JPH10211774A - 印刷用ブランケット - Google Patents

印刷用ブランケット

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JPH10211774A
JPH10211774A JP32341697A JP32341697A JPH10211774A JP H10211774 A JPH10211774 A JP H10211774A JP 32341697 A JP32341697 A JP 32341697A JP 32341697 A JP32341697 A JP 32341697A JP H10211774 A JPH10211774 A JP H10211774A
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博正 大久保
Shunichi Ogita
俊一 荻田
Seiji Tomono
誠二 伴野
Takamichi Sagawa
敬道 佐川
Makoto Sakuraoka
誠 桜岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアータイプの印刷用ブランケットよりも簡
単な構造を有するために生産性にすぐれており、しかも
エアータイプの印刷用ブランケットと同様のすぐれた圧
縮特性を有する印刷用ブランケットを提供する。 【解決手段】 エラストマーを含み、周方向に継ぎ目の
ない円筒状に形成された表面印刷層13より下位に、中
空糸HF1またはHF2を一定方向に配列して形成され
た非伸縮性層12を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、とくに高速オフ
セット輪転印刷機等の高速印刷機に好適に使用される、
継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】上記の高速印刷機等にとくに好適な印刷
用ブランケットとして、周方向に継ぎ目のない円筒状の
ものがある。かかる円筒状の印刷用ブランケットは、印
刷機のブランケット胴軸に装着される円筒状のスリーブ
の外周面に、ゴム等のエラストマーを含む、多孔質でか
つ継ぎ目のない圧縮性層や、非伸縮性の線材を周方向に
らせん状に巻回して形成された非伸縮性層等を適宜、積
層し、その最上層に、同じくゴム等のエラストマーを含
む、継ぎ目のない表面印刷層を積層することにより構成
される。
【0003】上記のうち、表面印刷層より下位に多孔質
の圧縮性層を有する、いわゆるエアータイプの印刷用ブ
ランケットは、たとえば図4に二点鎖線で示すように、
上記圧縮性層を有しないソリッドタイプのもの(図中破
線で示す)に比べて、版胴等との圧接により生じるニッ
プ変形部での圧縮応力が低い。また上記エアータイプの
印刷用ブランケットは、同図に示すようにニップ変形部
での歪み量がε1 からε2 に変化した際の、圧縮応力の
変動Pa1→Pa2が、ソリッドタイプのものにおける圧縮
応力の変動Ps1→Ps2よりも小さい。
【0004】それゆえエアータイプの印刷用ブランケッ
トは衝撃吸収性がよく、たとえば印刷機の歯車の送り時
に生じる衝撃等が印刷精度に影響を及ぼすのを防止する
効果にすぐれている。また、ソリッドタイプの印刷用ブ
ランケットは、上記ニップ変形部での表面印刷層への応
力集中によって、いわゆるバルジを生じて、周方向の伸
びによる見当ずれ、紙送り不良、ダブリ、網点パターン
の変形(とくに網点の太り)等の印刷不良が発生するお
それがあるが、エアータイプのものにおいては、圧縮性
層が表面印刷層への応力集中を緩和する働きをするた
め、上記の印刷不良が発生するのを防止する効果もあ
る。
【0005】上記の圧縮性層としては、たとえば (i) 加熱により分解して気体を発生する発泡剤による、
圧縮性層を構成するマトリクスゴムの発泡や、あるいは
(ii)中空状微小粒子のマトリクスゴム中への配合等によ
り形成される、各気孔がそれぞれ独立した独立気孔構造
のものと、(iii) 食塩等の、ゴムに影響を及ぼさない溶
剤(食塩の場合は水)により抽出可能な粒子をマトリク
スゴム中に分散し、加硫した後、上記の粒子を抽出す
る、いわゆるリーチング法によって形成される、各気孔
が互いに連通した連続気孔構造のものとがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが圧縮性層を形
成するには、上述したようにいずれの構造を有するもの
においても、多くの煩雑な工程が必要であるため、エア
ータイプの印刷用ブランケットは、ソリッドタイプのも
のに比べて生産性が低いという問題があった。この発明
の目的は、エアータイプの印刷用ブランケットよりも簡
単な構造を有するために生産性にすぐれており、しかも
