JPH10214836A - 半導体集積回路装置の製造方法および製造装置ならびに半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置の製造方法および製造装置ならびに半導体集積回路装置

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JPH10214836A
JPH10214836A JP1627497A JP1627497A JPH10214836A JP H10214836 A JPH10214836 A JP H10214836A JP 1627497 A JP1627497 A JP 1627497A JP 1627497 A JP1627497 A JP 1627497A JP H10214836 A JPH10214836 A JP H10214836A
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metal film
integrated circuit
semiconductor integrated
circuit device
film
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JP1627497A
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Tatsuyuki Saito
達之 齋藤
Naoki Fukuda
直樹 福田
Hide Yamaguchi
日出 山口
Nobuo Owada
伸郎 大和田
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅配線を用いた半導体集積回路装置におい
て、配線溝への銅配線材料の埋め込み性を改善する。 【解決手段】 層間絶縁膜11bに開口した配線溝15
への金属膜17の埋め込みに際して、金属膜17の堆積
をスパッタ法で行い、前記堆積の途中でオーバーハング
により配線溝15の開口が閉塞される前に堆積を中断す
る。その後、熱処理を行う。その熱処理の結果、配線溝
15の開口部に形成されたオーバーハングを有する金属
膜17が流動化され、配線溝15の内部における金属膜
17eと、平坦面における金属膜17fとに分離され
る。この際金属膜17fが表面張力により丸まって、開
口18が拡大される。その後、さらに金属膜17の堆積
を再開する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路装
置の製造技術および半導体集積回路装置に関し、特に、
銅を主導電層とする配線を有する半導体集積回路装置に
適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体集積回路における配線層の
形成は、たとえば、昭和59年11月30日、株式会社
オーム社発行、「LSIハンドブック」、p253〜p
292に記載されているように、絶縁膜上にアルミニウ
ム(Al)合金またはタングステン(W)などの高融点
金属薄膜を成膜した後、フォトリソグラフィ工程により
配線用薄膜上に配線パターンと同一形状のレジストパタ
ーンを形成し、それをマスクとしてドライエッチング工
程により配線パターンを形成していた。
【0003】しかし、このAl合金を用いる方法では配
線の微細化に伴い、配線抵抗の増大が顕著となり、それ
に伴い配線遅延が増加し、半導体集積回路装置の性能が
低下する等の問題があった。特に高性能なロジックLS
Iにおいては、その性能阻害要因として大きな問題が生
じている。
【0004】このため、最近では、「1993 VMI
C(VLSI Multilevel Interconnection Conference)予
稿集」、p15〜p21に記載されているように、絶縁
膜に形成した溝上にCuを主導体層とする配線用金属を
埋め込んだ後、溝外部の余分な金属を化学機械研磨法
(CMP法)を用いて除去することにより溝内に配線パ
ターンを形成する方法が検討されている。
【0005】しかし、絶縁膜に形成した溝内にCuを埋
め込むことは、銅配線の微細化が進むに従い困難となっ
ている。すなわち、溝形状を被覆するCu膜の膜厚は溝
の開口部で最も厚く、溝内部では薄くなる。これは被膜
形成時に、その被膜となる前駆体であるクラスタの入射
方向にある程度の幅を有し、溝開口部が陰となって溝内
部にクラスタが輸送されないため、開口部で被膜が形成
されやすい一方溝底部では被膜が形成され難いためと考
えられる。この結果、開口部で被膜のオーバーハングが
形成され、溝幅が狭い場合には容易に溝両端のオーバー
ハングが接して溝の開口を塞ぎ、被膜にはボイドが形成
されてしまう。このような状態でCMP等により余分な
Cuを取り除いても、溝内にCuが完全に埋め込まれて
いないため、所定の導電性は得られず、半導体集積回路
装置の性能を阻害する。
【0006】そこで、各種の埋め込み方法が検討されて
いる。
【0007】そのひとつは、1995 VMIC(VLSI
Multilevel Interconnection Conference)予稿集、p
308〜p314に記載されているように、Cu膜をス
パッタ後基板を熱処理してCuを流動化し、流動化した
Cuを溝内に移動せしめて溝を埋め込もうとするもので
ある。
【0008】また、他の方法は、公開された技術ではな
いが、本発明者により発明された技術であり、特願平8
−254362号として出願されているものである。す
なわちCu膜をスパッタ後、Cu膜にボイドが存在した
ままの状態で基板を熱処理し、溝内にCuを埋め込むと
同時に溝内のCuと絶縁膜表面のCu膜とを分断し、絶
縁膜表面の余分なCu膜をテープ等で剥離して除去しよ
うとするものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記2つの方
法は、微細化において限界があり、溝あるいは孔の埋め
込みが不完全なものとなって問題がある。
【0010】すなわち、前者の方法は、溝内に埋め込む
に必要な膜厚のCu膜を一度に堆積した後に熱処理を行
うものであり、配線溝の幅が狭くなる微細化の方向にお
いては、オーバーハングによる溝開口部の閉塞は避けら
れず、このような閉塞が生じた状態では実用的な熱処理
温度と時間の範囲ではボイドは消去しない。このような
ボイドを消去するためには、たとえば高圧力下での加熱
方法が考えられるが、最終工程に近い配線形成工程に採
用する方法としては好ましくない。また、前者の方法
は、十分な溝埋め込みの効果を得るためには、400〜
450℃という最終工程においては比較的高温度で、3
0分という長時間が必要となり、半導体集積回路装置の
性能および信頼性、半導体集積回路装置の生産性の点か
らも好ましくない。
【0011】また、後者の方法は、Cu膜中に形成され
たボイドを巧みに利用して溝内のCuと絶縁膜表面のC
u膜とを分断するものであり、しかも、余分なCu膜を
テープ等で剥離して除去しようという生産性の点におい
ても利点の多い技術ではあるが、溝内部を完全に埋め込
むには至らず、初期の配線性能を得ることは困難とな
る。さらに、このような方法では、比較的深さの浅い溝
構造においては利用することが可能であるが、アスペク
ト比の高い接続孔等の孔構造では、十分な埋め込みは期
待できず、いわゆるデュアルダマシン法と称される配線
溝と接続孔を同時にCu膜で埋め込む方法には、ほとん
ど利用できない。
【0012】一方、段差被覆性に優れた被膜形成技術と
しては、従来CVD法がよく知られているが、CVD法
を配線溝へのCuの埋め込みのための被膜形成に利用す
るには問題がある。すなわち、CVD法で形成された被
膜のCu粒径は、スパッタ法で形成された被膜のCu粒
径に比べて小さく、このような小粒径のCu膜による配
線では、結晶粒界を介して金属原子が移動するエレクト
ロマイグレーション現象が発生し易くなるという問題が
ある。配線材料としてCuが選択される理由の一つにエ
レクトロマイグレーション耐性がアルミニウムに比べて
優れているという点があるが、このようなCVD法によ
るCu膜を配線に用いては、前記の利点が減殺されてし
まい好ましくない。
【0013】本発明の目的は、Cu埋め込み配線の微細
化限界を引き延ばす技術を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、配線溝だけでなく接
続孔への埋め込みをも可能とするCu膜の埋め込み技術
を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、溝および孔に
ほぼ完全に埋め込まれたCu配線を実現し、半導体集積
