JPH10204372A - ベースコート用バインダー樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ベースコート用バインダー樹脂組成物の製造方法

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JPH10204372A
JPH10204372A JP2107097A JP2107097A JPH10204372A JP H10204372 A JPH10204372 A JP H10204372A JP 2107097 A JP2107097 A JP 2107097A JP 2107097 A JP2107097 A JP 2107097A JP H10204372 A JPH10204372 A JP H10204372A
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base coat
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carboxyl group
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隆明 上田
Keiji Urata
啓司 浦田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系樹脂成型物をメタリック塗
装するに際し、ベースコートとクリヤーコートのみの、
2コートで塗装しても、付着性、耐湿性、熱安定性、耐
紫外線性等の優れた諸物性を有するベースコート用バイ
ンダー樹脂を提供する。 【解決手段】 グリシジル基を含有するモノマーがラジ
カル発生剤の存在下で1〜20重量%グラフト共重合され
た、カルボン酸又はカルボン酸無水物の含有率が1〜10
重量%でかつエチレン性不飽和結合と塩素含有率が5〜
50重量%の塩素化ポリオレフィンを主たるバインダー樹
脂とした、ベースコート用バインダー樹脂組成物の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリオレフィン系樹
脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−
プロピレン共重合物、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合物などの保護又は美粧を目的として用いられるベー
スコート用バインダー樹脂組成物に関し、更に詳しく
は、ポリオレフィン系樹脂成型物のメタリック塗装を行
う際のベースコート用バインダー樹脂組成物の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは、高生産性でデザインの
自由度が広く、軽量、防錆、耐衝撃性など多くの利点が
あるため、近年、自動車部品、電気部品、建築資材、食
品包装用フィルム等の材料として多く用いられている。
とりわけポリオレフィン系樹脂は、価格が安く成型性、
耐薬品性、耐熱性、耐水性、良好な電気特性など多くの
優れた性質を有するため、工業材料として広範囲に使用
されており、将来その需要の伸びが最も期待されている
材料の一つである。しかしながらポリオレフィン系樹脂
は、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂等、極性を有する合成樹脂
と異なり、非極性で且つ結晶性のため、塗装や接着が困
難であると言う欠点を有する。
【0003】このような難付着性なポリオレフィン系樹
脂の塗装や接着には、ポリオレフィン系樹脂に対して強
い付着力を有する塩素化ポリオレフィンが従来よりバイ
ンダー樹脂として使用されている。
【0004】ポリオレフィン系樹脂成型物をメタリック
塗装する場合、一般的には、塩素化ポリオレフィン系の
プライマー組成物を該成型物に塗装した後、ベースコー
トを塗装し、更にクリヤーコートを塗装するという、い
わゆる3コート方式が採用されている。塩素化ポリオレ
フィン系樹脂のベースコートを塗装した後、クリヤーコ
ートを塗装するいわゆる2コート方式で塗装すれば作業
の簡略化やコストダウンが図れるが、塩素化ポリオレフ
ィンは熱や紫外線に対する耐性が劣るため、2コート方
式で塗装した場合、クリヤーコートを通して加わる熱や
紫外線で塩素化ポリオレフィンが劣化する等の問題を生
ずる。
【0005】上記したように塩素化ポリオレフィンは熱
や紫外線に対する耐性が劣るため、一般にはグリシジル
基を有するエポキシ化合物を安定剤として添加して使用
する。しかしながらエポキシ化合物を添加しただけで
