JPH10205363A - エンジンブレーキ装置 - Google Patents

エンジンブレーキ装置

Info

Publication number
JPH10205363A
JPH10205363A JP1292897A JP1292897A JPH10205363A JP H10205363 A JPH10205363 A JP H10205363A JP 1292897 A JP1292897 A JP 1292897A JP 1292897 A JP1292897 A JP 1292897A JP H10205363 A JPH10205363 A JP H10205363A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
release piston
engine
exhaust valve
hole
oil pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1292897A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Iijima
寿男 飯島
Yukinori Kawamoto
幸徳 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd filed Critical Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Priority to JP1292897A priority Critical patent/JPH10205363A/ja
Publication of JPH10205363A publication Critical patent/JPH10205363A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気弁のリフト量を最適化し、あらゆるエン
ジン回転域で最大のブレーキ力を得る。 【解決手段】 本発明は、油圧室19内への油圧の供給
により解放ピストン3を押動して排気弁5をリフトさせ
るエンジンブレーキ装置にあって、上記解放ピストン3
にエンジン回転数に応じた油圧を供給する油圧供給手段
と、上記解放ピストン3を上記油圧室19側に付勢し、
その油圧値に応じた量だけ上記解放ピストン3をリフト
させる付勢手段14a,14bとを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダ内の圧縮圧を解放してエンジンブレーキ力を増大させ
るエンジンブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近来にあっては、エンジンブレーキ使用
時において排気弁或いは専用弁をリフトさせ、エンジン
のシリンダ内の圧縮圧を解放させることによりエンジン
ブレーキ力を増大させるエンジンブレーキ装置が種々提
案されている。このうち常開式とよばれているエンジン
ブレーキ装置は、ブレーキ力増大が必要な時に、弁を僅
かにリフトした位置に保持して、全サイクルに亘ってシ
リンダから圧縮圧を逃がすようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人は
先に、ブレーキユニットと作動切替弁との組み合わせに
かかる常開式エンジンブレーキ装置を提案した(特願平
8-98135 号)。これにおいては、ブレーキユニットが排
気弁を動作させるアクチュエータとして働き、作動切替
弁が、オイルポンプ等の油圧供給手段から送られてくる
高油圧をそのまま或いは低圧に切り替えてブレーキユニ
ットに供給する。作動切替弁の切替動作は車室内のスイ
ッチ操作に基づきコントローラにより制御され、ブレー
キユニットが高油圧を受けた場合、その内部の解放ピス
トンを押動させて排気弁をリフトさせるようになってい
る。
【0004】ここで、上記装置では、解放ピストンのリ
フト量をエンジン回転数によらず常に一定とし、排気弁
のリフト量を常に一定に保つようになっている。
【0005】しかし、これでは、エンジンの低〜高速回
転域全てを賄えるようリフト量をある妥協点に設定せざ
るを得ず、あらゆるエンジン回転域で最適なリフト量、
満足なブレーキ力を得ることができなかった。例えば、
エンジンの低中速回転時にはリフト量が相対的に大きく
なってしまい、圧縮時の吹き抜け量が多くなって圧縮圧
が上昇せず、十分なブレーキ力を得られない場合があっ
た。また、このリフト量を低速回転域に合わせて小さく
設定しても、こんどは高速回転時、圧縮行程での抜けが
