JP3961076B2 - 金属精密部品包装用衝撃吸収材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クッション性に優れた紙に発塵量が極めて少ない低発塵性機能を付加することによりLSI、ICなどの半導体、各種磁気デスク等の電子材料、特に、LSI、IC製造用のリードフレームの保護用緩衝材、テレビ等のブラウン管内に用いられるシャドーマスクの包装用緩衝材等の包装、緩衝材に好適なシート体に関し、より詳細には、密閉包装中に微少な浮遊塵が発生することの極めて少ない低発塵性の緩衝材であり、自然に分解したり燃焼しても環境汚染物質の発生が少ない金属精密部品包装用衝撃吸収材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子材料、半導体関連産業の商品包装用緩衝材として用いられるものには以下の特性が求められる。
(1)外部からの圧力を吸収し、商品の変形を防止する。(クッション効果)。
(2)外部からの衝撃から商品を保護し、商品の損傷を防止する。(損傷防止効果)。
(3)電子材料、半導体商品の密閉包装中に直接商品に接触している場合、高湿度下で商品表面の結露を吸収して商品の錆、変色の発生を防止する。(吸水、吸湿効果)。
(4)緩衝材自らが発生する塵、粉塵を低減し、微少な浮遊塵の極めて少ない環境を維持する必要がある電子材料、半導体商品の密閉包装中に直接商品に接しても商品の汚染を引き起こさない。(低発塵性効果)。
【0003】
従来、電子材料、半導体関連産業の包装用緩衝材として用いられるものとしては、発泡スチロールや発泡エチレン等のポリマー発泡体又は、ダンボールクッションシート、特に片面ダンボールシート、その他紙等、天然パルプを抄紙したシート体が多く使用されている。
特に、ポリマー系の緩衝材で密度が0.08〜0.16g/cm3 の発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン等のポリマー発泡体は緩衝性に優れ、加工性も良いことから広く使用されており、上記(1)、(2)の効果を発現している。
【0004】
しかし、ポリマー系緩衝材の場合、電子材料、半導体商品に緩衝材が直接触れる様な密閉包装を行うと、そのポリマー系緩衝材が本来持っている撥水性の為、気温の変化などによって結露を起こして商品に錆、変色などの悪影響を与えるといった問題があり、上記(3)の効果が発現出来ない。
また、最近の包装材廃棄物規制、リサイクルの観点より、合成樹脂の場合は自然に分解せず、焼却しても有害化学物質や煤煙などの環境汚染物質を排出するといった問題もある。
【0005】
紙基材でクッション性に富むものとしてはダンボールクッションシート、特に片面ダンボールシートが挙げられ、上記(1)、(2)の効果を発現している。しかしながら、一般に用いられているダンボールクッションシートのような天然パルプを抄紙したシート体は、結露等の搬送上の問題点はポリマー系に比べて軽減される(上記(3)の効果)ものの、紙粉が発生しやすいので、塵埃汚染を極端に嫌う電子材料、半導体商品などの精密部品の緩衝材としては使用することが出来ず、上記(4)の効果が発現出来ない。
【0006】
特開平7−16974号公報には、金属精密部品包装用の衝撃吸収材として、中性紙あるいは不織布を貼り合わせてなるシートが提案されている。しかし、このシート体は、貼り合わせ体であるため、ポリエチレンの糊が使用されており、このポリエチレン糊が型取り時に断面に露出するため、その断面部分が接着性を有することとなり、商品の表面を汚染するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、良好なクッション効果、損傷防止効果及び吸水、吸湿効果を有し、しかも従来の天然パルプを抄紙した紙シート体では得られなかった、紙粉などによる汚染の生じにくい金属精密部品包装用の衝撃緩衝材であり、しかも商品に錆、変色を起こさず、更に自然分解や、焼却処理によっても有害化学物質や煤煙などの環境汚染物質を発生することのない金属製精密部品包装用緩衝吸収材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するための本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)パルプ繊維を主体とし、発泡性粒子を全繊維に対し重量で3〜20%添加して調製された抄造用原料から抄造され、加熱乾燥により該発泡性粒子が発泡されてなるシート体に、ガラス転移温度(Tg)が−10℃〜−50℃の高分子物質を、高分子物質の含浸量が3重量%〜40重量%となるように含浸せしめたシート体であって、表面pHが6.5から8.0(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49−86)で、20kg/2.5cm2 における圧縮変形率が30%以上であることを特徴とする金属精密部品包装用衝撃吸収材。
(2)前記高分子物質を含浸したシート体が、パルプ繊維を主体とし、その他の各種有機繊維及び無機繊維から選ばれた繊維を適宜組み合わせ使用した繊維原料に、発泡性粒子を添加して調製された抄造用原料から抄造され、加熱乾燥により該発泡性粒子が発泡されてなるシート体に、前記高分子物質を含浸せしめた吸水性、吸湿性シート体であることを特徴とする、前記(1)記載の金属精密部品包装用衝撃吸収材。
