JPH10212122A - ジルコニア微粉末及びその製造方法 - Google Patents

ジルコニア微粉末及びその製造方法

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JPH10212122A
JPH10212122A JP9306995A JP30699597A JPH10212122A JP H10212122 A JPH10212122 A JP H10212122A JP 9306995 A JP9306995 A JP 9306995A JP 30699597 A JP30699597 A JP 30699597A JP H10212122 A JPH10212122 A JP H10212122A
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fine powder
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】高い排ガス温度でもセリアの凝集抑制効果を発
揮できる高分散性のジルコニア粉末、低い排ガス温度で
も良好に酸素を吸収放出し、三元触媒との均一混合性に
も優れた助触媒としての機能を有するセリア固溶ジルコ
ニア微粉末及び該ジルコニア粉末の製造方法の提供。 【解決手段】BET比表面積が40〜200m2/gで
あり、電子顕微鏡で測定される平均粒径が0.1μm以
下であり、かつ、平均粒径/BET比表面積の比が0.
9以上である1次粒子からなるジルコニア微粉末。該ジ
ルコニア微粉末にセリアが固溶しており、CeO2/Z
rO2のモル比が5/95〜60/40であるジルコニ
ア微粉末。ジルコニウム塩水溶液の加水分解で得られ
る、平均粒径0.1μm以下の水和ジルコニアゾルを6
50℃以下の温度で焼成する、又は、上記水和ジルコニ
アゾルとセリウム化合物を上記の組成になるように混合
し、300〜700℃の温度で焼成することによりジル
コニア微粉末を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の排ガス
浄化用三元触媒の添加成分等として使用される、ジルコ
ニア微粉末及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関から排出される排ガス中の有害
物質である窒素酸化物(NOx),一酸化炭素(CO)
及び炭化水素(CH)は、たとえば、Pt,Rh,Pd
などを担体上に担持させた三元触媒により除去されてい
る。三元触媒が使用される雰囲気は、理論空燃比(A/
F)と呼ばれる酸化還元雰囲気であり、この空燃比(A
/F)付近で酸化還元反応を促進させるために、助触媒
としてセリアが添加されている。セリアは、酸化雰囲気
下で酸素を吸収し、還元雰囲気下で酸素を放出するの
で、この特性を利用して排ガス成分であるCO,CH,
NOxを効率的に浄化させている。
【0003】しかしながら、三元触媒にセリアを添加し
て高温度の排ガスに接触させると、セリアの悪影響によ
るRhの酸化、シンタリングの進行、セリアの凝集よる
酸素の吸収・放出特性が低下する等の問題がある。セリ
アの凝集を抑制するために、例えば、Ba,Zr,La
等の成分を添加して耐熱性を改善する工夫が行われてお
り、三元触媒あるいは助触媒との混合性のよい、分散性
の高いジルコニア粉末、あるいは助触媒としての機能を
発現する、すなわち、効率的に酸素を吸収・放出するセ
リアが固溶したジルコニア粉末が要求されている。
【0004】従来、排ガス浄化触媒あるいは助触媒に添
加されているジルコニア粉末としては、セリウム,ネ
オジウム及びジルコニウム塩水溶液にアンモニア水を添
加して得られる沈殿物を乾燥,焼成して得られるジルコ
ニウム酸化物粉末(特開平6−63403公報)、セ
リウム及びジルコニウム塩の混合水溶液を、酸化雰囲気
中で噴霧加熱して得られるジルコニウム−セリウム複合
酸化物粉末(特開平8−73221公報)及び酸化セ
リウム,酸化ジルコニウム及び酸化ハフニウムを含有す
る化合物であり、結晶相としてφ´相を有する複合酸化
物(特開平8−109020公報)等が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、のジ
ルコニウム酸化物粉末は、セリウム,ネオジウム及びジ
ルコニウム塩水溶液に、アンモニア水を添加して得られ
る沈殿物を乾燥,焼成して得るが、このようにして得ら
れるゲル状の沈殿物は焼成時に硬い粗粒を形成するた
め、粒径分布の広い分散性の低い粉末となって、三元触
媒と均一混合しにくいものとなり、そのような触媒成分
を高温度の排ガスに接触させると、浄化効率の低いもの
となって、三元触媒の添加成分として適さないものとな
る。
【0006】また、のジルコニウム−セリウム酸化物
粉末は、セリウム及びジルコニウム塩の混合水溶液を噴
霧熱分解して、BET比表面積17〜23m2/gの複
合酸化物粉末を得るが、このようにBET比表面積の小
さい、即ち、粒径が大きく、かつ、分散性の低いものを
三元触媒に添加すると、三元触媒との均一性が悪くな
り、その触媒成分を排ガスと接触させると酸素供給効率
が低いものとなって助触媒として適さないものとなる。
【0007】さらに、の複合酸化物は、セリウム,ジ
ルコニウム及びハフニウムイオンを含む溶液に、アンモ
ニア水等の沈殿剤を添加して得られる共沈物を焼成して
得るが、このように共沈法で得られる化合物は焼成時に
硬い粗粒を形成するために、分散性の低いものとなっ
て、上記のとおり、酸素供給効率の悪いものとなる。
