JP2001110426A - 鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シートの製造法とその圧延鉛合金シートを用いた鉛蓄電池の製造法 - Google Patents

鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シートの製造法とその圧延鉛合金シートを用いた鉛蓄電池の製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Sbを含有する圧延鉛合金テープとPb−C
a−Sn合金シートと圧延一体化する鉛蓄電池格子体用
圧延鉛合金シートを用いた鉛蓄電池において、安定した
深放電寿命特性を有する鉛蓄電池を得る。 【解決手段】 Pb−Ca−Sn合金シートとPb−S
b系合金の鉛合金テープとをそれらの長手方向が一致す
るように重ね合わせて圧延し、前記Pb−Ca−Sn合
金シートと前記圧延鉛合金テープとを一体化する鉛蓄電
池格子体用圧延鉛合金シートの製造法において、前記鉛
合金テープはその長手方向に沿って圧延された圧延鉛合
金テープを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鉛蓄電池格子体に用
いる圧延鉛合金シートと、この圧延鉛合金シートを用い
た鉛蓄電池の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車始動用の鉛蓄電池において生産性
の向上やメンテナンスフリー性の向上を目的として従来
のSbを含む鉛合金製の鋳造格子体からSbを含有しな
いPb−Ca−Sn合金の圧延体をエキスパンド加工し
たエキスパンド格子体が普及している。このエキスパン
ド格子体は格子体の水素過電圧を低下させるSbを含有
しないので電池の充電中におけるガス発生と、これによ
る電解液量の減少を抑制すると共に自己放電を抑制する
ことができる利点がある。しかしながら正極にこのよう
なSbを含まない格子体を用いた場合には、電池の深放
電寿命特性が低下するという問題がある。このような問
題点を解決するために特開昭63−148556号公報
には格子表面にSbを多量に含んだ層を形成させたエキ
スパンド格子体が示されている。格子表面層に存在する
Sbは充放電の繰り返しによる格子と活物質との密着性
の低下を抑制し、深放電寿命特性を改善する。そして格
子表面層にSbを含む鉛合金層を形成する手段として、
Pb−Sn−Sb合金のテープを格子母材となるPb−
Ca−Sn合金シートに重ね合わせ両者を圧延し一体化
する。そしてこのような鉛合金テープとしては鋳造体を
圧延して得た圧延体を用いることが特開平5−2054
74号公報に記載されている。
【0003】この特開平5−205474号公報におい
て鉛合金テープとして鋳造体を圧延して得た圧延鉛合金
テープを用いることが記載されているものの、圧延鉛合
金自体の圧延方向と圧延鉛合金テープとPb−Ca−S
n合金シートとを圧延一体化する工程での圧延方向との
関連性についてなんらの考慮もなされていなかった。本
発明の発明者らはこれらの圧延方向の関係が圧延テープ
とPb−Ca−Sn合金シートとの密着性に非常に深く
関連することを見出した。これらの圧延方向の関係につ
いて考慮しない場合には圧延合金テープとPb−Ca−
Sn合金シートとの間に微小な剥離が発生することがあ
る。このような剥離は非常に微視的なものであるが、前
記したSbによる格子と活物質との密着性改善効果を損
なってしまう。また、この時点で剥離が発生していなく
てもエキスパンド加工のように圧延鉛合金シートにスリ
ット形成し、スリット部を展開伸張する段階でPb−C
a−Sn合金シートと圧延鉛合金テープとの間に微小な
剥離が新たに発生したりすることがある。特にロータリ
ーエキスパンド方式のように鉛圧延シートに対して垂直
方向に展開伸張し、その後に圧延鉛合金シートの幅方向
に展開伸張する場合、格子骨にはねじれが発生する。こ
のようなねじれは前記したような剥離の発生をより顕著
なものとしていた。またロータリーエキスパンド方式は
レシプロエキスパンド方式に比較して加工刃の回転運動
により加工するため、加工速度を容易に高めて生産性を
向上することができる。しかしながら前記したような課
題により、本来生産性の高いロータリーエキスパンド方
式でありながら、その方式を採用するのに障害となって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はSbを含有す
