JPH10212692A - 防塵性調湿紙及びそれを用いた調湿方法 - Google Patents

防塵性調湿紙及びそれを用いた調湿方法

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JPH10212692A
JPH10212692A JP3113797A JP3113797A JPH10212692A JP H10212692 A JPH10212692 A JP H10212692A JP 3113797 A JP3113797 A JP 3113797A JP 3113797 A JP3113797 A JP 3113797A JP H10212692 A JPH10212692 A JP H10212692A
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修 中野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調湿紙の断裁や打ち抜き時及びその使用に際
して、粉落ちや刃の摩耗を可能な限り軽減した防塵性調
湿紙の提供と、該調湿紙を用いた調湿方法を提案するこ
とを課題とする。 【解決手段】 製紙用繊維と吸放湿性粉体及び熱融着性
物質とを混合して抄紙し、必要に応じて接着剤を内添若
しくは含浸処理し、熱融着性物質により抄紙工程中及び
抄紙後の熱処理によって、吸放湿性粉体を繊維の表面や
交絡部若しくは繊維間に熱融着させ、それに加えて接着
剤により紙層間強さを高めて粉落ちの発生を軽減し、且
つ断裁や打ち抜き適性の向上を図った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防塵性調湿紙及び
それを用いた調湿方法に関するものである。詳しくは、
物品類等の保存中、外部の温度変化に伴って生じる密閉
容器又は包装物内の相対湿度(以下湿度と称す。)の変
化を、短時間の内に一定の範囲内に調節し、被包装物の
含有水分率を一定に保ち、且つ被保存物に粉落ち等の害
を与えない防塵性調湿紙及びその調湿方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば美術品、工芸品等の文化財
や貴金属類などの貴重な物品類は、密閉容器や準密閉容
器に納められて保存や保管あるいは展示がなされてお
り、物品類の劣化を防止するために最大限の注意が払わ
れてきた。
【0003】物品類を劣化させる因子は、光、ガス、
水、火など数多く考えられるが、その中でも特に物品類
の含有水分率の変化と有害ガス成分が劣化に及ぼす影響
が大きいと言われている。
【0004】このため、シリカゲル、アルミナゲル、活
性アルミナ、ゼオライトゲル、モンモリロナイト等の吸
放湿性粉体(以下調湿剤と称す。)やガス吸着性能を有
する活性炭等をペレット状、粒状、顆粒状にして、通常
丈夫な解放された箱または紙、布等の袋に入れて展示ケ
ースなどの容器内に置いて使用されてきた。しかなが
ら、このような調湿剤は湿度の変化に対して吸放湿速度
が遅く、その使用方法においても、調湿剤が容器全体的
に均一に置かれていないため、調湿効果が部分的に偏
り、湿度調節剤として十分な効果が期待出来なかった。
【0005】以上の点を解決するために、例えば特開昭
54−10910号や特許2527167号には、パル
プとシリカゲルを混合抄紙して紙状の乾燥剤にするこ
と、特開昭58−51921号には、前述した調湿剤を
出来るだけ細かくし、紙や布、不織布等にバインダーと
共に塗布したり、紙の中に含有させることによって表面
積を大きくし、湿度変化に対して吸放湿速度が速く、一
時的な湿度の変動幅を小さく抑えることが出来、且つ平
衡湿度差が極めて小さい湿度調節用シートが開示されて
いる。更に、本出願人が提案した特許1823632号
には、前述の調湿剤とガス吸着性能を有する貝化石とを
併用し、調湿性能とガス吸着性能の両機能に優れた物品
保存用紙が開示されている。
【0006】しかしながら、これらの紙及びシートは、
無機粉体を20〜90重量%含有しているため、断裁や
打ち抜き時及び使用に際して、粉体の脱落(以下粉落ち
と称す)は避けられず、それ故に粉落ちが被保存物に影
響を与えない範囲での使用に限られていた。
【0007】また、高い吸放湿量を得るために、紙の中
に調湿剤を高充填したり、できる限り高坪量のシートを
製造した時に、断裁や打ち抜きを行うと、厚さ方向の断
面に潰れやへたり、ももけ等が発生したり、高粉体含有
紙であるがために断裁刃や打ち抜き刃の摩耗が著しく、
