム製で、可動雄型(4)
と固定雌型(5) とよりなるものである。この金型(3) 内
に、マット状強化繊維(11)、およびマット状強化繊維(1
1)よりも樹脂流通性の高いマット状体(12)を積層して収
める。
【0039】ここで、例えば上記図3に示すように、2
枚のマット状強化繊維(11)の間に1枚のマット状体(12)
が挟まれるように積層すれば良い。
【0040】型締めによって、これらのマット状体(12)
およびマット状強化繊維(11)は、厚み方向に圧縮され
る。
【0041】3.そしてこの状態で、雌型(5) 中央部下
側のミキシングヘッド(6) から注入口(7) を通じて金型
(3) 内に、反応性発泡原料樹脂(8) を射出し、射出時の
圧力によって原料樹脂(8) をマット状体(12)の樹脂流通
空間に、またはマット状強化繊維(11)とマット状体(12)
により形成された樹脂流通空間に浸入せしめるととも
に、発泡時の圧力によってマット状強化繊維(l1)及びマ
ット状体(12)の全域に原料樹脂(8) を含浸充填せしめ
る。このとき、キャビティ内の空気が成形体である箱状
繊維強化樹脂複合体(A)内に巻き込まれないように外
へ排出される。
【0042】4.そして最後に、反応性発泡原料樹脂を
発泡硬化させて、金型(3) から図2に示す箱状繊維強化
樹脂複合体(A)を取り出す。
【0043】(作用)本発明においては、マット状体が
型締め時に厚み方向に圧縮され、型締めによる圧縮率が
25%以上であり、型締め後の空隙率が50〜90%で
あるため、型締め後も一定の樹脂流通空間が確保される
ことにより、樹脂が迅速に充填され、エアートラップが
生じにくい。
【0044】また、型締め時にマット状体が圧縮される
ため、隣接するマット状強化繊維が型に押しつけられる
結果となり、繊維の流動、配向、流出が防止される。
【0045】またとくに、樹脂として発泡ポリウレタン
を用いることにより、発泡時の体積膨張を利用して樹脂
を流動させることが可能であり、この結果、樹脂の充填
が迅速になる。
【0046】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を比較例とともに
説明する。
【0047】実施例1 本発明の方法により、図2に示す厚み6mmの均一な浅い
箱状繊維強化樹脂複合体成形品(A)(深さ20mm)
を、図4に示すプレス機すなわち成形装置を用いて製造
した。
【0048】まず、実施例に用いる4種のマット状体
を、図1の製造装置により、つぎのようにして製作し
た。
【0049】すなわち、同図において、押出機(21)の複
数のノズル(22)から熱溶融状態のナイロン樹脂を押し出
し、線状体(23)とした。この線状体(23)を、下方に設置
した3枚の振動板(24)を、相互に異なるタイミングで押
出し方向に対して直角に振動させることにより、未硬化
状態の線状体(23)を屈曲させ、隣り合う線状体(23)同土
の接触部分を互いに融着させることによりマット状体(2
5)を形成し、これを一対の引き取りロール(26)(26)によ
り冷却水槽(27)内に引き取って、ナイロン製マット状体
(25)を製造した。
【0050】なお、上記の製造装置は、押出速度、振動
条件によって、ナイロン製マット状体(25)の空隙率、厚
みを調整することができる。
【0051】本実施例においては、下記の4種のナイロ
ン製マット状体を製造した。
【0052】 ナイロン製マット状体A:厚み7mm、空隙率88% ナイロン製マット状体B:厚み6mm、空隙率92% ナイロン製マット状体C:厚み10mm、空隙率95% ナイロン製マット状体D:厚み20mm、空隙率86% つぎに、マット状強化繊維としてコンティニュアスマッ
ト(旭ファイバーグラス社製:M8609、厚み3m
m)、およびマット状体として、上記ナイロン製マット
状体Aを用いて、3個のマット積層体(図3参照)を作
製した。
【0053】これを底部に注入口を備えた、反応射出成
形を行なう型(3) 内に、成形面全体を覆うように配置し
(図4参照)、型締めした。
【0054】型締め後のマット状体の空隙率は、圧縮に
よって74%となった。
【0055】また、型締めによる圧縮率は54%であっ
た。
【0056】この状態で、原料樹脂として所定童の発泡
ポリウレタン(住友バイエルウレタン社製:バイジユー
ル60)を注入した。所定時間経過後、脱型し、成形品
を取り出した。
【0057】注入開始から樹脂が出口に達するまで所要
した時間、すなわち充填に要した時間は15秒であっ
た。
【0058】こうして得られた成形品(A)を観察した
ところ、樹脂は全面に充填されており、含浸性も良好で
あった。また、任意の位置から断片を切り出して、ガラ
ス繊維の分布を調べたところ、繊維方向はランダムであ
り、繊維が流された形跡、およびマットずれは確認され
なかった。
【0059】実施例2 下記の製造方法により、厚み6mm均一な深い箱形構造体
(A)を製造した。
【0060】この深い箱形構造体(A)は、実施例1で
