JPH10207221A - 帯電装置及び現像装置 - Google Patents

帯電装置及び現像装置

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JPH10207221A
JPH10207221A JP1776797A JP1776797A JPH10207221A JP H10207221 A JPH10207221 A JP H10207221A JP 1776797 A JP1776797 A JP 1776797A JP 1776797 A JP1776797 A JP 1776797A JP H10207221 A JPH10207221 A JP H10207221A
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JP
Japan
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electric field
discharge electrode
developer carrier
control member
toner
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JP1776797A
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English (en)
Inventor
Shota Oba
正太 大場
Noriaki Yamazaki
憲明 山崎
Akihiko Noda
明彦 野田
Shinichi Kuramoto
新一 倉本
Jun Abe
純 安部
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像剤担持体上のトナーを帯電する帯電装置
及びこのような帯電手段を備える現像装置において、逆
極性のトナーを発生させることなく現像剤担持体上のト
ナーをほぼ均一に帯電し、かぶりなどの画質劣化を防止
する。 【解決手段】 現像剤担持体2との間に放電を生じさせ
て現像剤担持体上のトナーを帯電する放電電極5を配設
し、この放電電極5の表面上に絶縁性層16を介して積
層される導電性の電界制御部材6を設ける。電界制御部
材6は、放電電極5と現像剤担持体2とが対向する放電
領域とその周辺部に延長して設けられており、該放電領
域にのみ多数の小孔を備えている。これにより、放電電
極5の放電による電離域が放電電極5と電界制御部材6
との間に限定され、一方の極性のイオン又は電子の電荷
がトナーに付与される。これと共に、放電電極5の側部
付近からの電荷を引き戻そうとする電界の発生が防止さ
れ、トナーを効率よく帯電できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー等の電子写真式の画像形成装置において用いられ、基
体上にある被帯電物を帯電させる帯電装置、及び現像剤
担持体上のトナーを帯電させるための帯電手段を備える
現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、像担持体上に形成された潜像
をトナーの付着により可視化する現像装置として、1成
分現像方式又は2成分現像方式によるものが知られてい
る。このような現像装置は、像担持体と対向する位置に
回転可能な現像剤担持体を備えており、現像剤担持体上
にトナー層又は2成分現像剤による磁気ブラシを形成し
て像担持体と対向する現像領域に搬送する。そして、現
像剤担持体と像担持体との間に現像バイアス電圧を印加
して電界を形成し、トナーを像担持体上の潜像に転移さ
せるものである。
【0003】このような現像装置では、現像領域でトナ
ーを像担持体上の潜像に良好に転移させるために、トナ
ーに所定の電荷を付与する必要がある。2成分現像方式
の現像装置は、トナーを摩擦帯電序列において隔たって
いるキャリアと混合・撹拌することで、トナーに電荷を
付与するものであるが、トナーに外添された帯電制御剤
が遊離してキャリア表面を汚染することがある。従っ
て、キャリアを長期間使用するとそれらの影響によりト
ナーに電荷を付与することができなくなり、現像剤の交
換が必要になるという欠点がある。また、トナーとキャ
リアとの混合比を一定に保つためのトナー濃度コントロ
ール装置や現像剤撹拌装置を必要としたり、磁性キャリ
アを担持するため像剤担持体内にマグネットを配設する
必要があったりして、装置の複雑化が避けられないとい
う欠点もある。
【0004】一方、1成分現像方式の現像装置は、これ
ら2成分現像方式の欠点を克服することができるものと
して広く利用されている。この現像装置は、現像剤担持
体に弾性部材からなるブレードと呼ばれるトナー層形成
部材を圧接させ、現像剤担持体上に1成分のトナー層を
形成すると共に、トナー層形成部材の摩擦帯電によりト
ナーに電荷を付与するものである。しかし、一般にブレ
ードによるトナー帯電能力は低く、すべてのトナーを十
分に帯電することが難しく、所望の極性とは逆に帯電し
た所謂逆極性のトナーが存在し、その逆極性のトナーに
より地かぶりが発生するという欠点がある。すなわち、
ブレードでの摩擦帯電においてはトナーがブレードと接
触する確率が低く、特に微小トナーは摩擦帯電されずに
層形成部分を通過してしまいトナーが帯電されないこと
がある。そこで摩擦帯電を促進するためにトナー層形成
部材のトナーへの圧接力を増加することが考えられる
が、摩擦熱によりトナーのバインダー樹脂が溶融し、凝
縮したトナーがブレードに詰まって画像に白筋が発生す
るという問題が生じる。
【0005】上記のようなトナーを摩擦帯電する装置の
問題点を解消するために、トナーに直接電荷を付与する
現像装置が提案されており、例えば、図15又は図16
に示す現像装置などがある。図15に示す現像装置は、
現像剤担持体202と、この現像剤担持体と圧接されト
ナー層を形成する層形成ブレード203と、現像剤担持
体202と接触するように支持される円筒状の帯電付与
部材204と、現像剤担持体へトナーを供給するトナー
供給部材205と、現像バイアス電源206と、トナー
帯電用電源207とを備えている。そして、帯電付与部
材204に電源207から電圧を印加して現像剤担持体
202との間隙内で放電を発生させ、その放電現象で発
生したイオン又は電子をトナーに付着させてトナーを帯
電するものである。