このためより多くの粉落ちがおこり、シャープな切断面
がなかなか得られないという欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した欠点
を解決することを目的とする。すなわち、前述の本出願
人の提案を更に改良し、調湿紙の断裁や打ち抜き時及び
その使用に際して、粉落ちや刃の摩耗を可能な限り軽減
した防塵性調湿紙の提供と、該調湿紙を用いた調湿方法
を提案することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果これらの欠点を解決した防塵性調湿紙の開発と調
湿方法の確立を行った。
【0010】すなわち、製紙用繊維と吸放湿性粉体及び
熱融着性物質とを混合して抄紙し、必要に応じて接着剤
を内添若しくは含浸処理し、熱融着性物質により抄紙工
程中及び抄紙後の熱処理によって、吸放湿性粉体を繊維
の表面や交絡部若しくは繊維間に熱融着させ、それに加
えて接着剤により紙層間強さを高めて粉落ちの発生を軽
減し、且つ断裁や打ち抜き適性の向上を図った。
【0011】本発明で言う調湿性能とは、急激な温度の
変化に伴って、一時的に生じる湿度の変化に対して、素
早く吸湿または放湿をして密閉容器内の湿度を一定に保
つ性質であり、前述した開示例の如く湿分を一方的に吸
湿する乾燥剤のような性質を指すものではない。そし
て、保存する環境の湿度を一定に保つことによって、被
保存物の含有水分率を一定にすることを目的としたもの
である。
【0012】本出願人らは、吸放湿性粉体を製紙用繊維
と混合して抄紙した紙にすると、一様に吸放湿性を示す
ことを確認した。この吸放湿性は粉体の種類と平均細孔
径の違いによって大きく異なることを見いだした。すな
わち、平均細孔径が10A(オングストローム)前後の
粉体は、相対湿度が5〜40%RHの範囲で吸放湿を繰
り返すが、それ以上の湿度になると吸放湿量が不足する
ため調湿効果が期待できにくくなる。同様に平均細孔径
が20〜40Aの粉体は相対湿度が30〜80%RHの
範囲、平均細孔径が70A以上の粉体は70〜95%R
Hの範囲で各々の調湿機能を発揮する。
【0013】そこで平均細孔径の異なる粉体を数種類組
み合わせて、平均細孔径を30〜70Aとすると、関係
湿度が5〜95%の広範囲で使用可能な調湿紙が得られ
ることが判明した。しかしながら、吸放湿性粉体1種類
の平均最高径が40〜60Aの場合は、混合使用しなく
とも単独で使用できる。
【0014】また、有害ガス成分の発生が予想される場
合は、吸放湿性粉体の一部に変えて有害ガス吸着能を有
する粉体の併用によって、副次的に有害ガス成分を吸着
する機能を備えることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用する製紙用繊維とし
ては、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹
晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパ
ルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBK
P)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)、サー
モメカニカルパルプ(TMP)等の木材パルプの単独若
しくは混合物を主体にして、これに麻、竹、藁、ケナフ
パルプ等の非木材パルプやカチオン化パルプ、マーセル
化パルプ等の変性パルプ、ミクロフィブリル化パルプ、
レーヨン、ビニロン、ナイロン、アクリル、ポリエステ
ル等の合成繊維、ガラス繊維、ロックウール等の無機繊
維の単独若しくは混合したものを必要に応じて併用す
る。製紙用繊維の増減は吸放湿性粉体の使用量によって
左右されるが15〜75重量部であり、その内の3〜1
2重量部を倦縮した合成繊維に替えて使用すると、低密
度の基紙を得ることができるので好ましい。
【0016】本発明の基紙に使用する吸放湿性粉体と
は、シリカゲル、シリカアルミナゲル、活性アルミナ、
合成ゼオライト、天然ゼオライト、合成シリカ、酸性白
土、活性白土、α−セピオライト、β−セピオライト、
パリゴルスカイト(アタパルジャイト)、アロフェン、
イモゴナイト、ベントナイト、珪藻土、ケイ酸カルシウ
ム、活性炭等の吸放湿性と有害ガス吸着性のある天然及
び合成の粉体を単独或いは数種類組み合わせて使用する
ことができる。
【0017】平均細孔径が10A前後の粉体は、相対湿
