JPH1142655A - 繊維強化樹脂複合体の製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂複合体の製造方法

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JPH1142655A
JPH1142655A JP9201716A JP20171697A JPH1142655A JP H1142655 A JPH1142655 A JP H1142655A JP 9201716 A JP9201716 A JP 9201716A JP 20171697 A JP20171697 A JP 20171697A JP H1142655 A JPH1142655 A JP H1142655A
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mat
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JP9201716A
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English (en)
Inventor
Masanori Hirata
昌徳 平田
Hajime Naito
一 内藤
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Nobuhiro Goto
信弘 後藤
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程のもとに、ウエルドラインや樹脂
の局部的な低比重部を生じることなく、均質で高品質の
繊維強化樹脂複合体を製造することのできる方法を提供
する。 【解決手段】 マット状強化繊維5と、マット状体4も
しくは網状体からなる積層物を成形型(1,2)内に配
置した状態で発泡性を有する反応性原料樹脂を型内に注
入する際、原料樹脂の発泡が完了する前に、型のクリア
ランス3の少なくとも一部を、得ようとする複合体の肉
厚よりも狭い状態とすることで、マット状強化繊維5に
原料樹脂を含浸させ、その後、樹脂の発泡が完了するま
でに上記クリアランス3を複合体肉厚と同等にまで変化
させて、原料樹脂を発泡硬化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量、高剛性、高
強度、高断熱性で、しかも異形成形可能な繊維強化樹脂
複合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量、高剛性、高強度の性能を持つ材料
として、近年、繊維強化樹脂成形体が注目されている。
このような繊維強化樹脂成形体は種々の成形法により得
ることができるが、その例としてS−RIM(Structura
l Reaction Injection Method)およびRI(Resin Injec
tion) がある。
【0003】また、このような繊維強化樹脂成形体のな
かでも、芯部にウレタンなどのフォーム(発泡)層を有
し、その表面に強度保持層を設けた積層体は、断熱性を
必要とする構造部材として広く用いられている。このよ
うな構造の繊維強化樹脂成形体は、通常、芯部の表面に
強度保持層を積層することによって製造されている。
【0004】上記したS−RIMとは、マット状強化繊
維を成形型内に配した状態で2種類以上の低分子かつ低
粘度の液状モノマーを圧力下にミキシングヘッド中で混
合すると同時に、密閉型内に注入し、成形型内で重合反
応を完結させて成形品を得る方法である。
【0005】また、RIとは、マット状強化繊維を成形
型内に配した状態で、注入機によって型の注入口より密
閉型内に硬化剤混合樹脂を供給し、強化繊維に含浸させ
成形品を得る方法である。
【0006】ところで、型内に注入する樹脂が発泡を伴
った反応をするものであれば、以上のような成形方法で
は、得ようとする成形体に肉厚の異なる部分がある場合
には、原料樹脂は相対的に肉厚の薄い箇所より厚い箇所
に流れやすいため、肉厚が薄い箇所には原料樹脂の未含
浸部が生じることがある。また、部分的にマット状強化
繊維を増加させた場合にも同様の現象が生じることがあ
る。更に、樹脂注入口であるゲート付近では樹脂比重が
最大となり、原料樹脂の流動末端部では樹脂比重が最少
となるという問題もある。
【0007】上記の諸問題のうち、未含浸部が生じると
いう問題を解決するものとして、従来、原料樹脂を成形
型内に注入する前に、繊維含有率の高い部分または原料
樹脂が含浸しにくい部分の繊維に、あらかじめ原料樹脂
を含浸させておくという方法が提案されている(特開平
2−215510号)。
【0008】一方、芯部に発泡層を有し、その表面を強
度保持層で覆った積層体の従来の製造方法によれば、貼
り合わせによる成形であるが故に積層するための予備成
形品を作り、それらを更に接着剤などにより貼り合わせ
