JPH10204801A - 道床バラストの安定化工法及びその軌道構造 - Google Patents
道床バラストの安定化工法及びその軌道構造Info
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- JPH10204801A JPH10204801A JP2448197A JP2448197A JPH10204801A JP H10204801 A JPH10204801 A JP H10204801A JP 2448197 A JP2448197 A JP 2448197A JP 2448197 A JP2448197 A JP 2448197A JP H10204801 A JPH10204801 A JP H10204801A
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Abstract
手順の簡素化が図られた道床バラストの安定化工法およ
び道床バラストの安定化された軌道構造を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 安定材の注入工程を、点付け充填工程と
完全充填工程に分けることによって、道床バラスト上層
部を完全充填状態とし、下層部を点付け充填状態とする
と共に、点付け充填工程に先立って、道床バラスト側面
部または周辺部に安定材による漏れ止め層を構築するこ
とによって、上記課題を解決する。
Description
定化工法及びその結果得られる軌道構造に関し、更に詳
しくは、短時間で所定の強度を発現し、かつ、流動性と
浸透性に優れた安定材を用いて道床バラストを安定化さ
せる工法、及び、その結果得られる新規な軌道構造に関
するものである。
道床からなる有道床軌道の保守省力化を図るために、て
ん充道床やB型舗装軌道等が提案されてきたが、これら
てん充道床やB型舗装軌道は、いずれもバラスト間隙を
完全に充填するものであるため、充填材の使用量が多
く、現場で、型枠や不織布などを用いて漏れ止め作業を
行う必要があり、作業が煩雑になるだけでなく、施工に
時間がかかるという問題があった。しかも、バラスト間
隙がすべて完全に充填、結合されているため、軌道狂の
修正や道床交換などの保守作業に際して、道床バラスト
を解体することが極めて困難で、かえって労力を要する
という欠点もあった。
公報に見られるように、道床バラスト層内に布を敷い
て、注入材によって固められる固化層の厚さを制御し、
かつ、注入材を布の下部バラストへ一部透過させて固化
層とバラスト道床とを一体化する提案もあるが、作業手
順が煩雑で、十分満足ができるものとは言い難い。
技術の問題点を解決するためになされたもので、比較的
に土砂の混入の少ないバラストから成る既設有道床軌道
を対象とし、少量の安定材で、かつ、効率良く道床バラ
ストを安定化し、漏れ止め作業を簡易化すると共に、道
床交換等に際しても、道床バラストの解体が容易に行え
る道床バラストの安定化工法、および、その安定化工法
によって得られる新規な軌道構造を提供することを課題
とする。
軌道の省力化について研究を重ねた結果、バラスト安定
材の流動性および可使時間をコントロールし、かつ、注
入方法に工夫を加えることによって、列車荷重により最
も磨耗、細粒化するマクラギ直下のバラストの空隙は完
全充填する一方で、下層部バラストは、空隙を残した点
付け状態にして、安定化を保たせることが可能なことを
見出して、本発明を完成した。
ラストに安定材を注入して道床バラストの安定化を行う
に際し、安定材の注入を、注入された安定材によってバ
ラスト下層部までを空隙を残した点付け状態とする点付
け充填工程と、その点付け充填工程によって減少したバ
ラスト空隙を埋めてバラスト上層部のみを完全充填する
完全充填工程とに分けて行い、道床バラストの上層部を
完全充填状態、下層部を点付け充填状態とする道床バラ
ストの安定化工法を提供することで上記課題を解決する
ものである。
点付け充填工程で注入される安定材は、比較的少量であ
り、注入された安定材は、バラスト空隙を伝わってバラ
スト下層部にまで到達し、バラスト相互をその接触部に
おいて結合するが、バラスト空隙を充填するまでには至
らない。
注入された安定材は、バラスト空隙を伝わって次第に下
降して行くが、バラスト空隙は先行する点付け充填工程
