JPH10208736A - 鉛蓄電池の製造法 - Google Patents

鉛蓄電池の製造法

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JPH10208736A
JPH10208736A JP9013616A JP1361697A JPH10208736A JP H10208736 A JPH10208736 A JP H10208736A JP 9013616 A JP9013616 A JP 9013616A JP 1361697 A JP1361697 A JP 1361697A JP H10208736 A JPH10208736 A JP H10208736A
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electrode
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Takeshi Kashio
剛 樫尾
Masaru Kobayashi
勝 小林
Kensaku Tsuchida
健作 土田
Rikio Miyagi
力男 宮城
Akira Iwamura
亮 岩村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極板製造法の改善に関するものであり、従来
の設備を大幅に変更することなく、高性能型鉛蓄電池に
代表されるような極板間距離の狭い仕様や、極板同士の
圧迫度の高い仕様に対しての構成設計の自由度を広げる
ことが可能となる。 【解決手段】 ダイシリンダー(A)とダイシリンダー
(B)の組み合せで、回転しながらお互いの刃が重なる
ときに、極板を打ち抜く仕組みとなっている。これによ
り、切断の際に一方向からのみ応力がかからないように
なり、格子エッヂが除去され、極板の弯曲も低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池、特にその
極板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉛蓄電池は、従来より自動車用と呼ばれ
ていた自動車始動用と、近年になって開発が急速に行わ
れている電気自動車の主電源用として用いられる高性能
型と、その他にもバックアップ用電源として用いられる
据置型など広い範囲で用いられている。
【0003】その鉛蓄電池の製造法の一例としては、ま
ず純鉛や母合金を鋳型に流し込んで格子を形成し、そこ
に鉛粉や添加剤、練液を練合した活物質ペーストを充填
し、熟成して未化極板を作成する。これに、化成、水
洗、乾燥の各工程を行った後、隔離板を介して正極板と
負極板を対向させて極板群を形成し、これを電槽内に入
れ、電解液を注入するものであった。これらのうち、格
子を形成する工程中において、量産性を高めるため、複
数の格子を連続してあるいは同時に鋳造した後、打ち抜
くことによって、極板を形成する方法が用いられてい
る。
【0004】こうして形成された連続した格子に活物質
ペーストを練塗し、極板を打ち抜く工程において、一般
的に図6に示すように、ダイシリンダーとアンビルシリ
ンダーを用いて行われている。図6(a)はこれらダイ
シリンダー5とアンビルシリンダー6とを用いた極板切
断工程を示す図であり、(b)はこの工程により切断さ
れた極板の側断面図であり、(c)は(b)の破線内の
拡大図である。この工程において、片方のシリンダーに
は必要な極板形状に打ち抜くことができる刃7を加工し
たダイシリンダー5を用い、もう片方のシリンダーには
表面が平滑なアンビルシリンダー6を用いている。この
2つのシリンダーを対向させながら回転させることによ
り、ダイシリンダー5の刃7がアンビルシリンダー6と
重なることにより極板を打ち抜く構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ダイシリン
ダー5の刃7が極板の格子部分を打ち抜く際、極板の切
断部分に一方向(ダイシリンダー側)からのみ応力がか
かるため、格子切断面のアンビルシリンダー側にエッジ
が突出してしまい、また極板自体も弯曲してしまうとい
う問題があった。
【0006】この極板の湾曲やエッジの形成は、従来の
鉛蓄電池では極板構成上、正極と負極の極板間距離が広
く設計されており、特に問題とはならなかった。しかし
ながら、近年の高性能型鉛蓄電池では性能向上のため、
極板間距離が狭められ、極板同士の圧迫度の高い設計と
なっており、前述のエッジや極板弯曲により極板がセパ
