JPH10210972A - ヒト乳頭腫ウイルスの核酸のハイブリダイゼーシヨンプローブおよびそれを使用する方法 - Google Patents

ヒト乳頭腫ウイルスの核酸のハイブリダイゼーシヨンプローブおよびそれを使用する方法

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JPH10210972A
JPH10210972A JP36932697A JP36932697A JPH10210972A JP H10210972 A JPH10210972 A JP H10210972A JP 36932697 A JP36932697 A JP 36932697A JP 36932697 A JP36932697 A JP 36932697A JP H10210972 A JPH10210972 A JP H10210972A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト乳頭腫ウイルスの核酸のハイブリダイゼ
ーシヨンおよびそれを使用する方法を提供すること。 【解決手段】 ヒト乳頭腫ウイルス型、特にヒト乳頭腫
ウイルス型C57のための核酸のハイブリダイゼーシヨ
ンプローブ、それを用いるヒト乳頭腫ウイルス型DNA
又はRNAの検出法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ、
とくにヒト乳頭腫ウイルスのタイプ35(以後「HPV
35」)、ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ43(以後
「HPV 43」)、ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ44
(以後「HPV 44」)およびヒト乳頭腫ウイルスの
タイプC57(以後「HPV C57」)のための核酸
ハイブリダイゼーションプローブ、およびそれを使用す
る方法に関する。
【0002】(A)ヒト乳頭腫ウイルスのタイプ ヒト乳頭腫ウイルス(以後「HVP」)は、種々の上皮
の病変、例えば、いぼ、コンジロームおよび異形性の原
因であるとして認められている[参照、ギッスマン(G
issman)、L.、キャンサー・サーベイズ(Cancer
Surv.)、:161(1984);プフィスター(P
fister)、H.バイオケルミカル・ファーマコロジー
(Biochem. Pharmacol.)、99:111(198
3);ダースト(Durst)、M.ら、プロシーディング
ス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ(Proc. Natl. Acad. Sci.)USA、
:3812(1983)およびボシャート(Boshar
t)、M.ら、EMBO J.、3:1151(198
4)]。頚(cervix)の異形性[頚の上皮内新形成(C
IN)としても知られている]は、頚の癌への進行;穏
和な異形性(CIN I)から、中程度の異形性(CI
N II)、重度の異形性、その場の癌(集合的にCI
N III)、および侵入性の癌への進行において、早
期の事象であると信じられている。
【0003】HPVのタイプと頚の異形性および頚の癌
との関連を検査する研究は、HPVのタイプ6、11、
16、18、31および33が性器の病変と関連するこ
とを示した[参照、ギッスマン(Gissman)、L.、キャン
サー・サーベイズ(CancerSurv.)、:161(19
84);プフィスター(Pfister)、H.バイオケルミ
カル・ファーマコロジー(Biochem.Pharmacol.)、
99:111(1983);ダースト(Durst)、M.
ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl. Acad.
Sci.)USA、80:3812(1983);ボシ
ャート(Boshart)、M.ら、EMBO J.、3:1
151(1984);デ・ヴィリアース(de Villier
s)、E.−M.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、
:932(1981);ギッスマン(Gissman)、
L.ら、ウイルス学誌(J.Virol.)、58:225
(1986)およびベウデノン(Beaudenon)、S.、
ネイチャー(Nature)、321、246(198
6)]。
【0004】HPVはそれらのDNA配列の類似性に基
づいてタイプに分けられる。2つのHPVは、それらの
DNAが50%より多く交差ハイブリダイゼーションす
る場合、同一のタイプであると分類学的に分類される。
その測定は、適度にストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件下に溶液中でハイブリダイゼーションし、
引続いてヒドロキシアパタイトのクロマトグラフィーに
よって前記DNAから二本鎖DNAを分離することによ
って実施し、前記条件は完全に塩基対の二本鎖DNAの
融点よりほぼ25℃低い(便利にはTm−25℃と記載
される)と定義される。完全に塩基対の二本鎖DNAの
融点(Tm)は、次のよく確立された式を使用して精確
に予測することができる: Tm=16.6×log[Na+]+0.4 1×%G:C+81.5−0.72×(%) (v/v)ホルムアルデヒド 上の式は、各ハイブリダイゼーションの条件において各
個々のDNAのためのTmを実験的に測定する必要なし
に、変化する塩およびホルムアルデヒドの濃度を有する
溶液中の種々のDNAについて、ストリンジェントでな
いハイブリダイゼーション条件およびストリンジェント
なハイブリダイゼーション条件を決定するための酸焦点
を設定する、便利な手段を提供する。
【0005】それぞれのHPV DNAの50%より少
なくが、ヒドロキシアパタイトへ結合する能力によって
測定しかつ定義して、溶液中で適度のストリンジェント
な条件下に交差ハイブリダイゼーションして完全にまた
は部分的に二本鎖の構造を形成することができる場合、
HPV DNAは同一のタイプであると分類学的に分離
するために十分な関連性をもたない。この方法を用いる
50%の交差ハイブリダイゼーションのカットオフは、
命名の目的で新規なHPVのタイプの割当てについての
コンセンサスな基準として用いられる。HPV DNA
の間の交差ハイブリダイゼーションの程度を測定するこ
の方法は、2つのHPV DNAが共通のタイプの異な
る分離物を表わすか、あるいは異なるタイプの分離物を
表わすかどうかを決定するために使用される方法とし
て、歴史的に応用されてきている。この基準の使用は、
HPVのタイプを決定および定義するための臨床的基準
の確立に先行する。下により詳述するように、HPVの
タイプを決定および定義するための臨床的基準(gevifa
l)は性器の病変の間のHPVのタイプの疫学的分布に基
づく。
【0006】交差ハイブリダイゼーションの程度を測定
する前述の方法は、ハイブリダイゼーション反応後、完
全にまたは部分的に二本鎖のDNA分子の形成の程度を
評価することに基づく。しかしながら、完全にまたは部
分的に二本鎖のDNA分子へのDNAの50%の転化
は、DNAのヌクレオチド配列が50%相同性であるこ
とを意味しなことに注意すべきである。
【0007】前述のように、HPVは、また、臨床的基
準に基づいてタイプに分けることができる。すなわち、
前述の交差ハイブリダイゼーションの基準によって定義
して、異なるタイプのHPVが、異なる厳しさの性器の
病変の間および異なる配置的な固体数の間の明確な疫学
的分布を示すことが観測された。
【0008】例えば、HVP 6およびHVP 11
は、両性の病変、例えば、外方に増殖するコンジローム
におよび少ない程度に平担なコンジロームと主として関
連づけられる[参照、ギッスマン(Gissman)、L.
ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl. Acad.
Sci.)USA、80:560(1983)]。HVP
6およびHVP 11は、また、悪性の上皮の癌のあ
る種の稀なタイプにおいて検出される[参照、ザショウ
(Zachow)、K.R.ら、ウイルス学誌(J. Viro
l.)、57:353(1986)]。対照的に、HVP
16、HVP 31およびHVP 33は、頚の癌お
よび他の肛門性器の癌ならびにそれらの前駆体病変にお
いて変化する頻度で検出される[参照、ダースト(Dur
st)、M.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル
・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl.
Acad. Sci.)USA、80:3812(198
3)、ボシャート(Boshart)、M.ら、EMBO
J.、3:115(1984)、ロリンクズ(Lorinc
z)、A.T.ら、ウイルス学誌(J. Virol.)、
58:225(1986)およびベウデノン(Beauden
on)、S.、ネイチャー(Nature)、321、246
(1986)]。HVP 16、HVP 18、HVP
31およびHVP 33のこの分布は、HVP 6お
よびHVP 11で感染された病変に比較して、HVP
16、HVP 18、HVP 31およびHVP 3
3で感染した頚の癌のより大きい危険またはより急速な
それへの進行を反映すると信じられる。結局、HPVの
タイプの決定は臨床的−診断的価値を有する。すなわ
ち、それは、HPVの感染の証拠を示す患者における癌
の発生の危険の評価において、重要な因子である。評価
された癌の発生の危険に基づいて、適当は治療的処置を
選択することができる。
【0009】さらに、HVP 16はアフリカよりヨー
ロッパにおいて広く流布し[ダースト(Durst)、M.
ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミ
ー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl. Acad.
Sci.)USA、80:3812(1983)]、こ
れに対してHVP 18はヨーロッパよりアフリカにお
いて広く流布する[ボシャート(Boshart)、M.ら、
EMBO J.、:1115(1984)]。
【0010】したがって、本発明の関係する範囲内で、
2つのHPVは、(1)それらが前述の交差ハイブリダ
イゼーションの程度についての基準を満足する場合、あ
るいは(2)それらが性器の病変の間で交差ハイブリダ
イゼーションの実質的に同一の疫学的分布を示しかつ、
疫学的分布を構成する同一の性器の病変と、両者とも、
交差ハイブリダイゼーションする場合、同一のタイプで
あると考えられる。
【0011】頚の癌および頚の癌に進行する可能性を有
する性器の病変の有意のパーセントが、既知のHPVの
タイプのいずれにも相当しない「新しい」HPVのタイ
プを含有することが発見された。こうして、特定のHP
Vのタイプと、頚の癌への進行の高い危険を有する性器
の病変との既知の関連に照して、これらの「新しい」H
PVのタイプを検出しかつ分類することができることに
よって、HPVの感染の証拠を有しかつこれらの「新し
い」HPVのタイプで感染しうる患者において、これら
の「新しい」HPVのタイプと関連する頚の癌の危険を
確証することができる。
【0012】(B)HPVのタイプのクローニング この分野における長い停滞した努力にかかわらず、HP
Vを生体外で細胞培養において増殖することは不可能で
あった。しかしながら、組換えDNAクローニング技術
は、多くのHPVのタイプ、例えば、HPVのタイプ
6、11、16、18、31および33、のDNAを分
離しかつ精製することを可能にした[参照、ダースト
(Durst)、M.ら、プロシーディングス・オブ・ナシ
ョナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc.Na
tl. Acad. Sci.)USA、80:3812(1
983)、ボシャート(Boshart)、M.ら、EMBO
J.、3:1151(1984)、デ・ヴィリアース
(de Villiers)、E.−M.ら、ウイルス学誌
(J. Virol.)、40:932(1981)、ギッ
スマン(Gissman)、L.ら、ウイルス学誌(J. V
irol.)、58:225(1986)、ロリンクズ(L
orincz)、A.T.ら、ウイルス学誌(J. Viro
l.)、58:225(1986)、およびベウデノン
(Beaudenon)、S.、ネイチャー(Nature)、32
、246(1986)]。HPVに関する知識の大部
分は、このような組換えDNAにおけるDNA配列の研
究および組織の試料中のHPVの検出のために、核酸の
ハイブリダイゼーションプローブを調製するために、こ
れらのDNA配列を使用することによって誘導された。
【0013】(C)ハイブリダイゼーションプローブ 前述のように、HPV DNAは異なるHPVのタイプ
に対するハイブリダイゼーションプローブとして使用さ
れた。異なるタイプの2つのHPV DNAは、このよ
うなハイブリダイゼーションプローブを使用する、スト
リンジェントなハイブリダイゼーション条件下のハイブ
リダイゼーションによって容易に区別することができ、
そしてストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
は完全に塩基対の二本鎖DNA雑種の融点よりほぼ10
℃低い(便利にはTm−10℃と記載される)と定義さ
れる。同様に、このようなハイブリダイゼーションプロ
ーブを使用する、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下のハイブリダイゼーションによって容易に
区別することができ、そしてストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件は完全に塩基対の二本鎖DNA−
RNA雑種の融点よりほぼ10℃低い(便利にはTm−
10℃と記載される)と定義される。さらに、異なるタ
イプの2つのHPV RNAは、このようなハイブリダ
イゼーションプローブを使用する、ストリンジェントな
ハイブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼーショ
ンによって容易に区別することができ、そしてストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件は完全に塩基対
の二本鎖RNA−RNA雑種の融点よりほぼ10℃低い
(便利にはTm−10℃と記載される)と定義される。
上の基準を使用して異なるタイプとして表示されるHP
V DNAまたはRNAは、事実、それらのヌクレオチ
ド配列の80%程度に多くが共通しうることに注意すべ
きである。
【0014】さらに、2つの異なるタイプのHPV D
NAは、このようなハイブリダイゼーションプローブを
使用して、ストリンジェントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件に交差ハイブリダイゼーションすることがで
き、そしてストリンジェントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件は完全に塩基対の二本鎖DNA−DNA雑種の
融点よりほぼ35℃以上低い(便利にはTm−35℃以
上と記載される)と定義される。同様に、1つのタイプ
のHPV DNAは、このようなハイブリダイゼーショ
ンプローブを使用して、ストリンジェントでないハイブ
リダイゼーション条件に、他のタイプのHPV RNA
と交差ハイブリダイゼーションすることができ、そして
ストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件は
完全に塩基対の二本鎖DNA−RNA雑種の融点よりほ
ぼ35℃以上低い(便利にはTm−35℃以上と記載さ
れる)と定義される。さらに、2つの異なるタイプのH
PVRNAは、このようなハイブリダイゼーションプロ
ーブを使用して、ストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件に交差ハイブリダイゼーションすること
ができ、そしてストリンジェントでないハイブリダイゼ
ーション条件は完全に塩基対の二本鎖RNA−RNA雑
種の融点よりほぼ35℃以上低い(便利にはTm−35
℃以上と記載される)と定義される。[参照、アンダー
ソン(Anderson)、L.M.ら、核酸のハイブリダイ
ゼーション(Nucleic Acid Hybridization)、7
3−111ページ、B.D.ヘイムス(Hames)および
S.J.ヒギンス(Higgins)編、I.R.L.プレス
(Press)、オクスフォード、英国およびワシントン、
D.C.、米国(1985)]。
【0015】同一ヌクレオチド配列のDNA−DNA、
DNA−RNAおよびRNA−RNAの融点は、種々の
化学的環境において異なることがありる。これらの種々
の雑種の関連する融点への種々の化合物の作用は、いく
つかの試薬について研究された。例えば、ホルムアルデ
ヒドの濃度を増加するとDNA−DNA雑種はDNA−
RNAよりも示差的に不安定化されるので、ホルムアル
デヒドの高い濃度、例えば、80%(v/v)において、
DNA−RNAは同一ヌクレオチド配列のDNA−DN
A雑種より有意に高い融点を有しうることはよく知られ
ている。
【0016】前述のように、DNA−DNA雑種の融点
は、アンダーソン(Anderson)、L.M.ら、核酸の
ハイブリダイゼーション(Nucleic Acid Hybridiz
ation)、73−111ページ、B.D.ヘイムス(Ha
mes)およびS.J.ヒギンス(Higgins)編、I.
R.L.プレス(Press)、オクスフォード、英国およ
びワシントン、D.C.、米国(1985)に記載され
ているYとうに、予測することができる。さらに、DN
A−DNA雑種の融点は、ホウレイ(Howley)、P.