【0008】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した三元触媒との均一性あるいは助触媒(セ
リア)との固溶性に優れており、従って、高い排ガス温
度でもセリアの凝集抑制効果を発揮できる高分散性のジ
ルコニア粉末の提供;及び、排ガス中での酸素供給効率
がよく、即ち、低い排ガス温度でも良好に酸素を吸収・
放出し、三元触媒との均一混合性にも優れた助触媒とし
ての機能を有する高分散性のセリア固溶ジルコニア微粉
末の提供;ならびにそれらのジルコニア微粉末を簡易な
プロセスにより製造することのできる方法の提供を目的
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ジルコニ
ア粉末の平均1次粒子径とBET比表面積とに着目し
て、ジルコニア粉末の微細構造と分散性との関係を詳細
に検討し、かつ、セリアが固溶したジルコニア粉末のB
ET比表面積とセリアの均一性とに着目して、排ガス中
での酸素供給効率と排ガス温度との関係を詳細に検討
し、本発明に到達した。
【0010】即ち、本発明の目的は、BET比表面積が
40m2/g〜200m2/gであり、電子顕微鏡で測定
される平均粒径が0.1μm以下であり、かつ、電子顕
微鏡で測定される平均粒径/BET比表面積から求めら
れる平均粒径の比が0.9以上である1次粒子からなる
ジルコニア微粉末及びセリアが固溶したジルコニア微粉
末であって、CeO2/ZrO2のモル比が5/95〜6
0/40であるジルコニア微粉末を提供することにあ
り、それらのジルコニア粉末の製造方法としては、ジル
コニウム塩水溶液の加水分解で得られる、平均粒径0.
1μm以下の水和ジルコニアゾルを650℃以下の温度
で加熱するジルコニア粉末の製造方法及びセリアが固溶
したジルコニア粉末を製造する方法として、ジルコニウ
ム塩水溶液の加水分解で得られる平均粒径0.1μm以
下の水和ジルコニアゾルとセリウム化合物を、CeO2
/ZrO2もモル比が5/95〜60/40の組成にな
るように混合し、300〜700℃の温度で焼成するジ
ルコニア微粉末の製造方法を要旨とするものである。
【0011】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0012】本明細書において、ジルコニア粉末に係わ
る「電子顕微鏡で測定される平均粒径」とは、電子顕微
鏡写真により観察される個々の1次粒子の大きさを面積
で読み取り、それを円形に換算して粒径を算出したもの
の平均値をいう。
【0013】「BET比表面積」は、吸着分子として窒
素を用いて測定したものをいう。
【0014】「BET比表面積から求められる平均粒
径」とは、粒径形状を球に換算してBET比表面積およ
び理論密度から算出される直径をいう。
【0015】セリアが固溶しているジルコニア粉末に係
わる「酸素の吸放出量」とは、単なる粒子表面上での酸
素の吸収及び放出量だけでなく、結晶格子内での原子状
酸素の吸蔵量及び放出量をも包含する。
【0016】水和ジルコニアゾルに係わる「平均粒径」
は、光子相関法によるが、上記のジルコニア粉末と同様
に電子顕微鏡によって測定したものとほぼ同じ値を示
す。
【0017】「反応率」とは、水和ジルコニアゾル含有
液を限外濾過して、その濾液中に存在する未反応物のジ
ルコニウム量を誘導結合プラズマ発光分光分析(IC
P)により求めて、水和ジルコニアゾルの生成量を算出
し、原料仕込量に対する水和ジルコニアゾル量の比率と
して表したものをいう。
【0018】水和ジルコニアゾルの生成反応(加水分
解)に係わる「H+濃度」とは、下式で示されるジルコ
ニウム塩の加水分解反応が100%進行したものと仮定
して、反応槽内の水和ジルコニア含有液のH+濃度を化
学量論的に計算して求めた値をいう。
【0019】 ZrO2++(n+1)H2O→ZrO2・nH2O+2H+ また、加水分解の反応操作に係わる「連続操作」とは、
一定の排出速度で水和ジルコニアゾル含有液を反応槽か
ら抜き出すと同時に、排出速度と同じ供給速度でジルコ
ニウム塩水溶液を反応槽に加えることであり、「間欠操
作」とは、一定量の水和ジルコニアゾル含有液を反応槽
から排出したあと、すぐに排出量と同量のジルコニウム
塩水溶液を反応槽に加えて、所定時間(以下、間欠時間
と記述する)加水分解させる一連の操作を繰り返して行
うことをいう。間欠操作に係わるジルコニウム塩水溶液
の「供給比率(%)」とは、反応槽にジルコニウム塩水
溶液を供給する直前の水和ジルコニアゾル含有液の体積
xと、反応槽に供給するジルコニウム塩水溶液の体積y
とを用いた比率、{y/(x+y)}×100で表され
たものをいう。
【0020】本発明のジルコニア微粉末のBET比表面
積は、40m2/g〜200m2/gであることを必須と
する。BET比表面積が40m2/gよりも小さくなる
と、ジルコニア粉末の分散性が低下するため、三元触媒
または助触媒に添加する際の均一性が悪くなり、従っ
て、高い排ガス温度でのセリアの凝集抑制効果の低いも
のとなって、三元触媒の添加成分として適さないものと
なる。好ましいBET比表面積の範囲は50〜200m
2/gであり、より好ましくは、50〜150m2/gで
ある。
【0021】また、本発明のジルコニア微粉末は、電子
顕微鏡で測定される平均粒径が0.1μm以下でなけれ
ばならない。ジルコニア粉末の平均粒径が0.1μmよ
りも大きくなると、三元触媒または助触媒との均一性が
悪くなるため、上記のとおり、セリアの凝集抑制効果の
低いものとなるからである。好ましい平均粒径は、0.