悪化して膨張行程でもシリンダ内圧が高いままとなり、
十分なブレーキ力が発生しない場合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、油圧室内への
油圧の供給により解放ピストンを押動して排気弁をリフ
トさせるエンジンブレーキ装置にあって、上記解放ピス
トンにエンジン回転数に応じた油圧を供給する油圧供給
手段と、上記解放ピストンを上記油圧室側に付勢し、そ
の油圧値に応じた量だけ上記解放ピストンをリフトさせ
る付勢手段とを設けたものである。
【0007】これによれば、解放ピストンのリフト量を
エンジン回転数に合わせて最適化し、あらゆる回転域で
十分なブレーキ力を得られるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0009】本発明に係るエンジンブレーキ装置は、図
1及び図2に示すブレーキユニット1と、図3及び図4
に示す作動切替弁2とから主に構成される。これらブレ
ーキユニット1と作動切替弁2とは油圧配管で接続さ
れ、さらに作動切替弁2は図示しない油圧供給手段に接
続されて、それで発生した高油圧をブレーキユニット1
に選択的に供給する。図1及び図3はエンジンブレーキ
が要求された場合の作動時の状態を示し、図2及び図4
は通常の非作動時の状態を示す。ブレーキユニット1は
エンジンの各気筒に対し一つずつ設けられ、作動切替弁
2はこれらブレーキユニット1に一括して油圧供給を行
う。
【0010】ここで、油圧供給手段としては、通常エン
ジンに装備されるオイルポンプが利用され、これはエン
ジンに連動して駆動され、エンジン回転数に応じた値の
油圧を発生すると共に、その比較的高圧となった潤滑用
エンジンオイルを、エンジンの各摺動部の他、上記作動
切替弁2に供給するようになっている。
【0011】図1に示すように、ブレーキユニット1は
解放ピストン3を有し、図5も参照して、解放ピストン
3の下方にはプッシュロッド4とエンジンの排気弁5と
が同軸配置されている。そして解放ピストン3が油圧を
受けて下方に押されると、プッシュロッド4を介して排
気弁5が下方に移動され、バルブシート6に対し僅かに
リフトされるようになっている。逆に解放ピストン3が
油圧供給停止により上昇すれば、排気弁5がバルブスプ
リング7に付勢されて図5の仮想線の如くバルブシート
6に着座し、排気ポートを閉じるようになる。
【0012】このように排気弁5は解放ピストン3に連
動するが、その一方で正規のバルブタイミングで開閉す
る必要もあるため次のような構造が採られる。即ち、プ
ッシュロッド4はスリーブ8に摺動自在に挿通され、ス
リーブ8はバルブブリッジ9に螺合された後、ナット1
0で固定されている。バルブブリッジ9がロッカーアー
ムを介してカムで駆動されるため、結局スリーブ8がそ
の下降時のみプッシュロッド4の下端の傘部11を押
し、排気弁5を下降させることとなる。そしてこの際の
下降量ないしリフト量は解放ピストン3によるものより
かなり大きく、従って排気弁5はカムによる下降が優先
され、解放ピストン3の動作とは無関係に正規の量でリ
フトされることになる。なおこのときには解放ピストン
3とプッシュロッド4とが離れる。そしてバルブブリッ
ジ9が上昇位置にあるときのみ、解放ピストン3の下降
に基づく排気弁5の微小リフトが可能となる。
【0013】図1に示すように、ブレーキユニット1の
ハウジング12内部には、解放ピストン3を摺動自在に
収容する上下方向に沿ったシリンダ穴13が区画形成さ
れている。シリンダ穴13には、解放ピストン3を上方
(油圧室19側)に付勢する付勢手段としてのリターン
スプリング14a,14bが装入されている。これらリ
ターンスプリング14a,14bは、それぞれ二重管状
に配置された長短のコイルスプリングからなり、特にこ
のように二つのリターンスプリング14a,14bを用
いることで、従来(特願平8-98135 号)よりも全体とし
てのバネ定数を高め、解放ピストン3を強力に付勢する
ようにしている。
【0014】さらに、シリンダ穴13には環状のスプリ
ング受15及びストッパリング16が装入され、これら
によってリターンスプリング14a,14bの反力が受
け止められる。解放ピストン3は断面略T字状に形成さ
れ、大径の摺動部17から小径の軸状部18が下方に一
体に延出されて構成されている。軸状部18がプッシュ
ロッド4の上端面に当接してこれを押動する。
【0015】解放ピストン3には、その上方の油圧室1
9からオイルをリークさせるためのリーク穴20(リー
ク通路)が設けられている。リーク穴20は、解放ピス