によって小さくなっているので、ある程度下降したとこ
ろで停止し、その場所が、完全充填と点付け充填との境
界となる。
においては、安定材の充填工程を2つに分けることによ
って、列車荷重によって最も損傷を受けやすいバラスト
上層部を安定材によって完全充填し、それ以外の部分
は、バラスト間に空隙の残る点付け状態として必要かつ
十分なバラスト間結合を行わせ、結果的に上層部から下
層部までバラスト全体が安定化するものである。
安定材とは、基本的には同じものが使用されるが、点付
け充填工程で使用される安定材に、完全充填工程で使用
される安定材よりも、粘度の小さなもの、換言すれば、
流動性の良いものを使用すれば、完全充填領域のコント
ロールが容易となり、好ましい。
の量が、バラストの全領域を完全充填する従来技術に比
べて少ないので、より簡便な方法で行うことができる。
具体的には、安定材の注入に先立って、安定材と同じ材
料を、安定化すべき道床バラストの側面部および/また
は周辺部に、吹き付け、散布、または注入することによ
って行うことができる。
は、粘度調整が可能で、ある程度の可使時間があり、バ
ラスト相互を結合できる急硬性材料であれば、どのよう
なものでも使用可能であるが、セメント系、アスファル
ト系、樹脂系、ゴム系の急硬性材料の1種、もしくは2
種以上を組み合わせた複合材料が好ましく用いられる。
定材としては、急硬性セメントペースト、急硬性セメン
トモルタルがあげられ、これらに更に、合成高分子重合
体エマルジョン、合成ゴムラテックスエマルジョン、合
成樹脂エマルジョンを混入して用いても良い。これらエ
マルジョンの中では、スチレンブタジエン共重合体エマ
ルジョンおよびアクリル樹脂エマルジョンが、注入され
た施工箇所周辺の金属類を錆びさせる恐れがないので特
に好ましい。これらエマルジョンを混入した急硬性ポリ
マーセメントペースト、急硬性ポリマーセメントモルタ
ルは、脆性並びに耐衝撃性が向上し、耐久性に優れたも
のとなる。
系安定材としては、加熱アスファルトがあげられ、アス
ファルト系安定材とセメント系安定材とを組み合わせた
急硬性セメントアスファルトペースト(以下、単に「急
硬性CAP」という)や急硬性セメントアスファルトモ
ルタル(以下、単に「急硬性CAM」という)なども複
合材料として好ましく用いられる。
脂、エポキシ樹脂が使用可能であり、ゴム系安定材とし
ては、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエン
ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴムなどが使用可能で
ある。
料が安定材として使用できるが、中でも、急硬性セメン
トペースト、急硬性セメントモルタル、急硬性CAP、
急硬性CAM、または加熱アスファルトが、成分の配合
割合や温度を変えることによって粘度調整が可能で、し
かも、注入後、約1時間で、列車荷重を支持できる程度
の強度を発現するので、列車運行の間隙をぬったバラス
ト安定化作業には特に好ましい材料である。
ペースト、急硬性セメントモルタル、急硬性CAP、急
硬性CAMの標準的な配合割合を示す。
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメ
ント、白色ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランド
セメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント、低発熱セメント、アルミナセメン
ト、超速硬セメント等が使用可能であるが、急硬材との
水和反応性に優れること、および、長期強度の確保に優
れることから、普通ポルトランドセメントが好ましい。
トリンガイド系膨脹材、減水剤等が使用できる。減水剤
としては、市販のナフタリン系、メラミン系、リグニン
系、カルボン酸系減水剤が使用できるが、ナフタリンス
ルフォン酸塩などのナフタリン系減水剤が好ましい。
と無水石膏との混合物、または、カルシウムアルミネー
ト、ナトリウムアルミネートおよび無水石膏の3者の混
合物が使用できる。この場合に使用する無水石膏として
は、強度発現性に優れたII型無水石膏が好ましい。急硬
材の粉末度は、4000〜8000cm2 /gの微粉末