【0006】また、図16に示す現像装置は、現像剤担
持体212と圧接するように層形成ブレード213を配
設し、これに電源217からトナー帯電用の電圧を印加
する。これにより層形成ブレード213と現像剤担持体
212との間隙内で放電を発生させ、現像剤担持体21
2上にトナー層を形成するとともにトナーを帯電させる
ようにしたものである。
【0007】上記のような図15又は図16に示す現像
装置と類似の技術として、例えば特開昭54−1703
0号公報、特開昭62−291678号公報、特開昭6
4−62675号公報に開示される装置などがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
15又は図16に示す現像装置では以下に示すような問
題点がある。図15に示す現像装置では、帯電付与部材
204に印加される電圧が放電電圧以下であると、体積
抵抗率の高いトナーを使用しているため電荷誘導が十分
に行われず、トナーを所望の極性に帯電することはでき
ない。一方、印加電圧を上げることで電極からの放電現
象によりトナーを帯電することが可能であるが、図17
に示すように帯電付与部材204と現像剤担持体202
との間には、放電に伴う電離により電子なだれ現象が発
生し、その結果、放電領域にプラスイオンと電子又はマ
イナスイオンという相反する極性のものが発生する。ま
た、図16に示す現像装置でも同様に、図18に示すよ
うに層形成ブレード213と現像剤担持体212との間
に電子なだれ現象が発生し、相反する極性のイオン等が
発生する。
【0009】従って、トナーを所望の極性(本例ではマ
イナス)に帯電するため電子又はマイナスイオンのいず
れかをトナーに付着させようとしても、放電領域は電離
現象で発生したプラスイオンと電子又はマイナスイオン
で満たされているため、電離域に満たされたプラスイオ
ンと電子又はマイナスイオンの両方がトナーに付与され
てしまう。このため、放電により帯電されたトナーは所
望の極性に揃わず、逆極性トナーが発生してしまう。こ
こで逆極性とは、本例のようにトナーをマイナスに帯電
したい場合はプラス電荷をさすが、トナーをプラス帯電
する場合はマイナス電荷となる。
【0010】このような逆極性のトナーが現像剤担持体
の回転により現像領域に搬送されると、現像されたトナ
ー像に地かぶりなどの画質劣化が発生し、良好な画像を
得ることはできない。また、逆極性のトナーが現像剤担
持体上から飛散し、機内のトナー汚染を招くという問題
がある。
【0011】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、導電性の基体上にある
被帯電物を、該被帯電物と接触しない放電電極を用い
て、ほぼ均一な極性に安定して帯電させる帯電装置を提
供すること、及び、逆極性のトナーの発生を防止して現
像剤担持体上のトナーをほぼ均一に帯電させる現像装置
を提供することであり、これにより長期にわたり良好な
画質を得ることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明に係る帯電装置は、 基体
上にある被帯電物に近接して配置され、前記基体との間
に電圧が印加される放電電極と、 この放電電極と前記
基体との間に形成される電界内に配置され、前記放電電
極の電位と前記基体の電位との間の電位が印加されるこ
とによって前記電界内の電離領域を制限する電界制御部
材とを有し、 該電界制御部材は、前記放電電極が前記
基体と対向し、放電を生じる領域とこの領域の周辺部に
延長して設けられているものとする。
【0013】また、請求項7に記載の発明に係る現像装
置は、 表面に静電電位の差による潜像が形成された像
担持体と近接もしくは接触するように配設される現像剤
担持体を備え、 この現像剤担持体上に形成された現像
剤の薄層を前記像担持体に対向させ、選択的の現像剤を
転移させて前記静電潜像を可視化する現像装置におい
て、 前記現像剤担持体と近接して対向するように配
置され、該現像剤担持体との間に電圧が印加される放電
電極と、 この放電電極と前記現像剤担持体との間に形
成される電界内に配置され、前記放電電極の電位と前記
基体の電位との間の電位が印加されることによって前記
電界内の電離領域を制限する電界制御部材とを有し、
該電界制御部材は、前記放電電極が前記現像剤担持体と
対向し、放電を生じる領域とこの領域の周辺部に延長し
て設けられているものとする。
【0014】上記帯電装置及び現像装置では、放電電極
と電界制御部材との間には放電開始電圧以上の電圧を印
加し、電界制御部材と導電性基体(現像剤担持体)との
間には帯電したい極性のイオン又は電子が導電性基体
(現像剤担持体)側へ移動するように電界を形成する
が、放電を生じないように電圧を設定する。
【0015】このような帯電装置及び現像装置では、放
電電極と電界制御部材との間に放電開始電圧以上の電圧
を印加することで強い電界が形成され、両者間で放電が
発生する。この放電により電離現象が発生し、電子なだ
れ現象によりプラスイオンと電子およびマイナスイオン
が発生するが、電離域は放電電極と電界制御部材との間
に限定され、電界制御部材と導電性基体又は現像剤担持
体との間隙内の被帯電物の存在している領域では電離が
生じない。
【0016】そして、上記現像装置のように、放電電極
が対向する基体が現像剤担持体であり、被帯電物がこの
現像剤担持体上に担持されるトナーであると、電離域は
放電電極と電界制御部材との間に限定されるために現像
剤担持体上に形成されたトナー層の厚さの範囲内では、
プラスイオンとマイナスイオンとの双方が生成されると
いう状態は生じなくなる。つまり、電界制御部材と現像
剤担持体との間に形成される電界は、放電を生じない程
度となっており、この電界作用によって、放電電極と電
界制御部材との間とその近傍に発生したプラスイオン又
はマイナスイオン等のいずれか一方が現像剤担持体側に
誘導され、現像剤担持体上に形成されたトナー層に付与
される。これにより、トナーが所望の極性に安定して帯
電され、逆極性のトナーの発生が防止される。
【0017】また、電界制御部材は、放電電極と現像剤
担持体とが対向する放電領域とこの領域の周辺部に延長
して設けられているので、放電電極の側部から現像剤担
持体に向かって生じる電界の影響によって放電電極と現
像剤担持体との対向部に電荷を引き戻そうとする電界が
