JPH10215780A - 冷菓及びその製造方法 - Google Patents

冷菓及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10215780A
JPH10215780A JP9042954A JP4295497A JPH10215780A JP H10215780 A JPH10215780 A JP H10215780A JP 9042954 A JP9042954 A JP 9042954A JP 4295497 A JP4295497 A JP 4295497A JP H10215780 A JPH10215780 A JP H10215780A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frozen dessert
jelly
mix
sugar solution
frozen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9042954A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3226474B2 (ja
Inventor
Taro Ohazama
太郎 大峡
Toshimitsu Yoshioka
俊満 吉岡
Hiroyuki Hata
博之 秦
Atsumi Tobiya
篤実 飛谷
Hiroshi Yamane
浩 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Original Assignee
Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Snow Brand Milk Products Co Ltd filed Critical Snow Brand Milk Products Co Ltd
Priority to JP04295497A priority Critical patent/JP3226474B2/ja
Publication of JPH10215780A publication Critical patent/JPH10215780A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3226474B2 publication Critical patent/JP3226474B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不凍ゼリーを含んだ冷菓を簡易に製造する方
法及び得られた冷菓。 【解決手段】 1価又は2価の金属塩を含有する冷菓ミ
ックスをフリージングして容器に充填し、次にこの金属
イオンでゲルするゲル化剤を含有する糖液を冷菓ミック
ス中に充填し、凍結して冷菓ミックスを凍結硬化させ、
糖液を不凍ゼリーとした不凍ゼリーを含む冷菓の製造法
及び得られた冷菓。金属塩として乳酸カルシウム、ゲル
化剤としてLMペクチンが用いられ、金属塩濃度は冷菓
ミックスに対し1〜2重量%、ゲル化剤は糖液に対し1
〜3重量%、糖液のミックスへの充填を20〜50℃で行な
うことが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は不凍ゼリーを含んだ
冷菓及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゼリーを含んだ冷菓は、菓子複合
タイプの商品の人気の高まりと共に、アイテム数が増加
している。冷菓は−15℃〜−20℃で流通されることを前
提としているので、冷菓に含まれるゼリーも−20℃で不
凍性であることが望ましい。このような冷菓ミックスに
混合する不凍性食品素材としては、例えば、不凍性・非
再結晶性ゼリー用組成物(特開昭 62-259551号公報) 、
冷菓被覆剤(特開平4-23952 号公報) 等が提案されてい
る。不凍性・非再結晶性ゼリー用組成物(特開昭 62-25
9551号公報) は、メチルエステル化度が平均60〜75%の
いわゆるHMペクチンを使用した不凍性ゼリーの製法に
関するものである。HMペクチンを使用すると、弾力性
があり、良好な食感の不凍性ゼリーを製造することがで
きるが、ゲル化温度が約70℃と高いため、工程上保温設
備が必要になり、装置が大がかりになる欠点がある。冷
菓被覆剤(特開平 4-23952号公報) は、ゼラチンを含ん
だ冷菓被覆剤に関するものである。この冷菓被覆剤を、
30℃〜60℃に保温し、これに冷菓を浸漬することにより
冷菓表面に付着させることができるため、大規模な設備
は必要としない。しかし、ゼラチンを含んだゼリーはゴ
ム状の組織で歯切れが悪く、冷菓表面に薄く付着させる
場合は大きな欠点とはならないが、冷菓中に成形物とし
て混入した場合は、良好な食感が得られない。