回路装置の高速動作等性能を向上することができる技術
を提供することにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、配線のエレク
トロマイグレーション耐性を向上し、半導体集積回路装
置の信頼性を向上することにある。
【0017】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
次のとおりである。
【0019】(1)本発明の半導体集積回路装置の製造
方法は、層間絶縁膜の表面に配線溝または接続孔となる
凹部を形成し、層間絶縁膜の全面に銅または銅合金から
なる金属膜を物理的気相成長法により堆積し、さらに凹
部以外の層間絶縁膜上の金属膜を除去することにより、
凹部に埋め込まれた銅または銅合金を主導電層とする配
線または接続プラグが形成される工程を有する半導体集
積回路装置の製造方法であって、金属膜の堆積をその堆
積の途中で中断し、熱処理を施した後、さらに金属膜を
堆積する操作を少なくとも1回含むものであり、もしく
は、金属膜の堆積をその堆積の途中で中断せず、堆積の
初期においては基板温度を低くし、堆積の途中において
基板を積極的に加熱することにより基板温度を上昇させ
るものである。また、前記熱処理または基板温度の上昇
は、凹部の開口が金属膜により覆われることによって閉
塞される以前に行われるものである。
【0020】このような半導体集積回路装置の製造方法
によれば、金属膜の堆積をその堆積の途中で中断し、熱
処理を施した後、さらに金属膜を堆積する操作を少なく
とも1回含むものであり、もしくは、金属膜の堆積をそ
の堆積の途中で中断せず、堆積の初期においては基板温
度を低くし、堆積の途中において基板を積極的に加熱す
ることにより基板温度を上昇させるため、微細な配線溝
あるいは接続孔への銅または銅合金の埋め込みが可能と
なる。
【0021】すなわち、金属膜の堆積をその堆積の途中
で中断することにより、凹部の開口が金属膜により覆わ
れて閉塞される前に、つまり、配線溝あるいは接続孔の
開口が開いた状態で熱処理を行うことができる。このよ
うに、開口が開いた状態で熱処理を行うと、銅または銅
合金が流動化し易くなるが、流動化による被膜形状の変
化は、被膜の表面自由エネルギが最小化するような方向
に銅または銅合金が移動することにより起こる。開口付
近の金属膜の形状は、熱処理の前では、開口部に厚く形
成され、凹部の底面部あるいは側面部では薄く形成され
ているため、被膜の表面積は大きく、熱処理による流動
化により被膜の表面積を小さくするようにその形状が変
化する。つまり、開口部付近の銅または銅合金が凹部内
に移動する。この結果、凹部がいくらか埋め込まれ、開
口部のオーバーハングが緩和されるため、開口部の口径
は拡大することとなる。このような状態でさらに金属膜
を堆積すると、開口部が大きく開いているため、凹部内
に被膜が形成されやすく、また、オーバーハングを形成
してボイドを形成することがない。すなわち、凹部を効
果的に埋め込むことが可能となる。上記の金属膜堆積の
中断のタイミングは、逆に言えば、凹部の開口が塞がれ
る前に行う必要があり、熱処理は、開口が開いた状態で
行う必要があることを意味する。
【0022】また、金属膜の堆積をその堆積の途中で中
断せず、堆積の初期においては基板温度を低くすること
により、金属膜の流動化を起こすことなく、すなわち凹
部の開口に若干のオーバーハングを有して金属膜が形成
される。この後、金属膜の堆積が進むに従い、オーバー
ハングが大きくなるため、基板温度を上昇して金属膜に
流動性を付与し、開口付近の銅等を凹部内部に移動させ
ることができる。この結果、配線溝あるいは接続孔の凹
部内に銅等金属膜を十分に埋め込むことが可能となる。
なお、ここで、金属膜堆積の初期から基板を加熱して金
属膜に流動性を付与しないのは、ある程度金属膜の膜厚
が確保されない状態で流動化すると、凹部構造の側面で
金属膜が切断されてしまい、うまく凹部内に金属膜が流
れ込まないためである。また、基板加熱により金属膜を
流動化させるタイミングは、凹部開口が閉塞される以前
であることは、上記と同様である。
【0023】なお、本発明の半導体集積回路装置の製造
方法は、物理的気相成長法を用いて配線となる金属膜を
形成しているため、金属膜を構成する銅等の結晶粒径は
CVD法等により形成したものに比較して大きく、よっ
て、結晶粒界の少ない金属膜とすることができる。その
結果、配線のエレクトロマイグレーション耐性を向上
し、半導体集積回路装置の信頼性を高めることが可能と
なる。
【0024】また、ここで凹部には、ダマシン法により
配線が埋め込まれる配線溝の凹部、接続孔の凹部、およ
び配線溝内に接続孔を有する場合の凹部が含まれる。よ
って、本発明の製造方法はダマシン法の配線、接続孔の
プラグおよびデュアルダマシン法の配線と接続孔の埋め
込みに用いることができる。以下の製造方法においても
同様である。
【0025】(2)本発明の半導体集積回路装置の製造
方法は、層間絶縁膜の表面に配線溝または接続孔となる
凹部を形成し、層間絶縁膜の全面に銅または銅合金から
なる金属膜を堆積し、さらに凹部以外の層間絶縁膜上の
金属膜を除去することにより、凹部に埋め込まれた銅ま
たは銅合金を主導電層とする配線または接続プラグが形
成される工程を有する半導体集積回路装置の製造方法で
あって、金属膜の堆積を、ターゲットと基板との距離が
長い長距離スパッタ法、スパッタ粒子をイオン化して成
膜を行うイオン化スパッタ法、または蒸着法の何れかの
物理的気相成長法で行い、長距離スパッタ法もしくはイ
オン化スパッタ法におけるターゲットまたは蒸着法にお
ける蒸着源と基板との距離Lと、金属膜の被膜形成時に
おける被膜形成粒子の平均自由行程λとが、以下の条件
のうち少なくとも1つの条件を満足するようなものであ
る。すなわち、 (a)L≧R2、 (b)L≧(R1+R2)/1.732、およびλ≧L/
cos(arctan((R1+R2)/L))、 (c)L≧2×R2、およびλ≧L、 (d)L≧4×R2、 ただし、R1はターゲットの実効半径、R2は基板であ
るウェハの半径、である。
【0026】このような半導体集積回路装置の製造方法
によれば、金属膜の堆積を、ターゲットと基板との距離
が長い長距離スパッタ法、スパッタ粒子をイオン化して
成膜を行うイオン化スパッタ法、または蒸着法の何れか
の物理的気相成長法で行うため、(1)と同様に配線の
エレクトロマイグレーション耐性の向上による半導体集
積回路装置の信頼性の向上を図ることができる。
【0027】また、ターゲットあるいは蒸着源からの距
離Lと、被膜形成粒子の平均自由行程λとが、前記
(a)〜(d)までの条件を満たすため、被膜形成粒子
の基板への入射角度が大きくなり、つまり指向性が改善
され、凹部の内部に被膜が形成されやすくなって、凹部
構造を埋め込みやすくすることができる。
【0028】すなわち、前記(a)の場合、L≧R2の
条件は、ターゲットあるいは蒸着源からウェハまでの距
離をウェハ半径以上とするものである。このような条件
下においては、ターゲットあるいは蒸着源から輸送され
る被膜形成物質であるクラスタの基板への入射角度は、
最も条件の悪いウェハ端部においても45°であり、少
なくとも、基板所の凹部のアスペクト比が1である場合
にはその側面にはクラスタが到達することとなることは
幾何学的に明らかである。ウェハ中心部においては、ク
ラスタの入射角度は45°よりも浅くなることはなく、
前記の状況と考え併せれば、凹部内に被膜を形成するこ
とが可能である。
【0029】また、前記(b)の場合、L≧(R1+R
2)/1.732の条件は、ターゲットの端部から、ター
ゲットに対向するウェハの中心線を対称とした互いの反
対側の端部までの距離が、ターゲットとウェハ間の距離
の1.732(つまり3の平方根)倍以下となる条件であ
り、ターゲット端部から発したクラスタが中心線を対称
とする反対側のウェハ端部に入射する場合に入射角度が
30°よりも浅くならない条件を示している。このよう
な条件の下では、基板表面の凹部に入射するクラスタ
は、基板底部まで十分に入り込み、凹部内部にも十分に
厚い金属膜を形成することができる。
【0030】また、前記(b)の条件では、さらに、ク
ラスタの平均自由行程λが、λ≧L/cos(arct
an((R1+R2)/L))の条件を同時に満足する
ものである。このような条件は、平均自由行程λが、タ
ーゲットの端部からターゲットに対向するウェハの中心
線を対称とした反対側の端部までの距離以上であること
を示しており、ターゲット端部を発したクラスタが中心
線を対称とする反対側のウェハ端部までのクラスタの行
程において、クラスタが他の粒子を衝突する確率が少な
