JPH10217274A - 繊維強化樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂複合体の製造方法

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JPH10217274A
JPH10217274A JP2254397A JP2254397A JPH10217274A JP H10217274 A JPH10217274 A JP H10217274A JP 2254397 A JP2254397 A JP 2254397A JP 2254397 A JP2254397 A JP 2254397A JP H10217274 A JPH10217274 A JP H10217274A
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JP2254397A
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Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
Hajime Naito
一 内藤
Masanori Hirata
昌徳 平田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、高剛性、高強度の性能を有する繊維強
化樹脂複合体を製造する方法であって、強化繊維への樹
脂の含浸が充分であり、ウエルドラインがなく、表面性
が良いうえに、欠肉がなくかつボイドの巻き込みがない
良好な成形体を得ることができる方法を提供する。 【解決手段】 繊維強化樹脂複合体の製造方法は、反応
射出成形用金型3 内に、マット状強化繊維11と、これよ
りも樹脂流通性の高いマット状体12もしくは網状体とを
積層して収める。そして、原料樹脂射出前の金型3 内の
キャビティ7 容積を、得ようとする成形体厚みに対応す
る成形体体積よりも小さくし、その状態で反応性発泡性
原料樹脂13を金型3 内に射出して発泡させ、その後、反
応性発泡原料樹脂の硬化が完了するまでに、所望の成形
体厚みに対応する成形体体積になるまで徐々に金型3 内
のキャビティ7 容積を増大させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、軽量、高剛性、高強度の性能が要
求される部材として、繊維強化樹脂成形体が注目されて
いる。繊維強化樹脂成形体は種々の成形方法により得る
ことができるが、その一方法にS−RIMがあげられ
る。
【0003】S−RIMとは、繊維強化材を金型内に配
した状態で2種類以上の低分子かつ低粘度の液状モノマ
ーを圧力下にミキシングヘッドで混合し、密閉形内に射
出し、金型内で重合反応を完結させて、成形品を得る成
形方法である。
【0004】S−RIMにおいて、繊維強化樹脂成形体
の前記性能を向上させるために、繊維強化材に予め樹脂
を塗って含浸させておいてから、反応性発泡性原料樹脂
を金型内に射出する方法が提案されている(特開平2−
215510号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来法によれば、反応性発泡性原料樹脂をマット状
強化繊維に含浸させた後、金型を締めて射出を行なう時
間を必要とするため、特に、反応性が大きく反応速度の
速いウレタン樹脂では、射出充填前に、マット状強化繊
維に塗布した樹脂が先に硬化し、その部分にウエルドラ
インが生じるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、強化繊維への樹脂の含浸が充分であり、ウエル
ドラインがなく、表面性が良いうえに、欠肉がなくかつ
ボイドの巻き込みがない良好な成形体を得ることができ
る、繊維強化樹脂複合体の製造方法を提供しようとする
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、反応射出成形用金型内に、1または複
数のマット状強化繊維と、マット状強化繊維よりも樹脂
流通性の高い1または複数のマット状体もしくは網状体
とを、積層して収めた後、金型を閉じて、反応性発泡性
原料樹脂を金型内に射出することにより、上記原料樹脂
をマット状体もしくは網状体の樹脂流通空間にまたはマ
ット状強化繊維とマット状体もしくは網状体により形成