なければならず、作業工程が多く、また、複雑な形状の
製品は、予備成形品の寸法精度を高い精度で成形してお
かなければ積層できないという問題もある。
【0009】このような問題を解決するものとして、成
形型内に発泡硬化する原料樹脂を注入して、注入直後に
雰囲気圧力を減圧(500〜700Torr)して、そ
の後常圧に戻すことによって、高密度の表面樹脂層と芯
部を合わせ持つ成形品を一挙に成形する方法が提案され
ている(特開平8−291209号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平2−
215510号の提案技術によると、成形型を閉じて原
料樹脂を成形型内に注入充填する時間を必要とするの
で、原料樹脂として反応性の早いウレタン樹脂等を使用
した場合、あらかじめ原料樹脂を塗布した部分にウエル
ドラインが形成されるし、成形工程が煩雑になるという
欠点もある。
【0011】また、S−RIM等においてゲート付近と
樹脂の流動末端部分での樹脂比重が相違すると、特に長
期信頼性を要求される構造部材においては、強度的に弱
い低比重部分において劣化が促進されるという問題に繋
がるが、このような現象を解決するものは現在のところ
提案されていない。
【0012】一方、特開平8−291209号の提案技
術によれば、高密度樹脂層からなる表面部と、発泡層か
らなる芯部の発泡倍率をある程度変化させることができ
るが、表面部の厚みをコントロールすることができず、
また、表面部と芯部の発泡倍率を高コントラスト化する
こともできない。
【0013】本発明は以上のような実情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、成形型内にマット状強化
繊維を挿入した後に、その型内に発泡性を有する反応性
原料樹脂を注入して繊維強化樹脂複合体を成形するに当
たり、前もって強化繊維の適宜箇所に原料樹脂を塗布す
ることなく未含浸部の発生を防止し、また、ゲート付近
と樹脂の流動末端部における樹脂比重を略同一とするこ
とができ、もって簡単な工程のもとにウエルドラインや
樹脂の低比重部を生じることなく、均質な繊維強化樹脂
複合体を製造することのできる方法を提供することにあ
る。
【0014】また、本発明の第2の目的は、同じく成形
型内にマット状強化繊維を挿入した後に、その型内に発
泡性の原料樹脂を注入して繊維強化樹脂複合体を成形す
る方法において、高密度樹脂層からなる表面部の厚みを
コントロールすることができ、しかもその表面部と芯部
との発泡倍率を高コントラスト化することのできる繊維
強化樹脂複合体の製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
上記した第1の目的を達成するための方法であって、成
形型内に、1枚または複数枚のマット状強化繊維と、そ
のマット状強化繊維よりも樹脂流通性の高い1枚または
複数枚のマット状体もしくは網状体とを積層配置した
後、その成形型内に発泡性を有する反応性原料樹脂を注
入することにより、その原料樹脂を上記マット状体もし
くは網状体の樹脂流通空間に、または、マット状強化繊
維とマット状体もしくは網状体とにより形成された樹脂
流通空間に侵入させるとともに、その樹脂流通空間に侵
入した原料樹脂をマット状強化繊維に含浸させて繊維強
化樹脂複合体を製造する方法であって、成形型底部また
は側部に形成されるクリアランスの少なくとも一部を、
得ようとする複合体の肉厚よりも狭くした状態で原料樹
脂を注入してマット状強化繊維に含浸させた後、その原
料樹脂の発泡が完了するまでに、型底部または側部に形
成されるクリアランスを、得ようとする複合体の肉厚と
同等の状態とし、原料樹脂を発泡硬化させることによっ
て特徴づけられる。
【0016】また、請求項2に係る発明は、同じく第1
の目的を達成するための他の方法であり、この請求項2
に係る発明は、成形型内に、1枚または複数枚のマット
状強化繊維と、そのマット状強化繊維よりも樹脂流通性
の高い1枚または複数枚のマット状体もしくは網状体と
を積層配置した後、その成形型内に発泡性を有する反応
性原料樹脂を注入することにより、その原料樹脂をマッ
ト状体もしくは網状体の樹脂流通空間に、または、マッ
ト状強化繊維とマット状体もしくは網状体とにより形成
された樹脂流通空間に侵入させるとともに、その樹脂流
通空間に侵入した原料樹脂をマット状強化繊維に含浸さ
せて繊維強化樹脂複合体を製造する方法であって、成形
型底部または側部に形成されるクリアランスの少なくと
も一部を、得ようとする複合体の肉厚よりも厚くした状
態で原料樹脂を注入した後、原料樹脂の発泡が完了する
までに、型底部または側部に形成されるクリアランスの
少なくとも一部を得ようとする複合体の肉厚より狭くし
て原料樹脂をマット状強化繊維に含浸させ、その後、原
料樹脂の発泡が完了するまでに、型底部または側部に形
成されるクリアランスを、得ようとする複合体の肉厚と