生じるのを低減することが可能となる。例えば図7に示
すように、電界制御部材306を放電電極305との対
向領域にのみ設け、周辺部に延長しない場合には、放電
電極の側部からの電界が現像剤担持体との対向部分へ回
り込み、電荷を放電電極側へ引き戻そうとする電界、す
なわち部分的に放電電極と現像剤担持体との間の電位の
勾配と逆勾配となる電界が発生する。しかし、図6に示
すように電界制御部材6を放電電極5との対向領域の周
辺部に延長した場合には、このような電荷を引き戻そう
とする電界が発生しなくなる。このため、放電電極から
放出された電荷が現像剤担持体に誘導されやすくなり、
トナーを効率よく帯電することが可能となる。
【0018】上記のような帯電装置及び現像装置におい
て、放電電極と電界制御部材とはいずれも導電性材料又
は半導電性材料を用いて形成することができるが、持続
的な放電を発生させるために、いずれか一方は半導電性
材料で形成することが望ましい。ここで、半導電性材料
とは体積抵抗が103 Ω・cm〜1011Ω・cm程度の
ものである。
【0019】電界制御部材の形状はトナーをほぼ均一に
帯電させることができるものであれば適宜に設定するこ
とが可能であり、例えば請求項2に記載の発明のよう
に、放電電極上に絶縁性層を介して積層された多数の小
孔を有する導電性層又は半導電性層とすることができ
る。また、請求項3に記載の発明のように、導電性材料
又は半導電性材料からなる網状部材や、多数の小孔を有
する導電性又は半導電性の薄板状部材とすることができ
る。この電界制御部材は放電電極と微小間隙をおいて支
持されてもよいし、一部が接触するように支持されるも
のでもよい。また、放電電極と電界制御部材との間に、
絶縁材料からなり、多数の小さな開口を有する薄い網状
部材又は板状部材を介挿してもよい。
【0020】また、請求項4に記載の発明のように、上
記電界制御部材を構成する網状部材の開孔又は薄板状部
材の小孔は、放電電極と現像剤担持体との対向領域のみ
に設けられていることが望ましい。これにより、放電電
極の側部付近から電荷を引き戻そうとする電界が形成さ
れるのを防止する効果が増大し、電荷を効率よく現像剤
担持体側へ誘導することが可能となる。
【0021】また、請求項5に記載の発明のように、上
記電界制御部材は、現像剤担持体との対向域から周辺部
に張り出した部分が放電電極の側部を覆うように曲折さ
れていることが望ましい。これにより、放電電極の側部
からの電界の影響を確実に防止でき、電荷を効率よく現
像剤担持体側に誘導することができる。このため、トナ
ーを効率よく帯電することができる。また、請求項6に
記載の発明に係る帯電装置、又は請求項8に記載の発明
に係る現像装置のように、電界制御部材とほぼ同じ電位
が印加される静電シールド部材を、放電電極の側部を覆
うように配設する構成としても良い。これにより、上記
と同様に、放電電極の側部からの電界の影響により、電
荷を引き戻すような電界が発生するのが防止され、トナ
ーを効率よく帯電することができる。
【0022】以上の説明において、上記請求項1から請
求項6までに記載の帯電装置が現像剤担持体上に担持さ
れたトナーを帯電するために用いられた場合の作用につ
いて詳述したが、上記帯電装置は他の用途に用いること
もできる。例えば、感光体ドラム等の像担持体を一様に
帯電するために用いることができ、この場合には、被帯
電物は感光体層であり、基体はこの感光体層を支持する
導電性の基部である。上記帯電装置をこのように用いる
場合には、帯電電極を感光体ドラムと非接触に維持した
状態で均一な帯電ができ、コロトロンのような従来の非
接触式の帯電器より小型化が可能となる。
【0023】なお、上記帯電装置又は現像装置では、放
電電極と被帯電体である現像剤担持体との間に電界制御
部材を配置することで、イオン等を発生する電離領域を
放電電極側に制限するものであるが、従来帯電器として
使われるスコロトロン帯電器も、本発明と似た構成を取
る。すなわち、スコロトロン帯電器では、放電ワイヤー
は本発明の放電電極であり、被帯電体は感光体や現像剤
担持体であり、また放電ワイヤーと被帯電体との間に配
設されるスクリーングリッド電極は本発明の電界制御部
材に相当すると考えることもできる。しかしながら、ス
コロトロン帯電器では、放電ワイヤーの直径が30〜1
00μmと小さいため、電界の強さが放電を開始する値
より大きくなって電離が生じるのは、ワイヤーの近傍に
限られており、電界制御部材がなくても、放電ワイヤー
を囲むシールド電極付近および被帯電体の近傍ではイオ
ン又は電子が移動するのみである。つまり、スクリーン
グリッド電極は、帯電しようとする極性のイオン又は電
子の移動を制限して被帯電体の帯電電位が一定になる働
きをしており、放電による電離領域を制御する働きはな
い。これに対して本願発明は、2つの微小な電極間にお
ける電界を電離領域と電子やイオンの移動領域とに分離
する働きを有しており、被帯電体付近で逆極性のイオン
が多量に発生するのを制限するもので、機能が従来のス
コロトロン帯電器と全く異なっている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は、請求項1又は請求項2に記
載の発明の一実施形態である帯電装置が用いられる現像
装置であって、請求項7に記載の発明に一実施形態であ
る現像装置を示す概略構成図である。この現像装置は、
表面に帯電電位の差による潜像を形成することができる
像担持体1との対向位置に設けられており、ハウジング
11内に、像担持体1と近接対向し表面にトナーを付着
して搬送する現像剤担持体2と、この現像剤担持体上の
トナーを規制してトナー層を形成する層形成部材3と、
トナーを撹拌するとともに現像剤担持体2にトナーを供
給する撹拌供給部材4と、現像剤担持体2と像担持体1
との間に現像用の電圧を印加する現像用電源7と、現像
剤担持体2上のトナーを帯電する帯電装置10とを備え
ている。
【0025】上記帯電装置10は、図1(b)に示すよ
うに、現像剤担持体2との対向位置に放電を生じさせる
放電電極5と、この放電電極5の表面に絶縁性層16を
介して積層された導電性の層からなる電界制御部材6
と、放電電極5の背面側に装着された導電性の給電電極
15とを備えており、さらに装置内には、現像剤担持体
2と放電電極5との間にトナー帯電用の電圧を印加する
トナー帯電用電源8と、電界制御部材6に電離領域を制
限するための電圧を印加する帯電制御用電源9とを備え