ら、ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(J.Bio
chem.)、254:4876(1979)に記載されて
いるように、実験的に決定することができる。DNA−
RNA雑種の融点は、また、この分野においてよく知ら
れた手段によって決定することができる。
【0017】こうして、組織の試料を、一般にHPV
DNAまたはRNAおよび/またはとくにHPV DN
AまたはRNAのタイプの存在について、条件、すなわ
ち、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件ま
たはストリンジェントでないハイブリダイゼーション条
件のどちらをハイブリダイゼーションのために使用する
かに依存して、核酸のハイブリダイゼーションによって
試験することが可能である。
【0018】したがって、本発明の1つの目的は、頚の
癌および頚の癌へ進行する可能性を有する性器の病変が
「新規な」HPVのタイプを含有するかどうかを確証
し、そして含有する場合、仮定した「新規な」HPVの
タイプをクローニングすることである。
【0019】本発明の他の目的は、一般にHPVのタイ
プに対しておよびとくに「新規な」HPVのタイプに対
して特異的である、核酸のハイブリダイゼーションプロ
ーブを提供することである。
【0020】本発明のなお他の目的は、DNAまたはR
NAの未知の試料、とくに性器の病変から誘導されたD
NAまたはRNAの未知の試料中の、一般にHPVのD
NAまたはRNAおよびとくに「新規な」HPVのDN
AまたはRNAを検出して、頚の癌の発生の危険を決定
する方法を提供することである。
【0021】本発明のこれらの目的および他の目的は、
以下の本発明の詳細な説明から明らかであろう。
【0022】本発明において、本発明においてクローニ
ングした「新しい」HPVのタイプは新規なHPVのタ
イプであることが発見され、これらをHPV 35、H
PV43、HPV 44およびHPV C57と表示す
る。
【0023】こうして、1つの実施態様において、本発
明の前述の目的は、クローニングベクターおよび、それ
ぞれ、HPV 35 DNAまたはその断片の実質的に
すべて、HPV 43 DNAまたはその断片の実質的
にすべて、HPV 44 DNAまたはその断片の実質
的にすべて、またはHPV C57 DNAまたはその
断片の実質的にすべてを含んでなることを特徴とするH
PV 35、HPV43、HPV 44またはHPV
C57の組換えDNAによって満足された。
【0024】他の実施態様において、本発明の前述の目
的は、本質的に純粋なHPV 35DNAまたはその断
片、本質的に純粋なHPV 43 DNAまたはその断
片、本質的に純粋なHPV 44 DNAまたはその断
片、または本質的に純粋なHPV C57 DNAまた
はその断片;および本質的に純粋なHPV 35RNA
またはその断片、本質的に純粋なHPV 43 RNA
またはその断片、本質的に純粋なHPV 44 RNA
またはその断片、または本質的に純粋なHPV C57
RNAまたはその断片によって満足された。
【0025】なお他の実施態様において、本発明の前述
の目的は、工程: (1)ストリンジェントでない条件下に、 (a)(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 43
DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV
44 DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識
されたHPVC57 DNAまたはその断片、および
(ii)マーカーで標識されたHPV 35 RNAまた
はその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RN
Aまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
RNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識され
たHPV C57 RNAまたはその断片、から成る群
より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用し
てハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中のHVPのDNAまたはRNAを
検出する、を含んでなることを特徴とするHVPのDN
AまたはRNAを検出する方法によって満足された。
【0026】ほかの実施態様において、本発明の前述の
目的は、工程: (1)ストリンジェントな条件下に、 (a)(i)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 3
5 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHP
V 43 DNAまたはその断片、マーカーで標識され
たHPV 44 DNAまたはその断片、あるいはマー
カーで標識されたHPV C57 DNAまたはその断
片、および(ii)それぞれ、マーカーで標識されたHP
V 35 RNAまたはその断片、マーカーで標識され
たHPV 43 RNAまたはその断片、マーカーで標
識されたHPV 44 RNAまたはその断片、あるい
はマーカーで標識されたHPV C57 RNAまたは
その断片、から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、を使用してハ
イブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中の、それぞれ、HPV 35 D
NAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRN
A、HPV 44 DNAまたはRNA、あるいはHP
V C57 DNAまたはRNAを検出する、を含んで
なることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44
DNAまたはRNA、あるいはHPVC57 DNA
またはRNAを検出する方法によって満足された。
【0027】なおほかの実施態様において、本発明の前
述の目的は、工程: (1)ストリンジェントな条件下に、 (a)性器の病変のサンプリングの各性器の病変から誘
導されたDNAまたはRNAの第1分画、前記サンプリ
ングは頚の癌への疫学的進行を示す、および (b)(i)、それぞれ、マーカーで標識されたHPV
35 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたH
PV 43 DNAまたはその断片、マーカーで標識さ
れたHPV 44 DNAまたはその断片、あるいはマ
ーカーで標識されたHPV C57 DNAまたはその
断片、および(ii)それぞれ、マーカーで標識されたH
PV 35 RNAまたはその断片、マーカーで標識さ
れたHPV 43 RNAまたはその断片、マーカーで
標識されたHPV 44 RNAまたはその断片、ある
いはマーカーで標識されたHPV C57 RNAまた
はその断片、から成る群より選択される構成員、を使用
してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)ストリンジェントな条件下に、 (a)性器の病変の前記サンプリングの各性器の病変か
ら誘導されたDNAまたはRNAの第2分画、および (b)マーカーで標識された性器の病変から誘導された
DNAまたはRNAの未知の試料、を使用して、ハイブ
リダイゼーションを実施し、 (3)工程(1)におい
て得られた交差ハイブリダイゼーションの疫学的分布を
工程(2)において得られたそれおよび前記疫学的分布
を構成する各病変からのDNAの交差ハイブリダイゼー
ションと比較して、前記試料中の、それぞれ、HPV
35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまた
はRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、あるい
はHPV C57 DNAまたはRNAを検出する、を
含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV
44 DNAまたはRNA、あるいはHPVC57
DNAまたはRNAを検出する方法によって満足され
た。
【0028】従来未知のHPVのタイプが本発明におい
て発見され、そしてそれらをHPV35、HPV 4
3、HPV 44およびHPV C57と表示する。H
PV35、HPV 43、HPV 44およびHPV
C57は、本発明において最初にクローニングされ、こ
うして、一般にDNAまたはRNAの未知の試料、とく
に一般にHPV DNAまたはRNAおよびとくに性器
の病変から誘導されたDNAまたはRNAの未知の試料
において、一般にHPV DNAまたはRNA、とく
に、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、H
PV 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DN
AまたはRNA、またはHPV C57DNAまたはR
NAの検出のためのハイブリダイゼーションプローブの
調製が可能となった。
【0029】HPV 35は、ワシントン、D.C.に
おいて得られた腺癌の生検から単離およびクローニング
された。
【0030】HPV 43は、組織病理学的検査で角質
増殖のみを示す、ミシガン州から得られた陰門組織の生
検から単離およびクローニングされた。
【0031】HPV 44は、ミシガン州から得られた
陰門のコンジロームの生検から単離およびクローニング
された。
【0032】HPV C57は、ワシントン、D.C.
から得られた陰門のコンジロームの生検から単離および
クローニングされた。
【0033】最初にHPV 35、HPV 43、HP
V 44およびHPV C57をクローニングしてHP
V 35のクローン1Aおよび1B、HPV 43のク
ローン1Aおよび1B、HPV 44のクローン1およ
びHPV C57のクローン1Aおよび1Bを調製する
ために、ここに提供した実施例において使用した特定の
クローニングベクターはλ L47であった。
【0034】HPV 35のクローン1Aおよび1Bか
らのHPV 35 DNAは、pBR322(ATCC
No.37017)中においてサブクローニングして
HPV 35のクローン2Aおよび2Bを調製した。H
PV 35のクローン2Aおよび2Bは、アメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(American Type
Culture Collection)において、それぞれ、AT
CC No.40330および40331で受託され
た。
【0035】HPV 43のクローン1Aおよび1Bか
らのHPV 43 DNAは、pT713[GIBCO
/BRL、ガイサースバーグ(Gaithersburg)、マリイ
ランド州]中においてサブクローニングしてHPV 4
3のクローン2Aおよび2Bを調製した。HPV 43
のクローン2Aおよび2Bは、アメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクション(American Type Culture
Collection)において、それぞれ、ATCC No.
40338および40339で受託された。
【0036】HPV 44のクローン1からのHPV
44 DNAは、pT713[GIBCO/BRL、ガ
イサースバーグ(Gaithersburg)、マリイランド州]
中においてサブクローニングしてHPV 44のクロー
ン2を調製した。HPV 44のクローン2は、アメリ
カン・タイプ・カルチャー・コレクション(American
Type Culture Collection)において、ATCC
No.40353で受託された。
【0037】HPV C57のクローン1Aおよび1B
からのHPV C57 DNAは、pT713[GIB
CO/BRL、ガイサースバーグ(Gaithersburg)、
マリイランド州]中においてサブクローニングしてHP
V C57のクローン2Aおよび2Bを調製した。HP
V C57のクローン2Aおよび2Bは、アメリカン・
タイプ・カルチャー・コレクション(American Type
Culture Collection)において、それぞれ、AT
CC No.40341および40379で受託され
た。
【0038】HPV 35 DNAは、その全体におい
て、HPV 35のクローン2Aおよび2Bから、Bam
HI制限エンドヌクレアーゼを使用して切除し、そして
任意のよく知られた原核および真核クローニングベクタ
ー中でサブクローニングすることができた。
【0039】HPV 43 DNAは、その全体におい
て、HPV 35のクローン2AからHindIII制限
エンドヌクレアーゼを使用してそしてクローン2Bから
BamHI制限エンドヌクレアーゼを使用して切除し、そ
して任意のよく知られた原核および真核クローニングベ
クター中でサブクローニングすることができた。
【0040】HPV 44 DNAは、その全体におい
て、HPV 44のクローン2から、BamHI制限エン
ドヌクレアーゼを使用して切除し、そして任意のよく知
られた原核および真核クローニングベクター中でサブク
ローニングすることができた。
【0041】HPV C57 DNAは、その全体にお
いて、HPV C57のクローン2AからEcoRI制限
エンドヌクレアーゼを使用してそしてクローン2Bから
BamHI制限エンドヌクレアーゼを使用して切除し、そ
して任意のよく知られた原核および真核クローニングベ
クター中でサブクローニングすることができた。
【0042】HPV 35、HPV 43、HPV 4
4またはHPV C57をサブクローニングするための
使用する特定のクローニングベクターは、臨界的でな
く、そして任意の既知の原核クローニングベクター、例
えば、pUC11、λ誘導ベクター、例えば、λ シャ
ロンまたはM13誘導バクテリオファージ[参照、マニ
アチス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クロー
ニング(Molecular Cloning):実験室のマニュアル
(a laboratory manual)、コールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor
Laboratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリ
ング・ハーバー(1982)およびレネン(Loene
n)、W.A.M.ら、遺伝子(Gene)、20:249
(1980)]または任意の既知の真核クローニングベ
クター、例えば、pZIP−Neo SV[X1]またはp
BKTK−1[参照、ポウエールス(Poueels)、P.
H.ら、クローニングベクターズ(Clonig Vector
s):実験室のマニュアル(A Laboratory Manua
l)、エルセイヴェール(Elseiver)、アムステルダム
(1985)]であることができる。
【0043】HPV 35 DNA、HPV 43 D
NA、HPV 44 DNAまたはHPV C57 D
NAの断片は、同様に、それぞれ、HPV 35のクロ
ーン2Aおよび2B、HPV 43のクローン2Aおよ
び2B、HPV 44のクローン2、またはHPV C
57のクローン2Aおよび2Bから他のよく知られた制
限エンドヌクレアーゼを使用して切除し、そして前述の
クローニングベクター中でクローニングすることができ
る。同様に、HPV 35のクローン2Aおよび2B中
のHPV 35 DNA、HPV 43のクローン2A
および2B中のHPV 43 DNA、HPV 44の
クローン2中のHPV 44 DNA、またはHPV
C57のクローン2Aおよび2B中のHPV C57
DNAは、それらから切除し、一緒に結合し、そして前
述のクローニングベクター中でクローニングして、それ
ぞれ、HPV 35のゲノム、HPV 43のゲノム、
HPV 44のゲノムおよびHPV C57のゲノムの
実質的にすべてを含有するベクターを得ることができ
る。
【0044】HPV 35 DNAまたはその断片、H
PV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 D
NAまたはその断片、またはHPV C57 DNAま
たはその断片のクローニングは、一般にHPV DNA
またはRNA、とくに、それぞれ、HPV 35 DN
AまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、
HPV 44 DNAまたはRNA、またはHPV C
57 DNAまたはRNAのための核酸のハイブリダイ
ゼーションプローブを調製するために、それぞれ、大量
のHPV 35 DNAまたはその断片、HPV 43
DNAまたはその断片、HPV 44 DNAまたは
その断片、またはHPV C57 DNAまたはその断
片を比較的簡単に生産することを可能とする。
【0045】さらに、HPV 35 DNAまたはその
断片、HPV 43 DNAまたはその断片、HPV
44 DNAまたはその断片、またはHPV C57
DNAまたはその断片を、他のよく知られたクローニン
グベクター中で、サブクローニングして特定のクローニ
ングベクターの特別の性質を得るという利点を使用るこ
とができ、これらの性質は、クローニングベクター中に
挿入されたHPV 35 DNA、HPV 43 DN
A、HPV 44 DNA、またはHPV C57 D
NAに対して相同性のRNAの生体外の合成を促進する
[参照、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モレキュ
ラー・クローニング(Molecular Cloning):実験室
のマニュアル(a laboratory manual)、コールド・
スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold Spring
Harbor Laboratories)、ニューヨーク州、コール
ド・スプリング・ハーバー(1982)]。これらのク
ローニングベクターの例は、pT712およびpT713
を包含し、それらの各々はGIBCO/BRL、ガイサ
ースバーグ(Gaithersburg)、マリイランド州、から
商業的に入手可能である。HPV 35 DNAまたは
その断片、HPV 43 DNAまたはその断片、HP
V 44 DNAまたはその断片、またはHPV C5
7 DNAまたはその断片は、これらのクローニングベ
クター中にサブクローニングすることができるので、そ
れぞれ、HPV 35 DNAまたはその断片、HPV
43 DNAまたはその断片、HPV 44 DNA
またはその断片、またはHPV C57 DNAまたは
その断片は、ファージエンコーデッド(encoded)RN
Aポリメラーゼ、例えば、T7、T3またはSP6のた
めの効率よい鋳型としてはたらくことができる。このよ
うなクローニングベクターおよびこのようなRNAポリ
メラーゼを使用すると、それぞれ、HPV 35DNA
またはその断片、HPV 43 DNAまたはその断
片、HPV 44DNAまたはその断片、またはHPV
C57 DNAまたはその断片の鎖のいずれかに対し
て相補的なHPV 35 RNA、HPV 43 RN
A、HPV44 RNA、またはHPV C57 RN
Aを、この分野においてよく知られた方法を使用する生
体外転写によって合成することができる。
【0046】HPV 35 DNAまたはその断片、H
PV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 D
NAまたはその断片、またはHPV C57 DNAま
たはその断片を含有するクローニングベクターを増殖す
るための特定のバクテリアまたは真核宿主は、使用する
クローニングベクターに依存するであろう。例えば、λ
L47中でクローニングしたHPV 35 DNA、
HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまたはH
PV C57 DNAを増殖するための典型的な宿主
は、E. coli NM538[フリンシャンフ(Frins
chanf)、A.M.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラ
ー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)、170:82
7(1983)]を包含する。他の宿主、例えば、E.
coli HB101[ボイアー(Boyer)、H.W.
ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー
(J.Mol.Biol.)、41:459(1969)]は、
クローニングベクターとしてpBR322またはpUC1
1を使用するとき、用いることができる。pZIP−Ne
o SV[X1]中でクローニングしたHPV 35
DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DNA
またはHPV C57 DNAを増殖するための典型的
な宿主はサルのCos 細胞であり、これに対してpBK
TK−1中でクローニングしたHPV DNAを増殖す
るための典型的な宿主はある数のよく知られた哺乳動物
の細胞系のいずれかでらろう[例えば、ポウエールス
(Poueels)、P.H.ら、クローニングベクターズ
(Clonig Vectors):実験室のマニュアル(A La
boratory Manual)、エルセイヴェール(Elseive
r)、アムステルダム(1985)]。
【0047】一般にHPV DNAまたはRNAあるい
はとくにHPV 35 DNAまたはRNA、HPV
43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまた
はRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNA
への本発明のプローブのハイブリダイゼーションは、使
用するハイブリダイゼーション条件に依存するであろ
う。すなわち、ストリンジェントでないハイブリダイゼ
ーション条件下で、HPV 35 DNAまたはRNA
またはその断片、HPV 43 DNAまたはRNAま
たはその断片、HPV 44 DNAまたはRNAまた
はその断片、またはHPV C57 DNAまたはRN
Aまたはその断片は、一般にHPV DNAまたはRN
Aのためのハイブリダイゼーションプローブとして使用
できる。他方において、ストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件下で、HPV 35 DNAまたはR
NAまたはその断片、HPV 43 DNAまたはRN
Aまたはその断片、HPV 44 DNAまたはRNA
またはその断片、またはHPV C57 DNAまたは
RNAまたはその断片は、とくに、それぞれ、HPV3
5 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまたは
RNA、HPV 44 DNAまたはRNA、またはH
PV C57 DNAまたはRNAのためのハイブリダ
イゼーションプローブとして使用できる。
【0048】前述のように、HPVの異なるタイプのD
NAおよびRNAは、ストリンジェントでないハイブリ
ダイゼーション条件下に、すなわち、一般のグループと
してHPV DNAまたはRNAのそれに等しい塩基組
成を有する、完全に塩基対の二本鎖のDNAの融点より
ほぼ35℃以上低い温度において、交差ハイブリダイゼ
ーションすることができる。
【0049】さらに、DNAまたはRNAの未知の試料
は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
下、すなわち、一般のグループとしてHPV DNAま
たはRNAのそれに等しい塩基組成を有する、完全に塩
基対の二本鎖のDNAの融点よりほぼ10℃低い温度に
おいて、交差ハイブリダイゼーションを実施することに
よって、特定のHPVのタイプの存在について試験し、
そしてそのタイプを同定することが可能である。
【0050】本発明の方法において、ストリンジェント
でないハイブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼ
ーションは、まず、ストリンジェントでないハイブリダ
イゼーション条件下でハイブリダイゼーションし、次い
でストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件
下で洗浄することによって実施する。
【0051】さらに、本発明の方法において、ストリン
ジェントなハイブリダイゼーション条件下のハイブリダ
イゼーションは、まず、ストリンジェントでないハイブ
リダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションし、
次いでストリンジェントなハイブリダイゼーション条件
下で洗浄するか、あるいはストリンジェントなハイブリ
ダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションし、次
いでストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下
で洗浄することによって実施する。最初の方法、すなわ
ち、ストリンジェントでないハイブリダイゼーション条
件下でハイブリダイゼーションし、次いでストリンジェ
ントなハイブリダイゼーション条件下で洗浄する方法に
おいて、異なるタイプのDNAまたはRNAの間で形成
する雑種は不安定であるが、同一タイプのDNAまたは
RNAの間で形成する雑種は安定である。
【0052】DNAまたはRNAの未知の試料が使用す
るハイブリダイゼーションプローブと同一もしくは異な
るHPVのタイプをもつかどうかを決定するために、ハ
イブリダイゼーションは、好ましくは、ストリンジェン
トでないハイブリダイゼーション条件下に実施し、次い
でストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件
下で洗浄する。雑種の存在をアッセイした後、検出され
た雑種をストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下に洗浄する。この方法において、ストリンジェント
でないハイブリダイゼーション条件下のハイブリダイゼ