い条件を示しているものである。このような条件をさら
に課すことにより、凹部内に形成される金属膜の段差被
覆性を良好にすることができる。すなわち、前記の様に
ターゲットから基板までの距離を長くする等の措置によ
り、基板に入射するクラスタの入射角度を90°に近づ
け、それにより凹部への金属膜の被覆性を改善しようと
しても、被膜形成空間の圧力が高く、クラスタの平均自
由行程が短ければ、クラスタがターゲットを発して基板
まで到達する間に他の粒子に衝突して散乱され、結局基
板へのクラスタの入射角度が浅くなる現象が生じてしま
う。このため、被膜形成空間内の圧力を低下して、平均
自由行程を長くし、クラスタの散乱を少なくしようとす
るものである。よって、平均自由行程λは、長ければ長
いほど散乱が少なくなり、凹部への金属膜の段差被覆性
が良好となるが、平均自由行程λを長くするための圧力
を低下すると、プラズマの密度が低下して好ましくな
い。そこで本発明では、その好ましい条件として、平均
自由行程λは、ターゲットの端部からターゲットに対向
するウェハの中心線を対称とした反対側の端部までの距
離つまりL/cos(arctan((R1+R2)/
L))以上であることを示したものである。前記距離
は、ターゲットを発したクラスタが基板に到達しうる距
離のうち最も長い距離に相当する。
【0031】前記平均自由行程λの条件を満足するよう
な圧力範囲は、相当に低い圧力であり、一般的なスパッ
タリングに用いられるプラズマ、代表的には容量結合方
式あるいは誘導結合方式による高周波放電プラズマや、
DCマグネトロンプラズマでは実現することが困難な場
合が多い。よって、このような低圧力においてもある程
度の高密度なプラズマを得る方法としては、たとえば低
圧放電のためにマグネットを最適化したマグネトロンプ
ラズマ、ECR(Electron Cyclotron Plasma)あるい
はヘリコン波プラズマ等を用いることができる。また、
クラスタの発生源が蒸着源である場合には、上記R1を
0つまり蒸着源の面積を0と考えて上記条件を適用すれ
ば足りる。
【0032】また、前記(c)の場合、L≧2×R2、
およびλ≧Lとするものであり、ターゲットあるいは蒸
着源と基板との距離Lが、基板であるウェハの直径より
も長く、かつ平均自由行程λをウェハの直径よりも長く
するものである。
【0033】このような条件は、前記(b)の条件にお
ける距離Lよりも長く、しかし、平均自由行程λよりも
短くするものであるが、距離Lを長くしたことによりク
ラスタの方向性が改善され、その分、散乱による方向性
の悪化にマージンが生じ、平均自由行程λを短くつまり
圧力を高くすることができるものである。圧力を高くす
ることにより、スパッタ率を高め、処理速度を向上する
ことが可能である。
【0034】また、前記(d)の場合のように、L≧4
×R2、つまりターゲットあるいは蒸着源と基板との距
離Lをウェハ直径の2倍以上とすることもできる。この
場合には、クラスタの入射方向が十分に改善される程度
にクラスタ発生源と基板間の間隔が離間しているため、
もはや圧力を低下して散乱を抑制するまでもない。ただ
し、この場合であっても圧力を低下して、つまり平均自
由行程を長くしてクラスタの散乱を抑制することは、金
属膜の段差被覆性の改善に対して良好な効果を期待でき
ることはいうまでもない。
【0035】なお、イオン化スパッタ法においては、前
記(a)〜(d)までの条件を満足しなくても、イオン
シースが形成され、イオン化された被膜形成粒子つまり
スパッタ粒子がシース電位に加速されるため、それ自体
で粒子に方向性が存在し、凹部に被膜を埋め込みやすい
ものであるが、前記(a)〜(d)までの条件を満足す
れば、さらに効果が高まって、より凹部を埋め込みやす
くすることが可能である。
【0036】(3)本発明の半導体集積回路装置の製造
方法は、前記(2)記載の半導体集積回路装置の製造方
法であって、金属膜の堆積の前に、層間絶縁膜をスパッ
タ法によりエッチングする第1の処理、金属膜の堆積の
途中でこれを中断し、中断された堆積金属膜をスパッタ
法によりエッチングする第2の処理、金属膜を、基板に
バイアス電圧を印加しつつ堆積する第3の処理、の少な
くとも何れか1つの処理を含むものである。
【0037】このような半導体集積回路装置の製造方法
によれば、金属膜の堆積の前に、層間絶縁膜をスパッタ
法によりエッチングする第1の処理、金属膜の堆積の途
中でこれを中断し、中断された堆積金属膜をスパッタ法
によりエッチングする第2の処理、金属膜を、基板にバ
イアス電圧を印加しつつ堆積する第3の処理、の少なく
とも何れか1つの処理を含むため、前記凹部への金属膜
の埋め込み特性を向上することができる。
【0038】すなわち、金属膜の堆積の前に、層間絶縁
膜をスパッタ法によりエッチングする第1の処理によれ
ば、層間絶縁膜に開口した凹部形状を含めてスパッタ法
によりエッチングされるが、このようなエッチングにお
いては、一般的に平坦部よりは、凹部開口の鋭利な突出
部分つまり、凹部の開口辺のエッチングレートが高い。
その結果、凹部開口辺が選択的にエッチングされ、開口
径を大きくすることができ、このような開口部を有する
凹部には、金属膜を良好に埋め込むことが可能となる。
【0039】また、金属膜の堆積の途中でこれを中断
し、中断された堆積金属膜をスパッタ法によりエッチン
グする第2の処理によれば、金属膜の堆積により凹部の
開口部に金属膜のオーバーハングが形成されるが、この
オーバーハング部分をスパッタ法によりエッチングする
ことができ、凹部の開口径を大きくすることが可能とな
る。この結果、さらに金属膜を堆積しても開口部にオー
バーハングによる閉塞が形成されることを抑制し、凹部
への金属膜のの埋め込みを良好に行うことが可能とな
る。
【0040】また、金属膜を、基板にバイアス電圧を印
加しつつ堆積する第3の処理によれば、基板にバイアス
電圧を印加しつつ金属膜を堆積するため、凹部以外の平
坦面や凹部開口領域の突出部への金属膜の堆積が、バイ
アス印加の作用によるスパッタリングにより抑制され、
結果的に、凹部の内部に金属膜が形成されることとなっ
て、凹部への金属膜の埋め込みを良好に行うことができ
る。
【0041】なお、金属膜の堆積を、前記(1)記載の
方法と併用して堆積することが可能である。すなわち、
金属膜の堆積をその堆積の途中でこれを中断し、熱処理
を施した後、さらに金属膜を堆積する操作を少なくとも
1回含む第1の構成、あるいは、金属膜の堆積をその堆
積の途中でこれを中断せず、堆積の初期においては基板
温度を低くし、堆積の途中において基板を積極的に加熱
することにより基板温度を上昇させる第2の構成、の何
れかの構成を含み、熱処理または基板温度の上昇は、凹
部の開口が金属膜により覆われれることによって閉塞さ
れる以前に行われる方法を併用することも可能である。
このような場合には、前記(2)および(3)に記載の
効果に加えて、さらに前記(1)に記載の効果を奏する
ことが可能である。
【0042】また、金属膜の堆積前に銅または銅合金の
拡散を阻害するバリア金属膜を堆積し、金属膜の堆積の
直前にバリア金属膜の表面をスパッタリングによりエッ
チングすることも可能である。本発明の方法に係る金属
膜を構成する銅等の金属は、一般的にシリコン内を拡散
しやすく、その基板内への拡散を防止する目的からバリ
ア金属を併用する場合が多いが、このような場合には、
金属膜の堆積の直前にバリア金属膜の表面をスパッタリ
ングによりエッチングすることができる。このようにバ
リア金属膜の表面をエッチングすることにより、銅等に
より構成される金属膜を密着性よく形成することが可能
となる。
【0043】さらに、熱処理は、水素雰囲気または水素
および酸素雰囲気で行うことができる。このような場合
には、金属膜を流動化させるための熱処理温度を低下さ
せることができる。
【0044】また、本発明の製造方法は、凹部のアスペ
クト比が1以上である場合に適用して有効である。
【0045】(4)本発明の半導体集積回路装置は、前
記(1)〜(3)記載の半導体集積回路装置の製造方法
により製造される半導体集積回路装置であって、配線溝
に形成された配線は、配線溝の幅以上の平均粒径を有す
る銅または銅合金の結晶で構成され、配線溝との界面領
域を除く配線内部においてその粒界が配線を流れる電流
の方向に連続して形成されていないものである。
【0046】このような半導体集積回路装置によれば、
配線を構成する銅または銅合金の結晶の粒径を配線溝の
幅以上とすることにより、大多数の結晶は、その配線の
幅方向において1個の結晶で配線溝を埋め尽くすことと
なる。つまり、配線幅の方向には、配線の内部において
粒界を有さない構造となる。このような構造では、配線
