JPH10207083A - 平版印刷版の加筆修正用下処理剤 - Google Patents

平版印刷版の加筆修正用下処理剤

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JPH10207083A
JPH10207083A JP1418997A JP1418997A JPH10207083A JP H10207083 A JPH10207083 A JP H10207083A JP 1418997 A JP1418997 A JP 1418997A JP 1418997 A JP1418997 A JP 1418997A JP H10207083 A JPH10207083 A JP H10207083A
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JP
Japan
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acid
correction
agent
printing plate
weight
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JP1418997A
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Hiroshi Matsumoto
博 松本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷版において加筆修正した画像部を長
時間安定に印刷に供し、且つ、支持体表面の親水性を劣
化させることがない、平版印刷版用の加筆修正用下処理
剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式で示される化合物を含有する
水溶液であることを特徴とする平版印刷版の加筆修正用
下処理剤。 Mn XFm (式中、MはH,Na , K,Li ,NH4 を示し、nは
1〜2の整数を示し、XはZr,Ti,Si,P,Bを
示し、及びmは4又は6の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷版の加筆
修正を施すときに使用する下処理剤に関する。特に、写
真製版法により製造された平版印刷版の画像部の欠落し
た個所を加筆修正するときの下処理剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、水と油が本質的に混り合
わない性質を巧みに利用した印刷方式であり、印刷版面
は、水を受容し油性インキを反撥する領域と、水を反撥
し油性インキを受容する領域からなり、前者が非画像域
で後者が画像域である。例えば画像領域の一部が何らか
の原因で脱落した個所があるとき及び印刷中画像部の一
部が脱落し正常印刷物が得られないとき、一般的には油
性のマジックインキ、油性ラッカー、加筆ペン、解墨等
で修正を施すことがなされる。しかし、印刷版の表面は
化学的に親水化処理が施されているため、加筆処理して
も、印刷するとすぐに施した画像部は油性インキを受け
つけなくなる欠陥を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、加筆修正した画像部が長時間安定に印刷できる下処
理剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、鋭意研究を重ねた結果、特定のフッ素化
合物を含有する水溶液で、平版印刷版の加筆修正前に下
処理することによって、その下処理剤で処理した後加筆
修正した画像部が長時間安定に印刷できることを見出
し、本発明をなすに至った。従って本発明は、下記一般
式(I)で示される化合物を含有する水溶液であること
を特徴とする平版印刷版の加筆修正用下処理剤に関す
る。 Mn XFm (I) (式中、MはH,Na , K,Li ,NH4 を示し、nは
1〜2の整数を示し、XはZr,Ti,Si,P,Bを
示し、mは4又は6の整数を示す。)
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
上記一般式(I)で示した化合物の具体例としては、ジ
ルコンフッ化水素酸(H 2ZrF6)、ジルコンフッ化ナトリウ
ム(Na2ZrF6) 、ジルコンフッ化カリウム(K2ZrF 6)、ジル
コンフッ化リチウム(Li2ZrF6) 、ジルコンフッ化アンモ
ニウム((NH4)2ZrF6)、チタンフッ化水素酸(H2TiF6)、チ