01〜0.08μmであり、さらに好ましくは0.03
〜0.07μmである。 さらに、電子顕微鏡で測定さ
れる平均粒径/BET比表面積から求められる平均粒径
の比が0.9以上でなければならない。平均粒径比が
0.9以上であれば、1次粒子間の強固な焼結が実質上
観測されない、高分散性の多孔質または緻密な1次粒子
を形成している。この比が0.9よりも小さくなると、
電子顕微鏡により1次粒子間のネックが多数観察され;
このような硬い凝集粒子を多く含む粉末と三元触媒とを
混合すると、上記のとおり、三元触媒または、助触媒と
の均一性が悪くなって、セリアの凝集抑制効果の低いも
のとなる。好ましい平均粒径比は0.9〜20であり、
さらに好ましくは2.2〜14である。
【0022】上記のジルコニア微粉末にセリアが固溶し
ている場合、セリアの含有量が、CeO2/ZrO2のモ
ル比として5/95〜60/40の範囲であることを必
須とする。CeO2/ZrO2のモル比が5/95よりも
小さくなると、酸素の吸収・放出に関与しているCeO
2が少なくなるために排ガス中での酸素供給効率が低下
し、いっぽう、CeO2/ZrO2のモル比が60/40
よりも大きくなると、固溶しているCeO2の均一性が
悪くなるために酸素供給率が低くなり、特に、低い排ガ
ス温度での酸素供給効率が悪いものとなって、三元触媒
の助触媒として適さないものになる。好ましいCeO2
/ZrO2のモル比は、10/90〜55/45であ
り、さらに好ましくは、30/70〜50/50であ
る。
【0023】本発明のジルコニア微粉末を得るにあたっ
ては、ジルコニウム塩水溶液の加水分解により得られ
る、平均粒径0.1μm以下の水和ジルコニアゾルを用
いなければならない。平均粒径が0.1μmよりも大き
くなると、下記の本発明の条件で焼成して得られるジル
コニア粉末の平均粒径が0.1μmよりも大きくなるか
らである。さらに、上記の水和ジルコニアゾルの平均粒
径を0.01〜0.08μmの範囲に制御して、下記の
条件で焼成すると、分散性に優れたジルコニア微粉末に
なり、0.03〜0.07μmの範囲に制御すると、よ
り一層分散性に優れたジルコニア微粉末になる。
【0024】水和ジルコニアゾルの平均粒径は、反応終
了時の反応液のpHを調整することにより制御すること
ができる。例えば、反応終了時のpHが−0.1〜0.
4または1〜2となるように調整することにより、平均
粒径0.1μm以下の水和ジルコニアゾルが得られる。
このpHすなわち水和ジルコニアゾルの平均粒径を制御
する方法としては、ジルコニウム塩水溶液の濃度を調整
して加水分解させる;ジルコニウム塩水溶液にアルカリ
または酸などを添加して加水分解させる:陰イオン交換
樹脂によりジルコニウム塩を構成している陰イオンの一
部を除去することによりpHを調整して加水分解させ
る;水酸化ジルコニウムと酸との混合スラリーのpHを
調整して加水分解させるなどの方法を挙げることができ
る。また、反応速度を促進させるために、水和ジルコニ
アゾルを上記のジルコニウム塩水溶液に添加して、加水
分解反応を行ってもよく、ジルコニウム塩水溶液の加水
分解で得られた水和ジルコニアゾル含有液にジルコニウ
ム塩水溶液を連続または間欠的に供給しながら加水分解
反応を行ってもよい。水和ジルコニアゾルの製造に用い
られるジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコニウ
ム,硝酸ジルコニル,塩化ジルコニウム,硫酸ジルコニ
ウムなどが挙げられるが、この他に水酸化ジルコニウム
と酸との混合物を用いてもよい。水和ジルコニアゾルの
平均粒径を制御するために添加するアルカリとしては、
アンモニア,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどが
挙げられることができるが、これらの他に尿素のように
分解して塩基性を示す化合物でもよい。また、酸として
は塩酸,硝酸,硫酸を挙げることができるが、これらの
他に酢酸,クエン酸などの有機酸を用いてもよい。
【0025】上記のジルコニウム塩水溶液の加水分解で
得られる水和ジルコニアゾル含有液を出発溶液に用い
て、該含有液の一部を反応槽から連続及び/又は間欠的
に排出水し、かつ、水和ジルコニアゾルを含有する溶液
の体積が一定に保たれるように、その排出量と同量のジ
ルコニウム塩水溶液を連続及び/又は間欠的に反応槽に
供給しながら加水分解させ、次いで、排出した水和ジル
コニアゾルを乾燥して焼成させると、従来の回分法によ
る加水分解よりも飛躍的に生産性が向上するので、工業
的な大量生産に好適である。さらに、この反応操作で得
られる水和ジルコニアゾルは85%以上の反応率を有す
るので、本発明の条件で焼成すると、未反応物に起因す
る粒子間の強固な焼結が起こりにくくなって、分散性の
よいジルコニア粉末が得られる。より望ましい反応率は