(3)前記高分子物質は、親水性高分子物質であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の金属精密部品包装用衝撃吸収材。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の金属精密部品包装用衝撃吸収材に使用されるシート体の基材としては、パルプ繊維及びその他の各種有機繊維及び無機繊維から選ばれた各種繊維を、単独又は適宜組み合わせ使用して抄造されている吸水性、吸湿性のシート体が挙げられる。
また、該シート体を製造するために使用されるパルプ繊維としては、特に制限はないが、例えば針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械パルプ等の木材パルプ、麻や綿等の非木材パルプ等を、各単独又は適宜組み合わせて使用される。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等を原料とした合成パルプ、アクリル繊維、レーヨン繊維、フェノール繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維等も木材パルプと併用して使用することが可能である。木材パルプ等は吸水性又は吸湿性に優れ、廃棄物となった場合も環境汚染原因となることが少ないことからシート基材中に主要繊維材料として含まれていることが好ましい。また一般的に針葉樹パルプの方が広葉樹パルプより、パルプシート自体の発塵性が小さい為、より好ましく使用される。
【0010】
更に、クッション性を得る方法として発泡剤を内添使用することが好ましい。発泡剤としては、マイクロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロカプセルを使用する。このカプセルは80℃〜150℃の比較的低温度で短時間の加熱により、直径が約4〜8倍、体積が約10倍〜100倍に膨張する平均粒子径5〜30ミクロンの粒子であり、イソブタン、ペンタン、石油エーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラン等の揮発性有機溶剤(膨張剤)を、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル等の共重合体からなる熱可塑性樹脂で包み込んだものであり、カプセルが軟化点以上に加熱されると膜ポリマーが軟化しはじめ、内包されている膨張剤の蒸気圧が上昇して膜が拡がり、カプセルが膨張する。
【0011】
発泡性粒子の配合量は、パルプ繊維に対し重量で3〜20%である。1%以下では十分なクッション性が得られず、40%以上では経済性の面からあまり適当とは言えない。
【0012】
パルプスラリーにはこれらの発泡性粒子の他に、従来より中性抄紙で使用されている各種材料を本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて適宜使用することが出来る。
【0013】
クッション性の評価方法について、本発明については圧縮変形率を使用している。圧縮変形率は下記の式で導かれる。
圧縮変形率=(一定の応力におけるひずみ量)÷(厚み)×100
圧縮変形率は、その数値が大きい程クッション性が良いことを示しており、20kg/2.5cm2 において30%以上、好ましくは40%以上である。
【0014】
表面pH(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49−86)は本発明において重要な項目である。すなわち、pHが6.5より低いと紙中の酸性物質により、該紙と接触した金属精密部品が腐食する。また、pHが8.0より高い場合、アルカリ性のため、使用者の手などを刺激するだけでは無く、潮解性を持ち空気中の水分を集め、結果として、金属精密部品の表面に転移し汚染することとなる。
【0015】
シート体基材は、上記の繊維原料を使用し、たとえば通常の抄紙機にてシート化することによって製造される。抄紙機からのシート体は、ドライヤーパートにより乾燥処理されるが、このドライヤーパートの表面温度によって、乾燥と同時にシート中に混抄した発泡性粒子が発泡し、シート基材中に多数の気泡を形成し、密度が低い、クッション性に優れたシート体が得られる。
【0016】
本発明でシート基材へ含浸される高分子物質としては、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下である天然高分子物質及び合成高分子物質のいずれも使用可能である。更に、具体的にいえば、天然ゴム、合成ゴム(例えば、スチレン/ブタジエンゴム、イソプロピレンゴム、ブチレンゴム、ニトリルゴム)等のゴム類、エチレン系、プロピレン系、塩化ビニル系、酢酸ビニル系、スチレン系、アクリルニトリル系、アクリル酸系、アクリル酸エステル系、メタクリル酸系、メチルメタクリル酸系等のエチレン性不飽和モノマー、ブタジエンイソプロピレン等のジエン系モノマーから選択して合成された単独重合体及び共重合体の内、ガラス転移温度(Tg)が0℃以下好ましくは、−10℃以下の高分子物質を単独又は、必要に応じて混合して使用することが可能である。
【0017】
上記のガラス転移温度(Tg)が0℃以下の高分子物質は、3重量%以上好ましくは5重量%〜40重量%となるような量でシート基材中に含浸される。この含浸量が3重量%以下では発塵性の抑制効果が不十分である。
