JPH07308927A - 繊維強化樹脂発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化樹脂発泡成形体及びその製造方法

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JPH07308927A
JPH07308927A JP6103771A JP10377194A JPH07308927A JP H07308927 A JPH07308927 A JP H07308927A JP 6103771 A JP6103771 A JP 6103771A JP 10377194 A JP10377194 A JP 10377194A JP H07308927 A JPH07308927 A JP H07308927A
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JP
Japan
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fiber
resin
foaming
layer
thermosetting resin
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JP6103771A
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English (en)
Inventor
Michihiko Watanabe
充彦 渡辺
Masahiro Ishii
正裕 石居
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化樹脂発泡成形体であって、高度の表
面平滑性を有し、比較的厚手であるが、軽量にして且つ
機械的強度にも優れたものを提供する。 【構成】 上下に配された織布又は不織布からなる繊維
層1、1の相互間に、糸状繊維2、2・・がかけ渡され
て板状の補強繊維3が形成され、該補強繊維3に熱硬化
性樹脂発泡体からなる本体層19が形成されると共に、
熱硬化性樹脂からなる表面層18が形成されたもの。か
くすることにより、補強繊維3の厚み方向にも糸状繊維
2が介在して、機械的強度の方向性が改善され、発泡体
からなる本体層19により厚肉化、軽量化が果たされて
おり、成形時にも、硬化金型内での本体層19の形成時
の発泡圧を利用して、表面層18を金型内壁面に押圧さ
せ、該表面層18の平滑性を具備させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比較的厚みがあって表
面が平滑であり、軽量ではあるが機械的強度に優れた繊
維強化樹脂発泡成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂成形体の成形材料と
して使用されている補強繊維の繊維形態は、一方向に引
き揃えられた繊維の集束体、織布或いは不織布等の連続
繊維であり、このままでは比較的厚みのある成形体を製
造することができない。従って、その場合の製造方法と
して、樹脂を含浸した複数枚の織布、不織布等を積み重
ねた状態にして加圧状態で加熱・硬化し、一体的に積層
する方法、或いは、繊維の表面に予め樹脂層を形成し、
この繊維を用いて三次元構造に製織したものを補強繊維
として使用し、これを加熱して所定形状に成形する方法
(特開昭63−60738号公報参照)等が知られてい
る。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、織布
や不織布等を積層する方法を採った場合、織布と織布と
の間にはマトリックス樹脂が存在するだけであるから、
この界面の接着強度が弱く、多数枚を積層すると、成形
体の厚み方向に強度的に脆弱な部分がその界面の数だけ
形成されることとなり、多数枚を積層して厚手のものを
製造するといっても自ずから制約があった。また、三次
元構造に製織した補強繊維を用いる場合は、成形材料が
硬化金型内を通過する際に、補強繊維が三次元構造を採
るが為に、加熱による成形材料の収縮率が大きくて、金
型内面を摺動させることができず、その為に、得られる
成形体の表面の平滑性が損なわれるばかりでなく、表面
層が樹脂リッチとなる傾向にあるから、マトリックス樹
脂の分散が不均一となり、全体の機械的強度が低下し、
中でも表面層の強度低下が著しくて、成形体の使用中に