90%以上である。
【0026】本発明での「当該水和ジルコニアゾルを含
有する溶液の体積が一定に保たれるように、」という意
味は、反応槽からの水和ジルコニアゾルを含有する溶液
の排出と同時に、その排出量と同量のジルコニウム塩水
溶液を連続及び/又は間欠的に反応槽に供給する場合
と、その排出した後に、その排出量と同量のジルコニウ
ム塩水溶液を連続及び/又は間欠的に反応槽に供給する
場合の両方を意味する。連続操作で加水分解反応を行う
場合、水和ジルコニアゾル含有液の排出速度及びジルコ
ニウム塩水溶液の供給速度は、供給したジルコニウム塩
水溶液の反応槽での平均滞在時間t(h)が3〜15の
範囲になるように、また、間欠操作で行う場合には、ジ
ルコニウム塩水溶液の供給比率a(%)と間欠時間T
(h)との関係が、0<a≦60,0≦T≦10の範囲
であって、かつ、 T≧0.14a−0.6 を満足するように設定することが望ましい。
【0027】反応槽に供給するジルコニウム塩水溶液の
濃度は、0.01〜2mol/リットルの範囲に設定す
ることが好ましく、望ましくは0.1〜1mol/リッ
トルである。反応槽に供給するジルコニウム塩として
は、上記と同様に、オキシ塩化ジルコニウム,硝酸ジル
コニル,塩化ジルコニウム,硫酸ジルコニウムなどを挙
げることができるが、これらのジルコニウム塩水溶液に
アルカリまたは酸を添加したものを用いてもよく、水和
ジルコニアゾルを添加した上記の水溶液を用いてもよ
い。加水分解時の反応槽内の溶液温度は、90℃〜煮沸
温度が好ましく、より望ましくは95℃〜煮沸温度がよ
い。これらの条件に加えて、反応槽内の水和ジルコニア
含有液のH+濃度を0.02〜1mol/リットルの範
囲に制御して、連続及び/または間欠的に加水分解させ
ると、よりいっそう反応率の高い水和ジルコニアゾル得
られる。
【0028】上記の連続及び間欠条件のほか、反応槽の
水和ジルコニア含有液のH+濃度C(mol/リット
ル)が0.4≦C≦1であり、かつ、出発溶液の水和ジ
ルコニアゾルの平均粒径D(μm)とH+濃度との関係
が、 0.01≦D・(C−0.35)≦0.08 を満足するように設定すれば、反応率が高く、かつ、平
均粒径の経時変化幅の小さい水和ジルコニアゾルが得ら
れるため、該ゾルを下記の条件で焼成すると、よりいっ
そう分散性に優れたジルコニア微粉末になる。より望ま
しい範囲は、 0.015≦D・(C−0.35)≦0.05 である。
【0029】この反応によって得られた水和ジルコニア
ゾル含有液の乾燥方法に制限はなく、例えば、水和ジル
コニアゾル含有液を噴霧乾燥する方法、該含有液にアル
カリなどを添加して濾過,水洗したあとに乾燥する方法
を挙げることができる。
【0030】次いで、上記で得られた水和ジルコニアゾ
ルの乾燥粉を、650℃以下の温度で焼成しなければな
らない。焼成温度が650℃よりも高くなると、得られ
るジルコニア微粉末のBET比表面積が40m2/gよ
りも小さくなって、本発明のジルコニア微粉末が得られ
なくなるからである。好ましい焼成温度は200〜60
0℃であり、より好ましくは300〜500℃である。
【0031】焼成温度の保持時間は、0.5〜10時間
がよく、昇温速度は0.5〜10℃/minが好まし
い。保持時間が0.5時間よりも小さくなると均一に加
熱されにくく、10時間よりも長くなると生産性が低下
するので好ましくない。また、昇温速度が0.5℃/m
inよりも小さくなると設定温度に達するまでの時間が
長くなり、10℃/minよりも大きくなると加熱時に
粉末が激しく飛散して操作性が悪くなり生産性が低下す
る。このようして得られた粉末は1次粒子間の強固な凝
集が起ってないので、解砕するだけで分散性のよいジル
コニア微粉末になる。
【0032】本発明のセリアが固溶したジルコニア微粉
末を得る場合には、前記で得られた平均粒径0.1μm
以下の水和ジルコニアゾルとセリウム化合物を、CeO
2/ZrO2のモル比が5/95〜60/40の組成にな
るように混合しなければならない。水和ジルコニアゾル
とセリウム化合物とを混合し乾燥させる方法に特に制限
はなく、上記の加水分解で得られた水和ジルコニア含有
液に、CeO2/ZrO2比が5/95〜60/40にな
るようにセリウム化合物を添加して乾燥させてもよく、
加水分解反応のときに前もってセリウム化合物を添加し
てもよい。セリウム化合物及び水和ジルコニアゾルを含
有する混合溶液を乾燥する方法としては、前記の方法で
行えばよく、例えば、該混合溶液を噴霧乾燥;該混合液
にアルカリを添加して濾過,水洗して乾燥する方法を挙
げることができる。セリアの原料として用いられるセリ
ウム化合物としては、水酸化セリウム,酸化セリウム,
塩化セリウム,硝酸セリウム,硫酸セリウム,炭酸セリ
ウム,酢酸セリウムなどが挙げられる。
【0033】次いで、上記で得られた水和ジルコニアゾ