同等の状態とし、原料樹脂を発泡硬化させることによっ
て特徴づけられる。
【0017】更に、請求項3に係る発明は、第1の目的
に加えて第2の目的をも達成するための方法であって、
請求項1または2に係る発明において用いる反応性原料
樹脂を、水の配合により発泡する原料樹脂とするととも
に、上記のクリアランスの少なくとも一部を、得ようと
する複合体の肉厚よりも狭くすることにより原料樹脂を
マット状強化繊維に含浸させた後、原料樹脂が発泡を開
始する前に、上記クリアランスを、得ようとする複合体
の肉厚と同等の状態にまで開くことによって形成される
樹脂流通空間部分に向けて、水蒸気を充満させることに
よって特徴づけられる。
【0018】ここで、以上の各請求項に係る発明におい
ては、型底部のクリアランスを、得ようとする複合体の
肉厚よりも狭くし、あるいは厚くするのは、例えば型締
めの程度を加減することにより、つまり雄型と雌型との
相対距離を加減することにより対処できる。また、側部
のクリアランスを上記した肉厚よりも狭くし、あるいは
厚くする具体的方法として、側部にテーパを設ける等の
対策を挙げることができ、これにより、型底部のクリア
ランスの加減と同時に側部のクリアランスを加減するこ
とが可能となる。この型側部のクリアランスを、得よう
とする複合体の肉厚よりも狭くし、あるいは厚くするの
は、深絞り形状の箱状繊維強化樹脂複合体の成形に際し
て有効である。
【0019】また、各請求項に係る発明は、箱状の複合
体のみならず、板状の複合体の成形にも適用することが
でき、この場合、得ようとする複合体の肉厚よりも狭
く、あるいは厚くするのは型底部のクリアランスのみで
ある。また、各請求項に係る発明においては、型底部ま
たは側部のクリアランスを変化させる場合、特殊な形状
の複合体を得ようとする場合を除いて、底部または側部
のクリアランスを全面的に変化させる。
【0020】各請求項に係る発明において用いられるマ
ット状強化繊維としては、チョップドストランドマッ
ト、コンティニアスマット、クロス等、マット状にされ
たガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等で弾性率30
00kgf/mm2 、強度200kgf/mm2 以上の
ものを用いるのが好ましい。この値未満であると、繊維
含有率を高くしても補強効果が得られない場合があるか
らである。
【0021】また、請求項1および2に係る発明におい
て、マット状強化繊維の1枚当たりの目付は、300〜
1200g/m2 とするのが望ましい。300g/m2
未満であると、マットの目が粗くなるために強度のばら
つきが大きくなることがあり、また、1200g/m2
を越えると、原料樹脂の強化繊維への含浸性が悪くな
り、強度低下の原因となることがある。
【0022】一方、請求項3に係る発明においては、マ
ット状強化繊維の1枚当たりの目付は600〜1200
g/m2 とすることが好ましい。600g/m2 未満で
あると、マットの目が粗くなるために、樹脂流通空間内
において発泡した樹脂がマット状強化繊維に含浸するこ
とを防ぐバリア性が低下し、マット状強化繊維の配置さ
れている部分の発泡倍率が芯部の発泡倍率に近づき、高
コントラスト化できない場合がある。1200g/m2
を越える場合には、請求項1および2に係る発明の場合
と同様に原料樹脂の強化繊維への含浸性が悪くなって好
ましくない。
【0023】また、請求項3に係る発明においては、成
形型内に、1枚または複数枚のマット状強化繊維と、1
枚または複数枚のマット状体もしくは網状体との間に、
通気性が低い1枚または複数枚のマット状強化繊維を積
層したものを配してもよい。この場合、その通気性の低
いマット状強化繊維がバリア効果を発揮するため、上記
したマット状強化繊維の目付の下限は600g/m2
する必要がなく、300g/m2 以上であれば補強効果
を発現し好適な複合成形体が得られる。
【0024】この通気性の低いマット状強化繊維として
は、それぞれクロス状にされたガラス繊維、炭素繊維、
アラミド繊維等で、1枚当たりの目付は平織りで5〜2
00g/m2 、綾織りで10〜200g/m2 、朱子織
りで5〜100g/m2 が好適に用いられる。各織りに
おいて、上記の範囲を越えた場合には、原料樹脂への含
浸性が悪くなり、強度低下の原因となることがある。
【0025】また、各請求項に係る発明において用いら
れるマット状体もしくは網状体としては、マット状強化
繊維よりも樹脂流通性の高いものである必要がある。通
常、マット状体は、それ自体が樹脂流通空間を有し、網
状体では、網状体とマット状強化繊維とにより樹脂流通
空間が形成される。このような樹脂流通空間は、反応性
原料樹脂がマット状強化繊維に比べて流動抵抗が少ない
状態で通過し得る。マット状体および網状体としては、
繊維強化樹脂複合体の強度を高めるものを用いることが
好ましいが、必ずしもそうでなくてもよい。マット状体
の具体例としては、ポリプロピレン等の合成繊維がラン