ーション後に残留する雑種の量を決定し、そしてストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件下の洗浄後に
存在する雑種の量と比較する。ストリンジェントなハイ
ブリダイゼーション条件下の洗浄が形成する雑種の量を
ほとんど減少しないか、あるいは最少に減少する場合、
これは本来形成した雑種、すなわち、ストリンジェント
でないハイブリダイゼーション条件下に形成した雑種
が、同一タイプのDNAまたはRNAであったことを示
す。逆に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション
条件下の洗浄後に残留する雑種が壊滅しているか、ある
いは雑種の量が非常に減少している場合、本来形成した
雑種、すなわち、ストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件下に形成した雑種は異なるタイプのDN
AまたはRNAの間のものであったことが示される。
【0053】HPV DNAまたはRNAがDNAまた
はRNAの未知の試料にストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件下に結合する能力は、高度のヌクレオ
チド配列の相同性を指示する。他方において、HPV
DNAまたはRNAがDNAまたはRNAの未知の試料
にストリンジェントでないハイブリダイゼーション条件
下においてのみ結合する能力は、低いか、あるいは中間
の程度のヌクレオチド配列の相同性を指示する。ヌクレ
オチド配列の相同性の精確な程度は、未知のDNAを直
接に配列決定し、そしてそRをHPV DNAの未知の
配列と比較することによってのみ決定することができ
る。
【0054】一般にDNAまたはRNAの未知の試料、
とくに性器の病変から誘導したDNAまたはRNAの未
知の試料中のHPV DNAまたはRNAの検出を実施
する場合において、実際的事柄として、ハイブリダイゼ
ーションプローブの混合物からなるハイブリダイゼーシ
ョンプローブ組成物を利用することは有利である。これ
らのハイブリダイゼーションプローブは、DNAまたは
RNAの未知の試料中に存在することが疑われるタイプ
のすべてまたはほとんどを代表する配列をもつプローブ
からなる。HPVのタイプ6、11、16、18、3
1、33、35、43、44およびC57を代表するD
NAまたはRNAの配列のハイブリダイゼーションプロ
ーブ混合物は、これらのHPVのタイプが性器の病変に
おいてもっとも発見されやすいと思われるので、DNA
またはRNAの未知の試料を性器の病変から誘導すると
き、とくに有利である。他の既知のHPVのタイプは、
性器の病変においてめったにあるいはけっして見出され
ない。例えば、HPVのタイプ1、2および4は、一般
に、他のタイプの病変、すなわち、皮膚のいぼ[ヘイル
マン(Heilman)、C.A.ら、ウイルス学誌(J.V
irol.)、360:395(1980)]において見出
され、こうしてHPVのタイプ1、2および4を含有す
るDNAまたはRNA配列のハイブリダイゼーションプ
ローブ混合物は、DNAまたはRNAの未知の試料が皮
膚のいぼから誘導されるとき有用でありうるが、DNA
またはRNAの未知の試料が性器の病変から誘導される
とき、有用ではない。
【0055】ハイブリダイゼーションプローブの混合物
中に使用できるHPVのタイプ6、11、16、18、
31および33の配列の例は、ギッスマン(Gissma
n)、L.、キャンサー・サーベイズ(Cancer Sur
v.)、:161(1984)、プフィスター(Pfis
ter)、H.バイオケルミカル・ファーマコロジー(Bi
ochem. Pharmacol.)、99:111(198
3)、ダースト(Durst)、M.ら、プロシーディング
ス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ(Proc. Natl. Acad. Sci.)USA、8
0:3812(1983)、ボシャート(Boshart)、
M.ら、EMBO J.、:1151(1984)、
ロリンクズ(Lorincz)、A.T.ら、ウイルス学誌
(J. Virol.)、58:225(1986)および
ベウデノン(Beaudenon)、S.、ネイチャー(Natur
e)、321、246(1986)中に記載されてい
る。さらに、ハイブリダイゼーションプローブ混合物中
に使用できるHPVのタイプ1、2および4の配列の例
は、この分野においてよく知られている[参照、ヘイルマ
ン(Heilman)、C.A.ら、ウイルス学誌(J. Vi
rol.)、360:395(1980)]。こうして、
HPV 35、HPV 43、HPV 44およびHP
V C57に関する本明細書における開示および、HP
Vのタイプ6、11、16、18、31および33関し
かつ他のHPVのタイプ、例えば、HPVのタイプ、2
および4に関する当業者の知識を用いると、ハイブリダ
イゼーションプローブの混合物は容易に調製することが
できる。
【0056】ハイブリダイゼーションプローブの混合物
において、各HPVのタイプのDNAまたはRNAの特
定の百分率は本発明において臨界的ではない。一般に、
各HPVのタイプのほぼ等モル量のDNAまたはRNA
を混合物中に使用する。
【0057】HPVの検出しかつタイプを決定する手段
として核酸のハイブリダイゼーションは、前述のように
溶液中で[参照、ロギンス(Loggins)、J.R.ら、
癌の研究(Cancer Research)、39:545(197
9)]あるいは固体の支持体上で[参照、マニアチス
(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング
(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a l
aboratory manual)、コールド・スプリング・ハーバ
ー・ラボラトリー(Cold Spring HarborLaborato
ries)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハー
バー(1982)]あるいはその場で[参照、ブリガチ
(Brigati)、D.J.ら、ウイルス学(Virol.)、
126:32(1983)およびベックマン(Beckma
n)、A.M.ら、ジャーナル・オブ・メディカル・バ
イロロジー(J. Med. Virol.)、16:265
(1985)]実施できる。
【0058】固体の支持体上のハイブリダイゼーション
は、ある数の異なる手順を使用して実施できる。1つの
このような手順は、未知のDNAまたはRNAのすべて
を精製し、それらを固体の支持体に一本鎖の形態で固定
化し、次いでHPV 35DNAまたはRNAまたはそ
の断片、HPV 43 DNAまたはRNAまたはその
断片、HPV 44 DNAまたはRNAまたはその断
片、またはHPVC57 DNAまたはRNAまたはそ
の断片とハイブリダイゼーションすることを包含する。
【0059】あるいは、精製した未知のDNAを1また
は2以上の制限エンドヌクレアーゼで消化し、そして試
料中の生ずるDNA断片を電気泳動的に分離することが
できる。次いで、DNA断片を固体の支持体に移し、そ
して標識したHPV 35DNAまたはRNAまたはそ
の断片、て標識したHPV 43 DNAまたはRNA
またはその断片、て標識したHPV 44 DNAまた
はRNAまたはその断片、またはて標識したHPV C
57 DNAまたはRNAまたはその断片とハイブリダ
イゼーションすることとができる。
【0060】その場のハイブリダイゼーションはガラス
のスライド上で実施し、そしてこの手順の最終の結果は
顕微鏡で見る。この手順において、DNAまたはRNA
は細胞から精製せず、他の細胞成分のすべてと一緒に放
置する。
【0061】HPV 35 RNAまたはその断片、H
PV 43 RNAまたはその断片、HPV 44 R
NAまたはその断片、またはHPV C57 RNAま
たはその断片は、とくに、精製したDNA、とくにな性
器の病変から精製したDNAよりはむしろ、粗製の抽出
物、とくに粗製の性器の病変の抽出物を使用するとき、
それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43 DN
A、HPV 44 HPV C57 DNAのための核
酸のハイブリダイゼーションプローブとして使用するこ
とが好ましい。
【0062】それぞれ、HPV 35 RNA、HPV
43 RNA、HPV 44 RNAまたはHPV
C57 RNAを、DNAの未知の試料中のHPV 3
5DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 DN
AまたはHPV C57DNAを検出するためのハイブ
リダイゼーションプローブとして使用するとき、ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件下の最初のハ
イブリダイゼーション後に形成したDNA−RNA雑種
は、室温において膵臓RNアーゼ[50ミリモルのNa
Cl中の約20mg/ml(pH7.0)]で処理し、次い
でストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で
洗浄することが好ましい。
【0063】HPV 35 DNAまたはその断片、H
PV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 D
NAまたはその断片またはHPV C57 DNAまた
はその断片、あるいはHPV 35 RNAまたはその
断片、HPV 43 RNAまたはその断片、HPV
44 RNAまたはその断片またはHPV C57RN
Aまたはその断片は、とくに放射性マーカー、例えば、
32P、14C、3H、125Iまたは35Sで標識するとき、そ
れぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、HPV
43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNAまた
はRNA、またはHPV C57 DNAまたはRNA
のための核酸のハイブリダイゼーションプローブとして
有用である。
【0064】HPV 35 DNAまたはその断片、H
PV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 D
NAまたはその断片またはHPV C57 DNAまた
はその断片は、例えば、リグビイ(Rigby)、P.J.
W.ら、ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジ
ー(J.Mol.Biol.)、113:237(1977)
に記載されてるように、よく知られた方法による「ニッ
ク翻訳(nick-translation)」によって、あるいは、例
えば、ディーン(Deen)、K.C.ら、アナリティカ
ル・バイオケミストリー(Anal. Biochem.)、
35:456(1983)に記載されているように、T
4 DNAポリメラーゼ置換合成によって、放射性標識
することができる。
【0065】HPV 35 RNAまたはその断片、H
PV 43 RNAまたはその断片、HPV 44 R
NAまたはその断片またはHPV C57 RNAまた
はその断片は、例えば、ダバンルー(Davanloo)、
P.ら、プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシズ(Proc. Natl. Aca
d. Sci.)USA、81:2035(1984)に
記載されているように、生体外の転写によって放射性マ
ーカーで標識することができる。RNAポリメラーゼは
標識された前駆体を利用できるので、標識されたRNA
をこの方法によって合成して、一般にHPV DNAま
たはRNA、あるいはとくにHPV 35DNAまたは
RNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV
44 DNAまたはRNA、またはHPV C57 D
NAまたはRNAの検出のために、それぞれ、HPV
35 RNA プローブ、HPV 43 RNA プロ
ーブ、HPV 44 RNA プローブまたはHPV
C57 RNA プローブを調製することが可能であ
る。標識RNAを合成するために使用できる標識前駆体
は、放射性マーカー、例えば、32P、14C、125Iまた
35Sを含有する前駆体を包含する。
【0066】HPV 35 DNAまたはその断片、H
PV 43 DNAまたはその断片、HPV 44 D
NAまたはその断片またはHPV C57 DNAまた
はその断片、あるいはHPV 35 RNAまたはその
断片、HPV 43 RNAまたはその断片、HPV
44 RNAまたはその断片またはHPV C57RN
Aまたはその断片は、また、とくに非放射性マーカー、
例えば、ビオチン、酵素または蛍光性基を使用して標識
するとき、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44
DNAまたはRNA、またはHPV C57 DNA
またはRNAのための核酸ハイブリダイゼーションプロ
ーブとして有用である。ビオチンは、ハプテン様基とし
て作用し、そしてDNAまたはRNAに結合することが
でき、そしてアビジン接合酵素またはストレプトアビジ
ン接合酵素をビオチンに結合し、次いで洗浄して非特異
的に結合した酵素を除去することによって検出すること
ができる。酵素のための適当な基質を添加すると、基質
の着色した生成物への転化を検出することができる[参
照、レアリー(Leary)、J.J.ら、プロシーディン
グス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
シズ(Proc.Natl. Acad. Sci.)USA、
:4045(1983)]。このような酵素の例は、
アルカリ性ホスファターゼおよびセイヨウワサビペルオ
キシダーゼを包含する。さらに、蛍光性分子、例えば、
フルオレセインおよびローダミンをアビジンまたはスト
レプトアビジンに化学的に接合して、そして非放射性マ
ーカーとして使用できる。
【0067】あるいは、前述の酵素または蛍光性分子
は、例えば、レンズ(Renz)、M.ら、EMBO
J.、:817(1983)に記載されているよう
に、HPV35 DNAまたはその断片、HPV 43
DNAまたはその断片、HPV44 DNAまたはそ
の断片またはHPV C57 DNAまたはその断片、
あるいはHPV 35 RNAまたはその断片、HPV
43 RNAまたはその断片、HPV 44 RNA
またはその断片またはHPV C57 RNAまたはそ
の断片に直接化学的に接合し、そしてこの方法でハイブ
リダイゼーションプローブとして使用できる。
【0068】このように標識したHPV 35 DNA
またはその断片、HPV 43 DNAまたはその断
片、HPV 44 DNAまたはその断片またはHPV
C57 DNAまたはその断片、あるいはHPV 3
5 RNAまたはその断片、HPV 43 RNAまた
はその断片、HPV 44 RNAまたはその断片また
はHPV C57 RNAまたはその断片は、前述のよ
うに、DNAまたはRNAの未知の試料、とくに性器の
病変から誘導したDNAまたはRNAの未知の試料を使
用するハイブリダイゼーションの研究において使用し
て、試料が、一般にHPV DNAまたはRNA、とく
に、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV 43
DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C57
DNAを含有するかどうかを決定することができる。
【0069】DNAの未知の試料は、性器の病変から誘
導されることに加えて、他の病変、例えば、のど、口ま
たは皮膚の病変から誘導することができる。
【0070】DNAまたはRNAの未知の試料は、例え
ば、上皮の病変を生検すること、頚をこすること、ある
いは頚をスワッビング(swabbing)して剥脱した細胞を
得ることによって得ることができる。さらに、DNAま
たはRNAの未知の試料は、マニアチス(Maniati
s)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Molecula
rCloning):実験室のマニュアル(a laboratory ma
nual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリ
ー(Cold Spring Harbor Laboratories)、ニュ
ーヨーク州、コールド・スプリング・ハーバー(198
2)およびギッスマン(Gissman)、L.、キャンサー
・サーベイズ(Cancer Surv.)、:161−181
(1984)に記載されているような、よく知られた手
段によって、その中で病変からのDNAをクローニング
した細胞からDNAまたはRNAの未知の試料を得るこ
とができる。
【0071】本発明の方法において、交差ハイブリダイ
ゼーションのためのアッセイは、前記核酸雑種と関連し
た放射性または非放射性マーカーの存在についてアッセ
イすることによって実施できる。特定のマーカーが存在
するかどうかを決定するための方法は、使用するマーカ
ーに依存し、そしてこの分野においてよく知られてい
る。
【0072】HPV 35 DNAまたはRNA、HP
V 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNA
またはRNA、またはHPV C57 DNAまたはR
NAの検出が、性器の病変から誘導したDNAまたはR
NAの未知の試料の交差ハイブリダイゼーションの疫学
的分布と、それぞれ、HPV 35 DNA、HPV4
3 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C5
7 DNAのそれとの比較に基づく、本発明の実施態様
において、DNAまたはRNAの未知の試料は、適度に
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下に、
すなわち、2つのHPVが共通のタイプの異なる分離物
を表わすかどうか、あるいは異なるタイプの分離物を表
わすかどうかを決定するためにヒドロキシアパタイトの
クロマトグラフィーを使用して、それぞれ、HPV 3
5 DNA、HPV 43 DNA、HPV 44 D
NAまたはHPV C57 DNAとの50%より少な
い交差ハイブリダイゼーションを示すことがあり、しか
も、ここにおける定義によって、それぞれ、なおHPV
35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAま
たはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、また
はHPV C57DNAまたはRNAと考えることがで
きる。結局、また、試料中において、それぞれ、HPV
35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAま
たはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、また
はHPV C57 DNAまたはRNAを検出するため
に、疫学的分布を構成する各病変の交差ハイブリダイゼ
ーションを比較することが必要である。これは、異なる
HPVのタイプが同一のあるいは同様な疫学的分布を示
すことがあるからである。しかしながら、疫学的分布を
構成うる同一の病変が、それぞれ、HPV 35 DN
A、HPV 43DNA、HPV 44 DNAまたは
HPV C57 DNA、および性器の病変から誘導し
たDNAまたはRNAの未知の試料の両者と交差ハイブ
リダイゼーションすることを立証することによって、性
器の病変から誘導した未知のDNAまたはRNAの試料
が、それぞれ、HPV 35 DNAまたはRNA、H
PV43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNA
またはRNA、またはHPV C57 DNAまたはR
NAであると明確に結論することが可能である。
【0073】下にいっそう詳しく説明するように、HP
V 35 DNAまたはRNAは、穏和な異形成から侵
入性の癌までの頚の病変のほぼ1%〜4%で存在するこ
とが発見された。こうして、HPV 35 DNAまた
はRNAは種々の等級の頚の病変中にむしろ均一に分布
している。
【0074】HPV 43 DNAまたはRNAは、両
性の頚の病変(例えば、穏和な異形成)のほぼ1%〜4
%で存在することが発見されたが、侵入性の癌において
見出されなかった。こうして、HPV 43 DNAま
たはRNAは低い等級の頚の病変中にのみ存在するよう
に思われる。
【0075】HPV 44 DNAまたはRNAは、両
性の頚の病変のほぼ1%〜4%で存在することが発見さ
れたが、侵入性の癌において見出されなかった。こうし
て、HPV 44 DNAまたはRNAは低い等級の頚
の病変中にのみ存在するように思われる。
【0076】HPV C57 DNAまたはRNAは、
両性の頚の病変のほぼ1%〜4%で存在することが発見
され、そして侵入性の癌の4%で見出された。こうし
て、HPV C57 DNAまたはRNAは低い等級の
頚の病変および癌中に存在するように思われる。他方に
おいて、他のHPVのタイプ、例えば、HPVのタイプ
6、11、16、18および31は、種々の等級の頚の
病変において異なる分布を示す。
【0077】こうして、HPV 35 DNAまたはR
NA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 4
4 DNAまたはRNA、またはHPV C57 DN
AまたはRNAの検出が、性器の病変から誘導したDN
AまたはRNAの未知の試料の交差ハイブリダイゼーシ
ョンの疫学的分布と、それぞれ、HPV 35 DN
A、HPV 43 DNA、HPV 44 DNAまた
はHPV C57 DNAのそれとの比較に基づく、本
発明の実施態様において、性器の病変から誘導したDN
AまたはRNAの未知の試料は頚の病変と交差ハイブリ
ダイゼーションするであろう。交差ハイブリダイゼーシ
ョンのこのような疫学的分布が、性器の病変から誘導し
たDNAまたはRNAの未知の試料で発見された場合、
このDNAまたはRNAの未知の試料は、それぞれ、H
PV 35 DNAまたはRNA、HPV 43 DN
AまたはRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、
またはHPV C57 DNAまたはRNAであること
がある。疫学的分布を構成する同一の病変が、また、性
器の病変から誘導したDNAまたはRNAの未知の試料
と交差ハイブリダイゼーションすることを立証すること
によって、性器の病変から誘導したDNAまたはRNA
の未知の試料は、それぞれ、HPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV
44 DNAまたはRNA、またはHPV C57
DNAまたはRNAであると結論することができる。
【0078】本発明においてハイブリダイゼーションプ
ローブとして使用できるHPV 35 DNAまたはH
PV 35 RNAの断片、HPV 43 DNAまた
はHPV 43 RNAの断片、HPV 44 DNA
またはHPV 44 RNAの断片、またはHPV C
57 DNAまたはHPV C57 RNAの断片の特
定の大きさは、臨界的ではない。HPV 35 DNA
またはHPV 35RNAの断片、HPV 43 DN
AまたはHPV 43 RNAの断片、HPV 44
DNAまたはHPV 44 RNAの断片、またはHP
V C57DNAまたはHPV C57 RNAの断片
の大きさは、一本鎖または二本鎖のプローブを使用する
かどうかに依存して、約15〜約8000塩基または塩
基対、好ましくは約300〜約800塩基または塩基対
であることができる。ハイブリダイゼーションをその場
で実施するとき、HPV 35 DNAまたはHPV3
5 RNAの断片、HPV 43 DNAまたはHPV
43 RNAの断片、HPV 44 DNAまたはH
PV 44 RNAの断片、またはHPVC57 DN
AまたはHPV C57 RNAの断片の大きさは、約
500塩基または塩基対より小さいことが好ましい。な
ぜなら、この大きさの断片は、約1000塩基または塩
基対より大きいHPV DNAまたはHPV RNAよ
り効率的にその場でハイブリダイゼーションするからで
ある。二本鎖のDNAまたはRNAを使用するとき、D
NAまたはRNAはハイブリダイゼーションの実施前に
変性しなくてはならない。
【0079】HPV 35 DNAの断片、HPV 4
3 DNAの断片、HPV 44DNAの断片またはH
PV C57 DNAの断片は、それぞれ、HPV 3
5のクローン2Aおよび2B、HPV 43のクローン
2Aおよび2B、HPV44のクローン2、またはHP
V C57のクローン2Aまたは2Bの制限エンドヌク
レアーゼの消化によって、あるいは商業的に入手可能な
合成装置を使用してこのようなんものを合成的につくこ
とによって、あるいはよく知られた手段[サンガー(S
anger)、S.ら、プロシーディングス・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Proc. Na
tl. Acad. Sci.)USA、74:5363(1
977)]によって決定できるHPV 35 DNAの
配列、HPV 43 DNAの配列、HPV 44 D
NAの配列またはHPV C57 DNAの配列を使用
して、よく知られた化学的方法によって、得ることがで
きる。
【0080】HPV 35 DNAまたはRNA、HP
V 43 DNAまたはRNA、HPV 44 DNA
またはRNA、またはHPV C57 DNAまたはR
NAを検出するとき、それぞれ、HPV 35 ゲノ
ム、HPV 43 ゲノム、HPV 44 ゲノムまた
はHPV C57 ゲノムの実質的にすてをハイブリダ
イゼーションプローブとして使用することが好ましい。
【0081】次の実施例により本発明をさらに説明す
る。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意
図しない。特記しないかぎり、すべての部、百分率、比
などは重量による。
【0082】
【実施例】
実施例1 (A)HPV 35 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、ワ
シントン、D.C.から得た頚の腺癌の生検物であっ
た。合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.