ている。
【0026】上記現像剤担持体2は、回転可能に支持さ
れ、現像用電源7からトナーと同極性の約−200Vの
直流電圧が印加されるものである。これにより、現像剤
担持体2と像担持体1との間に電界が形成され、トナー
が像担持体1上の潜像に転移されるようになっている。
この現像剤担持体は、アルミニウムやステンレスの丸棒
やパイプを切削加工した後、外周面にサンドブラスト、
液体ホーニング、エメリー研磨等の機械加工を施すか、
或いは化学腐食を施すことにより表面粗さRa=0.1
〜5.0μm程度の凹凸を形成したものである。また、
アルミニウムやステンレスの丸棒やパイプを切削加工し
た後に、導電粉を分散させた樹脂層を形成したものでも
よい。本例の現像剤担持体2はΦ20mmとなってお
り、アルミニウムのパイプを切削加工した後、外周面を
サンドブラストし陽極酸化処理を施したものが用いられ
ている。この現像剤担持体2は、Ra=0.5μm程度
となっている。なお、現像用電源7から印加される電圧
は、現像性能を確保するため直流電圧と交流電圧とを重
畳した電圧としてもよい。
【0027】上記層形成部材3は、厚さ0.03mm〜
0.3mm程度のステンレスの板バネに、導電性粉を分
散させたSiゴムやEPDMゴムからなる圧接部材を加
硫接着したものであり、現像剤担持体2への接触圧力は
5〜100g/cm程度に設定されている。また、ゴム
の硬度は20〜80度のものが使用可能であり、好まし
くは30〜60度が適している。このような層形成部材
3で圧接されることにより、現像剤担持体2上に5〜3
0μm程度のトナー層が形成されるようになっている。
【0028】上記放電電極5は、イオン導電体を含んだ
板状部材であり、体積抵抗率が105 〜1010Ω・cm
程度となっている。この体積抵抗率は特に107 〜10
8 Ω・cm程度が望ましい。また、放電電極としてシリ
コーンゴム中に導電性粉を混合した半導電性部材を用い
てもよい。この放電電極5は、両端部に設けられたトラ
ッキング部材(図示せず)によって、電界制御部材6が
現像剤担持体2と微小間隔をおいて対向するように支持
されている。
【0029】上記電界制御部材6は、放電電極5と現像
剤担持体2とが対向する放電領域とこの領域の周辺部
(特に現像剤担持体の円周方向)に延長して設けられて
おり、放電電極5と現像剤担持体2との対向領域にのみ
多数の円形小孔を備えている。この多数の小孔を有する
導電性層は無電解メッキやレーザー加工などの方法によ
り形成したものであり、本例では、小孔の最大寸法が約
80μm、電極部分となる小孔間の幅が約30μm程度
となっている。
【0030】また、現像剤担持体2上のトナーを負極性
に帯電するために、放電電極5と電界制御部材6との間
には放電を開始するように電界を形成し、電界制御部材
6と現像剤担持体2との間には放電を生じない程度に勾
配の小さい電界であって、負電荷を現像剤担持体側に引
き付ける方向の電界を形成する。このため、電界制御部
材6と現像剤担持体2との電位の関係は、例えば以下の
関係に保たれている。 (現像剤担持体電位)−(電界制御部材電位)=200
V また、放電電極5と電界制御部材6との電位の関係は、
以下の関係に保たれている。 (電界制御部材電位)−(放電電極電位)=1800V
【0031】なお、これらの部材の電位は放電電極5と
現像剤担持体2との間隔、電界制御部材6の構造・厚さ
等によって適宜決定されるものである。また、放電電極
5、電界制御部材6、および現像剤担持体2がそれぞれ
間隙をおいて設けられるときにはこれらの間隙の大きさ
も考慮して定められる。本例では、現像剤担持体2には
電源7から−200Vの電圧が印加され、電界制御部材
6には電源9から−400Vの電圧が印加され、放電電
極5のシャフトには電源8から−2200Vの電圧が印
加されている。
【0032】なお、上記現像装置で用いられる現像剤は
一成分系のトナーであり、スチレン樹脂、アクリル樹脂
若しくはポリエステル樹脂等の各種熱可塑性樹脂中に顔
料や含金属アゾ染料等の極性制御剤を分散し、粉砕、分
級により3〜20μm(平均粒径7μm)の大きさにし
たものである。また電荷制御剤が添加され、負極性の電
荷が付与されている。電荷制御剤としては、疎水化処理
したシリカ、アルミナ、チタン等の0.1μm以下の微
粒子が用いられるが、疎水性シリカが最も望ましい。ま
たトナーの流動性助剤が外添されている。なお、上記像
担持体1としてはセレン系感光体や有機感光体が用いら
れ、像担持体1と現像剤担持体2とは接触してもよい
し、あるいは100μm〜400μm程度の間隙をおい
て対向させてもよい。
【0033】このような現像装置では、撹拌供給部材4
の回転によりハウジング11内のトナーが撹拌され、現
像剤担持体2に供給される。現像剤担持体2の表面付近
のトナーは現像剤担持体2の回転により層形成部材3と
の対向位置へ搬送され、層形成部材3の押圧力により現
像剤担持体2上にトナー層が形成される。その後、現像
剤担持体2上のトナー層は放電電極5及び電界制御部材
6との対向位置に搬送される。このとき、放電電極5と
電界制御部材6との間、及び電界制御部材6と現像剤担
持体2との間には前述のような電圧が印加されており、
これらが対向する領域に電界が形成される。
【0034】このとき、現像剤担持体2上のトナーが帯
電される状態を図2乃至図5を用いて説明する。ここ
で、図2は、現像剤担持体2と帯電装置10とが近接す
る部分を示す拡大図であり、模式的にプラス電荷、マイ
ナス電荷、トナーなどを描いている。また図3(a)
は、現像剤担持体2と帯電装置10との対向部分におけ
る電位分布を示す図である。また図4は、放電電極と現
像剤担持体との間に電界制御部材が入らない従来方式の
帯電装置を示す部分構成図である。放電電極5と現像剤
担持体2との間に電界制御部材6が入らないときの電位
分布は、図5(a)に示すように間隙内でほぼ均一な電
界となるが、電界制御部材6が間に入り、これに電圧が
印加されることにより、図3(a)に示すように電界が
歪み不均一な電界となる。
【0035】図3(b)は、図3(a)中の直線A−
A′に沿った電位変化を示したものであり、これにPa
schenの放電開始電界の勾配Bを重ねると、接点C
より電界が大きい放電電極5の側のみが放電可能であ
り、現像剤担持体2の側の電界は放電開始電界より小さ
いため電離しない。従って、図2に示すように放電電極