ダムまたは規則的に絡み合った比較的目の粗いものが挙
げられる。網状体の具体例としては、金網が挙げられ
る。
【0026】以上のマット状体および網状体の圧縮弾性
率が、通常、0.4kgf/cm2未満では、マット状
強化繊維の成形型への押しつけ力が不足しマット状強化
繊維が波打ちやすくなり、また、樹脂充填空間を確保で
きなくなる場合がある。好適には、圧縮弾性率が1.0
kgf/cm2 程度のマット状体または網状体が用いら
れる。
【0027】なお、各請求項に係る発明において、マッ
ト状体や網状体がない場合、300g/m2 を越える目
付のマット状強化繊維では、原料樹脂の含浸が困難とな
ってしまう。
【0028】請求項1および2に係る発明における発泡
性を有する反応性原料樹脂の具体例としては、イソシア
ネートとポリオールを混合するウレタン樹脂、ビスフェ
ノールA型樹脂と酸無水物系硬化剤を混合するエポキシ
樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂等が挙げられる。この
うちでも、ウレタン樹脂およびジシクロペンタジエン樹
脂が好適に用いられる。
【0029】一方、請求項3に係る発明における反応性
原料樹脂は、水を配合することにより発泡が発現するも
のであり、成形型内に注入する原料樹脂内に発泡剤を全
く含んでなくてもよく、その原料樹脂の具体例として
は、イソシアネートとポリオールを配合するウレタン樹
脂等を挙げることができる。
【0030】(作用)請求項1に係る発明によると、成
形型のクリアランスを成形すべき複合体の肉厚よりも狭
い状態にして原料樹脂を注入するため、原料樹脂が発泡
を開始する前にその原料樹脂をマット状強化繊維に含浸
させることが可能となる。また、その状態から、成形型
のクリアランスが複合体の肉厚と同等となるまで開くこ
とにより、マット状体ないしは網状体の形状復元力によ
りマット状強化繊維は成形型表面に押しつけられ、マッ
ト状強化繊維に原料樹脂が含浸した状態で発泡を開始す
るため、未含浸部のない均質な成形体が得られる。ま
た、原料樹脂は成形型のゲートから樹脂流動末端部に向
かって発泡しながら含浸するのではなく、マット状強化
繊維に先に含浸してから発泡するが故に、ゲート付近と
樹脂流動末端部との間に樹脂比重差のない均質な複合成
形体が得られる。
【0031】また、請求項2に係る発明によれば、成形
型のクリアランスを成形すべき複合体の肉厚よりも厚く
した状態で発泡性原料樹脂を注入した後、原料樹脂の発
泡が完了するまでに、そのクリアランスを複合体の肉厚
より狭くして原料樹脂をマット状強化繊維に含浸させる
から、原料樹脂はその注入時において広いクリアランス
内を自由に流動した後、クリアランスを狭めることでマ
ット状強化繊維に対してより均等に含浸できるという利
点がある。
【0032】一方、請求項3に係る発明によると、以上
の各発明と同様に、原料樹脂は発泡を開始する前にマッ
ト状強化繊維に含浸し、未充填部やゲートと樹脂流動端
末の間で樹脂が局在しない均等な含浸状態を得ることが
できる。そして、成形型のクリアランスが複合体の肉厚
となるまで型を開くことにより、成形型内に配置された
マット状体もしくは網状体の形状復元力によりマット状
強化繊維は型表面に押しつけられるが、そのときに生じ
る樹脂流通空間に向けて水蒸気を充満させることによ
り、その樹脂流通空間に面したマット状強化繊維の表面
部の発泡性原料樹脂に水分が供給されて反応開始ととも
に発泡する。この際、マット状強化繊維の持つバリア性
により、樹脂流通空間に向かってのみ発泡が進行するた
め、表面部と芯部との発泡倍率を高コントラスト化する
ことができる。また、高比重部(低発泡倍率部)である
表面部の厚みは、マット状強化繊維の厚みを調節するこ
とによって制御することができ、芯部の発泡倍率につい
ては供給する水蒸気量および注入樹脂量を調節すること
によって任意に制御することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を適用して実際に繊維強化樹脂
複合体を製造した実施例を、比較例とともに述べる。
【0034】(実施例1−1)図1はこの実施例1−1
において用いた成形装置の構成を示す断面図であり、図
2はこの成形装置により得られる箱状繊維強化樹脂複合
体Aの外観図である。
【0035】成形しようとする箱状繊維強化樹脂複合体
Aは、対向する一対の薄肉側壁tと、これらに直交し互
いに対向する一対の厚肉側壁hと、これらを繋ぐ底部b
を備えた形状である。
【0036】成形装置の反応注入成形用型はアルミニウ
ム製で、可動雄型1と、固定雌型2とからなり、雌型2
には、第1スプルー21と第2スプルー22が形成され
ており、これらの合流部分にミキシングヘッド23が設
けられている。そして、このミキシングヘッド23から
ゲート24を介して型底部のクリアランス3に反応性原
料樹脂が注入されるようになっている。