トン3の軸心に沿って延びる縦穴21と、縦穴21の下
端から径方向外側に延びる横穴22とで連続してなり、
縦穴21の上端は油圧室19に開口し、横穴22の左右
端はリーク側となる外部(シリンダヘッド内)に開口さ
れている。
【0016】シリンダ穴13の上端を区画する上端壁2
3にはメネジを有する貫通穴24が設けられ、これにス
トッパボルト25が所定位置まで螺合され、ナット26
によって位置が固定されている。ストッパボルト25は
その上端に工具差し込みのための穴部27を有し、下端
から所定距離上方にかけては中空穴28が形成されてい
る。中空穴28内には上方からリターンスプリング29
(スプリング)とチェックピン30(閉塞部材)とが配
設され、チェックピン30はリターンスプリング29に
付勢されて下方に押されるようになっている。そして中
空穴28の内側壁にはストップリング31(規制部材)
が係止され、このストップリング31がチェックピン3
0の下方への移動を規制する。ここでチェックピン30
は、リターンスプリング29を嵌合させる小径の嵌合部
32と、リターンスプリング29のための座面を形成す
ると同時にストップリング31への当接部ともなる鍔部
33と、鍔部33から下方に延び、解放ピストン3の上
端面に当接ないし押し付けられて、リーク穴20を塞ぎ
得る大径に形成された栓部34とから一体に形成され
る。
【0017】ここでチェックピン30とストップリング
31との間には径方向の隙間があるので、中空穴28内
とシリンダ穴13内とは連通されることになり、これに
よって解放ピストン3、上端壁23、シリンダ穴13内
壁及び中空穴28内壁で油圧室19が区画形成され、こ
の油圧室19に、オイルポンプで発生した制御油圧が導
入されることになる。シリンダ穴13の上端には側方か
ら制御穴35が連通され、この制御穴35に設けられた
油圧供給制御機構によって油圧の給排が制御される。
【0018】制御穴35はシリンダ穴13から側方に延
出して末端が外部に開口されている。
【0019】そして制御穴35はシリンダ穴13側に向
かうにつれ段状に縮径され、その内部にはシリンダ穴1
3側から順に制御スリーブ36、スペーサ37及びロッ
クスクリュ38が設けられている。制御スリーブ36及
びスペーサ37は、ロックスクリュ38の締め込みによ
ってシリンダ穴13側に押し付けられて固定されてい
る。
【0020】制御スリーブ36は、シリンダ穴13側の
一端に、チェック弁39を構成するボール40、ボール
スプリング41及びボールリテーナ42を配置させてい
る。ボール40は、制御スリーブ36に形成されたオリ
フィス穴43をシリンダ穴13側から開閉するのに用い
る。ボールスプリング41はボール40をオリフィス穴
43に向けて付勢し、ボールリテーナ42は制御スリー
ブ36に係止されてボールスプリング41の受け材とし
て機能する。またボールリテーナ42は図示しないスリ
ットを通じてオイルの通過を許容する。
【0021】制御スリーブ36内の他端側には制御ピス
トン44が摺動自在に装入され、制御ピストン44はそ
の先端のピン部45で、ボール40をオリフィス穴43
から離すように押し、チェック弁39を開弁することが
できる(図2参照)。制御ピストン44はその基端の摺
動部46内にスプリング47を有し、スプリング47は
制御ピストン44をボール40側即ち開弁方向に付勢す
る。スペーサ37及びロックスクリュ38には空気穴4
8,49が設けられ、制御ピストン44の移動に伴う空
気の出入りが許容されている。
【0022】制御スリーブ36は、その内部の制御室5
0にオイルを導入すべく周方向に沿って複数の連通口3
6aを有し、制御穴35の内面にはそれら連通口36a
をすべて連通する周溝51が設けられている。さらにハ
ウジング12内部には、一端が周溝51に連通する油圧
通路52が設けられ、油圧通路52の他端は管継手部材
53の内部通路54に連通されている。管継手部材53
はアイ53aとアイボルト53bとからなり、それら内
部に内部通路54を区画形成すると共に、アイ53aに
油圧配管55(図3参照)の一端を接続させて、その油
圧配管55を介して前述の作動切替弁2に接続されてい
る。つまりこの管継手部材53がブレーキユニット1に
おける油圧の出入口を形成している。
【0023】図3に示すように、作動切替弁2において
は、一方の管継手部材56aがブレーキユニット1に至
る油圧配管55に接続され、他方の管継手部材56bが
オイルポンプに至る油圧配管57に接続されている。つ
まり作動切替弁2は入口側管継手部材56bからオイル