一方、ガラス転移温度(Tg)が−50℃以下の高分子物質は、発塵性の抑制効果は十分に期待できるがカッター等で断裁する際ブロッキングがおこりやすく、更に金属製精密部品に密着した際に、金属表面に転移する可能性があるので、注意する必要がある。
【0018】
通常の高分子物質の架橋剤としては用いられる硬化性樹脂、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、尿素ホルマリン樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂等を単独又は、併用して使用することが出来る。これらの架橋剤は、本発明に使用する高分子物質の効果を阻害しない限り、必要に応じて使用することが出来る。
【0019】
また、本発明に使用する高分子物質は、通常水溶液又は溶剤溶液の形態で、あるいはエマルジョンの形態で使用され、含浸法、サイズプレス法、場合によってはスプレー法等のいわゆる外添法によってシート基材中に含浸される。
しかし、通常の湿式抄紙法による内添法によっても前記した高分子物質をシート基材中に担持させることができることは前述したとおりである。
【0020】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例において、%は特に断らない限り重量%を示している。
実施例1
広葉樹パルプ(LBKP)80%と針葉樹パルプ(NBKP)20%を混合し、カナダ標準ろ水度(CSF)450mlに叩解したパルプ100部を分散したパルプスラリーに、発泡性マイクロカプセル粒子(松本油脂製薬製、マツモトマイクロスウェアーF・30D)10部、乾燥紙力増強剤(荒川化学工業製、ポリストロン191)0.2部、カチオン化澱粉(王子ナショナル製、ケートF)1.0部、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(荒川化学工業製、サイズパインK902)0.03部で調整した紙料を用い、ヤンキードライヤーを有する円網抄紙機で坪量が200g/m2 (乾燥重量換算、以下同じ)になるように基材シート(水分2%)を製造した。
ついで、オフマシンコーターで、高分子物質として濃度を14%に調整した中性アクリル酸エステル樹脂(Tg−27℃)液を上記基材シートに含浸させ、乾燥させて、乾燥後坪量が226g/m2 の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0021】
実施例2
実施例1のLBKP80%を20%の熱融着繊維(三井石油化学製、SWP)とLBKP60%に置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0022】
実施例3
実施例1において、アクリル酸エステル樹脂をTg−13℃のものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0023】
実施例4
実施例1において、アクリル酸エステル樹脂を酢酸ビニル/アクリル酸樹脂(Tg−20℃)に置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0024】
実施例5
実施例1において、アクリル酸エステル樹脂の代わりにアクリル三元共重合体(Tg−2℃)を使用した以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0025】
実施例6
実施例1におけるアクリル酸エステル樹脂をTg−36℃のものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0026】
実施例7
実施例1におけるアクリル酸エステル樹脂をTg−50℃のものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0027】
実施例8
実施例1において、発泡性マイクロカプセル粒子を5部使用した以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0028】
実施例9
実施例1において、発泡性マイクロカプセル粒子を20部使用した以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0029】
実施例10
実施例1において、アクリル酸エステル樹脂液の濃度を24%とする以外は、実施例1と同様にして乾燥後坪量250g/m2 の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0030】
実施例11
実施例1において、広葉樹パルプ(LBKP)の代わりに針葉樹パルプ(NBKP)100%を使用した以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0031】
実施例12
実施例2において、広葉樹パルプ(LBKP)の代わりに針葉樹パルプ(NBKP)100%を使用した以外は、実施例2と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0032】
実施例13
実施例3において、広葉樹パルプ(LBKP)の代わりに、針葉樹パルプ(NBKP)100%を使用した以外は、実施例3と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0033】
実施例14
