JPH1044321A - ガラス繊維強化樹脂複合体 - Google Patents

ガラス繊維強化樹脂複合体

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JPH1044321A
JPH1044321A JP20184996A JP20184996A JPH1044321A JP H1044321 A JPH1044321 A JP H1044321A JP 20184996 A JP20184996 A JP 20184996A JP 20184996 A JP20184996 A JP 20184996A JP H1044321 A JPH1044321 A JP H1044321A
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JP
Japan
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composite
glass fiber
resin
fiber reinforced
reinforced resin
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JP20184996A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Noguchi
和裕 野口
Hajime Naito
一 内藤
Yoshitaka Nakatani
好孝 中谷
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量構造材として利用されかつ任意の方向で
従来になく高い比剛性をもつ、板状のガラス繊維強化樹
脂複合体を提供する。 【解決手段】 板状のガラス繊維強化樹脂複合体10
は、該複合体10の任意の方向より切り取られたいずれ
の複合体切断片も、板厚方向の曲げに対する比剛性E
1/3 /ρが7.5kg/mm2 以上となされている。またガ
ラス繊維強化樹脂複合体10は、少なくとも両外側に配
された樹脂含浸繊維層1,1と、樹脂層2とが交互にサ
ンドイッチ状に積層されており、ガラス繊維強化樹脂複
合体10の構成樹脂が密度0.2〜0.8g/cm3 を有
する発泡ポリウレタンからなり、かつ複合体10の繊維
含有率が全体平均で5〜30重量%となされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量構造材として
利用される、板状のガラス繊維強化樹脂複合体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、戸建て住宅用浄化槽、ホームタン
ク、自動車等の軽量性の要求される構造材において、ガ
ラス繊維強化樹脂複合体の需要度が高まっている。この
場合、当然ながら剛性が軽量化によって損なわれないこ
とが前提となる。
【0003】高剛性のガラス繊維強化樹脂複合体を得る
だけなら、繊維含有率を高めるか、成形品を厚肉化すれ
ばよい。しかしながら、軽量化が同時に要求されるとあ
っては、こうした方法を単純に使うというわけにはいか
ない。
【0004】比剛性という概念がある。これらは比重に
対する剛性の比として与えられる量であり、先に挙げた
軽量構造材では、構造強度として曲げによるたわみ、圧
縮による座屈を考慮することが多く、その指標として次
式で定義される比剛性がよく使われる。
【0005】比剛性=E1/3 /ρ(単位:kg/mm2 ) ここで、Eは縦弾性率(単位:kg/mm2 )、ρは比重を
表わす。
【0006】同程度の剛性であれば、比剛性のより高い
材料が軽量化に優れ、同程度の重量であれば、比剛性の
高い材料が剛性に優れる。すなわち、構造材を軽量化す
るということは、比剛性をアップすることにほかならな
い。
【0007】ところで、公知のガラス繊維強化樹脂複合
体は、引抜成形品のように繊維が一方向に配向したもの
を除けば、任意の方向で測定される最大の比剛性は7.