5の付近では放電に伴う電離によりマイナスイオン又は
電子の他にプラスイオンが発生するが、現像剤担持体2
の近傍では電離が発生せず、電界制御部材6と現像剤担
持体2との間の電界作用によりマイナスイオン又は電子
が現像剤担持体に引き付けられる。そして、この電荷が
現像剤担持体上のトナーに付着し、トナーが帯電され
る。従って、電離にともなって発生するプラスイオンは
放電電極5の側でのみ存在し、放電電極5へ吸着される
が、現像剤担持体2上のトナーに付着することはない。
【0036】一方、図5(a)に示すように、放電電極
225と現像剤担持体222との間に電界制御部材が入
らない構成では、図5(a)中の直線A−A′に沿った
電界を見ると図5(b)に示すような直線になり、これ
にPaschenの放電開始電界の勾配Bを重ねると傾
きが全範囲で大きいことから全領域で放電が起こってい
ることがわかる。従って、図4に示すように現像剤担持
体222上のトナーはプラス、マイナスの両極性の電荷
にさらされ、逆極性のトナーが発生することになる。こ
のように、放電電極5と現像剤担持体2との間に電界制
御部材6を有する構成とすることにより、電離領域がト
ナーから離れた場所に限定されるので、逆極性トナーの
発生を抑制することができる。
【0037】このようにして均一な極性の電荷が付与さ
れたトナー層は、現像剤担持体2の回転により像担持体
1と対向する現像領域に搬送される。そして、現像剤担
持体2と像担持体1との間に形成される現像電界によ
り、上記トナーが像担持体1の潜像に転移して現像が行
われる。
【0038】このような現像装置では、図2に示すよう
に、電界制御部材6が放電電極5と現像剤担持体2との
対向領域とその周辺部に延長して設けられているので、
放電電極5の現像剤担持体2と対向しない部分から生じ
る電荷を戻そうとする電界の影響を少なくすることが可
能となり、効率よく電荷を現像剤担持体に誘導すること
ができる。この電荷の誘導効果を確認するため、図6に
示すように、電界制御部材6を放電電極5と現像剤担持
体2とが対向する領域の周辺部に延長して設けた場合
と、図7に示すように電界制御部材306を放電電極3
05と現像剤担持体302との対向領域のみに設けた場
合について、形成される電場の状態を調べた結果につい
て説明する。
【0039】図7に示すように、電界制御部材306を
放電電極305と現像剤担持体302との対向領域のみ
に設けた場合には、放電電極305の側部付近から生じ
る電界によって電界制御部材306の近傍よりも現像剤
担持体302の側に電位の絶対値の高い部分が生じる。
つまり、放電電極305と電界制御部材306とが対向
する電離領域から電荷が放出されにくい電場、もしくは
放出された電荷を引き戻すような電場が生じることがわ
かる。
【0040】これに対し、図6に示すように、電界制御
部材6を放電電極5との対向領域の周辺部に延長して設
けた場合には、放電電極5と現像剤担持体2との対向領
域になだらかな電位勾配ができ、電荷を引き戻そうとす
る電場が発生しなくなる。このため、電離によって発生
した電荷をより効率的に現像剤担持体に導くことがで
き、トナーを従来よりも効率よく帯電することができ
る。上記図6と図7に相当する条件で、それぞれトナー
の帯電性試験を行ったところ、図7に比べて図6に示す
条件のほうが約50%効率が良いことが確認された。
【0041】次に、上記図1に示す現像装置を用いてト
ナーの帯電量を測定したところ、トナーは−7μC/g
から−12μC/gに帯電され、逆極性のトナーは0.
1wt%以下となることが確認された。また、トナー帯
電量は放電電極5、電界制御部材6、現像剤担持体2の
電位差が大きいほど高くなる性質があり、電離域を分離
することによって任意のトナー帯電量に制御可能となる
といった特徴もある。
【0042】また、従来例との比較のため、放電電極と
してシリコーンゴム中に導電粉を分散させた半導電性の
ロールもしくはブレードを用い、放電電極と現像剤担持
体との間に電界制御部材を設けない場合について、同様
にトナーの帯電効果を確認した。このとき、現像剤担持
体と放電電極との間には2000Vの電位差を設けた。
また、放電電極の構成としては、上記以外にもイオン導
電体を含んだものなど、電荷の伝達が可能な構成のもの
での評価も行った。その結果、いずれの場合も逆極性ト
ナーの発生を抑えることができず、20wt%以上の逆
極性トナーが発生した。さらに、局所的な放電などによ
り現像剤担持体に過大な放電電流が流れ、トナーが現像
に寄与できない程まで帯電量が上昇してしまう現象も見
られた。このような結果により、図1に示す現像装置で
は、逆極性トナーの発生が飛躍的に低減されることがわ
かる。
【0043】図8は、請求項7に記載の発明の他の実施
形態である現像装置に用いられる帯電装置であって、請
求項1、請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形
態である帯電装置を示す概略構成図である。この帯電装
置は、放電電極25と現像剤担持体22との対向位置
に、多数の小孔を有する導電性の薄板状の部材からなる
電界制御部材26を備えている。この電界制御部材26
は、両端部に設けられたトラッキング部材37により放
電電極25と微小間隙をおいて離隔されるとともに、現
像剤担持体22と近接・対向するように支持されてい
る。この電界制御部材26は、放電電極25が現像剤担
持体22と対向する領域の周辺部に延長して設けられて
おり、放電電極25が現像剤担持体22と対向する領域
にのみ、図8(b)に示すような多数の長円状の小孔2
6aが長手方向に配列されている。この小孔26aはフ
ォトエッチングエレクトロフォーミング、レーザー加工
などにより形成されたものである。なお、この帯電装置
の他の構成は、図1に示す現像装置で用いられる帯電装
置10と同じである。
【0044】このような帯電装置では、放電電極25と
電界制御部材26との間の電界により放電現象が生じ、
プラスイオンとマイナスイオン又は電子が発生するとと
もに、電界制御部材26と現像剤担持体22との間の電
界によりマイナスイオン又は電子が現像剤担持体22に
引き付けられる。これにより、現像剤担持体22上のト
ナーに負極性の電荷が付与され、トナーが均一に帯電さ
れる。
【0045】また、電界制御部材26が放電電極25と
現像剤担持体22との対向領域の周辺部に延長して設け