された樹脂流通空間に進入せしめるとともに、樹脂流通
空間に進入した原料樹脂をマット状強化繊維に含浸せし
める繊維強化樹脂複合体の製造方法であって、反応性発
泡性原料樹脂射出前の金型内のキャビティ容積を、得よ
うとする成形体厚みに対応する成形体体積よりも小さく
し、その状態で反応性発泡性原料樹脂を金型内に射出し
て発泡させ、その後、反応性発泡原料樹脂の硬化が完了
するまでに、所望の成形体厚みに対応する成形体体積に
なるまで徐々に金型内のキャビティ容積を増大させるこ
とを特徴としている。
【0008】上記繊維強化樹脂複合体の製造方法によれ
ば、反応性発泡性原料樹脂射出前のキャビティのクリア
ランスを、得ようとする成形体厚みよりも小さくし、す
なわち原料樹脂射出前の金型内のキャビティ容積を、得
ようとする成形体厚みに対応する成形体体積よりも小さ
くし、その状態で反応性発泡性原料樹脂を射出して発泡
させ、その後、反応性発泡原料樹脂が硬化完了するまで
に所望の成形体厚みに対応する成形体体積になるまで徐
々に金型のキャビティ容積を増大させるものであるが、
そのとき、キャビティ容積を増大させる速度を、反応性
発泡原料樹脂の発泡速度と同調させるのが、好ましい。
【0009】また、上記反応性発泡性原料樹脂射出前の
キャビティ容積を、射出する反応性発泡性原料樹脂の体
積と略等しくすることにより、マット状強化繊維に樹脂
がよく含浸したウエルドラインのない良好な成形体を得
ることができる。
【0010】上記において、マット状強化繊維として
は、繊維形態としてチョップドストランドマット、コン
ティニュアスマット、クロスマット等のマット状にされ
たものが用いられ、強化繊維の材質としては、代表的な
ものとして、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等が
好適に用いられる。
【0011】マット状体および網状体としては、上記マ
ット状強化繊維よりも樹脂流通性の高いものが用いられ
る。
【0012】マット状体および網状体は、繊維強化樹脂
複合体の強度を高めるものが好ましいが、必ずしもそう
でなくてもよい。
【0013】マット状体の具体例としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ナイロン等の合成繊維が不規則あ
るいは規則的に絡み合った比較的目の粗いマットがあげ
られる。網状体の具体例としては、金網があげられる。
【0014】反応性原料樹脂の具体例としては、イソシ
アネートとポリオールとを混合するウレタン樹脂、ビス
フェノールA型樹脂と酸無水物系硬化剤とを混合するエ
ポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂等があげられ
る。
【0015】成形にあたっては、1枚のマット状強化繊
維上に、該マット状強化繊維よりも樹脂流通性の高いマ
ット状体あるいは網状体を積層したり、2枚のマット状
強化繊維の間に1枚のマット状体あるいは網状体を挾ん
だり、マット状強化繊維とマット状体あるいは網状体と
を交互に積層するものである。強度を上げる場合には、
マット状強化繊維を複数枚重ねて、上記の構成により積
層しても良い。
【0016】マット状体の作り方としては特に制限はな
いが、例えば図1に示すような装置を用いて、以下のよ
うな方法により製造することができる。
【0017】すなわち、同図において、押出し機(21)の
複数のノズル(22)から溶融したポリプロピレン樹脂を線
状体(23)に押し出し降下させ、その下方で3枚の振動板
(24)を、相互に異なるタイミングで押出し方向に対して
直角に振動させることにより、未硬化状態の線状体(23)
を屈曲させ、隣り合う線状体(23)同士の接触部分を互い
に融着させることによりマット状体(25)を形成し、これ
を一対の引き取りロール(26)(26)により冷却水槽(27)内
に引き取って、マット状体(25)を製造するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図2〜図
4を参照して説明する。
【0019】図4に示す箱状繊維強化樹脂複合体(A)
を、図2に示す成形装置を用いて成形した。
【0020】箱状繊維強化樹脂複合体(A)は、上方が
開口した箱状本体(1) と、これの側壁上端部に連なる鍔
部(2) とよりなるものである。
【0021】成形装置の反応射出成形用金型(3) は例え