2程度であろうと推察される。
【0008】例えば、刊行物「複合材技術集成」(産業
技術センター、1976年発行)の第359頁には、ガ
ラス繊維としてチョップトストランドマットを使用した
際のガラス繊維強化樹脂複合体の剛性データが記載され
ているが、樹脂密度を1.2g/cm3 、ガラス密度を
2.5g/cm3 として比剛性を計算すると、6.66kg
/mm2 (繊維含有量=48重量%の場合)、7.15kg
/mm2 (繊維含有量=30重量%の場合)、7.16kg
/mm2 (繊維含有量=17重量%の場合)となってい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに任意の方向で測定される最大の比剛性が7.2程度
のガラス繊維強化樹脂複合体では、構造材の軽量化、お
よび比剛性のアップは、まだ充分になされていないとい
う問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、軽量構造材として、任意の方向で従来になく高
い比剛性をもつガラス繊維強化樹脂複合体を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるガラス繊維
強化樹脂複合体は、上記の目的を達成するために、板状
のガラス繊維強化樹脂複合体であって、該複合体の任意
の方向より切り取られたいずれの複合体切断片も、板厚
方向の曲げに対する比剛性E1/3 /ρが7.5kg/mm2
以上となされていることを特徴としている。
【0012】また、本発明によるガラス繊維強化樹脂複
合体は、少なくとも両外側に配された樹脂含浸繊維層
と、樹脂層とが交互にサンドイッチ状に積層されてお
り、ガラス繊維強化樹脂複合体の構成樹脂が密度0.2
〜0.8g/cm3 を有する発泡ポリウレタンからなり、
かつ複合体の繊維含有率が全体平均で5〜30重量%で
あることを特徴としている。
【0013】複合体の形状は板状であるが、板には、平
板、曲板のほか、これらが組合わされてなる任意の形状
が含まれる。任意の形状の中には、槽状、殻状、円筒状
等、肉厚の定義が可能なあらゆる形状の成形品が含まれ
る。
【0014】またガラス繊維強化樹脂複合体は、少なく
とも両外側に配された樹脂含浸繊維層と、樹脂層とが交
互にサンドイッチ状に積層されている。ここで、積層構
造については、後述する。
【0015】ガラス繊維強化樹脂複合体は、ガラス繊維
が主体となって強化された樹脂複合体であるが、補強効
果のあるその他の繊維、例えばカーボン繊維、アラミド
繊維などを混入して用いても良く、その混入量は、繊維
含有量の5重量%未満とするのが、好ましい。
【0016】ガラス繊維としては、強化材として知られ
る公知のものが使用可能である。ここで、市販品として
は、ガラス糸、ガラスクロス、ガラステープ、ロービン
グ、チョップドストランド、チョップドストランドマッ
ト、コンティニュアスマット、ロービングクロス、ミル
ドファイバー、サーフェスマット等が挙げられる。
【0017】板の任意の方向から切り取って採取した複
合体切断片は、いわゆるはり状であり、複合体切断片の
厚みは、板厚に一致していなければならない。
【0018】比剛性は、複合体切断片について測定され
た曲げ弾性率E(kg/mm2 )と比重ρに基づいて、以下
の式により計算される物性である。なお、曲げ弾性率
は、JIS K7055記載の三点曲げ試験法によって
測定されるものとし、このときの荷重方向は板厚方向と
する。
【0019】比剛性=E1/3 /ρ(単位:kg/mm2 ) ここで、比剛性が7.5g/mm2 未満に小さい場合は、
従来技術に対する改善効果が認められない恐れがある。
比剛性E1/3 /ρは、高いほど好ましく、通常7.5kg
/mm2 以上であるが、8.0kg/mm2 以上であるのが、
好ましい。
【0020】比剛性が7.5〜8.0g/mm2 となる場
合は、従来技術に対する改善効果が認められるが、効果
の規模が大であるとはいえない。
【0021】比剛性が8.0g/mm2 以上となる場合
は、従来技術に対して飛躍的な改善がなされたといえ
る。なお、比剛性E1/3 /ρは、通常10.0kg/mm2
以下である。
【0022】上記ガラス繊維強化樹脂複合体の樹脂の密
度は、通常0.2〜0.8g/cm3であるが、0.4〜
0.6g/cm3 が好ましい。また複合体の繊維含有率