欠損し易いという問題もあった。
【0004】一方、上記従来技術の何れに於いても、成
形体の比重が大きくなる傾向にある。ところが、成形体
にそれほど高い機械的強度が要求されない場合は、空隙
率を高めて軽量化を図ることが望まれるが、上述の各製
造方法では、軽量化を図ることが極めて困難である。ま
た、三次元繊維構造体に発泡性熱硬化性樹脂を含浸させ
て発泡・硬化させれば或る程度の軽量化は可能ではある
が、表面層のマトリックス樹脂も同時に発泡するため、
成形体表面に気泡が発生し、表面凹凸の激しいものしか
得られないのである。
【0005】本発明は、上述のような従来技術の欠点を
解消し、高度の表面平滑性が具備され、比較的厚手であ
るが軽量且つ高強度な繊維強化樹脂発泡成形体を提供
し、併せてその成形体の製造方法を提供することを目的
としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】請求項1記載の発明は、
「上下に配された織布もしくは不織布からなる繊維層
と、該繊維層の相互間にかけ渡された糸状繊維とによっ
て板状の補強繊維が形成され、該補強繊維に熱硬化性樹
脂発泡体からなる本体層が形成されると共に、熱硬化性
樹脂からなる表面層が形成されてなることを特徴とする
繊維強化樹脂発泡成形体」であり、そのことにより上記
目的が達成される。
【0007】請求項2記載の発明は、「上下に配された
織布もしくは不織布からなる繊維層と、該繊維層の相互
間にかけ渡された糸状繊維とによって形成された長尺板
状の補強繊維を連続的に一方向に移送しつつ、該補強繊
維に発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させて硬化金型
内に導入し、該発泡性未硬化の熱硬化性樹脂含浸補強繊
維の表面に、硬化金型の入り口近傍に設けた注入口より
非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を注入して加熱硬化させ
つつ引き抜くことを特徴とする繊維強化樹脂発泡成形体
の製造方法」であり、そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0008】請求項3記載の発明は、「上下に配された
織布もしくは不織布からなる繊維層と、該繊維層の相互
間にかけ渡された糸状繊維とによって形成された長尺板
状の第一の補強繊維を挟むようにして、その両側に織布
もしくは不織布からなる長尺状の第二の補強繊維を配置
し、第一の補強繊維には発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を
含浸させ、第二の補強繊維には非発泡性未硬化の熱硬化
性樹脂を含浸させ、各樹脂含浸補強繊維を連続的に一方
向に移送しつつ、重ね合わせた状態にして硬化金型内に
導入し、加熱硬化させつつ引き抜くことを特徴とする繊
維強化樹脂発泡成形体の製造方法」であり、そのことに
より上記目的が達成される。
【0009】本発明に用いる補強繊維の繊維素材として
は、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ビニロン繊
維等によって構成されたロービングクロス等の織布や、
チョップドストランドマット、コンティニアスマット等
の不織布等が挙げられ、これらの織布もしくは不織布の
1枚もしくは2枚以上で繊維層が形成される。そして、
かかる繊維層を上下に配すると共に、上下繊維層の間
に、上記の繊維からなるロービングやストランド等の糸
状繊維をかけ渡し、全体として板状にしたものが補強繊
維として使用される。
【0010】補強繊維の繊維層を形成する織布もしくは
不織布は、主として成形体の表面層に位置するものであ
り、あまり多数枚の織布等を積層したものを使用する必
要はなく、通常1枚で充分であるが、場合によっては
2、3枚程度の織布等を積層したものであってもよい。
また糸状繊維は、上下の繊維層間の厚み方向にかけ渡し
て相互を連結すると共に、厚み方向に繊維の不連続部分
が生ずるのを防ぐために使用される。
【0011】本発明でいう、糸状繊維をかけ渡すという
意味は、糸状繊維が、織布と同じような織成パターン
で、緻密に且つ組織的に織成された状態だけを指すので
はなく、単に上下に位置する繊維層等の相互の間に介在
し、且つ相互の繊維層等に対して何らかの形で係止して
いる状態をも言う。従って、糸状繊維は単に繊維層等の