ばアルミニウム製で、可動雄型(4)と固定雌型(5) とよ
りなり、図示しないミキシングヘッドから雄型(4) 中央
部のゲート(6) を通じて、キャビティ(7) 内に反応性発
泡性原料樹脂(13)が射出されるようになっている。
【0022】本発明の繊維強化樹脂複合体の製造方法
は、例えば以下の順序で実施する。
【0023】1.まずはじめに、金型(3) の固定雌型
(5) 内に、マット状強化繊維、およびマット状強化繊維
よりも樹脂流通性の高いマット状体あるいは網状体を積
層して収める。
【0024】図2においては、2枚のマット状強化繊維
(11)の間に、1枚のマット状体(12)あるいは網状体を挾
んでいるが、その他、1枚のマット状強化繊維(11)上
に、1枚のマット状体(12)あるいは網状体を積層した
り、マット状強化繊維(11)とマット状体(12)あるいは網
状体とを交互に積層しても良い(図示略)。
【0025】なお、これらのマット状強化繊維(11)、マ
ット状体(12)あるいは網状体よりなる強化材は、事前に
積層しても、金型(3) 内で積層しても良い。
【0026】2.つぎに、金型(3) を型締めするが、こ
のとき、金型(3) のキャビティ(7)容積を、得ようとす
る図4に示す成形体(A)の厚みに対応する成形体
(A)体積よりも小さいように、好ましくは、打ち込む
反応性発泡性原料樹脂(13)の体積に略等しいようにす
る。
【0027】ここで、キャビティ(7) の容積は、打ち込
む反応性発泡性原料樹脂(13)の体積に厳密に等しい必要
はないが、打ち込む原料樹脂(13)の体積よりもキャビテ
ィ(7) 容積の方が小さいと、金型(3) から原料樹脂(13)
があふれ出すし、逆に、打ち込む原料樹脂(13)の体積よ
りもキャビティ(7) 容積の方が大きすぎると、空気の巻
き込みが激しく、成形体(A)の欠肉やボイドの発生に
つながるので、好ましくない。
【0028】3.そしてこの状態で、反応性発泡性原料
樹脂(13)を、金型(3) の雄型(4) 中央部のゲート(6) よ
りキャビティ(7) 内に射出し、原料樹脂(13)をマット状
体(12)もしくは網状体の樹脂流通空間に、またはマット
状強化繊維(11)とマット状体(12)もしくは網状体により
形成された樹脂流通空間に進入せしめるとともに、樹脂
流通空間に進入した反応性発泡性原料樹脂(13)をマット
状強化繊維(11)に含浸せしめる。
【0029】4.つぎに、原料樹脂(13)が発泡を始めた
ら、図3に示すように、反応性発泡原料樹脂(13)の硬化
が完了するまでに、所望の成形体厚みに対応する成形体
体積になるまで徐々に金型(3) 内のキャビティ(7) 容積
を増大させる。好ましくは、原料樹脂(13)が発泡膨張し
ようとする速度に同調するように雄型(4) を上昇させ、
所望の成形体厚みに対応する成形体体積まで金型(3) の
キャビティ(7) を増大させる。
【0030】キャビティ(7) 容積の増大は、原料樹脂(1
3)が発泡膨張しようとする速度に厳密に等しい必要はな
いが、キャビティ(7) 容積の増大速度の方が速すぎる
と、成形体の表面が荒れてしまうし、逆に遅すぎると、
原料樹脂(13)の硬化が進行して、所望の成形体厚みに対
応する成形体体積まで拡厚できないことがあるので、好
ましくない。
【0031】5.そして最後に、反応性発泡性原料樹脂
(13)を発泡硬化させて、金型(3) から図4に示す繊維強
化樹脂複合体(A)を取り出す。
【0032】(作用)本発明の方法によれば、反応射出
成形用金型(3) 内に、1または複数のマット状強化繊維
と、マット状強化繊維よりも樹脂流通性の高い1または
複数のマット状体もしくは網状体とを、積層して収めた
後、型締めするが、反応性発泡性原料樹脂射出前の金型
(3) 内のキャビティ(7) 容積を、得ようとする成形体
(A)厚みに対応する成形体体積よりも小さくし、換言
すれば、金型(3) のキャビティ(7) における雄型(4) と
雌型(5) 同士の間のクリアランスを、得ようとする成形
体(A)の厚みよりも小さくしておき、また好ましく
は、射出前のキャビティ(7)容積を、射出する反応性発
泡性原料樹脂の体積と等しくしておき、その状態で反応
性発泡性原料樹脂を金型(3) 内に射出して発泡させ、そ
の後、反応性発泡原料樹脂が硬化完了するまでに、所望
の成形体厚みに対応する成形体体積になるまで徐々に金
型(3) のキャビティ(7) 容積を増大させ、このとき、好
ましくは、膨張しようとする速度に同調するように雄型