は、全体平均で、通常5〜30重量%であるが、10〜
20重量%が好ましい。
【0023】樹脂密度および繊維含有率が、上記範囲未
満に小さい場合は、絶対値レベルでの剛性不足により所
望の比剛性を得ることが困難となる。また樹脂密度およ
び繊維含有率が、上記範囲を越えて大きい場合は、材料
の比重が過大となることにより、所望の比剛性を得るこ
とがやはり困難となる。
【0024】本発明のガラス繊維強化樹脂複合体は、い
わゆるサンドイッチ構造を有するものであるが、その構
成は、以下の4つの条件を満たすものとする。
【0025】なお、本発明のガラス繊維強化樹脂複合体
に、サンドイッチ構造を用いるのは、材料の曲げ剛性を
アップさせるためであるが、これらの条件を欠いた場
合、所期効果が現れないことがある。図1にサンドイッ
チ構造の断面図を示す。
【0026】1)板状複合体の断面に、樹脂含浸繊維層
(1) /樹脂層(2) /樹脂含浸繊維層(1) という層配列が
少なくとも1組存在している。従って樹脂含浸繊維層
(1) が少なくとも両外側に配され、両繊維層(1)(1)同士
の間に樹脂層(2) が配されて、樹脂含浸繊維層(1) と樹
脂層(2) とが交互にサンドイッチ状に積層されている。
【0027】2)樹脂含浸繊維層(1) は、基本的に長さ
25mm以上のガラス長繊維からなり、1つの樹脂含浸繊
維層の単位面積当たりの繊維量は300g/m2 以上で
ある。
【0028】3)樹脂層は、基本的に樹脂または樹脂+
25mm未満のガラス短繊維からなり、少量のガラス長繊
維、樹脂以外の部材が含まれていても構わない。例えば
樹脂以外の部材として、サンドイッチ状構造の形成の際
に上下の樹脂含浸繊維層を確実に隔置するためのスペー
サ部材、さらにこれを結合する補強部材の使用がありう
る。ただし、樹脂層の主たる成分は、樹脂であるため、
これらの部材は空隙率の高い構造、すなわち例えば三次
元網状、ハニカム、マルチウェブ等の構造である必要が
ある。
【0029】4)板状複合体の任意の断面が、上記1)
の断面すなわち樹脂含浸繊維層(1)/樹脂層(2) /樹脂
含浸繊維層(1) という層配列の断面になっている。
【0030】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0031】まず図3において、本発明のガラス繊維強
化樹脂複合体(10)は、板状であって、該複合体(10)の任
意の方向より切り取られたいずれの複合体切断片(イ)
〜(ニ)も、板厚方向の曲げに対する比剛性E1/3 /ρ
が7.5kg/mm2 以上となされているものである。
【0032】本発明のガラス繊維強化樹脂複合体(10)
は、例えば図1と図2に示すように、その断面に、樹脂
含浸繊維層(1) /樹脂層(2) /樹脂含浸繊維層(1) とい
う層配列が少なくとも1組存在している。従って樹脂含
浸繊維層(1) が少なくとも両外側に配され、両繊維層
(1)(1)同士の間に樹脂層(2) が配されて、樹脂含浸繊維
層(1) と樹脂層(2) とが交互にサンドイッチ状に積層さ
れているものである。
【0033】図1には、3層のサンドイッチ構造を有す
る本発明のガラス繊維強化樹脂複合体(10)が示されてお
り、図2には、5層のサンドイッチ構造を有する本発明
のガラス繊維強化樹脂複合体(10)が示されている。
【0034】本発明によるガラス繊維強化樹脂複合体(1
0)を製造するには、予め繊維が充填された金型内に反応
性の液状樹脂を注入して硬化させるS−RIM法(反応
射出成形法)、ガラス繊維と樹脂を同時に吹き付けるス
プレーアップ法、マット状ガラス繊維の積層と樹脂の塗
布とを交互にハンドレイアップ法等、任意の製法を採用
し得る。
【0035】これらのうち、サンドイッチ構造の形成に
適し、生産性に優れる製法として、S−RIM法が推奨
される。
【0036】S−RIM法は、本発明の構成範囲を必ず
しも制限するものではないが、S−RIM法で製造した
際に、顕著な効果を示す部分というのは存在する。
【0037】以下にS−RIM法による製造例を中心
に、構成部材の製造の具体例を示す。
【0038】強化用のガラス繊維は、金型内への充填が
容易であり、成形後、場所によって物性のバラツキを生
じないものが好ましく、マット状ガラス繊維が適してい
る。
【0039】市販されているものとしては、チョップド
ストランドマット、コンティニアスマット、ガラスクロ