内部の電流の流れる方向においては、各結晶粒の粒界が
分断されており、連続的につながった構造にはならな
い。すなわち、平均的には、配線の幅方向に粒界が形成
され、配線の長さ方向には、粒界が形成されない構造と
なる。このような構造により、配線のエレクトロマイグ
レーションに対する耐性を向上することが可能となる。
一般的にエレクトロマイグレーションは、金属結晶の粒
界により形成されたパスを通して金属原子が移動するこ
とにより発生すると考えられ、配線の粒径が大きいほど
エレクトロマイグレーション耐性が向上することは、本
発明者らの検討により確認されている事実である。した
がって、本発明の半導体集積回路装置により配線のエレ
クトロマイグレーション耐性を向上し、半導体集積回路
装置の信頼性を向上することが可能となる。
【0047】なお、結晶粒径の大きな金属被膜は、スパ
ッタ法により得ることが可能であり、CVD法では、一
般に得られにくい。
【0048】(5)本発明の半導体集積回路装置の製造
装置は、前記(1)または(3)記載の半導体集積回路
装置の製造方法を実現する半導体集積回路装置の製造装
置であって、金属膜の堆積および熱処理を真空破壊をす
ることなく連続して行うことができる反応室を有する第
1の構成、金属膜の堆積を行う複数の第1反応室と熱処
理を行う複数の第2反応室を有し、第1反応室と第2反
応室を交互に直列配置し、第1反応室および第2反応室
に基板を搬送することにより、真空破壊することなく直
列処理を行う第2の構成、基板搬送室を中心として金属
膜の堆積を行う複数の第1反応室と熱処理を行う複数の
第2反応室を交互に配設し、基板搬送室を介して基板を
第1反応室および第2反応室に交互に搬送し、真空破壊
することなく直列処理を行う第3の構成、の何れかの構
成を有するものである。
【0049】このような半導体集積回路装置の製造装置
によれば、金属膜の堆積および熱処理を真空破壊するこ
となく、連続処理あるいは直列処理することができる。
また、前記第2の構成あるいは第3の構成では、複数の
反応室を有するため、半導体集積回路装置製造の処理速
度を向上することが可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明す
るための全図において、同一の部材には同一の符号を付
し、その繰り返しの説明は省略する。
【0051】(実施の形態1)図1〜図13は、本発明
の一実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法の
一例をその工程順に示した断面図である。
【0052】本実施の形態1の製造方法により製造され
る半導体集積回路装置は、図14に示すように、SOI
絶縁層2およびU溝素子分離領域3を有する半導体基板
1のpウェル4にn形MISFETQnが形成されたも
のである。SOI絶縁層2、U溝素子分離領域3は、た
とえばシリコン酸化膜を例示することができる。
【0053】n形MISFETQnは、半導体基板1の
主面上にたとえば数nmの膜厚を有するシリコン酸化膜
からなるゲート絶縁膜6を介して形成され、たとえば低
抵抗多結晶シリコン膜からなるゲート電極7と、ゲート
電極7の両側の半導体基板1の主面に形成された不純物
半導体領域8とを有するものであり、ゲート電極7の側
面および上面にはサイドウォール9およびキャップ絶縁
膜10がそれぞれ形成されている。
【0054】不純物半導体領域8は、n形MISFET
Qnのソース・ドレイン領域として機能するものであ
る。ゲート電極7および不純物半導体領域8の上部にW
Six、MoSix 、TiSix 、TaSix などの高
融点金属シリサイド膜を積層したポリサイド膜で構成し
てもよい。サイドウォール9およびキャップ絶縁膜10
は、たとえばシリコン酸化膜あるいはシリコン窒化膜と
することができ、シリコン窒化膜を用いる場合には、そ
のシリコン窒化膜からなるサイドウォール9およびキャ
ップ絶縁膜10をマスクとして用い、後に説明する層間
絶縁膜に自己整合的に接続孔を開口することができる。
【0055】半導体基板1およびn形MISFETQn
の上面には層間絶縁膜11aが形成されている。層間絶
縁膜11aとして、BPSG膜またはPSG膜等のリフ
ロー膜を用いることができるが、層間絶縁膜11aの下
部もしくは上部にCVD法またはスパッタ法により形成
されたシリコン酸化膜との積層膜とすることができる。
不純物半導体領域8上の層間絶縁膜11aには接続孔1
2が設けられ、接続孔12にはたとえば選択CVD法に
より形成されたタングステンからなる金属プラグ13が
形成されている。
【0056】層間絶縁膜11aの上層には、層間絶縁膜
11bが形成され、配線14が層間絶縁膜11bに形成
された配線溝15内に形成されている。
【0057】配線14は、主導電層14aと窒化チタン
膜14bとからなる。主導電層14aは、たとえば銅を
例示することができるが、銀もしくは金またはそれらの
合金であってもよい。これら低抵抗率の低い材料を主な
導電層とすることにより配線14の微細化に伴う配線抵
抗の上昇を抑制することができる。これにより半導体集
積回路装置の高性能化を達成することができる。窒化チ
タン膜14bは、主導電層14aを構成する材料である
銅の拡散を防止するブロッキング膜として作用させるこ
とが可能である。
【0058】次に、本発明の一実施の形態である半導体
集積回路装置の製造方法の一例を図1〜図13に従って
説明する。
【0059】まず、SIMOX(Separation by Implan
ted Oxygen)法等により形成されたSOI絶縁層2を有
するp- 形の単結晶シリコンからなる半導体基板1を用
意し、p形の導電形にするための不純物、たとえばボロ
ンをイオン注入等によりドープしてpウェル4を形成す
る。pウェル4は、SIMOX法におけるエピタキシャ
ル成長時に不純物ガスを混入し、ドーピングを行っても
よい。
【0060】次に、半導体基板1の主面に、SOI絶縁
層2に達するU溝を形成し、その後たとえばシリコン酸
化膜を堆積した後CMP法等を用いて余分なシリコン酸
化膜を除去して、前記U溝にシリコン酸化膜を埋め込
み、U溝素子分離領域3を形成する(図1)。
【0061】次に、半導体基板1の主面上にゲート絶縁
膜6となるシリコン酸化膜、ゲート電極7となる多結晶
シリコン膜およびキャップ絶縁膜10となるシリコン酸
化膜を順次堆積して積層膜を形成し、フォトリソグラフ
ィによりパターニングされたレジストをマスクとして前
記積層膜をエッチングし、ゲート絶縁膜6、ゲート電極
7およびキャップ絶縁膜10を形成する(図2)。ゲー
ト絶縁膜6はたとえば熱CVD法により堆積することが
でき、ゲート電極7はCVD法により形成することがで
きるが、その抵抗値を低減するためにn形の不純物(例
えばP)をドープしてもよい。なお、ゲート電極7の上
部にWSix 、MoSix 、TiSix、TaSix な
どの高融点金属シリサイド膜を積層してもよい。キャッ
プ絶縁膜10はたとえばCVD法により堆積することが
できる。
【0062】次に、半導体基板1上にCVD法で酸化シ
リコン膜を堆積した後、反応性イオンエッチング(RI
E)法でこの酸化シリコン膜を異方性エッチングするこ
とにより、ゲート電極7の側壁にサイドウォール9を形
成し、n形不純物(リン)をイオン注入してゲート電極
7の両側のpウェル4にn形MISFETQnのソー
ス、ドレイン領域を構成する不純物半導体領域8を形成
する(図3)。
【0063】次に、半導体基板1上にスパッタ法または
CVD法で酸化シリコン膜を堆積し、層間絶縁膜11a
を形成する。さらに、半導体基板1の主面の不純物半導
体領域8上の層間絶縁膜11aに、公知のフォトリソグ
ラフィ技術を用いて接続孔12を開口し、選択CVD法
により金属プラグ13を形成する(図4)。金属プラグ
13はたとえば選択CVD法により形成されたタングス
テンとすることができる。なお、金属プラグ13は、ブ
ランケットCVD法によって形成されたダングステン
を、CMP法により研磨して形成されたものとしても良
い。
【0064】次に、スパッタ法またはCVD法で酸化シ
リコン膜を堆積して層間絶縁膜11bを形成する(図
5)。なお、スパッタ法またはCVD法で形成されたシ
リコン酸化膜を例示しているが、SOG等の塗布膜、有
機膜、フッ素を添加したCVDシリコン酸化膜、シリコ
ン窒化膜、その他複数種の絶縁膜を積層した多層膜であ
ってもよい。
【0065】次に、層間絶縁膜11bを公知のフォトリ
ソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて加工し、
配線溝15を形成する(図6)。配線溝は後に配線材料
を埋め込んで配線14としたい領域に形成される。な