(4) を上昇させて、キャビティ(7) 容積を増大させるこ
とにより、キャビティ(7) 内にエアが存在せず、従っ
て、成形のさい、エアを巻き込むようなことが全くな
く、マット状強化繊維に樹脂が充分含浸して、ボイドや
欠肉の無い良好な繊維強化樹脂複合体(A)を得ること
ができる。
【0033】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を比較例とともに
説明する。
【0034】実施例1 図2に示す金型(3) を用い、図4に示す箱状繊維強化樹
脂複合体(A)を成形するにあたり、温水で70℃に加
熱した金型(3) の雌型(5) 内に、2枚のマット状強化繊
維(11)間に1枚のポリプロピレン製マット状体(12)を挾
んだ状態で載置して収めた。
【0035】ここで、マット状強化繊維(11)としては、
グラスファイバーコンティニュアスマット(旭ファイバ
ーグラス社製、M8609、重量目付600g/m2
を用いた。
【0036】マット状体(12)は、前記図1に示す装置を
用いて成形したポリプロピレン製マット状体(繊維径
0.6mm、厚み10mm、重量目付600g/m2
を用いた。
【0037】つぎに、図2に示すように、金型(3) を型
締めするが、このとき、金型(3) のキャビティ(7) 容積
が所期の成形体容積の1/2(本実施例では反応性発泡
性原料ウレタン樹脂の発泡倍率を2倍に設定した)にな
るように型締めした。なお、キャビティ(7) の容積は、
打ち込む反応性発泡性原料ウレタン樹脂(13)の体積に略
等しいものであった。
【0038】そしてつぎに、反応性発泡性原料ウレタン
樹脂(13)を、金型(3) の雄型(4) 中央部のゲート(6) よ
りキャビティ(7) 内に注入し、原料ウレタン樹脂(13)を
マット状体(12)もしくは網状体の樹脂流通空間に、また
はマット状強化繊維(11)とマット状体(12)もしくは網状
体により形成された樹脂流通空間に進入せしめるととも
に、樹脂流通空間に進入した反応性発泡性原料ウレタン
樹脂(13)をマット状強化繊維(11)に含浸せしめた。
【0039】反応性発泡性原料樹脂(13)として用いたポ
リウレタン樹脂は、ポリオール(住友バイエルウレタン
社製、SBUポリオールH523)100重量部、およ
びイソシアネート(住友バイエルウレタン社製、SBU
イソシアネート0389)180重量部を、ミキシング
ヘッドにより混合したものである。
【0040】そして、反応性発泡性原料ウレタン樹脂(1
3)の射出完了後より15秒後に(予備実験にて発泡開始
は樹脂注入後15秒であった)、原料ウレタン樹脂(13)
が発泡を始めたら、原料ウレタン樹脂(13)の硬化が完了
するまでに、原料樹脂(13)の発泡速度に同調するよう
に、雄型(4) を徐々に上昇させて、金型(3) のキャビテ
ィ(7) を増大させた(図3参照)。
【0041】なお、金型(3) の温度は70℃、型締め圧
を6kg/cm2 、および保圧時間を7分とした。
【0042】そして最後に、反応性発泡性原料ポリウレ
タン樹脂(13)を発泡硬化させて、金型(3) から図4に示
す繊維強化樹脂複合体(A)を取り出した。
【0043】この結果、得られた成形体(A)は、全面
樹脂の含浸が良好であり、ボイドや欠肉の無い良好な繊
維強化樹脂複合体であった。
【0044】比較例1下記以外は実施例1と同様にして
箱状繊維強化樹脂複合体を成形した。
【0045】すなわち、金型(3) の型締め時のキャビテ
ィ(7) 容積を成形体(A)の体積と等しく取り、その状
態で反応性発泡性原料ポリウレタン樹脂(13)を射出し、
加圧硬化させた。
【0046】その結果、得られた成形体(B)は、図5
に示すように、箱状本体(1) に対し、流動末端である鍔
部(2) に、一部樹脂が未含浸の欠肉部(15)が生じてい
た。
【0047】比較例2 下記以外は実施例1と同様にして箱状繊維強化樹脂複合
体を成形した。
【0048】すなわち、型締め時のキャビティ(7) 容積
を成形体の体積の2/3とし、その状態で樹脂反応性発
泡性原料ポリウレタン樹脂(13)を射出し、該原料樹脂(1
3)の発泡による体積増加速度に同調させてキャビティ
(7) を増大させ、加圧硬化させた。
【0049】その結果、図6に示すように、得られた成
形体内部のガラス繊維層(16)(16)同士の間の樹脂層(17)
には、キャビティ(7) 内の空気の巻き混みによるボイド