ス、ロービングクロス等が挙げられる。これらは単独で
用いても、併用しても構わない。
【0040】ここで、ガラスクロスは補強効果に優れる
が、含浸性に劣る。チョップドストランドマット、コン
ティニアスマットは含浸性に優れるが、ガラスクロスほ
ど補強効果はない。S−RIM法では短時間の樹脂の含
浸を要求されるため、専ら後者を用いるか、または後者
を主としてこれに前者を併用することが好ましい。
【0041】チョップドストランドマット、コンティニ
アスマットを積層して用いる場合は、樹脂の含浸性を良
くするために、1枚当たりの目付量が600g/m2
下であるものを用いるのが好ましい。
【0042】複合体(10)のサンドイッチ構造を形成する
樹脂含浸繊維層(1) は、何枚のマットが積層されていて
も構わないが、剛性に対する効果を確かなものとするた
めに、1つの樹脂含浸繊維層(1) に含まれる繊維量は、
単位面積当たり450g/m 2 以上であることが好まし
い。
【0043】樹脂は、反応性の液状原料同士を混合して
得られる硬化物(A)または重合性の液状原料に触媒原
料を添加して得られる硬化物(B)あるいは溶融状態の
液状樹脂を冷却して得られる硬化物(C)であり、例え
ば(A)に属するものとしては、ナイロン、エポキシ樹
脂、ポリウレタン、ジシクロペンタジエン、アクリル樹
脂等が挙げられ、(B)に属するものとしては、不飽和
ポリエステル、アクリル樹脂等が挙げられ、(C)に属
するものとしては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS等が挙げられ
る。
【0044】本発明のガラス繊維強化樹脂複合体(10)を
S−RIM法で製造する際に使用する樹脂は、低密度
で、金型内の流動性、繊維への含浸性に優れたものでな
ければならない。従って、樹脂の性状として成形時に発
泡可能であり、硬化前の粘度が充分に流動可能であるこ
とが要求され、上記の中では(A)に属するポリウレタ
ンがこの条件を満たす。
【0045】発泡ポリウレタンは、ポリイソシアネート
原料をA液とし、ポリオール原料に発泡剤、触媒を加え
たものをB液とし、2液を混合して金型内に注入し、外
部より加熱して、発泡、硬化させることにより得られ
る。
【0046】ポリイソシアネート原料、ポリオール原
料、発泡剤、および触媒は、RIM法(反応射出成形
法)で周知のものを使用し得る。
【0047】樹脂密度は金型の空間的な要素、発泡剤の
量等によって決定し、最終的に成形体の比剛性に影響す
る。高発泡した樹脂は比剛性に有利な低比重を与える
が、過度に発泡した樹脂は強度の低下が著しく、結局、
所望の比剛性が得られないことになる。
【0048】図1に示すサンドイッチ構造の複合体(10)
を作るには、金型内にマット状ガラス繊維を載置する際
に、繊維と繊維の間にスペーサとして機能する部材(以
下、スペーサ部材と呼ぶ)を挾んで積層すれば良い。ス
ペーサ部材が存在する部分の層は、成形後、樹脂層(2)
となる。
【0049】スペーサ部材としては、上記ガラス繊維の
場合と同様に、積層可能なマット状の部材を使用するの
が有利であり、金型内の形状に応じて変形可能であるこ
とが好ましい。また樹脂の流動を阻害しないように、流
れ方向と肉厚方向に樹脂の流通可能な空間をもつ必要が
あり、部材が樹脂より低比重でない限りは材料比重への
影響を少なくするために、空隙率の高いものが好まし
い。これらの性状をもつスペーサ部材の例としては、合
成樹脂、金属線等の繊維状の材料が3次元的に絡み合
い、嵩高い網状になったものが挙げられる。また、ハニ
カム、マルチアェブ等の断面形状をもつ部材は補強効果
があり、比剛性を高める上でより大きな効果が期待でき
る。
【0050】本発明の請求項1に規定するガラス繊維強
化樹脂複合体(10)は、板状のであって、該複合体(10)の
任意の方向より切り取られたいずれの複合体切断片も、
板厚方向の曲げに対する比剛性E1/3 /ρが7.5kg/
mm2 以上となされている。
【0051】この比剛性の高さは、本発明によるガラス
繊維強化樹脂複合体(10)が高剛性でありながら、従来に
なく軽量な材料であることを示すものであり、言い換え
れば、同程度の重量をもつ既存材料との比較において
は、本発明が剛性において勝ることを示したものであ
る。
【0052】また請求項2に規定する密度0.2〜0.