状のものが好ましい。
した石粉や高炉スラグを使用することができる。
用することができるが、強度並びに吸水率等の品質に優
れる珪砂が好ましい。
び有機酸塩類の単味、または、これらを併用して用いる
ことができる。無機塩類としては、CaCl2 、ZnC
l2、FeCl2 等の塩化物、K2CO3、Na2CO3、
CaB4O7、Na2B4O7 等の炭酸塩、硼酸塩が使用で
きる。有機酸としては、クエン酸、グルコン酸、酒石酸
等が使用でき、有機酸塩類としては、クエン酸ナトリウ
ム、クエン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、グル
コン酸カルシウム等が使用できる。
粉末、マグネシウム粉末、亜鉛粉末等の金属粉末、およ
び、これらをステアリン酸等の有機酸で表面処理したも
のを使用することができる。
スファルト乳剤を使用するのが好ましい。また、水とし
ては、水道水、地下水、河川水等の淡水を使用し、流動
性の調整に用いる。
メントモルタル、急硬性CAP、急硬性CAMの混練プ
ロセスを図1ないし図4に示す。図1は、急硬性セメン
トペースト、図2は、急硬性セメントモルタル、図3
は、急硬性CAP、図4は、急硬性CAMの混練プロセ
スをそれぞれ表している。
じてアスファルト乳剤を混合したものに、急硬材を加
え、1000rpmの高速回転連続ミキサで約2分間練
り混ぜ、練り混ぜ途中で、セメント、膨脹材、アルミ粉
末に石粉または細骨材を加えたものを添加する。練り混
ぜ終了後、土木学会Jロート法でコンシステンシーを確
認し、注入用の安定材とする。なお、好ましいコンシス
テンシーは安定化すべき道床バラストの平均粒径に依存
するが、通常の30〜50mm程度の平均粒径の道床バ
ラストに対しては、フロータイムで8〜25秒が好まし
く、特に好ましくは10〜20秒である。フロータイム
が8秒よりも短いと、点付け充填工程でバラスト上層部
の空隙を十分に小さくすることができず、また、完全充
填工程では安定材がバラスト下層部にまで達し、上層部
のみを完全充填することが困難となる。逆に、フロータ
イムが25秒を越えると、点付け充填工程で安定材がバ
ラスト下層部にまで達することが困難となり、下層部は
安定化されないままに残される可能性があり、好ましく
ない。
としては、ストレートアスファルト、ブローンアスファ
ルト、セミブローンアスファルト等が使用可能である
が、中でも、改質が容易であるストレートアスファルト
が好ましく用いられる。
ナシティ)の向上や低温での耐衝撃性等の改善を目的と
して必要に応じて行われるが、母材となるストレートア
スファルトに、スチレンブタジエン共重合体、ポリクロ
ロプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリアク
リル酸エステル等のゴムを1種または2種以上添加し
て、分散、溶解して改質ゴム入りアスファルトとするこ
ともできるし、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン
エチルアクリレート共重合体、熱可塑性ゴムであるスチ
レンブタジエンスチレン共重合体、スチレンイソプレン
スチレン共重合体等の1種または2種以上を添加して、
分散、溶解して熱可塑性樹脂系改質アスファルトとする
こともできる。更には、上記ゴムと樹脂の両方を添加し
て改質することもできる。これら、ゴムや樹脂の添加量
は、ストレートアスファルト100重量部に対して、6
〜20重量部、好ましくは、8〜15重量部である。
を安定材として用いる場合には、加熱温度を変化させて
コンシステンシー、すなわち、浸透性を調節する。点付
け充填工程に際しては、230℃前後に加熱した浸透性
の良いものを用い、完全充填工程に際しては、200℃
前後に加熱した粘性の高いものを用いるのが好ましい。
このように、加熱アスファルトは、所定の温度に加熱す
ることによって使用可能な状態になるので、準備のため
の時間が短くて済み、施工性に優れている。また、溶解
することによって注入できる状態になる材料であるの
で、工程の簡素化と、工程の低騒音化が可能である。
定化工法を説明する。
定化すべき道床バラスト、3はバラスト、4はマクラ
ギ、5はレール、6はマクラギ4に設けられた注入孔を
示す。本発明の道床バラスト安定化工法を施すに際して