ら、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloni
ng):実験室のマニュアル(a laboratory manua
l)、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
(Cold Spring Harbor Laboratories)、ニュー
ヨーク州、コールド・スプリング・ハーバー(198
2)に記載されているようにして精製した。より詳しく
は、組織を細かく分割し、次いで1.0mlの50ミリモ
ルのトリス−HCl、pH8.0[0.6%(w/v)のド
デシル硫酸ナトリウムおよび50μg/mlのプロイテナ
ーゼKを含有する]中で37℃において1夜消化した。
生ずる消化物を1.0mlのフェノール:クロロホルム
(1:1(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の
90%(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを
水性相から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモル
のトリス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.
0(以後「TE 緩衝液」)中に約1.0mg/mlの濃度
で再溶解した。
【0083】DNAをPstIで完全に消化し、1%(v
/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、そしてDN
Aを、サザーン(Southern)、E.M.、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.
Biol.)、98:503(1975)に記載されてい
るように、ニトロセルロースフィルターに移した。次い
で、フィルターをストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31から
のDNAでプロービングした。ハイブリダイゼーション
は、43℃において、1.0モルのNaCl、50ミリモ
ルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、1.0ミ
リモルのEDTA、2%(w/v)のドデシル硫酸ナトリ
ウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μg/mlのtR
NAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜実施
した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC
(1×SSCは0.15モルのNaCl+0.015モル
のクエン酸ナトリウムである)、10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA
および0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム中で
実施した。ハイブリダイゼーションは、HPVタイプ
6、11、16、18および31でストリンジェントで
ない条件下に達成されたが、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下に達成されなかった。
【0084】得られた精製したDNAおよびλ L47
BamHI制限エンドヌクレアーゼで消化した。これは
3.75kbおよび4.1kbの断片を生成し、その合計、
すなわち、7.85kbは乳頭腫ウイルスのゲノムについ
て典型的な大きさであった。これらの断片の各々をλ
L47の単一のBamHI部位中にクローニングした。よ
り詳しくは、2.0μgの得られた精製したDNAおよ
び2.0μgのλ L47 DNAを10単位のBam
Iで、合計容量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1
時間切断した。次いで、生ずる反応混合物を400μl
のTE 緩衝液で希釈し、そして前述のように等体積の
フェノール:クロロホルムでフェノール抽出した。次い
で、水性相をクロロホルム:イソアミルアルコール(2
4:1(v/v))で抽出し、そして水性相からのDNA
を80%(v/v)のエタノールで沈殿させ、そして乾燥
した。次いで、乾燥したDNAを10μlの66ミリモ
ルのトリス−HCl、6.6ミリモルのMgCl2、10ミ
リモルのDTTおよび1.0ミリモルのATPからなる
1×リガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2時
間インキュベーションしてλアームをアニールした。次
に、0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約
1単位、および0.5μlの10ミリモルのATP、pH
7.0、を反応溶液に添加し、そして結合を12℃で1
夜進行させた。
【0085】次に、結合生成物をパッケージングして感
染性ファージを形成し、そしてE.coli NM538を
感染させるために使用した。より詳しくは、10g/lの
トリプトンおよび5.0g/lのNaClからなるアガロー
ス平板(以後、「TN 培地」)上で増殖するE. co
li NM538の単一のコロニーを選択し、そして振盪
プラットホーム(250rpm)上の20mlのTN 培地
中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖させた。
次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈し、そし
て3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorvall)HB
−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.2
5中に再懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
【0086】パッケージングした感染性ファージを、商
業的に入手可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッ
ケージングシステムで調製した[参照、マニアチス(M
aniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratorie
s)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバ
ー(1982)]。
【0087】0.5モルのトリス−HCl(pH8.
0)、0.1モルのNaCl、0.01モルのMgSO4
よび0.01%(w/v)のゼラチンからなるファージ貯
蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/9c
m直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたファ
ージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試
験管中で、前述のように調製したE. coli NM53
8の100μlに添加し、おだやかに混合しそして室温
において15分間インキュベーションした。次いで、細
胞−ファージ溶液を、1リットルにつき10gのトリプ
チカーゼ大豆ブロス、5.0gのNaClおよび15gの寒
天を含むトリプチカーゼ大豆ブロス寒天平板(これは少
なくとも1日前に調製されかつ37℃に前もって加温さ
れている)上にプレイティングした。その後、10ミリ
モルのMgSO4中に溶解した0.5%のアガロース(超
純粋、電気泳動等級)からなるアガロースのオーバーレ
イ(overlay)(溶液が沸騰するまでマイクロ波の炉内
で加熱し、次いで使用前45℃に冷却してある)の3〜
5mlを、プレイティングした細胞−ファージの上に配置
した。アガロースが固化した後、平板を循環が良好な3
7℃の通風インキュベーターに移し、ここで平板の蓋に
割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉じ、そして平板
を倒立させた。8〜12時間後、プラークが現われるよ
うになった。
【0088】感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生
じた。HPV DNAを有する組換えファージは、ベン
トン(Benton)、W.D.ら、サイエンス(Scienc
e)、196:180(1977)に記載されるよう
に、「プラークリフト(plaque lifts)」を実施するこ
とによって局在化した。さらに詳しくは、全面溶菌の平
板を4℃に1時間配置してアガロースを固化させた。次
いで、ニトロセルロースフィルターの適当な大きさの片
を、その中央においてたわませることによって、平板の
中央に接触させ、そして中央の点をへりに向けて動かせ
ることによって配置した。次いで、4つの非対称の孔を
ニトロセルロースフィルターおよび寒天を通して小さい
ゲージの針で開け、そして孔の位置を永久的マーカーで
平板の底にしるしをした。これにより、陽性のシグナル
を含有するニトロセルロースフィルターおよび他の領域
を、平板上の対応する位置に関係づけることができた。
10分後、ニトロセルロースフィルターを除去し、そし
てプラークが上方を向くようにして、ニトロセルロース
フィルターを、200mlの0.5モルのNaOH、2.
0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置することに
よって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロース
フィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、
2.0モルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬する
ことによって中和した。次に、フィルターを0.9モル
のNaCl、0.09モルのクエン酸ナトリウムからなる
6×SSC中で1分間すすぎ、ワットマン3MM紙で乾
燥し、次いで80℃において真空下に30分間ベーキン
グした。
【0089】その後、プローブとして「ニック翻訳」に
より32Pで標識したHPV 16DNAを使用するスト
リンジェントでないハイブリダイゼーションを、リフト
したプラークから分離したDNAについて実施し[参
照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.ら、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.B
iol.)、113:237(1977)およびマニアチ
ス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニン
グ(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Labo
ratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・
ハーバー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジ
オグラフィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダ
イゼーションは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)
のホルムアミド、50ミリモルのN−トリス(ヒドロキ
シメチル)−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以
後「TES」)、10×デンハルト溶液、0.1ミリモル
のEDTAおよび10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)からなる溶液中で41℃において実施した。
次いで、ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ンは、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC
(0.165モルのNaClおよび0.0165モルのク
エン酸ナトリウムからなる)を使用して52℃において
実施した。
【0090】放射性露出の部位と対応づけることによっ
て、HPV 16 DNAにハイブリダイゼーションし
たDNAを含有する、ファージを含有する平板の領域を
切除し、そして前述のようにE. coli NM538を
再感染させるために使用した。HPV DNAを含有す
るファージのプラークの局在化は、上の手順を反復する
ことによって達成した。スクリーニングした2×105
のプラークのうちから7つのプラークが同定され、そし
て3つのタイプのクローンが見出された。2つのクロー
ンは3.75kbのインサートを示し、2つのクローンは
4.1kbのインサートを示し、そして2つのクローンは
4.3kbのインサートを示した。すべての同様な大きさ
のクローンは同一の制限地図を有した。3.75kbおよ
び4.1kbのクローンは交差ハイブリダイゼーションし
なかった。しかしながら、4.3kbのクローンは3.7
5kbのクローンと相同性であり、そしてまたヒトゲノム
のDNAと相同性であることがわかった。これから示唆
されるように、これらのクローンはヒトDNAおよびH
PV 35 DNAの組込まれたコピーの間の接合断片
を含有し、こうしてそれ以上分析しなかった。3.75
kbの断片を含有するクローンはHPV 35 クローン
1Aと表示し、そして4.1kbの断片を含有するクロー
ンはHPV 35 クローン1Bと表示した。
【0091】次いで、HPV 35 クローン1Aおよ
び1BのHPV DNAをBamHIで消化し、そしてp
BR322の単一のBamHI部位中でサブクローニング
した。得られる組換えDNAをHPV 35 クローン
2Aおよび2Bと表示した。HPV 35 クローン2
Aおよび2Bは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コ
レクション(American Type Culture Collectio
n)に、それぞれ、ATCC No.40330およびA
TCC No.40331で受託された。
【0092】(B)HPV 35 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 35 クロ
ーン2Aおよび2BDNAついて実施して、HPV 3
5 クローン2Aおよび2Bが新しいHPVのタイプで
あることを立証した。
【0093】より詳しくは、HPV 35 クローン2
Aおよび2Bから調製した32P「ニック翻訳した」DN
Aを、ストリンジェントな条件下にサザンブロッティン
グによって、HPVのタイプ1〜34からのDNAの
5.0ngに対してハイブリダイゼーションした。HPV
のタイプ1〜34からのDNAは、インスティチュート
・パスツール(Institut Pasteur)(フランス国パ
リ)のゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HP
Vのタイプの表示の譲渡人、およびパピロマ・レファラ
ンス・センター(Pappilloma Reference Center)
(西ドイツ国ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ
・ビリアース(Ethel−Michelle deVilliers)博士
から、ニトロセルロースフィルター上に予備固定化され
た形態で入手した。より詳しくは、ハイブリダイゼーシ
ョンは、41℃において、1.0モルのNaCl、28%
(v/v)のホルムアミド、50ミリモルのN−トリスT
ES、10×デンハルト溶液、0.5ミリモルのEDT
Aおよび20ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)からなる溶液中で実施した。次いで、ストリンジェ
ントな洗浄を、65℃において、10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)、0.1ミリモルのEDTA
中の0.03×SSC(0.0045モルのNaClおよ
び0.00045モルのクエン酸ナトリウムからなる)
を使用して実施した。
【0094】有意の相同性はHPV 35 クローン2
Aおよび2Bの組換えDNAとHPVタイプ6、11、
16、18および31との間でストリンジェントでない
ハイブリダイゼーション条件下に検出されたが、ストリ
ンジェントなハイブリダイゼーション条件下でHPVの
タイプ1〜34のいずれを使用しても相同性は観測され
ず、こうしてHPV 35 クローン2Aおよび2Bは
新しいHPVのタイプを表わすことが立証された。
【0095】2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 35についての制限エンドヌクレアーゼ地図を
第1図に示す。次の制限エンドヌクレアーゼはHPV
35 DNAを切断しなかった:SphI、XabI、Nco
IおよびHpaI。
【0096】3、ゲノムの構成 HPV 35のゲノムがHPV 6への同一または同様
なオープンリーディングフレームを有することを立証す
るために、次のハイブリダイゼーションの研究を実施し
た。HPV 35 クローン2Aおよび2Bから精製し
たDNAを、前述のように、ストリンジェントでない条
件下およびストリンジェントな条件下にプローブとして
HPV 6 DNAの32P「ニック翻訳した」断片を使
用してサザンブロッティングにかけた。より詳しくは、
BamHI直線化HPV 6bクローンの断片を、Eco
IおよびPstIで発生させ、次いでゲル精製し、32Pで
ニック翻訳し、そして次のものを含有するサザンブロッ
トをプロービングするために使用した:(a)HPV
35 クローン2A DNAの精製したBamHI断片の
PstI制限消化物または(b)HPV 35 クローン
2B DNAの精製したBamHI断片のPvuII−Pst
I制限消化物。第2図に示す結果が立証するように、H
PV 35 クローン2Aおよび2BのDNAはHPV
6と同一のゲノムの構成を有する。
【0097】4、疫学的分布 HPV 35 クローン2Aおよび2Bから調製したハ
イブリダイゼーションプローブはストリンジェントな条
件下にHPV 35 DNAのみに対して効率よくハイ
ブリダイゼーションすること、およびこれらのハイブリ
ダイゼーションプローブはHPV 35を含有する性器
の病変を検出するためにかつ他のHPVのタイプ、例え
ば、6、11、16、18、31または33のDNAを
含有する性器の病変とこのような性器の病変を区別する
ために使用できることを立証するために、ワシントン、
D.C.の首都圏(マリイランド州およびバージニア州
を含む)およびミシガン州および周辺の州からの、剥脱
した細胞を含有する頚の生検物および頚のスワブの収集
物のDNAを、ストリンジェントな条件下およびストリ
ンジェントでない条件下の核酸のハイブリダイゼーショ
ンによって、HPV35に対して特異的なプローブを包
含する、種々のHPVのタイプに対して特異的なプロー
ブを使用して、特定のHPV DNAの存在について分
析した。生検物を二分し、この試料の半分は普通の光学
顕微鏡のための処理し、そして他方の半分は凍結し、そ
して分子の分析のために−20℃で貯蔵した。サザンブ
ロットのハイブリダイゼーションを実施する組織は、低
温保持装置上で区画して、DNAの抽出のための材料を
得た。ほぼすべての1/18の区画をヘマトキシリンお
よびエオシン着色で着色し、そして顕微鏡的に検査し
て、この組織の試料が光学顕微鏡によって分析される試
料の一部に匹敵することを確証した。剥脱した頚の細胞
は、標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗布(pap s
mear)によって、対をなす試料について分析し、それら
の他方をDNAの分析のために使用した。
【0098】高分子量のDNAを、前述のように試料か
ら調製した。精製した細胞のDNAの1〜10μgをPs
tIまたはBamHIで消化し、そして消化した試料を
1.0%(w/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、
そしてニトロセルロースフィルターに移した。その後、
ハイブリダイゼーションを、前述のようにストリンジェ
ントな条件下に、前述のタイプからのニック翻訳した32
P標識HPV DNAを使用して実施した。(HPV
35 DNAについて、HPV 35 クローン2Aお
よび2BからのHPV DNAの混合物を使用した。)
註:HPV DNAはpBR322または関連するベク
ター中で増殖するので、組織試料中のpBR322およ
び関係するベクター様配列との反応の可能性を最小とす
るために、すべてのプローブは電気泳動的に精製して、
関係するベクター配列のほとんどを除去した。追加のハ
イブリダイゼーションを、また、標識したpBR322
および関係するベクターの存在下に実施して、組織試料
中のプラスミド様配列による、潜在的な誤った陽性の物
質を明らかにした。結果を下表1に示す。表1における
結果は第3図にグラフで示されている。
【0099】
【表1】
【0100】表1および第3図が立証するように、HP
V 35を含有する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブ
リダイゼーションの程度に基準および引続くヒドロキシ
アパタイトのクロマトグラフィーによってばかりでな
く、かつまた、性器の病変の明確な集団、すなわち、他
のHPVのタイプを含有するものに比較して、HPV3
5 DNAを含有するもの、を特異的に検出しかつ同定
するHPV 35 DNA プローブの能力によって、
他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、
31および33、を含有する生検物と区別することがで
きる。さらに、表1および第3図中の結果が示すよう
に、頚に生検物の間のHPV 35 DNAの疫学的分
布はいくつかの他のHPVのタイプについて見出される
ものと区別される。
【0101】実施例2 (A)HPV 43 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、ミ
シガン州から得た陰門角質増殖症の生検物であった。合
計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning):
実験室のマニュアル(a laboratory manual)、コー
ルド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Cold
Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク
州、コールド・スプリング・ハーバー(1982)に記
載されているようにして精製した。より詳しくは、組織
を細かく分割し、次いで1.0mlの50ミリモルのトリ
ス−HCl、pH8.0[0.6%(w/v)のドデシル硫
酸ナトリウムおよび50μg/mlのプロイテナーゼKを
含有する]中で37℃において1夜消化した。生ずる消
化物を1.0mlのフェノール:クロロホルム(1:1
(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の90%
(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水性相
から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリ
ス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以
後「TE 緩衝液」)中に約1.0mg/mlの濃度で再溶
解した。
【0102】DNAをPstIで完全に消化し、1%(v
/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、そしてDN
Aを、サザーン(Southern)、E.M.、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.