対向面に位置する繊維に対してのみ係止されていてもよ
く、或いは上下の繊維層を緩く縫い合わせる状態で挿し
通されていてもよい。要は、繊維層の相互間に繊維が介
在し、該繊維によって繊維層が上下方向に連結された状
態であればよい。
【0012】繊維層の間に糸状繊維をかけ渡す手段とし
ては、例えば2枚の織布を同時に織成できる織機がある
が、この織機を調整して、織布の織り込み中に、2枚の
織布間にも、該織布の織成パターンとは無関係に糸を往
復させ、かけ渡すようにした方法(得られた製品はオラ
ンダ国、パラビーム社よりパラビーム3Dとして市販さ
れている)、或いは、上下の繊維層の間に糸状繊維を一
定のピッチで行き来させながら、その都度繊維層の織布
等に喰い込ませる方法等が挙げられ、その手段について
は特に限定はない。
【0013】本発明における上記補強繊維の目付け量
は、500〜1500g/m2 程度である。
【0014】本発明に用いる本体層形成用の発泡性未硬
化の熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂に、発泡剤を添加
して発泡性を付与したものが挙げられる。発泡剤として
は、物理系発泡剤では、窒素ガス、フレオンガス、エタ
ノール等が挙げられ、化学系発泡剤では、無機系の重炭
酸ソーダー、有機系の熱分解型発泡剤であるアゾジカル
ボンアミド、ジニトロソペンタテトラミン等が挙げられ
る。
【0015】本発明に用いる表面層形成用の非発泡性熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂が挙げられる。
【0016】そして、上記本体層或いは表面層形成用樹
脂には、該樹脂固形分にこれを溶解させる溶媒やモノマ
ー、その他必要に応じて用いられる充填材、添加剤等を
適宜配合して所謂樹脂液としたものを使用する。また本
体層形成用の熱硬化性樹脂と表面層形成用の熱硬化性樹
脂とは、必ずしも同じ種類のものを使用する必要はない
が、相溶性に優れた組み合わせで使用する方が好まし
い。
【0017】請求項2記載の発明において、硬化金型に
形成する非発泡性樹脂の注入口の位置は、硬化金型の成
形材料通路において、該注入口からの非発泡性樹脂が硬
化する際に、予め含浸せしめられている発泡性樹脂の発
泡圧が影響しないような位置にする必要がある。従っ
て、当然硬化金型の入り口近傍の成形材料通路内壁面に
設けなければならない。場合によっては、硬化金型内の
発泡圧を測定するための圧力センサーを付設し、金型温
度の調整と連動するように図るのが好ましい。
【作用】請求項1記載の発明の繊維強化樹脂発泡成形体
は、その補強繊維として、三次元構造に製織したものの
代わりに、上下に配された織布もしくは不織布からなる
繊維層と、該繊維層の相互間にかけ渡された糸状繊維と
からなるものが使用されているので、本体層の厚み方向
にも繊維が存在することとなり、しかも織成されていな
いので、引抜成形時に成形材料の収縮がない。また、本
体層のマトリックス樹脂は発泡体であるから、比較的厚
みがあって軽量化された成形体を形成しており、更に表
面層は非発泡体であるから平滑性に優れ、しかも繊維層
の存在により機械的強度が向上したものとなっている。
【0018】請求項2記載の発明の繊維強化樹脂発泡成
形体の製造方法は、上下に配された織布もしくは不織布
からなる繊維層と該繊維層の相互間にかけ渡された糸状
繊維とからなる長尺板状のものを補強繊維として使用す
ると共に、これに発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を含浸し
て硬化金型に導入し、しかもその導入直後に、該成形材
料の表面に金型内壁面から非発泡性未硬化の樹脂を注入
するので、本体層形成用には発泡性樹脂、表面層形成用
には非発泡性樹脂が含浸されたこととなり、加熱・硬化
時に、成形材料通路内壁面に接する表面層形成用樹脂が
先に硬化を始め、本体層形成用樹脂は、熱勾配の関係で
遅れて硬化を始めることとなり、本体層形成用樹脂が発
泡して体積が膨張した時点では、表面層はほぼ硬化して
おり、発泡ガスが表面層を突き破ることがなく、しかも
その発泡圧を利用して表面層を金型内壁面に押圧するこ
とができる。
【0019】請求項3記載の発明の繊維強化樹脂発泡成
形体の製造方法は、補強繊維をして本体層形成用と表面
層形成用とに分けて使用し、何れも硬化金型に導入する
前段階で、本体層形成用には発泡性樹脂、表面層形成用