は、塗膜とした後経過時間とともにエポキシ化合物が系
外に移行するため安定剤としての効果が不十分となる。
【0006】エポキシ化合物の移行を防ぐにはエポキシ
化合物と塩素化ポリオレフィンを反応させる方法が考え
られる。塩素化ポリオレフィンにエポキシ化合物を添加
し反応させたプライマー組成物や塗料組成物には、例え
ば、特公昭63−50381号公報、特公平1−164
14号公報、特開平8−100032号公報等がある。
これらはポリオレフィンに不飽和カルボン酸又はその無
水物をグラフト共重合した後塩素化したカルボキシル基
含有塩素化ポリオレフィンに、エポキシ化合物を添加し
ポリオレフィン系樹脂成型物に塗装した後、該カルボキ
シル基とエポキシ化合物を反応させたものや、あらかじ
め該カルボキシル基とエポキシ化合物を第三級アミン化
合物や錫系化合物等の触媒の存在下で反応させた後塗装
するものである。
【0007】しかしこれらの組成物の内、エポキシを添
加し塗装したものは該カルボキシル基とエポキシ化合物
との反応性が劣るため、経過時間とともにエポキシ化合
物が系外に移行し易く熱や紫外線に対する安定性が不十
分となる。一方、あらかじめ該カルボキシル基とエポキ
シ化合物を第三級アミン化合物や錫系化合物等の触媒の
存在下で反応させた後塗装するものは、該カルボキシル
基とエポキシ化合物が架橋反応を起こすため、ポリオレ
フィン系樹脂成型物との付着性が悪くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリオレフ
ィン系樹脂成型物をメタリック塗装するに際し、ベース
コートとクリヤーコートのみの、2コートで塗装して
も、付着性、耐湿性、熱安定性、耐紫外線性等の優れた
諸物性を有するベースコート用のバインダー樹脂の製造
方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のベースコート用バインダー樹脂組成物の製造方法
は、(a)カルボン酸又はカルボン酸無水物の含有量が
1〜10重量%、塩素含有量が5〜50重量%のカルボキシ
ル基含有塩素化ポリオレフィンに、(b)エチレン性不
飽和結合とグリシジル基を有するモノマー1〜20重量%
をラジカル発生剤の存在下で、グラフト共重合すること
を特徴とするベースコート用バインダー樹脂組成物の製
造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いるカルボキシル基含
有塩素化ポリオレフィン(a)は公知の方法を用いるこ
とにより容易に製造できる。例えば、ポリオレフィンを
熱溶融し、必要であれば熱分解により減粘或いは減成
し、回分式或いは連続式でラジカル発生剤の存在下にカ
ルボン酸又はカルボン酸無水物の不飽和カルボン酸モノ
マーを1〜10重量%グラフト重合した後、水又は四塩化
炭素或いはクロロホルムの如き媒体に分散又は溶解し、
ラジカル発生触媒或いは紫外線の照射下において、加圧
又は常圧下で50〜120 ℃の温度範囲で塩素ガスを吹き込
み反応させて得ることができる。
【0011】又、ポリオレフィンを上記の方法であらか
じめ塩素化した後、ラジカル発生剤の存在下にカルボン
酸又はカルボン酸無水物をグラフト共重合することでも
得ることができる。
【0012】原料のポリオレフィンとしては、結晶性ポ
リプロピレン、非晶性ポリプロピレン、プロピレン−α
−オレフィン共重合物等を単独又は2種以上混合して使
用できるが、プライマー組成物の作業性や接着性の点か
ら重量平均分子量が10,000〜70,000の結晶性ポリプロピ
レン、又は重量平均分子量が10,000〜70,000で且つプロ
ピレン成分を50〜97モル%含有するプロピレン−α−オ
レフィン共重合物であって、上記のα−オレフィン単位
としては例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペン
テン及び1−ヘキセンから選ばれる少なくとも1種の炭
素数が2又は4〜6のα−オレフィンが好ましい。
【0013】原料ポリオレフィンの重量平均分子量が1
0,000に満たないか、プロピレン成分が50モル%に満た
ないとポリオレフィン系樹脂に対する付着性が悪くな
り、重量平均分子量が70,000を越えるとエアースプレー
等で塗工する際プライマーが微粒化せず、塗工面の美観
が損なわれるため好ましくない。又、プロピレン−α−
オレフィン共重合物のα−オレフィンの炭素数が6を越
えるとポリプロピレン系樹脂に対する付着性が悪くな
る。
【0014】カルボキシル基を導入するための不飽和カ
ルボン酸モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル
酸、マイレン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸
等があり、グラフト共重合量としてはポリオレフィンに
対し1〜10重量%が好ましい。1%未満では上塗り塗料
との付着が悪くなり、10%を越えるとポリオレフィン系
樹脂との付着性が悪くなる。
【0015】グラフト共重合反応に用いられるラジカル
発生剤としては、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキシ
ド、tert−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルパーオ
キシド、ベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオ
キシドベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキシ
ド、ジ−tert−ブチルジパーフタレートのようなパーオ
キシド類やアゾビスイソブチロニトリルのようなアゾニ
トリル類がある。
【0016】本発明のベースコート用バインダー樹脂組
成物は、上記したカルボキシル基含有塩素化ポリオレフ
ィン(a)に対して、エチレン性不飽和結合とグリシジ
ル基を有するモノマー(b)を1〜20重量%好ましくは
3〜15重量%グラフト共重合することにより得られる。
モノマー(b)の量が1重量%より少なすぎると、耐熱
性や耐紫外線性が悪くなるので好ましくない。逆に20重
量%より多すぎると、バインダー樹脂溶液が保存中に増
粘したりゲル化するため好ましくない。
【0017】グラフト共重合の方法は、カルボキシル基
含有塩素化ポリオレフィン(a)を適当に溶剤で希釈
し、次いで加温し、上記したラジカル発生剤を添加した
後、モノマー(b)を徐々に加えながら反応することを
基本プロセスとするが、(a)と(b)をあらかじめ混
合し、ラジカル発生剤を添加した後加温し反応しても良
い。
【0018】反応に使用する溶剤は、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系溶剤が好ましく、他に酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、n−ヘキサン、
ヘプタン等の脂肪族系溶剤、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状脂肪族系
溶剤等を併用しても差し支えない。又、メタノール、エ
タノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアル
コール系溶剤やプロピレングリコールメチルエーテル、
プロピレングリコールエチルエーテル等のエチレングリ
コールエーテル系溶剤を反応終了後反応溶液に対し2〜
10重量%添加することによりバインダー樹脂溶液の保存
安定性を改良することができる。
【0019】本発明でいうエチレン性不飽和結合とグリ
シジル基を有するモノマー(b)とは、例えば、アリル
グリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート等があり、エチレン性不飽和結合と
グリシジル基を少なくとも1個含有するモノマーであれ
ば使用できる。
【0020】本発明のバインター樹脂組成物はアルミペ
ーストや着色顔料を加え、必要であればその他の添加
剤、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料沈降防止剤
を添加し混練することにより、メタリック仕様のベース
コートを製造することができる。又、該バインダー樹脂
はそれだけでバランスのとれた塗膜物性を示すが、必要
であれば、アルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリ
ルポリオール、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルポリオール、ポ
リウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を添加して使用しても
差し支えない。
【0021】本発明の特徴とするところは、カルボキシ
ル基含有塩素化ポリオレフィン(a)に、エチレン性不
飽和結合とグリシジル基を有するモノマーをラジカル発
生剤の存在下でグラフト共重合することにより、ポリオ
レフィン系樹脂成型物に対し付着性、耐湿性はもとより
熱安定性、耐紫外線性の優れた諸物性を有するベースコ
ート用のバインダー樹脂を得ることにある。
【0022】即ち、カルボキシル基含有塩素化ポリオレ