お、本実施の形態1では、金属プラグ13を形成した後
に配線溝15を形成しているが、接続孔12を開口した
後に配線溝15を形成し、その後金属プラグ13を形成
してもよい。なお、配線溝15のアスペクト比は、約1
である。本実施の形態1の製造方法は、このようなアス
ペクト比の高い場合に適用して有効である。よって、ア
スペクト比は1以上であっても良い。
【0066】次に、半導体基板1の全面に配線14の窒
化チタン膜14bとなる窒化チタン膜16を堆積する
(図7)。窒化チタン膜16は、たとえばCVD法ある
いはスパッタ法により堆積することができる。窒化チタ
ン膜16の膜厚は薄いので、配線溝15のアスペクト比
が大きくても、配線溝15内に均一に堆積される。窒化
チタン膜16の堆積は、後に説明する銅膜の密着性の向
上および銅の拡散防止のために行うものである。なお、
本実施の形態1では窒化チタン膜を例示するが、タンタ
ル等の金属膜であってもよい。また、次工程である金属
膜17の堆積直前に窒化チタン膜16の表面をスパッタ
エッチすることも可能である。このようなスパッタエッ
チにより、窒化チタン膜16の表面に吸着した水、酸素
分子等を除去し、金属膜17の接着性を改善することが
できる。特に、窒化チタン膜16の堆積後、真空破壊し
て表面を大気に曝し、その金属膜17を堆積する場合に
効果が大きい。
【0067】次に主導電層14aとなる金属膜17を堆
積する(図8)。金属膜17は、たとえば銅を用いるこ
とができる。金属膜17の堆積は、通常のスパッタ法を
用いることができるが、蒸着法等の物理的気相成長法を
用いてもよい。
【0068】金属膜17は配線溝15を埋め込むために
堆積するものであるため、ある程度の膜厚を必要とし、
また、物理的気相成長法を用いるため、配線溝15の底
面における金属膜17aおよび配線溝の側面における金
属膜17bの膜厚が薄く、配線溝15が形成されていな
い平坦面における金属膜17cの膜厚が厚く形成され
る。特に、配線溝15の開口部における金属膜17には
オーバーハング17dが形成され、金属膜17の膜厚が
厚くなるとオーバーハング17dが互いに接触して開口
18を閉塞し、それ以降はもはや被成膜種であるクラス
タの供給がなされず、金属膜17にはボイドが形成され
てしまう。特に配線溝15のアスペクト比が大きい場合
にはボイドが形成されやすい。そこで本実施の形態1の
製造方法では、図8に示すように開口18が開口され、
閉塞される以前の状態で一旦成膜を中断する。
【0069】また、本実施の形態1では、通常のスパッ
タ法あるいは蒸着法を例示しているが、金属膜17の配
線溝15への埋め込みをよくするために、段差被覆性に
優れた成膜方法を用いることが好ましい。たとえば、タ
ーゲットから基板までの距離を長くした長距離スパッタ
法、蒸着源から基板までの距離を長くした長距離蒸着
法、あるいはターゲットから発したスパッタ粒子(クラ
スタ)をスパッタプラズマとは別に生成したRF誘導放
電プラズマ等に通過させて帯電させ、この帯電したスパ
ッタ粒子を基板とプラズマとの境界に形成されたイオン
シースにより加速して方向性を持たせ、基板に被膜を形
成するイオン化スパッタ法を用いることができる。これ
らの方法では、被膜形成粒子であるクラスタが一定の方
向性をもって基板に入射してくるため、配線溝15の底
部および側面にも金属膜17が堆積されやすくなり、底
部の金属膜17aの膜厚も厚くすることができる。つま
り、底部の金属膜17aの膜厚をある程度確保しつつ、
オーバーハング17dの成長を抑制することができるの
で、開口18を大きく保つことが可能である。
【0070】次に、図9に示すように、半導体基板1を
熱処理し、金属膜17を流動化させる。この流動化によ
り金属膜17は、配線溝15の底部における金属膜17
eと配線溝15以外の平坦部における金属膜17fに分
断される。また、金属膜17fは、表面張力により丸く
なり、開口18を保持あるいは拡大することが可能とな
る。熱処理によりこのような形状を形成するためには、
前工程の金属膜17の堆積工程において、開口18が開
いた状態であることが必要である。なお、熱処理の条件
は、金属膜17を構成する銅が流動化する温度および時
間を必要とし、たとえば、350℃〜400℃、3分〜
5分を例示することができる。
【0071】次に、金属膜17の堆積を再開し、金属膜
17を厚く堆積する(図10)。前工程において、金属
膜17の開口18は大きく拡大されているので、本工程
における堆積では、配線溝15の内部にクラスタが到達
しやすく、配線溝15内の金属膜17gの膜厚を大きく
することができる。
【0072】次に、再度熱処理を行い、金属膜17を流
動化させる(図11)。熱処理の条件は前記と同様にす
ることができる。本工程における金属膜17の流動化
は、前工程の金属膜17の堆積において配線溝15内の
金属膜17gの膜厚が十分厚く形成されているため、銅
が配線溝15内に引き込まれ、配線溝15がほぼ完全に
埋め込まれる。
【0073】このように配線溝15をほぼ完全に埋め込
むことが可能となるのは開口18が開いた状態で金属膜
17の堆積を一旦中断し、熱処理を行って開口18を拡
大し、再度金属膜17の堆積を行い、さらに熱処理を行
うという工程を経るためであり、従来のように、一度の
堆積で配線溝15を埋め込もうとしてもボイドが形成さ
れ、その後熱処理を行ったとしても完全には配線溝15
を埋め込むことができないことは前記のとおりである。
特に、今後の技術傾向は、配線溝15の幅が小さくなる
微細化の方向にあり、一度の堆積で配線溝15を埋め込
む困難性は益々高くなることは疑う余地がない。一方、
本実施の形態1の製造方法では、微細化にも対応するこ
とが可能である。すなわち、本実施の形態1では、金属
膜17の堆積および熱処理を2回に分けて行う場合を例
示したが、3回あるいはそれ以上の複数回に分けて堆積
および熱処理を行うことも可能であり、このように多数
回に分けて堆積および熱処理を行うと、今後の微細化に
も容易に対応することができる。また、アスペクト比1
以上の深い溝あるいは孔にも容易に埋め込みを行うこと
ができる。
【0074】また、従来技術においては熱処理の条件が
たとえば450℃、30分と高温、長時間となり、半導
体集積回路装置の信頼性の点からも好ましくないとこ
ろ、本実施の形態1の製造方法では、熱処理条件を低温
かつ短時間とすることができ、半導体集積回路装置の信
頼性を向上することが可能となる。
【0075】次に、層間絶縁膜11b上の余分な窒化チ
タン膜16および金属膜17を除去し、配線14を構成
する主導電層14aおよび窒化チタン膜14bを形成す
る(図12)。窒化チタン膜16および金属膜17の除
去は、たとえばCMP法を例示することができる。な
お、CMP研磨のストッパ膜として、配線溝15以外の
層間絶縁膜11bの表面にシリコン窒化膜を設けてもよ
い。
【0076】最後に、主導電層14aの表面に窒化チタ
ン膜14bを形成して図13に示す半導体集積回路装置
がほぼ完成する。なお、主導電層14aの表面に窒化チ
タン膜14bの形成は必須ではない。
【0077】このような半導体集積回路装置の製造方法
によれば、前記したとおり、配線溝15を金属膜17に
よりほぼ完全に埋め込むことが可能であり、その結果、
高導電率の銅を主導電層14aとした配線14を高い信
頼性で形成することができ、半導体集積回路装置の高性
能化に対応することができる。また、配線14の微細化
にも対応することが可能であり、高性能な半導体集積回
路装置の高集積化に寄与することができる。
【0078】なお、本実施の形態1では、第1層配線を
形成する場合を説明したが、図14に示すように、第2
層配線19を形成する場合に本実施の形態1の製造方法
を用いてもよく、さらに多層の配線層を形成する場合に
用いてもよい。
【0079】また、本実施の形態1では、接続孔12に
金属プラグ13を形成する場合について説明したが、金
属プラグ13を形成せず、接続孔12内に直接配線14
を形成する、いわゆるデュアルダマシン法に適用しても
よい。
【0080】また、本実施の形態1の製造方法で形成し
た配線14の主導電層は、スパッタ法等の物理的気相成
長法を用いて形成されるため、CVD法等で形成した場
合に比べ、図15に示すように、大きな粒径の結晶20
で構成される。したがって、配線溝15のある領域は、
1つの結晶20で埋め尽くされ、その断面をみれば、配
線14の主導電層14aの内部において粒界21が形成
されていない構造となる。すなわち、粒界21は、配線
14の幅の方向に形成され、電流の流れる長さの方向に
は形成されない。一般にエレクトロマイグレーションは
配線金属の結晶粒界に沿って金属原子が移動することに
より主に発生すると考えられているが、このような配線