【0037】可動雄型1は、固定雌型2との間の型底部
のクリアランス3が箱状繊維強化樹脂複合体Aの底部b
の肉厚よりも狭くなるように、成形時における通常の型
締め状態よりも更に雌型2側に移動できるようになって
いる。
【0038】型内には、マット状体4とマット状強化繊
維5とを積層した状態で配置されるが、この例において
は、マット状体4の両側を2枚のマット状強化繊維5に
よってサンドイッチ状に挟んで積層したものをあらかじ
め成形型内に配した。その状態で、成形型内に原料樹脂
を注入するのであるが、その原料樹脂の注入時には、型
底部のクリアランス3が箱状繊維強化樹脂複合体Aの底
部bの肉厚よりも狭くなるように閉じ、原料樹脂をマッ
ト状強化繊維5に確実に含浸させた。その後、原料樹脂
が発泡を完了するまでの間に、クリアランス3が箱状繊
維強化複合体Aの底部bの肉厚と等しくなる位置にまで
可動雄型1を上昇させ、その状態で原料樹脂を発泡硬化
させた。
【0039】より具体的に述べると、箱状繊維強化樹脂
複合体Aの底部bの肉厚が10mmであり、マット状強
化繊維5としては、ガラスコンティニアスマット(旭フ
ァイバーグラス社製M8609,目付600g/m2
を用い、マット状体4としては、ポリプロピレン製コン
ティニアスマット(線径0.6mm,厚み10mm,圧
縮弾性率2.3kgf/cm2 )を用いた。
【0040】以上のような1枚のマット状体4を2枚の
マット状強化繊維5でサンドイッチ状に積層した、図3
に模式的に示すような積層物を、温水で70℃に加熱し
た成形型内に収め、図4(A)に示すように、その型底
部のクリアランス3を100mmとした状態で、原料ウ
レタン樹脂を樹脂のみで比重0.6となるよう箱状繊維
強化樹脂複合体Aの底部bの下に相当するゲート24か
ら注入した。
【0041】原料に用いた樹脂は、ポリオール(住友バ
イエルウレタン社製SBUポリオールH523)100
重量部と、イソシアネート(住友バイエルウレタン社製
SBUイソシアネート0389)186重量部であり、
前者は第1スプルー21からミキシングヘッド23に、
後者は第2スプルー22からミキシングヘッド23にそ
れぞれ導入し、ここで両者を混合した。このウレタン樹
脂は、混合後70℃の成形型内に注入した場合、クリー
ム状になり10分で発泡完了する。
【0042】原料ウレタン樹脂の注入完了と同時に、図
4(B)に示すように型底部のクリアランス3が4mm
となるまで可動雄型1を下降させ、10秒間その状態を
保持した後、図1に示したように、型底部のクリアラン
ス3が箱状繊維強化樹脂複合体Aの底部bの肉厚と等し
い10mmとなるまで可動雄型1を上昇させ、その状態
を10分間にわたって保持した。その後、可動雄型1を
上昇させて脱型を行った。
【0043】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、原料
樹脂未含浸部やウエルドラインがなく、また、樹脂比重
はゲート近傍で平均0.60、複合体端部において平均
0.59であった。 (実施例1−2)下記以外は実施例1−1と同じとし
て、上記と全く同じ形の箱状繊維強化樹脂複合体Aを成
形した。
【0044】成形型内に積層物を配した後、可動雄型1
を型底部のクリアランス3が4mmとなる図4(B)の
状態にまで下降させ、その状態で原料樹脂を注入した。
注入後10秒間その状態を保持し、その後、図1に示し
た位置にまで可動雄型1を上昇させ、10分間その状態
を保持した後、脱型を行った。
【0045】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、原料
樹脂未含浸部やウエルドラインがなく、また、樹脂比重
はゲート近傍で平均0.60、複合体端部で平均0.5
8であった。
【0046】(実施例1−3)下記以外は実施例1−1
と同じとして、図5に斜視図を示す箱状繊維強化樹脂複
合体Bを成形した。
【0047】この箱状繊維強化樹脂複合体Bは、短側壁
sと長側壁dを備え、これらの側壁を肉厚10mmの底
部bで繋いだ形状であり、短側壁sと長側壁dとでは、
ガラス含有率が相違している。すなわち、短側壁sに相
当する型内には、ガラス含有率30重量%となるように
前記した各例と同様のマット状体4を2枚のマット状強
化繊維5で挟んだ積層物を配し、長側壁dに相当する型
内には、ガラス含有率20重量%となるようにマット状
体4を2枚のマット状強化繊維5で挟んだ積層物を配し
た。
【0048】その状態で、実施例1−1と全く同じクリ
アランス設定のもとに、樹脂比重0.60となるように
原料樹脂を注入した。得られた箱状繊維強化樹脂複合体
は、原料樹脂未充填部やウエルドラインがなく、また、
樹脂比重はゲート近傍で平均0.61、複合体端部で平
均0.59であった。
【0049】(実施例1−4)下記以外は実施例1−2
と同じとして、上記と全く同じ形の箱状繊維強化樹脂複
合体Bを成形した。
【0050】成形型内に積層物を配した後、可動雄型1