フィン(a)成分中の塩素化ポリオレフィンは、ポリオ
レフィン系樹脂成型物に付着する成分であり、グラフト
共重合されたカルボキシル基は、上塗りに使用されるク
リヤーコートに付着する成分である。又、(a)成分に
グラフト共重合した不飽和結合とグリシジル基を有する
モノマーは塩素化ポリオレフィンに熱安定性や耐紫外線
性を付与する成分である。グリシジル基が塩素化ポリオ
レフィンに熱安定性や耐紫外線性を与える効果は、下式
に示すように、熱や紫外線が塩素化ポリオレフィンに作
用したとき、塩素化ポリオレフィンから遊離してくる塩
酸をグリシジル基が受容し安定化するものと考えられて
いる。
【0023】
【0024】勿論、塩素化ポリオレフィンにグリシジル
基を有するエポキシ化合物を添加しても熱安定性や耐紫
外線性は向上するが、塩素化ポリオレフィンからのエポ
キシ化合物の移行や塩素化ポリオレフィンとエポキシ化
合物が均一に相溶しない等の理由から、長期的には熱安
定性や耐紫外線性が損なわれるものである。又、カルボ
キシル含有塩素化ポリオレフィン中のカルボキシル基と
エポキシ化合物中のグリシジル基を、第三級アミン化合
物や錫系化合物等の触媒の存在下であらかじめ反応させ
共重合させることにより、上記の欠点を改良することも
可能であるが、該カルボキシル基とエポキシ化合物が架
橋反応を起こし三次元構造を形成するためポリオレフィ
ン系樹脂成型物との付着性が悪くなるという欠点があ
る。
【0025】本発明の場合、カルボキシル基含有塩素化
ポリオレフィンにグリシジルメタクリレートの如きエチ
レン性不飽和結合とグリシジル基を有するモノマーを、
ラジカル発生剤の存在下でグラフト共重合するため、上
記した三次元構造の形成が抑えられポリオレフィン系樹
脂成型物との付着性が損なわれないという利点がある。
即ち、ラジカル発生剤の作用でカルボキシル基含有塩素
化ポリオレフィンから、水素ラジカル又は塩素ラジカル
が引き抜かれ、該塩素化ポリオレフィンの主鎖上にラジ
カルが発生し、次いでエチレン性不飽和結合を有するモ
ノマーが主鎖上のラジカルと反応するいわゆるラジカル
反応によってグラフト共重合するためである。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0027】(製造例−1)重量平均分子量が40,000で
ある結晶性ポリプロピレン5kgを、攪拌機と滴下ロート
とモノマーを還流するための冷却管を取り付けた三口フ
ラスコに入れ、 180℃で一定に保たれた湯浴中で完全に
溶融した。フラスコ内を窒素で置換し、攪拌を行いなが
ら無水マレイン酸 200gを約5分かけて投入し、次にジ
−t−ブチルパーオキサイド20gを50mlのヘプタンに溶
解し滴下ロートより約30分間かけて投入した。このと
き、系内は 180℃に保たれ、更に15分間反応を継続した
後、アスピレーターでフラスコ内を減圧しながら約30分
間かけて未反応の無水マレイン酸を取り除いた。次にこ
の生成物をグラスライニングされた反応釜に投入し、80
リットルのクロロホルムを加え、2kg/cm2 の圧力下に
100℃で十分溶解した後、紫外線を照射しつつ塩素ガス
を反応釜底部より吹き込み、塩素含有率が22重量%にな
るまで塩素化反応を行い、溶媒のクロロホルムをエバポ
レーターで留去し、トルエン置換し、固形分30%トルエ
ン溶液のカルボキシル基含有塩素化ポリプロピレン(A
−1)を得た。次にこの(A−1)1kgを、攪拌機と滴
下ロートとモノマーを還流するための冷却管を取り付け
た三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素で置換し、90
℃で攪拌を行いながらベンゾイルパーオキシドを3g加
え、約30分間攪拌した。次にグリシジルメタクリレート
40gを滴下ロートより約60分間かけて投入し、更に3時
間反応した後濃度調整を行い、エチレン性不飽和結合を
有するモノマーがグラフト共重合されたカルボキシル基
含有塩素化ポリプロピレン(塩素含有率:19.2%、固形
分30%)のトルエン溶液(A−2)を得た。
【0028】(製造例−2)重量平均分子量が60,000で
プロピレン成分が68モル%のプロピレン−ブテン−エチ
レン共重合物(プロピレン−α−オレフィン共重合物)
5kgを、攪拌機と滴下ロートとモノマーを還流するため
の冷却管を取り付けた三口フラスコに入れ、180 ℃で一
定に保たれた湯浴中で完全に溶融した。フラスコ内を窒
素で置換し、攪拌を行いながら無水マレイン酸 300gを
約5分かけて投入し、次にジクミルパ−オキサイド30g
を50mlのヘプタンに溶解し滴下ロートより約30分間かけ
