JP4010271B2 - Frpサンドイッチパネル用ハニカム構造体 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック(以後FRPとする)サンドイッチパネルの芯材として用いるハニカム構造体、及びこのハニカム構造体を用いるFRPサンドイッチパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
FRP製品の成形法として、RI法(レジンインジェクション法)、RTM法(レジントランスファーモールディング法)、S−RIM法(エスリム法:structural reaction injection molding)が知られている。これらの成形法によれば、FRP製品は、強化材である繊維基材を型内にセットし、型を閉じ、型の一部からポンプ圧等で樹脂液(溶融樹脂または一液もしくは二液タイプの硬化性樹脂又は反応性モノマー)を注入して繊維基材に含浸させ、それを常温又は加熱下で硬化させることによって製造される。
【0003】
FRP製品を軽量化するには、製品内部を中空(空洞)にするのが最も効果的であるが、その製造方法は複雑となり実施困難な場合が多い。そのため軽量コア材を内蔵させたFRP製品(以後FRPサンドイッチパネルとする)が作られるようになってきている。特に耐衝撃性が求められるFRP製品では、内部を中空化するよりも、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等の軽量コア材を内蔵させたほうが良い。
【0004】
そのようなFRPサンドイッチパネルは、例えば、発泡成形により軽量コア材を作り、このコア材の外面に補強繊維層を設けて型内にセットした後、型内に樹脂液を注入し、補強繊維層に樹脂液を含浸させ、硬化させることにより製造されている。コア材としては軽量の発泡ポリウレタン(ポリウレタンフォーム)がよく使用される。コア材に使う目的で製造された発泡成形体は、アニール処理により、即ち該材料の熱変形温度より5〜10℃低い温度で空気中にて数十分〜数時間加熱したのち徐冷する加熱処理により、残留する内部応力の除去及び未反応分の充分な硬化をしてからコア材として使用される。
【0005】
コア材として発泡ポリウレタンを使用しS−RIM法等の成形法により製造されたFRPサンドイッチパネルは、図1に示されているように比較的厚い発泡ポリウレタンコア層1の周囲をFRP層2で密閉した断面構造となる。発泡ポリウレタンが軽量でも、相対的にその体積が大きいためFRPサンドイッチパネル全体に占めるコア部分の重量割合は大きく、例えばポリウレタンコア部分の重量が全体の25%を占める場合もある。そこで発泡倍率を上げて一段と軽量化された低密度発泡ポリウレタンをコア材として用いてFRPサンドイッチパネルの一層の軽量化を図る試みが為されている。
【0006】
しかしながら、低密度発泡ポリウレタンは特に圧縮強度が低いので、コア材として使用すると注入された樹脂液の圧力によりセルが破壊し、FRP用樹脂が発泡ポリウレタンコアに浸透するという問題があった。このため思う様な軽量化を達成することができなかった。コア材として連通気泡性ポリウレタンを使用する時は特にその傾向が著しい。
【0007】
このような問題を解決するため、発泡ポリウレタンコア層とFRP層からなるFRPサンドイッチパネルにおいて、発泡ポリウレタンコア層とFRP層の間に樹脂層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。発泡ポリウレタンコア層の表面に樹脂層を形成することにより、FRPマトリックス樹脂が発泡ポリウレタンコア層に浸透することが防がれ、FRPサンドイッチパネルの軽量化を達成することができる。
【0008】
【特許文献1】
特開平5−147048号公報(第2−3頁、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、発泡ポリウレタン層の表面に樹脂層を設けると、この樹脂層とFRPマトリックス樹脂との親和性の点から接着強度が期待することができず、得られるFRPサンドイッチパネルにおいて、FRP層が発泡ポリウレタン層から剥離するという問題がある。さらに、このFRPサンドイッチパネルの製造において、型外部からFRP補強繊維に樹脂液を注入し含浸させているが、この樹脂液注入は煩雑で、技術的にも困難な問題である。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消し、型外部から樹脂液を注入することなくFRPサンドイッチパネルを製造することができ、またFRP補強繊維からの剥離の問題も起こすことのない、FRPサンドイッチパネル用ハニカム構造体、及びこのハニカム構造体を用いたFRPサンドイッチパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明によれば、中空柱状のセルの平面集合体であって、前記セルの中空部に発泡性樹脂粒子を内装し、かつ前記発泡性樹脂粒子を覆うように前記セルの開口部にFRPマトリックス用樹脂を充填したハニカム構造体が提供される。
【0012】
また、上記問題点を解決するために本発明によれば、上記のハニカム構造体の2つの主要面上に補強繊維を配置し、成形型内に入れ、型締め後、加熱して樹脂を溶融させるとともに発泡性樹脂粒子を発泡させ、補強繊維中に溶融樹脂を押出し、樹脂を硬化させることを特徴とする、FRPサンドイッチパネルの製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して説明する。図2は本発明のハニカム構造体の一態様を示す斜視図であり、図3は図2のA−A’における縦断面図である。このハニカム構造体3は、セル壁4に囲まれた中空柱状のセルの平面集合体(ハニカム基材)9からなり、セルの中空部には発泡性樹脂粒子5が内装され、かつ前記発泡性樹脂粒子5を覆うように前記セルの開口部にFRPマトリックス用樹脂6が充填されている。