は、まず、吹き付け機7、7によって、安定化すべき道
床バラスト2の側面部に、安定材と同種の材料9aを吹
き付けて、漏れ止め層8、8を形成する。なお、図5
は、PCマクラギの例を示したが、例えば、LPCマク
ラギの場合には、図6の右側に示すように、散布機10
を用いて道床バラスト2の側面部に漏れ止め層8を形成
しても良いし、図6の左側に示すように、注入具11を
用いて道床バラストの周辺部に漏れ止め層12を形成し
ても良い。また、これら3種の手段は、必要に応じて併
用しても良いことは勿論である。漏れ止め材9aの粘度
としては、土木学会Jロート法で測定したフロータイム
が10〜15秒程度のものが好ましい。フロータイムが
10秒未満であると、道床バラストの側面部または周辺
部に吹き付け、散布あるいは注入した際に、バラスト空
隙に留まらずに流下してしまい、十分な漏れ止め層を形
成することができず、また逆に、フロータイムが15秒
を越えると、バラスト空隙に十分に浸透することができ
ないだけでなく、作業性が悪化する。漏れ止め材9aの
使用量としては、30〜60リットル/m2 の量が好ま
しい。
機7、7等によって形成された漏れ止め層8、8の内側
に、安定材9bが注入具11を用いて注入される。漏れ
止め層が、漏れ止め層12のように道床バラストの周辺
部に形成されたものである場合には、漏れ止め層12の
内側に安定材9bを注入することは勿論である。道床バ
ラストの中央部にも安定材9bを十分に浸透させるため
には、マクラギ4に設けられた注入孔6、6から注入ロ
ート13を用いて、安定材9bを注入するようにしても
良い。
は、比較的少量であり、バラスト空隙を伝わって、バラ
スト下層部にまで到達し、バラスト相互をその接触部や
近接部において結合するが、バラスト空隙を充填するに
までは至らない。この点付け充填工程によって、道床バ
ラストの下層部から上層部までの全体にわたって、点付
け充填層14が形成される。
ラスト3の周囲が安定材9bに覆われて、互いに近接あ
るいは接触しているバラスト相互が、安定材9bによっ
て相互に結合されている状態を示す。点付け充填工程で
は、安定材9bによってバラスト空隙がある程度充填さ
れて、近接あるいは接触しているバラスト相互が安定材
9bによって結合されるが、バラスト空隙は残存してい
る点付け充填層14が、道床バラストの下層部から上層
部までの全体にわたって形成される。
bとしては、バラストの粒径や空隙率等にも依るが、土
木学会Jロート法で測定したフロータイムが8〜25
秒、中でも10〜15秒程度のものが好ましい。安定材
9bの使用量は、道床バラスト2の厚さを25cmとし
た場合には、4〜50リットル/m2 、好ましくは20
〜40リットル/m2 の量で使用する。使用量が4リッ
トル/m2 以下では、バラスト相互を点付けしている安
定材9bの膜厚が十分でなく、結合力が弱く、マクラギ
の沈下を防ぐことが難しい。逆に、使用量が50リット
ル/m2 を越えると、バラスト空隙が小さくなり過ぎ、
好ましい点付け充填が得られない。
を使用する場合には、この点付け充填工程において使用
する加熱アスファルトの量を絞り込むことによって、水
分を含んだ道床バラストへの注入作業の際に発生する水
蒸気や泡立ち、突沸現象を防止することができて有利で
ある。また、残存するバラスト空隙によって、注入され
た加熱アスファルトの冷却速度が速くなり、注入後、短
時間で所定の硬さが得られるので、耐久性を維持しなが
ら冷却時間の短縮を図ることが可能となる。なお、必要
に応じて、扇風機、冷風、散水、ドライアイス等を使用
して、更に冷却速度を速めることも可能である。
充填された道床バラスト部分に、注入具11および/ま
たは注入ロート13を用いて、安定材9cを注入する。
注入された安定材9cは、バラスト空隙を伝わって流下
していくが、バラスト空隙は先行する点付け充填工程に
よって既に小さくなっているので、図10に示すよう
に、残存するバラスト空隙を完全充填しながら流下し、
ある程度流下したところで停止して、そこが完全充填層
15と点付け充填層14との境界となる。
には同じ材料が用いられる。安定材9cの粘度は、安定
材9bと同じでも良いが、安定材9bよりも少し粘度の
小さいものを用いるのが好ましく、バラストの粒径や空
隙率等にも依るが、土木学会Jロート法で測定したフロ