度が5〜40%RHの範囲で吸放湿を繰り返すが、それ
以上の湿度になると吸放湿量が不足するため調湿効果が
期待できにくくなる。同様に平均細孔径が20〜40A
の粉体は相対湿度が30〜80%RHの範囲、平均細孔
径が70A以上の粉体は70〜95%RHの範囲で各々
の調湿機能を発揮する。そこで平均細孔径の異なる粉体
を数種類組み合わせて、平均細孔径を30〜70Aと
し、相対湿度が5〜95%の広範囲で使用可能である。
【0018】吸放湿性粉体の使用量は、20〜70重量
部が好ましい。20重量部以下では調湿性能が低下し、
70重量部以上では強度が低下し、粉落ちも多くなるの
で好ましくない。
【0019】粉体の粒子径は、細かい程表面積が大きく
なるので好ましく、20μm以上のものを使用すると、
紙のザラツキ感が増加し、粉落ちも多くなるので平均粒
子径は1〜20μmのものが良い。
【0020】本発明では、上記した製紙用繊維と吸放湿
性粉体の混合物に熱融着性物質を併用する。熱融着性物
質とは、ポリエチレン、合成パルプ、ポリプロピレン等
のポリオレフィン繊維及びこれらのミクロフィブリル化
繊維、ポリビニールアルコール繊維の如き熱水溶解型繊
維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等を
複合させた低融点の熱接着性繊維等の他に、熱可塑性エ
ラストマー、アイオノマー、変性アイオノマー、酢ビ系
共重合ポリオレフィン、低密度オレフィン、低分子量ポ
リオレフィン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸亜鉛、エチレンビスステアリン酸アマ
イド、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、密ロウ等のポリオレフィンやワックスのエマルジョ
ンやディスパージョンを単独若しくは混合したものを5
〜15重量部使用するが、特に抄紙における乾燥工程中
で熱融着可能な140℃以下の融点を示すものが望まし
い。
【0021】熱融着性物質は、繊維の交絡部や繊維間に
粉体を融着せしめ、紙層間の強度を向上させ、粉落ちを
大幅に改善できる。また、ポリオレフィンやワックス
は、断裁時の刃の摩擦抵抗を和らげるため、切り易く刃
の摩耗性も向上する。5重量部以下だとこれらの効果が
現れず、15重量部以上だと効果が頭打ちとなる。
【0022】本発明では、必要に応じて基紙に接着剤を
内添若しくは含浸処理を行うこともある。使用する接着
剤は、SBR、MBR等の合成ゴムラテックス、アクリ
ルエマルジョン、エチレン酢ビエマルジョン、及びこれ
らの共重合エマルジョン、カゼイン、澱粉、ポリビニー
ルアルコール等を適宜組み合わせて使用する。接着剤を
内添する場合は、前述した基紙の材料を混合したスラリ
ーに接着剤を添加し、定着剤を用いて吸放湿性粉体と共
に繊維上に定着させる。
【0023】定着剤としてはポリアクリルアミド類など
の高分子定着剤、硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩
類、ポリエチレンイミン等の公知の製紙用定着剤が適宜
1種以上使用できる。
【0024】接着剤を含浸する場合は、湿式含浸法か乾
式含浸法のいずれかをとる。湿式含浸法は、基紙の混合
材料を一旦抄紙し、濡れたままの紙匹をワイヤー上に乗
せ、水分を絞り出すと同時に含浸液を紙内部に含浸する
方法である。また、乾式含浸法は、基紙を乾燥した後、
オフマシンの含浸機で含浸する方法である。通気性と透
湿性の良い調湿紙を得るには湿式含浸法が望ましい。接
着剤の使用量は、基紙重量に対して5〜25%が良い。
5%以下では粉落ち防止効果と可撓性に乏しく、25%
以上では吸放湿速度が低下するので好ましくない。
【0025】本発明では通常、製紙用繊維に熱融着性物
質と吸放湿性粉体とを混合したスラリーに、接着剤と定
着剤を内添し、公知の既存の長網抄紙機または円網抄紙
機で抄造して防塵性調湿紙を得る。
【0026】本発明の調湿紙を用いた調湿方法並びに調
湿性能を図1〜5に示した図を基に以下に説明する。
【0027】得られた防塵性調湿紙(加熱直後の坪量1
000g/m2)を用いて、平衡湿度差を所望する範囲
に調節するための方法を検討した。図1に示したような
装置を可変空調室に設置し、鋼製密閉容器の蓋を開け2
2℃,55%RHに一定時間シーズニングした後、蓋を
密閉し、可変空調室内の室温を22〜12〜40〜22
℃と変化させ密閉箱内の湿度の変化を観察した。鋼製密
