JPH10214446A - ディスク駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ローディングやアンローディング時における
トレーの移動動作の滑らかさを阻害することなく、再生
動作時におけるトレーの安定性を高めることのできる技
術の提供。 【解決手段】 ローディング位置へトレー３が後退した
ときに、ディスク駆動装置本体２のケーシング８に設け
たガイド部１１，１２とトレー３に設けたガイド受け部
５との近接又は密接状態を与えるガタツキ防止手段７を
備える。このガタツキ防止手段７は、前記ガイド受け部
５に設けた隆起部７が前記ガイド部１１，１２の摺動面
１５に押接することで近接又は密接状態を与えるように
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トレーによりディ
スクのローディング及びアンローディングを行うディス
ク駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ＣＤやＤＶＤに代表されるディスク状記
録媒体（以下単にディスクという）を駆動するためのデ
ィスク駆動装置では、種々のローディング及びアンロー
ディング方式が知られている。その一つとしてトレーを
用いる方式がある。トレー方式のディスク駆動装置で
は、トレーの移動をスムースに行わせるために、ディス
ク駆動装置本体に設けられているガイド部と、このガイ
ド部と摺動的に接触してガイドされるトレーに設けられ
ているガイド受け部との間に若干のクリアランスを持た
せるようにしている。

【０００３】そのため、トレーの移動動作をスムースに
行うことはできるものの、その一方でトレーが前記クリ
アランスによりディスク駆動装置本体に対してガタツキ
を有し、特にローディングを完了した後の再生動作時に
もガタツキが残る、という再生時におけるトレーの不安
定性の問題がある。

【０００４】つまり、ディスク再生中にスピンドルモー
タ等を発生源とする振動がトレーに伝達すると、振動す
るトレーが再生中のディスクと接触して再生エラーを誘
発したり、或いはディスク駆動装置本体と接触して振動
音を発生する要因ともなりうる。特に近年、『倍速化』
が一つの開発傾向とされ、８倍速、更には１６倍速へと
ディスクの回転速度が高速化されつつある中で、振動に
よるトレーの不安定性という問題は、高速化に伴う問題
としてトレー方式のディスク駆動装置に内在する不可避
的な課題とされている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような事情を背景
になされたのが本発明であり、その目的は、ローディン
グやアンローディング時におけるトレーの移動動作の滑
らかさを阻害することなく、再生動作時におけるトレー
の安定性を高めることのできる技術の提供を目的として
いる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために本発明では、ガイド受け部を有するトレー
が、ディスク駆動装置本体のケーシングに設けられてい
るガイド部を介して摺動的に前後動するようにされ、こ
のトレーによりディスクのローディング及びアンローデ
ィングを行うようになっているディスク駆動装置につい
て、ローディング位置へトレーが後退したときに前記ガ
イド部とガイド受け部との近接又は密接状態を与えるガ
タツキ防止手段を備えることを特徴とする。このような
ディスク駆動装置におけるガタツキ防止手段は、ガイド
受け部に設けた隆起部がガイド部の摺動面に押設するこ
とで近接又は密接状態を与えるように形成するのが好ま
しい。さらに、このようなディスク駆動装置における隆
起部は、トレーの前進方向の前端側に形成するのが好ま
しい。

【０００７】このディスク駆動装置では、ディスクのロ
ーディング位置へトレーが後退したときにガタツキ防止
手段によりケーシングのガイド部とトレーのガイド受け
部との近接又は密接状態が形成されるので、トレーは所
定のクリアランスを持つ状態で滑らかに後退するが、ガ
イド受け部の隆起部とガイド部の摺動面との押接により
前記クリアランスが縮小乃至解消される。特に隆起部を
トレーの前進方向の前端側の位置で形成すれば、ディス
クのローディング位置におけるトレーのガイド受け部と
ガイド部とのクリアランスが縮小乃至解消される。この
結果、従来に比べて振動によるトレーのガタツキを極小
化することができる。このようにトレーを安定化させる
ことは特にディスクを直立にして再生する縦置きタイプ
のディスク駆動装置に対して効果が大きい。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。ディスク駆動装置１は、図１、図２及び図５
で示すようにディスク駆動装置本体２に対してトレー３
が摺動的に前後動してディスク４のローディング及びア
ンローディングを行うようになっている。