ータイムが8〜25秒、中でも12〜20秒程度のもの
が好ましく用いられる。また、使用量としては、道床バ
ラスト2の厚さを25cmとした場合には、5〜70リ
ットル/m2 、好ましくは10〜40リットル/m2 の
量で使用する。使用量が5リットル/m2 以下では、形
成される完全充填層15の厚さが十分ではなく、列車荷
重に耐えることが困難となり、逆に、使用量が70リッ
トル/m2 を越えると、完全充填領域15の厚さが必要
以上に厚くなったり、安定材9cが道床バラスト外へ溢
れ出したりして好ましくない。
4の厚さは、安定化される道床バラスト2の厚さの約1
/2〜2/3の範囲が好ましく、一方、完全充填層15
の厚さは、安定化される道床バラスト2の厚さの約1/
2〜1/3の範囲が好ましい。これは、通常の道床バラ
ストの厚さが約25cmであるとすると、それぞれ、約
12〜17cm、約8〜13cmとなる。なお、以上の
説明では、点付け充填工程および完全充填工程は、それ
ぞれ1回の安定材の注入で行ったが、それぞれの工程に
おける安定材の注入は必ずしも1回で行う必要はなく、
使用される安定材のフロータイムや、使用器具の大きさ
によっては、2回、もしくはそれ以上の回数に分けて注
入しても良いことは勿論である。
発明を更に詳しく説明するが、本発明の道床バラスト安
定化工法がこれら実施例に限定されるわけではないこと
は勿論である。
モルタル、急硬性CAPおよび急硬性CAMを用いて、
4種の安定材No.1〜4を用意した。安定材No.1
〜4の配合割合、および、物性を表2、表3に示す。
ある。 セメント :秩父小野田(株)製 普通セメント 膨脹材 :(株)小野田製 エクスパン 減水剤 :花王(株)製 マイティ100 急硬材 :(株)小野田製 スーパーハード 微細粉末 :(株)藤坂製 珪石粉 細骨材 :前田建材工業(株) 珪砂6号 アスファルト乳剤:ニチレキ(株)製 M乳剤 アルミニウム粉末:中島金属箔粉工業(株) C−250 凝結調整剤 :(株)小野田製 APセッター 水 :水道水
〜4は、いずれも、使用可能なフロータイムを維持しな
がらも、20分前後の可使時間が確保でき、しかも、練
り上がり後1時間で、0.2MPa以上の圧縮強度を発
現し、高流動性と急硬性に優れることが分かる。したが
って、安定材No.1〜4は、いずれも、作業時間が3
時間程度しか確保できない既設線の場合でも、養生時間
が十分に取れる新設線の場合でも、施工可能であること
が確認された。
新設線の道床バラストの安定化を実施した。対象とした
道床バラストは、土砂の混入の少ない、LPCマクラギ
を敷設した新設の複線で、バラスト層の厚さは25cm
であった。
を配合し、ミキサで2分間混練した。ミキサから試料を
採取してJロート法でフロータイムを測定したところ、
11.6秒であったので、直ちに、散布機を用いて、3
0リットル/m2 の量で、道床バラスト側面部に、路線
約5mにわたって散布し、安定材の漏れ止め層を形成し
た。
所定量の原料を配合し、ミキサで2分間混練した。フロ
ータイムを測定したところ、10.5秒であったので、
直ちに、注入ロートおよび注入具を用いて、漏れ止め層
が形成された道床バラストに注入し、点付け充填工程を
行った。このときの注入量は、30リットル/m2 であ
った。
ミキサ中の安定材No.1を、注入ロートおよび注入具
を用いて点付け充填工程が施された道床バラストに注入
し、完全充填工程を行った。このときの安定材No.1
のフロータイムは15.3秒で、注入量は20リットル
/m2 あった。1時間後、安定化された道床バラストを
一部破壊したが、完全充填層ではバラスト空隙が完全に
安定材によって充填、固化されており、破壊にはかなり
の労力を要したが、その下の点付け充填層では、バラス
ト相互が点付け状態に保たれており、比較的容易に破壊
することができた。なお、完全充填層の厚さは約10c
m、点付け充填層の厚さは約15cmであった。
既設線の道床バラストの安定化を実施した。対象とした
道床バラストは、土砂の混入の少ない、PCマクラギを
敷設した在来の単線で、バラスト層の厚さは25cmで
あった。
を配合し、ミキサで2分間混練した。ミキサから試料を
採取してJロート法でフロータイムを測定したところ、
10.5秒であったので、直ちに、吹き付け機を用い
て、30リットル/m2 の量で、道床バラスト側面部