【0003】本発明者らは、先にローメトキシルペクチ
ン (LMペクチン) を安定剤に用い、カルシウム塩をゲル
化の促進剤として不凍性ゼリーを製造する方法を見出し
た(特願平7-303859号) 。LMペクチンのゲル化は、2
価のCaイオンを介してカルボキシドグループの網状組
織の形成によるものと考えられている。したがって、L
Mペクチンを安定剤として用いるゼリーの製造には、カ
ルシウム塩を添加することが必須である。LMペクチン
とカルシウム塩によりゲル化させたゼリーを冷菓に混入
させる方法としては、下記の手段が考えられている。 LMペクチンとカルシウム塩を含む全原材料を混合
し、加熱沸騰させ溶解後、冷却してゼリーを製造する。
その後、得られたゼリーを切断し、成形して多数のゼリ
ーを得ておき、フリージング後の冷菓ミックスに混合、
充填したものを硬化させる方法。しかしながら、この方
法で工業的に生産を行う場合の問題点としては、ゼリー
をセットさせ切断するのに要する装置が大がかりになる
ことが挙げられる。且つ、切断したゼリー同志の付着防
止手段も必要である。 LMペクチンを添加して調製したゼリー形成のための
溶液をカルシウムイオンを含む溶液と接触させてゼリー
体を形成し、アイスクリームのような冷菓に混入する方
法(特開昭 58-187152号公報) 。この方法においては、
糖液をカルシウムイオンを含む溶液に滴下して接触させ
る装置、及び形成されたゼリーを回収する装置が必要で
ある。 糖液をLMペクチンの溶解する温度である70℃以上の
温度で、フリージング後の冷菓ミックスに混合する方法
この方法においては、糖液を70℃以上に保温する装置が
必要である。また、糖液が高温であるため、通常−3〜
−7℃でフリーザーから取り出される冷菓ミックスとの
接触部分で、冷菓ミックスが溶解し、再凍結時に氷晶が
粗大化し、組織が悪くなる欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、透明で弾力性があり、良好な風味の不凍ゼ
リーを含む新規な冷菓を得ることを課題とするものであ
る。また、本発明は、従来の大規模な製造設備に代え簡
便な設備によって不凍ゼリーを含む冷菓を製造すること
も課題とするものである。具体的には、比較的低い温度
(20℃〜50℃)で冷菓と混合でき、且つカッティング不
要の不凍ゼリーを含んだ冷菓及びその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のゼ
リーを含有した冷菓の製造方法では、ゼリーを切断する
のに大規模なカッティング装置が必要であるという問題
点を解決するために鋭意研究を続けた結果、糖液に1価
又は2価の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含み1価
又は2価の金属塩を含まない溶液を調製し、次いでこれ
を、1価又は2価の金属塩を含む冷菓ミックスをフリー
ジングした中に混合し、次いで冷菓ミックスを凍結硬化
させ、弾力性に富み且つ透明な不凍ゼリーを含む冷菓を
得る方法を発明したものである。すなわち、本発明は、
1価又は2価の金属塩を含有した冷菓ミックスと、1価
又は2価の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含有した
糖液とを混合し、凍結させて冷菓ミックスのみを凍結硬
化させ、糖液を凍結させずにゼリー化させる不凍ゼリー
を含んだ冷菓である。又、本発明は、1価又は2価の金
属塩を含有した冷菓ミックスをフリージングして容器に
充填混合し、次いで該金属塩の金属イオンでゲル化する
ゲル化剤を配合した糖液を充填し混合するか又は該冷菓
ミックス中に充填し分散混合するかあるいは該冷菓ミッ
クス表面に充填し層状として冷凍ミックスを凍結硬化さ
せ、糖液を凍結させることなくゲル化させることよりな
る不凍ゼリーを含んだ冷菓を製造する方法である。
【0006】本発明における金属塩は、冷菓ミックス中
に1〜2重量%配合され、また、ゲル化剤は糖液中に1
〜3重量%含有される。また、糖液中の糖濃度は70〜80
重量%が望ましく、糖液はゲル化剤を添加し加熱してゲ
ル化剤を溶解し、これを冷却し、20〜50℃の温度で冷菓
ミックスと混合することが望ましい。糖液充填は、冷菓
ミックスの中に注入するか、あるいは表面に重層するこ
とが好ましい。例えば、ノズルに開孔を1個又は複数個
設けた充填ノズルにより、冷菓ミックス中に糖液を充填
するかあるいは冷菓ミックス表面に糖液を充填し層状と
する。しかし、この充填の仕方は得ようとする冷菓に応
じて適宜変更することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、糖液に用いられ
る1価の金属塩としては、クエン酸ナトリウム、乳酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム等のナトリウム塩を1種以