Biol.)、98:503(1975)に記載されてい
るように、ニトロセルロースフィルターに移した。次い
で、フィルターをストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31から
のDNAでプロービングした。ハイブリダイゼーション
は、43℃において、1.0モルのNaCl、50ミリモ
ルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、1.0ミ
リモルのEDTA、2%(w/v)のドデシル硫酸ナトリ
ウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μg/mlのtR
NAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜実施
した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC
(1×SSCは0.15モルのNaCl+0.015モル
のクエン酸ナトリウムである)、10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA
および0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム中で
実施した。ハイブリダイゼーションは、HPVタイプ
6、11、16、18および31でストリンジェントで
ない条件下に達成されたが、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下に達成されなかった。
【0103】得られた精製したDNAおよびλ L47
BamHI制限エンドヌクレアーゼ(これは6.3kbの
断片を生成した)またはHindIII(これは2.85k
bの断片を生成した)で消化した。その合計、すなわ
ち、9.15kbは乳頭腫ウイルスのゲノムより大きい。
マッピングにより、6.3kbおよび2.85kbの断片は
それらの長さの1.55kbについて重複することを示し
た。6.3kbおよび2.85kbの断片によって表わされ
る重複しないHPV配列の量は、7.6kbすなわちHP
V ゲノムの典型的な大きさのほぼ96%である。より
詳しくは、2.0μgの得られた精製したDNAおよび
2.0μgのλ L47 DNAを10単位のBamHI
で、合計容量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時
間切断した。次いで、生ずる反応混合物を400μlの
TE 緩衝液で希釈し、そして前述のように等体積のフ
ェノール:クロロホルムでフェノール抽出した。次い
で、水性相をクロロホルム:イソアミルアルコール(2
4:1(v/v))で抽出し、そして水性相からのDNA
を80%(v/v)のエタノールで沈殿させ、そして乾燥
した。次いで、乾燥したDNAを10μlの66ミリモ
ルのトリス−HCl、6.6ミリモルのMgCl2、10ミ
リモルのDTTおよび1.0ミリモルのATPからなる
1×リガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2時
間インキュベーションしてλアームをアニールした。次
に、0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約
1単位、および0.5μlの10ミリモルのATP、pH
7.0、を各反応溶液に添加し、そして結合を12℃で
1夜進行させた。
【0104】次に、結合生成物をパッケージングして感
染性ファージを形成し、そしてE.coli NM538を
感染させるために使用した。より詳しくは、10g/lの
トリプトンおよび5.0g/lのNaClからなるアガロー
ス平板(以後、「TN 培地」)上で増殖するE. co
li NM538の単一のコロニーを選択し、そして振盪
プラットホーム(250rpm)上の20mlのTN 培地
中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖させた。
次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈し、そし
て3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorvall)HB
−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.2
5中に再懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
【0105】パッケージングした感染性ファージを、商
業的に入手可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッ
ケージングシステムで調製した[参照、マニアチス(M
aniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratorie
s)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバ
ー(1982)]。
【0106】0.5モルのトリス−HCl(pH8.
0)、0.1モルのNaCl、0.01モルのMgSO4
よび0.01%(w/v)のゼラチンからなるファージ貯
蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/9c
m直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたファ
ージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試
験管中で、前述のように調製したE. coli NM53
8の100μlに添加し、おだやかに混合しそして室温
において15分間インキュベーションした。次いで、細
胞−ファージ溶液を、1リットルにつき10gのトリプ
チカーゼ大豆ブロス、5.0gのNaClおよび15gの寒
天を含むトリプチカーゼ大豆ブロス寒天平板(これは少
なくとも1日前に調製されかつ37℃に前もって加温さ
れている)上にプレイティングした。その後、10ミリ
モルのMgSO4中に溶解した0.5%のアガロース(超
純粋、電気泳動等級)からなるアガロースのオーバーレ
イ(overlay)(溶液が沸騰するまでマイクロ波の炉内
で加熱し、次いで使用前45℃に冷却してある)の3〜
5mlを、プレイティングした細胞−ファージの上に配置
した。アガロースが固化した後、平板を循環が良好な3
7℃の通風インキュベーターに移し、ここで平板の蓋に
割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉じ、そして平板
を倒立させた。8〜12時間後、プラークが現われるよ
うになった。
【0107】感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生
じた。HPV DNAを有する組換えファージは、ベン
トン(Benton)、W.D.ら、サイエンス(Scienc
e)、196:180(1977)に記載されるよう
に、「プラークリフト(plaquelifts)」を実施するこ
とによって局在化した。さらに詳しくは、全面溶菌の平
板を4℃に1時間配置してアガロースを固化させた。次
いで、ニトロセルロースフィルターの適当な大きさの片
を、その中央においてたわませることによって、平板の
中央に接触させ、そして中央の点をへりに向けて動かせ
ることによって配置した。次いで、4つの非対称の孔を
ニトロセルロースフィルターおよび寒天を通して小さい
ゲージの針で開け、そして孔の位置を永久的マーカーで
平板の底にしるしをした。これにより、陽性のシグナル
を含有するニトロセルロースフィルターおよび他の領域
を、平板上の対応する位置に関係づけることができた。
10分後、ニトロセルロースフィルターを除去し、そし
てプラークが上方を向くようにして、ニトロセルロース
フィルターを、200mlの0.5モルのNaOH、2.
0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置することに
よって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロース
フィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、
2.0モルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬する
ことによって中和した。次に、フィルターを0.9モル
のNaCl、0.09モルのクエン酸ナトリウムからなる
6×SSC中で1分間すすぎ、ワットマン3MM紙で乾
燥し、次いで80℃において真空下に30分間ベーキン
グした。
【0108】その後、プローブとして「ニック翻訳」に
より32Pで標識したHPV 16DNAを使用するスト
リンジェントでないハイブリダイゼーションを、リフト
したプラークから分離したDNAについて実施し[参
照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.ら、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.B
iol.)、113:237(1977)およびマニアチ
ス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニン
グ(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Labo
ratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・
ハーバー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジ
オグラフィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダ
イゼーションは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)
のホルムアミド、50ミリモルのN−トリス(ヒドロキ
シメチル)−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以
後「TES」)、10×デンハルト溶液、0.1ミリモル
のEDTAおよび10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)からなる溶液中で41℃において実施した。
次いで、ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ンは、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC
(0.165モルのNaClおよび0.0165モルのク
エン酸ナトリウムからなる)を使用して52℃において
実施した。
【0109】放射性露出の部位と対応づけることによっ
て、HPV 16 DNAにハイブリダイゼーションし
たDNAを含有する、ファージを含有する平板の領域を
切除し、そして前述のようにE. coli NM538を
再感染させるために使用した。HPV DNAを含有す
るファージのプラークの局在化は、上の手順を反復する
ことによって達成した。BamHI消化DNAを使用する
クローニングからスクリーニングした1.65×105
のプラークのうちから1つのプラークが同定された。ク
ローニングした断片は6.3kbの大きさを示し、そして
HPV 43クローン1Aと表示した。HindIII消
化DNAを使用するクローニングからスクリーニングし
た9×104のプラークのうちから1つのプラークが同
定された。クローニングした断片は2.85kbの大きさ
を示し、そしてHPV 43クローン1Bと表示した。
【0110】次いで、HPV 43 クローン1Aおよ
び1BのHPV DNAを、それぞれ、BamHIまたは
HindIIIで消化し、そしてpBR322の単一のBam
HIまたはHindIII部位中でサブクローニングし
た。得られる組換えDNAをHPV 43 クローン2
Aおよび2Bと表示した。HPV 43 クローン2A
および2Bは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ
クション(AmericanType Culture Collection)
に、それぞれ、ATCC No.40338およびAT
CC No.40339で受託された。
【0111】(B)HPV 43 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 43 クロ
ーン2Aおよび2BDNAついて実施して、HPV 4
3 クローン2Aおよび2Bが新しいHPVのタイプで
あることを立証した。
【0112】より詳しくは、HPV 43 クローン2
Aおよび2Bから調製した32P「ニック翻訳した」DN
Aを、ストリンジェントな条件下にサザンブロッティン
グによって、HPVのタイプ1〜42からのDNAの
5.0ngに対してハイブリダイゼーションした。HPV
のタイプ1〜42からのDNAは、インスティチュート
・パスツール(Institut Pasteur)(フランス国パ
リ)のゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HP
Vのタイプの表示の譲渡人、パピロマ・レファランス・
センター(Pappilloma Reference Center)(西ド
イツ国ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリ
アース(Ethel−Michelle de Villiers)博士か
ら、およびライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテ
ッド(LifeTechnologies,Inc.)から、ニトロセル
ロースフィルター上に予備固定化された形態で入手し
た。より詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃
において、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホル
ムアミド、50ミリモルのN−トリス TES、10×
デンハルト溶液、0.5ミリモルのEDTAおよび20
ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる溶
液中で実施した。次いで、ストリンジェントな洗浄を、
65℃において、10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×
SSC(0.0045モルのNaClおよび0.0004
5モルのクエン酸ナトリウムからなる)を使用して実施
した。
【0113】有意の相同性はHPV 43 クローン2
Aおよび2Bの組換えDNAと他のHPVのタイプとの
間でストリンジェントでないハイブリダイゼーション条
件下に検出されたが、ストリンジェントなハイブリダイ
ゼーション条件下でHPVのタイプ1〜42のいずれを
使用しても相同性は観測されず、こうしてHPV 43
クローン2Aおよび2Bは新しいHPVのタイプを表
わすことが立証された。
【0114】2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 43 クローン2Aおよび2Bについての制限
エンドヌクレアーゼ地図を第4図に示す。次の制限エン
ドヌクレアーゼはHPV 43 DNAを切断しなかっ
た:EcoRIおよびSphI。
【0115】3、ゲノムの構成 HPV 43のゲノムがHPV 6への同一または同様
なオープンリーディングフレームを有することを立証す
るために、次のハイブリダイゼーションの研究を実施し
た。HPV 43 クローン2Aおよび2Bから精製し
たDNAを、前述のように、ストリンジェントでない条
件下およびストリンジェントな条件下にプローブとして
HPV 6 DNAの32P「ニック翻訳した」断片を使
用してサザンブロッティングにかけた。より詳しくは、
BamHI直線化HPV 6bクローンの断片を、Eco
IおよびPstIで発生させ、次いでゲル精製し、32Pで
ニック翻訳し、そして次のものを含有するサザンブロッ
トをプロービングするために使用した:(a)HPV
43 クローン2A DNAの精製したBamHI断片の
PstI制限消化物またはHPV 43 クローン2B
DNAの精製したHindIII断片のPstI制限消化
物。第5図に示す結果が立証するように、HPV 43
クローン2Aおよび2BのDNAはHPV 6と同一
のゲノムの構成を有する。
【0116】4、疫学的分布 HPV 43 クローン2Aおよび2Bから調製したハ
イブリダイゼーションプローブはストリンジェントな条
件下にHPV 43 DNAのみに対して効率よくハイ
ブリダイゼーションすること、およびこれらのハイブリ
ダイゼーションプローブはHPV 43を含有する性器
の病変を検出するためにかつ他のHPVのタイプ、例え
ば、6、11、16、18、31または33のDNAを
含有する性器の病変とこのような性器の病変を区別する
ために使用できることを立証するために、ワシントン、
D.C.の首都圏(マリイランド州およびバージニア州
を含む)およびミシガン州および周辺の州からの、剥脱
した細胞を含有する頚の生検物および頚のスワブの収集
物のDNAを、ストリンジェントな条件下およびストリ
ンジェントでない条件下の核酸のハイブリダイゼーショ
ンによって、HPV43に対して特異的なプローブを包
含する、種々のHPVのタイプに対して特異的なプロー
ブを使用して、特定のHPV DNAの存在について分
析した。生検物を二分し、この試料の半分は普通の光学
顕微鏡のための処理し、そして他方の半分は凍結し、そ
して分子の分析のために−20℃で貯蔵した。サザンブ
ロットのハイブリダイゼーションを実施する組織は、低
温保持装置上で区画して、DNAの抽出のための材料を
得た。ほぼすべての1/18の区画をヘマトキシリンお
よびエオシン着色で着色し、そして顕微鏡的に検査し
て、この組織の試料が光学顕微鏡によって分析される試
料の一部に匹敵することを確証した。剥脱した頚の細胞
は、標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗布(pap s
mear)によって、対をなす試料について分析し、それら
の他方をDNAの分析のために使用した。
【0117】高分子量のDNAを、前述のように試料か
ら調製した。精製した細胞のDNAの1〜10μgをPs
tIまたはBamHIで消化し、そして消化した試料を
1.0%(w/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、
そしてニトロセルロースフィルターに移した。その後、
ハイブリダイゼーションを、前述のようにストリンジェ
ントな条件下に、前述のタイプからのニック翻訳した32
P標識HPV DNAを使用して実施した。(HPV
43 DNAについて、HPV 43 クローン2Aお
よび2BからのHPV DNAの混合物を使用した。)
註:HPV DNAは、pT713、pBR322または
関連するベクター中で増殖するので、組織試料中のpT
713、pBR322および関係するベクター様配列と
の反応の可能性を最小とするために、すべてのプローブ
は電気泳動的に精製して、関係するベクター配列のほと
んどを除去した。追加のハイブリダイゼーションを、ま
た、標識したpBR322および関係するベクターの存
在下に実施して、組織試料中のプラスミド様配列によ
る、潜在的な誤った陽性の物質を明らかにした。結果を
下表2に示す。表2における結果は第6図にグラフで示
されている。
【0118】
【表2】
【0119】表2および第6図が立証するように、HP
V 43を含有する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブ
リダイゼーションの程度に基準および引続くヒドロキシ
アパタイトのクロマトグラフィーによってばかりでな
く、かつまた、性器の病変の明確な集団、すなわち、他
のHPVのタイプを含有するものに比較して、HPV4
3 DNAを含有するもの、を特異的に検出しかつ同定
するHPV 43 DNA プローブの能力によって、
他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、
31および33、を含有する生検物と区別することがで
きる。さらに、表2および第6図中の結果が示すよう
に、頚に生検物の間のHPV 43 DNAの疫学的分
布はいくつかの他のHPVのタイプについて見出される
ものと区別される。
【0120】実施例3 (A)HPV 44 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、ミ
シガン州から得た陰門コンジロームの生検物であった。
合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、
モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Col
d Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク
州、コールド・スプリング・ハーバー(1982)に記
載されているようにして精製した。より詳しくは、組織
を細かく分割し、次いで1.0mlの50ミリモルのトリ
ス−HCl、pH8.0[0.6%(w/v)のドデシル硫
酸ナトリウムおよび50μg/mlのプロイテナーゼKを
含有する]中で37℃において1夜消化した。生ずる消
化物を1.0mlのフェノール:クロロホルム(1:1
(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の90%
(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水性相
から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリ
ス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以
後「TE 緩衝液」)中に約1.0mg/mlの濃度で再溶
解した。
【0121】DNAをPstIで完全に消化し、1%(v
/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、そしてDN
Aを、サザーン(Southern)、E.M.、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.
Biol.)、98:503(1975)に記載されてい
るように、ニトロセルロースフィルターに移した。次い
で、フィルターをストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31から
のDNAでプロービングした。ハイブリダイゼーション
は、43℃において、1.0モルのNaCl、50ミリモ
ルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、1.0ミ
リモルのEDTA、2%(w/v)のドデシル硫酸ナトリ
ウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μg/mlのtR
NAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜実施
した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC
(1×SSCは0.15モルのNaCl+0.015モル
のクエン酸ナトリウムである)、10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA
および0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム中で
実施した。ハイブリダイゼーションは、HPVタイプ
6、11、16、18および31でストリンジェントで
ない条件下に達成されたが、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下に達成されなかった。
【0122】得られた精製したDNAおよびλ L47
BamHI制限エンドヌクレアーゼ(これは7.8kbの
断片を生成した)で消化した。これは乳頭腫ウイルスの
ゲノムについて典型的である。この断片をλ L47の
単一のBamHI中にクローニングした。より詳しくは、
2.0μgの得られた精製したDNAおよび2.0μgの
λ L47 DNAを10単位のBamHIで、合計容量
50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時間切断した。
次いで、生ずる反応混合物を400μlのTE 緩衝液
で希釈し、そして前述のように等体積のフェノール:ク
ロロホルムでフェノール抽出した。次いで、水性相をク
ロロホルム:イソアミルアルコール(24:1(v/
v))で抽出し、そして水性相からのDNAを80%(v
/v)のエタノールで沈殿させ、そして乾燥した。次い
で、乾燥したDNAを10μlの66ミリモルのトリス
−HCl、6.6ミリモルのMgCl2、10ミリモルのD
TTおよび1.0ミリモルのATPからなる1×リガー
ゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2時間インキュ
ベーションしてλアームをアニールした。次に、0.5
μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約1単位、お
よび0.5μlの10ミリモルのATP、pH7.0、を
各反応溶液に添加し、そして結合を12℃で1夜進行さ
せた。
【0123】次に、結合生成物をパッケージングして感
染性ファージを形成し、そしてE.coli NM538を
感染させるために使用した。より詳しくは、10g/lの
トリプトンおよび5.0g/lのNaClからなるアガロー
ス平板(以後、「TN 培地」)上で増殖するE. co
li NM538の単一のコロニーを選択し、そして振盪
プラットホーム(250rpm)上の20mlのTN 培地
中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖させた。
次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈し、そし
て3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorvall)HB
−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.2
5中に再懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
【0124】パッケージングした感染性ファージを、商
業的に入手可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッ
ケージングシステムで調製した[参照、マニアチス(M
aniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratorie
s)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバ
ー(1982)]。
【0125】0.5モルのトリス−HCl(pH8.