ル及びセリウム化合物の混合物を、300〜700℃の
温度で焼成することを必要とする。焼成温度が300℃
よりも小さくなると、セリアと均一に固溶したジルコニ
ア微粉末が得られず、いっぽう、700℃よりも高くな
ると得られるジルコニア微粉末のBET比表面積が40
2/gよりも小さくなるからである。好ましい焼成温
度は、350〜600℃である。また焼成温度の保持時
間及び昇温速度については、前記と同様に、0.5〜1
0時間、0.5〜10℃/minに設定すればよい。
【0034】上記の焼成粉は、1次粒子間の強固な凝集
が起っていないので、解砕するだけで分散性のよいジル
コニア微粉末になる。
【0035】本発明のジルコニア微粉末は、所望の成分
からなる三元触媒に添加してもよく、必要に応じて所望
の希土類元素、例えばセリウム,ネオジウム等を、あら
かじめジルコニア微粉末に所定量固溶させてから三元触
媒に添加してもよい。また、助触媒としての機能を有す
るセリアが固溶したジルコニア微粉末については、三元
触媒に所定量添加してもよく、必要に応じて所望の希土
類元素あるいはアルカリ土類元素、例えばランタン、バ
リウム等をセリア固溶ジルコニア微粉末に含有させてか
ら三元触媒に添加してもよい。
【0036】以上のようにして調製された触媒成分は、
コージェライト製ハニカム状基材にウォッシュコートし
て、乾燥,焼成して排ガス浄化触媒として用いればよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明のジルコ
ニア微粉末は、三元触媒あるいは助触媒との均一性に
優れており、従って高い排ガス温度でもセリアの凝集抑
制効果を発揮でき、セリアが固溶した微粉末について
は、排ガス中での酸素供給効率がよく、即ち、低い排ガ
ス温度でも良好に酸素を吸収・放出し、さらに三元系触
媒との均一混合性にも優れている。また、本発明の方法
により、容易に上記のジルコニア微粉末を製造すること
ができる。特にジルコニウム塩水溶液の加水分解で得ら
れる水和ジルコニアゾル含有液を出発溶液に用いて、該
含有液の一部を反応槽から連続及び/又は間欠的に排出
し、その排出量と同量のジルコニウム塩水溶液を連続及
び/又は間欠的に反応槽に供給しながら加水分解させ、
得られた水和ジルコニアゾルを乾燥して焼成すると、従
来の回分法による加水分解よりも飛躍的に生産性が向上
するので、工業的な大量生産が可能となる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこの実施例により何等限定されるもので
はない。
【0039】実施例中、水和ジルコニアゾルの平均粒径
は、光子相関法により求めた。ジルコニア粉末の電子顕
微鏡で測定される1次粒子の平均粒径は、透過型電子顕
微鏡を用いて求めた。BET比表面積から求められる平
均粒径を算出するのに必要なジルコニア粒子の密度(単
斜相)は、5.6g/cm3を用いた。
【0040】実施例1 0.45mol/リットルのZrOCl2水溶液を20
0時間煮沸して、平均粒径0.08μmの水和ジルコニ
アゾルを得た。この水和ジルコニアゾル含有液にアンモ
ニア水を添加して水和ジルコニアゾルを凝集させたあと
に、濾過して、水洗,乾燥させた。得られた水和ジルコ
ニアゾルの乾燥粉を、350℃の温度で2時間焼成し
た。
【0041】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が140m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次
粒子の平均粒径は0.08μmであり(即ち、平均粒径
比=10)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散性
のよい1次粒子を形成していることが確認された。
【0042】実施例2 実施例1の焼成温度を500℃に設定した以外は、同様
の条件で行った。得られたジルコニア粉末は、BET比
表面積が64m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1
次粒子の平均粒径は0.07μmであり(平均粒径比=
4.2)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散性の
よい1次粒子を形成していることが確認された。
【0043】実施例3 0.04mol/リットルのZrOCl2水溶液を10
0時間煮沸した以外は、実施例1と同様の条件で行っ
た。
【0044】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が73m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.06μmであり(平均粒径比=4.