【0014】
このハニカム基材9を構成する材質としては、アルミニウム等の金属、アラミド等の樹脂、セルロース(紙)、又は補強繊維に樹脂を含浸させたFRPを用いることができる。セルの形状は特に制限はなく、その横断面が円形、楕円形、多角形(三角、四角、五角、六角等)であってよい。また、セルの大きさ及びセル壁の厚みについても特に制限はなく、目的、用途に応じて適宜設計可能である。このハニカム構造体の厚み(図3におけるd)は、好ましくは5mm以上である。
【0015】
発泡性樹脂粒子5としては、いわゆる発泡スチロール等の原料となるポリスチレンビーズや、その中心にハイドロカーボンを含有する熱可塑性樹脂の球状粒子を用いることができる。この発泡性樹脂粒子5は、好ましくは発泡倍率が100〜500倍であり、粒径が10μm〜1mmであるものである。
【0016】
FRPマトリックス用樹脂6としては、室温においてはゲル状もしくは固体であり、加熱によって溶融流出し、その後硬化するものであればよく、例えば半硬化状態のエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル等を用いることができる。この樹脂6中には、硬化剤、難燃剤等を添加してもよい。
【0017】
セルの中空部における発泡性樹脂粒子5及びFRPマトリックス用樹脂6の体積割合は、発泡性樹脂粒子5が好ましくは10〜50%、より好ましくは40%、FRPマトリックス用樹脂6が好ましくは50〜90%、より好ましくは60%である。
【0018】
このハニカム構造体は、例えば図4に示すようにして製造することができる。まず、所定の厚みのFRPマトリックス用樹脂6のシートにハニカム基材9を押し込み(図4a)、ハニカム基材9の片面側のセルの開口部を樹脂6で塞ぐ(図4b)。次いで、セルの中空部に発泡性樹脂粒子5を所定量充填し(図4c)、セルの開口部上に所定の厚みのFRPマトリックス用樹脂6のシートで覆う(図4d)。次いでプレス等によりハニカム基材9が潰れない程度に圧をかけ、開口部を塞ぎ、最後に型内に投入し、加熱、硬化させる(図4e)。
【0019】
図5及び図6は、上記のハニカム構造体を用いたFRPサンドイッチパネルの製造工程を示す。まず、図5に示すように、上記ハニカム構造体3の2つの主要面上に補強繊維7を配置し、型8内に入れる。補強繊維7としては、FRPに一般に用いられている繊維を用いることができ、例えばガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、金属繊維等を用いることができる。これらの繊維に、必要に応じてポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維等の有機繊維を混合して堆積物を得、それを特定形状に圧縮成形又は吸引濾過成形するか、ニードルパンチでマット状に成形する等して製造したものであってもよい。
【0020】
こうして型8内にハニカム構造体3及び補強繊維7を配置した後、型締めを行い、加熱する。すると、図6に示すように、樹脂6が溶融し、同時にもしくはその後、発泡性樹脂粒子5が150〜200倍に発泡し、セル内の中空部を満たす。この際、セルの開口部を覆っていた樹脂6は溶融状態にあるため、発泡性樹脂粒子5の発泡に伴い、セルの中空部から補強繊維7に向かって押出され、補強繊維を含浸する。その後、粒子5はなおも発泡を続けようとするが、周囲をセル壁面4に拘束されているため、補強繊維7を型8の面に押し付けるように作用する。この状態を保持し、樹脂6を硬化させ、冷却後、型8から取り出すことによってFRPサンドイッチパネルを得ることができる。
【0021】
加熱温度は、使用する発泡性樹脂粒子5及び樹脂6に応じて、すなわち発泡性樹脂粒子5が十分に発泡し、かつ樹脂6が溶融するに十分な温度に達するように決定する。具体的には、発泡性樹脂粒子5としてポリプロピレン樹脂粒子を用い、樹脂6としてエポキシ樹脂を用いた場合、120℃程度に加熱する。
【0022】
【発明の効果】
本発明のハニカム構造体を用いることにより、型の外から樹脂液を注入する必要がなく、簡易にFRPサンドイッチパネルを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のコア内蔵FRP成形品の断面図である。
【図2】本発明のハニカム構造体の斜視図である。
【図3】図2におけるA−A’の断面図である。
【図4】ハニカム構造体の製造工程を示す図である。
【図5】本発明のハニカム構造体を用いたFRPサンドイッチパネルの製造工程を示す図である。
【図6】本発明のハニカム構造体を用いたFRPサンドイッチパネルの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1…発泡ポリウレタンコア層
2…FRP層
3…ハニカム構造体
4…セル壁
5…発泡性樹脂粒子
6…FRP用樹脂
7…補強繊維
8…型
9…ハニカム基材
Claims (2)
- 中空柱状のセルの平面集合体であって、前記セルの中空部に発泡性樹脂粒子を内装し、かつ前記発泡性樹脂粒子を覆うように前記セルの開口部にFRPマトリックス用樹脂を充填したハニカム構造体。
- 請求項1記載のハニカム構造体の2つの主要面上に補強繊維を配置し、成形型内に入れ、型締め後、加熱して樹脂を溶融させるとともに発泡性樹脂粒子を発泡させ、補強繊維中に溶融樹脂を押出し、樹脂を硬化させることを特徴とする、FRPサンドイッチパネルの製造方法。
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