ポンプで発生した油圧を導入し、出口側管継手部材56
aからブレーキユニット1にその油圧を選択的に供給す
るようになっている。これら管継手部材56a,56b
はバルブボディ58に上下方向からそれぞれ取り付けら
れる。
【0024】バルブボディ58には制御ユニット59を
取り付けるための取付穴60が設けられ、取付穴60は
その右端にメネジ部60aを有して、制御ユニット59
のハウジング61を螺合させて取り付けている。ハウジ
ング61はその左側の制御スリーブ部62が取付穴60
に密着嵌合され、右側の露出部分にソレノイド63を収
容させている。制御スリーブ部62にはスプール64が
摺動自在に装入され、スプール64はスプリング65に
よりソレノイド63側に付勢されている。スプール64
のソレノイド63側にはソレノイド63に囲繞されたロ
ッド66が配設され、ロッド66はソレノイド63が励
磁されたとき図3の如く左側に移動してスプール64を
押す。
【0025】このときスプール64はスプリング65を
圧縮して停止し、制御スリーブ部62の油圧入口68と
油圧出口69とを縮径部70の外周側で連通する。こう
なると図3の如く、各管継手部材56a,56bの内部
通路71,72に連通する通路穴73,74同士が連通
され、これによってオイルポンプの油圧がブレーキユニ
ット1にそのまま送られるようになる。なお、油圧入口
68と油圧出口69とは、制御スリーブ部62に設けら
れた周方向に沿う複数の貫通穴と、これら貫通穴を全て
連通する周溝とからなる。また管継手部材56a,56
bは前期同様にアイとアイボルトとからなる。
【0026】一方、ソレノイド63の励磁が停止する
と、ロッド66の押圧力がなくなるため図4の如くスプ
ール64がスプリング65に押されて右側に移動する。
こうなると縮径部70の外周側が油圧入口68にのみ連
通し、油圧出口69とは遮断されるようになる。そして
油圧出口69は出口側通路穴73に連通すると共に、ス
プール64が右側に外れることにより、制御スリーブ部
62の内部空間を介して端壁67に形成されたリーク穴
75に連通するようになる。そこでソレノイド63の励
磁が停止された場合は、矢示の如くブレーキユニット1
側からオイルが逆流されてリーク穴75を通じ外部に排
出されるようになる。なお、このときにもオイルポンプ
からは油圧が供給されているが、これはスプール64の
縮径部70の外周側で止まってしまうため、実質的な油
圧供給は完全に停止されることになる。
【0027】ところで、上記構成にあっては、ソレノイ
ド63が図示しないコントローラ(例えばECU)に電
気的に接続されている。コントローラはエンジン回転数
や各気筒のTDC信号、クラッチ断続信号、冷却水温
等、エンジン運転状態を示す各種信号が常時取り込まれ
るようになっている。またコントローラは、車室内に設
けられた手動スイッチの信号に基づいてかかるエンジン
ブレーキ装置を起動させる。具体的には、手動スイッチ
がONとされたときに、コントローラは所定のタイミング
でソレノイド63に励磁起電力を出力する。
【0028】以上の構成にかかるエンジンブレーキ装置
の動作は以下のようになる。先ず装置起動のために手動
スイッチがONとされると、ギャラリ圧に相当する高油圧
が作動切替弁2を通過してブレーキユニット1に供給さ
れる。図1に示すように、供給された油圧は制御室50
内に至り、制御ピストン44をスペーサ37に突き当た
るまで後退(右側に移動)させ、同時にボール40もボ
ールスプリング41に抗じて前進(左側に移動)させ
る。これでチェック弁39が開状態となり、オイルがオ
リフィス穴43を通過して油圧室19に流入するように
なる。こうなると油圧室19の油圧が高まり、排気弁5
の正規のバルブタイミングにおける開弁中に解放ピスト
ン3が下降し、排気弁5が着座直前でリフトされるよう
になる。
【0029】特に、このときのリフト量は、油圧室19
内の油圧とリターンスプリング14a,14bの付勢力
とのバランスで決定される。即ち、油圧室19内の油圧
値に応じて解放ピストン3及び排気弁5のリフト量(下
降方向のストローク)は変化し、エンジン回転数が高く
油圧値が大きいほど、リターンスプリング14a,14
bの圧縮量が増し、解放ピストン3及び排気弁5のリフ
ト量は増すようになる。
【0030】従来(特願平8-98135 号)は、リターンス
プリングが一つでバネ定数も小さく、比較的小さい油圧
でリターンスプリングが十分圧縮され、後述するチェッ
クピン30の作用のみによってリフト量が決定され、そ
のリフト量はエンジン回転数に拘らず一定であった。こ
の点が従来との顕著な相違点である。