タンフッ化ナトリウム(Na2TiF6) 、チタンフッ化カリウ
ム(K2TiF6)、チタンフッ化リチウム(Li2TiF6) 、チタン
フッ化アンモニウム((NH4)2TiF6)、ケイフッ化水素酸(H
2SiF6)、ケイフッ化ナトリウム(Na2SiF6) 、ケイフッ化
カリウム(K2SiF6)、ケイフッ化リチウム(Li2SiF6) 、ケ
イフッ化アンモニウム((NH4)2SiF6)、六フッ化リン酸(H
PF6)、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF6) 、六フッ化リ
ン酸カリウム(KPF6)、ホウフッ化水素酸(HBF4)、ホウフ
ッ化ナトリウム(NaBF4) 、ホウフッ化カリウム(KBF4)、
ホウフッ化リチウム(LiBF4) 、ホウフッ化アンモニウム
(NH4BF4)等が挙げられる。本発明の加筆修正用下処理剤
におけるこれらの化合物の含有量は、下処理剤の総重量
に対して0.1〜10重量%の範囲が適当であり、より好
ましくは0.3〜6重量%の範囲で含有させることができ
る。これらの化合物は1種を単独で使用しても、又は2
種以上を併用してもよい。これらの中でジルコンフッ化
物、ケイフッ化物、6フッ化リン酸化合物は、本発明に
おいて使用するのに特に好ましい。
【0006】本発明の平版印刷版の加筆修正用下処理剤
は水を主溶媒とするものである。本発明の加筆修正用下
処理剤は必要に応じて、更に他の成分を含有することも
できる。例えば(a)鉱酸及び有機酸、(b)界面活性
剤、等が有用に使用される。本発明に使用される成分
(a)の鉱酸としては、硫酸、リン酸、ポリリン酸、メ
タリン酸、硝酸、塩酸等が挙げられる。また、有機酸と
しては、フィチン酸、クエン酸、酒石酸、蓚酸、ギ酸、
リンゴ酸、乳酸、ホスホン酸等がある。ホスホン酸とし
ては例えば1−ヒドロキシエチリデン1,1−ジホスホ
ン酸、1,2−ジホスホノ−1,2−カルボキシエタ
ン、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビニルホスホ
ン酸、ポリビニルホスホン酸、等を挙げることができ
る。これら化合物の中でリン酸、メタリン酸、フィチン
酸、ギ酸、蓚酸等が特に有用に使用される。又これらの
化合物は1種以上使用することもできる。その配合量
は、本発明の加筆修正用下処理剤の総重量に対して0.0
1〜10重量%の範囲が適当であり、より好ましくは0.
05〜7重量%の範囲で含有させることができる。
【0007】本発明に使用される成分(b)の界面活性
剤は、本発明の加筆修正用下処理剤の均一の濡れ性を得
るために使用される。特にアニオン型界面活性剤及びノ
ニオン型界面活性剤が使用される。アニオン界面活性剤
としては脂肪族塩類、高級アルコール硫酸エステル塩
類、脂肪族アルコールのリン酸エステル塩類、二塩基性
脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミドスルホ
ン酸塩類、アルキルアリールスルホン酸塩類、ホルムア
ルデヒド縮合ナフタリンスルホン酸塩類、アルキルジフ
ェニルエーテルスルホン酸塩類等が挙げられる。ノニオ
ン型界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソル
ビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン/ポリ
オキシプロピレンブロック共重合体、アセチルアルコー
ル、アセチルグリコールのポリオキシエチレン付加物等
が挙げられる。その他フッ素界面活性剤系のアニオン、
ノニオン型、シリコン系のノニオン界面活性剤も同様に
使用することができる。使用量は特に限定されるもので
はないが、好ましい範囲は加筆修正用下処理剤の総重量
に基づいて1重量%以下である。
【0008】上記成分の他、加筆修正用下処理剤には湿
潤剤、防腐剤等を含ませることもできる。湿潤剤の好ま
しい具体例としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、ペンタンジオール、
ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、グリセリンソルビトール、ペンタエ
リスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン等が挙げ
られる。これらの化合物は単独又は2種以上組み合せて
用いることもできる。湿潤剤は、本発明による加筆修正
用下処理剤の総重量を基準に0.001〜5.0重量%、よ
り好ましくは0.01〜1.0重量%の範囲で配合される。