レータを物理的に貫通して内部ショートしやすくなり、
大きな問題となり、その改善が要望されていた。
【0007】本発明はこのような従来の課題を解決する
ものであり、内部ショートが少なく、量産性の高い鉛蓄
電池及びその製造法ならびに装置を提供することを目的
とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、複数の集電耳部および格子を連続して一体
成形し、この格子部分に活物質ペーストを塗着し極板の
連続体を形成し、その後この連続体を極板単位に打ち抜
く工程において、打ち抜かれる極板を2つのダイシリン
ダーを用いて打ち抜くことを特徴とするものである。
【0009】これにより、両方の刃を噛み合わせて極板
の格子部分を打ち抜き、切断部分に両方向から応力がか
かるため、工程を大きく変更することなく、短絡の原因
となる極板打ち抜き時に発生するエッジや、極板弯曲を
防ぐことができ、極板平滑性の改良を図ることができ
る。その結果、格子のエッジがセパレータを貫通するた
めにおこる短絡が低減され、製品歩留まりが向上するだ
けでなく、高性能型鉛蓄電池に代表されるような極板間
距離の狭い仕様や、極板同士の圧迫度の高い仕様に対し
ての構成設計の自由度を広げることが可能となるもので
ある。
【0010】上記製造法を実現する製造装置において、
2つのダイシリンダーの打ち抜き刃の刃幅寸法は相違さ
せており、一方の打ち抜き刃の刃幅寸法は1〜100μ
m、他方の打ち抜き刃の刃幅は前記打ち抜き刃の刃幅の
2〜10倍とすることが好ましい。これにより、刃の噛
み合わせに細かな調整を要することがなくなり、刃の噛
み合せ調整が容易になり、生産性が著しく向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)図1に本発明に実施の形態による極板
切断の模式図を示す。図1(a)はこれらダイシリンダ
ー1とダイシリンダー2とを用いた極板切断工程を示す
図であり、(b)はこの工程により切断された極板の側
断面図であり、(c)は(b)の破線内の拡大図であ
る。この図にも示すように、ダイシリンダー1とダイシ
リンダー2の2つのダイシリンダーを用いて、両方の刃
3、4を噛み合わせることにより、極板の格子部分を打
ち抜き、切断部分に一方向からのみ応力がかからないよ
うにした。これらのシリンダーの刃3、4は、打ち抜く
極板の形状に合わせて加工されており、ダイシリンダー
1とダイシリンダー2の2つのダイシリンダーの間を、
連続して形成された極板を通すことによって、1枚1枚
の極板単位に打ち抜いてゆく。
【0012】打ち抜かれた極板は、図6(b)に示すよ
うに極めて平滑になっている。これは、上下の2つのダ
イシリンダーにより切断されているため、応力が上下均
等にかかり、どちらかに偏らなかったためである。ま
た、その断面は図6(c)に示すように、片側にエッジ
が立つことなく、断面が山形の形状となる。
【0013】なお、このようなダイシリンダーを用いて
切断するには、刃の噛み合わせに細かな調整を要するた
め、図2に示すように2つのシリンダー打ち抜き刃の刃
幅寸法に大小の差をつけるとよい。本実施の形態では刃
3(小)の寸法を20μmとし、刃4(大)の寸法を1
00μmとしたが、本発明としては小の寸法を1〜10
0μm、大の寸法を小に比べ2〜10倍とすると、刃の
噛み合せ調整が容易になり、作業上問題とならず、目的
を達成することができる。
【0014】これは、極板の切断性と刃の噛み合わせ作
業性の両立が可能となるように決定せねばならず、連続
した格子体を打ち抜くためには、刃幅寸法が100μm
以下でなければ、打ち抜く際の抵抗が大きくなり、トラ
ブルなどにより生産性が低下して使用できない。逆に1
μm以下であると刃が破損しやすく、同じく生産性が低
下して使用できない。
【0015】また、2つの刃の刃幅寸法が等しいと2つ
のダイシリンダーの刃の噛み合わせ調整が困難となり、
使用しにくくなる。一方、大の寸法が大きすぎると、大
の方の刃の切断性が低下し、結局は従来法の片側だけ刃
がついた方法と変わらなくなり、格子エッジや極板弯曲
の低減を図ることができなくなる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)そこで、刃幅寸法について大の寸法を小の
寸法に対して規制することにより効果の確認を行った。
小の刃幅寸法を10μmに固定して、大の刃幅寸法比を
1〜20倍に大きくしたとき、小の刃が全体の切断面に
対して切断した割合を図3に示す。縦軸に小の刃が切断