を型底部のクリアランス3が4mmとなる図4(B)の
状態にまで下降させ、その状態で原料樹脂を注入した。
注入後10秒間その状態を保持し、その後、図1に示し
た位置にまで可動雄型1を上昇させ、10分間その状態
を保持した後、脱型を行った。
【0051】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、原料
樹脂未含浸部やウエルドラインがなく、また、樹脂比重
はゲート近傍で平均0.60、複合体端部で平均0.5
8であった。
【0052】(比較例1−1)下記以外は実施例1−1
と同じとし、箱状繊維強化樹脂複合体Aを成形した。成
形型に積層物を配した後、複合体Aの底部bの肉厚10
mmにまで型締めを行い、ゲート24から原料樹脂を注
入し、10分間その状態を保持した後に脱型を行った。
【0053】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、原料
樹脂未含浸部の存在する不良品であり、また、樹脂比重
はゲート近傍で平均0.62、複合体端部で平均0.5
9であった。
【0054】(比較例1−2)下記以外は実施例1−3
と同じとし、箱状繊維強化樹脂複合体Bを成形した。成
形型内に積層物を配した後、複合体Bの底部の肉厚10
mmにまで型締めを行い、ゲート24から原料樹脂を注
入し、10分間その状態を保持した後に脱型を行った。
【0055】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、原料
樹脂未含浸部の存在する不良品であり、また、樹脂比重
はゲート近傍で平均0.62、複合体端部で平均0.5
3であった。
【0056】以上の各実施例および比較例により得られ
た複合体AおよびBについての樹脂の樹脂比重並びに樹
脂の含浸性等について纏めると、以下の〔表1〕および
〔表2〕の通りである。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】以上の〔表1〕,〔表2〕から明らかなよ
うに、実施例1−1〜1─4によって高品質の複合体が
得られることが確かめられたが、実施例1−1,1−3
のように、型のクリアランスを複合体の肉厚よりも広く
した状態で原料樹脂を注入した後、そのクリアランスを
同肉厚よりも狭くすることにより原料樹脂をマット状強
化繊維に含浸させる方法(請求項2に係る発明)の方
が、より好ましいことが確認された。
【0060】次ぎに、高密度の表面樹脂層と低密度の芯
部を有する箱状繊維強化樹脂複合体を、請求項3に係る
発明に基づいて製造した例を、比較例とともに述べる。 (実施例2−1)この例で用いた成形装置を図6に断面
図で示す。この成形装置の先の各例において用いた成形
装置と相違する点は、可動雄型1と固定雌型2の間の形
成される型空間内に、固定雌型2を通じて外部から水蒸
気を供給するための配管100を設けている点であり、
他は図1の装置と同じである。
【0061】また、この実施例2−1で成形した複合体
は、その外観形状は図2に示したものと同じであり、底
部bの肉厚は10mmであるが、高密度の表面樹脂層と
低密度の芯部を備えている点において相違している。
【0062】図6の成形型を温水で70℃に加熱し、そ
の型内に、実施例1−1で用いたものと同じマット状体
4を2枚のマット状強化繊維5で挟んだ、図3に示した
積層物を収めた。
【0063】成形型を閉じて、図7(A)に示すよう
に、その底部のクリアランス3が100mmとなるよう
に雄型1を位置決めし、原料ウレタン樹脂を樹脂のみで
比重0.2となるようにゲート24から型内に注入し
た。
【0064】原料に用いた樹脂は、ポリオール(住友バ
イエルウレタン社製SBU Tpolol−6FT0
3)100重量部に触媒(住友バイエルウレタン社製P
olycat8)0.3重量部と水0.2重量部を配合
したもの、および、イソシアネート(住友バイエルウレ
タン社製SBUイソシアネート0581)144重量部
であり、前者は第1スプルー21からミキシングヘッド
23に、後者は第2スプルー22からミキシングヘッド
23にそれぞれ導入し、ここで両者を混合した。
【0065】樹脂注入完了後、図7(B)に示すよう
に、可動雄型1を型底部のクリアランス3が4mmとな
るまで下降させ、マット状強化繊維5に樹脂を含浸させ
た後、型底部のクリアランス3が箱状繊維強化樹脂複合
体Aの底部bの肉厚と同じ10mmとなるように可動雄
型1を上昇させることにより、マット状体4の復元力に
よってマット状強化繊維5を型内面に押しつけ、図6に
示すように、マット状体4内に樹脂流通空間200が形
成されるようにした。その後、配管100を通じてその
樹脂流通空間200に向けて100℃飽和水蒸気を型内
に充満させ、発泡硬化させた。10分間にわたりその状
態を保持した後、雄型1を上昇させて脱型を行った。
【0066】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、平均