14を有する半導体集積回路装置では、結晶20の粒界
21が配線14を流れる電流の流れの方向に分断されて
おり、連続した粒界経路を形成していないため、配線1
4のエレクトロマイグレーション耐性に優れ、半導体集
積回路装置の信頼性を向上することができる。
【0081】さらに、本実施の形態1の製造方法では、
金属膜17の堆積の途中でその堆積を一旦中断し、熱処
理を行った後に再度堆積を再開する方法について説明し
たが、金属膜17の堆積を中断せず、堆積の途中で熱処
理に相当する温度を半導体基板1に加え、金属膜17の
堆積を行いつつ、金属膜17を加熱して流動化し、配線
溝15内への金属の移動と開口18の拡大化を図ること
ができる。この際、基板の加熱は金属膜17の堆積当初
から行うのではなく、図8に示した程度の金属膜17の
堆積が行われた段階で流動化が開始されることが好まし
い。すなわち、あまり早い段階では、配線溝15の内部
に十分な量の銅が堆積されず、流動化を行っても銅原子
が配線溝15の内部に流れ込まない恐れがあるためであ
る。
【0082】(実施の形態2)図16は、本発明の他の
実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を説明
するための概念図であり、図17は、本実施の形態2の
製造方法を示した要部断面図である。
【0083】本実施の形態2の製造方法は、実施の形態
1における窒化チタン膜16の形成工程(図7)までは
同様であるため、説明を省略する。
【0084】窒化チタン膜16を形成した後、配線14
の主導電層14aとなる金属膜17を堆積する(図1
7)。この金属膜17の堆積に用いる成膜方法は、図1
6に示すような配置および処理条件を満足するスパッタ
法により行う。
【0085】本実施の形態2に用いるスパッタ装置22
は、ターゲット23と基板であるウェハ24を保持する
基板ホルダ25を有し、ターゲット23の裏面にはマグ
ネトロン放電のためのマグネット26を有する。ターゲ
ット23とウェハ24との距離Lは、ターゲット23の
実効半径R1とウェハ24の半径R2との間に、L=
(R1+R2)/1.732、関係を有するものである。
また、ターゲット23の有効面積の端部27と端部27
の中心対称なウェハ24の端部28との距離をスパッタ
粒子の平均自由行程λと同じにするものである。ターゲ
ット23の有効直径およびウェハ24の直径がともに8
インチである場合には、Lの値は約11.5cmとなり、
λの値は約23cmとなる。なお、平均自由行程λが2
3cmとなるための圧力条件は、理想気体の場合で約2
×10-4Torrである。
【0086】すなわち、ウェハ24に入射するスパッタ
粒子のうち最も鋭角に入射する場合が30°となり、そ
の場合のスパッタ粒子は、その行程中に他の粒子と衝突
する確率が少なく、散乱される確率が小さい。つまり、
ウェハ24に入射する粒子の入射は、少なくとも他の粒
子により散乱されることがなく、また、その入射方向は
30°より下回ることがない。この結果、多くの粒子は
ウェハ24に垂直な方向に揃って入射し、よって、配線
溝15の底部にも金属膜17が十分に堆積され、図17
に示すようにボイドを形成することなく埋め込みが行わ
れる。
【0087】その後の工程は、実施の形態1と同様であ
るため説明を省略する。
【0088】なお、実施の形態1に示した堆積の中断お
よび熱処理を併用すれば、図18に示すように配線溝1
5に金属膜17が流れ込み、配線溝15をより確実に埋
め込むことが可能である。これにより配線14の形成行
程のプロセスマージンを増すことが可能となる。
【0089】また、前記のLおよびλの条件は、その下
限を示すものであり、各々それ以上の値としてもよい。
この場合、Lを大きくすればウェハ24の各点から望む
ターゲット23の立体角が低下することにより処理速度
が低下し、λを大きくすれば処理圧力の低下により処理
速度が低下するので、実質的な上限値は、それらの処理
速度の低下が生産性を低下させることによる不利益が無
視できなくなる範囲で規定される。
【0090】(実施の形態3)図19は、本発明の他の
実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を説明
するための概念図である。
【0091】本実施の形態3の製造方法は、実施の形態
2の製造方法と、金属膜17の成膜条件において異なる
のみである。したがって、以下の説明では、その相違点
のみを説明する。
【0092】本実施の形態3に用いるスパッタ装置29
では、ターゲット23とウェハ24との距離Lは、ウェ
ハ24の直径2×R2と等しく、また、平均自由行程λ
がLと等しいものである。ターゲット23の有効直径お
よびウェハ24の直径がともに8インチである場合に
は、Lの値は約20cmとなり、λの値も約20cmと
なる。
【0093】すなわち、ウェハ24に入射するスパッタ
粒子のうち最も鋭角に入射する場合が45°となる。そ
の場合のスパッタ粒子の行程は約28cmであって平均
自由行程λよりも長いため、行程中に他の粒子と衝突す
る確率が若干大きくなる。したがって、ウェハ24の端
部においてスパッタ粒子が散乱される確率がある程度大
きくなる。しかしながら、入射粒子の入射角度は最も鋭
角な場合でも45°であり、実施の形態2よりも改善さ
れている。その分段差被覆性にマージンが生じ、スパッ
タ粒子の散乱がウェハ24の端部である程度生じても補
償することが可能である。一方圧力の上昇によりプラズ
マを安定に生成することができ、また、処理速度を向上
することができる。
【0094】このような製造方法により、実施の形態2
と同様に多くの粒子がウェハ24に垂直な方向に揃って
入射し、よって、配線溝15の底部にも金属膜17が十
分に堆積され、図17に示すようにボイドを形成するこ
となく埋め込みが行われる。
【0095】なお、実施の形態1に示した堆積の中断お
よび熱処理を併用すれば配線溝15をより確実に埋め込
むことが可能であること、前記のLおよびλの条件は、
その下限を示すものであり、各々それ以上の値としても
よいことは実施の形態2と同様である。
【0096】(実施の形態4)図20は、本発明の他の
実施の形態である半導体集積回路装置の製造方法を説明
するための概念図である。
【0097】本実施の形態4の製造方法は、実施の形態
2の製造方法と、金属膜17の成膜条件において異なる
のみである。したがって、以下の説明では、その相違点
のみを説明する。
【0098】本実施の形態4に用いるスパッタ装置30
では、ターゲット23とウェハ24との距離Lは、ウェ
ハ24の直径2×R2の2倍と等しいものである。ター
ゲット23の有効直径およびウェハ24の直径がともに
8インチである場合には、Lの値は約40cmとなる。
この場合、平均自由行程λの値は、スパッタ粒子の指向
性が十分改善されているため、あまり特に規定する必要
がない。
【0099】すなわち、ウェハ24に入射するスパッタ
粒子のうち最も鋭角に入射する場合が60°となる。し
たがって、ウェハ24の端部においてスパッタ粒子が散
乱される確率が大きくても、入射粒子の入射角度は最も
鋭角な場合でも60°であり、実施の形態2よりも改善
されている。その分段差被覆性にマージンが生じ、スパ
ッタ粒子の散乱がウェハ24の端部である程度生じても
十分に補償することが可能である。一方圧力の上昇によ
りプラズマをさらに安定に生成することができ、また、
処理速度を大きく向上することができる。
【0100】このような製造方法により、実施の形態2
と同様に多くの粒子がウェハ24に垂直な方向に揃って
入射し、よって、配線溝15の底部にも金属膜17が十
分に堆積され、図17に示すようにボイドを形成するこ
となく埋め込みが行われる。
【0101】なお、実施の形態1に示した堆積の中断お
よび熱処理を併用すれば配線溝15をより確実に埋め込
むことが可能であること、前記のLおよびλの条件は、
その下限を示すものであり、各々それ以上の値としても
よいことは実施の形態2と同様である。
【0102】また、図21に示すように、LがR2と等
しい場合であっても、ある程度の段差被覆性を得ること
はできる。すなわち、被膜形成に寄与するスパッタ粒子
はその多くがターゲット23の中央部分から発してお
り、このような主に被膜形成に寄与するスパッタ粒子の
ウェハ24への入射角度は、ウェハ24の端部において
も45°以上が保証される。つまり、多くの入射粒子
は、配線溝15の底部に達することが可能であり、金属
膜17を配線溝15に埋め込むことが可能である。
【0103】(実施の形態5)図22〜図24は、本発
明の他の実施の形態である半導体集積回路装置の製造方
法の一例を工程順に示した断面図である。