上用いることができる。2価の金属塩としては、乳酸カ
ルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム等のカルシウム塩を1種以上用いること
ができる。特に好ましいのは、乳酸カルシウムのような
有機酸のカルシウム塩を例示することができる。金属イ
オンでゲル化するゲル化剤としては、LMペクチン、ア
ルギン酸、アルギン酸塩、ジェランガム等のゲル化剤を
1種以上用いることができる。特に好ましいのは、LM
ペクチン、ジェランガムを例示することができる。糖類
は砂糖、ソルビトール、マルトース、イソマルトオリゴ
糖等を例示することができる。糖液へのゲル化剤の基本
配合割合はLMペクチンについては好ましくは1〜3
%、さらに好ましくは2〜3%が望ましい。糖類は好ま
しくは70〜80%、さらに好ましくは72〜77%が望まし
い。又糖液の調製は水あるいはその一部が果汁であって
もよい。本発明で用いるゲル化剤を含有する糖液は、ゲ
ル化剤を加えた糖液を加熱してゲル化剤及び糖を完全に
溶解し、これを冷却して調製する。冷却は、糖液を20〜
50℃に冷却し、次いでこれを冷菓ミックスに混合させて
凍結させるが、20℃以下では固まって流動性がなく好ま
しくない。また50℃以上では冷菓ミックスが溶けるので
好ましくない。
【0008】従来のゼリーを含有した冷菓の製造方法で
は、ゼリーを切断するのにカッティング装置と大規模な
設備が必要である。本発明では、このような設備が必要
でなく、簡単にゼリーを含有した冷菓を製造することが
可能となる。本発明は、糖液に1価又は2価の金属イオ
ンでゲル化するゲル化剤を含み、1価又は2価の金属塩
を含まない溶液を調製し、次いで1価又は2価の金属塩
を含む冷菓ミックスをフリージングした中に混合し、凍
結硬化させることによって、弾力性に富み且つ透明な不
凍ゼリーを含む冷菓を得る方法である。また、本発明は
このような方法で得られた不凍ゼリーを含む冷菓であ
る。具体的には、本発明は、1価又は2価の金属塩を1
〜2重量%含有した冷菓ミックスをフリージングして容
器に充填混合し、次いで1価又は2価の金属イオンでゲ
ル化するゲル化剤を1〜3重量%、糖類を70〜80重量%
配合し加熱して冷却した糖液を充填し混合して冷凍ミッ
クスを凍結させることにより得られる不凍ゼリーを含ん
だ冷菓およびその製造方法である。
【0009】本発明は、以下に述べるようなゼリーの製
造法を例示することができる。即ち、水と濃縮果汁とを
混合し、LMペクチンを加え、 100℃以下において、ソ
ルビット、マルトースまたはイソマルトオリゴ糖を添加
して溶解する。これを20〜50℃に温度保持したものを冷
菓ミックスに注入するための糖液として用いる。ここ
で、糖液が50℃以上の温度では、混合時に冷菓ミックス
が溶解する可能性があり、且つ保温設備の必要性が生じ
好ましくない。20℃未満ではゼリー液の流動性が減少
し、充填が困難になる。冷菓ミックスの配合は、一般的
なアイスクリーム類の配合に好ましくは1〜3%、特に
好ましくは、1〜2%の乳酸カルシウムを添加したもの
を用いる。上記冷菓ミックスを−4〜−7℃にフリージ
ングしたものに、上記糖液を注入し冷菓ミックスを凍結
硬化し、不凍ゼリーを含んだ冷菓となす。
【0010】以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】表1に示した冷菓ミックス配合A、B、
C、D、Eを調製した。この5種の配合の成分値は、い
ずれも下記の通りである。 植物性脂肪分 5.0 % 無脂乳固形分 9.0 % 全固形分 31.0 %
【0011】
【表1】
【0012】表1に示した冷菓ミックスを常温で混合
し、65℃に加温して150kg/cm2 で均質し、85℃20秒間殺
菌して5℃まで冷却することによって原料ミックスを得
た。これを源式フリーザー(源製作所製)に供給して、
−4℃、オーバーラン40%でミックスを取り出し、容器
に充填した。配合A〜Dでは、乳酸カルシウムの量を増
やすと乳以外の固形分が増えるので、砂糖と粉末水飴の
量を変えて甘味度を調整した。
【0013】次に表2に示した配合の糖液を調製した。
【表2】
【0014】5倍濃縮透明リンゴ果汁12%と水を混合
し、これにLMペクチン及びグラニュー糖12%を加え
て 100℃1分間加熱した。次いでこの条件下で、ソルビ
ット10%、マルトース20%、及びイソマルトオリゴ糖30
%を加えてこれらの成分を完全に溶解し糖液を得た。こ
の糖液を50℃まで冷却し、容器に冷菓ミックスを充填し
た直後に冷菓ミックスの中央部に20ml注入した。容器を
冷凍庫に入れ一晩放置し凍結させた。
【0015】冷菓ミックスの温度が−20℃以下になり、
完全に硬化した後に容器を+5℃の恒温室に移し、冷菓