られているので、図7に示すような放出された電荷を引
き戻るような電界は発生しなくなり、現像剤担持体22
に電荷が誘導されやすくなる。このため、トナーを効率
良く帯電することが可能である。また、上記帯電装置で
は、放電電極25と電界制御部材26との支持構造が簡
単であるので、装置全体の小型化及びコストの低減が可
能となる。なお、上記電界制御部材26の小孔は、長円
状小孔26aに限らず、トナーを均一に帯電可能であれ
ばいかなる形状でもよく、例えば、図9に示すような多
数の円形小孔36aを有する薄板状の電界制御部材36
としてもよい。また図示しないが、網状部材などを用い
てもよい。
【0046】図10は、請求項1又は請求項2に記載の
発明の他の実施形態である帯電装置を示す概略構成図で
ある。この帯電装置は、放電電極45が半導電性フィル
ムで形成されており、一方の端部が固定され、もう一方
が現像剤担持体42の表面と当接するように支持されて
いる。この放電電極45の背面側には、該放電電極45
に電圧を印加する給電電極55が設けられている。ま
た、電界制御部材46は、放電電極45の表面上に絶縁
性層56を介して積層されており、現像剤担持体42と
近接して対向する位置に設けられている。この電界制御
部材46は、放電電極45が給電電極55と対向する位
置、すなわち放電電極45の放電を生じる領域と、この
領域の周辺部に延長して設けられている。なお、この帯
電装置の他の構成は上記図1に示す帯電装置10と同じ
である。
【0047】このような帯電装置では、放電電極45と
電界制御部材46との間に放電現象により電離が発生す
るが、電界制御部材46と現像剤担持体42との間の電
界の作用により電子又はマイナスイオンのみが現像剤担
持体42に引き付けられる。このため、現像剤担持体上
のトナーをほぼ均一に帯電することができる。さらに電
界制御部材46が、給電電極55と対向する放電電極4
5の放電を生じる領域の周辺部に延長して設けられてい
るので、放電電極45から放出された電荷を引き戻すよ
うな電界が生じるのが防止され、電荷が現像剤担持体4
2に誘導されやすくなる。このため、現像剤担持体上の
トナーを効率よく帯電することができる。また、放電電
極45と電界制御部材46とが一体の部材として形成さ
れるので、装置の簡略化や低コスト化を図ることができ
る。
【0048】図11は、請求項1、請求項3又は請求項
4に記載の発明の他の実施形態である帯電装置を示す概
略構成図である。この帯電装置では、放電電極65が可
撓性を有する半導電性フィルムからなり、円筒形状に形
成されている。この放電電極65の内周面側には現像剤
担持体62と対向する位置に給電電極75が配設されて
おり、放電電極65と当接して所定の電位を付与するよ
うになっている。さらに、放電電極65の内面と当接す
るように3つの支持ローラR1 ,R2 ,R3 が配設さ
れ、これらによって放電電極65が周回可能に支持され
ている。このとき、放電電極65の周速度が現像剤担持
体62の周速度と差を生じるように駆動される。また、
放電電極65と現像剤担持体62との対向位置には多数
の小孔を有する網状の電界制御部材66が配置され、両
端部に設けられたトラッキング部材(図示せず)により
現像剤担持体62と近接・対向して支持されている。こ
の電界制御部材66は、放電電極65と現像剤担持体6
2とが微小間隙をおいて対向する放電領域とこの放電領
域の周辺部に延長して設けられており、上記多数の小孔
はこの放電領域のみに形成されている。なお、この帯電
装置の他の構成は上記図1に示す帯電装置10と同じで
ある。
【0049】このような帯電装置では、放電電極65と
電界制御部材66との間に放電現象により電離が発生す
るが、電界制御部材66と現像剤担持体62との間の電
界の作用により電子又はマイナスイオンのみが現像剤担
持体62に引き付けられる。このため、現像剤担持体上
のトナーをほぼ均一な極性に帯電することができる。さ
らに電界制御部材66が、放電電極65の放電を生じる
領域の周辺部に延長して設けられているので、放電電極
65から放出された電荷を引き戻すような電界が生じる
のが防止され、電荷が現像剤担持体62に誘導されやす
くなる。このため、トナーを効率よく帯電することがで
きる。さらに、放電電極65の周速度が現像剤担持体6
2の周速度と差を生じるように駆動されているので、電
界制御部材66の電極部又は非電極部と対向する現像剤
担持体表面の位置が移動し、現像剤をほぼ均一に帯電す
ることが可能となる。
【0050】また、上記現像装置では、放電電極65と
現像剤担持体62との対向位置に電界制御部材66を配
設する構成であるが、放電電極の周面上に絶縁性層を介
して導電性の電界制御部材を積層する構成でもよい。こ
れにより、放電電極の周回移動にともなって電界制御部
材が移動するので、電界制御部材の形状による帯電むら
がなくなり、現像剤をほぼ均一な電位に帯電することが
可能となる。また、この場合、電界制御部材と現像剤担
持体とが接触するように支持してもよい。放電電極を可
撓性部材で形成することにより、現像剤担持体と接触し
た時に現像剤に与える機械的ストレスを低減することが
できる。さらに、現像剤担持体と接触させたときには、
電界制御部材の表面にトナーの粒径以下の微小開口部を
有する保護膜を設けるとよい。この保護膜は離型性のよ
い材料で形成されていることが好ましく、例えばフッ素
樹脂などを用いることができる。これにより、表面にト
ナーがに付着するのを防止することができ、より均一な
帯電電位が得られる。
【0051】図12は、請求項5に記載の発明の一実施
形態である帯電装置を示す概略構成図である。この帯電
装置は、図8に示す帯電装置とほぼ同じ構成であるが、
電界制御部材86の現像剤担持体82との対向位置から
周辺部に張り出した部分が放電電極85の側部を覆うよ
うに曲折されたシールド部86aを備えている。なお、
この帯電装置の他の構成は、図1に示す帯電装置10と
同じである。
【0052】このような帯電装置では、図8に示す帯電
装置と同様に逆極性のトナーの発生を防止できる効果に
加え、曲折部86aが放電電極85の側部を覆うように
形成されているので、放電電極の側部付近から図7に示
すような放出された電荷を引き戻す電界は発生しなくな
り、現像剤担持体82に電荷が誘導されやすくなる。こ
のためトナーを効率よく帯電することが可能となる。
【0053】図13は、請求項6に記載の発明の一実施