には非発泡性樹脂をそれぞれ含浸したものを使用するの
で、本体層が発泡して体積が膨張し、表面層を金型内壁
面に押圧するという点で、請求項2記載の発明と同等以
上の作用を発揮することができ、また、非発泡性樹脂の
第二の補強繊維に対する含浸量は、引抜成形速度や、硬
化金型温度の制約を受けることなく、必要量を確実に含
浸することができる。また、表面層形成用の第二の補強
繊維により、繊維層は二枚の織布もしくは不織布が積層
されたものとなり、表面層が補強されるばかりでなく、
二種類の異なる織布等が積層されたものとすることも可
能であり、該第二の補強繊維について多種類のものを予
め用意し、且つそれに相当する樹脂含浸槽を準備してお
けば、該繊維層をして品質や着色の異なるものを容易に
得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図面に基づいて
詳細に説明する。
【0021】図1は、請求項1乃至3記載の発明に用い
る補強繊維の一例を模式的に示す斜視図であり、図2
は、請求項2記載の発明の繊維強化樹脂発泡成形体の製
造方法を実施する為の製造装置の一例を示す概略説明図
であり、図3は請求項3記載の発明の繊維強化樹脂発泡
成形体の製造方法を実施する為の製造装置の一例を示す
要部のみの概略説明図である。
【0022】先ず図2の装置を用いて行う製造方法につ
いて説明する。
【0023】これらの図において、1、1は上下に配さ
れた各1枚の織布からなる繊維層、2、2・・はこの繊
維層1、1間にかけ渡された糸状繊維であり、3はこの
ような構成からなる補強繊維である。4は補強繊維3の
巻重体、5は発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液、6は該樹
脂液が含浸せしめられた補強繊維である。
【0024】7は硬化金型であって、引抜方向に成形材
料通路が貫設されており、その内壁面8は、平滑な板状
の成形体の製造が可能な型面を形成している。そして樹
脂含浸補強繊維6がその一端から連続的に送り込まれ
る。9、9はこの硬化金型7の成形材料通路の、入り口
近傍に穿設された非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液注入
口であって、硬化金型7の上下内壁面8、8の幅方向
(図2では紙面に対して垂直方向)の上下に対向して、
細長くスリット状に開口しており、この注入口9には、
液送パイプ10により型外に設置された樹脂液タンクか
ら非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液11を、圧送ポンプ
12を用いて圧送できるようになっている。13は、発
泡性未硬化の熱硬化性樹脂液の硬化・発泡の程度を把握
するための圧力センサーである。
【0025】上述の装置を用いて、請求項2記載の発明
の繊維強化樹脂発泡成形体の製造方法を実施するには、
先ず、補強繊維3の巻重体4から該補強繊維3を連続的
に繰り出しつつ、浸漬槽内の発泡性未硬化の熱硬化性樹
脂液5中を通過させて、該樹脂液5を含浸した補強繊維
6とする。
【0026】引き続き、ヒーターと冷却水配管内の冷媒
(何れも図示しない)により、所定の温度に制御された
硬化金型7の成形材料通路内に、該補強繊維6を送り込
む。硬化金型7では、注入口9、9より非発泡性未硬化
の熱硬化性樹脂液11を、補強繊維6の表面に注入す
る。そして、該硬化金型7内に設置された圧力センサー
13により、発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液11の硬化
・発泡の程度を検出しつつ、硬化金型7の引抜方向に複
数埋設されているヒーターの温度や冷媒の流量、温度等
を調節しながら、非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液11
が充分硬化しない段階で、発泡性未硬化の熱硬化性樹脂
液5の硬化・発泡が進行して、発泡ガスが成形材料の表
面にまで到達しないように配慮する。
【0027】そして、金型7内を進行する成形材料は、
非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液11の硬化により表面
層が形成されると共に、発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液