【０００９】トレー３には、前後方向（矢示Ｆが前進方
向、矢示Ｂが後退方向）でガイド受け部５が形成されて
いる。このガイド受け部５には、後述するディスク駆動
装置本体２におけるガイド部１１，１２と押接して近接
又は密接状態を形成する隆起部７が設けられている。

【００１０】ディスク駆動装置本体２のケーシング８に
は、トレー３の前後動方向で突条として形成したガイド
部９と突起状で形成したガイド部１０とが設けられてお
り、トレー３の前後動をそのガイド受け部５を介して摺
動的にガイドするようになっている。また、ケーシング
８には、トレー３の前進方向の前端側に隆起部７と近接
又は密接状態を形成する突条で形成したガイド部１１及
び突起状で形成したガイド部１２が設けられている。そ
して、このガイド部１１，１２は、前記隆起部７と共に
本発明のガタツキ防止手段１３を形成するようになって
いる（図４参照）。

【００１１】次に、このガタツキ防止手段１３によりガ
イド部１１，１２とガイド受け部５との近接又は密接状
態が形成されるようすを説明する。図１は、ディスク取
出し位置までトレー３を前進させた状態を示している。
そしてこの状態から図３において実線で示す位置にトレ
ー３を後退させる。この間、ガイド受け部５と突起状の
ガイド部１２の摺動面１５との間には略隆起部７の高さ
程度のクリアランスＣ１が形成されており、トレー３の
前後動はスムースになされる。また、ガイド受け部５は
突条のガイド部１１の摺動面１６（図４参照）に対して
密接して摺動する訳ではなく、特にトレー３に反りがあ
る場合等は微小な間隔Ｃ２が形成されており、摺動抵抗
が少ない状態で前後動するようになっている。

【００１２】そしてさらにトレー３を矢示Ｂ方向へ図３
において二点鎖線で示す位置に後退させると、前記クリ
アランスＣ１は突起状のガイド部１２と接触する隆起部
７の高さにより、また突条のガイド部１１の摺動面１６
とガイド受け部５との間隔Ｃ２はガイド部１２と隆起部
７との押接により、それぞれ極小化されてガイド部とガ
イド受け部との近接又は密接状態が形成される。この近
接状態により前記クリアランスＣ１及び間隙Ｃ２は縮小
され、また密接状態により前記クリアランスＣ１及び間
隙Ｃ２は略なくなる状態となる。そして、この近接又は
密接状態はディスクのローディング位置でも維持される
ので、トレー３はその前進方向の前端側において安定化
することになる。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように本発明のディスク駆
動装置は、トレーのガイド部とケーシングのガイド部と
の間で近接又は密接状態を与えるガタツキ防止手段を備
えるので、トレーの移動動作の滑らかさを維持し、尚且
つローディング位置において振動に対するトレーの安定
化させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】アンローディング位置までトレーを前進させた
ときのディスク駆動装置本体の断面図。

【図２】ローディング位置までトレーを後退させたとき
のディスク駆動装置本体の断面図。

【図３】隆起部とガイド部との押接状態を示す拡大図。

【図４】ガイド部とガイド受け部との近接又は密接状態
を示す説明図。

【図５】アンローディング位置までトレーを前進させた
ときのディスク駆動装置の外観斜視図。

【符号の説明】

１ ディスク駆動装置 ２ ディスク駆動装置本体 ３ トレー ４ ディスク ５ ガイド受け部 ７ 隆起部 ８ ケーシング １１，１２ ガイド部 １５，１６ ガイド部の摺動面

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイド受け部を有するトレーが、ディス
   ク駆動装置本体のケーシングに設けられているガイド部
   を介して摺動的に前後動するようにされ、このトレーに
   よりディスクのローディング及びアンローディングを行
   うようになっているディスク駆動装置において、 ローディング位置へトレーが後退したときに前記ガイド
   部とガイド受け部との近接又は密接状態を与えるガタツ
   キ防止手段を備えることを特徴とするディスク駆動装
   置。
2. 【請求項２】 ガタツキ防止手段は、ガイド受け部に設
   けた隆起部がガイド部の摺動面に押接することで近接又
   は密接状態を与える請求項１記載のディスク駆動装置。