【0031】さて、油圧の供給に伴い、チェックピン3
0も油圧及びリターンスプリング29で下方に押される
ため、チェックピン30がリーク穴20を閉塞しつつ、
解放ピストン3に追従して下降するようになる。そして
解放ピストン3が油圧値に応じた所定のリフト量で停止
したとき、チェックピン30はリーク穴20を閉塞状態
に保持し、同時に解放ピストン3をそのリフト位置に保
持する。
【0032】一方、高い値の油圧が供給され、解放ピス
トン3のリフト量がある程度増えたとき、チェックピン
30の下降に伴い、その鍔部33はやがてストップリン
グ31に当接するようになる。こうなるとチェックピン
30の下降が規制され、チェックピン30は解放ピスト
ン3に追従して下降できなくなる。そこで、解放ピスト
ン3が油圧でさらに下降しようとしても、その下降によ
りチェックピン30との間に隙間ができ、この隙間から
オイルがリーク穴20を通じてリークするため、これに
よって油圧が減じられて解放ピストン3の下降が停止な
いし制限されることとなる。結局、解放ピストン3は、
図1の如くチェックピン30がストップリング31に当
接する位置までしか下降されないこととなり、これによ
って解放ピストン3の下降量及び排気弁5のリフト量が
所定量に制限されることとなる。
【0033】なお、油圧室19の油圧がボール40に作
用してオリフィス穴43を塞ぐため、オイルの逆流は防
止され、油圧室19の圧力は確実に保持される。
【0034】一方、装置停止のために手動スイッチがOF
F とされると、コントローラにより作動切替弁2が図4
の如く切り替えられる。こうなると作動切替弁2からオ
イルがリークされるため、ブレーキユニット1において
もオイルの逆流即ち排出がなされることになる。
【0035】このときは図2に示すように、先ず制御室
50内の圧力が下がるため、制御ピストン44がスプリ
ング47に押されて前進し、やがてはボール40を押し
てオリフィス穴43を開かせるようになる。こうなると
油圧室19からオイルが制御室50に排出され、これに
よって解放ピストン3がストッパボルト25に突き当た
るまで上昇する。このときもチェックピン30は、リー
ク穴20を閉塞しつつ解放ピストン3に追従して上昇す
る。これによって解放ピストン3がプッシュロッド4か
ら離れ、排気弁5に下降力を伝達しなくなり、排気弁5
はエンジンブレーキ力増加のための微小リフトを終了す
ると共に、正規のバルブタイミングでカムリフトされる
ことになる。
【0036】さて、上記構成にあっては、オイルポンプ
によりエンジン回転数に応じた油圧を発生させ、この油
圧値に応じて解放ピストン3のリフト量を変化させるよ
うにしている。これにより、排気弁5のリフト量をあら
ゆるエンジン回転数において最適化することができ、エ
ンジンの低〜高速全回転域において最大のブレーキ力を
得ることが可能となる。
【0037】ここで、かかるエンジンブレーキ装置の各
特性について詳述する。先ず図6には可変リフト特性、
即ち各エンジン回転数に対するオイルポンプの発生油圧
P(実線)、解放ピストン3のリフト量LP (二点鎖
線)及び排気弁5のリフト量LV (一点鎖線)が示され
ている。これから分かるように、エンジン回転数の上昇
につれオイルポンプの発生油圧PP は上昇し、これに追
従して、解放ピストン3及び排気弁5の各リフト量
P ,LV も上昇するようになる。そして排気弁5のリ
フト量LV は各エンジン回転数に対し最適な値とされ、
またそうなるようにリターンスプリング14a,14b
のバネ定数が設定されている。
【0038】ここで通常、オイルポンプは前述のような
特性を元来有するため、これを利用することにより供給
油圧の可変手段を特に設けずに済み、コストアップを免
れられる点も本装置の大きな特徴である。そして従来か
らの変更点は、解放ピストン3のリターンスプリングを
高いバネ定数のものに変更したに過ぎず、これによって
もコストアップを要さず、構成を複雑化しないメリット
がある。なお、本装置では付勢手段として二つのリター
ンスプリング14a,14bを用いているが、これには
限定されず、一或いは三以上のスプリングを用いること
も可能である。また異なるバネ定数のスプリングを適当
に組み合わせ、リフト特性に段付きの特性を与えること
も可能である。
【0039】次に、図7には圧縮ブレーキ特性、即ち各
エンジン回転数に対する本案(実線)と従来(破線)と
の摩擦平均有効圧、及び本案に係るエンジンブレーキ力
(一点鎖線)が示されている。摩擦平均有効圧は、従来
がエンジン回転数に比例的であるのに対し、本案はほぼ