る圧延鉛合金テープとPb−Ca−Sn合金シートとを
圧延一体化する鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シートにお
いて、Pb−Ca−Sn合金シートとPb−Sb系の圧
延鉛合金テープとの間に発生する剥離を抑制することに
より安定した深放電寿命性を有する鉛蓄電池を生産性を
損なうことなく得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために本発明の請求項1記載に係る発明は、Pb−Ca
−Sn合金シートとPb−Sb系合金の圧延鉛合金テー
プとをこれらの長手方向が一致するように重ね合わせて
圧延し、これらPb−Ca−Sn合金シートとPb−S
b系合金の鉛合金テープとを一体化する鉛蓄電池格子体
用圧延鉛合金シートの製造法において、この鉛合金テー
プにはその長手方向に沿って圧延された圧延鉛合金テー
プを用いることとした。
【0006】また、本発明の請求項2記載に係る発明
は、請求項1に記載した鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シ
ートの製造法において、Pb−Ca−Sn合金シートは
少なくとも0.8重量%のSnを含有し、前記圧延鉛合
金テープは少なくとも2.0重量%のSbを含有するP
b−Sb合金からなることとした。
【0007】また、本発明の請求項3記載に係る発明
は、Pb−Ca−Sn合金シートとPb−Sb系合金の
鉛合金テープとをそれらの長手方向が一致するように重
ね合わせて圧延し、Pb−Ca−Sn合金シートと鉛合
金テープとを一体化した圧延鉛合金シートを正極格子体
に用いる鉛蓄電池の製造法において、鉛合金テープはそ
の長手方向に沿って圧延された圧延鉛合金テープであ
り、その長手方向と圧延方向とが平行であると共に、圧
延鉛合金シートに圧延鉛合金テープの圧延方向と平行な
複数のスリットを千鳥状に形成してエキスパンド加工し
て得た格子体を正極格子体に用いることとした。
【0008】また、本発明の請求項4記載に係る発明
は、請求項3に記載された鉛蓄電池の製造法でのエキス
パンド加工において、スリットにより形成される線条部
を圧延鉛合金シート面に対して円弧状に塑性変形させて
後、圧延鉛合金シートを幅方向に展開伸張することとし
た。
【0009】また、本発明の請求項5記載に係る発明
は、請求項3もしくは請求項4のいずれかに記載する鉛
蓄電池の製造法において、Pb−Ca−Sn合金シート
は少なくとも0.8重量%のSnを含有し、圧延鉛合金
テープは少なくとも2.0重量%のSbを含有すること
とした。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について作用
と共に説明する。
【0011】(本発明の第1の実施の形態)Pb−Sb
合金を溶融して鋳造スラブを作製した。鋳造スラブの寸
法は幅10mm,厚み5.4mm,長さ600mmであ
る。鋳造スラブの表面は凹凸があるため表裏を切削して
厚み5.0mmの平滑表面をもつスラブ1とした。図1
に示したように、このスラブ1をその長さ方向に沿って
多段階、図1においては圧延ロール2によって10段階
で圧延して最終的に0.1mm厚の圧延体3を作製し
た。この圧延体3の圧延方向(方向A)に沿ってスリッ
ター4で切断し、圧延鉛合金テープ5を作製して巻取り
ロール6に巻取った。この圧延鉛合金テープ5の長手方
向に圧延方向が平行となっている。
【0012】次に図2に示したようにPb−Ca−Sn
合金7を溶融して幅80mm,厚み10mmの連続鋳造
体8を作製する。この連続鋳造体8は表面を水ノズル9
で水冷して表面温度を150℃とし、圧延鉛合金テープ
5を長手方向を一致させて重ね合わせて多段階、図2に
おいては圧延ロール2aによって7段階で圧延した。連
続鋳造体8と圧延鉛合金テープ5との位置関係は図3に
示した通り連続鋳造体8の中央部10を除いた両側部に
鉛合金テープ5が位置する。よって連続鋳造体8と圧延
鉛合金テープ5とは圧延鉛合金テープを作製する時の圧
延方向に対して平行に圧延一体化され、鉛蓄電池格子体
用の圧延鉛合金シート11を得ることができる。なお、
図3において2cは圧延ローラである。
【0013】ここで連続鋳造体8に用いるPb−Ca−
Sn合金のSn含有量としては0.8重量%以上、圧延
鉛合金テープ5に用いるPb−Sb合金のSb含有量と
しては2.0重量%以上のものに本発明の構成を適用す
ることが好ましい。このような組成を有する連続鋳造体