エアータイプの印刷用ブランケットと同様のすぐれた圧
縮特性を有する、新規な印刷用ブランケットを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、この発明の印刷用ブランケットは、周方向に継ぎ目
のない円筒状のものであって、(a) エラストマーを含
み、周方向に継ぎ目のない円筒状に形成された表面印刷
層と、(b) この表面印刷層より下位に配置された、内部
に空洞を有する中空糸を一定方向に配列して形成された
非伸縮性層とを少なくとも備えることを特徴とするもの
である。
【0008】上記構成からなる、この発明の印刷用ブラ
ンケットにおいては、上述したように非伸縮性層が、内
部に空洞を有する中空糸を一定方向に配列して形成され
ており、かかる中空糸内の空洞が、従来の圧縮性層の気
孔と同様に作用するために、圧縮性層を省略することが
できる。よってこの発明の印刷用ブランケットは、エア
ータイプの印刷用ブランケットよりも簡単な構造を有す
るために生産性にすぐれており、しかもエアータイプの
印刷用ブランケットと同様のすぐれた圧縮特性を有して
いる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の印刷用ブラン
ケットを、その実施の形態の一例を示す図面を参照しつ
つ説明する。この例の印刷用ブランケット1は、図2に
みるように円筒状のスリーブ10の外周面上に形成され
たものであって、図1(a) に示したようにスリーブ10
上に、ベース層11と、非伸縮性層12と、表面印刷層
13とをこの順に積層したものである。
【0010】上記のうち非伸縮性層12は、単繊維の中
空糸HF1を、ベース層11上に、円周方向に1層、ら
せん状に巻回することで形成されている。またこの発明
においては、上記の中空糸HF1に代えて、たとえば図
1(b) に示すように複数本の中空繊維hfを一体化した
中空糸HF2を用いてもよい。かかる中空糸HF2とし
ては、複数本の中空繊維hfを、意図的な撚りをかけず
に平行に収束して一体化した繊維束や、あるいは複数本
の中空繊維hfを撚り合わせた撚り糸などがあげられ
る。
【0011】上記の単繊維の中空糸HF1や、あるいは
中空糸HF2を構成する中空繊維hfとしては、内部に
空洞を有する従来公知の種々の合成樹脂製の繊維が、い
ずれも使用可能である。たとえば上記単繊維の中空糸H
F1、および中空糸HF2を構成する中空繊維hfはと
もに、その外形断面が円形で、かつその中心に1つだ
け、長さ方向に沿って連続的に、断面円形の空洞を設け
ており、かかる中空糸HF1、中空繊維hfはいずれ
も、圧縮に対する応力特性が均等になるという利点があ
る。
【0012】しかし、上記の外径断面、および空洞の断
面の形状はそれぞれ、円形以外の種々の形状であっても
よい。また内部の空洞は1つには限られず、2つ以上の
空洞を、互いに並行するように形成してもよい。さらに
上記空洞は、連続的でなく断続的であってもよい。上記
の中空糸HF1、HF2を構成する合成樹脂としては、
たとえばポリエステル、レーヨン、ナイロン、芳香族ポ
リアミド、アクリル系樹脂等があげられる。
【0013】かかる中空糸HF1、HF2の具体例とし
ては、これに限定されないがたとえば、特開昭53−3
5028号公報、特開昭54−50620号公報、特開
昭57−61717号公報、特開昭63−175110
号公報、特開平3−90613号公報等に開示されたも
のや、あるいは東洋紡(株)製の商品名「ニューエスア
ップ」、同じく東洋紡(株)製の商品名「RX 2
1」、同じく東洋紡(株)製の商品名「エスマーブ
ル」、同じく東洋紡(株)製のカーペット用三角中空
糸、旭化成(株)製のカーペット用三角中空糸、同じく
旭化成(株)製のカーペット用四角中空糸等があげられ
る。
【0014】非伸縮性層12が単繊維の中空糸HF1に
よって形成される場合、当該中空糸HF1の外径は、
0.1〜1.0mmであるのが好ましく、0.25〜
0.7mmであるのがさらに好ましい。中空糸HF1の
外径が上記の範囲未満では、その内部に形成される空洞
の大きさが限られるため、とくに図の例のように中空糸
HF1を、円周方向に1層のみ巻回して非伸縮性層12
を形成した際に、当該非伸縮性層12の多孔度が小さく
なって、印刷用ブランケットの圧縮特性が低下するおそ
れがある。また逆に、中空糸HF1の外径が上記の範囲
を超えた場合には、非伸縮性層12の多孔度が大きく、
圧縮応力が低くなりすぎて、印刷用ブランケットに十分
なべた着肉性を付与できないおそれがある。
【0015】また、上記単繊維の中空糸HF1における
空洞の内径は、上記外径や空洞の配置等に応じて適宜、
設定すればよいが、図に示したように中空糸HF1の中
心に1つだけ形成された空洞の場合は、0.05〜0.