【0104】本実施の形態5の製造方法は、実施の形態
1の製造方法における窒化チタン膜16の形成行程(図
7)まで同様であるため説明を省略する。
【0105】窒化チタン膜16を形成後、金属膜17を
堆積する(図22)。金属膜17の堆積は、通常のスパ
ッタ法あるいは蒸着法の他に、実施の形態2〜4に記載
の方法を用いることができる。この際、金属膜17の堆
積は、必要な膜厚まで一度に堆積することなく途中で中
断する。
【0106】次に、スパッタエッチングにより金属膜1
7の一部を除去する(図23)。この際、スパッタエッ
チングにより除去される部分は、図23に示すように、
金属膜17のオーバーハング部分が選択的にエッチング
される。これにより配線溝15の開口18を大きく拡大
することができる。
【0107】次に、金属膜17の堆積を再開し、必要な
膜厚まで堆積する(図24)。その後、CMP法等によ
り配線14を形成する行程は実施の形態1と同様である
ため説明を省略する。
【0108】このような半導体集積回路装置の製造方法
によれば、スパッタエッチングにより開口18が拡大さ
れているため、中断後に金属膜17を堆積する際に配線
溝15の内部にも十分な厚さの金属膜17が形成され、
配線溝15を金属膜17により確実に埋め込むことがで
きる。
【0109】なお、本実施の形態5では、金属膜17の
堆積を中断してスパッタエッチを行う場合を示したが、
堆積を中断することなくスパッタエッチングを併用しつ
つ堆積を行うバイアススパッタとしてもよい。
【0110】また、図25に示すように、金属膜17の
堆積の前にあらかじめ層間絶縁膜11bにスパッタエッ
チングを施し、配線溝15の開口を大きくした後に堆積
を行ってもよい。
【0111】(実施の形態6)図26は、本発明の他の
実施の形態である半導体集積回路装置の製造装置の一例
を示す概念図である。
【0112】図26(a)は、ロード室31およびアン
ロード32を有し、前処理室33、第1堆積室34、第
1熱処理室35、第2堆積室36、第2熱処理室37を
備えた金属膜形成装置であり、各処理室が搬送室38に
ゲート弁39を介して接続されているものである。
【0113】このような半導体集積回路装置の製造装置
によれば、ロード室31から搬送室38を介して前処理
室33、第1堆積室34、第1熱処理室35、第2堆積
室36、第2熱処理室37に順次搬送されるため、高い
清浄度を保持することができ、また、第1堆積室34お
よび第1熱処理室35において実施の形態1で説明した
堆積中断前の処理を行うことができ、第2堆積室36お
よび第2熱処理室37においてその後の処理を行うこと
ができる。また、各処理室は独立に操作することが可能
であるので、基板の処理のスループットを高めることが
可能である。
【0114】なお、図26(b)に示すような複数の処
理室40がゲート弁41を介して接続されている装置で
も前記のような第1堆積、第1熱処理、第2堆積、第2
熱処理を各処理室40に割り当て、交互に処理を行うこ
とが可能である。
【0115】以上、本発明者によってなされた発明を発
明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を
逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでも
ない。
【0116】たとえば、上記実施の形態1〜5では、主
にスパッタ法について説明したが、蒸着法、あるいはイ
オン化スパッタ法に適用してもよい。
【0117】また、上記実施の形態1〜5における熱処
理においては、その雰囲気を高真空雰囲気、アルゴン、
ヘリウム等希ガス雰囲気、あるいは窒素等不活性ガス雰
囲気とすることができるが、水素、あるいは水素および
酸素雰囲気とすることもできる。この場合には、金属膜
の流動性が向上し、熱処理温度を低下することができ
る。
【0118】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以
下のとおりである。
【0119】(1)Cu埋め込み配線の微細化限界を引
き延ばすことができる。
【0120】(2)配線溝だけでなく接続孔への埋め込
みが可能となる。
【0121】(3)溝および孔にほぼ完全に埋め込まれ
たCu配線を実現し、半導体集積回路装置の高速動作等
性能を向上することができる。
【0122】(4)配線のエレクトロマイグレーション
耐性を向上し、半導体集積回路装置の信頼性を向上する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図4】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図5】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図6】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図7】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図8】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図9】本発明の一実施の形態である半導体集積回路装
置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図10】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図11】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図12】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図13】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の製造方法の一例をその工程順に示した断面図であ
る。
【図14】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の製造方法の他の例を示した断面図である。
【図15】本発明の一実施の形態である半導体集積回路
装置の一例をその配線部分について示したものであり
(a)は上面図、(b)は断面図である。
【図16】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図17】実施の形態2の製造方法を示した要部断面図
である。
【図18】実施の形態2の製造方法の他の例を示した要
部断面図である。
【図19】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図20】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法を説明するための概念図である。
【図21】実施の形態5の半導体集積回路装置の製造方
法の他の例を説明するための概念図である。
【図22】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法の一例を工程順に示した断面図であ
る。
【図23】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法の一例を工程順に示した断面図であ
る。
【図24】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法の一例を工程順に示した断面図であ
る。
【図25】本発明の他の実施の形態である半導体集積回
路装置の製造方法の他の例を工程順に示した断面図であ
る。
【図26】(a)および(b)は本発明の他の実施の形
態である半導体集積回路装置の製造装置の一例を示す概
念図である。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 SOI絶縁層 3 U溝素子分離領域 4 pウェル 6 ゲート絶縁膜 7 ゲート電極 8 不純物半導体領域 9 サイドウォール 10 キャップ絶縁膜 11a 層間絶縁膜 11b 層間絶縁膜 12 接続孔 13 金属プラグ 14 配線 14a 主導電層 14b 窒化チタン膜 15 配線溝 16 窒化チタン膜 17 金属膜 17a 金属膜 17b 金属膜 17c 金属膜 17d オーバーハング 17e 金属膜 17f 金属膜 17g 金属膜 18 開口 19 第2層配線 20 結晶 21 粒界 22 スパッタ装置 23 ターゲット 24 ウェハ 25 基板ホルダ 26 マグネット 27 端部 28 端部 29 スパッタ装置 30 スパッタ装置 31 ロード室 32 アンロード室 33 前処理室 34 第1堆積室 35 第1熱処理室 36 第2堆積室 37 第2熱処理室 38 搬送室 39 ゲート弁 40 処理室 41 ゲート弁 L 距離 Qn n形MISFET R1 ターゲットの実効半径 R2 ウェハの半径 λ 平均自由行程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和田 伸郎 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 層間絶縁膜の表面に配線溝または接続孔