と圧延鉛合金テープとの組合せは性能比較において後述
するように従来の構成では両者の密着性が良好でなく、
両者間に微小な剥離を発生させる可能性が高いからであ
る。
【0014】(本発明の第2の実施の形態)図3に示し
たように本発明の第1の実施の形態による圧延鉛合金シ
ート11の両側部の圧延鉛合金テープ5を圧延一体化し
た部分に圧延鉛合金テープ5の圧延方向に平行にスリッ
ト12を千鳥状に形成する。図4に示したようにスリッ
ト12によって形成される線条部13を圧延鉛合金シー
ト11から円弧状にシート面に対して上下方向に突出す
るよう塑性変形により展開伸張される。このスリット形
成と展開伸張とを行う手段としては、例えば特許公報第
2568285号に記載されているような回転する円板
状カッターを用いて行うことができる(いわゆるロータ
リーエキスパンド方式)。その後、圧延鉛合金シート1
1は幅方向Bに展開伸張されて格子網目部14が形成さ
れる。このようにいったん線条部13をシート面に対し
て上下方向に円弧状に変形させた後、上下方向と直交す
る幅方向Bに展開伸張するので線条部13、すなわち格
子骨にはねじれが発生する。従来、このねじれが発生す
る過程においてPb−Sb合金とPb−Ca−Sn合金
との間に微小な剥離が発生する頻度が高かったが、本発
明の第1の実施の形態による圧延鉛合金シートを用いる
ことにより格子骨にねじれが生じてもこのような微小な
剥離の発生を抑制することができる。
【0015】次にこうして得た格子網目部14に活物質
ペーストが充填される。活物質ペーストとしては、例え
ば従来から用いられている鉛と鉛酸化物(一酸化鉛,鉛
丹)を水,希硫酸で混練したものが用いられる。その
後、格子網目部14を所望の寸法に切断後、熟成乾燥工
程を得て未化成の正極板が得られる。この正極板を用
い、常法にしたがって本発明の製造法による鉛蓄電池が
作製される。このようにして得られる鉛蓄電池は従来の
鉛蓄電池に比較して安定した深放電寿命特性を有してい
る。
【0016】特にここで連続鋳造体8に用いるPb−C
a−Sn合金のSn含有量としては0.8重量%以上、
圧延鉛合金テープ5に用いるPb−Sb合金のSb含有
量としては2.0重量%以上のものに本発明の構成を適
用することが好ましい。このような組成を有する連続鋳
造体と圧延鉛合金テープとの組合せは従来の構成では剥
離が発生しやすく、エキスパンド加工時の展開伸張によ
ってさらに剥離が進行するために鉛蓄電池の深放電寿命
特性を低下させる可能性がより高くなるからである。
【0017】
【実施例】(実施例1)前記した本発明の第1の実施の
形態にしたがって本発明による圧延鉛合金シート11を
作製した。ただし、Pb−Ca−Sn合金7の組成とし
てはCa含有量0.06重量%、Sn含有量としては
0.6重量%から1.6重量%まで変化させた。また圧
延鉛合金テープ5に用いるPb−Sb合金の組成として
はSb含有量を1.0重量%から15重量%まで変化さ
せた。これらの圧延鉛合金シート11を長さ10cmに
カットし、図5に示したように長さ方向の中央部で圧延
鉛合金テープ5を圧着した側が広げられるように90°
折り曲げた後に復元させた。その後、この折り曲げ部を
エポキシ系の埋め込み用樹脂中に埋め込んで固定し、折
り曲げ部の長さ方向の断面を研磨した後、エッチングを
行い顕微鏡観察を行い、Pb−Ca−Sn合金7と圧延
鉛合金テープ5との間に発生する剥離の有無を確認し
た。
【0018】次に比較のために圧延方向と長手方向とが
直交する圧延鉛合金テープを作製した。この比較例の圧
延鉛合金テープを本発明の第1の実施の形態に記載した
ように連続鋳造体の幅方向両側部に重ね合わせ圧延一体
化して比較例による圧延鉛合金シートを得た。この比較
例による圧延鉛合金シートについて前記と同様90°折
り曲げた後のPb−Ca−Sn合金とPb−Sb合金と
の間に発生する剥離の有無を確認した。これら本発明に
よる圧延鉛合金シート11と比較例による圧延鉛合金シ
ートのPb−Ca−Sn合金とPb−Sb合金との間の
剥離の発生率をそれぞれ表1および表2に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】表1および表2に示した結果から本発明の
構成によればPb−Ca−Sn合金とPb−Sb合金と
の間の剥離の発生を抑制できていることがわかる。特に
Pb−Ca−Sn合金層中のSn量が0.8重量%、P
b−Sb合金中のSb量が2.0重量%をそれぞれ超え
る領域では比較例の圧延鉛合金シートにおいて前記した