1)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散性のよい
1次粒子を形成していることが確認された。
【0045】実施例4 0.02mol/リットルのZrOCl2水溶液を10
0時間煮沸した以外は、実施例1と同様の条件で行っ
た。
【0046】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が59m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.04μmであり(平均粒径比=2.
2)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散性のよい
1次粒子を形成していることが確認された。
【0047】比較例1 実施例1の焼成温度を700℃に設定した以外は、同様
の条件で行った。得られたジルコニア粉末のBET比表
面積は、35m2/gであった。
【0048】比較例2 実施例3の焼成温度を700℃に設定した以外は、同様
の条件で行った。得られたジルコニア粉末のBET比表
面積は、33m2/gであった。
【0049】以下の実施例5〜8により水和ジルコニウ
ムを含有する溶液の一部を反応槽から連続及び/又は間
欠的に排出し、かつ、その排出量と同量のジルコニウム
塩水溶液を連続及び/又は間欠的に反応槽に供給する製
造方法を具体的に説明する。 実施例5 ZrOCl2濃度0.4mol/リットルの水溶液を煮
沸温度で200h加水分解させて水和ジルコニアゾル含
有液を調製した(H+濃度C=0.8mol/リット
ル)。得られた水和ジルコニアゾルの平均粒径(D)は
0.08μmであった。このゾル含有液10リットルを
出発溶液に用いて、煮沸温度で間欠操作型の加水分解反
応を行った。間欠条件は、水和ジルコニアゾル含有液の
排出量及びZrOCl2水溶液(0.4mol/リット
ル)の供給量をそれぞれ500ミリリットル(a=5
%)、間欠時間(T)を0.5hに設定した(すなわ
ち、0.1≦T≦10,D(C−0.35)=0.03
6)。上記の条件で加水分解反応を30h行い、反応槽
から排出された水和ジルコニアゾル含有液を30リット
ル得た。この水和ジルコニアゾル含有液にアンモニア水
を添加して水和ジルコニアゾルを凝集させたあとに、濾
過して水洗し乾燥させた。得られた水和ジルコニアゾル
の乾燥粉を400℃の温度で2時間焼成した。
【0050】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が104m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次
粒子の平均粒径は0.07μmであり(即ち、平均粒径
比=6.8)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散
性のよい1次粒子を形成していることが確認された。
【0051】実施例6 2mol/リットルのZrOCl2水溶液1.8リット
ルに、実施例1の出発溶液1リットルを添加して、蒸留
水を加えて7.3リットルの溶液を調製した。この溶液
を煮沸温度で95h加水分解させたあとに、蒸留水を
2.7リットル加えて10リットルの水和ジルコニアゾ
ル含有液を得た(C=0.8)。得られた水和ジルコニ
アゾルの平均粒径(D)は0.06μmであった。この
ゾル含有液を出発溶液に用いて、実施例1と同じ間欠条
件で間欠操作型の加水分解反応を300h行った(すな
わち、D・(C−0.35)=0.027)。
【0052】次いで、実施例5と同様の条件で水和ジル
コニアゾルの乾燥粉を得て、450℃の温度で2時間焼
成した。
【0053】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が78m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.065μmであり(即ち、平均粒径
比=4.7)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散
性のよい1次粒子を形成していることが確認された。
【0054】実施例7 2mol/リットルのZrOCl2水溶液1.49リッ
トルに、実施例5の出発溶液75ミリリットルを添加し
て、蒸留水を加えて8.2リットルの溶液を調製した。
この溶液を煮沸温度で70h加水分解させたあとに、蒸
留水を1.8リットル加えて10リットルの水和ジルコ
ニアゾル含有液を得た(C=0.6)。得られた水和ジ
ルコニアゾルの平均粒径(D)は0.11μmであっ
た。このゾル含有液を出発溶液に用いて、煮沸温度で間
欠操作型の加水分解反応を300時間行った。間欠条件
は、水和ジルコニアゾル含有液の排出量及びZrOCl
2水溶液(0.3mol/リットル)の供給量をそれぞ
れ500ミリリットル(a=5%)、間欠時間(T)を
0.5hに設定した(すなわち、0.1≦T≦10,D
・(C−0.35)=0.028)。
【0055】次いで、実施例5と同様の条件で水和ジル
コニアゾルの乾燥粉を得て、350℃の温度で2時間焼
成した。
【0056】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が150m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次
粒子の平均粒径は0.10μmであり(即ち、平均粒径
比=14)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分散性
のよい1次粒子を形成していることが確認された。
【0057】実施例8 実施例5と同じ条件で調製された出発溶液10リットル
を用いて、煮沸温度で連続操作型の加水分解反応を30
h行った。水和ジルコニアゾル含有液の排出速度及びZ
rOCl2水溶液(0.4mol/リットル)の供給速
度は、1リットル/hに設定した(すなわち、平均滞在
時間t=10h,D・(C−0.35)=0.03