ミックスを溶解させ、ゲル化したゼリーを分離した。こ
のゼリーの溶解温度を測定した。結果を表3〜表7に記
す。通常冷菓に用いるゼリーソースは30℃で液状にな
る。本発明の不凍ゼリーは、通常のソースと同じ30℃に
保持して性状を調べた。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】
【表7】
【0021】男女25名(男12名、女13名)のパネラーに
より官能評価を行い、その結果を表3〜表7の冷菓風味
の項に示した。官能評価結果(良好、やや苦み出る、苦
みが強いの3段階で評価した) 表3〜表7に示されるように、冷菓ミックス中に乳酸カ
ルシウムを添加しない配合(A) では、糖液中のLMペク
チンの配合量にかかわらず、ゲル化したゼリーは30℃で
ソース状となる。しかし、冷菓ミックス中に乳酸カルシ
ウムを1%以上添加した配合(B, C, D, E) では、LM
ペクチンを1%以上含む糖液の場合、30℃で弾力性・保
形性を保っており、従来のフルーツソースとは全く異な
った、新規性のある食感を有していた。乳酸カルシウム
の添加量が3%を越えるとゼリーの溶解温度は上昇した
が、冷菓ミックスの風味が劣化するため、乳酸カルシウ
ムの添加率としては、1〜2%が特に好ましかった。糖
液中のLMペクチンの配合量としては、1%以上で30℃
で保形性のあるゼリーが得られた。1%未満では30℃で
ゲルになりにくく、3%を越えると口溶けが悪くなっ
た。ゲルの口溶けが良く、且つ弾力性・保形性の良好な
範囲は1〜3%であった。
【0022】
【実施例2】表2に示した糖液の配合でLMペクチン
の替わりにジェランガムを同量配合し調製した糖液と表
1に示した配合Bにより冷菓ミックスを調製し、実施例
1と同様に冷菓ミックス中に、ノズルに開孔を複数個設
けた充填ノズルから糖液を充填混合し凍結硬化した。−
20℃でも透明で弾力性のある食感を有した不凍ゼリーを
複数個含んだ冷菓が得られた。ジェランガムの配合量は
1%未満では30℃でゲルになりにくく、3%を超えると
口溶けが悪くなった。ゲルの口溶けが良く、且つ弾力
性、保形性の良好な範囲は1〜3%であった。
【0023】
【実施例3】表2に示した配合により糖液を調製し、
表1に示した配合Cにより冷菓ミックスを調製し、実施
例1と同様に冷菓ミックス表面に、充填ノズルから糖液
40mlを充填し凍結硬化した。この冷菓表面のゼリーは、
−20℃でも透明で弾力性のある食感を有し、不凍ゼリー
を層状にした冷菓が得られた。
【0024】
【実験例1】実施例1で使用した冷菓ミックスはフリー
ザー出口温度の−4℃では、約50%の水分が未凍結であ
り、未凍結水中に含まれる乳酸カルシウムが冷菓ミック
スが完全に凍結する前に糖液中のLMペクチンと反応し
たと考えられる。これを検証するために、冷菓ミックス
をフリージングし、冷凍庫で品温−20℃まで冷却したも
のの上に糖液を充填し、同様の試験を行った。試験条件
は下記の通りである。
【0025】 冷菓ミックス配合 表1に示した配合 A, B, C, D, E 冷菓ミックス調製方法 実施例1と同じ 糖液配合 表2に示した配合 糖液調製方法 実施例1と同じ 冷菓フリージング方法 実施例1と同じ 糖液混合方法 冷菓ミックスを容器に充填した後に容器を冷凍庫 に入れ、一晩放置する。冷菓ミックスの温度が−20 ℃以下になった状態で糖液を50℃で冷菓ミックス上 に充填する。 冷菓硬化方法 糖液混合後、容器を冷凍庫に一晩放置し、凍結さ せる。得られた冷菓からゼリーを実施例1と同一の 方法で分離し、ゼリーの溶解温度を測定した結果を 表8に示す。
【0026】
【表8】
【0027】表8に示した様に冷菓ミックスが完全に硬
化した状態では、冷菓ミックス中に乳酸カルシウムを添
加した配合であっても、糖液に乳酸カルシウムを含んで
いない場合は、30℃において弾力性・保形性を有するゼ
リーを得ることは出来なかった。これは、冷菓ミックス
中の水分の全量が凍結した状態では、冷菓ミックス中の
乳酸カルシウムと糖液中のLMペクチンは反応ができな
いためと考えられる。
【0028】
【実験例2】無脂乳固形中には、約1%の濃度のカルシ
ウムが含まれている。ゼリーと混合させる冷菓ミックス
の無脂乳固形分中のカルシウムにより、ゼリーをセット
させる手段も考えられる。しかしながら、この目的で無
脂乳固形分を高めると乳糖の溶解度が小さいため、過飽
和状態となり乳糖結晶が析出してミックスにざらつきを
与える。このため、冷菓ミックスの無脂乳固形分の上限
としては、約11%が適量であることが知られている。本
例では、上限値である11%の無脂乳固形とした場合、冷
菓ミックス中のカルシウムのみで糖液をゲル化させるこ
とが可能であるかを検証するために実験を行ったもので
ある。
【0029】以下に配合Fに示した冷菓ミックスを調製
した。冷菓ミックスの調製法としては、実施例1と同じ