剥離の発生が著しくなることから、このような組成の組
合せを採用する場合には本発明による構成により両者の
合金間の剥離を抑制するという効果を顕著に得ることが
できることが理解できる。
【0022】(実施例2)次に表3に示した合金の組合
せで本発明による圧延鉛合金シートと実施例1において
記載した比較例による圧延鉛合金シートを作製した。
【0023】
【表3】
【0024】これらの本発明による圧延鉛合金シートを
AおよびBとし、比較例による圧延鉛合金シートをCお
よびDとして以下に示す3種類の加工方法で鉛蓄電池用
格子体を作製した。ここでそれぞれの圧延鉛合金シート
と格子の加工方法は表4に示した組合せとした。
【0025】
【表4】
【0026】 パンチング加工 圧延鉛合金シートのPb−Sb合金の圧延鉛合金テープ
を圧延一体化した部分を矩形状に打ち抜き格子目を作製
する。
【0027】 レシプロエキスパンド方式 圧延鉛合金シートに対して上下運動するダイス刃で圧延
鉛合金シートの圧延鉛合金テープを圧着した部分に千鳥
状のスリットを圧延鉛合金シートの長手方向に平行に形
成すると同時に展開拡張してエキスパンド網目を作製し
た。
【0028】 ロータリーエキスパンド方式 圧延鉛合金シートを用いて本発明の第2の実施の形態で
記載したロータリーエキスパンド方式によるエキスパン
ド網目による図4に示す格子網目部14を作製した。こ
のエキスパンド網目は格子骨となる線条部13は圧延鉛
合金シート面に対してスリット12が形成されると同時
に上下方向に円弧状に展開伸張され圧延鉛合金シートの
幅方向Bに再度展開拡張されるので線条部13にはねじ
れが発生する。ここでのスリットもレシプロエキスパン
ドと同様、圧延鉛合金シートの長手方向に平行に形成さ
れる。
【0029】これらの格子体について格子骨部の断面観
察を50個について行い、Pb−Ca−Sn合金と圧延
鉛合金テープとの間での剥離の発生状態を調査した。そ
の結果を表4に示す。
【0030】表4に示した結果からパンチング法により
作製した格子体であるAP,BP,CP,DPにおける
前記の剥離の発生率は圧延鉛合金シート単体のそれとほ
ぼ同等である。次にレシプロエキスパンド法による格子
体になると比較例の格子体であるCE,DEでの剥離の
発生率は著しく増加する。一方で本発明による格子体で
あるAE,BEでの剥離の発生率の増加は抑制されてい
る。さらにロータリーエキスパンド法により格子体を作
製した場合には比較例の格子体であるCR,DRでの剥
離の発生率はレシプロエキスパンド法による場合のC
E,DEに比較してさらに増大する。このときの本発明
による格子体であるAR,BRでの剥離の発生率は比較
例の格子体であるCR,DRよりも極めて低い水準に抑
制されており、レシプロエキスパンド法による本発明の
格子体であるAE,BEと同等の水準である。
【0031】パンチング法は圧延鉛合金シートの合金間
の剥離を抑制することができるが、打ち抜いた圧延鉛合
金シートの屑を回収して再利用する設備が必要であり、
生産性の面で好ましくない。しかしながら本発明による
圧延鉛合金シートであるA,Bをレシプロエキスパンド
法、さらに生産性に優れるロータリーエキスパンド法に
適用すれば生産性を低下させることなく剥離の抑制され
た鉛蓄電池用格子体を得ることができる。よって本発明
の効果を最も良く発揮させるためには特に前記したロー
タリーエキスパンド法のように格子骨部にねじれが発生
する格子製造法に適用することが好ましいことが判る。
また、圧延鉛合金シートを構成する2種の鉛合金の組成
に関しては比較例の構成でより両者の間に剥離の発生が
顕著であった0.80重量%以上のSnを含有するPb
−Ca−Sn合金(連続鋳造体)と2.0重量%以上の
Sbを含有するPb−Sb合金(圧延鉛合金テープ)の
組合せに適用することにより本発明の効果をより顕著に
得ることができる。
【0032】(実施例3)表4に示した格子体に鉛蓄電
池用正極活物質ペーストを充填して鉛蓄電池用正極板を
作製した。この活物質ペーストとしては従来の鉛粉(鉛
と一酸化鉛,鉛丹等の鉛酸化物)を水と希硫酸で練合し
たものを使用した。この正極板を用いて55D23形の
自動車用鉛蓄電池を作製した。
【0033】ここで極板群構成としては正極板,負極板
とも5枚とし、負極板は袋状の微孔性ポリエチレンセパ
レータに収納された構成とした。これらの各電池につい
て深放電寿命試験を行った。この深放電寿命試験として
はJIS−D5301規格で規定された自動車用鉛蓄電