閉容器内は図2に示したように、温湿度センサーを中心
部に位置させ、調湿紙を壁面に張り付けた構造となって
いる。なお、調湿紙を貼る位置は底面に貼っても調湿効
果に影響がないことは事前に確認した。
【0028】22℃,55%RHの密閉容器外部の温度
を22〜12〜40〜22℃の条件で変化させた場合、
密閉容器内の絶対水分より湿度を計算すると、12℃に
降温すると理論的には約99%RHになり、40℃に昇
温すると約25%RH程度になる。すなわち、調湿紙な
どの調湿材を使用しなければ外気温を22〜12〜40
〜22℃と変化させた場合、平衡湿度差が99−25=
74%になる。
【0029】図3に、本発明の防塵性調湿紙(加熱直後
の坪量1000g/m2)を使用量2.0kg/m3の割
合で使用した場合の調湿実験結果を実線で示し、調湿材
を使用しない場合を点線で示した。図3より、温度変化
に伴う平衡湿度は、12℃に降温した場合、調湿材を使
用していない場合は85%RH、本発明の調湿紙を使用
した場合は57%RHとなった。また、温度を40℃に
昇温した場合、調湿材を使用していない場合は25%R
H、本発明の調湿紙を使用した場合は51%RHとなっ
た。従って、調湿材を使用せず密閉容器に物品を保存し
た場合、外部の温度変化により被保存物の含有水分が著
しく変化することが予想される。また、参考までに桐材
の調湿性能を一点鎖線で示した。
【0030】同様にして、図4に該調湿紙の紙重量(k
g/m3)を変えて、平衡湿度差が±10%RHとなる
使用量を把握した結果を示す。図より、該調湿紙の使用
量は1.0〜3.0kg/m2の範囲が良く、この範囲
を下回ると所望する湿度調節は困難であり、上回ると過
剰使用となることが確認できた。
【0031】
【実施例】実施例1 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(商品名「TJ04CN」、帝人(株)製造)10重量
部と吸放湿性粉体(商品名「ミズカソーブS−0」、水
澤化学工業(株)製造、平均細孔径40A)20重量部
を混合し、離解して得られた均一なスラリーに、固形分
に対して紙力剤(商品名「ネオタックL−1」、日本食
品化工(株)製造)を0.5%添加し、分散し、更に高
分子アニオン性凝集剤(商品名「ハイホルダー35
1」、栗田工業(株)製造)を0.006%添加し、常
法により長網抄紙機で坪量1000g/m2の防塵性調
湿紙を得た。
【0032】実施例2 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(商品名「ES」、チッソ(株)製造)10重量部、吸
放湿性粉体1(商品名「シリカゲルPA−270A」、
富士シリシア化学(株)製造、平均細孔径22A)10
重量部と吸放湿性粉体2(商品名「シリカゲルPA−2
70B」、富士シリシア化学(株)製造、平均細孔径7
0A)10重量部を混合し、離解して得られた均一なス
ラリーに、固形分に対して紙力剤(「ネオタックL−
1」)を0.5%添加し、分散し、更に高分子アニオン
性凝集剤(「ハイホルダー351」)を0.006%添
加し、常法により長網抄紙機で坪量1000g/m2
防塵性調湿紙を得た。
【0033】実施例3 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(「TJ04CN」)10重量部と吸放湿性粉体(「ミ
ズカソーブS−0」)20重量部を混合し、離解して得
られた均一なスラリーに、基紙重量に対して接着剤(商
品名「ポリラック750」、三井東圧化学工業(株)製
造)が15%含まれるように内添混合し、固形分に対し
て紙力剤(「ネオタックL−1」)を0.5%添加し、
分散し、更に高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー
351」)を0.006%添加し、常法により長網抄紙
機で坪量1150g/m2の防塵性調湿紙を得た。
【0034】実施例4 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)25重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(「TJ04CN」)15重量部と吸放湿性粉体(「ミ
ズカソーブS−0」)35重量部を混合し、離解して得
られた均一なスラリーに、固形分に対して紙力剤(「ネ
オタックL−1」)を0.5%添加し、分散し、更に高
分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー351」)を