した割合を、横軸に小に対する大の刃幅寸法比の倍率を
表している。この結果から大の寸法を小に比べ15倍以
上にすると、大の方の刃の切り込みが浅くなり、本実施
例の効果が少なくなることがわかる。
【0017】また、図4に小の刃幅寸法を10μmに固
定して、大の刃幅寸法比を1〜20倍に大きくしたと
き、刃の噛み合せ調整の作業時間を示す。寸法幅を2倍
以下にすると刃の噛み合せ調整が困難となり作業時間が
多くかかる。極板の打ち抜きやすさと刃の噛み合わせ作
業性の両立を考慮すると、大の寸法を小に比べ2〜10
倍程度にするのが適切である。
【0018】(実施例2)本実施例と従来例による極板
平滑性について図5に示す。試験数は生産極板10,0
00枚の中から100枚の抜き取りとし、所定の乾燥処
理ののち測定を実施した。極板を平滑な面上に置いたと
き、その面から一番高い箇所を測定し、極板の厚みを引
いたものを極板そり値として表した。この図から分かる
ように、正極板、負極板ともに極板の弯曲が低減され、
従来のものに対し、すぐれた極板平滑性を示した。
【0019】(実施例3)次に、極板平滑性が製品の不
良率に及ぼす影響について表1に示す。仕様1は高性能
型鉛蓄電池,仕様2は従来の自動車始動用電池を表して
いる。試験数はそれぞれ1,000個である。
【0020】
【表1】
【0021】仕様1で従来の極板を用いた場合、組み立
て時、化成時、エージング検査時において、格子のエッ
ジによるセパレータ貫通ショートが表1の数値レベルで
発生するが、本発明品の採用により発生率が大幅に低減
され、製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の設
備を大幅に変更することなく、格子のエッジの形成およ
び極板自体の弯曲を防ぐことができ、極板平滑性の改良
を図ることができる。この結果、格子のエッジや極板弯
曲により極板がセパレータを物理的に貫通する内部ショ
ートの発生が低減され、製品歩留まりが向上するだけで
なく、高性能型鉛蓄電池に代表されるような極板間距離
の狭い仕様や、極板同士の圧迫度の高い仕様に対しての
構成設計の自由度を広げることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による極板切断工程を示す
【図2】本発明の実施の形態による打ち抜き刃の拡大図
【図3】本発明の実施例による大の刃幅寸法比と切り込
み深さとの関係を示す図
【図4】本発明の実施例による大の刃幅寸法比と調整時
間との関係を示す図
【図5】本発明の実施例と従来例による極板そり値の比
較を示す図
【図6】従来例による極板切断工程を示す図
【符号の説明】
1 ダイシリンダー 2 ダイシリンダー 3 上刃 4 下刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮城 力男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩村 亮 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の集電耳部および格子を連続して一
    体成形し、この格子部分に活物質ペーストを塗着し極板
    の連続体を形成し、その後極板単位に打ち抜く製造法で
    あって、極板の連続体から極板単位に打ち抜く工程にお
    いて2つのダイシリンダーを用いて打ち抜くことを特徴
    とする鉛蓄電池の製造法。
  2. 【請求項2】 複数の集電耳部および格子を連続して一
    体成形し、この格子部分に活物質ペーストを塗着し連続
    した電極体を作成し、この連続した電極体をそれぞれの
    電極単位に打ち抜く製造装置であって、連続した電極体
    をそれぞれの電極単位に打ち抜く工程において、2つの
    ダイシリンダーを用いて打ち抜くことを特徴とする鉛蓄
    電池の製造装置。
  3. 【請求項3】 2つのダイシリンダーの打ち抜き刃の刃
    幅は、一方が1〜100μmであって、他方は前記打ち
    抜き刃の刃幅の2〜10倍とする請求項2記載の鉛蓄電
    池の製造装置。
  4. 【請求項4】 格子に活物質ペーストが塗着された極板
    は、セパレータを介して積層された極板群を構成してお
    り、電解液とともに電槽に収納された鉛蓄電池であっ
    て、前記極板はその格子切断面が山形形状であることを
    特徴とする鉛蓄電池。
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