である。 配合Fの成分値は下記の通りである。 乳脂肪分 14.0% 無脂乳固形分 11.0% 全固形分 38.6%
【0030】次に下記の条件で不凍性ゼリーを含む冷菓
を調製した。 冷菓ミックス配合 配合F 糖液配合 表2に示した配合 糖液調製方法 実施例1と同じ 冷菓ミックスフリージング方法 実施例1と同じ 糖液混合方法 実施例1と同じ 冷菓硬化方法 実施例1と同じ 得られた冷菓からゼリーを実施例1と同一の方法で分離
し、ゼリーの溶解温度を測定した結果を表9に示す。
【0031】
【表9】
【0032】表9に示したように冷菓ミックスの無脂乳
固形分を、その上限値である11%とした場合にも糖液は
弾力性のあるゲルにならなかった。従って、冷菓ミック
ス中乳成分由来カルシウムのみで、糖液を固化させるの
は不可能と言える。
【0033】
【発明の効果】本発明による冷菓に含まれる不凍性ゼリ
ーは、−20℃でも透明で弾力性のある食感を有してい
る。このゼリーは金属イオンでゲル化するゲル化剤と1
価又は2価の金属イオンを有する塩の反応によって得ら
れるものである。従来はこのようなゼリーを含む冷菓の
製造設備は、大がかりなものになる欠点があった。本発
明は、1価又は2価の金属塩を含有する冷菓ミックスと
該金属塩の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含有した
糖液とを混合して凍結することによって、−20℃でも透
明で弾力性のある食感を有するゼリーを含んだ冷菓を容
易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛谷 篤実 埼玉県川越市小仙波町3−22−17 センチ ュリーハイツ303 (72)発明者 山根 浩 埼玉県大里郡寄居町露梨子596番17

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1価又は2価の金属塩を含有する冷菓ミ
    ックスと、該金属塩の金属イオンでゲル化するゲル化剤
    を含有する糖液とを混合し、冷菓ミックスを凍結硬化さ
    せても糖液を凍結させることなくゲル化して得られる不
    凍ゼリーを含んだ冷菓。
  2. 【請求項2】 1価又は2価の金属塩を含有するフリー
    ジングした冷菓ミックスを容器に充填し、次に該金属塩
    の金属イオンでゲル化するゲル化剤を含有する糖液を該
    冷菓ミックス中に充填混合するか又は該冷菓ミックス中
    に充填し分散混合するかあるいは該冷菓ミックス表面に
    充填し層状とし、冷菓ミックスを凍結硬化させても糖液
    を凍結させることなくゲル化させることを特徴とする不
    凍ゼリーを含んだ冷菓の製造方法。
  3. 【請求項3】 糖液中の糖の濃度が70〜80重量%である
    請求項2記載の冷菓の製造法。
  4. 【請求項4】 1価又は2価の金属塩を冷菓ミックス中
    に1〜2重量%含有せしめ、ゲル化剤を糖液中に1〜3
    重量%含有せしめ、かつ糖液は加熱してゲル化剤を溶解
    させた後、冷菓ミックスへ20〜50℃で充填する請求項2
    記載の冷菓の製造法。
JP04295497A 1997-02-12 1997-02-12 冷菓及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3226474B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04295497A JP3226474B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 冷菓及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04295497A JP3226474B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 冷菓及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10215780A true JPH10215780A (ja) 1998-08-18
JP3226474B2 JP3226474B2 (ja) 2001-11-05

Family

ID=12650425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04295497A Expired - Lifetime JP3226474B2 (ja) 1997-02-12 1997-02-12 冷菓及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3226474B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1135030A1 (en) * 1998-11-23 2001-09-26 JSP Nominees Pty. Ltd. Frozen alcoholic beverages