    となる凹部を形成し、前記層間絶縁膜の全面に銅または
    銅合金からなる金属膜を物理的気相成長法により堆積
    し、さらに前記凹部以外の前記層間絶縁膜上の前記金属
    膜を除去することにより、前記凹部に埋め込まれた銅ま
    たは銅合金を主導電層とする配線または接続プラグが形
    成される工程を有する半導体集積回路装置の製造方法で
    あって、 前記金属膜の堆積は、その堆積の途中でこれを中断し、
    熱処理を施した後、さらに前記金属膜を堆積する操作を
    少なくとも1回含むことを特徴とする半導体集積回路装
    置の製造方法。
  2. 【請求項2】 層間絶縁膜の表面に配線溝または接続孔
    となる凹部を形成し、前記層間絶縁膜の全面に銅または
    銅合金からなる金属膜を物理的気相成長法により堆積
    し、さらに前記凹部以外の前記層間絶縁膜上の前記金属
    膜を除去することにより、前記凹部に埋め込まれた銅ま
    たは銅合金を主導電層とする配線または接続プラグが形
    成される工程を有する半導体集積回路装置の製造方法で
    あって、 前記金属膜の堆積は、その堆積の途中でこれを中断せ
    ず、前記堆積の初期においては基板温度を低くし、前記
    堆積の途中において基板を積極的に加熱することにより
    基板温度を上昇させることを特徴とする半導体集積回路
    装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体集積回路
    装置の製造方法であって、 前記熱処理または前記基板温度の上昇は、前記凹部の開
    口が前記金属膜により覆われれることによって閉塞され
    る以前に行われるものであることを特徴とする半導体集
    積回路装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 層間絶縁膜の表面に配線溝または接続孔
    となる凹部を形成し、前記層間絶縁膜の全面に銅または
    銅合金からなる金属膜を堆積し、さらに前記凹部以外の
    前記層間絶縁膜上の前記金属膜を除去することにより、
    前記凹部に埋め込まれた銅または銅合金を主導電層とす
    る配線または接続プラグが形成される工程を有する半導
    体集積回路装置の製造方法であって、 前記金属膜の堆積には、ターゲットと基板との距離が長
    い長距離スパッタ法、スパッタ粒子をイオン化して成膜
    を行うイオン化スパッタ法、または蒸着法の何れかの物
    理的気相成長法が用いられ、 前記長距離スパッタ法もしくは前記イオン化スパッタ法
    におけるターゲットまたは前記蒸着法における蒸着源と
    基板との距離L、および前記金属膜の被膜形成時におけ
    る被膜形成粒子の平均自由行程λが、 (a)L≧R2、を満足する第1の条件、 (b)L≧(R1+R2)/1.732、およびλ≧L/
    cos(arctan((R1+R2)/L))、を満
    足する第2の条件、 (c)L≧2×R2、およびλ≧L、を満足する第3の
    条件、 (d)L≧4×R2、を満足する第4の条件、 ただし、R1はターゲットの実効半径、R2は基板であ
    るウェハの半径、 の何れかの条件を満足する前記ターゲットまたは前記蒸
    着源と基板との配置および圧力範囲で、前記金属膜の堆
    積が行われることを特徴とする半導体集積回路装置の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体集積回路装置の製
    造方法であって、 前記金属膜の堆積の前に、前記層間絶縁膜をスパッタ法
    によりエッチングする第1の処理、 前記金属膜の堆積の途中でこれを中断し、中断された堆
    積金属膜をスパッタ法によりエッチングする第2の処
    理、 前記金属膜を、前記基板にバイアス電圧を印加しつつ堆
    積する第3の処理、 の少なくとも何れか1つの処理を含むことを特徴とする
    半導体集積回路装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の半導体集積回路
    装置の製造方法であって、 前記金属膜の堆積は、その堆積の途中でこれを中断し、
    熱処理を施した後、さらに前記金属膜を堆積する操作を
    少なくとも1回含む第1の構成、 前記金属膜の堆積は、その堆積の途中でこれを中断せ
    ず、前記堆積の初期においては基板温度を低くし、前記
    堆積の途中において基板を積極的に加熱することにより
    基板温度を上昇させる第2の構成、 の何れかの構成を含み、 前記熱処理または前記基板温度の上昇は、前記凹部の開
    口が前記金属膜により覆われれることによって閉塞され
    る以前に行われるものであることを特徴とする半導体集
    積回路装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
    の半導体集積回路装置の製造方法であって、 前記金属膜の堆積前に銅または銅合金の拡散を阻害する
    バリア金属膜を堆積し、前記金属膜の堆積の直前に前記
    バリア金属膜の表面をスパッタリングによりエッチング
    することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3または6記載の半導体
    集積回路装置の製造方法であって、 前記熱処理は、水素雰囲気または水素および酸素雰囲気
    で行うことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7また
    は8記載の半導体集積回路装置の製造方法であって、 前記凹部のアスペクト比が1以上であることを特徴とす
    る半導体集積回路装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9記載の半導体集積回路装置の製造方法により
    製造される半導体集積回路装置であって、 前記配線溝に形成された配線は、前記配線溝の幅以上の
    平均粒径を有する銅または銅合金の結晶で構成され、前
    記配線溝との界面領域を除く前記配線内部においてその
    粒界が前記配線を流れる電流の方向に連続して形成され
    ていないものであることを特徴とする半導体集積回路装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1、2、3、6、7、8または
    9記載の半導体集積回路装置の製造方法を実現する半導
    体集積回路装置の製造装置であって、 前記金属膜の堆積および前記熱処理を真空破壊をするこ
    となく連続して行うことができる反応室を有する第1の
    構成、 前記金属膜の堆積を行う複数の第1反応室と前記熱処理
    を行う複数の第2反応室を有し、前記第1反応室と前記
    第2反応室を交互に直列配置し、前記第1反応室および
    前記第2反応室に前記基板を搬送することにより、真空
    破壊することなく直列処理を行う第2の構成、 基板搬送室を中心として前記金属膜の堆積を行う複数の
    第1反応室と前記熱処理を行う複数の第2反応室を交互
    に配設し、前記基板搬送室を介して前記基板を前記第1
    反応室および前記第2反応室に交互に搬送し、真空破壊
    することなく直列処理を行う第3の構成、 の何れかの構成を有することを特徴とする半導体集積回
    路装置の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007214387A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007214387A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Tokyo Electron Ltd 成膜方法、プラズマ成膜装置及び記憶媒体
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