8g/cm3 を有する発泡ポリウレタンからなる樹脂、複
合体(10)全体の平均で5〜30重量%の繊維含有率、複
合体(10)のサンドイッチ構造は、請求項1に規定する構
成のうち、その効果を充分に発揮できると判断した構成
および実施態様を具体的に示したものである。
【0053】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
【0054】実施例 図1に示す所定の厚みを有する直径(φ)300mmの本
発明の円板状のガラス繊維強化樹脂複合体(10)を、下記
の構成材料、成形方法によって製造した。
【0055】この板状複合体(10)の厚みは金型の設計
上、全面にわたって6mmであり、繊維含有率が17.5
重量%となるように繊維量を調整した。
【0056】また成形後、図3に示す所定の位置より切
り出した複合体切断片(イ)〜(ニ)の比剛性、および
樹脂密度を測定したところ、それぞれ8.11kg/m
m2 、および0.60g/cm3 であった(以上平均
値)。
【0057】構成材料:マット状ガラス繊維およびスペ
ーサ部材 マット状ガラス繊維としてコンティニュアスマット(旭
ファイバー社製、目付量450g/m2 )を用い、スペ
ーサ部材として直径(φ)0.1mmのナイロン繊維が三
次元的に絡み合った構造を持つ網状マット(空隙率97
%、目付量100g/m2 、厚さ約6mm)を用いた。
【0058】構成材料:液状原料 A液として、ポリイソシアネート組成物(住友バイエル
ウレタン社製:SBUイソシアネート0389)186
重量部、B液として、ポリオール、発泡剤、および触媒
からなる組成物(住友バイエルウレタン社製:SBUポ
リオールH523)100重量部を用いた。
【0059】成形方法 ガラス繊維強化樹脂複合体(10)の成形用金型として、底
面中央部にダイレクトゲートを備えた雌型と雄型の二型
を設置した反応性射出成形装置(図示略)において、予
め70℃に加熱した雌型上の全面に、上記のマット状ガ
ラス繊維×2枚/スペーサ部材×1枚/マット状ガラス
繊維×2枚となるように積層載置して、金型を閉じ、予
め30℃に加温した上記液状原料約1kgをミキシングヘ
ッドを介して混合し、ダイレクトゲートより注入した。
10分後、脱形して本発明の板状のガラス繊維強化樹脂
複合体(10)を得た。なお、本成形における型締め圧力は
5kg/cm2 であった。
【0060】比較例 比較のために、所定の厚みを有する直径(φ)300mm
の円板状のガラス繊維強化樹脂複合体を下記の構成材
料、成形方法によって製造した。
【0061】この比較例の複合体の板厚は、金型の設計
上、全面にわたって3mmであり、かつ繊維含有率が35
重量%となるように繊維量を調整した。また成形後、実
施例の場合と同様に所定位置より切り出した複合体切断
片の比剛性、樹脂密度を測定したところ、それぞれ3.