5の硬化・発泡によりその体積が膨張し、該表面層が内
壁面8に押圧され、摺接しながら通過する。かくして、
所定形状に賦形された成形材料は、成形体M1となって
引取機14により引き取られ、更に、図示しないカッタ
ーにより定尺に切断される。得られた成形体M1は、図
4(イ)に示すような繊維強化樹脂発泡成形体となって
いる。図4において18は表面層、19は本体層であ
る。図4(ロ)に示すように、表面層18のマトリック
ス樹脂は、補強繊維3の繊維層1内に一部が含浸した状
態で表面を全体的に被覆している。つまり、表面層18
と本体層19とは、繊維層1を内外に分け合う形で一体
的に結合した構造となっている。表面層18の厚さは
0.1〜2mm程度とするのが好ましい。
【0028】次に、図3の装置を用いて行う製造方法に
ついて説明する。
【0029】図3において、15、15は、各1枚の不
織布からなる第二の補強繊維であり、それぞれ非発泡性
未硬化の熱硬化性樹脂液11を満たした含浸槽内を通過
して、非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸した第二
の補強繊維17、17を得るようになっている。また、
補強繊維15、15の間に、図2の場合と同じ補強繊維
を第一の補強繊維3として配置し、同じく発泡性未硬化
の熱硬化性樹脂液5を含浸させ、発泡性未硬化の熱硬化
性樹脂液を含浸した第一の補強繊維6とする。16は硬
化金型であり、図2に示す硬化金型7から、樹脂液注入
口9、液送パイプ10、樹脂液タンク11、圧送ポンプ
12及び圧力センサー13を取り除いたものとほぼ同じ
である。
【0030】上述の装置を用いて、請求項3記載の発明
の繊維強化樹脂発泡成形体の製造方法を実施するには、
第一の補強繊維3を連続的に繰り出しつつ、浸漬槽内の
発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液5中を通過させて、該樹
脂液5を含浸した第一の補強繊維6とし、同時に、上下
の第二の補強繊維15、15を連続的に繰り出しつつ、
浸漬槽内の非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液11中を通
過させて、該樹脂液11を含浸した第二の補強繊維1
7、17とする。
【0031】次に、これらの樹脂含浸補強繊維を、第二
の補強繊維17/第一の補強繊維6/第二の補強繊維1
7の順に重ね合わせた状態にして、硬化金型16内に導
入する。硬化金型16内では、各樹脂含浸補強繊維のマ
トリックス樹脂が加熱され、発泡性樹脂は発泡し、その
体積を膨張して本体層を形成する。また、非発泡性樹脂
はそのまま硬化して表面層を形成する。かくして図5に
示すような成形体M2が得られる。図5において20は
表面層、21は本体層である。そして、この場合の繊維
層22は、第一の補強繊維3の織布からなる繊維層1
と、第二の補強繊維15を構成している不織布からなる
繊維層とが積層された構造となっている。この場合、成
形体M2の厚み方向には、繊維の存在しない界面が二つ
存在することになるが、界面の数が少なく、表面層20
に接しており、しかも界面ではマトリックス樹脂が互い
に入り交じって硬化しているので一体的となっており、
強度的には殆ど問題とならない。
【0032】実施例1 上記請求項2記載の発明の製造手順に従って、次の成形
材料及び成形条件により繊維強化樹脂発泡成形体M1を
製造した。
【0033】 (1)成形材料 .補強繊維;ガラス繊維織物(パラビーム社製、商品名=パラビーム86 088、目付け量=860g/m2 、厚さ=6mm) .非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂配合組成 不飽和ポリエステル樹脂; 100重量部 硬化剤 ;t−ブチルパーオキシベンゾエート 1.2重量部 充填材 ;炭酸カルシウム 10重量部 内部離型剤 ;正燐酸系内部離型剤 1.0重量部 .発泡性未硬化の熱硬化性樹脂配合組成 フェノール樹脂; 100重量部 発泡剤 ;(エタノール) 3重量部
【0034】(2)成形条件 .金型温度;入り口より30cmまでは110℃、そ
れ以降は180℃ .金型寸法(成形材料通路);1m(長さ)×9cm
(幅)×6mm(厚さ) .樹脂液注入口;金型の長手方向のほぼ中央の上下面
に形成、スリット幅=10mm .引取速度;20cm/分 .発泡性未硬化の熱硬化性樹脂の発泡倍率;約3倍 .定尺に切断した成形体M1の寸法;50cm(長