5mmであるのが好ましく、0.12〜0.4mmであ
るのがさらに好ましい。空洞の内径が上記の範囲未満で
は、前記と同様に印刷用ブランケットの圧縮特性が低下
するおそれがある。また逆に、空洞の内径が上記の範囲
を超えた場合には、前記と同様に、印刷用ブランケット
に十分なべた着肉性を付与できないおそれがある。
【0016】なお中空糸内に、2つ以上の空洞を互いに
並行するように形成した場合、個々の空洞の内径は上記
の範囲未満であってもよい。一方、非伸縮性層12が、
複数本の中空繊維hfを平行に収束して、または撚り合
わせて構成される中空糸HF2によって形成される場合
には、当該中空糸HF2の外径が、0.1〜1.0mm
であるのが好ましく、0.25〜0.7mmであるのが
さらに好ましい。
【0017】中空糸HF2の外径が上記の範囲未満で
は、中空糸HF2を構成する中空繊維hfの本数にもよ
るが、各中空繊維hfの内部に形成される空洞の大きさ
が限られるため、とくに中空糸HF2を、円周方向に1
層のみ巻回して非伸縮性層12を形成した際に、当該非
伸縮性層12の多孔度が小さくなって、印刷用ブランケ
ットの圧縮特性が低下するおそれがある。また逆に、中
空糸HF2の外径が上記の範囲を超えた場合には、非伸
縮性層12の多孔度が大きく、圧縮応力が低くなりすぎ
て、印刷用ブランケットに十分なべた着肉性を付与でき
ないおそれがある。
【0018】なお中空糸HF2を構成する中空繊維hf
の外径および本数はとくに限定されず、上に述べた中空
糸HF2の外径との関係により、その外径および本数を
設定すればよい。たとえば、外径が40μm程度の中空
繊維hfを複数本、収束または撚り合わせて、外径0.
5mm程度の中空糸HF2を構成する場合には、中空繊
維hfの本数は、およそ100〜150本程度となる。
【0019】上記中空糸HF1または中空糸HF2から
なる非伸縮性層12は、従来と同様の方法により形成す
ることができる。すなわち非伸縮性層12は、中空糸H
F1または中空糸HF2を、ゴム糊を塗布したベース層
11の周囲に、張力をかけながららせん状に巻回した
後、ゴム糊を加硫して固定することにより形成される。
【0020】非伸縮性層12の多孔度は、この発明では
とくに限定されないが、10〜80%であるのが好まし
く、20〜70%であるのがさらに好ましい。非伸縮性
層12の多孔度が上記の範囲未満では、印刷用ブランケ
ットの圧縮特性が低下するおそれがあり、逆に上記の範
囲を超えた場合には、圧縮応力が低くなりすぎて、印刷
用ブランケットに十分なべた着肉性を付与できないおそ
れがある。
【0021】なお多孔度(%)は、円筒状の印刷用ブラ
ンケット1の、回転軸線を含む平面方向での、上記非伸
縮性層12の断面(図1(a) に示す断面)の断面積S1
と、上記断面での、中空糸HFの空洞の断面積の総計S
2 とから、下記式(1) により求められる。
【0022】
【数1】多孔度(%)=S2 /S1 ×100 (1) 上記非伸縮性層12とともに印刷用ブランケット1を構
成するスリーブ10、ベース層11および表面印刷層1
3は、従来同様の構成とすることができる。たとえばス
リーブ10としては、ニッケル薄板等のごく薄い金属材
料で形成されたものや、あるいはガラス繊維強化プラス
チックで形成されたもの等があげられる。
【0023】またベース層11および表面印刷層13は
それぞれ、加硫ゴムなどのエラストマーにより、継ぎ目
のない円筒状に形成される。上記両層を、それぞれ加硫
ゴムにて、継ぎ目のない円筒状に形成するには、たとえ
ばそれぞれの層用の未加硫のゴム糊を下地上、つまりベ
ース層11の場合はスリーブ10上、表面印刷層13の
場合は非伸縮性層12上に直接に、または接着用のゴム
糊を介して一面に塗布し、乾燥させたのちゴムを加硫す
ればよい。また、それぞれの層用のゴムコンパウンドか
ら形成した未加硫のゴムシートを、接着用のゴム糊を介
して、上記下地上に巻回した状態で加硫して、周方向の
継ぎ目を溶着一体化してもよい。
【0024】上記のうちベース層11を構成するゴムと
しては、たとえばアクリロニトリル−ブタジエン共重合
ゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ウレタン
ゴム(U)等の耐油性のゴムが好適に使用される。一
方、表面印刷層13を構成するゴムとしてはやはり、上
記NBR、CR、U等の耐油性のゴムが好適に使用され