一定で且つ従来より高い値を取っており、特に低回転域
では顕著な差が見られる。これにより、十分なブレーキ
力を発生する圧力(圧縮圧)が全回転域でシリンダ内に
生じていることが分かり、特に低回転域でブレーキ力を
増大できるのが理解される。
【0040】さらに、図8には圧縮ブレーキサイクル曲
線、即ちエンジン回転数を一定とした場合の本案(実
線)と従来(破線)との筒内圧力と行程容積との関係
(所謂PV線図)が示されている。本案の場合、各回転
数で排気弁5のリフト量が最適化されているため、排気
弁5とバルブシート6との隙間(弁隙間)に従来よりも
チョークが発生し易くなる。これにより、筒内圧力が高
まり、線図面積も増大するので、大きな圧縮ブレーキ力
が得られるようになる。
【0041】図9には圧縮ブレーキ馬力特性、即ち各エ
ンジン回転数に対する本案(実線)と従来(破線)との
フライホイール摩擦馬力が示されている。なお、本案に
係るエンジンブレーキ力(一点鎖線)も併載してある。
これから分かるように、ブレーキ力は従来よりも増大さ
れ、特に低回転域でその差が顕著に見られる。
【0042】ここで、図10には圧縮ブレーキ冷却熱量
特性が示されている。これから分かるように、ブレーキ
力の増大につれ発熱量も多くなるため、本案(実線)は
従来(破線)より冷却熱量が多くなっている。よって特
に高回転時にはオーバーヒートとならぬよう注意が必要
である。なお、発熱量はリフト量が小さくエンジンが高
回転であるほど大きくなる。よってリフト量は高回転ほ
ど大きくする必要がある。発熱量はラジエターとのヒー
トバランスを考慮し、ラジエター放熱量の例えば90%以
下に設定するのが望ましい。
【0043】一方、上記構成にあっては、解放ピストン
3のリーク穴20をチェックピン30で開放させること
により、解放ピストン3及び排気弁5のリフト量を所定
量に制限することができる。このため、エンジンのオー
バーラン時にジャンプ、バウンス等で解放ピストン3の
リフト量が過大となることがなく、排気弁5とピストン
との衝突を防止できる。逆に言えば、排気弁5の最大リ
フト量は、このような衝突が生じない範囲で自由に設定
することが可能である。
【0044】また、上記構成にあっては、油圧経路にエ
アが混入し、そのエアが油圧室19に至った場合でも、
チェックピン30によるリーク穴20の開弁作用によ
り、混入エアをオイルとともに排出することができる。
これによってエア混入を防止でき、装置の停止時つまり
非作動時において、エア混入防止のための低圧オイル圧
送等を行わなくて済む。
【0045】さらに、解放ピストン3の下降量の調節
は、ストッパボルト25の上方からの位置調節により容
易且つ正確に行える。
【0046】以上、本発明に係る実施の形態を説明した
が、本発明は他にも様々な実施の形態を採用でき、各部
品の寸法、配置、位置関係等についても適宜変更が可能
である。また上記実施の形態ではエンジンの排気弁を駆
動する構成を示したが、これは専用に設けられた別の排
気弁(いわゆる専用弁又はサードバルブ)を駆動するも
のであっても構わず、本発明はこれを含むものである。
【0047】
【発明の効果】以上要するに本発明は以下の如き優れた
効果を発揮する。
【0048】(1) 排気弁のリフト量を最適化でき、
あらゆるエンジン回転域で最大のブレーキ力を得ること
が可能となる。
【0049】(2) コストアップ、構成の複雑化を防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジンブレーキ装置のブレーキ
ユニットを示し、作動時の状態を示す縦断面図である。
【図2】ブレーキユニットの非作動時の状態を示す縦断
面図である。
【図3】作動切替弁の作動時の状態を示す縦断面図であ
る。
【図4】作動切替弁の非作動時の状態を示す縦断面図で
ある。
【図5】排気弁の周辺の構造を示す縦断面図である。
【図6】可変リフト特性を示すグラフである。
【図7】圧縮ブレーキ性能特性を示すグラフである。
【図8】圧縮ブレーキサイクル曲線を示すグラフであ
る。
【図9】圧縮ブレーキ馬力特性を示すグラフである。
【図10】圧縮ブレーキ冷却熱量特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
3 解放ピストン 5 排気弁 19 油圧室 14a,14b リターンスプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧室内への油圧の供給により解放ピス
    トンを押動して排気弁をリフトさせるエンジンブレーキ