形態である帯電装置を用いた現像装置であって、請求項
8に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略
構成図である。この現像装置で用いられる帯電装置11
0は、図13(b)に示すように、背面に給電電極11
5を備える放電電極105と現像剤担持体102との対
向位置に、多数の小孔を有する電界制御部材106を備
え、さらにこの電界制御部材106の縁部付近と接合さ
れ、放電電極105及び給電電極115の側部から背面
部を覆うように配設された静電シールド部材117を備
えている。上記静電シールド部材117は導電性部材か
らなり、電源109から電界制御部材106とほぼ同じ
電位が印加されるようになっている。本例では、静電シ
ールド部材117の材料として電界制御電極106と同
じものが用いられている。なお、この帯電装置の他の構
成、及びこの帯電装置が用いられる現像装置の他の構成
は図1に示す帯電装置10及び現像装置と同じである。
【0054】このような帯電装置110では、図1に示
す帯電装置10と同様の効果に加え、静電シールド部材
117に電界制御部材106と同じ電位が印加されるの
で、放電電極105の側部付近で電荷を引き戻すような
電界は発生しなくなる。このため、現像剤担持体102
に電荷が誘導されやすくなり、トナーを効率よく帯電す
ることが可能となる。
【0055】このような帯電装置110の効果を確認す
るため、図14に示すように放電電極の周囲に静電シー
ルド部材を設けた場合について、形成される電場の状態
を調べた結果について説明する。図14に示すように、
放電電極と現像剤担持体との対向領域になだらかな電位
勾配が形成され、図7に示すような放出された電荷を引
き戻す電界が生じることはない。このため、放電電極か
ら現像剤担持体へ電荷が誘導されやすくなり、トナーを
効率よく帯電することが可能となる。
【0056】また、上記図13に示す現像装置におい
て、トナーの帯電効果を調べたところ、逆極性トナーが
0.1wt%以下となり、良好な帯電性が得られること
が確認された。
【0057】なお、上述の実施形態に記載した帯電装置
は、従来のスコロトロンに似た構成であるが、スコロト
ロンはワイヤーに高圧を印加して放電させているのに比
べ、本帯電装置はトナーと対向する部分のみで微小ギャ
ップ放電を起こさせるといったまったく違う方法を取っ
ている。さらに、本帯電装置では放電電極に印加する電
圧(本例では−2.2kV)がスコロトロンのワイヤー
に印加する電圧(通常は約−3.5kV〜−5.0k
V)よりも低いことや、オゾンの発生量が少ないにもか
かわらず、放電効率が良いことなどが従来のスコロトロ
ンと異なる点である。
【0058】
【実施例】本願発明に係る現像装置のトナー帯電性能を
確認するために、下記の条件にて長時間のプリントテス
トを行った結果について説明する。この実験では、現像
装置は図1と同じ構成のものが用いられている。 像担持体 :負帯電有機感光体 プロセススピード :200mm/sec 電界制御部材 :厚さ100μmの導電性材料から
なるフィルムにφ80μmの微小開口が開口率80%で
存在するもの 放電電極 :イオン導電体を含んだ電極 ゴム硬度:60度 体積抵抗率:108 Ω・cm 現像剤担持体 :φ20mm アルミニウム製ロール(表面粗さRa=0.5) 撹拌供給部材 :φ10mm 半導電性スポンジ材料からなるロール 層形成部材 :SUS303,厚さ0.12mm
の板バネに、1mm厚のEPDMゴムを接着したもの。 接着圧力は約30gf/cm 体積抵抗率105 Ω・cm、ゴム硬度50度 潜像電位 :−100V 背景部電位 :−350V
【0059】上記条件にてプリントテストを行ったとこ
ろ、従来問題であった、地かぶりや、逆極性トナーによ
る機内へのトナー飛散の発生はなく、維持性に優れてい
ることが確認された。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る帯電
装置及び現像装置では、放電電極と電界制御部材との間
の放電現象によりプラスイオンとマイナスイオン等の両
方が発生するが、電界制御部材と導電性の基体(現像装
置の場合は現像剤担持体)との間では電子なだれ現象は
起こらず、電界の作用によってプラスイオン又はマイナ
スイオン等のいずれか一方が導電性の基体側に引き付け
られるので、基体上の被帯電物をほぼ均一な極性に帯電
することが可能となる。このため、被帯電物が現像剤担
持体上のトナー出ある場合に、これをほぼ均一に帯電
し、逆極性トナーの発生を防止することができる。また
電界制御部材を放電電極と導電性の基体との対向領域の
周辺部に延長したり、放電電極の側部を覆うように曲折
するような構成により、放電電極の側部からの電界の影
響を排除することができ、電離によって発生した電荷を
より効率的に導電性の基体又は現像剤担持体に誘導する
ことができる。また、電界制御部材とほぼ同じ電位が印
加される静電シールド部材を配置した場合にも、同様に
電荷の移動を阻害するような電界が形成されるのを防止
することができ、より効率的な帯電を行うことが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1又は請求項2に記載の発明の一実施形
態である帯電装置が用いられる現像装置であって、請求
項7に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概
略構成図である。
【図2】上記現像装置において、現像剤担持体上の現像
剤が帯電されるメカニズムを示す図である。
【図3】上記現像装置の放電電極と現像剤担持体との間
の電位分布を示す図である。
【図4】従来の現像装置において、現像剤担持体上の現
像剤が帯電されるメカニズムを示す図である。
【図5】従来の現像装置の放電電極と現像剤担持体との
間の電位分布を示す図である。
【図6】図1に示す現像装置の効果を説明する図であっ
て、電界制御部材を放電電極と現像剤担持体との対向領
域の周辺部に延長した場合の電位分布を示す図である。
【図7】図1に示す現像装置の比較例であって、電界制
御部材を放電電極と現像剤担持体との対向領域にのみ設
けた場合の電位分布を示す図である。
【図8】請求項1、請求項3又は請求項4に記載の発明
の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図9】図8に示す帯電装置で用いられる電界制御部材