る他、多硫化ゴム(T)や水素添加NBR等も使用でき
る。
【0025】上記各層の厚みは、従来と同程度でよい。
具体的には、ベース層11の厚みが0.5〜2.0mm
程度、表面印刷層15の厚みが0.1〜0.6mm程度
であるのが好ましい。印刷用ブランケット1を構成する
上記の各層は、スリーブ10に近い層から外側の層へ順
次、積層形成される。なお各層は、形成する毎に加硫し
てもよいし、複数層をまとめて加硫してもよい。
【0026】上記円筒状の印刷用ブランケット1は、印
刷機のブランケット胴軸に外挿して使用される。以上で
説明した例の印刷用ブランケット1を構成する各層のゴ
ムコンパウンドやゴム糊には、従来同様に各種の添加剤
を配合することができる。かかる添加剤としては、たと
えば加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤等
のゴムを加硫させるための薬剤の他、老化防止剤、補強
剤、充てん剤、軟化剤、可塑剤等があげられる。これら
添加剤の添加量は、従来と同程度でよい。
【0027】上記のうち加硫剤としては、たとえば硫
黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物等があげられ、こ
のうち有機含硫黄化合物としては、たとえばN,N′−
ジチオビスモルホリン等があげられ、有機過酸化物とし
ては、たとえばベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド等があげられる。また加硫促進剤としては、た
とえばテトラメチルチウラムジスルフィド、テトラメチ
ルチウラムモノスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;
ジブチルジチオカーバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカー
バミン酸亜鉛、ジメチルジチオカーバミン酸ナトリウ
ム、ジエチルジチオカーバミン酸テルル等のジチオカー
バミン酸類;2−メルカプトベンゾチアゾール、N−シ
クロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド
等のチアゾール類;トリメチルチオ尿素、N,N′−ジ
エチルチオ尿素等のチオウレア類などの有機促進剤や、
あるいは消石灰、酸化マグネシウム、酸化チタン、リサ
ージ(PbO)等の無機促進剤があげられる。
【0028】加硫促進助剤としては、たとえば亜鉛華等
の金属酸化物や、あるいはステアリン酸、オレイン酸、
綿実脂肪酸等の脂肪酸などがあげられる。加硫遅延剤と
しては、たとえばサリチル酸、無水フタル酸、安息香酸
等の芳香族有機酸;N−ニトロソジフェニルアミン、N
−ニトロソ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイ
ドロキノン、N−ニトロソフェニル−β−ナフチルアミ
ン等のニトロソ化合物などがあげられる。
【0029】老化防止剤としては、たとえば2−メルカ
プトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類;フェニル
−α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−
p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプ
ロピル−p−フェニレンジアミン等のアミン類;ジ−t
−ブチル−p−クレゾール、スチレン化フェノール等ノ
フェノール類などがあげられる。
【0030】補強剤としては主にカーボンブラックが使
用される他、シリカ系あるいはケイ酸塩系のホワイトカ
ーボン、亜鉛華、表面処理沈降性炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、タルク、クレー等の無機補強剤や、ある
いはクマロンインデン樹脂、フェノール樹脂、ハイスチ
レン樹脂(スチレン含有量の多いスチレン−ブタジエン
共重合体)等の有機補強剤も使用できる。
【0031】また充てん剤としては、たとえば炭酸カル
シウム、クレー、硫酸バリウム、珪藻土、マイカ、アス
ベスト、グラファイト等の無機充てん剤や、あるいは再
生ゴム、粉末ゴム、アスファルト類、スチレン樹脂、に
かわ等の有機充てん剤などがあげられる。軟化剤として