0)、0.1モルのNaCl、0.01モルのMgSO4
よび0.01%(w/v)のゼラチンからなるファージ貯
蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/9c
m直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたファ
ージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試
験管中で、前述のように調製したE. coli NM53
8の100μlに添加し、おだやかに混合しそして室温
において15分間インキュベーションした。次いで、細
胞−ファージ溶液を、1リットルにつき10gのトリプ
チカーゼ大豆ブロス、5.0gのNaClおよび15gの寒
天を含むトリプチカーゼ大豆ブロス寒天平板(これは少
なくとも1日前に調製されかつ37℃に前もって加温さ
れている)上にプレイティングした。その後、10ミリ
モルのMgSO4中に溶解した0.5%のアガロース(超
純粋、電気泳動等級)からなるアガロースのオーバーレ
イ(overlay)(溶液が沸騰するまでマイクロ波の炉内
で加熱し、次いで使用前45℃に冷却してある)の3〜
5mlを、プレイティングした細胞−ファージの上に配置
した。アガロースが固化した後、平板を循環が良好な3
7℃の通風インキュベーターに移し、ここで平板の蓋に
割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉じ、そして平板
を倒立させた。8〜12時間後、プラークが現われるよ
うになった。
【0126】感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生
じた。HPV DNAを有する組換えファージは、ベン
トン(Benton)、W.D.ら、サイエンス(Scienc
e)、196:180(1977)に記載されるよう
に、「プラークリフト(plaque lifts)」を実施すること
によって局在化した。さらに詳しくは、全面溶菌の平板
を4℃に1時間配置してアガロースを固化させた。次い
で、ニトロセルロースフィルターの適当な大きさの片
を、その中央においてたわませることによって、平板の
中央に接触させ、そして中央の点をへりに向けて動かせ
ることによって配置した。次いで、4つの非対称の孔を
ニトロセルロースフィルターおよび寒天を通して小さい
ゲージの針で開け、そして孔の位置を永久的マーカーで
平板の底にしるしをした。これにより、陽性のシグナル
を含有するニトロセルロースフィルターおよび他の領域
を、平板上の対応する位置に関係づけることができた。
10分後、ニトロセルロースフィルターを除去し、そし
てプラークが上方を向くようにして、ニトロセルロース
フィルターを、200mlの0.5モルのNaOH、2.
0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置することに
よって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロース
フィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、
2.0モルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬する
ことによって中和した。次に、フィルターを0.9モル
のNaCl、0.09モルのクエン酸ナトリウムからなる
6×SSC中で1分間すすぎ、ワットマン3MM紙で乾
燥し、次いで80℃において真空下に30分間ベーキン
グした。
【0127】その後、プローブとして「ニック翻訳」に
より32Pで標識したHPV 16DNAを使用するスト
リンジェントでないハイブリダイゼーションを、リフト
したプラークから分離したDNAについて実施し[参
照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.ら、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.B
iol.)、113:237(1977)およびマニアチ
ス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニン
グ(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Labo
ratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・
ハーバー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジ
オグラフィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダ
イゼーションは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)
のホルムアミド、50ミリモルのN−トリス(ヒドロキ
シメチル)−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以
後「TES」)、10×デンハルト溶液、0.1ミリモル
のEDTAおよび10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)からなる溶液中で41℃において実施した。
次いで、ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ンは、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC
(0.165モルのNaClおよび0.0165モルのク
エン酸ナトリウムからなる)を使用して52℃において
実施した。
【0128】放射性露出の部位と対応づけることによっ
て、HPV 16 DNAにハイブリダイゼーションし
たDNAを含有する、ファージを含有する平板の領域を
切除し、そして前述のようにE. coli NM538を
再感染させるために使用した。HPV DNAを含有す
るファージのプラークの局在化は、上の手順を反復する
ことによって達成した。スクリーニングした2×105
のプラークのうちから6つのプラークが同定された。す
べてのクローンは同一の制限地図を有した。クローンの
1つをそれ以上の研究のために選択し、そしてHPV
44 クローン1と表示した。
【0129】次いで、HPV 44 クローン1のHP
V DNAをBamHIで消化し、そしてpT713の単
一のBamHI部位中でサブクローニングした。得られる
組換えDNAをHPV 44 クローン2と表示した。
HPV 44 クローン2は、アメリカン・タイプ・カ
ルチャー・コレクション(American Type Culture
Collection)にATCC No.40353で受託さ
れた。
【0130】(B)HPV 44 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV 44 クロ
ーン2 DNAついて実施して、HPV 44 クロー
ン2が新しいHPVのタイプであることを立証した。
【0131】より詳しくは、HPV 44 クローン2
から調製した32P「ニック翻訳した」DNAを、ストリ
ンジェントな条件下にサザンブロッティングによって、
HPVのタイプ1〜43からのDNAの5.0ngに対し
てハイブリダイゼーションした。HPVのタイプ1〜4
3からのDNAは、インスティチュート・パスツール
(Institut Pasteur)(フランス国パリ)のゲラル
ド・オース(Gerard Orth)博士、HPVのタイプの
表示の譲渡人、およびパピロマ・レファランス・センタ
ー(Pappilloma Reference Center)(西ドイツ国
ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリアース
(Ethel−Michelle de Villiers)博士から、およ
びライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド(L
ife Technologies,Inc.)から、ニトロセルロース
フィルター上に予備固定化された形態で入手した。より
詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃におい
て、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホルムアミ
ド、50ミリモルのN−トリスTES、10×デンハル
ト溶液、0.5ミリモルのEDTAおよび20ミリモル
のリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる溶液中で実
施した。次いで、ストリンジェントな洗浄を、65℃に
おいて、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×SSC
(0.0045モルのNaClおよび0.00045モル
のクエン酸ナトリウムからなる)を使用して実施した。
【0132】有意の相同性はHPV 44 クローン2
の組換えDNAと他のHPVのタイプとの間でストリン
ジェントでないハイブリダイゼーション条件下に検出さ
れたが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条
件下でHPVのタイプ1〜43のいずれを使用しても相
同性は観測されず、こうしてHPV 44 クローン2
は新しいHPVのタイプを表わすことが立証された。
【0133】2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV 44 クローン2についての制限エンドヌクレ
アーゼ地図を第7図に示す。次の制限エンドヌクレアー
ゼはHPV 44 DNAを切断しなかった:BglI、
BglII、ClaI、EcoRV、HindIII、NruI、
SalI、SphI、SstIおよびXhoI。
【0134】3、ゲノムの構成 HPV 44のゲノムがHPV 6への同一または同様
なオープンリーディングフレームを有することを立証す
るために、次のハイブリダイゼーションの研究を実施し
た。HPV 44 クローン2から精製したDNAを、
前述のように、ストリンジェントでない条件下およびス
トリンジェントな条件下にプローブとしてHPV 6
DNAの32P「ニック翻訳した」断片を使用してサザン
ブロッティングにかけた。より詳しくは、BamHI直線
化HPV 6bクローンの断片を、EcoRIおよびPst
Iで発生させ、次いでゲル精製し、32Pでニック翻訳
し、そしてHPV 44 クローン2 DNAの精製し
HpaI断片のNcoI制限消化物を含有するサザンブロ
ットをプロービングするために使用した。第8図に示す
結果が立証するように、HPV 44 クローン2のD
NAはHPV 6と同一のゲノムの構成を有する。
【0135】4、疫学的分布 HPV 44 クローン2から調製したハイブリダイゼ
ーションプローブはストリンジェントな条件下にHPV
44 DNAのみに対して効率よくハイブリダイゼー
ションすること、およびこれらのハイブリダイゼーショ
ンプローブはHPV 44を含有する性器の病変を検出
するためにかつ他のHPVのタイプ、例えば、6、1
1、16、18、31または33のDNAを含有する性
器の病変とこのような性器の病変を区別するために使用
できることを立証するために、ワシントン、D.C.の
首都圏(マリイランド州およびバージニア州を含む)お
よびミシガン州および周辺の州からの、剥脱した細胞を
含有する頚の生検物および頚のスワブの収集物のDNA
を、ストリンジェントな条件下およびストリンジェント
でない条件下の核酸のハイブリダイゼーションによっ
て、HPV 44に対して特異的なプローブを包含す
る、種々のHPVのタイプに対して特異的なプローブを
使用して、特定のHPV DNAの存在について分析し
た。生検物を二分し、この試料の半分は普通の光学顕微
鏡のための処理し、そして他方の半分は凍結し、そして
分子の分析のために−20℃で貯蔵した。サザンブロッ
トのハイブリダイゼーションを実施する組織は、低温保
持装置上で区画して、DNAの抽出のための材料を得
た。ほぼすべての1/18の区画をヘマトキシリンおよ
びエオシン着色で着色し、そして顕微鏡的に検査して、
この組織の試料が光学顕微鏡によって分析される試料の
一部に匹敵することを確証した。剥脱した頚の細胞は、
標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗布(pap smea
r)によって、対をなす試料について分析し、それらの
他方をDNAの分析のために使用した。
【0136】高分子量のDNAを、前述のように試料か
ら調製した。精製した細胞のDNAの1〜10μgをPs
tIまたはBamHIで消化し、そして消化した試料を
1.0%(w/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、
そしてニトロセルロースフィルターに移した。その後、
ハイブリダイゼーションを、前述のようにストリンジェ
ントな条件下に、前述のタイプからのニック翻訳した32
P標識HPV DNAを使用して実施した。註:HPV
DNAは、pT713または関連するベクター中で増
殖するので、組織試料中のpT713および関係するベ
クター様配列との反応の可能性を最小とするために、す
べてのプローブは電気泳動的に精製して、関係するベク
ター配列のほとんどを除去した。追加のハイブリダイゼ
ーションを、また、標識したpT713またはpBR32
2および関係するベクターの存在下に実施して、組織試
料中のプラスミド様配列による、潜在的な誤った陽性の
物質を明らかにした。結果を下表3に示す。表3におけ
る結果は第9図にグラフで示されている。
【0137】
【表3】
【0138】表3および第9図が立証するように、HP
V 44を含有する頚の生検物は、溶液中の交差ハイブ
リダイゼーションの程度に基準および引続くヒドロキシ
アパタイトのクロマトグラフィーによってばかりでな
く、かつまた、性器の病変の明確な集団、すなわち、他
のHPVのタイプを含有するものに比較して、HPV4
4 DNAを含有するもの、を特異的に検出しかつ同定
するHPV 44 DNA プローブの能力によって、
他のHPVのタイプ、例えば、6、11、16、18、
31および33、を含有する生検物と区別することがで
きる。さらに、表3および第9図中の結果が示すよう
に、頚に生検物の間のHPV 44 DNAの疫学的分
布はいくつかの他のHPVのタイプについて見出される
ものと区別される。
【0139】実施例4 (A)HPV C57 DNAのクローニング 使用した出発物質は、数ミリグラムの組織から成る、ミ
シガン州から得た陰門コンジロームの生検物であった。
合計のDNAは、マニアチス(Maniatis)、T.ら、
モレキュラー・クローニング(Molecular Clonin
g):実験室のマニュアル(a laboratory manual)、
コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー(Col
d Spring Harbor Laboratories)、ニューヨーク
州、コールド・スプリング・ハーバー(1982)に記
載されているようにして精製した。より詳しくは、組織
を細かく分割し、次いで1.0mlの50ミリモルのトリ
ス−HCl、pH8.0[0.6%(w/v)のドデシル硫
酸ナトリウムおよび50μg/mlのプロイテナーゼKを
含有する]中で37℃において1夜消化した。生ずる消
化物を1.0mlのフェノール:クロロホルム(1:1
(v/v))で2回抽出した。次いで、2容量の90%
(v/v)のエタノールの添加によって、DNAを水性相
から沈殿させた。沈殿したDNAを10ミリモルのトリ
ス、1.0ミリモルのEDTA緩衝液、pH8.0(以
後「TE 緩衝液」)中に約1.0mg/mlの濃度で再溶
解した。
【0140】DNAをPstIで完全に消化し、1%(v
/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、そしてDN
Aを、サザーン(Southern)、E.M.、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.
Biol.)、98:503(1975)に記載されてい
るように、ニトロセルロースフィルターに移した。次い
で、フィルターをストリンジェントでないハイブリダイ
ゼーション条件(Tm−35℃)およびストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件(Tm−10℃)にお
いてHPVタイプ6、11、16、18および31から
のDNAでプロービングした。ハイブリダイゼーション
は、43℃において、1.0モルのNaCl、50ミリモ
ルのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)、1.0ミ
リモルのEDTA、2%(w/v)のドデシル硫酸ナトリ
ウム、0.1%(w/v)のゼラチン、50μg/mlのtR
NAおよび30%(w/v)のホルムアミド中で1夜実施
した。30分の洗浄を55℃において1.2×SSC
(1×SSCは0.15モルのNaCl+0.015モル
のクエン酸ナトリウムである)、10ミリモルのリン酸
ナトリウム(pH7.4)、1.0ミリモルのEDTA
および0.5%(w/v)のドデシル硫酸ナトリウム中で
実施した。ハイブリダイゼーションは、HPVタイプ
6、11、16、18および31でストリンジェントで
ない条件下に達成されたが、ストリンジェントなハイブ
リダイゼーション条件下に達成されなかった。
【0141】得られた精製したDNAおよびλ L47
EcoRI制限エンドヌクレアーゼで消化した。これは
5.1kbの断片を生成した。これは典型的乳頭腫ウイル
スのゲノムの大きさのほぼ65%を表わす。この断片を
λ L47の単一のEcoRI部位中にクローニングし
た。他の得られた精製したDNAの他の部分をBamHI
制限エンドヌクレアーゼで消化した。これは5.9kbの
断片を生成した。これは典型的乳頭腫ウイルスのゲノム
の大きさのほぼ75%を表わす。この断片をλL47の
単一のEcoRI部位中にクローニングした。より詳しく
は、2.0μgの得られた精製したDNAおよび2.0
μgのλ L47 DNAを10単位のBamHIで、合
計容量50μlのTE 緩衝液中で37℃で1時間切断
した。次いで、生ずる反応混合物を400μlのTE
緩衝液で希釈し、そして前述のように等体積のフェノー
ル:クロロホルムでフェノール抽出した。次いで、水性
相をクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1
(v/v))で抽出し、そして水性相からのDNAを80
%(v/v)のエタノールで沈殿させ、そして乾燥した。
次いで、乾燥したDNAを10μlの66ミリモルのト
リス−HCl、6.6ミリモルのMgCl2、10ミリモル
のDTTおよび1.0ミリモルのATPからなる1×リ
ガーゼ緩衝液中に懸濁させ、そして42℃で2時間イン
キュベーションしてλアームをアニールした。次に、
0.5μlのT4 DNAリガーゼ、すなわち、約1単
位、および0.5μlの10ミリモルのATP、pH7.
0、を各反応溶液に添加し、そして結合を12℃で1夜
進行させた。
【0142】次に、結合生成物をパッケージングして感
染性ファージを形成し、そしてE.coli NM538を
感染させるために使用した。より詳しくは、10g/lの
トリプトンおよび5.0g/lのNaClからなるアガロー
ス平板(以後、「TN 培地」)上で増殖するE. co
li NM538の単一のコロニーを選択し、そして振盪
プラットホーム(250rpm)上の20mlのTN 培地
中で37℃において1夜、早期の定常期に増殖させた。
次いで、細胞培養物をTN 培地で4倍に希釈し、そし
て3時間増殖させた。次に、ソーバル(Sorvall)HB
−4ローター中で5分間5,000rpmにおいて遠心す
ることによって、細胞を収穫し、そして得られる細胞沈
殿物を10ミリモルのMgSO4中のもとの容量の0.2
5中に再懸濁し、そして4℃で貯蔵した。
【0143】パッケージングした感染性ファージを、商
業的に入手可能なBRLラムダ(Lambda)生体外パッ
ケージングシステムで調製した[参照、マニアチス(M
aniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning):実験室のマニュアル(a labora
tory manual)、コールド・スプリング・ハーバー・ラ
ボラトリー(Cold Spring Harbor Laboratorie
s)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・ハーバ
ー(1982)]。
【0144】0.5モルのトリス−HCl(pH8.
0)、0.1モルのNaCl、0.01モルのMgSO4
よび0.01%(w/v)のゼラチンからなるファージ貯
蔵緩衝液(Difco)中で1.5×104のプラーク/9c
m直径平板に適当に希釈した、パッケージングしたファ
ージの適当な希釈物の100μlを、10−15mlの試
験管中で、前述のように調製したE. coli NM53
8の100μlに添加し、おだやかに混合しそして室温
において15分間インキュベーションした。次いで、細
胞−ファージ溶液を、1リットルにつき10gのトリプ
チカーゼ大豆ブロス、5.0gのNaClおよび15gの寒
天を含むトリプチカーゼ大豆ブロス寒天平板(これは少
なくとも1日前に調製されかつ37℃に前もって加温さ
れている)上にプレイティングした。その後、10ミリ
モルのMgSO4中に溶解した0.5%のアガロース(超
純粋、電気泳動等級)からなるアガロースのオーバーレ
イ(overlay)(溶液が沸騰するまでマイクロ波の炉内
で加熱し、次いで使用前45℃に冷却してある)の3〜
5mlを、プレイティングした細胞−ファージの上に配置
した。アガロースが固化した後、平板を循環が良好な3
7℃の通風インキュベーターに移し、ここで平板の蓋に
割れ目を30分間形成し、そして蓋を閉じ、そして平板
を倒立させた。8〜12時間後、プラークが現われるよ
うになった。
【0145】感染は平板上でバクテリアの全面溶菌を生
じた。HPV DNAを有する組換えファージは、ベン
トン(Benton)、W.D.ら、サイエンス(Scienc
e)、196:180(1977)に記載されるよう
に、「プラークリフト(plaquelifts)」を実施するこ
とによって局在化した。さらに詳しくは、全面溶菌の平
板を4℃に1時間配置してアガロースを固化させた。次
いで、ニトロセルロースフィルターの適当な大きさの片
を、その中央においてたわませることによって、平板の
中央に接触させ、そして中央の点をへりに向けて動かせ
ることによって配置した。次いで、4つの非対称の孔を
ニトロセルロースフィルターおよび寒天を通して小さい
ゲージの針で開け、そして孔の位置を永久的マーカーで
平板の底にしるしをした。これにより、陽性のシグナル
を含有するニトロセルロースフィルターおよび他の領域
を、平板上の対応する位置に関係づけることができた。
10分後、ニトロセルロースフィルターを除去し、そし
てプラークが上方を向くようにして、ニトロセルロース
フィルターを、200mlの0.5モルのNaOH、2.