【0009】本発明に使用される防腐剤としては例えば
フェノール又はその誘導体、ホルマリンイミダゾール誘
導体、デヒドロ酢酸及びその塩、4−イソチアゾリン−
3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン化合
物、ベンズトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘
導体、四級アンモニウム塩、ピリジン、キノリン、グア
ニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾールの誘導
体、オキサゾール、オキサジンの誘導体、2−ブロモ−
2−ニトロプロパン−1,3−ジオール等が挙げられ
る。好ましい添加量は細菌、カビ、酵母等に対して安定
に効力を発揮する量であって細菌、カビ、酵母等の種類
によっても異なるが、本発明の加筆修正用下処理剤の総
重量を基準に一般に0.01〜5重量%が適当であり、又
種々のカビや細菌に効力があるように2種以上の防腐剤
を併用することが好ましい。本発明の平版印刷版の加筆
修正用下処理剤は、上述の成分を用いて常法に従って調
製することができる。
【0010】本発明の加筆修正用下処理剤は、ポジ型及
びネガ型感光性平版印刷版(以下PS版という)に適用
でき、画像部の欠落個所の修正加筆するときに有利に使
用されるので、このPS版について以下詳細に説明す
る。ポジ型感光性組成物に用いられるジアゾ化合物とし
ては従来知られているものが使用できるが、代表的なも
のとしてはo−キノンジアジド類が挙げられ、好ましく
はo−ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。o−
ナフトキノンジアジド化合物の内でも、特に種々のヒド
ロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル又はo−ナフトキノンジアジドカルボン酸エステ
ル、及び芳香族アミノ化合物のo−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸アミド又はo−ナフトキノンジアジドカル
ボン酸アミドが好適である。好ましいヒドロキシル化合
物としてはフェノール酸とカルボニル基含有化合物との
縮合樹脂が挙げられる。該フェノール類としてはフェノ
ール、クレゾール、レゾルシン及びピロガロール等が挙
げられ、該カルボニル基含有化合物としてはホルムアル
デヒド、ベンズアルデヒド及びアセトン等が挙げられ
る。好ましいヒドロキシ化合物としては、フェノール・
ホルムアルデヒド樹脂、クレゾール・ホルムアルデヒド
樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂、レゾルシン・ベン
ズアルデヒド樹脂が挙げられる。
【0011】o−キノンジアジド化合物の代表的な具体
例としては、ベンゾキノン−(1,2)−ジアジドスル
ホン酸又はナフトキノン−(1,2)−ジアジドスルホ
ン酸とフェノール・ホルムアルデヒド樹脂又はクレゾー
ル・ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、特開昭56−
1044号公報に記載されているナフトキノン−(1,
2)−ジアジド−(2)−5−スルホン酸とレゾルシン
−ベンズアルデヒド樹脂とのエステル、米国特許第3,
635,709号明細書に記載されているナフトキノン
−(1,2)−ジアジドスルホン酸とピロガロール・ア
セトン樹脂とのエステル、特開昭55−76346号公
報に記載されているナフトキノン−(1,2)−ジアジ
ド−(2)−5−スルホン酸とレゾルシン−ピロガロー
ル−アセトン共重縮合物とのエステルが挙げられる。そ
の他有用なo−キノンジアジド化合物としては、特開昭
50−117503号公報に記載されている末端ヒドロ
キシル基を有するポリエステルにo−ナフトキノンジア
ジドスルホニルクロライドをエステル化反応させたも
の、特開昭50−113305号公報に記載されている
ようなp−ヒドロキシスチレンのホモポリマー又は他の
共重合し得るモノマーとの共重合体にo−ナフトキノン
ジアジドスルホニルクロライドをエステル化反応させた
もの、特開昭54−29922号公報に記載されている
ビスフェノール・ホルムアルデヒド樹脂とo−キノンジ
アジドスルホン酸とのエステル、米国特許第3,85
9,099号明細書に記載されているアルキルアクリレ
ート、アクリロイルオキシアルキルカーボネート及びヒ
ドロキシアルキルアクリレートの共重合体とo−キノン