は、たとえば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリン酸等)、
綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワッ
クス等の、植物油系、鉱物油系、および合成系の各種軟
化剤があげられる。
【0032】可塑剤としては、たとえばジブチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、トリクレジルフォスフェ
ート等の各種可塑剤があげられる。上記以外にもゴムに
は、たとえば粘着性付与剤、分散剤、溶剤等を適宜、配
合してもよい。なお、この発明の印刷用ブランケットの
構成は、以上で説明した図の例のものには限定されず、
この発明の要旨を変更しない範囲で、種々の設計変更を
施すことができる。
【0033】また非伸縮性層12は、上記各種の中空糸
を、円周方向に2層以上、巻回して形成してもよい。2
層以上の非伸縮性層は、印刷用ブランケットを構成する
各層中で、互いに隣接させて配置してもよく、離れた位
置に配置してもよい。さらに非伸縮性層は、単繊維の中
空糸や繊維束、撚り糸等をらせん状に巻回するのでな
く、たとえば複数本、並列に配置して形成してもよい。
【0034】また前記のごとく、中空糸を2層以上、巻
回して非伸縮性層を形成する場合は、当該中空糸の外径
等の寸法は、それぞれ前記の範囲未満であってもよい。
この発明では、上記非伸縮性層以外の他の層の構成につ
いても、適宜変更することができる。要するに、表面印
刷層より下位に配置された非伸縮性層が、中空糸を一定
方向に配列して形成されていれば、その他の構成は、こ
の発明ではとくに限定されないのである。
【0035】
【実施例】以下に本発明を、実施例、比較例に基づいて
説明する。 実施例1 内径169.5mm、長さ910mm、厚み0.15m
mの、円筒状のニッケル製のスリーブの外周面に、ロー
ドケミカル(Lord Chemical) 社製のケムロック(Chemloc
k)205の層と、ケムロック(Chemlock)252Xの層の
2層構造の接着層を介して、NBR系ゴムコンパウンド
からなる、厚み2.0mmの、未加硫のゴムシートを巻
きつけた後、上記シートの表面をラッピングした状態で
加硫し、加硫後の表面を研磨して、上記接着層を含む総
厚み1.20mmの、周方向に継ぎ目のないベース層を
形成した。
【0036】つぎに上記ベース層の上に、NBR系のゴ
ム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成し、その上
に、外径断面が円形で、かつその中心に1つだけ、長さ
方向に沿って連続的に、断面円形の空洞を設けた単繊維
の、アクリル系樹脂製の中空糸〔外径0.50mm、空
洞の内径0.30mm、東洋紡(株)製のRX21〕
を、450±10gfの張力をかけながら、隣り合う中
空糸同士の間隔〔図1(a) 中のL〕が0.05mm以下
となるようにらせん状に巻回した。
【0037】ついで、上記の表面をラッピングした状態
で加硫した後、その上に未加硫のNBRを含むゴム糊に
て接着層(厚み0.05mm)を形成し、その上に、こ
れもNBRを含む表面印刷層用のゴム糊を糊引きして乾
燥させ、その表面をラッピングした状態で加硫した。そ
して加硫後の表面印刷層の表面を研磨して、前記ベース
層の上に、中空糸とその上下の接着剤層とからなる、厚
み0.60mmの非伸縮性層と、厚み0.25mmの、
周方向に継ぎ目のない表面印刷層とをこの順に積層し
て、図1(a) に示す層構成を有する、総厚み2.2mm
の、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットを製造し
た。
【0038】実施例2〜7 下記表1に示すように、外径および空洞の内径が異なる
単繊維の中空糸(いずれもアクリル樹脂製)を使用した
こと以外は実施例1と同様にして、図1(a) に示す層構
成を有する、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケット
を製造した。 実施例8 単繊維の中空糸に代えて、外径断面が円形でかつその中
心に1つだけ、長さ方向に沿って連続的に断面円形の空
洞を設けたポリエステル製の中空繊維〔外径40μm、
空洞の内径15μm、東洋紡(株)製のエスマーブル〕
を100〜150本、平行に収束した中空糸(外径0.