0モルのNaClを含有する皿中に1分間配置することに
よって、DNAを変性した。次いで、ニトロセルロース
フィルターを500mlの0.5モルのトリス−HCl、
2.0モルのNaCl、pH7.5、中に5分間浸漬する
ことによって中和した。次に、フィルターを0.9モル
のNaCl、0.09モルのクエン酸ナトリウムからなる
6×SSC中で1分間すすぎ、ワットマン3MM紙で乾
燥し、次いで80℃において真空下に30分間ベーキン
グした。
【0146】その後、プローブとして「ニック翻訳」に
より32Pで標識したHPV 16DNAを使用するスト
リンジェントでないハイブリダイゼーションを、リフト
したプラークから分離したDNAについて実施し[参
照、リグビイ(Rigby)、P.J.W.ら、ジャーナル
・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J. Mol.B
iol.)、113:237(1977)およびマニアチ
ス(Maniatis)、T.ら、モレキュラー・クローニン
グ(Molecular Cloning):実験室のマニュアル(a
laboratory manual)、コールド・スプリング・ハー
バー・ラボラトリー(Cold Spring Harbor Labo
ratories)、ニューヨーク州、コールド・スプリング・
ハーバー(1982)]、次いで洗浄およびオートラジ
オグラフィーを実施した。さらに詳しくは、ハイブリダ
イゼーションは、1.0モルのNaCl、28%(v/v)
のホルムアミド、50ミリモルのN−トリス(ヒドロキ
シメチル)−メチル−2−アミノエタンスルホン酸(以
後「TES」)、10×デンハルト溶液、0.1ミリモル
のEDTAおよび10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)からなる溶液中で41℃において実施した。
次いで、ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ンは、10ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.
4)、0.1ミリモルのEDTA中の1.1×SSC
(0.165モルのNaClおよび0.0165モルのク
エン酸ナトリウムからなる)を使用して52℃において
実施した。
【0147】放射性露出の部位と対応づけることによっ
て、HPV 16 DNAにハイブリダイゼーションし
たDNAを含有する、ファージを含有する平板の領域を
切除し、そして前述のようにE. coli NM538を
再感染させるために使用した。HPV DNAを含有す
るファージのプラークの局在化は、上の手順を反復する
ことによって達成した。EcoRI消化DNAを使用する
クローニングからスクリーニングした1.5×105
プラークのうちから2つのプラークが同定された。両者
のクローンは同一の制限地図を有した。クローンの一方
をさらに研究するために選択し、そしてそしてHPV
C57 クローン1Aと表示した。1つのクローンは
amHI消化DNAを使用するクローニングからスクリー
ニングした5×104のプラークのうちから同定され、
そしてHPV C57 クローン1Bと表示した。同定
された。クローニングした断片は2.85kbの大きさを
示し、そしてHPV C57 クローン1Bと表示し
た。
【0148】次いで、HPV C57 クローン1Aお
よび1BのHPV DNAを、それぞれ、EcoRIまた
BamHIで消化し、そしてpT713の単一のEco
IまたはBamHI部位中でサブクローニングした。得ら
れる組換えDNAをHPVC57 クローン2Aおよび
2Bと表示した。HPV C57 クローン2Aおよび
2Bは、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ
ン(American Type Culture Collection)に、
それぞれ、ATCC No.40341およびATCC
No.40379で受託された。
【0149】(B)HPV C57 DNAの特性づけ 1、ハイブリダイゼーションの研究 ハイブリダイゼーションの研究を、HPV C57 ク
ローン2Aおよび2BDNAついて実施して、HPV
C57 クローン2Aおよび2Bが新しいHPVのタイ
プであることを立証した。
【0150】より詳しくは、HPV C57 クローン
2Aおよび2Bから調製した32P「ニック翻訳した」D
NAを、ストリンジェントな条件下にサザンブロッティ
ングによって、HPVのタイプ1〜45からのDNAの
5.0ngに対してハイブリダイゼーションした。HPV
のタイプ1〜45からのDNAは、インスティチュート
・パスツール(Institut Pasteur)(フランス国パ
リ)のゲラルド・オース(Gerard Orth)博士、HP
Vのタイプの表示の譲渡人、パピロマ・レファランス・
センター(Pappilloma Reference Center)(西ド
イツ国ヘイデルベルグ)のエセル−ミシェレ・デ・ビリ
アース(Ethel−Michelle de Villiers)博士か
ら、およびライフ・テクノロジーズ・インコーポレーテ
ッド(Life Technologies,Inc.)から、ニトロセ
ルロースフィルター上に予備固定化された形態で入手し
た。より詳しくは、ハイブリダイゼーションは、41℃
において、1.0モルのNaCl、28%(v/v)のホル
ムアミド、50ミリモルのN−トリス TES、10×
デンハルト溶液、0.5ミリモルのEDTAおよび20
ミリモルのリン酸ナトリウム(pH7.4)からなる溶
液中で実施した。次いで、ストリンジェントな洗浄を、
65℃において、10ミリモルのリン酸ナトリウム(p
H7.4)、0.1ミリモルのEDTA中の0.03×
SSC(0.0045モルのNaClおよび0.0004
5モルのクエン酸ナトリウムからなる)を使用して実施
した。
【0151】有意の相同性はHPV C57 クローン
2Aおよび2Bの組換えDNAと他のHPVのタイプと
の間でストリンジェントでないハイブリダイゼーション
条件下に検出されたが、ストリンジェントなハイブリダ
イゼーション条件下でHPVのタイプ1〜45のいずれ
を使用しても相同性は観測されず、こうしてHPVC5
7 クローン2Aおよび2Bは新しいHPVのタイプを
表わすことが立証された。
【0152】2、制限エンドヌクレアーゼ地図 HPV C57 クローン2Aおよび2Bについての制
限エンドヌクレアーゼ地図を第10図に示す。次の制限
エンドヌクレアーゼはHPV C57 DNAを切断し
なかった:BglII、NcoI、HindIII、SalI、
SstIおよびXbaI。
【0153】3、ゲノムの構成 HPV C57のゲノムがHPV 6への同一または同
様なオープンリーディングフレームを有することを立証
するために、次のハイブリダイゼーションの研究を実施
した。HPV C57 クローン2Aおよび2Bから精
製したDNAを、前述のように、ストリンジェントでな
い条件下およびストリンジェントな条件下にプローブと
してHPV 6 DNAの32P「ニック翻訳した」断片
を使用してサザンブロッティングにかけた。より詳しく
は、BamHI直線化HPV 6bクローンの断片を、Ec
oRIおよびPstIで発生させ、次いでゲル精製し、32
Pでニック翻訳し、そしてHPV C57 クローン2
A DNAの精製したEcoRI断片+EcoRV制限消化
物およびHPV C57 クローン2A DNAの精製
したBamHI断片のEcoRI+EcoRV消化物を含有す
るサザンブロットをプロービングするために使用した。
第11図に示す結果が立証するように、HPV C57
クローン2Aおよび2BのDNAはHPV 6と同一
のゲノムの構成を有する。
【0154】4、疫学的分布 HPV C57 クローン2Aおよび2Bから調製した
ハイブリダイゼーションプローブはストリンジェントな
条件下にHPV C57 DNAのみに対して効率よく
ハイブリダイゼーションすること、およびこれらのハイ
ブリダイゼーションプローブはHPV C57を含有す
る性器の病変を検出するためにかつ他のHPVのタイ
プ、例えば、6、11、16、18、31または33の
DNAを含有する性器の病変とこのような性器の病変を
区別するために使用できることを立証するために、ワシ
ントン、D.C.の首都圏(マリイランド州およびバー
ジニア州を含む)およびミシガン州および周辺の州から
の、剥脱した細胞を含有する頚の生検物および頚のスワ
ブの収集物のDNAを、ストリンジェントな条件下およ
びストリンジェントでない条件下の核酸のハイブリダイ
ゼーションによって、HPV C57に対して特異的な
プローブを包含する、種々のHPVのタイプに対して特
異的なプローブを使用して、特定のHPV DNAの存
在について分析した。生検物を二分し、この試料の半分
は普通の光学顕微鏡のための処理し、そして他方の半分
は凍結し、そして分子の分析のために−20℃で貯蔵し
た。サザンブロットのハイブリダイゼーションを実施す
る組織は、低温保持装置上で区画して、DNAの抽出の
ための材料を得た。ほぼすべての1/18の区画をヘマ
トキシリンおよびエオシン着色で着色し、そして顕微鏡
的に検査して、この組織の試料が光学顕微鏡によって分
析される試料の一部に匹敵することを確証した。剥脱し
た頚の細胞は、標準の細胞学的方法、例えば、乳頭の塗
布(pap smear)によって、対をなす試料について分析
し、それらの他方をDNAの分析のために使用した。
【0155】高分子量のDNAを、前述のように試料か
ら調製した。精製した細胞のDNAの1〜10μgをPs
tIまたはBamHIで消化し、そして消化した試料を
1.0%(w/v)のアガロースゲル中で電気泳動させ、
そしてニトロセルロースフィルターに移した。その後、
ハイブリダイゼーションを、前述のようにストリンジェ
ントな条件下に、前述のタイプからのニック翻訳した32
P標識HPV DNAを使用して実施した。(HPV
C57 DNAについて、HPV C57 クローン2
Aおよび2BからのHPV DNAの混合物を使用し
た。)註:HPVDNAは、pT713または関連する
ベクター中で増殖するので、組織試料中のpT713お
よび関係するベクター様配列との反応の可能性を最小と
するために、すべてのプローブは電気泳動的に精製し
て、関係するベクター配列のほとんどを除去した。追加
のハイブリダイゼーションを、また、標識したpT71
3またはpBR322および関係するベクターの存在下
に実施して、組織試料中のプラスミド様配列による、潜
在的な誤った陽性の物質を明らかにした。結果を下表4
に示す。表4における結果は第12図にグラフで示され
ている。
【0156】
【表4】
【0157】表4および第12図が立証するように、H
PV C57を含有する頚の生検物は、溶液中の交差ハ
イブリダイゼーションの程度に基準および引続くヒドロ
キシアパタイトのクロマトグラフィーによってばかりで
なく、かつまた、性器の病変の明確な集団、すなわち、
他のHPVのタイプを含有するものに比較して、HPV
C57 DNAを含有するもの、を特異的に検出しか
つ同定するHPV C57 DNA プローブの能力に
よって、他のHPVのタイプ、例えば、6、11、1
6、18、31および33、を含有する生検物と区別す
ることができる。さらに、表4および第12図中の結果
が示すように、頚に生検物の間のHPVC57 DNA
の疫学的分布はいくつかの他のHPVのタイプについて
見出されるものと区別される。
【0158】本発明を詳細にかつ特定の実施態様に関し
て説明したが、種々の変更および修正は本発明の精神お
よび範囲を逸脱しないで可能でることが明らかである。
【0159】本発明の主な特徴および態様は以下の通り
である。
【0160】1.クローニングベクターおよび、それぞ
れ、HPV 35 DNAまたはその断片の実質的にす
べて、HPV 43 DNAまたはその断片の実質的に
すべて、HPV 44 DNAまたはその断片の実質的
にすべて、またはHPV C57 DNAまたはその断
片の実質的にすべてを含んでなることを特徴とするHP
V 35、HPV 43、HPV 44またはHPV
C57の組換えDNA。
【0161】2.前記クローニングベクターは、pBR
322、pUC11、λシャロン、λL47、M13誘
導バクテリオファージ、pZIP−Neo SV[X
1]、pBKTK−1、pT712およびpT713から
成る群より選択される上記第1項記載の組換えDNA。
【0162】3.前記断片は約15〜約8000塩基対
の大きさである上記第1項記載の組換えDNA。
【0163】4.前記断片は約300〜約800塩基対
の大きさである上記第3項記載の組換えDNA。
【0164】5.前記組換えDNAはHPV 35 ク
ローン2Aおよび2B(それぞれ、ATCC No.4
0330およびATCC No.40331)、HPV
43クローン2Aおよび2B(それぞれ、ATCC
No.40338およびATCC No.40339)、
HPV 44 クローン(ATCC No.4035
3)またはHPV C57 クローン2Aおよび2B
(それぞれ、ATCC No.40341およびATC
C No.40379)の同定特性を有する上記第1項
記載の組換えDNA。
【0165】6.前記組換えDNAのHPV DNAは
マーカーで標識されている上記第1項記載の組換えDN
A。
【0166】7.前記マーカーは放射性マーカーである
上記第6項記載の組換えDNA。
【0167】8.前記マーカーは32P、14C、3H、125
Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである上記
第7項記載の組換えDNA。
【0168】9.前記マーカーはビオチン、酵素および
蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカー
である上記第6項記載の組換えDNA。
【0169】10.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第9項記載の組換えDNA。 11.