比重が0.26であり、その各部(層)の比重および各
部(層)の厚みは以下の〔表3〕に示す通りとであっ
た。
【0067】
【表3】
【0068】(実施例2−2)下記以外は実施例2−1
と同じとした。図8に模式的に示すように、1枚のマッ
ト状体4を通気性の低い2枚のマット状強化繊維81で
挟み、更にそれを2枚のマット状強化繊維5でサンドイ
ッチ状に挟んだ積層物を、温水で70℃に加熱した図6
の成形型内に収めた。
【0069】マット状体4およびマット状強化繊5は実
施例2−1のものと同じであるが、通気性の低いマット
状強化繊維81としては、ガラスクロス(旭ファイバー
グラス社製EMH18、154g/m2 )を用いた。
【0070】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、平均
比重が0.29であり、その各部(層)の比重および各
部(層)の厚みは以下の〔表4〕に示す通りとであっ
た。
【0071】
【表4】
【0072】(比較例2−1)下記以外は実施例2−1
と同じとした。1枚のマット状体4を2枚のマット状強
化繊維5で積層してなる実施例2−1と同じ積層物を図
6の成形型内に配し、成形型底部のクリアランス3が、
得ようとする複合体の底部の肉厚と同じ10mmになる
ように型締めした状態で、原料樹脂を注入した。この比
較例2−1においては、ポリオールに配合した水は1.
5部とした。注入完了後、雰囲気圧力を550Torr
にまで減圧し、2分後に雰囲気圧力を760Torrに
変化させ、5分間保持した。
【0073】得られた箱状繊維強化樹脂複合体は、平均
比重が0.27であり、その各部(層)の比重および各
部(層)の厚みは以下の〔表5〕に示す通りであった。
【0074】
【表5】
【0075】次に、以上の実施例2−1,2−2および
比較例2−1で得た箱状繊維強化樹脂複合体の物性評価
を行った結果を、〔表6〕に示す。なお、この〔表6〕
において、曲げ強度はJIS K7055に基づき、ま
た、熱伝導率はJIS A1412の熱流2枚法に基づ
いて測定した結果を示している。
【0076】
【表6】
【0077】以上の〔表3〕〜〔表6〕から明らかなよ
うに、各実施例では表面部と芯部における樹脂の発泡倍
率を高コントラスト化できたのに対し、比較例では殆ど
コントラストをつけることができなかった。また、各実
施例と比較例では、平均比重は同程度であるにも関わら
ず、曲げ強度、熱伝導率ともに実施例2−1,2−2に
より得られた複合体が優れた結果となった。また、実施
例2−1と2−2を比較した場合、曲げ強度、熱伝導率
ともに実施例2−2のほうが優れており、通気性の低い
マット状強化繊維を加えることにより、表面部と芯部の
発泡倍率の高コントラスト化が容易であり、しかも高強
度の複合体が得られるということが確認できた。
【0078】
【発明の効果】以上のように、請求項1,2に係る発明
によると、反応性の原料樹脂が発泡を含む反応を開始す
る前に、型のクリアランスの少なくとも一部を、得よう
とする複合体の肉厚よりも狭くすることによって、型内
に注入された原料樹脂をマット状強化繊維に含浸させる
から、成形すべき繊維強化樹脂複合体の各部の肉厚や、
強化繊維の含有率の相違に起因する原料樹脂の流動速度
差を考慮する必要がなく、樹脂未含浸部やウエルドライ
ンのない良質な複合成形体を得ることができるととも
に、ゲート付近と樹脂の流動末端部における樹脂の比重
差のない均質な複合性を得ることができる。
【0079】また、請求項3に係る発明によれば、上記
のよにうして原料樹脂がマット状強化繊維に含浸させた
後に、型のクリアランスを複合体の肉厚と同等となるよ
うに開くことによって形成される樹脂流通空間に向け
て、水蒸気を充満させることによって発泡を開始させる
から、表面部と芯部との樹脂発泡倍率の高コントラスト
化を容易に達成することができ、曲げ強度を表面部の繊
維強化樹脂層が受持ち、断熱性を芯部の高発泡層が受け
持つ異形構造部材を、一体成形による高い生産性のもと
に安定して製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1−1〜1−4で用いた成形装置の構成
を示す断面図
【図2】実施例1−1,1−2で成形した箱状繊維強化
樹脂複合体Aの形状を示す外観図
【図3】実施例1−1等で型内に配した積層物の説明図
【図4】実施例1−1,1−3における成形工程の説明
図で、(A)は積層物を成形型内に挿入して原料樹脂を
注入する状態、(B)は原料樹脂の注入完了と同時に型
を下降させて型底部のクリアランスを小さくした状態を
それぞれ表す図
【図5】実施例1−3,1−4で成形した箱状繊維強化
樹脂複合体Bの形状を示す外観図
【図6】実施例2−1,2−2で用いた成形装置の構成
を示す模式的断面図
【図7】実施例2−1,2−2における成形工程の説明
【図8】実施例2−2で型内に配した積層物の説明図