6)。次いで、実施例5と同様の条件で水和ジルコニア
ゾルの乾燥粉を得て、400℃の温度で2時間焼成し
た。
【0058】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が101m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次
粒子の平均粒径は0.065μmであり(即ち、平均粒
径比=6.1)、1次粒子間の焼結がほとんどない、分
散性のよい1次粒子を形成していることが確認された。
【0059】尚、実施例5〜8で得られた水和ジルコニ
アゾルの平均粒径及び反応率の経時変化を以下の表1に
示した。
【0060】
【表1】
【0061】比較例3 濃度が0.4mol/リットルのZrOCl2水溶液
を、煮沸温度で加水分解反応を100h行った。得られ
た水和ジルコニアゾルの反応率を調べたところ60%で
あった。次いで、実施例5と同様の条件で水和ジルコニ
アゾルの乾燥粉を得て、700℃の温度で2時間焼成し
た。得られたジルコニア粉末は、BET比表面積が29
2/gであった。
【0062】以下、実施例9〜14により、セリアが固
溶したジルコニア粉末の製造およびその粉末の酸素吸収
放出量を評価した。
【0063】酸素供給効率の指標となる酸素吸収放出量
は以下の方法で評価した。
【0064】評価用試料は、下記実施例で得られるジル
コニア粉末(50重量%)と含浸法で調製したPt担持
アルミナ粉末(50重量%)とを湿式混合して乾燥させ
て得た。この混合粉末を成形し解砕して得られる整粒粉
を常圧固定床流通反応管に充填して、800℃のモデル
ガス中で処理したあと、450℃で酸素吸収放出量を測
定した。
【0065】実施例9 濃度が0.4mol/リットルのZrOCl2水溶液2
リットルを160時間煮沸したあと、この溶液に濃度が
2mol/リットルのZrOCl2水溶液3.6リット
ルと蒸留水4.4リットルとを加えて、さらに64時間
煮沸して、平均粒径0.056μmの水和ジルコニアゾ
ルを得た。
【0066】次いで、上記の水和ジルコニアゾル含有液
に、濃度が0.5mol/リットルのCeCl3水溶液
を6リットル添加したあと(CeO2/ZrO2モル比=
27/73)、その混合溶液を撹拌しながら、濃度が1
mol/リットルのアンモニア水を、溶液のpHが9〜
10の範囲に到達するまでゆっくりと添加した。得られ
た沈殿物を濾過,水洗,乾燥させたあと、400℃の温
度で2時間焼成した。
【0067】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が103m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次
粒子の平均粒径は0.06μmであり、分散性のよい1
次粒子を形成していることが確認された。
【0068】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したとき
の、混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ23μm
ol/gであった。
【0069】実施例10 実施例9で得られた水和ジルコニア含有液0.63リッ
トルに、濃度が2mol/リットルのZrOCl2水溶
液2.25リットルと蒸留水7.12リットルとを加え
て、67時間煮沸して、平均粒径0.07μmの水和ジ
ルコニアゾルを得た。
【0070】次いで、上記の水和ジルコニアゾル含有液
に、濃度が0.5mol/リットルのCeCl3水溶液
を6.6リットル添加したあと(CeO2/ZrO2モル
比=40/60)、その混合溶液を撹拌しながら、濃度
が1mol/リットルのアンモニア水を、溶液のpHが
9〜10の範囲に到達するまでゆっくりと添加した。得
られた沈殿物を濾過,水洗,乾燥させたあと、600℃
の温度で2時間焼成した。
【0071】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が45m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.08μmであり、分散性のよい1次
粒子を形成していることが確認された。
【0072】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したとき
の、混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ38μm
ol/gであった。
【0073】実施例11 実施例10で得られた水和ジルコニア含有液1.1リッ
トルに、濃度が2mol/リットルのZrOCl2水溶
液2.48リットルと蒸留水6.42リットルとを加え
て、75時間煮沸して、平均粒径0.06μmの水和ジ
ルコニアゾルを得た。
【0074】次いで、上記の水和ジルコニアゾル含有液
に、濃度が0.5mol/リットルのCeCl3水溶液
を9リットル添加したあと(CeO2/ZrO2モル比=
45/55)、その混合溶液を撹拌しながら、濃度が1
mol/リットルのアンモニア水を、溶液のpHが9〜
10の範囲に到達するまでゆっくりと添加した。得られ
た沈殿物を濾過,水洗,乾燥させたあと、500℃の温
度で2時間焼成した。得られたジルコニア粉末は、BE
T比表面積が61m2/gであり、電子顕微鏡の観察か
ら1次粒子の平均粒径は0.07μmであり、分散性の
よい1次粒子を形成していることが確認された。
【0075】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ52μmol
/gであった。
【0076】実施例12 実施例10で得られた水和ジルコニア含有液1リットル
に、濃度が2mol/リットルのZrOCl2水溶液
2.25リットル、CeCl3の7水和物を4.1モル
(即ち、CeO2/ZrO2モル比=45/55)及び蒸
留水6.2リットルを混合した溶液を168時間煮沸し
て水和ジルコニアゾルを得た。