50mm)を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットを製造し
た。
【0039】実施例9〜17 下記表2、3に示すように、空洞の内径が異なる中空繊
維(いずれもポリエステル製)を100〜150本、撚
り合わせた中空糸(いずれも外径0.50mm)を使用
したこと以外は実施例1と同様にして、継ぎ目のない円
筒状の印刷用ブランケットを製造した。
【0040】比較例1 単繊維の中空糸に代えて、内部に空洞のない通常の綿糸
(直径0.500mm、16番手/4本撚り)を使用し
たこと以外は実施例1と同様にして、ソリッドタイプ
の、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブランケットを製造し
た。 比較例2 実施例1で使用したのと同寸法の、円筒状のニッケル製
のスリーブの外周面に、前出のケムロック205の層
と、ケムロック252Xの層の2層構造の接着層を介し
て、NBR系ゴムコンパウンドからなる、厚み2.0m
mの、未加硫のゴムシートを巻きつけた後、上記シート
の表面をラッピングした状態で加硫し、加硫後の表面を
研磨して、上記接着層を含む総厚み1.10mmの、周
方向に継ぎ目のないベース層を形成した。
【0041】つぎに上記ベース層の上に、NBR系のゴ
ム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成し、その上
に同じNBR系でかつ食塩粒が配合されたゴム糊を糊引
きして乾燥させ、その表面をラッピングした状態で加硫
した後、食塩の粒子を、70℃の温水に12時間浸漬し
て抽出するリーチング処理を行い、乾燥させて、厚み
0.30mm、マトリクスゴムのJIS C硬度90
°、多孔度40%の、連続気孔構造を有する、周方向に
継ぎ目のない圧縮性層を形成した。
【0042】つぎに上記圧縮性層の上に、NBR系のゴ
ム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成し、その上
に、内部に空洞のない通常の綿糸(直径0.250m
m)を、450±10gfの張力をかけながら、となり
あう中空糸同士の間隔が0.05mm以下となるように
らせん状に巻回した。ついで、上記の表面をラッピング
した状態で加硫した後、その上に未加硫のNBRを含む
ゴム糊にて接着層(厚み0.05mm)を形成し、その
上に、これもNBRを含む表面印刷層用のゴム糊を糊引
きして乾燥させ、その表面をラッピングした状態で加硫
した。そして加硫後の表面印刷層の表面を研磨して、前
記ベース層の上に、綿糸とその上下の接着剤層とからな
る、厚み0.3mmの非伸縮性層と、厚み0.25mm
の、周方向に継ぎ目のない表面印刷層とをこの順に積層
して、エアータイプの、継ぎ目のない円筒状の印刷用ブ
ランケットを製造した。
【0043】上記各実施例、比較例で製造した印刷用ブ
ランケットについて、以下の試験を行って、その特性を
評価した。 圧縮特性試験 各実施例、比較例のうち実施例1、8および比較例1、
2の印刷用ブランケット1を、図3に示す試験装置2の
胴軸21に外挿した状態で、その表面に、版胴のモデル
としての圧胴22を圧接して、印刷用ブランケット1を
歪ませた際に、その歪み量(mm)に応じて発生する圧
縮応力(kgf)を測定した。
【0044】結果を図5に示す。なお図5において実線
の曲線は実施例8、二点鎖線の曲線は実施例1と比較例
2、一点鎖線の曲線は比較例1の結果を示している。図
5より明らかなように実施例1の印刷用ブランケット
は、ソリッドタイプである比較例1のものと同じ簡単な
構造を有するにも拘らず、エアータイプである比較例2
のものと同じすぐれた圧縮特性を有しており、また実施
例8の印刷用ブランケットは、上記実施例1、比較例1
のものと同じ簡単な構造を有する上に、比較例2よりも
さらにすぐれた圧縮特性を有することが確認された。
【0045】周長変化率の測定 各実施例、比較例の印刷用ブランケットの周長変化率
を、それぞれ前記図3に示す試験装置2を用いて測定し
た。すなわち各印刷用ブランケット1を、前記と同様に
試験装置2の胴軸21に外装した状態で、その表面に、
版胴のモデルとしての圧胴22を所定の押し込み量で圧
接した状態で、胴軸21を所定の回転数、回転させた。
そしてその結果として生じた、胴軸21と圧胴22の回
転量のずれから、印刷用ブランケット1の周長の変化率
(%)を求めた。
【0046】測定条件は以下のとおりである。 胴軸21の直径:169.520mm 圧胴22の直径:173.915mm 圧胴22の印刷用ブランケット1への押し込み量:0.