に、路線約20mにわたって吹き付け、安定材の漏れ止
め層を形成した。
所定量の原料を配合し、ミキサで2分間混練した。フロ
ータイムを測定したところ、10.8秒であったので、
直ちに、注入ロートおよび注入具を用いて、漏れ止め層
が形成された道床バラストに注入し、点付け充填工程を
行った。このときの注入量は、35リットル/m2 であ
った。
連続ミキサ中の安定材No.3を、注入ロートおよび注
入具を用いて点付け充填工程が施された道床バラストに
注入し、完全充填工程を行った。このときの安定材N
o.3のフロータイムは14.0秒で、注入量は25リ
ットル/m2 あった。1時間後、安定化された道床バラ
ストを一部破壊したが、完全充填層ではバラスト空隙が
完全に安定材によって充填、固化されており、破壊には
かなりの労力を要したが、その下の点付け充填層では、
バラスト相互が点付け状態に保たれており、比較的容易
に破壊することができた。なお、完全充填層の厚さは約
11cm、点付け充填層の厚さは約14cmであった。
チレンブタジエン共重合体を10重量部添加して改質し
た改質アスファルトを安定材として使用して、実験室規
模で道床バラストの安定化工法を実施した。すなわち、
PCマクラギを敷設した在来線を模した層厚25cmの
道床バラストを実験室内に構築し、上記改質アスファル
トを200℃に加熱して、フロータイムを12.0秒に
調整したものを、道床バラスト側面部に散布して、ま
ず、漏れ止め層を構築した。使用量は、30リットル/
m2 であった。次いで、上記改質アスファルトを230
℃に加熱して、フロータイムを10.2秒に調整したも
のを、20リットル/m2 の割合でバラスト層に注入
し、点付け充填層を構築した。なお、注入に際しては、
注入配管やノズル部分に保温手段を施して、注入中に温
度が下がらないように留意した。注入された改質アスフ
ァルトの冷却は自然冷却に任せた。最後に、加熱温度を
210℃に下げ、フロータイムを10.8秒に調整した
上記改質アスファルトを、30リットル/m2 の割合で
バラスト層に注入して、完全充填層を構築した。構築さ
れた点付け充填層の厚さ、および、完全充填層の厚さ
は、それぞれ、15cmおよび10cmであった。施工
後1時間経過後、繰り返し載荷試験を行ったが、沈下量
は殆ど見られず、上記改質アスファルトが、高流動性並
びに急硬性の点で問題のない安定材であることが確認さ
れた。
ルトを用い、既設の道床バラストの安定化を実施した。
対象とした道床バラストは、土砂の混入の少ない、LP
Cマクラギを敷設した既設の複線で、バラスト層の厚さ
は25cm、対象区間は10mであった。
加熱し、加熱温度、フロータイム並びに使用量を実験例
Bと同じ値に調整して施工した。ただし、漏れ止め層
は、バラスト側面部にではなく、安定化すべきバラスト
層の周辺部に、注入具を用いて改質アスファルトを注入
することによって構築した。1時間後、安定化された道
床バラストを一部破壊したが、完全充填層ではバラスト
空隙が完全に安定材によって充填、固化されており、破
壊にはかなりの労力を要したが、その下の点付け充填層
では、バラスト相互が点付け状態に保たれており、比較
的容易に破壊することができた。なお、完全充填層の厚
さは約10cm、点付け充填層の厚さは約15cmであ
った。
注入工程を、バラスト空隙を残して、近接または接触し
ているバラスト相互を結合する点付け充填工程と、バラ
スト空隙を埋めて、バラスト空隙を完全充填する完全充
填工程とに分けて行うという簡単な作業によって、バラ
スト上層部を完全充填状態とすると共に、バラスト下層
部を点付け充填状態とすることが可能である。その結
果、バラスト層全部を完全充填する従来の技術に比べ
て、使用する安定材の量が少なくて良いだけでなく、得
られた安定化道床バラストは、列車荷重によって最も損
傷を受けやすいバラスト上層部は安定材が完全充填され
て十分な強度を有しているにも関わらず、バラスト下層
部はバラスト相互が点付け状態とされているだけである
ので、軌道狂いの矯正や、道床交換などの保守作業時に
は、バラスト下層部は比較的少ない労力で破壊可能であ
るので、バラスト層全体を完全充填している従来の技術
に比べて保守作業の省力化が可能となるという優れた効
果を有している。
同じ材料をバラスト層の側面部または周辺部に注入する