前記蛍光性分子はフルオレセインまたはローダミンから
成る群より選択される上記第9項記載の組換えDNA。
【0170】12.本質的に純粋なHPV 35 DN
Aまたはその断片、本質的に純粋なHPV 43 DN
Aまたはその断片、本質的に純粋なHPV 44 DN
Aまたはその断片、または本質的に純粋なHPV C5
7 DNAまたはその断片。
【0171】13.前記HPV DNAまたはその断片
は生物学的に産生される上記第12項記載の本質的に純
粋なHPV DNA。
【0172】14.前記HPV DNAまたはその断片
は化学的に産生される上記第12項記載の本質的に純粋
なHPV DNA。
【0173】15.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第12項記載の本質的
に純粋なHPV DNA。
【0174】16.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第15項記載の本質的
に純粋なHPV DNA。
【0175】17.前記HPV DNAまたはその断片
はマーカーで標識されている上記第12項記載の本質的
に純粋なHPV DNA。
【0176】18.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第17項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
【0177】19.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第18項記載の本質的に純粋なHPV DNA。
【0178】20.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第17項記載の本質的に純粋なHPV D
NA。
【0179】21.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第20項記載の本質的に純粋なHPV
DNA。
【0180】22.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第20項
記載の本質的に純粋なHPV DNA。
【0181】23.本質的に純粋なHPV 35 RN
Aまたはその断片、本質的に純粋なHPV 43 RN
Aまたはその断片、本質的に純粋なHPV 44 RN
Aまたはその断片、または本質的に純粋なHPV C5
7 RNAまたはその断片。
【0182】24.前記HPV RNAまたはその断片
は生物学的に産生される上記第23項記載の本質的に純
粋なHPV RNA。
【0183】25.前記HPV RNAまたはその断片
は化学的に産生される上記第23項記載の本質的に純粋
なHPV RNA。
【0184】26.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第23項記載の本質的
に純粋なHPV RNA。
【0185】27.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第26項記載の本質的
に純粋なHPV RNA。
【0186】28.前記HPV RNAまたはその断片
はマーカーで標識されている上記第23項記載の本質的
に純粋なHPV RNA。
【0187】29.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第28項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
【0188】30.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第29項記載の本質的に純粋なHPV RNA。
【0189】31.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第28項記載の本質的に純粋なHPV R
NA。
【0190】32.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第31項記載の本質的に純粋なHPV
RNA。
【0191】33.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第31項
記載の本質的に純粋なHPV RNA。
【0192】34.(i)マーカーで標識されたHPV
35 DNAまたはその断片、(ii)マーカーで標識
されたHPV 35 RNAまたはその断片、(iii)
マーカーで標識されたHPV 43 DNAまたはその
断片、(iv)マーカーで標識されたHPV 43 RN
Aまたはその断片、(v)マーカーで標識されたHPV
44 DNAまたはその断片、(vi)マーカーで標識さ
れたHPV 44 RNAまたはその断片、(vii)マ
ーカーで標識されたHPV C57 DNAまたはその
断片および(viii)マーカーで標識されたHPV C5
7 RNAまたはその断片から成る群より選択されるH
PVハイブリダイゼーションプローブ。
【0193】35.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第34項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ。
【0194】36.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第35項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ。
【0195】37.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第34項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ。
【0196】38.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第37項記載のHPVハイブリダイゼーションプロ
ーブ。
【0197】39.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第34項記載のHPVハイブリダイゼーシ
ョンプローブ。
【0198】40.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第39項記載のHPVハイブリダイゼ
ーションプローブ。
【0199】41.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第39項
記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ。
【0200】42.(a)(i)マーカーで標識されたH
PV 35 DNAまたはその断片および(ii)マーカ
ーで標識されたHPV 35 RNAまたはその断片か
ら成る群より選択される構成員、および(b)マーカー
で標識された少なくとも1つの他のHPVタイプのDN
AまたはRNAまたはその断片、あるいは(a’)(i)
マーカーで標識されたHPV 43 DNAまたはその
断片および(ii)マーカーで標識されたHPV 43
RNAまたはその断片から成る群より選択される構成
員、および(b’)マーカーで標識された少なくとも1
つの他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたはその
断片、あるいは(a”)(i)マーカーで標識されたHP
V 44 DNAまたはその断片および(ii)マーカー
で標識されたHPV 44 RNAまたはその断片から
成る群より選択される構成員、および(b”)マーカー
で標識された少なくとも1つの他のHPVタイプのDN
AまたはRNAまたはその断片、あるいは(a"')(i)
マーカーで標識されたHPV C57 DNAまたはそ
の断片および(ii)マーカーで標識されたHPV C5
7 RNAまたはその断片から成る群より選択される構
成員、および(b"')マーカーで標識された少なくとも
1つの他のHPVタイプのDNAまたはRNAまたはそ
の断片から成る群より選択されるHPVハイブリダイゼ
ーションプローブ組成物。
【0201】43.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第42項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ組成物。
【0202】44.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第43項記載のHPV
ハイブリダイゼーションプローブ組成物。
【0203】45.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第42項記載のHPVハイブリダイゼーションプ
ローブ組成物。
【0204】46.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第45項記載のHPVハイブリダイゼーションプロ
ーブ組成物。
【0205】47.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第42項記載のHPVハイブリダイゼーシ
ョンプローブ組成物。
【0206】48.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第47項記載のHPVハイブリダイゼ
ーションプローブ組成物。
【0207】49.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第47項
記載のHPVハイブリダイゼーションプローブ組成物。
【0208】50.前記他のHVPタイプはHVP
6、HVP 11、HVP 16、HVP 18および
HVP 31から成る群より選択される少なくとも1種
の構成員である上記第42項記載のハイブリダイゼーシ
ョンプローブ組成物。
【0209】51.前記他のHVPタイプはHVP 1
6、HVP 18およびHVP 31から成る群より選
択される少なくとも1種の構成員である上記第50項記
載のハイブリダイゼーションプローブ組成物。
【0210】52.前記他のHVPタイプはHVP 1
6、HVP 18およびHVP 31である上記第51
項記載のハイブリダイゼーションプローブ組成物。
【0211】53.工程: (1)ストリンジェントでない条件下に、 (a)(i)マーカーで標識されたHPV 35 DNA
またはその断片、マーカーで標識されたHPV 43
DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHPV
44 DNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識
されたHPVC57 DNAまたはその断片、および
(ii)マーカーで標識されたHPV 35 RNAまた
はその断片、マーカーで標識されたHPV 43 RN
Aまたはその断片、マーカーで標識されたHPV 44
RNAまたはその断片、あるいはマーカーで標識され
たHPV C57 RNAまたはその断片、から成る群
より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用し
てハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中のHVPのDNAまたはRNAを
検出する、を含んでなることを特徴とするHVPのDN
AまたはRNAを検出する方法。
【0212】54.DNAまたはRNAの前記未知の試
料は性器、のど、口または皮膚の病変から誘導される上
記第53項記載の方法。
【0213】55.DNAまたはRNAの前記未知の試
料は性器の病変から誘導される上記第54項記載の方
法。
【0214】56.性器の病変からのDNAまたはRN
Aの前記未知の試料を、上皮の病変の生検、頚のこす
り、または頚のスワッビングによって剥脱された細胞を
得ることによって得るか、あるいはクローニングベクタ
ー中でクローニングされた性器の病変から誘導されたD
NAである上記第55項記載の方法。
【0215】57.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第53項記載の方法。
【0216】58.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第57項記載の方法。
【0217】59.ハイブリダイゼーションを、また、 (c)(i)マーカーで標識されたHPV 6 DNAま
たはその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV
6 RNAまたはその断片から成る群より選択される
構成員、(i)マーカーで標識されたHPV 11 D
NAまたはその断片および(ii)マーカーで標識された
HPV 11 RNAまたはその断片から成る群より選
択される構成員、(i)マーカーで標識されたHPV
16 DNAまたはその断片および(ii)マーカーで標
識されたHPV 16 RNAまたはその断片から成る
群より選択される構成員、および(i)マーカーで標識
されたHPV 18 DNAまたはその断片および(i
i)マーカーで標識されたHPV 18 RNAまたは
その断片から成る群より選択される構成員、の少なくと
も1種を使用して実施する上記第53項記載の方法。
【0218】60.前記他のタイプはHVP 16およ
びHVP 18から成る群より選択される少なくとも1
種の構成員である上記第59項記載の方法。
【0219】61.前記他のHVPタイプはHVP 1
6およびHVP 18である上記第60項記載の方法。
【0220】62.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第53項記載の方法。
【0221】63.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第62項記載の方法。
【0222】64.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第53項記載の方法。
【0223】65.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第64項記載の方法。
【0224】66.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第64項
記載の方法。
【0225】67.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−DNA雑種を産生する上記第53項記載の方
法。
【0226】68.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−RNA雑種を産生する上記第53項記載の方
法。
【0227】69.工程: (1)ストリンジェントな条件下に、 (a)(i)それぞれ、マーカーで標識されたHPV 3
5 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたHP
V 43 DNAまたはその断片、マーカーで標識され
たHPV 44 DNAまたはその断片、あるいはマー
カーで標識されたHPV C57 DNAまたはその断
片、および(ii)それぞれ、マーカーで標識されたHP
V 35 RNAまたはその断片、マーカーで標識され
たHPV 43 RNAまたはその断片、マーカーで標
識されたHPV 44 RNAまたはその断片、あるい
はマーカーで標識されたHPV C57 RNAまたは
その断片、から成る群より選択される構成員、および (b)DNAまたはRNAの未知の試料、 を使用し
てハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)交差ハイブリダイゼーションの存在についてアッ
セイして、前記試料中の、それぞれ、HPV 35 D
NAまたはRNA、HPV 43 DNAまたはRN
A、HPV 44 DNAまたはRNA、あるいはHP
V C57 DNAまたはRNAを検出する、を含んで
なることを特徴とするHPV 35 DNAまたはRN
A、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV 44
DNAまたはRNA、あるいはHPVC57 DNA
またはRNAを検出する方法。
【0228】70.DNAまたはRNAの前記未知の試
料は性器、のど、口または皮膚の病変から誘導される上
記第69項記載の方法。
【0229】71.DNAまたはRNAの前記未知の試
料は性器の病変から誘導される上記第70項記載の方
法。
【0230】72.性器の病変からのDNAまたはRN
Aの前記未知の試料を、上皮の病変の生検、頚のこす
り、または頚のスワッビングによって剥脱された細胞を
得ることによって得るか、あるいはクローニングベクタ
ー中でクローニングされた性器の病変から誘導されたD
NAである上記第71項記載の方法。
【0231】73.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第69項記載の方法。
【0232】74.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第73項記載の方法。
【0233】75.HPV 35 DNA、HPV 4
3 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C5
7 DNAは、それぞれ、HPV 35のゲノムの実質
的にすべて、HPV 43のゲノムの実質的にすべて、
HPV 44のゲノムの実質的にすべて、またはHPV
C57のゲノムの実質的にすべてからなる上記第69
項記載の方法。
【0234】76.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第69項記載の方法。
【0235】77.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第76項記載の方法。
【0236】78.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第69項記載の方法。
【0237】79.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第78項記載の方法。
【0238】80.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第78項
記載の方法。
【0239】81.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−DNA雑種を産生する上記第69項記載の方
法。
【0240】82.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−RNA雑種を産生する上記第69項記載の方
法。
【0241】83.工程: (1)ストリンジェントな条件下に、 (a)性器の病変のサンプリングの各性器の病変から誘
導されたDNAまたはRNAの第1分画、前記サンプリ
ングは頚の癌への疫学的進行を示す、および (b)(i)、それぞれ、マーカーで標識されたHPV
35 DNAまたはその断片、マーカーで標識されたH
PV 43 DNAまたはその断片、マーカーで標識さ
れたHPV 44 DNAまたはその断片、あるいはマ
ーカーで標識されたHPV C57 DNAまたはその
断片、および(ii)それぞれ、マーカーで標識されたH
PV 35 RNAまたはその断片、マーカーで標識さ
れたHPV 43 RNAまたはその断片、マーカーで
標識されたHPV 44 RNAまたはその断片、ある
いはマーカーで標識されたHPV C57 RNAまた
はその断片、から成る群より選択される構成員、を使用
してハイブリダイゼーションを実施し、そして (2)ストリンジェントな条件下に、 (a)性器の病変の前記サンプリングの各性器の病変か
ら誘導されたDNAまたはRNAの第2分画、および (b)マーカーで標識された性器の病変から誘導された
DNAまたはRNAの未知の試料、を使用して、ハイブ
リダイゼーションを実施し、 (3)工程(1)におい
て得られた交差ハイブリダイゼーションの疫学的分布を
工程(2)において得られたそれおよび前記疫学的分布
を構成する各病変からのDNAの交差ハイブリダイゼー
ションと比較して、前記試料中の、それぞれ、HPV
35 DNAまたはRNA、HPV 43 DNAまた
はRNA、HPV 44 DNAまたはRNA、あるい
はHPV C57 DNAまたはRNAを検出する、を
含んでなることを特徴とするHPV 35 DNAまた
はRNA、HPV 43 DNAまたはRNA、HPV
44 DNAまたはRNA、あるいはHPVC57
DNAまたはRNAを検出する方法。
【0242】84.前記断片は約15〜約8000塩基
または塩基対の大きさである上記第83項記載の方法。
【0243】85.前記断片は約300〜約800塩基
または塩基対の大きさである上記第84項記載の方法。
【0244】86.HPV 35 DNA、HPV 4
3 DNA、HPV 44 DNAまたはHPV C5
7 DNAは、それぞれ、HPV 35のゲノムの実質
的にすべて、HPV 43のゲノムの実質的にすべて、
HPV 44のゲノムの実質的にすべて、またはHPV
C57のゲノムの実質的にすべてからなる上記第83
項記載の方法。
【0245】87.前記マーカーは放射性マーカーであ
る上記第83項記載の方法。
【0246】88.前記マーカーは32P、14C、3H、
125Iおよび35Sから選択される放射性マーカーである
上記第87項記載の方法。
【0247】89.前記マーカーはビオチン、酵素およ
び蛍光性分子から成る群より選択される非放射性マーカ
ーである上記第83項記載の方法。
【0248】90.前記酵素はアルカリ性ホスファター
ゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼから成る群よ
り選択される上記第89項記載の方法。
【0249】91.前記蛍光性分子はフルオレセインま
たはローダミンから成る群より選択される上記第89項
記載の方法。
【0250】92.性器の病変からのDNAまたはRN
Aの前記未知の試料を、上皮の病変の生検、頚のこす
り、または頚のスワッビングによって剥脱された細胞を
得ることによって得るか、あるいはクローニングベクタ
ー中でクローニングされた性器の病変から誘導されたD
NAである上記第83項記載の方法。
【0251】93.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−DNA雑種を産生する上記第83項記載の方
法。
【0252】94.前記交差ハイブリダイゼーションは
DNA−RNA雑種を産生する上記第83項記載の方
法。
【図面の簡単な説明】
【図1】HPV 35 DNAの制限ヌクレアーゼ地図
を示す。次のコードを使用して制限酵素部位を表わす:
B1、BamHI;E5、EcoRV;H3、HindII
I;P1、PstI;P2、PstII;およびS1、Sph
I。
【図2】ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決定
した、HVP 6とHPV 35 DNAとの間の部分
的相同性の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続
する。破線の矢印は、弱い相同性のみを有する領域を示
す。HVP 6の最小のBamHI−PstIの断片は、H
PV 35に対してハイブリダイゼーションしなかっ
た。図1における地図の各々は、直線の地図の端がHV
P 6のHpaI部位の相対的位置に相当するように配置
されている。HVP 6について推定したオープンフレ
ームの位置は相同性の地図より上に示されている。
【図3】表1に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。
【図4】HPV 43 DNAの制限ヌクレアーゼ地図
を示す。
【図5】ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決定
した、HVP 6とHPV 43 DNAとの間の部分
的相同性の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続
する。図5中の地図の各々は、直線の地図の端がHVP
6のHpaI部位の相対的位置に相当するように配置さ
れている。HVP 6について推定したオープンフレー
ムの位置は相同性の地図より上に示されている。
【図6】表2に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。
【図7】HPV 44 DNAの制限ヌクレアーゼ地図
を示す。
【図8】ストリンジェントでないハイブリダイゼーショ
ン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決定
した、HVP 6とHPV 44 DNAとの間の部分
的相同性の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を接続
する。破線の矢印は、弱い相同性のみを有する領域を示
す。図8中の地図の各々は、直線の地図の端がHVP
6のHpaI部位の相対的位置に相当するように配置され
ている。HVP6について推定したオープンフレームの
位置は相同性の地図より上に示されている。
【図9】表3に基づく種々の病変におけるHPVのタイ
プの分布をグラフで示す。
【図10】HPV C57 DNAの制限ヌクレアーゼ
地図を示す。
【図11】ストリンジェントでないハイブリダイゼーシ
ョン条件下の核酸のハイブリダイゼーションによって決
定した、HVP 6とHPV C57 DNAとの間の
部分的相同性の領域を示す。矢印は相同性を示す領域を
接続する。図11中の地図の各々は、直線の地図の端が
HVP 6のHpaI部位の相対的位置に相当するように
配置されている。HVP 6について推定したオープン
フレームの位置は相同性の地図より上に示されている。
【図12】表4に基づく種々の病変におけるHPVのタ
イプの分布をグラフで示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 060883 (32)優先日 1987年6月12日 (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 114985 (32)優先日 1987年10月30日 (33)優先権主張国 米国(US)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クローニングベクターおよびHPV 4
    3 DNAまたはその断片の実質的にすべてを含んでな
    り、HPV 43 クローン2Aおよび2B(それぞれA
    TCC No.40338およびATCC No.4033
    9)の同定特性を有することを特徴とするHPV 43
    の組換えDNA。
  2. 【請求項2】 HPV 43 クローン2Aおよび2B
    (それぞれATCCNo.40338およびATCC N
    o.40339)の同定特性を有する実質的に純粋なH
    PV 43 DNAまたはその断片。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のHPV 43 DNAに
    相補的で実質的に純粋なHPV 43 RNAまたはその
    断片。
  4. 【請求項4】 HPV 43 クローン2Aおよび2B
    (それぞれATCCNo.40338およびATCC N
    o.40339)の同定特性を有し且つマーカーで標識
    されたHPV 43 DNAまたはその断片およびマーカ
    ーで標識された上記HPV 43 DNAと相補的なHP
    V 43 RNAまたはその断片よりなる群から選ばれる
    一員からなるHPVハイブリダイゼーシヨンプローブ。
  5. 【請求項5】 (a) HPV 43 クローン2Aおよ
    び2B(それぞれATCC No.40338およびAT
    CC No.40339)の同定特性を有し且つマーカー
    で標識されたHPV 43 DNAまたはその断片および
    マーカーで標識された上記HPV 43 DNAと相補的
    なHPV 43RNAまたはその断片よりなる群から選
    ばれる一員、並びに(b) マーカーで標識された少な
    くとも1つの他のHPVタイプのDNAもしくはRNA
    またはその断片からなるHPVハイブリダイゼーシヨン
    プローブ組成物。
  6. 【請求項6】 (1) ストリンジエントでない条件下
    に、 (a)(i) HPV 43 クローン2Aおよび2B
    (それぞれATCCNo.40338およびATCC N
    o.40339)の同定特性を有し且つマーカーで標識
    されたHPV 43 DNAまたはその断片、および(i
    i) マーカーで標識された上記HPV 43 DNAと
    相補的なHPV43 RNAまたはその断片よりなる群
    から選ばれる一員 (b) 未知のDNAまたはRNA試料を用いてハイブ
    リダイゼーシヨンを行ない、 (2) 交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてア
    ツセイして、該試料中のHPV DNAまたはRNAを
    検出することを特徴とするHPV DNAまたはRNA
    の検出方法。
  7. 【請求項7】 ハイブリダイゼーシヨンを、また、 (c) (i)マーカーで標識されたHPV 6 DNA
    またはその断片および(ii)マーカーで標識されたHP
    V 6 RNAまたはその断片よりなる群から選ばれる一
    員;(i)マーカーで標識されたHPV 11 DNAま
    たはその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV
    11 RNAまたはその断片よりなる群から選ばれる一
    員;(i)マーカーで標識されたHPV 16 DNAま
    たはその断片および(ii)マーカーで標識されたHPV
    16 RNAまたはその断片よりなる群から選ばれる一
    員;および(i)マーカーで標識されたHPV 18D
    NAまたはその断片および(ii)マーカーで標識された
    HPV 18 RNAまたはその断片よりなる群から選ば
    れる一員、の少なくとも1種を用いて行なう請求項6に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 (1) ストリンジエントな条件下に、 (a)(i) HPV 43 クローン2Aおよび2B
    (それぞれATCCNo.40338およびATCC N
    o.40339)の同定特性を有し且つマーカーで標識
    されたHPV 43 DNAまたはその断片、および(i
    i) マーカーで標識された上記HPV 43 DNAと
    相補的なHPV43 RNAまたはその断片よりなる群
    から選ばれる一員 (b) 未知のDNAまたはRNA試料を用いてハイブ
    リダイゼーシヨンを行ない、 (2) 交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてア
    ツセイして、該試料中のHPV DNAまたはRNAを
    検出することを特徴とするHPV 43 DNAまたはR
    NAの検出方法。
  9. 【請求項9】 (1) ストリンジエントな条件下に、 (a) 頸部癌への疫学的進行を示す性器病変のサンプ
    リングの各個々の性器病変から誘導されたDNAまたは
    RNAの第1の分画、並びに (b)(i) HPV 43 クローン2Aおよび2B
    (それぞれATCCNo.40338およびATCC N
    o.40339)の同定特性を有し且つマーカーで標識
    されたHPV 43 DNAまたはその断片、および(i
    i) マーカーで標識された上記HPV 43 DNAと
    相補的なHPV43 RNAまたはその断片よりなる群
    から選ばれる一員を用いてハイブリダイゼーシヨンを行
    ない、そして性器病変の該サンプリングの各個々の性器
    病変から誘導されたDNAまたはRNAとの交差ハイブ
    リダイゼーシヨンについてアツセイし、 (2) ストリンジエントな条件下に、 (a) 性器病変の該サンプリングの各個々の性器病変
    から誘導されたDNAまたはRNAの第2の分画、およ
    び (b) マーカーで標識された性器病変から誘導された
    未知のDNAまたはRNAの試料を用いてハイブリダイ
    ゼーシヨンを行ない、そして性器病変の該サンプリング
    の各個々の性器病変から誘導されたDNAまたはRNA
    との交差ハイブリダイゼーシヨンの存在についてアツセ
    イし、 (3) 段階(1)で得られる性器病変の該サンプリン
    グの交差ハイブリダイゼーシヨンの全パターンを段階
    (2)で得られるものと比較し、 (4) 段階(1)で得られる性器病変の該サンプリン
    グの各個々の性器病変の交差ハイブリダイゼーシヨンを
    段階(2)で得られるものと比較し、ここで、(i)性
    器病変の該サンプリングの交差ハイブリダイゼーシヨン
    の全パターンが本質的に同じであり、且つ(ii)性器病
    変の該サンプリングの各個々の性器病変の交差ハイブリ
    ダイゼーシヨンが本質的に同じである場合に、未知試料
    中のHPV 43 DNAまたはRNAの存在が検出され
    ることを特徴とするHPV 43 DNAまたはRNAの
    検出方法。
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