0.006%添加し、常法により長網抄紙機で坪量10
00g/m2の調湿紙を得た。得られた調湿紙に基紙重
量に対して接着剤(「ポリラック750」)を10%乾
式含浸した。
【0035】実施例5 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)25重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(「TJ04CN」)15重量部と吸放湿性粉体(「ミ
ズカソーブS−0」)35重量部を混合し、離解して得
られた均一なスラリーに、固形分に対して紙力剤(「ネ
オタックL−1」)を0.5%添加し、分散し、更に高
分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー351」)を
0.006%添加し、常法により長網抄紙機で坪量10
00g/m2(絶乾換算)の紙匹を抄紙し、接着剤
(「ポリラック750」)を基紙重量に対して15%湿
式含浸した後、加熱乾燥することにより1150g/m
2の調湿紙を得た。
【0036】比較例1 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)35重量部と吸放湿性粉体
(「ミズカソーブS−0」)20重量部を混合し、離解
して得られた均一なスラリーに、固形分に対して紙力剤
(「ネオタックL−1」)を0.5%添加し、分散し、
更に高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー35
1」)を0.006%添加し、常法により長網抄紙機で
坪量1000g/m2の防塵性調湿紙を得た。
【0037】比較例2 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(「TJ04CN」)10重量部と吸放湿性粉体(「ミ
ズカソーブS−0」)20重量部を混合し、離解して得
られた均一なスラリーに、基紙重量に対して接着剤
(「ポリラック750」)が2%含まれるように内添混
合し、固形分に対して紙力剤(「ネオタックL−1」)
を0.5%添加し、分散し、更に高分子アニオン性凝集
剤(「ハイホルダー351」)を0.006%添加し、
常法により長網抄紙機で坪量1020g/m2の防塵性
調湿紙を得た。
【0038】比較例3 針葉樹クラフトパルプ(NBKP)45重量部、広葉樹
クラフトパルプ(LBKP)25重量部、熱融着性物質
(「TJ04CN」)10重量部と吸放湿性粉体(「ミ
ズカソーブS−0」)20重量部を混合し、離解して得
られた均一なスラリーに、基紙重量に対して接着剤(商
品名「ポリラック750」、三井東圧化学工業(株)製
造)が50%含まれるように内添混合し、固形分に対し
て紙力剤(「ネオタックL−1」)を0.5%添加し、
分散し、更に高分子アニオン性凝集剤(「ハイホルダー
351」)を0.006%添加し、常法により長網抄紙
機で坪量1500g/m2の防塵性調湿紙を得た。
【0039】以上の実施例と比較例で得られた各紙の評
価結果を表1に示した。なお、評価結果は、以下の項目
について行った。 (1)断裁時の粉落ち:端面を指でこすり指に付着した
粉の量により4段階評価した。3以上を適とする。 4:ほとんど付着しない。 3:少々の付着はあるが脱落するほどではない。 2:付着があり脱落する。 1:真っ白になり、脱落する。
【0040】(2)断裁時の端面の状態:ギロチンで断
裁を行い、その切断面の状態を観察し、4段階評価を行
った。3以上を適とする。 4:シャープできれいな切断面 3:シャープまではいかないが、つぶれ等はない 2:多少のつぶれ、ささくれが観察される 1:つぶれ、ささくれ等が観察される
【0041】(3)調湿性能:図3に示した調湿実験結
果から平衡湿度差を読みとり5段階評価を行った。4以
上を適とする。なお、実験条件は使用量2.0kg/m
3,温度変化22〜12〜40〜22℃,シーズニング
条件22℃55%RHであった。 5:平衡湿度差 ±5%RH以下 4:平衡湿度差 ±5〜10%RH 3:平衡湿度差 ±10〜20%RH 2:平衡湿度差 ±20〜30%RH 1:平衡湿度差 ±30%RH以上
【0042】
【表1】
【0043】表1より、以下のことが明らかになった。 (1)実施例1及び2において、接着剤を使用していな
いため粉落ち、端面の状態は最良ではないが、調湿性能
に関しては実施例中上位である。
【0044】(2)実施例3〜5より、接着剤と熱融着