製造した浅い箱状繊維強化樹脂複合体成形品よりも深絞
りで、この構造体(A)の深さは、80mmであり、成形
の難易度はより高いものである。
【0061】まず、マット状強化繊維としてコンティニ
ュアスマット(旭ファイバーグラス社製:M860
9)、上記マット状体としてナイロン製マット状体Cを
用いて、大きさの異なる3個のマツト積層体を作製し
た。
【0062】これを図4に示す底部に注入口を備えた、
反応射出成形を行なう型(3) 内に全面配置し、型締めし
た。型締め後のマット状体の空隙率は、圧縮によって8
6%となった。
【0063】また、型締めによる圧縮率は63%であっ
た。
【0064】この状態で、原料樹脂として所定の発泡ポ
リウレタン(住友バイエルウレタン社製:バイジユール
60)を注入した。所定時間経過後、脱型し、成形品を
取り出した。
【0065】注入開始から樹脂が出口に達するまで所要
した時間、すなわち充填に要した時間は25秒であっ
た。この時間は、成形品の大きさを考えれぱ、充分短い
ものといえる。
【0066】こうして得られた成形品(A)を観察した
ところ、樹脂は全面に充填されており、含浸性も良好で
あった。また、任意の位置から断片を切り出して、ガラ
ス繊維の分布を調べたところ、繊維方向はランダムであ
り、繊維が流された形跡、およびマットずれは確認され
なかった。
【0067】比較例1 比較のために、上記実施例1におけるマット状体を、ナ
イロン製マット状体Bに代えること及びマット状強化繊
維を用いないこと以外は、実施例1同様にして、浅い箱
形構造体を製造した。
【0068】この場合、型締め後のマット状体の空隙率
は92%となった。また型締めによる圧縮率は0%であ
り、充填に要した時間は15秒であった。
【0069】成形品を観察したところ、所々にエアート
ラップによる充填の不足した領域が確認された。これ
は、樹脂の流動が速すぎたために、型内の空気が抜けき
らないうちに、樹脂が出口に到達してしまったためと思
われる。
【0070】比較例2 比較のために、上記実施例1において、マット状体をナ
イロン製マット状体Dに代えること以外は、同様にし
て、浅い箱形構造体を製造した。この場合、型締め後の
マット状体の空隙率は39%となった。また型締めによ
る圧縮率は77%であり、充填に要した時間は60秒
で、実施例1に比べると、樹脂の充填はかなり遅いとい
える。
【0071】成形品を観察したところ、所々に樹脂の充
填、含浸の不足した領域が確認された。
【0072】
【効果】本発明は、上述のように、反応射出成形を行な
う型内に、マット状強化繊維と、内部に樹脂流通空間を
有するマット状体とを隣接して積層せしめて得られるマ
ット積層体を載置し、型締め後、型内に樹脂を注入して
成形する繊維強化樹脂複合体の製造方法であって、マッ
ト状体が型締め時に厚み方向に圧縮され、型締めによる
圧縮率が25%以上であり、型締め後の空隙率が50〜
90%であるもので、本発明の方法によれば、型締め後
も一定の樹脂流通空間が確保されることにより、樹脂の
迅速な充填ができ、また型締め時にマット状体が圧縮さ
れるため、隣接するマット状強化繊維が型に押しつけら
れる結果となり、繊維の流動、配向、流出が防止される
ので、特に繊維強化された大型構造体、箱形構造体の製
造に有効であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マット状体の製造装置の概略断面図である。
【図2】本発明の方法により得られる箱状繊維強化樹脂
複合体の斜視図である。
【図3】本発明の方法に用いるマット状強化繊維とマッ
ト状体の積層状態の例を示す概略斜視図である。
【図4】本発明の方法を実施する成形装置の金型の例を
示す断面図である。
【符号の説明】
A 箱状繊維強化樹脂複合体 3 金型 4 雄型 5 雌型 6 ミキシングヘッド 7 注入口 8 反応性発泡原料樹脂 11 マット状強化繊維 12 マット状体 21 押出機 22 ノズル 23 線状体 24 振動板 25 マット状体 26 引き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応射出成形を行なう型内に、マット状
    強化繊維と、内部に樹脂流通空間を有するマット状体と
    を隣接して積層せしめて得られるマット積層体を載置
    し、型締め後、型内に樹脂を注入して成形する繊維強化
    樹脂複合体の製造方法であって、マット状体が型締め時
    に厚み方向に圧縮され、型締めによる圧縮率が25%以
    上であり、型締め後の空隙率が50〜90%であること
    を特徴とする、繊維強化樹脂複合体の製造方法。
JP2254297A 1997-02-05 1997-02-05 繊維強化樹脂複合体の製造方法 Pending JPH10217273A (ja)

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