池の重負荷寿命試験とした。試験はそれぞれの電池につ
いて10個で行い、寿命サイクル数の平均値、最大値お
よび最小値をそれぞれ測定した。これらの結果を表5に
示す。なお、電池記号は表4に示した格子体記号と同一
とした。
【0034】
【表5】
【0035】表5に示した結果から本発明の構成によれ
ば良好な深放電寿命特性を得られることが判る。またそ
のばらつきである最大値と最小値の差についても比較例
に比べて極めて小さくすることができた。これは本発明
の構成により正極格子体母材としてのPb−Ca−Sn
合金と圧延鉛合金テープとしてのPb−Sb合金との間
の剥離が抑制され両者間の密着性が向上したことに起因
すると考えられる。
【0036】
【発明の効果】本発明の構成によれば、Sbを含有する
鉛合金テープがPb−Ca−Sn合金シート間を圧延一
体化する鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シートにおいてP
b−Ca−Sn合金シートとPb−Sb系合金テープと
の間に発生する剥離を抑制することができる。そしてこ
の圧延鉛合金シートを正極格子体として用いることによ
り安定した深放電寿命特性を有する鉛蓄電池を生産性良
く得ることができることから工業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施の形態における圧延鉛合
金テープの製造過程を示す図 (b)同図(a)の破線部詳細上面図
【図2】同圧延鉛合金シートの製造過程を示す図
【図3】同連続鋳造体と圧延鉛合金テープとの位置関係
を示す図
【図4】同ロータリーエキスパンド加工工程を示す図
【図5】圧延鉛合金シートの折り曲げ試験方法を示す図
【符号の説明】
1 スラブ 3 圧延体 4 スリッター 5 圧延鉛合金テープ 7 Pb−Ca−Sn合金 8 連続鋳造体 10 中央部 11 圧延鉛合金シート 12 スリット 13 線条部 14 格子網目部
フロントページの続き Fターム(参考) 5H017 AA01 AS10 BB06 BB07 BB11 BB14 CC01 CC05 EE03 HH01 HH05 5H028 AA01 BB04 EE01 HH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Pb−Ca−Sn合金シートとPb−S
    b系合金の鉛合金テープとをそれらの長手方向が一致す
    るように重ね合わせて圧延し前記Pb−Ca−Sn合金
    シートと前記圧延鉛合金テープとを一体化する鉛蓄電池
    格子体用圧延鉛合金シートの製造法において、前記鉛合
    金テープはその長手方向に沿って圧延された圧延鉛合金
    テープを用いることを特徴とする鉛蓄電池格子体用圧延
    鉛合金シートの製造法。
  2. 【請求項2】 Pb−Ca−Sn合金シートは少なくと
    も0.8重量%のSnを含有し、圧延鉛合金テープは少
    なくとも2.0重量%のSbを含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の鉛蓄電池格子体用圧延鉛合金シート
    の製造法。
  3. 【請求項3】 Pb−Ca−Sn合金シートとPb−S
    b系合金の鉛合金テープとをそれらの長手方向が一致す
    るように重ね合わせて圧延し一体化した圧延鉛合金シー
    トを正極格子体に用いる鉛蓄電池の製造法において、前
    記鉛合金テープはその長手方向に沿って圧延された圧延
    鉛合金テープを用いると共に前記圧延鉛合金テープに圧
    延方向と平行な複数のスリットを千鳥状に形成してエキ
    スパンド加工して得た格子体を正極格子体に用いること
    を特徴とする鉛蓄電池の製造法。
  4. 【請求項4】 エキスパンド加工において、スリットに
    より形成される線条部を圧延鉛合金シート面に対して円
    弧状に塑性変形させて後、前記圧延鉛合金シートを幅方
    向に展開伸張することを特徴とする請求項3に記載の鉛
    蓄電池の製造法。
  5. 【請求項5】 Pb−Ca−Sn合金シートと少なくと
    も0.8重量%のSnを含有し、圧延鉛合金テープは少
    なくとも2.0重量%のSbを含有するPb−Sb合金
    からなることを特徴とする請求項3もしくは請求項4の
    いずれか1項に記載の鉛蓄電池の製造法。
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