ジアジドスルホニルクロライドとの縮合物、特公昭49
−17481号公報記載のスチレンとフェノール誘導体
との共重合体生成物とo−キノンジアジドスルホン酸と
の反応生成物、米国特許第3,759、711号明細書
に記載されているようなp−アミノスチレンと共重合し
得るモノマーとの共重合体とo−ナフトキノンジアジド
スルホン酸または、o−ナフトキノンジアジドカルボン
酸とのアミド、及びその他にポリヒドロキシベンゾフェ
ノンとo−ナフトキノンジアジドスルホニルクロライド
とのエステル化合物等が挙げられる。
【0012】これらのo−キノンジアジド化合物は単独
で使用することができるが、アルカリ可溶性樹脂と混合
し、この混合物を感光層として設ける方が好ましい。好
適なアルカリ可溶性樹脂には、ノボラック型フェノール
樹脂が含まれ、具体的にはフェノールホルムアルデヒド
樹脂、クレゾールホルムアルデヒド樹脂、特開昭55−
57841号公報に記載されているようなフェノール・
クレゾールホルムアルデヒド共重縮合体樹脂などが含ま
れる。更に、特開昭50−125806号公報に記され
ているように、上記のようなフェノール樹脂と共にt−
ブチルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂のような炭素
数3〜8のアルキル基で置換されたフェノールまたはク
レゾールとホルムアルデヒドとの縮合物とを併用する
と、より一層好ましい。更に上記アルカリ可溶性ノボラ
ック型フェノール樹脂以外のアルカリ可溶性樹脂を、必
要に応じて配合することができる。例えば、スチレン−
アクリル酸共重合体、メチルメタクリレート−メタクリ
ル酸共重合体、アルカリ可溶性ポリウレタン樹脂、特公
昭52−28401号公報記載のアルカリ可溶性ビニル
系樹脂及びアルカリ可溶性ポリブチラール樹脂等を挙げ
ることができる。o−キノンジアジド化合物の含有量
は、感光性組成物全固形分に対し、5〜80重量%が好
ましく、特に好ましくは10〜50重量%である。アル
カリ可溶性樹脂の含有量は、感光性組成物の全固形分に
対し30〜90重量%が好ましく、特に好ましくは50
〜85重量%である。
【0013】ネガ型感光組成物は感光性ジアゾ樹脂及び
好ましくは高分子化合物を含有するもので、感光性ジア
ゾ樹脂としては従来知られているものが使用できる。好
ましいものとしては有機溶媒可溶のジアゾ樹脂の塩、例
えばp−ジアゾジフェニルアミンとホルムアルデヒド又
はアセトアルデヒドの縮合物とヘキサフルオロ燐酸との
塩、トルエンスルホン酸との塩、2−ヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸との塩等が挙
げられる。感光組成物中のジアゾ樹脂の含有量は1〜5
0重量%、好ましくは3〜40重量%の範囲である。
【0014】高分子化合物としては、例えばアクリル酸
又はメタクリル酸共重合体、クロトン酸共重合体、イタ
コン酸共重合体、マレイン酸共重合体、側鎖にカルボキ
シル基を有するセルロース誘導体、側鎖にカルボキシル
基を有するポリビニルアルコール誘導体、側鎖にカルボ
キシル基を有するヒドロキシアルキルアクリレートまた
はメタクリレート共重合体、カルボキシル基を有する不
飽和ポリエステル樹脂等が好ましく用いられる。より好
ましくは酸価が10〜300の高分子である。特に特開
昭50−118802号公報に記載されているヒドロキ
シエチルメタクリレート/アクリルニトリル等の共重合
体等が好適に用いられている。又特開平2−23655
2号公報、特開平4−274429号公報に記載のジメ
チルマレイミド基を含有する感光性ポリマー系も用いら
れる。支持体上に設けられる上記感光性組成物の塗布量
は0.1〜7g/m2 が好ましく、更に好ましくは0.5〜
4g/m2 である。
【0015】必要により、支持体と感光性組成物層の間
に特公昭57−16349号公報記載の金属塩と親水性
セルロース、特公昭46−35685号公報記載のポリ
ビニルホスホン酸、特開昭60−149491号公報記
載のβ−アラニン、又は特開昭60−232998号公
報記載のポリエタノールアミン・塩酸塩などの下塗層を
設けてもよい。感光性平版印刷版に使用される支持体と
してはアルミニウム(アルミニウム合金を含む)及び亜
鉛アルミニウムラミネート又は蒸発された複合支持体が
好適に用いられる。アルミニウム材の表面は、保水性を
高め、感光層との密着性を向上させる目的で粗面化処理
されていることが望ましい。粗面化方法としては、一般
に公知のブラシ研磨法、ボール研磨法、電解エッチン