実施例4において、広葉樹パルプ(LBKP)の代わりに、針葉樹パルプ(NBKP)100%を使用した以外は、実施例4と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0034】
実施例15
実施例5において、広葉樹パルプ(LBKP)の代わりに、針葉樹パルプ(NBKP)100%を使用した以外は、実施例5と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0035】
比較例1
実施例1において、アクリル酸エステル樹脂をTg+35℃のものに置き換えた以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0036】
比較例2
実施例1において、発泡性マイクロカプセル粒子を使用しなかった以外は実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0037】
比較例3
実施例1において、カチオン化澱粉、アルキルケテンダイマー系サイズ剤の代わりに硫酸バンド6.7部、サイズバインE(荒川化学工業製)5部を使用した以外は、実施例1と同様にして金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを得た。
【0038】
以上、18種類の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを用いて以下の評価実験を実施し、第1表に示す結果を得た。
(1)表面pH:J.TAPPI紙パルプ試験方法 No.49−86に従い評価した。
(2)圧縮変形率:ストログラフ(東洋精機製作所製)で20kg/2.5cm2 における歪み量を測定。更に、厚みも測定して下記式にて算出した。
圧縮変形率=(ひずみ量)÷(厚み)×100
【0039】
(3)発塵量:第1図の発塵テスト装置によって実施した。
第1図の発塵テスト装置(1)において、超高性能フィルター、たとえばHEPAフィルターを備えたクリーンベンチ(2)内に設置した集塵ダクト(3)〔風量0.57m3 /分、バックグラウンドの清浄度が0.3ミクロン以上の浮遊微粒子0個/0.02ft3 〕内において回転数500rpmで回転する金属板(4)の表面にあらかじめ14cm×14cmの寸法に裁断したサンプルシート(P)を貼り付け、他方の固定した金属板(5)にも同一サンプルを貼り付ける。次に、金属板回転用モーター(6)により、サンプルシートをこすり合わせて、発生する塵粒子の量をサンプル導入管(7)により光散乱型微粒子計数機(8)(リオン社製、KC−01型)に導き、吸引サンプル流量0.02ft3 )中の0.3ミクロン以上の微粒子を計数することにより測定する。
(3)錆の発生性、リードフレームの変形:一枚が6フレームからなるリードフレーム6枚を、1枚毎に間に上記実施例、比較例の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを介して積み重ね、更にその上下の両側にもそれぞれ上記実施例、比較例の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートを当てて、その全体を延伸ポリプロピレンで包み、それを更に乾燥剤と一緒にポリエチレン袋に包んで収納した。このポリエチレン袋を40℃、95%RH下で78時間放置し、その後開封しリードフレームの状態を観察した。
【0040】
比較例1との比較において本発明のシートは、塵の発生が非常に抑制されていることがわかる。また、比較例2との比較において本発明のシートは、金属精密部品(リードフレーム)の変形防止に優れた効果があることがわかる。
更に、比較例3との比較において本発明のシートは、錆が発生せず商品を傷めることもない。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、Tgが0℃以下の高分子物質で含浸処理されたシート体からなり、表面pHが6.5から8.0(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49−86)で、20kg/2.5cm2 における圧縮変形率が30%以上であるシート体を使用することにより、塵の発生がなく、金属精密部品(リードフレーム等)の変形防止に優れ、かつ錆を発生させることのない金属精密部品包装用衝撃吸収材を提供することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属精密部品包装用衝撃吸収材シートの発塵テスト装置を示す図。
【符号の説明】
1:発塵テスト装置、2:クリーンベンチ、3:集塵ダクト、4:回転金属板、5:固定金属板、6:金属板回転用モーター、7:サンプル導入管、8:光散乱型微粒子計数機。
Claims (1)
- パルプ繊維を主体とし、発泡性粒子を全繊維に対し重量で3〜20%添加して調製された抄造用原料から抄造され、加熱乾燥により該発泡性粒子が発泡されてなるシート体に、ガラス転移温度(Tg)が−10℃〜−50℃の高分子物質を、高分子物質の含浸量が3重量%〜40重量%となるように含浸せしめたシート体であって、表面pHが6.5から8.0(J.TAPPI紙パルプ試験方法No.49−86)で、20kg/2.5cm2 における圧縮変形率が30%以上であることを特徴とする金属精密部品包装用衝撃吸収材。
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