68kg/mm2 、および1.1g/cm3 であった(以上、
平均値)。
【0062】構成材料:マット状ガラス繊維 マット状ガラス繊維としてコンティニュアスマット(旭
ファイバー社製、目付量300g/m2 )を用いた。
【0063】構成材料:液状原料 A液として、ポリイソシアネート組成物(住友バイエル
ウレタン社製:SBUイソシアネート0389)186
重量部、B液として、ポリオール+発泡剤触媒からなる
組成物(住友バイエルウレタン社製:SBUポリオール
H523から発泡剤成分を除去したもの)100重量部
を用いた。
【0064】成形方法 板状ガラス繊維強化樹脂複合体の成形用金型として、底
面中央部にダイレクトゲートを備えた雌型と雄型の二型
を設置した反応性射出成形装置において、予め70℃に
加熱した雌型上の全面に、上記のマット状ガラス繊維×
3枚を積層載置し、予め30℃に加温した上記液状原料
約1kgを外部攪拌装置にて混合後、型内に流し込み、金
型を閉じた。10分後、脱形して板状のガラス繊維強化
樹脂複合体を得た。なお、本成形における型締め圧力は
5kg/cm2 であった。
【0065】こうして製作した本発明の板状ガラス繊維
強化樹脂複合体(10)と、比較例の板状ガラス繊維強化樹
脂複合体の、それぞれの剛性として曲げ弾性率を比較し
たところ、本発明の板状複合体(10)の曲げ弾性率は42
0kg/mm2 であるのに対し、比較例の板状複合体の曲げ
弾性率は300kg/mm2 と劣っていた。
【0066】なお、上記実施例と比較例の板状複合体
は、共に同じ重量であった。
【0067】従って、比較例の従来品としてのガラス繊
維強化樹脂複合体を、軽量構造材として利用するには、
板厚を充分に大きくとらねばならず、軽量化の効果は不
十分であった。
【0068】これに対して、本発明の実施例の複合体(1
0)によれば、従来の軽量構造材であるアルミ等の金属材
料に比較して、遥かに凌駕する比強度と、同等のレベル
もしくはそれ以上の比剛性とを有しており、従来の軽量
構造材に置き換わるだけの充分な性能を具備していた。
【0069】
【発明の効果】本発明の請求項1に規定するガラス繊維
強化樹脂複合体は、上述のように、板状であって、該複
合体の任意の方向より切り取られたいずれの複合体切断
片も、板厚方向の曲げに対する比剛性E1/3 /ρが7.
5kg/mm2 以上となされていることを特徴とし、軽量構
造材として、任意の方向で従来になく高い比剛性をもつ
ガラス繊維強化樹脂複合体を提供するもので、従って本
発明の複合体によれば、従来の軽量構造材であるアルミ
等の金属材料に比較して、遥かに凌駕する比強度と、同
等のレベルもしくはそれ以上の比剛性とを有し、従来の
軽量構造材に置き換わるだけの充分な性能を具備してい
るという効果を奏する。
【0070】また、本発明の請求項2に規定するガラス
繊維強化樹脂複合体は、少なくとも両外側に配された樹
脂含浸繊維層と、樹脂層とが交互にサンドイッチ状に積
層されており、ガラス繊維強化樹脂複合体の構成樹脂が
密度0.2〜0.8g/cm3を有する発泡ポリウレタン
からなり、かつ複合体の繊維含有率が全体平均で5〜3
0重量%であることを特徴とするもので、請求項1に規
定する本発明の複合体の上記効果を、充分に発揮するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による3層のサンドイッチ構造のガラス
繊維強化樹脂複合体の断面図である。
【図2】同5層のサンドイッチ構造のガラス繊維強化樹
脂複合体の断面図である。
【図3】本発明のガラス繊維強化樹脂複合体の概略平面
図で、任意の方向より切り取られた複合体切断片が図示
されている。
【符号の説明】
1 樹脂含浸繊維層 2 樹脂層 10 ガラス繊維強化樹脂複合体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状のガラス繊維強化樹脂複合体であっ
    て、該複合体の任意の方向より切り取られたいずれの複
    合体切断片も、板厚方向の曲げに対する比剛性E1/3
    ρが7.5kg/mm2 以上となされていることを特徴とす
    るガラス繊維強化樹脂複合体。
  2. 【請求項2】 少なくとも両外側に配された樹脂含浸繊
    維層と、樹脂層とが交互にサンドイッチ状に積層されて
    おり、ガラス繊維強化樹脂複合体の構成樹脂が密度0.
    2〜0.8g/cm3 を有する発泡ポリウレタンからな
    り、かつ複合体の繊維含有率が全体平均で5〜30重量
    %であることを特徴とする請求項1記載のガラス繊維強
    化樹脂複合体。
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