    装置にあって、上記解放ピストンにエンジン回転数に応
    じた油圧を供給する油圧供給手段と、上記解放ピストン
    を上記油圧室側に付勢し、その油圧値に応じた量だけ上
    記解放ピストンをリフトさせる付勢手段とを設けたこと
    を特徴とするエンジンブレーキ装置。
JP1292897A 1997-01-27 1997-01-27 エンジンブレーキ装置 Pending JPH10205363A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1292897A JPH10205363A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 エンジンブレーキ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1292897A JPH10205363A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 エンジンブレーキ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10205363A true JPH10205363A (ja) 1998-08-04

Family

ID=11818989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1292897A Pending JPH10205363A (ja) 1997-01-27 1997-01-27 エンジンブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10205363A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5193494A (en) Valve operating system for internal combustion engine
US5012778A (en) Externally driven compression release retarder
EP0524664B1 (en) Valve operating apparatus in an internal combustion engine
EP0317372B1 (en) Apparatus for controlling valve operation in an internal combustion engine
JP3351695B2 (ja) 内燃機関のブレーキシステム
US6138621A (en) Internal combustion engine with variable valve actuation
EP0347211B1 (en) Valve operation control system of internal combustion engine
US5361734A (en) Valve control device for an engine
US6135073A (en) Hydraulic check valve recuperation
JPH0225006B2 (ja)
EP4212707A1 (en) Rocker arm mechanism and engine assembly
US5282443A (en) Valve operating system in internal combustion engine
JPH10205363A (ja) エンジンブレーキ装置
JP4176031B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
KR20010042444A (ko) 압축 해제 브레이크를 구비한 유압식 래시 조정기
JP3908397B2 (ja) 内燃エンジンのエンジンブレーキ装置
JPH11101138A (ja) エンジンブレーキ装置
JPH04292506A (ja) 内燃機関用機関弁の油圧駆動装置
USRE34553E (en) Vale operating apparatus for an internal combustion engine
JPS59229011A (ja) 内燃機関の動弁機構
JPH02523B2 (ja)
JP3359232B2 (ja) エンジンブレーキ装置
JPH10153107A (ja) エンジンブレーキ装置
JP3443513B2 (ja) エンジンブレーキ装置の排気弁操作用アクチュエータ
JPH11336570A (ja) 補助ブレーキ装置