の他の例を示す部分拡大図である。
【図10】請求項1又は請求項2に記載の発明の他の実
施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図11】請求項1、請求項3又は請求項4に記載の発
明の他の実施形態である帯電装置を示す概略構成図であ
る。
【図12】請求項5に記載の発明の一実施形態である帯
電装置を示す概略構成図である。
【図13】請求項6に記載の発明の一実施形態である帯
電装置が用いられる現像装置であって、請求項8に記載
の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図で
ある。
【図14】図13に示す現像装置の効果を説明する図で
あって、放電電極と現像剤担持体との間の電位分布を示
す図である。
【図15】従来の現像装置の一例を示す概略構成図であ
る。
【図16】従来の現像装置の他の例を示す概略構成図で
ある。
【図17】従来の現像装置の現像剤担持体上の現像剤の
帯電される状態を示す図である。
【図18】従来の現像装置の現像剤担持体上の現像剤の
帯電される状態を示す図である。
【符号の説明】
1 像担持体 2、102 現像剤担持体 3、103 層形成部材 4、104 現像剤供給部材 5、25、45、65、85、105 放電電極 6、26、46、66、86、106 電界制御部材 7、107 現像用電源 8、108 トナー帯電用電源 9、109 電界制御用電源 10 帯電装置 11 ハウジング 15、35、55、75、95、115 給電電極 16、56 絶縁性層 37、97 トラッキング部材 117 静電シールド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉本 新一 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 安部 純 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上にある被帯電物に近接して配置
    され、前記基体との間に電圧が印加される放電電極と、 この放電電極と前記基体との間に形成される電界内に配
    置され、前記放電電極の電位と前記基体の電位との間の
    電位が印加されることによって前記電界内の電離領域を
    制限する電界制御部材とを有し、 該電界制御部材は、前記放電電極が前記基体と対向し、
    放電を生じる領域とこの領域の周辺部に延長して設けら
    れていることを特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の帯電装置において、 前記電界制御部材は、前記放電電極又はこれと一体とな
    った絶縁性基材上に、絶縁性層を介し、多数の小孔を有
    する網状に積層された導電性層又は半導電性層であるこ
    とを特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の帯電装置において、 前記電界制御部材は、導電性材料又は半導電性材料から
    なり、網状又は多数の小孔を有する薄板状の部材である
    ことを特徴とする帯電装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の帯電装置において、 前記網状の部材の開孔又は薄板状の部材の小孔は、前記
    放電電極が前記基体と対向し、放電を生じる領域にのみ
    設けられていることを特徴とする帯電装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の帯電装置において、 前記電界制御部材の放電を生じる領域から周辺部に張り
    出した部分は、前記放電電極の側部を覆うように曲折さ
    れていることを特徴とする帯電装置。
  6. 【請求項6】 基体上にある被帯電物に近接して配置
    され、前記基体との間に電圧が印加される放電電極と、 この放電電極と前記基体との間に形成される電界内に配
    置され、前記放電電極の電位と前記基体の電位との間の
    電位が印加されることによって前記電界内の電離領域を
    制限する電界制御部材と、 前記放電電極の側部を覆うように設けられ、前記電界制
    御電極とほぼ同じ電位が印加される静電シールド部材を
    有することを特徴とする帯電装置。
  7. 【請求項7】 表面に静電電位の差による潜像が形成
    された像担持体と近接もしくは接触するように配設され
    る現像剤担持体を備え、 この現像剤担持体上に形成された現像剤の薄層を前記像
    担持体に対向させ、選択的に現像剤を転移させて前記静
    電潜像を可視化する現像装置において、 前記現像剤担持体と近接して対向するように配置され、
    該現像剤担持体との間に電圧が印加される放電電極と、 この放電電極と前記現像剤担持体との間に形成される電
    界内に配置され、前記放電電極の電位と前記基体の電位
    との間の電位が印加されることによって前記電界内の電
    離領域を制限する電界制御部材とを有し、 該電界制御部材は、前記放電電極が前記現像剤担持体と
    対向し、放電を生じる領域とこの領域の周辺部に延長し
    て設けられていることを特徴とする現像装置。
  8. 【請求項8】 表面に静電電位の差による潜像が形成
    された像担持体と近接もしくは接触するように配設され
    る現像剤担持体を備え、 この現像剤担持体上に形成された現像剤の薄層を前記像
    担持体に対向させ、選択的に現像剤を転移させて前記静
    電潜像を可視化する現像装置において、 前記現像剤担持体と近接して対向するように配置され、
    該現像剤担持体との間に電圧が印加される放電電極と、 この放電電極と前記現像剤担持体との間に形成される電
    界内に配置され、前記放電電極の電位と前記基体の電位
    との間の電位が印加されることによって前記電界内の電
    離領域を制限する電界制御部材と、 前記放電電極の側部を覆うように設けられ、前記電界制
    御部材とほぼ同じ電位が印加される静電シールド部材を
    有することを特徴とする現像装置。
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