【0077】次いで、上記の水和ジルコニアゾル含有液
に蒸留水を加えて体積を2倍にしたあとに、撹拌しなが
ら1mol/リットルのアンモニア水を溶液のpHが9
〜10の範囲に到達するまでゆっくりと添加した。得ら
れた沈殿物を濾過,水洗,乾燥させたあと、500℃の
温度で2時間焼成した。
【0078】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が65m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.07μmであり、分散性のよい1次
粒子を形成していることが確認された。
【0079】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ56μmol
/gであった。
【0080】実施例13 濃度が0.5mol/リットルのCeCl3水溶液を1
0リットル添加(即ち、CeO2/ZrO2比=50/5
0)、焼成温度を550℃に設定した以外は、実施例1
0と同様の条件で行った。
【0081】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が54m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.08μmであり、分散性のよい1次
粒子を形成していることが確認された。
【0082】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ54μmol
/gであった。
【0083】実施例14 濃度が0.5mol/リットルのCeCl3水溶液を1
3.4リットル添加(即ち、CeO2/ZrO2比=55
/45)、焼成温度を600℃に設定した以外は、実施
例11と同様の条件で行った。
【0084】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が47m2/gであり、電子顕微鏡の観察から1次粒
子の平均粒径は0.08μmであり、分散性のよい1次
粒子を形成していることが確認された。
【0085】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ45μmol
/gであった。
【0086】比較例4 ZrOCl2水溶液濃度が0.4mol/リットル及び
CeCl3の濃度が0.04mol/リットル濃度の混
合水溶液2リットル(CeO2/ZrO2モル比=9/9
1)を、撹拌しながら、アンモニア水を溶液のpHが9
〜10の範囲に到達するまでゆっくりと添加した。
【0087】得られたゲル状沈殿物を濾過,水洗,乾燥
させたあと、1000℃の温度で2時間焼成した。得ら
れたジルコニア粉末は、BET比表面積が5m2/gで
あり、電子顕微鏡の観察から1次粒子の平均粒径は0.
5μmと大きいものであり、分散性の低い粒子であるこ
とが確認された。
【0088】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸放出量を調べたところ3μmol/g
以下であった。
【0089】比較例5 ZrOCl2水溶液濃度が0.04mol/リットル及
びCeCl3の濃度が0.4mol/リットルの混合水
溶液(即ち、CeO2/ZrO2モル比=91/9)を用
い、焼成温度を950℃に設定した以外は、比較例4と
同様の条件で行った。
【0090】得られたジルコニア粉末は、BET比表面
積が14m2/gであり、粒子間の焼結の著しい凝集粒
子であることが確認された。
【0091】次いで、Pt担持アルミナ粉末と上記のジ
ルコニア微粉末とを混合して800℃で処理したときの
混合粉末の酸素吸収放出量を調べたところ14μmol
/gであった。
【0092】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】BET比表面積が40m2/g〜200m2
    /gであり、電子顕微鏡で測定される平均粒径が0.1
    μm以下であり、かつ、電子顕微鏡で測定される平均粒
    径/BET比表面積から求められる平均粒径の比が0.
    9以上である1次粒子からなることを特徴とするジルコ
    ニア微粉末。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のジルコニア微粉末におい
    て、セリアが固溶したジルコニア微粉末であって、Ce
    2/ZrO2のモル比が5/95〜60/40であるこ
    とを特徴とするジルコニア微粉末。
  3. 【請求項3】ジルコニウム塩水溶液の加水分解で得られ
    る、平均粒径0.1μm以下の水和ジルコニアゾルを6
    50℃以下の温度で焼成することを特徴とする請求項1
    に記載のジルコニア微粉末を製造する方法。
  4. 【請求項4】請求項2のジルコニア微粉末を製造する方
    法において、ジルコニウム塩水溶液の加水分解で得られ
    る平均粒径が0.1μm以下の水和ジルコニアゾルとセ
    リウム化合物を、CeO2/ZrO2のモル比が5/95
    〜60/40の組成になるように混合し、300〜70
    0℃の温度で焼成することを特徴とするジルコニア微粉
    末の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3又は請求項4に記載のジルコニア
    粉末を製造する方法において、ジルコニウム塩水溶液の
    加水分解で得られる水和ジルコニアゾルを含有する溶液
    の一部を反応槽から連続及び/又は間欠的に排出し、か
    つ、当該水和ジルコニアゾルを含有する溶液の体積が一
    定に保たれるように、その排出量と同量のジルコニウム
    塩水溶液を連続及び/又は間欠的に反応槽に供給し、次
    いで、排出した水和ジルコニアゾルを乾燥して焼成する
    ことを特徴とするジルコニア微粉末の製造方法。
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