(18)が多数確認された。
【0050】比較例3 下記以外は実施例1と同様にして箱状繊維強化樹脂複合
体を成形した。
【0051】すなわち、キャビティ(7) 容積を増大させ
る速度を、反応性発泡性原料ポリウレタン樹脂(13)の発
泡による体積増加速度よりもかなり遅くした。
【0052】その結果、図示は省略したが、得られた成
形体は、所期の厚みに達していないものであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂複合体の製造方法
は、上述のように、反応射出成形用金型内に、マット状
強化繊維と、これよりも樹脂流通性の高いマット状体も
しくは網状体とを積層して収め、そして、原料樹脂射出
前の金型内のキャビティ容積を、得ようとする成形体厚
みに対応する成形体体積よりも小さくし、その状態で反
応性発泡性原料樹脂を金型内に射出して発泡させ、その
後、反応性発泡原料樹脂の硬化が完了するまでに、所望
の成形体厚みに対応する成形体体積になるまで徐々に金
型内のキャビティ容積を増大させるもので、本発明の繊
維強化樹脂複合体の製造方法によれば、強化繊維への樹
脂の含浸が充分であり、ウエルドラインがなく、表面性
が良いうえに、欠肉がなくかつボイドの巻き込みがない
良好な成形体を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】マット状体の製造装置の概略断面図である。
【図2】本発明の方法を実施する成形装置の金型の断面
図で、反応性発泡性原料樹脂の射出前の状態を示してい
る。
【図3】同金型の断面図で、反応性発泡性原料樹脂の射
出後に、雄型を所定高さ持ち上げることにより、キャビ
ティ容積を増大した状態を示している。
【図4】本発明の方法により得られる箱状繊維強化樹脂
複合体の斜視図である。
【図5】比較例1で得られた繊維強化樹脂複合体の斜視
図である。
【図6】比較例2で得られた繊維強化樹脂複合体の拡大
断面図である。
【符号の説明】
A 箱状繊維強化樹脂複合体 1 本体 2 鍔部 3 成形装置の金型 4 雄型 5 雌型 6 ゲート 7 キャビティ 11 マット状強化繊維 12 マット状体 13 反応性発泡性原料樹脂 21 押出し機 22 ノズル 23 線状体 24 振動板 25 マット状体 26 引き取りロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応射出成形用金型内に、1または複数
    のマット状強化繊維と、マット状強化繊維よりも樹脂流
    通性の高い1または複数のマット状体もしくは網状体と
    を、積層して収めた後、金型を閉じて、反応性発泡性原
    料樹脂を金型内に射出することにより、上記原料樹脂を
    マット状体もしくは網状体の樹脂流通空間にまたはマッ
    ト状強化繊維とマット状体もしくは網状体により形成さ
    れた樹脂流通空間に進入せしめるとともに、樹脂流通空
    間に進入した原料樹脂をマット状強化繊維に含浸せしめ
    る繊維強化樹脂複合体の製造方法であって、反応性発泡
    性原料樹脂射出前の金型内のキャビティ容積を、得よう
    とする成形体厚みに対応する成形体体積よりも小さく
    し、その状態で反応性発泡性原料樹脂を金型内に射出し
    て発泡させ、その後、反応性発泡原料樹脂の硬化が完了
    するまでに、所望の成形体厚みに対応する成形体体積に
    なるまで徐々に金型内のキャビティ容積を増大させるこ
    とを特徴とする、繊維強化樹脂複合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 金型内のキャビティ容積を増大させる速
    度を、反応性発泡性原料樹脂の発泡による体積増加速度
    と同調させることを特徴とする、請求項1記載の繊維強
    化樹脂複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応性発泡性原料樹脂射出前の金型のキ
    ャビティ容積を、射出する反応性発泡性原料樹脂の体積
    と略等しくすることを特徴とする、請求項1記載の繊維
    強化樹脂複合体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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