KR20030021721A (ko) * 2001-09-07 2003-03-15 임봉환 아이스크림 조성물 및 그 제조 방법
JP2014054213A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Kracie Foods Ltd 粒状ゼリー含有冷菓及び冷凍下で未凍結の粒状ゼリーの弾力性を保持する方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1135030A1 (en) * 1998-11-23 2001-09-26 JSP Nominees Pty. Ltd. Frozen alcoholic beverages
EP1135030A4 (en) * 1998-11-23 2004-12-29 Jsp Nominees Pty Ltd FROZEN ALCOHOLIC BEVERAGES
KR20030021721A (ko) * 2001-09-07 2003-03-15 임봉환 아이스크림 조성물 및 그 제조 방법
JP2014054213A (ja) * 2012-09-12 2014-03-27 Kracie Foods Ltd 粒状ゼリー含有冷菓及び冷凍下で未凍結の粒状ゼリーの弾力性を保持する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3226474B2 (ja) 2001-11-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SU581608A1 (ru) Способ производства мороженого
EP1233677B1 (en) Slow melting coating for ice confections
JP2001520518A (ja) 粒状ゲルを含む食用組成物
US5523110A (en) Chocolate heat-resistance by particulate polyol gel addition
JP2000506004A (ja) フローズンデザート
JP3226474B2 (ja) 冷菓及びその製造方法
JPS61293348A (ja) 多気泡性冷菓用材料
JP2010088409A (ja) 可食の冷菓デザート用シートゼリーとその製造方法
EP2922408B1 (en) A frozen confection and a process for the manufacture of a frozen confection
EP1694133B1 (en) Methods for the production of frozen aerated confections
JP3371063B2 (ja) エリスリトールを含有するシャーベットおよびその製造方法
JP3554973B2 (ja) 冷菓及びその製造方法
JP4021342B2 (ja) 新規な食感を有する冷菓
JP3077017B2 (ja) 固型スープ
JPH0412936B2 (ja)
JP2000014324A (ja) ゼリーを含有する冷菓
JP2002186427A (ja) 冷 菓
JPH03198742A (ja) チョコレートムースの製造方法
JPS58158133A (ja) 起泡菓子
JPH08116890A (ja) 可溶性ペクチン及びそれを用いた即席デザートミックスの製造法
JPS6027344A (ja) 冷菓
JP2000342183A (ja) 固形インスタントココア及びその製造方法
JPH0884561A (ja) 気泡入り氷菓の製造法
JPH09172988A (ja) 食用ゲル化物及びその製造法
JPH11332481A (ja) ゼリーの製法およびそれによって得られるゼリー、ならびにそれを用いたゼリー材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090831

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090831

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100831

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110831

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130831

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term