だけの簡単な作業で、バラスト層に注入される安定材の
漏れ止め効果を得ることができ、漏れ止めの為の型枠や
不織布等の設置が不要となり、格段の省力化が実現でき
る。加えて、漏れ止め層の構築から、点付け充填工程、
完全充填工程まで、すべての工程において、同じ安定材
を使用することができるので、作業能率的にも優れた工
法である。
す工程図である。
す工程図である。
ある。
ある。
である。
る。
である。
である。
Claims (7)
- 【請求項1】 安定化すべき道床バラストに安定材を注
入して道床バラストの安定化を行うに際し、安定材の注
入を、注入された安定材によってバラスト下層部までを
空隙を残した点付け状態とする点付け充填工程と、その
点付け充填工程によって減少したバラスト空隙を埋めて
バラスト上層部のみを完全充填する完全充填工程とに分
けて行い、道床バラストの上層部を完全充填状態、下層
部を点付け充填状態とすることを特徴とする道床バラス
トの安定化工法。 - 【請求項2】 点付け充填工程で注入される安定材の粘
度が、完全充填工程で注入される安定材の粘度よりも小
さいことを特徴とする請求項1記載の道床バラストの安
定化工法。 - 【請求項3】 安定材が、急硬性セメントペースト、急
硬性セメントモルタル、急硬性セメントアスファルトペ
ースト、急硬性セメントアスファルトモルタル、または
加熱アスファルトであることを特徴とする請求項1また
は2記載の道床バラストの安定化工法。 - 【請求項4】 安定材の注入に先立って、安定材が安定
化すべき道床バラストの側面部から漏れ出すことを防止
するために、安定材の漏れ止め工程を行うことを特徴と
する請求項1、2または3記載の道床バラストの安定化
工法。 - 【請求項5】 安定材の漏れ止め工程が、安定化すべき
道床バラストの側面部および/または周辺部に、安定材
を吹き付け、散布、または注入して行われることを特徴
とする請求項4記載の道床バラストの安定化工法。 - 【請求項6】 請求項1、2、3、4または5記載の道
床バラスト安定化工法によって安定化された道床バラス
ト。 - 【請求項7】 安定材により完全充填された道床バラス
ト上層部と、安定材により点付け状態とされ空隙を残す
道床バラスト下層部とを有する安定化された道床バラス
トを備えた軌道構造。
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---|---|---|---|
JP02448197A JP3876345B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | 道床バラストの安定化工法及びその軌道構造 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002242103A (ja) * | 2001-02-14 | 2002-08-28 | Railway Technical Res Inst | まくらぎ下の隙間充填工法 |
JP2006283500A (ja) * | 2005-04-04 | 2006-10-19 | Toa Doro Kogyo Co Ltd | バラスト固化層の形成方法 |
JP2010525198A (ja) * | 2007-04-24 | 2010-07-22 | ヘンネケ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | バラスト床を発泡する方法およびデバイス |
JP4664537B2 (ja) * | 2001-07-04 | 2011-04-06 | 株式会社アレン | 軌道用弾性化パッド及び軌道の弾性化工法 |
-
1997
- 1997-01-24 JP JP02448197A patent/JP3876345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010525198A (ja) * | 2007-04-24 | 2010-07-22 | ヘンネケ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | バラスト床を発泡する方法およびデバイス |
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