1mm 胴軸21の回転速度:100r.p.m. 胴軸21の回転数:500回 なお測定に際しては、100回転ごとに、胴軸21に対
する、圧胴22の回転量のずれが正方向(胴軸21より
も圧胴22が多く回転する)か、負方向(胴軸21より
も圧胴22が少なく回転する)かを確認した。その結
果、いずれのものも回転量のずれは正方向であることが
わかった。
【0047】かかる周長変化率が大きい印刷用ブランケ
ットは、前述した圧縮特性が不十分であるために、印刷
画像が不鮮明化して印刷品質が悪化する。それゆえ周長
変化率は小さいほど好ましい。その具体的な数値として
は0.20%以下、とく0.15%以下が好ましい。 輝度標準偏差の測定 各実施例、比較例の印刷用ブランケットを、高速オフセ
ット転輪印刷機に装着し、墨色の油性インキを用いて、
上質紙の表面に3×3mmのべた印刷を行った。
【0048】そしてこの印刷物のべた部の輝度標準偏差
を、画像処理装置〔(株)ピアス社製のLA555〕を
用いて測定して、輝度の標準偏差が小さいほど、べた着
肉性が良好であるとの知見に基づき、実施例、比較例の
印刷用ブランケットのべた着肉性を評価した。具体的に
は、輝度標準偏差が20.0未満、とくに19.5以下
のものが、べた着肉性が良好であると評価した。
【0049】以上の結果を表1〜表4に示す。なお表
中、非伸縮性層の多孔度(%)は、前記のように式(1)
により求められる。
【0050】
【数2】多孔度(%)=S2 /S1 ×100 (1) 上記のうち非伸縮性層12の断面積S1 は、中空糸の外
径と、その上下の接着剤層の厚み(ともに0.05m
m)との和である非伸縮性層の厚みと、当該非伸縮性の
幅(つまりスリーブの長さ910mm)との積で求めら
れる。また中空糸HFの空洞の断面積の総計S2 は、当
該空洞の断面積と、中空糸HFの巻き数(ベース層上に
何回巻いたか)との積で求められる。
【0051】中空状でない綿糸を用いた比較例1、2の
非伸縮性層の多孔度は、当然ながら0(%)である。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】
【発明の効果】以上、詳述したようにこの発明によれ
ば、エアータイプの印刷用ブランケットよりも簡単な構
造を有するために生産性にすぐれており、しかもエアー
タイプの印刷用ブランケットと同様のすぐれた圧縮特性
を有する印刷用ブランケットを提供できるという特有の
作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の印刷用ブランケットの、実施の形態
の一例を示す図であって、同図(a) は部分拡大断面図、
同図(b) は、図(a) で使用した単繊維の中空糸に代えて
使用できる、複数本の中空繊維を平行に収束して一体化
した中空糸の断面図である。
【図2】上記例の印刷用ブランケットの全体を示す斜視
図である。
【図3】実施例、比較例で製造した印刷用ブランケット
の、圧縮特性を測定するための装置の正面図である。
【図4】各種構造の印刷用ブランケットの圧縮特性、す
なわち歪み量と圧縮応力との関係を示すグラフである。
【図5】実施例、比較例の印刷用ブランケットにおけ
る、上記歪み量と圧縮応力との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 印刷用ブランケット 13 表面印刷層 12 非伸縮性層 HF1、HF2 中空糸 hf 中空繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桜岡 誠 兵庫県神戸市垂水区南多聞台4丁目9番5 号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周方向に継ぎ目のない円筒状の印刷用ブラ
    ンケットであって、(a) エラストマーを含み、周方向に
    継ぎ目のない円筒状に形成された表面印刷層と、(b) こ
    の表面印刷層より下位に配置された、中空糸を一定方向
    に配列して形成された非伸縮性層とを少なくとも備えて
    いることを特徴とする印刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】中空糸が、内部に空洞を有する合成樹脂製
    の単繊維であり、その外径が0.1〜1.0mmである
    請求項1記載の印刷用ブランケット。
  3. 【請求項3】中空糸が、内部に空洞を有する合成樹脂製
    の、複数本の中空繊維を平行に収束して形成されてお
    り、その外径が0.1〜1.0mmである請求項1記載
    の印刷用ブランケット。
  4. 【請求項4】中空糸が、内部に空洞を有する合成樹脂製
    の、複数本の中空繊維を撚り合わせて形成されており、
    その外径が0.1〜1.0mmである請求項1記載の印
    刷用ブランケット。
  5. 【請求項5】非伸縮性層より下位に配置された、エラス
    トマーを含み、周方向に継ぎ目のない円筒状に形成され
    たベース層をも備えている請求項1記載の印刷用ブラン
    ケット。
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