グ、化学的エッチング、液体ホーニング、サンドブラス
ト等の方法及びこれらの組合せが挙げられる。好ましく
はブラシ研磨法、電解エッチング、化学的エッチング及
び液体ホーニングが挙げられ、これらのうちで特に電解
エッチングの使用を含む粗面化方法が好ましい。また、
電解エッチングの際に用いられる電解浴としては、酸、
アルカリ又はそれらの塩を含む水溶液あるいは有機溶剤
を含む水性溶液が用いられ、これらのうちで特に塩酸、
硝酸又はそれらの塩を含む電解液が好ましい。更に粗面
化処理の施されたアルミニウム板は、必要に応じて酸又
はアルカリの水溶液にてデスマット処理される。こうし
て得られたアルミニウム板は陽極酸化処理されることが
望ましく、特に好ましくは、硫酸又はリン酸を含む浴で
処理する方法が挙げられる。更に必要に応じて封孔処
理、その他弗化ジルコニウム酸カリウム水溶液への浸漬
などによる表面処理を行うことができる。支持体の表面
粗さは平均0.1〜1.0μm程度が好ましい。
【0016】かくして得られたPS版は、透明原図を通
してカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドラン
プ、タングステンランプ等の活性光線の豊富な光源によ
り露光され、次いで湿式処理による現像処理工程にて現
像される。上記現像処理工程に際して使用される現像液
は水を主溶媒とするアルカリ性溶液であり、アルカリ剤
の必要に応じて有機溶剤、アニオン界面活性剤、無機塩
等を含むものが用いられる。現像液中には必要に応じて
更に消泡剤、湿潤剤等を含有させておくことも有用であ
る。上記のような現像液で画像露光させたPS版を現像
する方法としては従来公知の種々の方法が可能である。
具体的には、画像露光されたPS版を現像液中に浸漬す
る方法、PS版の感光層に対して多数のノズルから現像
液を噴射する方法、現像液で湿潤されたスポンジでPS
版の感光層を拭う方法、PS版の感光層の表面に現像液
をローラ塗布する方法などが挙げられる。また、このよ
うにしてPS版の感光層に現像液が施された後、感光層
の表面をブラシなどで軽く擦ることもできる。上記のよ
うな現像処理の後、水洗、リンス、不感脂化処理などを
組み合せた処理を行い、PS版の現像処理を完了させ
る。
【0017】上記の如く、PS版に画像露光及び現像を
施して得られた平版印刷版に必要な画像部が何らかの原
因で欠落している場合に、その周辺を本発明の加筆修正
用下処理剤で処理を行なう。例えば、該下処理剤を脱脂
綿に含ませて平版印刷版上の線画の欠落部を2〜3回こ
すり、30秒間ほど放置し、その後水洗し乾燥後、加筆
用ペン、油性マジック、解墨等を用いて修正を施す。加
筆用ペン等による修正処理後、そのまま乾燥し、その後
は通常の方法で処理(例えばガム引きなど)され、平版
印刷版として使用される。
【0018】
【発明の効果】本発明の加筆修正用下処理剤で処理する
ことにより、その後の各種の加筆液、例えば加筆ペンで
修正した平版印刷版上の画像部は、優れた耐刷力を発揮
する。本発明の加筆修正用下処理剤はまた、支持体表面
の親水性を劣化させることがないので、所望の画像部を
選択的に修正して汚れのない印刷物を得ることができ
る。また、平版印刷版を再版する必要がないので、経済
的にも大きい利点を有している。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、他に明記しない限り「部」は「重量部」
を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
【実施例1】厚さ0.3mmのアルミニウム板をブラシで研
磨した後、さらに硝酸溶液中で電気化学的に粗面化し、
よく洗浄した後硫酸溶液中で陽極酸化を行って2.5g/
2の酸化皮膜を上記アルミニウム板表面上に形成させ
た。水洗、乾燥後、特開昭56−1044号公報の実施
例に従って合成したレゾルシンベンズアルデヒド樹脂と
ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロ
ライドとのエステル化物3部とクレゾールホルマリンノ
ボラック樹脂9部ならびにビクトリア・ピュア・ブルー
BOH(保土ヶ谷化学工業(株)製)0.12部を2−メ
トキシエタノール100部に溶解した感光液を回転式塗
布機で上記支持体上に塗布乾燥し、2.8g/m2 の感光
性層を有するポジ型PS版を得た。この上に網点写真透
明陽画のフィルムに予め線画部分にオペークインキを塗
り、線画部を一部脱落させ、このフィルムを密着させて
0.8mの距離からメタルハライドランプにて60秒間露