【符号の説明】
1 可動雄型 2 固定雌型 21 第1スプルー 22 第2スプルー 23 ミキシングヘッド 24 ゲート 3 型底部のクリアランス 4 マット状体 5 マット状強化繊維 81 通気性の低いマット状強化繊維 100 配管 200 樹脂流通空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 (72)発明者 後藤 信弘 京都市南区上鳥羽上調子町2−2 積水化 学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型内に、1枚または複数枚のマット
    状強化繊維と、そのマット状強化繊維よりも樹脂流通性
    の高い1枚または複数枚のマット状体もしくは網状体と
    を積層配置した後、その成形型内に発泡性を有する反応
    性原料樹脂を注入することにより、その原料樹脂を上記
    マット状体もしくは網状体の樹脂流通空間に、または、
    マット状強化繊維とマット状体もしくは網状体とにより
    形成された樹脂流通空間に侵入させるとともに、その樹
    脂流通空間に侵入した原料樹脂を上記マット状強化繊維
    に含浸させて繊維強化樹脂複合体を製造する方法であっ
    て、成形型底部または側部に形成されるクリアランスの
    少なくとも一部を、得ようとする複合体の肉厚よりも狭
    くした状態で上記原料樹脂を注入してマット状強化繊維
    に含浸させた後、その原料樹脂の発泡が完了するまで
    に、型底部または側部に形成されるクリアランスを、得
    ようとする複合体の肉厚と同等の状態とし、原料樹脂を
    発泡硬化させることを特徴とする繊維強化樹脂複合体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 成形型内に、1枚または複数枚のマット
    状強化繊維と、そのマット状強化繊維よりも樹脂流通性
    の高い1枚または複数枚のマット状体もしくは網状体と
    を積層配置した後、その成形型内に発泡性を有する反応
    性原料樹脂を注入することにより、その原料樹脂を上記
    マット状体もしくは網状体の樹脂流通空間に、または、
    マット状強化繊維とマット状体もしくは網状体とにより
    形成された樹脂流通空間に侵入させるとともに、その樹
    脂流通空間に侵入した原料樹脂を上記マット状強化繊維
    に含浸させて繊維強化樹脂複合体を製造する方法であっ
    て、成形型底部または側部に形成されるクリアランスの
    少なくとも一部を、得ようとする複合体の肉厚よりも厚
    くした状態で上記原料樹脂を注入した後、原料樹脂の発
    泡が完了するまでに、型底部または側部に形成されるク
    リアランスの少なくとも一部を、得ようとする複合体の
    肉厚より狭くして原料樹脂をマット状強化繊維に含浸さ
    せ、その後、原料樹脂の発泡が完了するまでに、型底部
    または側部に形成されるクリアランスを、得ようとする
    複合体の肉厚と同等の状態として、原料樹脂を発泡硬化
    させることを特徴とする繊維強化樹脂複合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記原料樹脂が水の配合により発泡する
    反応性原料樹脂であって、上記クリアランスの少なくと
    も一部を、得ようとする複合体の肉厚よりも狭くするこ
    とにより原料樹脂をマット状強化繊維に含浸させた後、
    原料樹脂が発泡を開始する前に、上記クリアランスを、
    得ようとする複合体の肉厚と同等の状態にまで開くこと
    によって形成される樹脂流通空間部分に向けて、水蒸気
    を充満させることを特徴とする、請求項1または2に記
    載の繊維強化樹脂複合体の製造方法。
JP9201716A 1997-07-28 1997-07-28 繊維強化樹脂複合体の製造方法 Pending JPH1142655A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014151618A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Bridgestone Corp 発泡成形体及びその製造方法、並びに金型
CN115961762A (zh) * 2022-12-14 2023-04-14 浙江振升建设有限公司 一种钢结构防火涂料的施工装置

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JP2014151618A (ja) * 2013-02-13 2014-08-25 Bridgestone Corp 発泡成形体及びその製造方法、並びに金型
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