て投入した。このとき、系内は 180℃に保たれ、更に15
分間反応を継続した後、アスピレーターでフラスコ内を
減圧しながら約30分間かけて未反応の無水マレイン酸を
取り除いた。次にこの生成物をグラスライニングされた
反応釜に投入し、80リットルのクロロホルムを加え、2
kg/cm2 の圧力下に 100℃で十分溶解した後、紫外線を
照射しつつ塩素ガスを反応釜底部より吹き込み、塩素含
有率が18重量%になるまで塩素化反応を行い、溶媒のク
ロロホルムをエバポレーターで留去し、トルエン置換
し、固形分30%トルエン溶液のカルボキシル基含有塩素
化ポリオレフィン(B−1)を得た。次にこの(B−
1)1kgを、攪拌機と滴下ロートとモノマーを還流する
ための冷却管を取り付けた三口フラスコに入れ、フラス
コ内を窒素で置換し、90℃で攪拌を行いながらベンゾイ
ルパーオキシドを3g加え、約30分間攪拌した。次にグ
リシジルアクリレート30gを滴下ロートより約60分間か
けて投入し、更に3時間反応した後濃度調整を行い、エ
チレン性不飽和結合を有するモノマーがグラフト共重合
されたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン(塩素
含有率:16.2%、固形分30%)のトルエン溶液(B−
2)を得た。
【0029】(製造例−3)重量平均分子量が50,000で
ある結晶性ポリプロピレン5kgをグラスライニングされ
た反応釜に投入し、80リットルのクロロホルムを加え、
2kg/cm2 の圧力下に 100℃で十分溶解した後、紫外線
を照射しつつ塩素ガスを反応釜底部より吹き込み、塩素
含有率が27重量%になるまで塩素化反応を行い、溶媒の
クロロホルムをエバポレーターで留去し、トルエン置換
し、固形分30重量%の塩素化ポリプロピレンのトルエン
溶液を得た。次にこの塩素化ポリプロピレン1kgを、攪
拌機と滴下ロートとモノマーを還流するための冷却管を
取り付けた三口フラスコに入れ、フラスコ内を窒素で置
換し、90℃で攪拌を行いながらベンゾイルパーオキシド
を3g加え、約30分間攪拌した。次にメタクリル酸15g
を滴下ロートより約30分間かけて投入し、更に3時間反
応した後濃度調整を行い、カルボキシル基含有塩素化ポ
リプロピレン(塩素含有率:25.4重量%、固形分30重量
%)のトルエン溶液(C−1)を得た。次に再びベンゾ
イルパーオキシド 1.5gを加え、約30分間攪拌し、アリ
ルグリシジルエーテル20gを滴下ロートより約60分間か
けて投入し、更に3時間反応した後濃度調整を行い、エ
チレン性不飽和結合を有するモノマーがグラフト共重合
されたカルボキシル基含有塩素化ポリプロピレン(塩素
含有率:23.8%、固形分30%)のトルエン溶液(C−
2)を得た。製造例1〜3で得た組成物の内容を表1に
示した。
【0030】
【表1】
【0031】(実施例−1)製造例−1で得た(A−
1) 100g、シクロヘキサン43g、イソプロパノール7
g、アルミペースト3gを混合し、フォードカップ#4
で13〜14秒/20℃になるようトルエンで粘度調製を行
い、水で洗浄したポリプロピレン板に膜厚10μmになる
ようスプレー塗装した。数分後、クリヤー塗料(2液硬
化型ウレタン塗料)を膜厚が30〜40μmになるようスプ
レー塗装し、約15分間室温で乾燥した後80℃で30分強制
乾燥を行い、更に1日間室温で静置後、塗膜の試験を行
った。ベースコートの配合は表2に、塗膜の試験結果は
表3に示した。
【0032】(実施例−2及び3)表2に示した配合表
に基き、実施例−1と同様な方法でベースコートを作製
し、塗膜の試験を行った。結果を表3に示した。
【0033】(比較例−1)製造例−3で得た(C−
1) 100g、安定剤としてビスフェノールAグリシジル
エーテル(エポキシ樹脂、エポキシ当量: 184〜194)3
g、 1.8−ジアゾ−ビシクロ−ウンデセン−7(第三級
アミン系触媒) 0.5g、シクロヘキサン50g、アルミペ
ースト3gを混合し、実施例−1と同様な方法でベース
コートを作製し、塗膜の試験を行った。ベースコートの
配合は表2に、塗膜の試験結果は表3に示した。
【0034】(比較例−2)製造例−2で得た(B−
1) 100g、トリメチロールプロパンポリグリシジルエ
ーテル(エポキシ樹脂、エポキシ当量: 135〜150) 2.3
g、 1.8−ジアゾ−ビシクロ−ウンデセン−7(第三級
アミン系触媒) 0.5gを混合し85℃で5時間攪拌し反応
した。次にこの反応物を製造例−1と同様な方法でベー
スコートを作製し塗膜の試験を行った。ベースコートの
配合は表2に、塗膜の試験結果は表3に示した。
【0035】(比較例−3)製造例−1で得た(A−