さ)×9cm(幅)×6mm(厚さ)
【0035】実施例2 前記請求項3記載の発明の製造手順に従い、ガラスコン
ティニアスマット(旭ファイバー社製、450番)に実
施例1の場合と同じ非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を
含浸させてなる第二の補強繊維17、17の間に、実施
例1の場合と同じ発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸
させてなる第一の補強繊維6を挟んだ状態とし、図3に
示す硬化金型を用いたこと以外は実施例1と同様にして
繊維強化樹脂発泡成形体M2を製造した。
【0036】比較例1 硬化金型内で、成形材料の表面に、非発泡性未硬化の熱
硬化性樹脂液を注入しなかったこと以外は、実施例1と
同様にして繊維強化樹脂発泡成形体を製造した。
【0037】比較例2 発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸した第一の補強繊
維の代わりに、本体層形成材料として、厚さ4mm、発
泡倍率約3倍のウレタン発泡体を用いたこと以外は、実
施例2と同様にして繊維強化樹脂発泡成形体を製造し
た。
【0038】上記各実施例及び比較例で得られた繊維強
化樹脂発泡成形体について、表面粗さ、比重、繊維重量
含有率、曲げ剛性等を測定した。その結果を表1に示
す。
【0039】
【表1】
【0040】尚、各測定法は次の通りである。 表面粗さ;JIS B0601で規定する十点平均粗さ
測定法に準拠する。繊維重量含有率;JIS−K−70
52に準拠する。 曲げ剛性;JIS−K−7055に準拠する。
【0041】表1の結果から明らかなように、各実施例
の場合、各比較例に比べて表面粗さが小さく平滑性に優
れており、表面層を持たない比較例1の場合は、著しく
凹凸の激しいものとなっている。また曲げ剛性について
も、表面層と本体層との一体的構造を有する各実施例の
ものは優れているのに対し、サンドイッチ構造を採る比
較例2のものは各実施例のものに及ばす、表面層を持た
ない比較例1のものは、更に劣る結果を得た。
【0042】
【発明の効果】
【0043】請求項1記載の発明の繊維強化樹脂発泡成
形体は、その補強繊維として、その厚み方向にも繊維が
介在するものを使用するので、三次元方向の機械的強度
が改善されており、しかもその補強繊維は加熱により厚
み方向に収縮しないので、成形時に品質上の悪影響を及
ぼすようなことがない。また、成形体自体は、発泡体か
らなる本体層により軽量化と厚肉化が図られ、非発泡体
からなる表面層により平滑性と強度が付与されたものと
なっている。従って、広範囲の用途に採用できる。
【0044】請求項2記載の発明の繊維強化樹脂発泡成
形体の製造方法は、厚み方向にも繊維が介在する補強繊
維を使用し、予めこれに発泡性樹脂を含浸して硬化金型
に導入し、しかもその導入直後に金型内壁面から非発泡
性樹脂を注入する方法を採ったので、発泡体からなる本
体層と非発泡体からなる表面層とを備えた成形体が得ら
れ、しかも、硬化金型で受ける成形材料の熱勾配を利用
して、先に表面層を硬化させると共に、その表面層をし
て、本体層の発泡圧力を利用して金型内壁面に押圧しな
がら摺接するようにしたので、表面層の平滑性を確保す
るために、格別複雑・大掛かりの設備や装置を付設する
必要がなく、また、厚みを確保するために多数枚の樹脂
含浸補強繊維を積層する必要もなく、請求項1記載の発
明の成形体の製造に用いて好適である。
【0045】請求項3記載の発明の繊維強化樹脂発泡成
形体の製造方法は、補強繊維をして本体層形成用と表面
層形成用とに分け、それぞれ第一及び第二の補強繊維と
して使用し、何れも硬化金型に導入する前段階で、本体
層形成用には発泡性樹脂、表面層形成用には非発泡性樹
脂をそれぞれ含浸したものを使用するので、硬化金型内
で発泡性樹脂が発泡開始する時点では、既に非発泡性樹
脂は硬化し始めており、簡単な手段でその体積膨張の機
能を確実に発揮させることができ、品質に優れたものが
得られる。しかも、第一及び第二の補強繊維の素材や形
態の組み合わせ如何により、多種類の規格、品質のもの
を得ることができ、請求項1記載の発明の成形体の製造
に用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1乃至3記載の発明に用いる板状の補強