性物質を併せて用い、含有量を調整することで、調湿性
能を極度に低下させずに粉落ちを防止し、シャープな切
断面が得られる。これは、接着剤の多い比較例3からも
明らかである。
【0045】調湿方法1 実施例1と同様な製法により得られた坪量500g/m
2の調湿紙を密閉容器(1m3)に、使用量1.0kg/
3(2m2)の割合で使用し、前述した調湿実験を行っ
たところ、最高湿度は62%RHで最低湿度は46%R
Hであり、平衡湿度差は±9%以内であった。
【0046】調湿方法2 実施例3と同様な製法により得られた坪量250g/m
2の調湿紙を密閉容器(1m3)に、使用量2.0kg/
3(8m2)の割合で使用し、前述した調湿実験を行っ
たところ、最高湿度は59%RHで最低湿度は49%R
Hであり、平衡湿度差は±6%以内であった。
【0047】調湿方法3 実施例5と同様な製法により得られた坪量1500g/
2の調湿紙を密閉容器(1m3)に、使用量3.0kg
/m3(2m2)の割合で使用し、前述した調湿実験を行
ったところ、最高湿度は57%RHで最低湿度は51%
RHであり、平衡湿度差は±4%以内であった。
【0048】以上の調湿方法より、密閉保存容器の体積
に対して、調湿紙を1.0〜3.0kg/m3の割合で
用いることにより密閉容器内の平衡湿度差を±10%以
内に抑えることが出来る。
【0049】また、以上の調湿方法の考え方を基に本発
明の調湿紙を用いた例として調湿性保存容器を図5〜7
に示した。
【0050】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明の防塵性調湿
紙によれば以下に述べる顕著な効果を示す。
【0051】(1)断裁や打ち抜き時及びその使用に際
して、粉落ちを可能な限り軽減できる。
【0052】(2)断裁や打ち抜き時及びその使用に際
して、刃の摩耗を可能な限り軽減できる。
【0053】(3)急激な温度の変化に伴って、一時的
に生じる湿度の変化に対して、素早く吸湿または放湿を
して密閉容器内の湿度を一定に保つ事が可能である。
【0054】(4)保存する環境の湿度を一定に保つこ
とによって、被保存物の含有水分率を一定にすることが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 調湿材の調湿性能を評価するための調湿実験
装置の概略図である。
【図2】 調湿実験装置中の鋼製密閉容器内の透視図で
ある。
【図3】 本発明の調湿紙、桐材、調湿材を使用しない
場合の密閉容器内の湿度変化を示した図である。なお、
実線は本発明の調湿紙、点線は桐材、一点鎖線は調湿材
を使用しない場合の湿度変化を示したものである。
【図4】 調湿実験において、調湿紙の紙重量(kg/
3)の変化に伴う平衡湿度差の変化を示した図であ
る。
【図5】 本発明の調湿紙を調湿性保存箱として使用し
た例である。
【図6】 本発明の調湿紙を調湿性展示ケースとして使
用した例である。
【図7】 本発明の調湿紙を調湿性ガラスケースとして
使用した例である。
【符号の説明】
1 温湿度記録計 2 鋼製密閉容器 3 脚 4 実験台 5 温湿度センサー 6 調湿紙 7 調湿性保存箱 8 調湿性展示ケース 9 調湿性ガラスケース

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製紙用繊維15〜75重量部、吸放湿性
    粉体20〜70重量部と熱融着性物質5〜15重量部か
    らなることを特徴とする防塵性調湿紙。
  2. 【請求項2】 製紙用繊維15〜75重量部、吸放湿性
    粉体20〜70重量部と熱融着性物質5〜15重量部か
    らなる基紙に、接着剤が基紙重量に対して5〜25%含
    まれることを特徴とする防塵性調湿紙。
  3. 【請求項3】 吸放湿性粉体の平均粒子径が1〜20μ
    m、平均細孔径が30〜70オングストロームであるこ
    とを特徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の
    防塵性調湿紙。
  4. 【請求項4】 密閉容器内の相対湿度を一定の湿度範囲
    に調湿する方法において、請求項1〜3記載の防塵性調
    湿紙の使用量を1.0〜3.0kg/m3の範囲で用
    い、密閉容器内の平衡湿度差を±10%RH以内に調節
    することを特徴とする調湿方法。
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