光し、次に現像液にて現像し印刷版を得た。こうして得
られた平版印刷版には陽画フィルムの線画部が一部欠落
した画像が確認された。
【0020】一方、本発明の加筆修正用下処理剤を次の
ように調製した。先ず純水955重量%、ジルコンフッ
化水素酸(40%)を40重量%、蓚酸5重量%を溶解
し加筆修正用下処理剤を得た。調製された加筆修正用下
処理剤を脱脂綿に含ませて、前記平版印刷版上の線画の
欠落部を2〜3回こすり30秒放置し、その後水洗し乾
燥させた。乾燥後、加筆ペン(富士写真フィルム(株)
製)細字用タイプを用いて欠落した線画部を修正し、乾
燥させ完了した版を保護ガムとしてGu −7(富士写真フ
ィルム(株)製) を1:1に水で希釈しガム引きを行
い、オフセット印刷機に取付けて3万枚印刷したが、加
筆修正した個所の劣化は見られず、又、処理を施した周
辺も汚れることなく美しい印刷物が得られた。
【0021】
【実施例2〜5】下記表1の組成(単位:重量%)に従
って、実施例1の場合と同様の方法で調製し、本発明の
加筆修正用下処理剤を得た。
【0022】
【表1】 ─────────────────────────────────── 実 施 例 2 3 4 5 ─────────────────────────────────── 純 水 960 955 952.5 955 ジルコンフッ化水素酸 (40%) 20 − − 30 ホウフッ化水素酸 (40%) − 40 − − チタンフッ化水素酸 (40%) − − − 10 六フッ化リン酸 (40%) 20 − 40 − 蓚 酸 − − 2.5 5 ギ 酸 − 5 − − FC−95(界面活性剤3M(株)製) − − − 0.01 プロピレングリコール − − 5 − ───────────────────────────────────
【0023】実施例2〜5の加筆修正用下処理剤を用い
て、実施例1と同様に線画部を一部脱落させた平版印刷
版を処理し、耐刷性及び汚れを試験した。その処理操
作、処理条件、評価基準は下記のとおりである。加筆修
正用下処理剤を脱脂綿に含ませて修正個所を処理し、2
0秒放置後水洗し乾燥させ、各種の加筆修正を行った。
尚、比較例として、下処理なしで加筆修正を行った版を
用いた。 加筆ペン(富士写真フィルム(株)製)細画き用 マジックインキ(内田洋行(株)製)細画き用 解墨(平凹印刷用) 加筆後10分放置した後、ガム液(Gu−7富士写真フ
ィルム(株)製)1:1水希釈をスポンジ塗布して、ガ
ム引きを行った。その後印刷に供した。 印刷機:ハイデルSORM インキ:東洋インキ(株)製 Fグロス墨インキ 耐刷性(加筆修正箇所の劣化がなく印刷できる枚数) 0〜1000枚 × 5000〜10000枚 △ 10000〜20000枚 ○ 汚れ(印刷1〜1000枚までの印刷中に発生する汚
れ) ○ 汚れ発生なし △ 微小インキ汚れあり × 汚れ発生
【0024】
【表2】 ─────────────────────────────── 実 施 例 比較例 2 3 4 5 (下処理なし) ─────────────────────────────── 耐刷性 加筆ペン ○ ○ ○ ○ △〜× マジック ○ ○ ○ ○ × 解 墨 ○ ○ ○ ○ × ─────────────────────────────── 汚れ ○ ○ ○ ○ ○ ───────────────────────────────
【0025】表2に示される結果から判るように、本発
明の加筆修正用下処理剤による処理後は、いずれの加筆
液で修正しても耐刷力を発揮させることができ、その処
理によって支持体表面の親水化を悪化することなく所望
の画像部を修正できる利点がある。以上のことより、こ
の加筆修正用下処理剤を使用することにより、印刷版の
再版をすることなく美しい印刷物が得られることから、
経済的にも大きい利点を有している。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される化合物を含有する
    水溶液であることを特徴とする平版印刷版の加筆修正用
    下処理剤。 Mn XFm (式中、MはH,Na , K,Li ,NH4 を示し、nは
    1〜2の整数を示し、XはZr,Ti,Si,P,Bを
    示し、及びmは4又は6の整数を示す。)
JP1418997A 1997-01-28 1997-01-28 平版印刷版の加筆修正用下処理剤 Pending JPH10207083A (ja)

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