1) 100g、ソルビタンポリグリシジルエーテル(エポ
キシ樹脂、エポキシ当量: 179) 2.8g、2−エチルヘ
キシル錫(錫系触媒)0.15gを混合し80℃で8時間攪拌
し反応した。次にこの反応物を製造例−1と同様な方法
でベースコートを作製し塗膜の試験を行った。ベースコ
ートの配合は表2に、塗膜の試験結果は表3に示した。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】(塗膜試験方法) ○耐紫外線性 QUV促進耐候試験機(米国 The Q-Panel Company製)
に塗膜板をセットし、紫外線を照射し、経過時間毎に付
着性を測定した。付着試験の方法は、塗面上に1mm間隔
で素地に達する 100個の碁盤目を作り、その上にセロフ
ァン粘着テープを密着させて 180°方向に引き剥がし、
付着の程度を判定した。
【0039】○耐熱性 60℃に調整した送風乾燥機に塗装板をセットし、経過時
間毎に付着性を測定した。付着試験の方法は耐紫外線性
と同じ。
【0040】○耐ガソリン性 塗面上に素地に達するスクラッチ(×印)を入れ、ガソ
リンに浸漬し塗膜が剥離するまでの時間で判定した。
【0041】○耐温水性 40℃の温水に塗装板を 240時間浸漬し塗膜の状態を調べ
た。又、塗面上に素地に達するスクラッチ(×印)を入
れ、その上にセロファン粘着テープを密着させて 180°
方向に引き剥がし塗膜の付着性を調べた。
【0042】○耐湿性 50℃相対湿度98%の雰囲気に 240時間放置し、耐温水性
と同様な方法で、塗膜の状態と付着性を調べた。
【0043】
【発明の効果】表3の結果より、実施例−1〜3のよう
に、エチレン性不飽和結合を有するモノマーがラジカル
発生剤の存在下でグラフト共重合されたカルボキシル基
含有塩素化ポリオレフィンをバインダー樹脂としたベー
スコートは、比較例−1のようにカルボキシル基含有塩
素化ポリオレフィンにグリシジル基を含有するエポキシ
化合物と第三級アミン系触媒を添加したもの、及び比較
例−2,3のように第三級アミン系触媒や錫系触媒の存
在下であらかじめカルボキシル基とグリシジル基を反応
させたものに較べ、耐紫外線性、耐熱性、耐ガソリン
性、耐温水性、耐湿性が優れており、本発明の製造方法
で得られたベースコート用バインダー樹脂組成物がポリ
オレフィン系樹脂成型物に対し、有用であることが分か
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボン酸又はカルボン酸無水物
    の含有量が1〜10重量%、塩素含有量が5〜50重量%の
    カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィンに、(b)エ
    チレン性不飽和結合とグリシジル基を有するモノマー1
    〜20重量%をラジカル発生剤の存在下で、グラフト共重
    合することを特徴とするベースコート用バインダー樹脂
    組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料ポリオレフィンの重量平均分子量が
    10,000〜70,000の結晶性ポリプロピレン、又は重量平均
    分子量が10,000〜70,000で且つプロピレン成分を50〜97
    モル%含有するプロピレン−α−オレフィン共重合物で
    あって、α−オレフィンの炭素数が2又は4〜6である
    請求項1記載のベースコート用バインダー樹脂組成物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィ
    ンが、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸又は不飽和カ
    ルボン酸無水物をグラフト共重合後、塩素化することに
    より得られたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン
    である請求項1又は2記載のベースコート用バインダー
    樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】 カルボキシル基含有塩素化ポリオレフィ
    ンが、ポリオレフィンを塩素化後、不飽和カルボン酸又
    は不飽和カルボン酸無水物をグラフト共重合することに
    より得られたカルボキシル基含有塩素化ポリオレフィン
    である請求項1又は2記載のベースコート用バインダー
    樹脂組成物の製造方法。
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