繊維の一例を模式的に示す斜視図である。
【図2】請求項2記載の発明の製造方法の実施に用いて
好適な装置の一例を示す概略説明図である。
【図3】請求項3記載の発明の製造方法の実施に用いて
好適な装置の一例を示す概略説明図である。
【図4】同図(イ)は請求項2記載の発明の製造方法に
よって得られた成形体の模式的断面図であり、同図
(ロ)はその一部の拡大断面図である。
【図5】請求項3記載の発明の製造方法によって得られ
た成形体の模式的断面図である。
【符号の説明】
1、22 繊維層 2 糸状繊維 3 (第一の)板状の補強繊維 5 発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液 6 発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸した
(第一の)補強繊維 7、16 加熱硬化金型 8 成形材料通路の内壁面 9 非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液注入口 11 非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液 15 第二の補強繊維 17 非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸し
た第二の補強繊維 18、20 表面層 19、21 本体層 M1、M2 成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 105:08 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に配された織布もしくは不織布から
    なる繊維層と、該繊維層の相互間にかけ渡された糸状繊
    維とによって板状の補強繊維が形成され、該補強繊維に
    熱硬化性樹脂発泡体からなる本体層が形成されると共
    に、熱硬化性樹脂からなる表面層が形成されてなること
    を特徴とする繊維強化樹脂発泡成形体。
  2. 【請求項2】 上下に配された織布もしくは不織布から
    なる繊維層と、該繊維層の相互間にかけ渡された糸状繊
    維とによって形成された長尺板状の補強繊維を連続的に
    一方向に移送しつつ、該補強繊維に発泡性未硬化の熱硬
    化性樹脂を含浸させて硬化金型内に導入し、該発泡性未
    硬化の熱硬化性樹脂含浸補強繊維の表面に、硬化金型の
    入り口近傍に設けた注入口より非発泡性未硬化の熱硬化
    性樹脂を注入して加熱硬化させつつ引き抜くことを特徴
    とする繊維強化樹脂発泡成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上下に配された織布もしくは不織布から
    なる繊維層と、該繊維層の相互間にかけ渡された糸状繊
    維とによって形成された長尺板状の第一の補強繊維を挟
    むようにして、その両側に織布もしくは不織布からなる
    長尺状の第二の補強繊維を配置し、第一の補強繊維には
    発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させ、第二の補強繊
    維には非発泡性未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させ、各樹
    脂含浸補強繊維を連続的に一方向に移送しつつ、重ね合
    わせた状態にして硬化金型内に導入し、加熱硬化させつ
    つ引き抜くことを特徴とする繊維強化樹脂発泡成形体の
    製造方法。
JP6103771A 1994-05-18 1994-05-18 繊維強化樹脂発泡成形体及びその製造方法 Pending JPH07308927A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007511391A (ja) * 2003-11-10 2007-05-10 エバート コンポジッツ コーポレイション 複合積層体にz軸補強繊維を挿入する方法
JP2020100104A (ja) * 2018-12-25 2020-07-02 トヨタ紡織株式会社 成形構造体の製造方法及び成形構造体

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